JPH04212001A - 走査型トンネル顕微鏡 - Google Patents

走査型トンネル顕微鏡

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JPH04212001A
JPH04212001A JP147191A JP147191A JPH04212001A JP H04212001 A JPH04212001 A JP H04212001A JP 147191 A JP147191 A JP 147191A JP 147191 A JP147191 A JP 147191A JP H04212001 A JPH04212001 A JP H04212001A
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probe
inclination
scanning
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Application number
JP147191A
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English (en)
Inventor
Hikari Yamamoto
光 山本
Akira Hashimoto
昭 橋本
Kazuhide Seki
一秀 関
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型トンネル顕微鏡
に関し、特に、試料面の傾斜に起因する観察の誤情報を
取り除くため、必要に応じて試料の姿勢を変更できる試
料姿勢調整機構を備えた走査型トンネル顕微鏡に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】走査型トンネル顕微鏡において、探針は
、観察または測定を行う試料表面の領域に、トンネル電
流が流れる程度の極めて小さい距離に近づけられ、かつ
試料面の当該領域を所定の範囲で走査するように、位置
制御される。探針の空間的な位置座標は、探針の先端か
ら根元に向かう軸方向をZ軸とし、このZ軸に直角な平
面内に含まれ且つ互いに直交する位置関係にある2方向
をそれぞれX軸及びY軸とすることにより、これらのX
,Y,Zの座標値によって決定される。この空間座標を
用いて、CRTモニタに、観察しようとする試料面の鳥
かん図を表示したり、Z座標に対する輝度変調像を表示
する。このようにして得られた走査型トンネル顕微鏡に
よる画像は、試料面の凹凸形状の情報を反映したもので
あり、この画像によって試料面における、原子レベルで
の微細な形状を観察し、解析することができる。
【0003】また走査型トンネル顕微鏡において、通常
、試料を載置する試料台のステージ面と探針の軸方向と
は直角になるように構成されている。換言すれば、ステ
ージ面と、探針の先端が移動する平面とは平行になって
いることが望まれる。これにより、試料を観察するとき
において、試料の測定面に対して臨むように配置された
探針は、試料面の所定領域を、当該試料面に平行になる
如く走査し、当該領域の凹凸状態について正確な情報を
得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】走査型トンネル顕微鏡
において、探針が検出したい情報は、試料面の凹凸形状
に関するデータである。ところが、試料台に載置された
試料について、測定しようとする試料面が探針の軸方向
に対し傾斜している場合には、探針は、試料面の傾きが
原因となって、試料面における各部位の高さ情報まで検
出することになる。探針で得ようとする情報が、試料面
の凹凸情報であるという観点に従えば、測定しようとす
る試料面が探針の軸方向に対して傾斜している場合には
、試料面について、正しい凹凸情報を得ることができな
いという問題が提起される。
【0005】上記の如く、従来の走査型トンネル顕微鏡
では、探針の先端から根元に向かう軸方向に直角な面と
、測定時における探針の試料走査面との間における平行
な対応づけが完全に行われておらず、そのため鳥かん図
や輝度変調像をCRTモニタに表示した場合、走査しよ
うとする試料表面の傾斜がそのまま表示され、試料の表
