JP2005227170A - 走査型プローブ顕微鏡用微動機構 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡用微動機構 Download PDF

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Abstract

【課題】 狭いスペースでも設置が可能なひずみゲージ式変位センサを温度補償が可能なように配置することにより、剛性が高く、測定精度の高い走査型プローブ顕微鏡用の微動機構を提供する。
【解決手段】 圧電素子により構成される微動機構に、少なくとも2分割以上の電極を設け、そのうちの1つの電極部は電圧を印加しないようにダミー電極として構成し、他の電極は電圧を印加することによりひずみを生ずるアクティブ電極として構成し、アクティブ、ダミー電極にそれぞれ1箇所、または2箇所に抵抗体を設け、抵抗体によりブリッジ回路を構成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、探針とサンプルを微動機構により相対的にスキャンして、サンプルの表面の凹凸や物理特性の測定や、サンプル表面の加工、あるいは、探針によりサンプル表面の物質の移動などを行うための走査型プローブ顕微鏡の微動機構に関する。
従来の走査型プローブ顕微鏡の微動機構では、例えば、図8、図9に示したような円筒型圧電素子が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。図8(a)は円筒型圧電素子の断面図、図9は外周面の展開図である。この従来技術では、中空円筒状に形成された圧電素子体81の内側に共通電極82を設け、外側電極を2段構造として、1段目に円周面に沿って帯状の電極83を設け、2段目に円周上を4等分した電極84を設けた構造となっている。
この円筒型圧電素子81の帯状電極83については、内側電極82から外側電極83に向かって一様にポーリング処理が施されており、4分割電極84については、中心軸に対して相対する2電極84a、84cおよび84b、84dについて、内側電極82に対して互いに逆となるようにポーリングが施されている。図8(a)の矢印は、それぞれの電極でのポーリング方向であり、図9のプラス、マイナス記号は外周面方向でのポーリングの極性を示す。
内側電極82と1段目の帯状電極83間に電源85により電位差を与ええた場合、帯状電極83が設けられた領域で全円周に渡って厚み方向にひずみが生じ、その結果、円筒型圧電素子81は中心軸方向(以後Z方向と呼ぶ)に変位する。
また、2段目に設けられた4分割の電極84のうち、相対する2電極間84a、84cおよび84b、84dに、電源86、87により電圧を印加することにより、図8(b )に示すように一方の電極は軸方向に伸び、もう一方の電極は縮み、結果として、円筒型圧電素子は軸方向に対して曲げが生ずる。円筒型圧電素子の末端81aを固定端とし、先端81bを自由端とした場合には、先端部分81bは、図8(b)の円弧状の矢印で示すような方向に円弧状に変位する。撓み角が微小の場合には、先端は近似的に中心軸と直交する面内での運動を行うことになる。したがって、4分割電極84により、2次元平面内(以後XY方向と呼ぶ)での変位を得ることができる。通常、4分割電極84は固定端側に設けられ、帯状電極83の長さ分だけ、出力変位が拡大されるように構成される。
走査型プローブ顕微鏡では、この円筒型圧電素子の先端部分にサンプル、または探針を取り付け、Z方向の距離を制御させながらXY方向にスキャンさせることによりサンプル表面の凹凸や物理特性の測定や、サンプル表面の加工、あるいは、探針によるサンプル表面の物質の移動などを行うことが可能となる。
このような円筒型圧電素子により走査型プローブ顕微鏡の微動機構を構成することにより、以下のような利点が得られる。
(1)圧電素子を用いることによりサブナノメータオーダの高い精度での微動が可能となる。
(2)圧電素子を円筒型に形成することにより素子単体の剛性が高くなるなるとともに、XYZ方向の微動機構を一体化させることで、装置全体が小型化し装置剛性が高くなる。この結果耐振動性や走査速度を向上させることができる。
しかしながら、圧電素子により探針とサンプル間を相対的に移動させる場合、圧電素子のヒステリシスやクリープ特性に伴い非線形な動作となり変位誤差を生ずる。
このため、圧電素子のヒステリシスカーブをあらかじめ求めた後、計算により補正を行う方法や、変位センサにより、圧電素子の変位を直接計測する方法が行われている。
