JPH0989913A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH0989913A
JPH0989913A JP27188095A JP27188095A JPH0989913A JP H0989913 A JPH0989913 A JP H0989913A JP 27188095 A JP27188095 A JP 27188095A JP 27188095 A JP27188095 A JP 27188095A JP H0989913 A JPH0989913 A JP H0989913A
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movement
moving device
cantilever
moving
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JP27188095A
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Yoshihiro Hoshino
吉弘 星野
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走査型プローブ顕微鏡において移動装置の移
動量を正確に把握し、試料表面の観察中または観察後に
較正を行い、歪みの少ない観察像を得る。 【解決手段】 探針13を備え、探針と試料12の間の物理
量に応じて変位するカンチレバー14と、カンチレバーの
たわみによる変位量を検出する変位量検出回路20と、円
筒型圧電体31を用いて構成され、試料12とカンチレバー
の一方を試料の観察面に平行な方向と直交する方向に移
動させる移動装置15と、移動装置の移動量を制御する移
動量制御装置21,22 と、変位量検出回路と移動量制御装
置からのデータに基づき試料の表面に関係する物理量を
演算し画像化する画像作成手段37を備え、移動装置の圧
電体に歪みゲージ1a-3a を付設し、歪みゲージを利用し
て移動量検出回路36を形成することにより、移動装置の
移動量を検出するように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査型プローブ顕微
鏡に関し、特に、試料表面に探針を接近させたときに両
者間に働く原子間力や磁気力等の物理量を利用して試料
の表面形状や磁気情報等を得る走査型プローブ顕微鏡に
おいて、画像を作成するの測定データの精度を向上する
ための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】試料の表面または表面近傍における物理
量を利用する走査型プローブ(探針)顕微鏡としては、
例えば原子間力顕微鏡(AFM)がある。原子間力顕微
鏡は、プローブすなわち探針と試料との間に働く原子間
力を利用して試料の表面形状に関する情報を得るもので
ある。すなわち、カンチレバーに備えられた探針を試料
に接近させ、これらの間に働く原子間力によるカンチレ
バーのたわみ(変位)を測定し、その変位が一定に保た
れるように、試料の観察面に対して実質的に垂直な方向
(Z軸方向)における探針と試料との相対位置を制御し
ながら、両者を相対的に観察面に沿う実質的に平行な方
向(X軸およびY軸の各方向)に移動させて走査を行う
ことにより、試料の表面形状に関する情報を得るもので
ある(特開昭62−130302号公報)。
【0003】走査型プローブ顕微鏡では、試料とカンチ
レバーとの間において相対的な移動を行うための移動装
置として主に圧電素子を利用した装置が用いられてい
る。この移動装置は極めて微細な移動を行うためのもの
であり、微動機構とも呼ばれる。移動装置の代表的なも
のとしては、円筒型圧電素子の外周面にX,Y,Zの各
方向に対応する分割された複数の電極を取り付け、各電
極に所要の電圧を加えることにより円筒型圧電素子の先
端部に必要な変位を生じさせるようにした装置、または
3本のロッド状圧電素子を直交するように組み合わせた
トライポッド型の装置等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の移動装置に使用
される圧電素子は、印加電圧に対する変位量が非直線性
を有することが知られている。また印加電圧と変位量と
の間の変化特性でヒステリシス現象が発生することや、