面凹凸形状を解析しようとする場合に障害になる。
【0006】上記の問題に対して、従来では、ナノメー
タというオーダの傾斜補正を行う機構部が実現できなか
ったため、ソフト技術により、補正を行うようにしてい
た。第1の補正方法は、測定終了後に測定データに対し
て2次元の最小二乗法を用いてベースとなる面を求め、
測定データとベース面の差分をとり、新たにこれをデー
タとする方法である。第2の補正方法は、同様にしてベ
ースとなる面を求め、ベース面の上に新たに座標系を定
義し、この座標系の法線方向に測定データを探してデー
タとする方法である。また、その他の方法として、測定
開始前に測定面の代表的な走査線につき傾斜データを採
集し、これに基づき測定中に探針の距離データをソフト
的に補正するという方法もある。前記第1の従来法では
、図6に示すように、差分101と実際の高さが異なる
ので、傾斜した試料面100において真の最高点P1 
と補正後の最高点P2 とが相違するという不具合が生
じる。また前記第2の従来法では、データが離散的に求
められるので、高さ方向または平面方向における2点間
の距離に量子化誤差が含まれるという不具合いが生じる
。 さらに、ソフト技術による補正は、補正のための処理に
時間を要し、探針の制御系の動作が遅くなり、測定に時
間を要するという不具合も生じる。
【0007】また、探針と試料面との間の距離を一定に
保持するための制御は、通常、圧電素子を利用した微動
機構を用いて行われる。この微動機構用の圧電素子によ
る探針の軸方向の動作ストロークには、制限があり、試
料面が探針の軸方向(Z軸方向)に対して傾斜している
場合には探針が試料面に追従できない場合があり、また
試料面の凸部に衝突する場合も発生し、画像情報そのも
のを得られないことがある。
【0008】本発明の第1の目的は、上記の問題に鑑み
、観察しようとする試料面に傾きが存在するとき、探針
と試料面との相対的関係として当該傾きをなくし、探針
の軸方向と試料面とが実質的に直角であるという適切な
位置関係を維持できるようにし、観察・測定を迅速にか
つ正確に行うことができる走査型トンネル顕微鏡を提供
することにある。
【0009】本発明の第2の目的は、第1の目的を達成
するために設けられる試料姿勢調整機構で、試料の姿勢
を変更する試料台の位置変更手段として、圧電素子を使
用し、極めて微細な変位を発生させて、試料面における
原子レベルの微細な傾きを補正することを可能にする走
査型トンネル顕微鏡を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る走査型トン
ネル顕微鏡は、観察される対象である試料に対しごく近
い距離で接近して配置される探針と、この探針と前記試
料との間の距離を変化させ、試料に対して探針を近づけ
たりまたは離したりする移動機構と、探針と試料の間の
距離について所定の条件が満足されるとき探針と試料と
の間にトンネル電流が流れるための電圧を印加する電圧
印加手段と、トンネル電流を測定する測定手段と、測定
されたトンネル電流が一定に保持されるように、移動機
構を介して探針と試料との間の距離を制御する制御手段
と、探針に試料の表面を走査させる走査手段と、探針で
得られた試料の表面のデータを記録・処理するデータ処
理手段を備える走査型トンネル顕微鏡において、試料の
表面における測定しようとする領域で、探針をライン状
に走査させることにより、試料面の傾きを演算する傾き
演算手段と、演算した試料面の傾きに基づき、試料面と
探針の作る角度が適切な角度となるように試料の姿勢を
調整する試料姿勢調整機構とを備えたことを特徴とする
【0011】前記の構成を有する走査型トンネル顕微鏡
において、試料姿勢調整機構は、試料を載置する試料台
を支持し、かつ試料台を必要に応じて任意の方向に傾斜
させる支持機構と、傾き演算手段で求められた傾きのデ
ータに基づき、試料面と探針の作る角度が適切な角度と
なるように支持機構を駆動し試料台を傾斜させる駆動手
段とからなることを特徴とする。
【0012】前記の構成を有する走査型トンネル顕微鏡
において、支持機構には圧電素子が用いられることを特
徴とする。
【0013】
【作用】本発明による走査型トンネル顕微鏡では、凹凸
形状を測定しようとする試料面の走査範囲内で、X軸方
