JPH09166607A - 走査型プローブ顕微鏡およびその測定方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡およびその測定方法

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JPH09166607A
JPH09166607A JP34726795A JP34726795A JPH09166607A JP H09166607 A JPH09166607 A JP H09166607A JP 34726795 A JP34726795 A JP 34726795A JP 34726795 A JP34726795 A JP 34726795A JP H09166607 A JPH09166607 A JP H09166607A
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probe
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cantilever
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JP34726795A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Nagasawa
潔 長澤
Takeshi Murayama
健 村山
Yoshihiro Hoshino
吉弘 星野
Takashi Morimoto
高史 森本
Hiroshi Kuroda
浩史 黒田
Akimasa Onozato
陽正 小野里
Akira Imura
亮 井村
Sumio Hosaka
純男 保坂
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Hitachi Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料表面に形成された凸部の前後縁の段差や
コンタクトホール等を測定する場合に当該形状を正確に
測定する。 【解決手段】 試料13に対向する探針22を備えたカンチ
レバー21、カンチレバーを取付け、探針と試料の相対的
位置を変位させるxyzスキャナ18、カンチレバーの変
位を検出する変位検出器23を備え、xyzスキャナで試
料表面を走査しながら探針と試料の間の物理量に基づく
カンチレバーのたわみ量を変位検出器で検出し、かつた
わみ量を制御し試料表面を測定するように構成され、さ
らに、例えばカンチレバーをその長手方向の軸回りに回
転させて探針をチルトさせる回転機構20と、探針の左側
チルト状態と右側チルト状態で測定動作を行わせる制御
部35を備え、探針のチルト姿勢を用いて試料の表面凹凸
部の縁部を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査型プローブ顕微
鏡およびその測定方法に関し、特に、半導体デバイスや
光ディスク等の表面の段差や孔等の形状測定に適した走
査型プローブ顕微鏡およびその測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ(探針)顕微鏡は原子オ
ーダの測定分解能を有し、表面形状の計測など各種分野
に利用される。走査型プローブ顕微鏡では、探針と試料
の間をナノメートルのオーダの距離に保持し、探針・試
料間に生じるトンネル電流や原子間力等の物理量を検出
することにより微細形状の測定を行う。走査型プローブ
顕微鏡には、検出対象の物理量に応じて、走査型トンネ
ル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、磁気
力顕微鏡(MFM)などがある。この中で原子間力顕微
鏡は、試料表面の形状を高分解能で検出するのに適して
おり、半導体や光ディスクなどの表面形状の測定に利用
されている。
【0003】例えばAFMでは、先端に探針を備えたカ
ンチレバーを有し、探針を試料の表面に対向して配置
し、試料表面から探針に対して原子間力が作用すると、
探針・試料間の距離に応じてカンチレバーがたわむよう
に構成される。探針・試料間の距離に比例するたわみ量
は、例えば光てこ方式の原理による光学検出系によって
検出される。AFMは測定範囲において探針を移動させ
るための走査機構を備え、この走査機構は圧電素子を利
用して構成される。測定範囲は最大で数10μm角の範
囲である。走査機構による走査動作の間、探針・試料間
の距離を所望の一定距離に制御することにより、カンチ
