JP5281992B2 - 走査型プローブ顕微鏡及びそれを用いた計測方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡及びそれを用いた計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、試料形状の高精度測定等の用途に用いられる走査型プローブ顕微鏡に関する。
半導体回路の高集積化に伴い、回路パターンの微細化が進行し続ける中で、半導体製造工程における検査計測技術や不良解析技術の重要度が増している。ハードディスク装置も記録密度増大に伴って、記録再生ヘッドの磁極部の微細構造や平坦性、記録媒体の表面粗さや、さらに記録密度をあげるための磁性の縞状あるいはドット状構造の立体形状の測定の重要度が増している。この様な用途に最適な走査型プローブ顕微鏡(以下、本明細書中ではSPM;Scanning Probe Microscopeと称す)は、微小な探針の先端を試料表面に近接または接触させながら探針を走査することにより、試料表面の形状を原子オーダーで計測する手法として広く知られている。
SPMを用いた表面形状計測においては、検査領域は例えば数百マイクロメートル四方以下の狭い領域に限定される反面、原子オーダの微小エリアを測定する場合は、数10〜数100ナノメートルの狭い視野を、原子オーダ以下の精度で測定することが求められる。このとき、探針を走査するための機構部には高い位置決め精度が要求される。一方、測定領域を見出すために、数10マイクロメートル程度の広い範囲を高速に観察することが求められる。また、数百マイクロメートル程度の広い範囲の試料表面の凹凸を高速に測定するニーズもある。
また、SPMでは試料表面の立体形状を0.1ナノメートル程度の高い分解能で計測できる利点があるが、試料表面における計測点の位置出しや計測動作に時間を要し、充分な計測スループットが得られないため、半導体やハードディスク装置などのデバイス製造ラインにおいてはインライン(製造工程中)で使用されず、オフラインでの不良解析用途で用いられるのが主流であった。しかしながら、SPMによる計測結果から各種プロセス装置の異常を即座に察知し、各種プロセス装置の処理条件にフィードバックすることができれば、不良品の作り込みを最低限に抑え、製造ラインの製造歩留まりを向上させることができることから、インラインSPMの実現が期待されている。即ち、インラインSPMを実現する場合、SPMが単位時間当たりにどれだけ多くの計測点を処理(計測)できるかが重要な要素であり、現状の製造ラインにおいては、1点当たり20秒以下の処理時間が要求されている。これは計測スループットに換算すると30WPH(Wafer Per Hour)以上に相当する。
また、SPMの探針を試料上で高精度に位置決めするための機構部のアクチュエータとしては、圧電素子が通常使われる。たとえば、特許文献1にはX、Y、Zの三軸を夫々平行平板で構成し、これらを夫々圧電素子で駆動すると同時に、探針の位置を変位計で測定して、探針の位置を制御する事によって、高精度なSPMを実現することが記述されている。探針の位置決め精度を向上させるための別の探針駆動機構としては、特許文献2で開示されている3次元微小走査機構がある。これは外枠部に対して弾性部材で接続されたYステージ内に、Yステージと弾性部材で接続されたXZステージ(XステージとZステージを兼用)を形成した3軸ステージを3個のボイスコイルモータによって駆動する機構である。
全てのステージは同一部材で一体形成されており、各ステージにはボイスコイルモータの駆動力がスピンドルを介して伝えられる。各ステージの変位によらず、それぞれのスピンドルが各ステージの動作方向に対して常に平行に押し当てられる構造となっている。例えばYステージのみが動作した場合、外枠とYステージを接続している弾性部材が全て均等に弾性変形することで、Y軸以外の動作軸に無用な力が加わることは無い。以上により、探針の位置決めを3軸独立且つ高精度に制御可能な探針走査機構を実現している。また、特許文献3においては、2種類の微動用と粗動用の圧電素子をつないだ圧電素子を用いる事によって、ステージの位置決め分解能を向上する方法が書かれている。