電圧印加後にクリープと呼ばれる変位量の緩和現象が発
生することも知られている。
【0005】従って、圧電素子を利用して構成された移
動装置に例えばカンチレバーを設けるように構成された
走査型プローブ顕微鏡において、関連する各電極へ印加
した電圧を比例的に変化させ、試料表面をX,Yの各方
向に走査して試料の表面形状等を観察するとき、較正を
行わなければ観察像が歪むという問題が生じる。
【0006】かかる問題に対処するために、従来では、
予め圧電素子の印加電圧に対する変位量の特性を測定
し、この測定結果に基づいて印加電圧に対する変位量の
補正係数を求め、補正を行うようにしていた。しかしな
がら、非直線性やヒステリシス現象が駆動開始時の電圧
値や最大電圧に応じて変化し、さらにクリープ現象もあ
るため正確な座標位置の較正は困難であった。
【0007】本発明の目的は、上記の問題を解決するこ
とにあり、圧電素子で構成される移動装置の各方向の移
動量を正確に把握し、試料表面の観察中あるいは観察後
に較正または補正を行い、歪みの少ない観察像を得るこ
とができる走査型プローブ顕微鏡を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】第1の本発明
(請求項1に対応)に係る走査型プローブ顕微鏡は、先
部に探針が備えられ、この探針と試料との間の物理量
(例えば試料表面との間における原子間力など)に対応
して変位が生じるカンチレバーと、カンチレバーのたわ
み等による変位量を検出する変位量検出装置(例えば光
てこ方式の検出装置)と、例えば円筒型圧電素子を用い
て構成され、試料とカンチレバーのいずれか一方を試料
の観察面に沿う方向(観察面に平行なXY平面を定義す
るX軸、Y軸の各方向)および当該観察面に交差する方
向(好ましくは観察面に直交するZ軸方向)に微小距離
にて移動させる移動装置と、移動装置の移動量を制御す
る移動量制御装置と、変位量検出装置と移動量制御装置
により得られたデータに基づき試料の表面に関係する高
さ等の物理量を演算し画像化する画像作成手段とを備
え、移動装置に含まれる圧電素子に歪みゲージを付設
し、歪みゲージを利用して移動量検出回路を形成するこ
とにより、移動装置の移動量を検出するように構成され
る。移動量検出回路は、好ましくは、歪みゲージを可変
抵抗要素として含んで構成されるブリッジ回路である。
【0009】第2の本発明(請求項2に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡は、上記の第1の発明において、試
料の表面に関係する物理量を演算し画像化する際に、移
動量検出回路から出力された移動量検出信号によって、
作成される画像を較正するように構成される。
【0010】第3の本発明(請求項3に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡は、上記の第1の発明において、前
記移動量検出回路により検出した移動量検出信号によっ
て、移動量制御装置から出力される制御信号を直接に補
正し、補正された制御信号によって移動装置の動作を制
御するように構成される。
【0011】本発明では、試料あるいはカンチレバーを
移動させる移動装置は、アクチュエータとして圧電素子
が利用される。この圧電素子は、付設された電極を通し
て印加された電圧に応じて、電極に対応する素子部分が
伸縮し、圧電素子全体として必要な変位を生じ、移動装
置全体として必要な移動量を生じる。移動装置の圧電素
子に伸縮が生じる際には歪みが伴う。そこで、圧電素子
に、例えば電極部分等を利用して歪みゲージを付設し、
かつブリッジ回路を利用した移動量検出回路を設けるこ
とにより、当該歪みを測定する。これにより、圧電素子
の伸縮量すなわち移動装置の移動量を実際に正確に測定
することが可能となる。このように、走査型プローブ顕
微鏡において、歪みゲージによって測定された移動装置
の移動量に基づいて観察像の較正あるいは移動装置の移
動量の制御を行うことにより、圧電素子の非直線性やヒ
ステリシス等の影響を排除し、歪みの少ない正確な寸法
の観察像を得る。歪みゲージは軽量であるため、移動装
置に付加しても移動装置の重量を増さず、かつ寸法的な
制約にも対処できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面に基づいて本発