レバーのたわみ量を所定の一定値に保持する。探針の試
料表面に対するほぼ垂直方向の変位量が試料表面の形状
に関する測定値となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】AFMの測定対象であ
る試料には、例えばDRAMのレジストパターンのごと
く、表面に周期的に凸部(または凹部)が形成され、凸
部の前縁と後縁に段差が形成されているものがある。こ
のような表面形状を有する試料であっても、その表面を
正確に測定することが必要とされる。しかし、凸部の立
上り部分および立下り部分が急俊であると、図8、図9
に示すように正確に測定できない場合が生じる。図8は
1つの凸部の縦断面を示し、図9はその凸部の測定結果
を示す。
【0005】図8では、試料71の表面に形成された1
つの凸部72を、探針73が図中左から右へ移動しなが
ら測定する状態を示している。図中凸部72の左縁と右
縁に段差72a,72bが形成される。段差72a,7
2bの壁面は試料71の表面に対してほぼ90度の角度
をなしている。探針73の先端は逆円錐形の形状を有
し、θは探針73の先端部のなす角度(コーン角度)を
表している。
【0006】市販されるカンチレバーの探針では、例え
ば長さが10μm、コーン角が10度である。またカン
チレバーの長さは約100μmである。
【0007】探針73が矢印X方向に走査され、図8に
示す位置に来たとき、探針73の右側面の一部が凸部7
2の角部P01に対して微小間隔で接近し、当該接近部分
による原子間力によりカンチレバーがたわむ。そうする
と、探針73は図示された姿勢のまま、探針の右側面が
角部P01に沿うような状態で一定の間隔を保持したまま
上方向に変位せしめられる。探針73の先端部が角部P
01に到達すると、その後は、先端部が凸部72の上面7
2cに沿うように測定移動を行い、他方の角部P02に到
達する。探針73の先端部が角部P02に到達すると、探
針73の左側の傾斜表面が角部P02に沿うような状態で
当該傾斜表面と角部P02とが或る間隔を保持した状態で
下方向へ変位する。
【0008】凸部72に関する上記の測定動作によれ
ば、図9に示すような測定結果を得ることができる。こ
の測定結果によれば、凸部72の左右の縁部の立上りお
よび立下りの部分の測定は、実線M1 ,M2 に示される
ように、傾斜面として表れ、直立した壁部として正確に
測定することができない。換言すれば、凸部72の底面
部分の幅寸法という観点でみると、実際の寸法はL0
あるにも拘らず、測定した結果はL1 として表れること
になり、正確な測定結果が得られない。
【0009】上記のような不正確な測定は、凸部72の
前後の段差72a,72bの壁部の傾斜角度が、探針7
3のコーン角度θの1/2未満であるときに生じる。探
針73のコーン角度θがさらに大きくなると、測定の結
果も、図9に示す破線M3 ,M4 のごとく大きくなり、
凸部72の底面部分の寸法はL2 となり、その測定誤差
が拡大する。上記のような誤差は、探針73の先端部の
鋭角度の度合いおよび凸部72の前後縁の段差の壁面の
傾斜角度との関係に応じて発生する。
【0010】また探針の先端部の曲率半径も上記誤差の
発生に大きな影響を与える。
【0011】前述ではレジストパターンの凸部に関して
説明したが、基板に形成されるコンタクトホール(例え
ば直径0.2μm、深さ1μm)の底の直径を計測する
ことによって、当該コンタクトホールが貫通状態にある
か否かを判定する場合にも、上記と同様な誤差の問題が
生じる。
【0012】また走査型プローブ顕微鏡による微細形状
の測定では、試料に応じて最適な探針を使用したり、あ
るいは測定の途中で探針を交換する場合が生じる。そし
て、探針には種々の傾斜角度あるいは先端曲率半径を有
するものがあるので、上記のごとく試料の凸部の前後の
段差部を測定する場合には前述したような誤差の問題が
発生する。
【0013】本発明の目的は、前述の問題を解決し、試
料表面に形成された凸部の前後の段差やコンタクトホー
ル等を測定する場合に、当該形状を正確に測定できる走
査型プローブ顕微鏡およびその測定方法を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段および作用】第1の本発明
(請求項1に対応)に係る走査型プローブ顕微鏡は、試
料に対向する探針を先部に備えたカンチレバー、このカ
ンチレバーを取付け、探針と試料の相対的位置を変位さ
せる微動機構、カンチレバーの変位を検出する変位検出
装置を備え、微動機構によって試料の表面を走査しなが
ら探針と試料の間に作用する物理量に基づくカンチレバ