向およびY軸方向のうち少なくとも一方に1ライン分走
査を行い、試料面のラインデータを得る。このラインデ
ータに基づいて、探針の軸方向に直角な基準面と、試料
面で測定したライン方向との傾きを演算で求め、その後
、このデータを利用し試料傾斜調整機構により試料台の
傾斜状態を適宜に変更して試料の姿勢を変更し、測定し
ようとする試料面が前記基準面に実質的に平行になるよ
うに、すなわち探針の軸方向と直角になるように試料の
姿勢を調整する。このように試料の姿勢に関し、所定の
条件が満たされるように補正を行った後に、本来の試料
面の凹凸形状を測定するための動作を実行する。これに
より、試料面の傾きが除外された凹凸データを得ること
ができ、さらにZ軸用圧電素子の動作可能範囲で探針を
動作させることができる。
【0014】また試料台の傾斜を変更する支持機構に圧
電素子を使用することにより、微小の試料の傾きを補正
することができる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、図1〜図5に基
づいて説明する。図1は本発明に係る試料姿勢調整機構
を含む走査型トンネル顕微鏡の全体システムを概略的に
示す構成図、図2は傾斜した試料面と基準面との位置関
係を示す図、図3は補正のための回転角を説明するため
の図、図4は試料姿勢調整機構の具体的構成を示す平面
図、図5は試料姿勢調整機構の具体的構成を示す正面図
である。
【0016】図1は、特に、走査型トンネル顕微鏡の探
針部分の構成と、探針の位置制御を行うための装置構成
、および探針により得られる測定データ検出・処理部の
構成を示している。図1において、1は探針であり、探
針1の先端は鋭く尖り、試料2の表面に臨んでいる。 探針1は、図示しないトライポッドヘッドにおいて相互
に直角になるように配置された棒状の3本の微動用圧電
素子3,4,5の交差部に取付けられている。探針1の
位置を変化させるに当たり、圧電素子3はX軸方向の移
動に関与するアクチュエータ、圧電素子4はY軸方向の
移動に関与するアクチュエータ、圧電素子5はZ軸方向
の移動に関与するアクチュエータである。また、探針1
は、前記トライポッドヘッドを介し、ステッピングモー
タまたはストロークの大きな粗動用圧電素子などによっ
てその位置を変えることができ、これにより、トンネル
電流が検出されるまでの距離にて、試料2の表面に近づ
けられる。
【0017】探針1が試料1の表面に接近し、探針1と
試料2との距離が原子レベルの所定の微小距離になると
、それらの間にトンネル電流が流れる。ただし、この場
合に、トンネル電流が流れるために、探針1と試料2と
の間に所定の電圧が印加されていることが条件となる。 図1において、電圧印加手段は明示されていない。 探針1に発生したトンネル電流は、トンネル電流検出部
6で検出され、検出されたトンネル電流は、電流・距離
変換部7によって、探針1と試料2との間の距離に変換
される。探針1と試料2の表面との距離は一定に保持さ
れるものであり、次段のサーボ回路8は、電流・距離変
換部7から検出された距離データを入力し、この検出さ
れる距離が一定値に保持されるように、Z軸方向の圧電
素子5の伸縮の動作を制御する。
【0018】試料2の表面における探針1のX軸及びY
軸の各方向の走査は、走査部9によって行われ、走査部
9は、X軸方向用の圧電素子3とY軸方向用の圧電素子
4に対して制御信号を与え、これらの圧電素子3,4に
よって試料2の測定表面上で2次元的に走査が行われる
【0019】X,Y,Zの各軸方向の圧電素子3,4,
5の動作による探針1の移動に伴い、圧電素子3,4,
5の負荷電圧、すなわち各圧電素子の伸縮量を空間座標
として記憶部10aに記憶する。記憶部10aに記憶さ
れた探針1の位置データは、適宜に処理部10bに取り
出され、この処理部10bで試料2の観測表面の凹凸形
状についての画像処理を行い、モニタ部11に試料2の
表面の凹凸情報として表示する。上記の記憶部10aと
処理部10bによって、画像処理のための演算部10が
構成される。
【0020】上記の構成において、探針1と試料2との
間にトンネル電流が流れる場合、探針1と試料2との距
離は、通常、原子レベルの1nm程度であり、試料面の
凹凸状態を検出するためには、この距離を一定に保つよ