明の実施形態を説明する。
【0013】図1は本発明の第1の実施形態である走査
型プローブ顕微鏡の全体構成を示し、図2は微動用移動
装置(微動機構)の拡大斜視図を示す。本実施形態で
は、走査型プローブ顕微鏡として原子間力顕微鏡を示
し、カンチレバーの変位検出手段として光てこ方式を示
し、またカンチレバーを移動装置により微小に移動させ
る構成のものを示している。
【0014】原子間力顕微鏡では、試料台11の上に試
料12が配置され、試料12の観察表面に臨む探針13
を先部に設けたカンチレバー14が、試料12の上側に
配置される。試料台11は、図示しない試料台用移動装
置によって、XY方向に移動可能である。カンチレバー
14は円筒型の移動装置15の下端に固定される。移動
装置15を支持するための構造部の図示は省略される。
円筒型の移動装置15は、その軸方向が試料台11の上
面に対して実質的に垂直になるように配置される。この
軸方向はZ軸方向として定義される。試料12の観察面
に対してZ軸方向はほぼ垂直になっている。
【0015】探針13が設けられたカンチレバー14の
先部背面には反射面が設けられる。カンチレバー14の
上方位置には、レーザ光源16と集光レンズ17とフォ
トダイオード18が配置される。レーザ光源16と集光
レンズ17とフォトダイオード18を取り付けるための
構造部の図示は省略される。レーザ光源16から出射さ
れたレーザ光19は、集光レンズ17で集光され、カン
チレバー14の上記反射面に照射され、さらに反射面で
反射されたレーザ光19はフォトダイオード18に入射
される。上記の光学的構成が形成されるように、カンチ
レバー14に対するレーザ光源16と集光レンズ17と
フォトダイオード18の各設置位置が設定される。探針
13と試料12の表面との間で生じる原子間力に応じて
カンチレバー14の先端部の位置が上下に変化すると、
カンチレバー14にたわみすなわち変位が生じる。カン
チレバー14に変位が生じると、フォトダイオード18
におけるレーザ光19の入射位置が変化し、これによっ
て試料12との間の原子間力に起因して生じるカンチレ
バー14の変位量が検出される。カンチレバー14の変
位量は、変位量検出回路20によって検出される。
【0016】移動装置15は、カンチレバー14を、上
記Z軸方向、および試料12の観察面にほぼ平行な面を
形成するX軸方向およびY軸方向に微小に移動させる。
X,Y,Zの各軸は直交している。カンチレバー14の
Z軸方向の移動は、試料表面への接近、試料表面からの
退避の動作であり、カンチレバー14のX軸およびY軸
の各方向の移動は、試料の観察面の凹凸形状を測定する
走査を行うための動作である。21は移動装置15のZ
軸方向の移動動作を制御する制御回路であり、22は試
料表面を走査するための移動動作を制御する走査回路で
ある。
【0017】移動装置15の詳細な構造を、図2に示し
た移動装置の外観図に従って説明する。移動装置15
は、円筒型圧電体31と、円筒型圧電体31の内面のほ
ぼ全面に設けられた共通電極32と、円筒型圧電体31
の外面にて対向して設けられる各2枚のX軸電極33お
よびY軸電極34と、同外面の下部の全周囲に設けられ
るZ軸電極35とからなる。X軸電極33とY軸電極3
4は、互いに90度位置をずらせて設けられる。2枚の
X軸電極33のそれぞれに逆相の電圧が印加されると、
一方の部分が伸びかつ他方の部分が縮むことにより、円
筒型圧電体31をX軸方向に変位が生じるように曲げ変
形させ、カンチレバー14をX軸方向に変位させる。ま
た2枚のY軸電極34のそれぞれに同様に逆相の電圧が
印加されると、一方の部分が伸びかつ他方の部分が縮む
ことにより、円筒型圧電体31をY軸方向に変位が生じ
るように曲げ変形させ、カンチレバー14をY軸方向に
変位させる。これにより、探針13を、試料観察面に対
応するXY平面で走査動作させることが可能となる。ま
たZ軸電極35に電圧を印加すると、円筒型圧電体31
をその軸方向に変形させ、カンチレバー14をZ軸方向
に伸縮させて変位を生じる。上記のX軸電極33とY軸
電極34に関連する部分はXY駆動部を形作り、上記Z
軸電極35に関連する部分はZ駆動部を形作る。
【0018】移動装置15の上記XY駆動部の動作は上
記走査回路22によって制御され、上記Z駆動部は上記
制御回路21によって制御される。
【0019】2枚のX軸電極33のそれぞれ、および2