ーのたわみ量を変位検出装置で検出し、かつたわみ量を
制御して試料の表面を測定するように構成され、さら
に、例えばカンチレバーをその長手方向の軸回りに回転
させて探針をチルトさせる回転機構と、探針の第1チル
ト状態と第2チルト状態で測定動作を行わせる制御手段
を備え、探針のチルト姿勢を用いて試料の表面凹凸部の
縁部を正確に測定するものである。
【0015】本発明では、AFM等の走査型プローブ顕
微鏡のカンチレバーの探針で試料表面の微細な凹凸形状
を測定する場合に、回転機構でカンチレバーをその長手
方向の軸回りに回転させ、探針を所望角度の傾斜姿勢で
チルトさせる。探針の姿勢をチルトできるようにするこ
とにより、例えば試料表面の凸部(または凹部)の左側
縁部と右側縁部を正確に測定することを可能にし、試料
表面の3次元形状を正確に測定できる。
【0016】第2の本発明(請求項2に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡は、第1の発明の構成において、制
御手段は第1記憶部と第2記憶部を備え、上記表面凹凸
部は両側縁に段差を有し、一方の縁の段差を第1チルト
状態で測定し、その測定データを第1記憶部に格納し、
他方の縁の段差を第2チルト状態で測定し、その測定デ
ータを第2記憶部に格納するように構成される。
【0017】第3の本発明(請求項3に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡は、第1または第2の発明におい
て、制御手段は、第1チルト状態の測定データと第2チ
ルト状態の測定データを合成し、測定箇所の形状に関す
る測定データを作成する合成手段を備える。
【0018】第4の本発明(請求項4に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡の測定方法は、カンチレバーの先部
に設けた探針を、試料の表面に対して両者の間で物理量
が作用し合う程度の距離まで接近させ、試料の表面上で
探針を走査させる場合に探針に作用する物理量によって
カンチレバーが変位するとき、この変位を検出し、カン
チレバーの変位が一定に保持されるように制御すること
により試料の表面を測定する方法であり、探針が試料の
表面凹凸部の縁部を測定するとき、探針が各縁部に適し
た傾斜姿勢になるように例えばカンチレバーをその長手
方向の軸回りに回転させることにより探針をチルトさせ
て測定を行い、縁部における第1チルト状態および第2
チルト状態で測定した値を合成して最終的測定結果を
得、試料の表面の3次元形状を測定するようにした方法
である。
【0019】第5の本発明(請求項5に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡の測定方法は、第4の発明におい
て、表面凹凸部は両側縁に段差を有し、一方の縁の段差
を第1チルト状態で測定し、他方の縁の段差を第2チル
ト状態で測定したことを特徴とする。
【0020】第6の本発明(請求項6に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡の測定方法は、第4または第5の発
明において、第1および第2のチルト状態で測定した値
を合成するとき、測定データの共通部を基準にして合成
演算を行うようにしたことを特徴とする。
【0021】第7の本発明(請求項7に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡の測定方法は、第4または第5の発
明において、第1および第2のチルト状態で測定した値
を合成するとき、探針をチルトさせるときの移動量を算
出して合成演算を行うようにしたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0023】図1は本発明に係る走査型プローブ顕微鏡
の代表的実施形態としてのAFMの構成を示し、図2は
制御部の特徴的内部構成を示す。
【0024】本実施形態によるAFMは光学顕微鏡と複
合化された構造を有する。基台10の上にXYステージ
11が配置され、XYステージ11上に設けられた試料
テーブル12の上に、測定対象である試料13が載置さ
れる。XYステージ11は、直交するX軸方向およびY
軸方向で定義されるXY平面内で試料テーブル12を任
意に移動させる。XY平面は、図1において、水平であ
ってかつ紙面に垂直な平面である。試料テーブル12に
載置された試料13は、試料テーブル12の移動に伴っ
てXY平面内で任意方向に移動する。19は、XYステ
ージ11の変位量を検出するステージ変位計である。