しかしながら、計算により補正する場合には、圧電素子の動作を決める要因として、素子ごとの加工のばらつきや、周囲の温度、湿度、走査範囲、走査スピード、走査方向などさまざまなパラメータが発生するため、これらすべてのパラメータを考慮して補正式を求めることは困難であり、十分な測定精度が得られない。
一方、変位センサを組み込む場合、静電容量式変位センサ、光学式変位センサ、差動トランス式変位センサ、渦電流式変位センサなどが用いられるが、これらのセンサはいずれも大型であり、広い設置スペースが必要となり装置全体が大型化する。その結果、装置の剛性が低下して分解能や走査速度が悪化する。また、変位計自体のコストも高い。
狭いスペースで構成が可能で、簡便に変位を検出する方法としては、ひずみゲージを用いた方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
一般にひずみゲージは金属による抵抗体が用いられる。ひずみゲージを用いる場合の問題点としては、微小なひずみ測定を行う場合にはS/N比の悪化により高い分解能が得られないことと、温度による抵抗値の変化が大きく測定誤差が大きくなってしまうことが挙げられる。
そこで、一般には4つの抵抗体でブリッジ回路を組み、温度補償を行うとともに出力の増幅が行われている。
図10は、ひずみ測定に用いられるブリッジ回路を示す図である。抵抗体R1からR4の各々のひずみ量をεからεとし、回路にあらかじめEの電圧を印加した場合の出力eは以下の式で表される。
e=Ks/4・(ε−ε+ε−ε)・E (1)
ここで、Ksはゲージ率と呼ばれるもので、ひずみゲージの種類ごとに固有のものであり、ブリッジ回路を組む場合には同一のゲージ率のものを選択する必要がある。
圧縮/引っ張り方向のひずみの検出を行う場合には、図11から図15に示したようにひずみゲージを取り付け、ブリッジ回路を構成する。以下の説明では、素子に発生するひずみをε、温度変化によりゲージに発生する温度ひずみをεとする。また、ひずみゲージへの配線は図示しない。
図11は1ゲージ法と呼ばれるもので、(a)はひずみゲージの貼付け方法、(b)はひずみゲージの配線方法を示す。図11(a)のように、矢印に示すような中心軸方向に伸縮し、圧縮/引っ張りひずみを生ずる部材111に中心軸方向に抵抗体113が形成されたひずみゲージ112を貼り付ける。図11(b)のようなブリッジ回路を形成し、R1以外は固定抵抗とする。このとき固定抵抗のひずみ量は0であるので、出力は式(1)より、
e=Ks/4・(ε+ε)・E (2)
となる。したがって、1ゲージ法の場合には、ブリッジ回路による温度補償はできない。
図12は2ゲージ法と呼ばれるものである。(a)はひずみゲージの貼付け方法、(b)はひずみゲージの配線方法を示す。ここで図12(a)のように、矢印に示すような軸方向に伸縮し、圧縮/引っ張りひずみを生ずる部材121に、ひずみゲージ122、123の抵抗体124、125が中心軸方向と中心軸方向に直交する方向になるように貼り付け、図12(b)のようなブリッジ回路を構成した。ここで、抵抗R3,R4はひずみゲージと同一の抵抗値を持つ固定抵抗とする。この場合、材料のポアソン比をνとし、中心軸方向のひずみをεとすると、
e=Ks/4・(1+ν)ε・E (3)
となる。すなわち、温度補償が行われるとともに、出力は1+ν倍に増幅される。
図13も2ゲージ法であり、(a)はひずみゲージの貼付け方法、(b)はひずみゲージの配線方法を示す。ここで図13(a)のように、矢印に示すような中心軸方向に伸縮し、圧縮/引っ張りひずみを生ずる部材131に、ひずみゲージ132、133の抵抗体134、135が中心軸方向と平行になるように貼り付け、図13(b)のようなブリッジ回路を構成した。ここで、抵抗R2、R4はひずみゲージと同一の抵抗値を持つ固定抵抗とする。この場合の出力は、
e=Ks/4・2(ε+ε)・E (4)
となる。すなわち、出力は2倍されるが、温度によるひずみ量も2倍されてしまい温度補償は行われない。
図14は4ゲージ法と呼ばれるもので、(a)はひずみゲージの貼付け方法、(b)はひずみゲージの配線方法を示す。ここで図14(a)のように、矢印に示すような中心軸方向に伸縮し、圧縮/引っ張りひずみを生ずる部材141に、ひずみゲージ142、144の抵抗体146、148が中心軸方向となるように貼り付け、ひずみゲージ143、145の抵抗体147、149が中心軸と直交する方向になるように貼り付け、図14(b)のようなブリッジ回路を構成した。この場合の出力は以下のようになる。
e=Ks/4・2(1+ν)ε・E (5)