枚のY軸電極34のそれぞれには、円筒型圧電体31の
変形に伴って生じる歪みを効果的に検出できる望ましい
箇所に歪みゲージ1a,1b,2a,2b(図2中では
隠れて見えない)が貼りつけられる。歪みゲージの感応
方向は、変形が生じる方向に一致させる。同様にZ軸電
極35には2枚の歪みゲージ3aが貼り付けられる。歪
みゲージは市販のものを用いて例えば貼着で取り付ける
こともできるが、蒸着等の方法によって膜状に形成する
こともできる。歪みゲージ1a〜3aそれぞれ取り付け
箇所の変形量に感応し、後述するブリッジ回路に可変抵
抗素子として組み込まれ、これによって移動装置15の
X,Y,Zの各方向の実際の移動量(変位量)を検出す
ることが可能となる。
【0020】上記の実施形態では各電極に歪みゲージが
設けられたが、歪みゲージは、対応する電極に関連する
圧電素子部分の歪みを検出することが目的であるので、
円筒型圧電体31に直接に設けることも可能である。
【0021】図1において36は移動量検出回路であ
る。移動量検出回路36は、上記の歪みゲージ1a〜3
aを用いて、各方向ごとの歪みを利用して移動量を検出
するためのものであり、歪みゲージを利用してブリッジ
回路として構成される
【0022】前述の制御回路21、走査回路22、およ
び移動量検出回路36は、上位の制御装置37で一括し
て制御される。試料12の観察面を走査して得られた観
察面の凹凸形状に関する情報は測定結果として制御装置
37で収集され、記憶される。これらの測定データは、
制御装置37内に設けられた画像作成手段による演算処
理を行うことによって、表示装置38に試料の観察面の
立体的なまたは平面的な形状として表示される。
【0023】次に、上記構成を有する原子間力顕微鏡の
動作を説明する。
【0024】試料台11に配置された試料12の測定を
行うには、探針13が取り付けられたカンチレバー14
を、比較的に大きな移動量を生じさせるZ軸方向の移動
機構(図示せず)と移動装置15のZ駆動部(Z軸電極
35等)によってZ方向に移動させ、探針13を試料1
2に接近させる。探針13と試料12とが1nm程度ま
での距離に接近すると、両者の間に微小な原子間力が働
いてカンチレバー14にたわみが生じる。このカンチレ
バー14の変位量は、変位量検出装置における上記フォ
トダイオード18の受光面上の受光位置の変化として検
出され、変位量信号として出力される。この変位量信号
は、変位量検出回路20を介して制御回路21に入力さ
れる。制御回路21は、カンチレバー14の変位量が一
定となるように移動装置15のZ駆動部の移動量を調整
しつつ、他方走査回路22は、移動装置15のXY駆動
部の移動量を調整することにより、試料12の観察面内
の所定領域で探針13を移動・走査させる。この時の移
動装置15のX軸、Y軸、またはZ軸の各方向の移動量
(変位量)は、移動装置15の各電極32〜34に貼り
つけられた歪みゲージ1a〜3aによって検出される。
当該移動量は、移動量検出回路36を介して制御装置3
7に入力される。制御装置37では、移動量検出回路3
6から出力された検出信号に基づいて観察像を作成する
ためのデータを較正し、こうして得られたデータを用い
て表示装置38の画面に観察像の表示を行う。
【0025】移動装置は、前述の通り、円筒型圧電体3
1と複数の電極32〜35とからなり、かつ所定電極の
それぞれに歪みゲージ1a〜3aを直接に貼りつけてい
る。円筒型圧電体31の変形に伴って発生する歪みを、
これらの歪みゲージを利用して検出するためにブリッジ
回路が使用される。この例では、X,Y,Zの各軸方向
共に2枚の歪みゲージを使用し、2枚の歪みゲージのそ
れぞれを歪み量に応じて抵抗値が変化する可変抵抗要素
として用いることによりブリッジ回路を構成している。
【0026】X軸方向とY軸方向の各ブリッジ回路に
は、2枚の歪みゲージの組(1a,1b)、(2a,2
b)において各歪みゲージで検出しようとする歪みの発
生方向が反対となることから、図3に示される回路構成
が用いられる。一方、Z軸方向のブリッジ回路には、2
枚の歪みゲージ3a,3aにおいてそれぞれで検出しよ
うとする歪みの発生方向が同じ方向となることから、図
4に示される回路構成が用いられる。図3および図4の
ブリッジ回路において、抵抗41,42は抵抗値が一定
の固定抵抗である。図3に示されるブリッジ回路におい