【0025】基台10上には取付け枠体14が設けら
れ、この取付け枠体14に光学顕微鏡15とZ粗動ステ
ージ17と変位検出器23が取り付けられる。光学顕微
鏡15では、その対物レンズ部分を下方に向け、試料1
3に対向させている。光学顕微鏡15は、試料表面に関
する像を撮影して電気信号に変換するCCDカメラ16
を備える。またZ粗動ステージ17は、上記XY平面に
垂直なZ軸方向の粗動動作(相対的に大きな変位を生じ
る動作)を可能にする移動機構である。Z粗動ステージ
17の下側にはxyzスキャナ18が取り付けられる。
xyzスキャナ18の下面には回転機構20およびホル
ダ24を介してカンチレバー21が取り付けられる。x
yzスキャナ18は、X,Y,Zの各軸方向にカンチレ
バー21を微動させる機能を有し、通常、圧電素子を用
いて構成される。上記回転機構20は、カンチレバー2
1を、その長手方向の軸(図3に示す軸21a)の回り
に時計回りまたは反時計回りに回転させる働きを有す
る。またホルダ24はカンチレバー21を回転機構20
に取り付けるための部材である。カンチレバー21の先
部には試料13の表面に対向する探針22を備える。変
位検出器23はカンチレバー21のたわみ量、すなわち
探針22の変位を検出するための装置であり、変位検出
器23には例えばレーザ光源と光検出器からなる検出光
学系が使用される。レーザ光源から出力されたレーザ光
(図中破線で示す)はカンチレバー21の背面で反射
し、その反射光は光検出器で検出される。
【0026】XYステージ11の動作はXYステージ制
御回路30の制御に基づいて行われ、XYステージ11
の動作量はステージ変位計19で検出される。XYステ
ージ制御回路30は制御部35から制御量に関するデー
タを受け、ステージ変位計19は検出した動作量に関す
るデータを制御部35に送給する。またZ粗動ステージ
17の動作はZ粗動ステージ制御回路31で制御され、
xyzスキャナ18の動作はxyzスキャナ制御回路3
2によって制御される。xyzスキャナ制御回路32に
基づく探針22のZ軸方向の位置制御は、探針22と試
料13の表面との間に作用する原子間力が一定に保持さ
れるように両者の間の距離を調整するために行われるも
のであるので、変位検出器23で検出された変位検出デ
ータを制御部35に送給し、制御部35で演算された制
御信号がxyzスキャナ制御回路32に対して与えられ
る。Z粗動ステージ制御回路31は、探針22を測定動
作を行える位置に移動させるための制御回路であり、制
御部35から必要な制御信号を受ける。制御部35は、
マイクロコンピュータを用いて構成され、走査型プロー
ブ顕微鏡全体の所要の制御処理や演算処理を行い、必要
な指令等を入力するための入力装置36を備える。
【0027】CCDカメラ16が出力する信号は、像を
処理する画像処理装置33に送られる。画像処理装置3
3および制御部35に対して表示装置34を備える。画
像処理装置33あるいは制御部35で得られた画像デー
タに基づいて画像が、表示装置34に表示される。
【0028】次に図2を参照して制御部35の概略構成
を説明する。制御部35は、外部からの信号を取り込
み、必要に応じてA/D変換する入力インターフェース
41と、所望の制御処理と演算処理を実行するためのマ
イクロプロセッサユニット(MPU)42と、MPU4
2で実行される手順や必要なパラメータを格納するリー
ドオンメモリ(ROM)43と、制御処理や演算処理の
結果を格納するランダムアクセスメモリ(RAM)44
と、制御および演算の結果を必要に応じてD/A変換し
て出力する出力インターフェース45を備えている。さ
らに特徴的構成として、3つのデータ記憶部46,4
7,48を備える。データ記憶部46は、探針22を一
方の側に(例えば凸部の右側縁部に対応させて)チルト
させて測定を行った時の測定データを格納する記憶部で
あり、データ記憶部47は、探針22を他方の側に(例
えば凸部の左側縁部に対応させて)チルトさせて測定を
行った時の測定を格納する記憶部である。またデータ記
憶部48は、データ記憶部46,47に記憶された測定
データを合成したものを格納する記憶部である。
【0029】上記構成を有するAFMの操作および測定
作動を説明する。
【0030】XYステージ11上の試料テーブル12の
上に試料13を載せ、XYステージ11を用いて試料1
3をXY平面内で移動させながら、光学顕微鏡15を用
いて試料13の指定された観察位置を探し出す。光学顕
微鏡15のCCDセンサ16から出力された信号は画像
処理装置33に入力され、この画像処理装置33の出力
信号と、ステージ変位計19で検出された信号が制御部