うに圧電素子5の動作を制御することが必要とされる。 トンネル電流は探針1と試料2の間の距離の変化に敏感
であり、これにより顕微鏡として高い分解能を得ること
ができる。
【0021】ところで、微動用圧電素子による可動範囲
は高々数μm程度が限度であるため、広域の走査に適さ
ない。現在、微動用圧電素子の走査範囲としては、数十
μm程度まで走査できるように構成されている。試料面
の2次元走査は圧電素子3,4の伸縮動作により行われ
る。ここで、探針1の先端から根元に向かう軸方向に垂
直な平面に対して、測定しようとする試料表面が傾斜し
ている場合には、探針1をZ軸方向(試料表面の凹凸に
ついて高さ方向)に制御する必要があるが、傾斜が大き
いときには圧電素子5が伸びきり、または縮みきり、当
該傾斜に追従することができない場合が生じる。このよ
うな場合には、探針1と試料2の表面との距離が所定の
一定距離に維持できなくなるので、試料表面の凹凸情報
に関する正確なデータを得ることができない。また圧電
素子5が縮みきる場合において、試料表面の傾斜が更に
続くときには探針1は試料表面に衝突することになる。 このような衝突が発生すると、探針1の破損や試料2の
表面の損傷という問題が提起される。
【0022】試料2における測定表面が、探針1の軸方
向(Z軸方向)に直角な面に対して傾斜しているか否か
ということは大きな問題であるので、本実施例による走
査型トンネル顕微鏡の演算部10には、試料2の測定表
面に傾斜が存在するときにはこれを補正し、当該測定表
面が探針1の軸方向に実質的に直角となるようにする機
能が設けられる。すなわち、傾きが0になるように試料
の姿勢を調整・変更し、試料の測定表面が探針1の軸方
向に直角になるように補正する機能を設ける。演算部1
0はCPU等によって構成されるので、その処理部10
bに試料2の測定表面の傾斜角度を演算で求め、この傾
斜角度が0になるように、試料2が載置された試料台の
傾きを調整する機能が設けられる。具体的には、探針1
が、測定しようとする試料2の表面領域を所定方向にラ
イン状に走査することにより、試料面の傾きを演算する
傾き演算手段と、演算した試料面の傾きに基づき、試料
面と探針1の軸方向との角度が実質的に直角となるよう
に、試料台を介し試料2の姿勢を調整・補正する手段を
設けるように構成される。以下、試料姿勢調整機構の構
成について説明する。
【0023】図2において、2aは傾斜した状態にある
試料面の一部を示し、21は2次元走査領域を示してい
る。2次元走査領域21は、探針1の先端から根元に向
かう方向に対して直角な平面、すなわち基準面となって
いる。この基準面21に対して試料面2aは傾斜してい
るのであるが、図2では、併せてX,Y,Z軸を示して
いるので、図示例では試料面2aが傾斜している状態が
明らかである。
【0024】上記基準面21に対して試料面2aが傾き
を有していると想定される場合、次のような傾きを補正
するための動作が行われる。まず、粗動用圧電素子等を
駆動して探針1を試料2に接近させ、トンネル電流検出
部6でトンネル電流が検出される位置まで近づける。そ
の状態において、微動用圧電素子3,4のそれぞれを駆
動して探針1をX軸方向及びY軸方向に1ライン分走査
を行う。その走査データは、記憶部10aに記憶される
。X軸方向およびY軸方向について、それぞれ1本分の
走査ラインのデータの記憶部10aへの取込みが終了す
ると、演算部10からの指令に基づき圧電素子5を駆動
して、探針1を一旦後退させ、試料面から引き離す。
【0025】図3は、Y軸方向に1ライン分の走査を行
ったラインデータの例を示している。このラインデータ
は、試料表面2aの凹凸情報と共にY軸方向の試料表面
2aの傾斜情報が含まれたものとして得られる。図3に
示された試料面2aの傾斜を直線に近似して方程式で表
すと、座標(Y,Z)を用いて、
【0026】
【数1】Z=aY+b    (a,bは定数)として
表される。
【0027】処理部10bに設けられた、試料面の傾斜
を演算する前記演算手段は、記憶部10bに格納された
Y軸方向のラインデータに基づいて上記の直線方程式を
求め、傾きaを計算する。上記直線方程式を求めるに当
って、定数aおよびbは任意の2点の値からその勾配を