て、X軸方向およびY軸方向の変位量は電圧e0 として
出力される。図4に示されるブリッジ回路において、Z
軸方向の変位量は電圧e0 として出力される。
【0027】円筒型圧電体31に生じる歪みεとブリッ
ジ回路の出力電圧e0 との関係は、各歪みゲージの抵抗
値に関し初期抵抗値と歪みに起因する歪みゲージの抵抗
変化が等しいとすると、X,Y,Zの各方向とも次式
(1)で表される。
【0028】
【数1】 e0 =1/2・KS ・ε・ei …(1) ここで、KS はゲージ率、ei はブリッジ回路の入力電
圧である。
【0029】静電容量型変位計やレーザ変位計などの高
精度な変位計を用いて移動装置15の各方向の移動量と
ブリッジ回路の出力電圧との関係を予め測定して把握す
ることにより、移動装置15に付加した歪みゲージ、お
よびこれによるブリッジ回路を、移動装置15の高精度
な変位計とすることができる。上記Z駆動部と図4に示
したブリッジ回路と静電容量型変位計とによって予備実
験を行った結果、歪みゲージにより10nm以下の変位
検出分解能が得られることを確認している。このように
して、移動装置15の移動量を正確に得ることができ
る。
【0030】上記構成によって、移動量検出回路36を
経由して移動装置15におけるX,Y,Zの各方向の実
際の移動量を正確に知ることができる。移動量検出回路
36から出力される信号は、観察像の較正に使用され
る。こうして、移動装置15を構成する円筒型圧電体3
1の非直線性やヒステリシス等の影響による歪みのない
正確な寸法の観察像を得ることができる。
【0031】また円筒型圧電体に寸法的な余裕があれ
ば、図5に示すようにX軸、Y軸、Z軸の各方向に関し
て4枚の歪みゲージ51a〜51d(51c,51dは
図中隠れて見えない),52a〜52d(52b,52
dは図中隠れて見えない),53a〜53dを貼りつ
け、各軸方向ごとにブリッジ回路を構成することもでき
る。図6はX軸方向およびY軸方向の場合のブリッジ回
路を示し、図7はZ軸方向の場合のブリッジ回路を示
す。
【0032】歪みゲージ51a〜51dは、各X軸電極
33に2枚ずつ貼り付けられ、いずれの歪みゲージも円
筒型圧電体31の伸縮方向と同一方向に検出感度を有す
る。歪みゲージ52a〜52dも、各Y軸電極34に対
して同様に貼り付けられる。図6に示したブリッジ回路
において、円筒型圧電体31のXY駆動部に生じる歪み
εと出力電圧e0 との関係は次式(2)で表される。
【0033】
【数2】 e0 =KS ・ε・ei …(2)
【0034】上記式(2)と式(1)を比較すると、同
じ歪みに対する出力電圧が2倍となっており、X,Yの
各方向に関し2枚の歪みゲージを使用する場合に比較し
て検出感度が2倍となる。
【0035】またZ駆動部に関する歪みゲージ53a〜
53dについては、53a,53bは円筒型圧電体31
の伸縮方向に検出感度が一致するように貼り付け、53
c,53dは当該伸縮方向に検出感度が直交するように
貼り付けるようにしている。Z軸方向に関しては、円筒
型圧電体の伸縮方向に貼り付けた歪みゲージに伸びが生
じる場合には垂直方向に貼り付けた歪みゲージに縮みが
生じ、円筒型圧電体の伸縮方向に貼り付けた歪みゲージ
に縮みが生じる場合には垂直方向に貼り付けた歪みゲー
ジに伸びが生じるので、図7に示すようなブリッジ回路
を形成する。図7に示したブリッジ回路において、円筒
型圧電体31のZ駆動部に生じる歪みεと出力電圧e0
との関係は次式(3)で表される。
【0036】
【数3】 e0 =(1+ν)/2・KS ・ε・ei …(3) ここで、νは圧電素子のポアソン比である。
【0037】このブリッジ回路によれば、2枚の歪みゲ
ージの場合に比較して(1+ν)倍の検出感度となる。
このように、4枚の歪みゲージによってブリッジ回路を
構成することにより、2枚に歪みゲージを用いた場合に
比較して、高精度な移動量を検出することができる。
【0038】図8は、本発明の第2の実施形態である原
子間力顕微鏡の全体構成を示す。本実施形態が第1の実
施形態と異なる点は、移動量検出回路36から出力され
る信号が制御回路21および走査回路22に入力される
ことである。その他の構成は第1の実施形態と同じであ
る。この構成によれば、移動装置15の移動量を、移動
量検出回路36から出力される実際に測定された移動量
(変位量)を用いて補正し、もって移動装置15の動作