すなわち、温度補償が行われるとともに、出力は2(1+ν)倍に増幅される。
図15は、2ゲージ法のアクティブ、ダミー方式と呼ばれるもので、(a)はひずみゲージの貼付け方法、(b)はひずみゲージの配線方法を示す。ここで図15(a)のように、矢印に示すように中心軸方向に伸縮し、圧縮/引っ張りひずみを生ずる部材151に、ひずみゲージ153の抵抗体154が中心軸方向と平行になるように貼り付け、部材151と同一の部材で構成された部材152にもひずみゲージ155の抵抗体156が中心軸方向と平行になるように貼り付け、図15(b)のようなブリッジ回路を構成した。ここで、抵抗R、Rはひずみゲージと同じ抵抗値の固定抵抗とする。この方式では、ひずみを生ずる素子151のひずみゲージ153がアクティブゲージとして動作し、その素子と同じ材料の部材で構成された別の部材152に貼り付けられたひずみゲージ155がダミーゲージとなる。アクティブゲージとダミーゲージを同一の環境下に置いた場合には両者の温度によるひずみ量はほぼ等しくなり、温度によるひずみがキャンセルされて、ブリッジ回路の出力は、
e=Ks/4・ε・E (6)
となる。
特許第2598665号公報(第4頁、図1) 高橋賞、河井正安著「改定新版ひずみゲージによるひずみ測定入門」、大成社、平成13年6月1日、P63、P95〜P97
圧電素子を用いた微動機構の場合、ひずみ量は非常に微小であり、走査型プローブ顕微鏡のようにサブナノメータオーダの精度を要求される場合には、ひずみゲージの温度の影響による測定誤差は無視できず、温度補償を行う必要がある。
その場合には、前述した測定法のうち、図12または図14または図15の方法により温度補償を行うことが必須である。
さらに、サブナノメータ精度を得るためには金属ゲージでは出力が小さすぎて、S/N比が悪く必要な出力を得られない。そこで、金属ゲージよりもゲージ率Ksが大きい半導体材料を抵抗体としたひずみゲージが用いられる。
半導体ゲージは、ゲージ率が大きい反面、温度によるひずみも大きく、ブリッジ回路による温度補償が必須となる。
しかしながら、半導体ゲージは金属ゲージに比べて最大許容ひずみが小さく、曲面へ貼り付けた場合、最大許容ひずみ量を超えてしまい、測定ができない。したがって、図12または図14に示したように、円筒型圧電素子の円周方向への貼り付けを行うことができず、温度補償が不可能となる。
また、図15のアクティブ・ダミー方式では、各々の検出対象を同一の環境下に置く必要があり、走査型プローブ顕微鏡では、ダミーゲージ貼り付け用の部材を微動素子と同一環境下に配置するため、微動機構にできるだけ近い位置に配置する必要があるが、この配置スペースを走査型顕微鏡のユニット内に確保すると、装置全体が大型化してしまい、剛性が低下し測定精度が悪化する。また、ユニット外部に配置した場合には、微動機構との設置環境に差が生じる。走査型プローブ顕微鏡では、わずかな環境の違いでも測定精度に大きく影響する。さらに、微動機構の材料となる圧電素子は、加工方法などに起因する機械的特性にばらつきがあり、アクティブゲージ貼付部とダミーゲージ貼付部の部材の特性をできる限り同一にする必要がある。
そこで本発明は、狭いスペースでも設置が可能なひずみゲージ式変位センサを温度補償が可能なように配置することにより、剛性が高く、測定精度の高い走査型プローブ顕微鏡用の微動機構を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の走査型プローブ顕微鏡用微動機構では、被測定物(サンプル)の表面を探針で走査し前記被測定物の物性を測定するために、前記被測定物と前記探針との相対位置関係を微小変化させる、走査型プローブ顕微鏡用の微動機構において、前記微動機構が、圧電素子より構成され、該圧電素子に電圧を印加するための電極が少なくとも2箇所以上設けられ、そのうちの少なくとも1つの電極は電圧を印加しないダミー電極として構成され、他の電極は電圧を印加することにより圧電素子にひずみを生ずるアクティブ電極として構成され、前記アクティブ電極に、それぞれ1箇所、または2箇所のひずみ検出用の抵抗体を設け、前記ダミー電極に1箇所または複数箇所の抵抗体を設け、前記アクティブ電極の抵抗体によりひずみ検出を行う際に、ダミー電極の抵抗体により温度補償を行うようにアクティブ電極とダミー電極間の各抵抗体を接続してブリッジ回路を構成した。
さらに、前記微動機構に2箇所以上設けられたアクティブ電極の各抵抗体が、ダミー電極上の同一の温度補償用抵抗体を共有してブリッジ回路を構成した。