また特許文献4には、計測スループットを向上させるためのSPMの構成が開示されている。これは、探針の直上に配置された対物レンズとレーザダイオード並びにフォトダイオードによって構成されるアプローチセンサで試料表面位置を検出し、試料表面を探針先端位置に高速に接近させることによって、SPMが計測動作にはいるまでの時間を短縮し、SPMの計測スループットを向上させるものである。なお、特許文献3で示されている構成のSPMによれば、試料上の探針接触位置の直上に対物レンズが配置されている装置構成であることから、観察光学系を用いて試料上の計測位置出しを行った後、試料位置を移動させることなく計測動作にかかることが可能であり、SPMの計測スループットを向上させることができる。
特開2004−303991号公報 特許第3544453号公報 特開2005−347484号公報 特開2004−125540号公報
従来のSPMでは広範囲の探針の走査を迅速に行うことと、微小範囲の探針の走査を正確に高分解能で行うことの両立が困難であり、操作性を犠牲にして、狭い範囲の測定のみを行うSPMを構成するか、狭い範囲の正確で高分解能な測定を犠牲にして、広い範囲を測定できるようにせざるを得なかった。
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決して、広範囲の探針の走査を迅速に行うとともに微小範囲の探針の走査を正確に高分解能で行うことを可能にする走査型プローブ顕微鏡及びそれを用いた計測方法と提供することに有る。
上記課題を解決するために、本発明では、カンチレバーとカンチレバーの先端付近に固
定した探針とを備えた探針部と、探針部を駆動して探針を試料表面に近接または接触させ
ることと離間させることを繰り返しながら試料表面を走査する探針部駆動手段と、探針部
駆動手段で探針を試料表面に近接または接触させた状態における探針部の変位量を検出す
る変位量検出手段と、変位量検出手段で検出した探針部の変位量に基づいて試料表面の形
状情報求める信号処理手段とを備えた走査型プローブ顕微鏡において、探針駆動手段を、探針を直交する3軸方向に独立して駆動する駆動部を有するとともに、駆動部で探針部を駆動中に少なくとも1軸方向の駆動速度および応答速度を切替える駆動速度切替え部を備えて構成した。
また、上記目的を達成するために、本発明では、カンチレバーとカンチレバーの先端付
近に固定した探針とを備えた探針部を駆動して探針を試料表面に近接または接触させるこ
とと離間させることを繰り返しながら試料表面を走査し、試料表面を走査している探針部
の変位量を検出し、検出した探針部の変位量に基づいて試料表面の形状情報求める走査型
プローブ顕微鏡を用いた計測方法において、探針を駆動して試料表面を走査しているとき
に少なくとも1軸方向の駆動速度および応答速度を駆動中に切替えながら走査するようにした。
本発明によれば、SPMにおいて,短ストロークと長ストロークの2種類のアクチュエータによる駆動を組み合わせ、前者は高分解能・高速応答、後者は長ストローク・低速応答とすることで、高分解能で長ストロークのプローブの位置決め・走査を実現する。電圧変化の大きいときのみ長ストローク用のドライバの応答性を速くするように、ドライバに応答性の切替機構を組み込むことにより、長ストローク駆動時の高速性と、位置決め時の高安定性とを両立させる。これによって、数十マイクロメートル〜数百マイクロメートルオーダの長ストロークの走査が可能で、かつ、サブナノ〜ピコメートルオーダーのプローブ位置精度を実現する、プローブ顕微鏡を提供する。
また、長ストローク駆動が高速に出来ることから、これをZ軸に適用すれば、測定開始前の試料に対する探針の接近の高速化が実現可能である。また、XY軸に適用すれば、広範囲の走査を高速に行って測定したいパターンを迅速に見つけて、その場所を、高精度に走査することが出来る。これらによって、SPMのスループットを向上させることができる。
また、本発明によるSPMを半導体やハードディスクなどの製造工程に適用すれば、SPMによる計測結果に基づいて製造装置の処理条件を最適化することが可能となることから、デバイス製造工程の歩留まりが向上する。