35に入力される。制御部35では必要な制御信号が作
られ、これをXYステージ制御回路30に供給する。X
Yステージ制御回路30は制御部35によって駆動制御
され、XYステージ11は、試料13における測定対象
箇所が光学顕微鏡15に捕捉される位置まで移動する。
光学顕微鏡15で得られた像は、画像処理装置33を経
由して表示装置34に表示される。
【0031】次に、光学顕微鏡15で見出された測定対
象箇所にカンチレバー21の探針22を合わせる。探針
22の位置を試料13の測定対象箇所に合わせるときに
は、同じくXYステージ11を用いて、光学顕微鏡とA
FMとの離間距離だけ移動させる。かかる位置合せのた
めの移動は、制御部35が、光学顕微鏡15と探針22
の既知の位置関係に基づいて行う。
【0032】制御部35は、試料13の表面の測定対象
箇所とAFMの探針22との位置合せを完了した後、回
転機構20に対して指令信号を出力し、カンチレバー2
1をその軸21aの回りに回転させ、探針22を一方の
側にチルトさせる。図3および図4に示すように、回転
機構20によれば、カンチレバー21をその軸21aの
回りに±θ1、例えば左右に3°の範囲で回転させ、通
常は上下方向の姿勢にある探針22を傾斜させることが
できる。そこで、最初に、例えば探針22を左側にチル
トさせ(図4の状態22a、この状態の探針を以下「探
針22a」という)、AFMによる本来の測定を開始す
る。
【0033】次に、制御部35は、試料13の測定対象
箇所に位置合わせされた探針22を、Z粗動ステージ1
7によって原子間力が作用する位置に至るまで試料13
の表面に接近させる。制御部35は、カンチレバー21
の変位を検出する変位検出器23からの検出値に基づ
き、xyzスキャナ制御回路32を介して、探針・試料
間に作用する原子間力が所定値に達するまで(カンチレ
バー21のたわみ量が所定量に達するまで)カンチレバ
ー21を変位させる。
【0034】さらに制御部35は、カンチレバー21の
探針22が試料表面から受ける力が一定になるようにx
yzスキャナ20のZ方向駆動部を利用して制御しなが
ら、同時にxyzスキャナ20のXY方向駆動部を利用
して探針22によって試料13の測定対象箇所を走査す
る。制御部35は、すべての走査区間に関し、走査の間
に得られたカンチレバー21のZ軸方向の変位に関する
制御量を取り込み、データ記憶部46に格納する。
【0035】左側チルト状態の探針22によってAFM
測定が終了すると、制御部35は、次に、探針22を右
側にチルトさせ(図4の状態22b、この状態の探針を
以下「探針22b」という)、AFMによる本来の測定
を再び開始する。この測定は、前述した左側チルト状態
の測定の場合と同様に行われる。制御部35は、すべて
の走査区間に関し、走査の間に得られたカンチレバー2
1のZ軸方向の変位に関する制御量を取り込み、データ
記憶部47に格納する。
【0036】ここで、図5および図6を参照して本実施
形態によるAFMの測定方法を説明する。
【0037】図5で、51は、試料13の表面に形成さ
れたレジストパターンの1つの凸部を示す。試料表面の
レジストパターンにおいて、当該凸部51が所定の間隔
で配列しており、その結果、凸部51の間には凹部が形
成される。このレジストパターンは、一般的にアスペク
ト比が高いもので、本実施形態によるAFMの測定方法
によれば、このようなアスペクト比の高いパターンの測
定に適している。図5では、凸部の高さ(凹部の深さ)
の寸法がl1 、凹部の底幅の寸法がl2 として与えられ
ている。凸部51に対して、22aは左側にチルトされ
た探針、22bは右側にチルトされた探針を示してい
る。21はカンチレバーである。左側チルト状態の探針
22aは凸部51の右側縁部の段差の形状を正確に測定
することができる。また右側チルト状態の探針22b
は、凸部51の左側縁部の段差の形状を正確に測定する
ことができる。
【0038】図6の(a)では、右側チルト状態の探針
22bで測定された凸部の左側縁部の段差の測定データ
を視覚化したものである。この場合、凸部の幅はl3
なっている。データ記憶部47には各凸部51に関する
図6(a)に示した測定データが格納される。図6の
(b)では左側チルト状態の探針22aで測定された凸
部の右側縁部の段差の測定データを視覚化したものであ
る。この場合、凸部の幅はl4 になっている。データ記
憶部46には各凸部51に関する図6(b)に示した測
定データが格納される。
【0039】左側チルト状態の探針22aと右側チルト
状態の探針22bによってそれぞれ測定が終了すると、