さらに、本発明では前記微動機構を中空円筒型圧電素子より構成し、円筒内部に共通電極を設け、外部に2箇所以上の電極を設け、そのうちの少なくとも1箇所をダミー電極として用いるように構成した。
さらに、前記抵抗体を線状の半導体により構成し、アクティブ電極とダミー電極に設けられた前記線状抵抗体の長手方向が円筒型圧電素子の中心軸方向と平行になるように配置した。
上記のように構成した走査型プローブ顕微鏡用の微動機構では、抵抗体によりひずみが測定可能であるため、圧電素子のもつヒステリシスやクリープの影響に左右されず、線形性のよいアクチュエータとして動作して測定精度が向上する。また、変位の測定を行うためにひずみゲージを用いることにより、他の変位計に比較して設置スペースが小さくなり、装置が小型化し、剛性が向上する。
一般に抵抗体によるひずみゲージの場合には、温度による抵抗体自体にひずみが発生し、これにより測定精度が低下する。本発明では圧電素子により微動機構を構成し、該圧電素子に電圧を印加するための電極を少なくとも2箇所以上設け、そのうちの少なくとも1つの電極は電圧を印加しないダミー電極として用い、他の電極は電圧を印加することにより圧電素子にひずみを生ずるアクティブ電極として用い、前記アクティブ電極に、それぞれ1箇所、または2箇所のひずみ検出用の抵抗体を設け、前記ダミー電極上に1箇所または複数箇所の抵抗体を設け、前記アクティブ電極の抵抗体によりひずみ検出を行う際に、ダミー電極の抵抗体により温度補償を行うようにアクティブ電極とダミー電極間の各抵抗体を接続してブリッジ回路を構成した。この結果、温度ドリフトの影響がキャンセルされて測定精度が向上する。
この場合、アクティブ電極とダミー電極を同一の圧電素子上に設けるため、それぞれの抵抗体の設置環境、設置状態がほとんど同じ条件で比較でき、温度補償の精度が向上する。
さらに、アクティブ電極を2箇所以上設け、アクティブ電極の各抵抗体が、ダミー電極上の同一の温度補償用抵抗体を共有してブリッジ回路を構成した。
これにより、ダミー電極上への抵抗体の設置スペースを効率的に使用することが可能となり、さらに、ダミー電極上の抵抗体の個数が減り配線が少なくなる。この結果、装置全体が小型化でき、ユニットの剛性が向上する。
また、円筒型圧電素子により微動機構を構成することにより、さらに装置を小型化でき、装置の剛性が向上する。
さらに、アクティブ、ダミー電極各々に2箇所の抵抗体を設け、ブリッジ回路により出力を取り出した場合には、それぞれ1箇所の抵抗体を取り出す場合に比べて出力が2倍となり、出力のS/N比が向上する。
さらに、抵抗体に半導体を用いるため、金属による抵抗体の場合に比べて微小なひずみ測定が可能となり、走査型プローブ顕微鏡の微動機構の変位測定精度がさらに向上する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の走査型プローブ顕微鏡用微動機構の第一実施例を図1〜図4に示す。図1は、本発明の第一の実施例に係る円筒型圧電素子による微動機構の外観図である。
この第一実施例では、図1に示されるように圧電素子を中空円筒型に形成して円筒型圧電素子1を形成した。この円筒型圧電素子1の内部には、共通電極5を設けた。また、この円筒型圧電素子1の外周部は、先端1bから末端1aにかけて全体を1段目(上段)、2段目(中段)、3段目(下段)の3段に分けた。その1段目と2段目の2段には、円筒の中心軸方向へひずみを生じさせるためアクティブ電極として用いるZ電極2と、ダミー電極として用いるダミー電極3とをそれぞれ円筒の外周に沿って帯状に設けた。さらに、末端部の下段の3段目には、円周上を周方向に4等分した4分割電極4を設けた。
図2は、図1に示された円筒型圧電素子1の外周面の展開図であり、各電極のひずみを測定するための抵抗体として用いるひずみゲージの貼り付け方法、ポーリングの極性、及び各電極へ印加する電圧用の配線を示している。
この円筒型圧電素子1の帯状のZ電極2、ダミー電極3については、円筒の内側電極(共通電極5)から外側電極(帯状のZ電極2、ダミー電極3)に向かって一様にポーリング処理が施されている。4分割電極4a,4b,4c,4dについては、円筒の中心軸に対して相対する2電極について、共通電極5に対して極性が互いに逆となるように内側電極(共通電極5)から4分割電極4a,4b,4c,4dに向かってポーリングが施されている。これらのポーリングによる極性は、図2の各電極にプラス及びマイナスの記号で示してある。帯状のZ電極2はプラス、帯状のダミー電極3はプラス、4分割電極4a,4b,4c,4dのうちX電極4aとY電極4bはそれぞれプラス、X電極4cとY電極4dはそれぞれマイナスとした。