走査型プローブ顕微鏡の装置全体の構成を示すブロック図である。 走査型プローブ顕微鏡の探針駆動部の概略の構成を示す平面図である。 走査型プローブ顕微鏡の探針駆動部の概略の構成を示す正面の断面図である。 走査型プローブ顕微鏡の探針駆動部の概略の構成を示す側面図である。 探針撓み検出光学系の概略の構成を示す正面図である。 走査型プローブ顕微鏡の探針駆動部とドライバ回路部の主要部の構成を示す平面図である。 走査型プローブ顕微鏡の探針駆動部の概略の構成を示す正面図である。 従来の走査型プローブ顕微鏡における圧電素子ドライバの粗動変位の時間変化を示すグラフであり、時定数が小さい場合をあらわしている。 走査型プローブ顕微鏡における圧電素子ドライバの粗動変位の時間変化を示すグラフであり、時定数が大きい場合をあらわしている。 粗動用圧電素子ドライバの回路構成を示す図で、外部からの応答性切替信号で高速駆動用出力抵抗Rsの切替をする構成を示している。 粗動用圧電素子ドライバの回路構成を示す図で、一対の逆向きのダイオードを挿入して自動で高速駆動用出力抵抗Rsの切替をする構成を示している。 粗動用圧電素子ドライバの回路構成を示す図で、一対の逆向きのダイオードを挿入するとともに、抵抗を分割して挿入して自動で高速駆動用出力抵抗Rsの切替をする構成を示している。 微動用圧電素子ドライバの回路構成を示す図である。 ステップ状の入力に対する粗動変位の時間変化を示すグラフである。 ステップ状の入力に対する微動変位の時間変化を示すグラフである。 微動用圧電素子ドライバの分解能を更に向上する実施例を示す図である 応答性切替アンプと微粗動圧電素子を用いた制御ブロック図でオープン制御の構成を召す。 応答性切替アンプと微粗動圧電素子を用いた制御ブロック図でステージの位置検出信号をフィルタリングかけてノイズを減らした信号を用いる例を示す図である。 応答性切替アンプと微粗動圧電素子を用いた制御ブロック図で不感帯を設けて制御する構成の例を示す図である。 指令位置がステップ状に大きく変化した場合の粗動変位の時間変化の状態を示すグラフである。 指令位置がステップ状に大きく変化した場合の微動変位の時間変化の状態を示すグラフである。 指令位置がステップ状に大きく変化した場合の総合変位の時間変化の状態を示すグラフである。 指令位置がステップ状に不感帯のレベルよりも小さく変化した場合の粗動変位の時間変化の状態を示すグラフである。 指令位置がステップ状に不感帯のレベルよりも小さく変化した場合の微動変位の時間変化の状態を示すグラフである。 指令位置がステップ状に不感帯のレベルよりも小さく変化した場合の総合変位の時間変化の状態を示すグラフである。 アンプを一つだけ用いて粗動用圧電素子と微動用圧電素子を外部からの入力で切替えて駆動する構成を示す回路図である。 アンプを一つだけ用いて粗動用圧電素子と微動用圧電素子を自動的に切替えて駆動する構成を示す回路図である。 探針を駆動する機構の別な例を示す平面図である。 探針を駆動する機構の別な例を示す正面図である。 探針を駆動する機構の別な例を示す平面図である。 探針を駆動する機構の別な例を示す平面図である。 走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いた半導体製造工程の一部を示すブロック図である。 半導体製造工程において走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いてサンプルを計測する場合の処理の流れを示すフロー図である。 試料表面を計測中の探針の正面図である。 探針で試料表面を計測しているときの試料表面及び探針先端の高さの時間変化を示すグラフである。 試料表面を計測中の別な例を示す探針の正面図である。 探針で試料表面を計測しているときの別な例を示す試料表面及び探針先端の高さの時間変化を示すグラフである。 粗動により探針を大きく走査して計測領域を検出した状態を示す試料の平面図である。 計測領域を計測している状態を示す探針の正面図である。 図18AおよびBの動作に対応する処理のフロー図である。 光干渉変位センサの斜視図である。 光干渉変位センサに使用する位相シフト素子の構造を示す斜視図と部分拡大図である。 光干渉変位センサの参照ミラーとして用いる回折偏光格子の斜視図である。 光干渉変位センサの参照ミラーとして用いるフォトニック結晶の斜視図および1/4波長板として用いるフォトニック結晶の斜視図である。
本発明の第1の実施例として、まず、図1から図3を用いて本発明のベースとなるSPMの構成を説明する。図1において、103は計測対象試料、104は試料103を真空吸着してX、Y、Z方向並びにXY平面内の回転方向に試料103を移動するための試料ステージである。試料ステージの動作は、ステージ制御部111によって制御される。探針102は探針ホルダ115を介して探針駆動機構101によって保持されている。