を所望の状態に正確に制御できる。本実施形態による構
成によっても第1の実施形態と同様に、円筒型圧電体3
1の非直線性やヒステリシス等に起因する歪みのない正
確な寸法を有する観察像を得ることができる。
【0039】また上記の各実施形態においては、カンチ
レバーの変位検出手段として光てこ方式を取り上げてい
るが、走査型トンネル顕微鏡等、他の変位検出手段を適
用した場合でも同様の効果を得ることができる。またカ
ンチレバー14を、円筒型圧電体31を利用した移動装
置15により移動させるようにしたが、試料等他の部分
が移動装置により移動するようにしてもよい。さらに、
走査型プローブ顕微鏡の一例として原子間力顕微鏡を取
り上げたが、走査型トンネル顕微鏡や磁気力顕微鏡等、
他の走査型プローブ顕微鏡においても、上述した問題が
そのまま当てはまるので、本発明の構成を適用すること
ができるのは勿論である。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、試料と探針との位置関係を互いに相対的に移動さ
せる移動装置に含まれる圧電素子に歪みゲージを設け、
この歪みゲージによって移動量検出回路を構成し、移動
装置の変形時に変形方向の実際の移動量を、歪みゲージ
および移動量検出回路によって正確に検出し、観察像の
較正、あるいは移動装置の移動量の補正・制御に用いる
ようにしたため、圧電素子の非直線性やヒステリシス等
の影響による観察像の歪みを排除し、歪みのない正確な
寸法の観察像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す全体構成図であ
る。
【図2】移動装置の第1の例を示す拡大斜視図である。
【図3】ブリッジ回路の第1の例を示す回路図である。
【図4】ブリッジ回路の第2の例を示す回路図である。
【図5】移動装置の第2の例を示す拡大斜視図である。
【図6】ブリッジ回路の第3の例を示す回路図である。
【図7】ブリッジ回路の第4の例を示す回路図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す全体構成図であ
る。
【符号の説明】
1a〜3a 歪みゲージ 11 試料台 12 試料 13 探針 14 カンチレバー 15 移動装置 16 レーザ光源 17 集光レンズ 18 フォトダイオード 20 変位量検出回路 21 制御回路 22 走査回路 31 円筒型圧電体 33 X軸電極 34 Y軸電極 35 Z軸電極 36 移動量検出回路 37 制御装置 38 表示装置 51a〜53d 歪みゲージ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先部に探針を備え、この探針と試料の間
    の物理量に応じて変位するカンチレバーと、前記カンチ
    レバーの変位量を検出する変位量検出手段と、圧電素子
    を用いて構成され、前記試料と前記カンチレバーのいず
    れかを前記試料の観察面に沿う方向および前記観察面に
    交差する方向に移動させる移動手段と、前記移動手段の
    移動量を制御する移動量制御手段と、前記変位量検出手
    段と前記移動量制御手段より得られたデータに基づき前
    記試料の表面に関係する物理量を演算し画像化する画像
    作成手段とを備えた走査型プローブ顕微鏡において、 前記移動手段の前記圧電素子に歪みゲージを付設し、前
    記歪みゲージを利用して移動量検出回路を形成すること
    により、前記移動手段の移動量を検出するようにしたこ
    とを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 試料の表面に関係する物理量を演算し画
    像化する際に、前記移動量検出回路から出力された移動
    量検出信号によって画像を較正するようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記移動量検出回路により検出した移動
    量検出信号によって、前記移動量制御手段から出力され
    る制御信号を補正するようにしたことを特徴とする請求
    項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
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