1段目と2段目の帯状のZ電極2、ダミー電極3には、ひずみゲージ6がそれぞれ2枚づつ合計4枚接着固定されている。このひずみゲージ6は、絶縁用の紙とフェノールエポキシ樹脂を材料とするベース材8上にN型シリコンよりなる半導体7を線状のパターンに形成したものである。帯状のZ電極2、ダミー電極3にこのひずみゲージ6を接着固定する際には、半導体7の線状パターンの長手方向が円筒の中心軸と平行(すなわち同方向)になるように接着固定する。
また、4分割電極4a,4b,4c,4d上には、帯状の電極2、3に接着固定した前記ひずみゲージ6と同仕様のひずみゲージ6が、線状パターンの長手方向が円筒の中心軸と平行になるように各電極それぞれ2枚づつ合計8枚接着固定されている。
本第一実施例では、出力電圧を増幅し、微小ひずみの測定を可能にするために、半導体製の抵抗体を持つひずみゲージ6を合計12枚用いた。
この微動素子の共通電極5は接地されており、また、図2に示すように、1段目の帯状のZ電極2が電源9に接続され、2段目の帯状のダミー電極3は「GND」(GROUNDの略)と示されるように接地される。
また、3段目に設けられた4分割電極4のうち、相対する2電極間4a,4cおよび4b,4dにはそれぞれ電源10,11が接続されている。
相対する2電極間に同一の電圧を印加した場合には、ポーリング方向にそれぞれ圧縮、引っ張りのひずみが生じる。このとき、ポーリング方向と直交する方向にもひずみが生じる。その結果、一方の電極は軸方向に伸び、もう一方の電極は軸方向に縮み、結果として、円筒型圧電素子1は中心軸と直交する方向に曲げが生ずる。
円筒型圧電素子1の末端1aを固定端とし、先端1bを自由端とした場合には、図8(b)の従来例と同じように、先端1b部分が図8(b)の円弧状の矢印で示すような方向に円弧状に変位する。撓み角が微小の場合には、先端は近似的に中心軸と直交する面内での運動を行うことになる。したがって、4分割電極4により、2次元平面内での変位を得ることができる。4分割電極4は固定端側に設けられているため、帯状電極2、3の長さ分だけ、出力変位が拡大されるように構成される。
ここで、1段目の帯状のZ電極2に貼り付けられた2枚のひずみゲージ6を、それぞれR1,R3とし、2段目の帯状のダミー電極3に貼り付けられた2枚のひずみゲージ6を、それぞれR2,R4とする。それら2段の帯状のZ電極2,ダミー電極3に貼り付けられた合計4枚のひずみゲージR1,R2,R3,R4は、線状の半導体7の抵抗体の両端が互いに電気的に接続されブリッジ回路として構成される。
図3は、図2で示した各軸の電極に貼り付けられたひずみゲージの接続方法を示す図である。図3における抵抗体の番号R1,R2,R3,R4は、図2の帯状のZ電極2,ダミー電極3のひずみゲージ番号R1,R2,R3,R4にそれぞれ対応する。
図3に示すように、ブリッジ回路は、抵抗体R1と抵抗体R4との間と、抵抗体R2と抵抗体R3との間とに電圧Eの直流電圧が印加されており、各抵抗体R1,R2,R3,R4のひずみによる抵抗値の変化により、抵抗体R1と抵抗体R2との間と、抵抗体R3と抵抗体R4との間とからの出力電圧eが検出できる構成となっている。
一般的に、ひずみゲージには個々の個体差により初期抵抗値にばらつきが生じるため、その初期抵抗値のばらつきをキャンセルさせるために、可変抵抗を追加して調整する。図3に示すブリッジ回路では、3接点式の可変抵抗12を使用した例を示し、ひずみ測定の前には予め、各抵抗体R1,R2,R3,R4にひずみが生じない状態で可変抵抗12の抵抗値を変化させて、出力eが0Vとなるように調整を行っておく。
このような状態で、1段目の電極2に電圧を加え、1段目にZ方向のひずみεを生じさせる。また、温度などの環境変化によるひずみゲージの変化をεとする。各ひずみゲージが貼り付けられているZ電極2,ダミー電極3は同一材料であり、さらに同一の円筒型圧電素子上に隣り合って配置されているため、各ひずみゲージが置かれる環境は同じであり、温度変化によるひずみ量は同一となる。
従って、式(1)により、出力は、
e=Ks/4・(ε−ε+ε−ε)・E
=Ks/4・{(ε+ε)―(ε)+(ε+ε)−(ε)}・E
=Ks/4・2ε・E (7)
となり、温度によるひずみがキャンセルされて、さらに2倍に増幅されたひずみを得ることができる。
一般的に、半導体製の抵抗体を持つひずみゲージは最大許容ひずみが小さく、円筒面へ貼り付けた場合には最大許容ひずみ量を超えてしまい、測定ができない。しかし、本実施例では、線状のゲージの長手方向を中心軸と平行な方向に貼り付けているため、抵抗体の貼り付け方向は曲面ではなく平面状となり、最大許容ひずみ量を超えてしまうといった問題は生じない。