制御部35は、データ記憶部46,47に格納されたデ
ータを合成し、データ記憶部48に格納する。データの
合成を凸部51に関して見てみると、図6(c)に示す
ように図6の(a)と(b)の測定データが合成され、
共通部分が重ね合される。合成された測定データでは、
凸部51の幅はl5 になっている。データ記憶部48に
格納されたデータは、必要に応じて出力インターフェー
ス45を経由して出力され、表示装置34に表示され
る。
【0040】上記の測定データの合成についてその手法
の一例は次の通りである。図7は、探針22とレジスト
パターンの具体的な寸法関係の一実施例を示す。この図
によれば、例えばレジストパターンのパターン幅a(凸
部51の幅、または凹部の幅)を0.2μm、凹部の深
さbを1μm、探針22の長さcを3μm、探針22の
アスペクト比を10(d=0.1μm)としている。隙
間eは0.05μmである。このような寸法を有するレ
ジストパターンにおいて、探針22をチルトさせてレジ
ストパターンの凹部に挿入し、測定を行う場合を仮定す
る。レジストパターンの凹部に対して探針22を右側に
約3°(図中角度θ2)チルトさせたときの探針先端部
は、カンチレバー21の軸21aを基準にして考える
と、X軸方向に0.15μm、Z軸方向に3.7nmだ
け移動する。また左側に探針22をチルトさせたときに
も、同様に同じストロークで移動する。このように、探
針の主要部の寸法、試料表面に形成されたレジストパタ
ーンの主要部の寸法が既知であり、その結果、チルトさ
せた探針(22aまたは22b)の先端部の移動量が分
かっているので、左側チルト状態および右側チルト状態
の各測定結果を合成演算することが可能となる。
【0041】また左右のチルト状態の測定データの合成
の仕方として、各チルト状態で測定したデータの共通部
を基準にして合成演算を行うこともできる。
【0042】なお、左右にチルトさせた探針の先端部の
移動量にバラツキが存在する場合には、チルトさせるた
びに基準試料を測定し、これによって探針先端部の移動
量を正確に知るようにすることが望ましい。
【0043】前記実施形態では、回転機構20でカンチ
レバー21をその長手方向の軸21aの回りに回転させ
ることで探針22をチルトさせたが、探針をチルトさせ
る構成は、これに限定されない。
【0044】前記実施形態の測定方法の説明では、試料
表面の凸部形状の測定例を説明したが、コンタクトホー
ル等の底面の形状測定でも同様な考えに基づく測定方法
で測定を行うことができる。
【0045】前記実施形態では光学顕微鏡が複合された
AFMについて説明したが、他の走査型プローブ顕微鏡
についても同様に本発明による構成を適用できる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、AFM等の走査型プローブ顕微鏡によって試料表
面のレジストパターン等の微細な3次元形状を測定する
場合において、例えば凸部(または凹部)の両側縁部の
段差を測定するときに、各段差で測定の精度を高める適
切な姿勢になるように、探針を必要なだけ左右にチルト
させることによって測定を行い、左右のチルト状態によ
る測定で得られたデータをその後合成するようにしたた
め、試料表面の微細な3次元形状を誤差を含むことなく
正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る走査プローブ顕微鏡の最適実施形
態を示す構成図である。
【図2】制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】回転機構とカンチレバーと探針を拡大して示す
斜視図である。
【図4】探針のチルト状態を示す図である。
【図5】チルトした探針がパターンを測定する状態を示
す図である。
【図6】測定データの合成を説明するための図である。
【図7】試料やパターンの具体的寸法の一例を示す図で
ある。
【図8】従来装置による測定の問題を説明する図であ
る。
【図9】従来装置による測定結果を示す図である。
【符号の説明】