求める方法や、最小自乗法を用いる方法等で求めること
ができ、最終的に基準面21に対して試料面2aを平行
とするために要するX軸回りの補正用回転角θX が算
出される。
【0028】上記と同様にして、X軸方向の走査ライン
で得られたラインデータも記憶部10aに記憶され、か
かるデータを用いて、処理部10bの傾き演算手段で、
近似的な直線方程式、Z=cX+dが求められ、これに
より傾きcおよび基準面21との平行関係を実現するた
めのY軸回りの補正用回転角θY が求められる。
【0029】上記のように計算された補正用回転角θX
 とθY によって、基準面21に対する試料面2aの
平行化が実行される。この平行化においては、試料2の
姿勢を変更する必要があるので、図1に示すように試料
2を載置する試料台15は、例えば、X軸回りの回転ス
テージ12とY軸回りの回転ステージ13とにより構成
され、さらに回転ステージ12,13のそれぞれを独立
に動作させるステージ駆動部14が設けられる。ステー
ジ駆動部14は演算部10の処理部10bの中に設けら
れた姿勢調整指令手段からの制御指令に基づいて、各回
転ステージの回転動作を行う。この姿勢調整指令手段は
、算出された前記の補正用回転角θX とθY に基づ
き、対応する角度の回転を実行させるためのパルス列信
号をステージ駆動部14に与える。ステージ駆動部14
は、処理部10bの姿勢調整指令手段から与えられる制
御のためのパルス列信号に基づいて、回転ステージ12
,13を動作させ、試料2の表面2aが基準面21に平
行になるように傾斜姿勢の調整を行う。回転ステージ1
2,13には、例えばゴニオメータが用いられる。
【0030】以上の如く、探針1に対する試料2の姿勢
補正を完了した後に、探針1は、Z軸方向の圧電素子5
を駆動して再度トンネル電流が検出される程度に試料面
に近づけられる。そして、探針1を所定の走査開始位置
に配置して、走査用圧電素子3,4を走査部9で駆動し
て、探針1に2次元走査を行わせ、同時に圧電素子5を
駆動して探針1と試料2との距離が一定に保持されるよ
うにサーボ回路8で制御を行い、これによって基準面2
1に対する試料面の傾きが除外された試料面の凹凸情報
を得ることができ、正確な凹凸情報を得ることができる
【0031】前述した試料面の傾きをなくす試料台の傾
きの調整は、入力装置を介して操作者が任意に選択して
行うように構成することもできるし、また走査型トンネ
ル顕微鏡で測定を行うときには常に測定面の傾きを計測
し、補正するように構成することもできる。
【0032】次に図4と図5に基づき、試料姿勢調整機
構を備えた試料台15の他の実施例を説明する。本実施
例において、前記実施例で説明した要素と実質的に同一
の要素には同一の符号を付している。試料2を載置する
試料台15は、単に載置台であり、その下部に配置され
た3本の圧電素子31で支持される。3本の圧電素子3
1は、図4で明らかなようにほぼ正三角形の頂点位置に
配置され、試料台15を支持している。3本の圧電素子
31は、水平に設置された基台32の上に立設状態で配
設され、圧電素子31のそれぞれの下部には、圧電素子
31に駆動電圧を印加するための電極33が接続されて
いる。かかる構成を有する試料台15の上面に試料2が
載置され、この試料2に対して探針1が上方から臨んで
いる。
【0033】3本の圧電素子31による試料台15の支
持機構において、3本の圧電素子31の長さを適宜に変
更すると、試料台15を任意の方向に任意の角度で傾斜
させることができる。3本の圧電素子31をすべて同じ
長さとすると、当然のことながら、試料台15は、水平
状態となる。試料台15のかかる支持機構により、前記
傾き演算手段で得られた傾き情報に基づき、試料面の傾
斜を0にするための制御条件を求め、この制御条件で、
支持機構の3本の圧電素子31のそれぞれの長さを適切
に調整すると、試料2の測定しようとする試料面と探針
1の軸方向との作る角度を直角とすることができる。こ
の場合、制御の条件は、3本の圧電素子31の長さの関
係として与えられる。圧電素子では、極めて微細なスト
ロークでその長さを変化させることができるので、極め
て実用性の高いものである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果を奏する。探