4分割電極4a,4b,4c,4dの各電極に2枚づつ貼り付けられたひずみゲージR1,R2,R3,R4ついても、図3に示されるようなブリッジ回路が構成される。すなわち、X軸方向に駆動させるためのX電極4a及び4cにおけるひずみゲージR1,R3及びR2,R4が、図3に示すブリッジ回路における抵抗体R1,R3及びR2,R4にそれぞれ対応する。また、Y軸方向に駆動させるためのY電極4b及び4dにおけるひずみゲージR1,R3及びR2,R4が、図3に示すブリッジ回路における抵抗体R1,R3及びR2,R4にそれぞれ対応する。
X軸方向に駆動させるためのX電極4a、4cについて説明すると、各電極に電圧が印加され、一方の電極側4aに中心軸と平行の引っ張りひずみ+εが生じた場合、対抗する電極4cには、絶対値が等しく、正負が逆の圧縮ひずみ−εが発生し、結果として、末端の固定端1aを中心に湾曲する。各ひずみゲージの貼り付け環境が等しいので、各ひずみゲージには、値の等しい温度によるひずみ量εが発生する。このときの出力は、式(1)より以下のようになる。
e=Ks/4・(ε−ε+ε−ε)・E
=Ks/4・{(ε+ε)―(−ε+ε)+(ε+ε)−(−ε+ε)・E
=Ks/4・4ε・E (8)
すなわち、温度によるひずみがキャンセルされて、4倍に増幅されたひずみが得られる。
ここで、式(7)、式(8)をみると、出力電圧eは、ゲージ率Ksとブリッジ回路に印加された電圧Eに比例する。すなわち、ゲージ率Ksと印加電圧Eが大きいほど大きな出力を得ることができる。市販されているひずみゲージでは金属製の抵抗体を用いた抵抗値120Ω、ゲージ率Ks=2のものが最も一般的であるが、本実施例で用いた半導体ひずみゲージの特性は、抵抗値2kΩ、ゲージ率Ks=170の特性を有する。
したがって、半導体製のゲージの方が、金属製の抵抗体を用いたゲージよりもゲージ率が85倍も大きく、さらに抵抗値も約17倍大きいため、抵抗体に印加する電圧、すなわちEを大きくすることができ、増幅率が増加させることが可能となる。その結果、出力信号のS/N比が増加して微小ひずみでも精度の高いひずみ測定を行うことが可能となる。半導体による抵抗体は、温度に対するひずみ量が金属製の抵抗体に比べて大きく測定精度が低下するが、本実施例ではブリッジ回路により温度補償が行われているため半導体製の抵抗体を用いても測定精度の低下は防止される。
次に、前記円筒型圧電素子1による微動機構を使用した走査型プローブ顕微鏡について説明する。ここでは、走査型プローブ顕微鏡の1例として、原子間力顕微鏡の場合について説明する。
図4は、図1に示した円筒型圧電素子1による微動機構を用いて構成した原子間力顕微鏡の概観図である。
微動機構1は、末端1aが粗動機構20の上面に固定されており、先端部1bにはサンプルステージ13が設けられる。サンプルステージ13上に置かれたサンプル14と対抗する位置に、プローブホルダ15が配置され、先端に微小な探針を有するカンチレバー16が固定される。カンチレバー16の変位は、半導体レーザ17と4分割ディテクタ18により構成される光てこ19により計測される。円筒型圧電素子1による微動機構は、粗動機構20上に配置されて、サンプル14を探針16に対して近接させる。
サンプル14と探針16を原子間力が働く領域まで近接させた場合、探針とサンプル間に働く力は距離に依存する。従って、カンチレバー16のたわみを光てこ19により検出し、設定したたわみ量となるようにZ電極2による円筒型圧電素子1の微動機構のZ軸方向変位により距離調整を行うことにより、探針とサンプル間の距離を一定にすることができる。このとき、円筒型圧電素子1による微動機構の4分割電極4によりXY軸方向にサンプル14をラスタスキャンさせると、サンプル表面の凹凸像を得ることができる。
このとき、各電極に貼り付けられたひずみゲージ(図示せず)の出力をモニターすることによりXYZ方向の変位量を知ることができる。上記の例ではブリッジ回路に直流電圧を印加したが、ここではS/N比を向上させるため交流電圧を印加し、出力を増幅器(図示せず)で増幅した後、ロックインアンプ(図示せず)で検出する。
XY方向については、ひずみゲージの出力を制御回路(図示せず)に入力し、XY方向が線形性を保つようにクローズドループ制御される。
Z方向微動機構についても、クローズドループで構成することもできるが、原子間力顕微鏡の場合には、Z方向微動機構は通常、絶対変位がわかればよいので、オープンループとし、ひずみゲージの出力により得られる絶対変位を表示するように構成した。このようにZ方向微動機構をオープンループに構成することで、Z軸方向の応答性が向上する。