探針駆動機構101は、試料103上において探針102をX、Y、Z方向に精密に位置決めを行う。なお、探針102はシリコン材料などから成り、エッチングやや収束イオンビームによってその先端径が10ナノメートル以下に加工されている。あるいは、先端に直径10nm前後のカーボンナノチューブなどが形成されている場合もある。探針102はカンチレバーとその先端に形成された探針によって構成されているが、本明細書中ではカンチレバーと探針を併せて単に探針と称す。探針駆動機構101上には、対物レンズ106を備えた観察光学系鏡筒105が配置されている。
観察光学系105はその内部に撮像カメラを有しており、対物レンズ106で拡大された試料103表面の光学像は、光学像処理部108を経由してTVカメラ107上に表示される。なお、観察光学系105並びに対物レンズ106は、図示しない移動機構によってZ方向に上下移動するフォーカス軸を備えている。なお、探針ホルダ115には小型の圧電素子が組み込まれていて、保持した探針102を数ナノメートルから数十ナノメートルのオーダの振幅で加振することが可能になっていてもよい。
図2A〜Cは図1に示した探針駆動機構101の構造を示した説明図であり、図2Aは探針駆動機構101のXY平面図、図2Bは探針駆動機構101のA−A’矢視断面図、図2Cは探針駆動機構101のYZ平面図をそれぞれ示した図である。探針駆動機構101は、ホルダ201及び202とYステージ203が弾性変形部204a、204b、204c、204dを介して同一平面内に一体形成されており、更にYステージ203の同一平面内にXステージ207がYステージ203と直行する形で、弾性変形部208a、208b、208c、208dを介して一体形成された構造となっている。Xステージ207には、対物レンズ106を貫通させるためのスルーホール211が設けられている。ホルダ201、202とYステージ203との間は、積層型圧電素子(以下本実施例では単に圧電素子と称する)205、206が接着されており、Yステージ203は圧電素子205、206が等量だけ同時に伸縮することによってY軸方向に駆動される。圧電素子205と弾性変形部204a及び204bによって構成される駆動機構と、圧電素子206と弾性変形部204c及び204dによって構成される一対の駆動機構は、対物レンズの視野中央位置212(探針102の先端位置)を中心として、対象な位置に配置されている。
一般的な圧電素子(圧電セラミック素子)は、直流電圧を印加することで、長さが変化する素子である。小さい電圧で大きい変位を得るために、電極と薄い圧電素子を積層した、積層型圧電素子もよく用いられる。積層型圧電素子の例は、長さが40mmで100Vの電圧を印加することで、20マイクロメートルの伸びを生じるものである。この圧電素子の場合、電圧のノイズが5mV程度であれば、分解能は可動距離にノイズと最大印加電圧の比を掛けた値となり、分解能が1ナノメートルとなる。サブナノメートルオーダの分解能を達成するための構成については後述する
Yステージ203とXステージ207との間には、圧電素子209、210が接着されており、Xステージ207は圧電素子209、210が等量だけ同時に伸縮することによってX軸方向に駆動される。圧電素子209と弾性変形部208a及び208bによって構成される駆動機構と、圧電素子210と弾性変形部208c及び208dによって構成される一対の駆動機構は、対物レンズの視野中央位置212(探針102の先端位置)を中心として、対象な位置に配置されている。圧電素子209、210についても、その最大可動距離は20マイクロメートル、可動分解能は1ナノメートルである。
Xステージ207の底面には、Z軸機構部213がYステージ203とXステージ207の可動平面に対して直行する形で取り付けられている。Z軸機構部213は、固定部218、219とZステージ214が弾性変形部215a、215b、215c、215dを介して同一平面内に一体形成されている。固定部218、219とZステージ214との間には圧電素子216、217が接着されており、Zステージ214は圧電素子216、217が等量だけ同時に伸縮することによってZ軸方向に駆動される。圧電素子216と弾性変形部215a及び215bによって構成される駆動機構と、圧電素子217と弾性変形部215c及び215dによって構成される一対の駆動機構は、対物レンズの光軸212’に対してXZ平面上で対象な位置に配置されている。圧電素子216、217の最大可動距離は10マイクロメートル、可動分解能は1ナノメートルである。探針102は探針ホルダ115を介してZステージ214に取り付けられており、探針102の先端位置は、対物レンズの視野中央位置212と一致するようになっている。