11 XYステージ 12 試料テーブル 13 試料 14 取付け枠体 15 光学顕微鏡 16 CCDカメラ 17 Z粗動ステージ 18 xyzスキャナ 20 回転機構 21 カンチレバー 22 探針 23 変位検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 吉弘 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 森本 高史 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 黒田 浩史 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 小野里 陽正 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 井村 亮 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 保坂 純男 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所基礎研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に対向する探針を先部に備えたカン
    チレバーと、前記カンチレバーを取付け、前記探針と前
    記試料の相対的位置を変位させる微動機構と、前記カン
    チレバーの変位を検出する変位検出装置を備え、前記微
    動機構によって前記試料の表面を走査しながら前記探針
    と前記試料の間に作用する物理量に基づく前記カンチレ
    バーのたわみ量を前記変位検出装置で検出し、かつ前記
    たわみ量を制御して前記試料の表面を測定する走査型プ
    ローブ顕微鏡において、 前記探針をチルトさせる回転機構と、前記探針の第1チ
    ルト状態と第2チルト状態で測定動作を行わせる制御手
    段とを備え、前記探針のチルト姿勢を用いて前記試料の
    表面凹凸部の縁部を測定することを特徴とする走査型プ
    ローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は第1記憶部と第2記憶部
    を備え、前記表面凹凸部は両側縁に段差を有し、一方の
    縁の段差を前記第1チルト状態で測定し、その測定デー
    タを前記第1記憶部に格納し、他方の縁の段差を前記第
    2チルト状態で測定し、その測定データを前記第2記憶
    部に格納したことを特徴とする請求項1記載の走査型プ
    ローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記第1チルト状態の
    測定データと前記第2チルト状態の測定データを合成
    し、測定箇所の形状に関する測定データを作成する合成
    手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の
    走査型プローブ顕微鏡。
  4. 【請求項4】 カンチレバーの先部に設けた探針を、試
    料の表面に対して両者の間で物理量が作用し合う程度の
    距離まで接近させ、前記試料の表面上で前記探針を走査
    させる場合に探針に作用する前記物理量によって前記カ
    ンチレバーが変位するとき、この変位を検出し、前記カ
    ンチレバーの変位が一定に保持されるように制御するこ
    とにより前記試料の表面を測定する走査型プローブ顕微
    鏡の測定方法において、 前記探針が前記試料の表面凹凸部の縁部を測定すると
    き、前記探針が各縁部に適した傾斜姿勢になるように前
    記探針をチルトさせて測定を行い、縁部における第1チ
    ルト状態および第2チルト状態で測定した値を合成して
    最終的測定結果を得、前記試料の表面の3次元形状を測
    定するようにしたことを特徴とする走査型プローブ顕微
    鏡の測定方法。
  5. 【請求項5】 前記表面凹凸部は両側縁に段差を有し、
    一方の縁の段差を前記第1チルト状態で測定し、他方の
    縁の段差を前記第2チルト状態で測定したことを特徴と
    する請求項4記載の走査型プローブ顕微鏡の測定方法。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2のチルト状態で測定
    した値を合成するとき、測定データの共通部を基準にし
    て合成演算を行うようにしたことを特徴とする請求項4
    または5記載の走査型プローブ顕微鏡の測定方法。
  7. 【請求項7】 前記第1および第2のチルト状態で測定
    した値を合成するとき、前記探針をチルトさせるときの
    移動量を算出して合成演算を行うようにしたことを特徴
    とする請求項4または5記載の走査型プローブ顕微鏡の
    測定方法。
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Cited By (6)

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