次に、本発明の走査型プローブ顕微鏡用微動機構の第二実施例を図5、図6、図7を参照して説明する。尚、第一実施例で説明した各構成要素と共通の要素には同じ符号を付けて示してあり、各要素間の構成や動作について共通する内容については、その詳細な説明を省略する。
本第二実施例の微動機構も図1に示した第一実施例と同じ形状の円筒型圧電素子1を用いる。図5は、円筒型圧電素子の外周面の展開図であり、ひずみゲージの貼り付け、ポーリングの極性(プラス及びマイナスの記号)、各電極へ印加する高電圧用の配線を示している。
本第二実施例では、Z方向微動用の帯状のZ電極2に2枚のひずみゲージRz1、Rz3を貼付け、XY方向微動用のX電極4a,4c及びY電極4b,4dにはそれぞれ1枚のひずみゲージRx1,Rx2,Ry1,Ry2を貼り付け、帯状のダミー電極3には、4枚のひずみゲージRc1,Rc2,Rc3,Rc4を貼り付け、合計10枚のひずみゲージを貼り付けた構成である。
図6は、X電極4a,4c及びY電極4b,4dのひずみゲージの配線図である。図6に示す抵抗体Rx1,Rx2,Ry1,Ry2は、それぞれ図5におけるX電極4a,4c及びY電極4b,4dに貼り付けられたひずみゲージRx1,Rx2,Ry1,Ry2に対応し、図6に示す抵抗体Rc3,Rc4は、図5における帯状のダミー電極3に貼り付けられた4枚のうちの2枚のひずみゲージRc3,Rc4にそれぞれ対応する。
また、図7は、帯状のZ電極2のひずみゲージの配線図である。図7に示す抵抗体Rz1,Rz3は、図5における帯状のZ電極2に貼り付けられたひずみゲージRz1,Rz3にそれぞれ対応する。また、図7に示す抵抗体Rc1,Rc2は、図5における帯状のダミー電極3に貼り付けられた4枚のうちの2枚のひずみゲージRc1,Rc2にそれぞれ対応する。
本第二実施例では、Z電極2に加えて、XY電極4についても、ダミー電極3に貼り付けたひずみゲージで4ゲージ法によるブリッジ回路を構成した。すなわち、XYZすべての電極でアクティブ・ダミー電極を用いた4ゲージ法による温度補償が可能な構成となっている。
ここで、XY電極4のダミー電極用のひずみゲージは、同一のゲージRc3、Rc4をXYで共有する構成とし、Rx1,Rx2,Ry1,Ry2の4枚のゲージと組み合わせて、図6に示すブリッジ回路を構成した。すなわち、ゲージRc3、Rc4は、温度補償用抵抗体として2つのブリッジ回路間で共有される。4ゲージ法を用いた場合には、増幅率が上がり、温度補償も行えるが、配線が複雑化する。しかし、本第二実施例のように、ダミー用のひずみゲージを2つのブリッジ回路間で共有することで、ゲージの枚数や配線の本数を減らすことが可能である。
また、Z電極2のひずみゲージRz1、Rz3も、XYと同一のダミー電極3に設けられたひずみゲージRc1、Rc2と組み合わせ、図7に示したようなブリッジ回路を構成した。このように、ひずみゲージを貼り付けるダミー電極を共有することで、設置スペースが有効に活用できる。
なお、ダミー電極のひずみゲージは、ダミー電極の領域にXYの各電極毎に別々に貼り付けることも可能である。
このように構成することで、4ゲージ法による温度補償を行うことが可能となり、測定精度が向上すると同時に、微動素子や装置が小型化されてユニットの剛性が向上する。
本発明は上記第一、第二実施例に限定されるものではない。
上記実施例では、4ゲージ法について説明したが、たとえば、Z方向は図3において、R1、R3のみ、XY方向は、図3においてR1、R2のみに貼り付け2ゲージ法とすることも可能である。この場合、得られる出力は、4ゲージ法の半分になるが、温度によるひずみの影響はキャンセルされる。
また、抵抗体の種類は半導体に限定されない。他にも金属によるひずみゲージや圧電体を用いたひずみゲージを用いることも可能である。最も一般的に普及している金属ひずみゲージの場合には、ゲージ率が2であり、実施例の半導体ひずみゲージに比べ2桁程度小さく、さらに抵抗値は120Ωと1桁程度小さく、その結果ブリッジ回路に印加できる電圧も小さくなるため、出力が大きく低下するが、半導体ゲージに比べ、安価で温度特性がよいという特徴がある。
さらに、本実施例では円筒型圧電素子のZ電極に適用したが、他の形状の圧電素子や積層型圧電素子などもすべて本発明に含まれる。
また、上記実施例ではサンプル側を微動機構で駆動させたが、探針側を駆動させることもできる。