針の軸方向と試料表面との間で傾斜関係が存在するとき
に、その傾きがなくなるように補正することができ、そ
の結果試料表面の凹凸について正確な情報を得ることが
でき、解析が容易となる。特に、試料が載置される試料
台に、試料の姿勢を調整・変更できる試料姿勢調整機構
を設け、直接に試料の姿勢を変更するように構成したた
め、傾きの調整を迅速かつ正確に行うことができる。ま
た、走査用圧電素子による2次元走査の際、探針の軸方
向の追従性が改善され、伸びきりや縮みきりがなく、探
針と試料面との衝突を回避することができる。さらに試
料台を支持し、かつその傾きを変更す支持機構に圧電素
子を利用するようにしたため、微細な傾斜についての補
正が可能となり、実用性に富むものである。加えて、試
料姿勢調整機構におけるアクチュエータとして圧電素子
を利用するようにしたため、極めて実用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る試料姿勢調整装置を含む走査型ト
ンネル顕微鏡の全体システムを概略的に示す構成図であ
る。
【図2】傾斜した試料面と基準面との位置関係を示す図
である。
【図3】補正のための回転角を説明するための図である
【図4】試料姿勢調整機構の具体的構成を示す平面図で
ある。
【図5】試料姿勢調整機構の具体的構成を示す正面図で
ある。
【図6】従来のソフト技術による傾き補正の問題を示す
図である。
【符号の説明】
1          探針 2          試料 3,4,5    圧電素子 6          トンネル電流検出部7    
      電流・距離変換部8          
サーボ回路 9          走査部 10        演算部 10a      記憶部 10b      処理部 11        モニタ部 12        X軸用駆動ステージ13    
    Y軸用駆動ステージ14        ステ
ージ駆動部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  観察される対象である試料に対しごく
    近い距離で接近して配置される探針と、この探針と前記
    試料との間の距離を変化させ、前記試料に対して前記探
    針を近づけたりまたは離したりする移動機構と、探針と
    試料の間の距離について所定の条件が満足されるとき前
    記探針と前記試料との間にトンネル電流が流れるための
    電圧を印加する電圧印加手段と、前記トンネル電流を測
    定する測定手段と、測定されたトンネル電流が一定に保
    持されるように、前記移動機構を介して前記探針と前記
    試料との間の距離を制御する制御手段と、前記探針に前
    記試料の表面を走査させる走査手段と、前記探針で得ら
    れた試料の表面のデータを記録・処理するデータ処理手
    段を備える走査型トンネル顕微鏡において、試料の表面
    における測定しようとする領域で、前記探針をライン状
    に走査させることにより、試料面の傾きを演算する傾き
    演算手段と、演算した試料面の傾きに基づき、前記試料
    面と前記探針の作る角度が適切な角度となるように試料
    の姿勢を調整する試料姿勢調整機構とを備えたことを特
    徴とする走査型トンネル顕微鏡。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の走査型トンネル顕微鏡
    において、前記試料姿勢調整機構は、前記試料を載置す
    る試料台を支持し、かつ前記試料台を必要に応じて任意
    の方向に傾斜させる支持機構と、前記傾き演算手段で求
    められた前記傾きのデータに基づき、前記試料面と前記
    探針の作る角度が適切な角度となるように前記支持機構
    を駆動し前記試料台を傾斜させる駆動手段とからなるこ
    とを特徴とする走査型トンネル顕微鏡。
  3. 【請求項3】  請求項2記載の走査型トンネル顕微鏡
    において、前記支持機構には圧電素子が用いられること
    を特徴とする走査型トンネル顕微鏡。
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