さらに、本発明の微動機構の適用範囲は原子間力顕微鏡に限定されず、摩擦力顕微鏡、カンチレバー振動方式の原子間力顕微鏡、磁気力顕微鏡、走査型近視野顕微鏡など、すべての走査型プローブ顕微鏡に適用可能である。また、近年、走査型プローブ顕微鏡は、サンプルの加工や、サンプルのマニピュレートなどにも応用されている。これらのアプリケーションでは微動素子の位置決め精度が要求され、本発明の走査型プローブ顕微鏡用の微動機構はきわめて有効である。
本発明の第一の実施例に係る円筒型圧電素子による走査型プローブ顕微鏡用微動機構の外観図である。 図1に示した微動機構の展開図である。 図2に示した微動機構の各軸の電極に貼り付けられたひずみゲージの接続用回路図である。 図1に示した微動機構を用いて構成した原子間力顕微鏡の概観図である。 本発明の第二の実施例に係る円筒型圧電素子による走査型プローブ顕微鏡用微動機構の展開図である。 図5に示した微動機構のXY電極に貼り付けられたひずみゲージの接続用回路図である。 図5に示した微動機構のZ電極に貼り付けられたひずみゲージの接続用回路図である。 従来の円筒型圧電素子による走査型プローブ顕微鏡用微動機構を示す図であり、(a)は断面図、(b)は駆動状態を示す正面図である。 図8に示した従来の微動機構の展開図である。 ひずみゲージの出力を検出するためのブリッジ回路の接続用回路図である。 圧縮/引っ張りひずみを検出するための従来の1ゲージ法を示す図であり、(a)はゲージの貼り付け方法を示す図、(b)は接続用回路図である。 圧縮/引っ張りひずみを検出するための従来の2ゲージ法(温度補償あり)を示す図であり、(a)はゲージの貼り付け方法を示す図、(b)は接続用回路図である。 圧縮/引っ張りひずみを検出するための従来の2ゲージ法(温度補償なし)を示す図であり、(a)はゲージの貼り付け方法を示す図、(b)は接続用回路図である。 圧縮/引っ張りひずみを検出するための従来の4ゲージ法(温度補償なし)を示す図であり、(a)はゲージの貼り付け方法を示す図、(b)は接続用回路図である。 圧縮/引っ張りひずみを検出するための従来のアクティブ・ダミー法を示す図であり、(a)はゲージの貼り付け方法を示す図、(b)は接続用回路図である。
符号の説明
1 円筒型圧電素子
2 Z電極
3 ダミー電極
4 XY電極
5 内部電極
6 ひずみゲージ
13 サンプルステージ
14 サンプル
15 プローブホルダ
16 カンチレバー
19 光てこ
20 粗動機構
81 円筒型圧電素子
82 内部電極
83 Z電極
84 XY電極

Claims (4)

  1. 被測定物(サンプル)の表面を探針で走査し前記被測定物の物性を測定するために、前記被測定物と前記探針との相対位置関係を微小変化させる、走査型プローブ顕微鏡用の微動機構において、前記微動機構が、圧電素子より構成され、該圧電素子に電圧を印加するための電極が少なくとも2箇所以上設けられ、そのうちの少なくとも1つの電極は電圧を印加しないダミー電極として構成され、他の電極は電圧を印加することにより圧電素子にひずみを生ずるアクティブ電極として構成され、前記アクティブ電極に、それぞれ1箇所または2箇所のひずみ検出用の抵抗体を設け、前記ダミー電極に1箇所または複数箇所の抵抗体を設け、前記アクティブ電極の抵抗体によりひずみ検出を行う際に、ダミー電極の抵抗体により温度補償を行うようにアクティブ電極とダミー電極間の各抵抗体を接続してブリッジ回路を構成したことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用微動機構。
  2. 前記微動機構が、アクティブ電極を2箇所以上有し、該アクティブ電極の各抵抗体が、ダミー電極上の同一の温度補償用抵抗体を共有してブリッジ回路を構成した、請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡用微動機構。
  3. 前記微動機構が、中空円筒型圧電素子より構成され、円筒内部に共通電極を設け、外部に2箇所以上の電極を設け、そのうちの少なくとも1箇所をダミー電極として用いることを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の走査型プローブ顕微鏡用微動機構。
  4. 前記抵抗体が、線状の半導体により構成され、アクティブ電極とダミー電極に設けられた前記線状抵抗体の長手方向が円筒型圧電素子の中心軸方向と平行になるように配置された請求項3に記載の走査型プローブ顕微鏡用微動機構。
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