以上説明した通り、本発明による探針駆動機構101では、探針102を3次元的に駆動するためのXステージ207、Yステージ203、Z214ステージの動作が互いに干渉することがなく、それぞれを独立に動作させることが可能である。また、例えばYステージ203において、圧電素子205を挟み込んで、圧電素子205の伸縮軸の延長線上に配置された2箇所の弾性変形部204a、204bで構成される一式のステージ駆動機構部が、Yステージ203の左右両側に一対(圧電素子206、弾性変形部204c、204d)で配置されていることから、圧電素子205、206がそれぞれ等量ずつ伸縮することにより、弾性変形部204a、204b、204c、204dを全て均等に変形させることができる。この結果、Yステージ203のアッベの誤差を排除し、Yステージ203の真直度を従来よりも格段に向上させることが可能となる。この動作原理は、Xステージ207、Zステージ214でも全く同様であることは自明である。なお、探針駆動機構101のXステージ207、Yステージ203、Zステージ214の動作は、探針駆動制御部110により制御される。
なお積層型の圧電素子は、電圧を印加した場合の伸縮変位に個体差が生じる場合がある。また同一の圧電素子を用いても、印加電位と変位との間にヒステリシス特性が存在する。この場合は、圧電素子毎に異なるヒステリシス特性を予め計測しておき、所望の変位にするための印加電圧を圧電素子単位で調節して印加すれば良い。更に、本実施例では探針駆動機構101のXステージ207、Yステージ203、Zステージ214を動作させるために圧電素子を用いたが、各ステージの動力源は圧電素子に限定される訳ではなく、探針102の位置決めを行うに必要なだけの精度・発生力を備えたリニアアクチュエータであれば良い。探針駆動機構101の構成材料としては、剛性と比重の比が大きいアルミニウム合金やチタン,熱膨張率(線膨張係数)の低い鉄−ニッケル合金等の材料が用いられる。
探針駆動機構101の上部に配置されている観察光学系鏡筒105及び対物レンズ106は、図示しない移動機構によってZ軸方向に上下動が可能であり、対物レンズ106が探針駆動機構101に接触しないように、Xステージ207に設けられたスルーホール211に挿入される。本発明の探針駆動機構101の構成によれば、探針102上にその走査を行う機構部が存在しないため、対物レンズ106で探針102を直接観察できると同時に、試料103表面を高解像度で観察することが可能である。例えば対物レンズ106の開口率が0.7、作動距離は6ミリメートルの仕様であれば、試料103上のパターンを解像度が1マイクロメートル以下の条件で鮮明に観察できる。なお、探針102の位置を固定したまま、対物レンズ106が探針102に接触しない程度に、対物レンズ106と試料ステージ104を同量(例えば1ミリメートル)下降させることにより、対物レンズ106の視野内に配置された探針102の存在の影響を受けることなく、探針102直下の試料103上のパターンを観察することも可能である。これは対物レンズ106の開口率が大きく、探針102が対物レンズ106の視野の一部分のみを占める条件の際に得られる光学的現象を利用したものである。
図3は探針102と試料103表面との接触を検知するための探針たわみ検出部の構成を示す説明図で、探針駆動機構101のXZ平面図である。301は、発振波長が600ナノメートル、発振出力0.1ミリワットのレーザダイオードであり、このレーザダイオード301から発振されたレーザ光は、コリメートレンズ302で平行光に整形されてホルダ201に取り付けられたミラー303(図示せず)でY軸方向に折り返され、Yステージ203に取り付けられたミラー304(図示せず)で再びX軸方向に反射され、ミラー305、306を経て探針102の背面に照射される。探針102の背面で反射されたレーザ光は、ミラー307、308で反射され、Yステージ203に取り付けられたミラー309(図示せず)でY軸方向に折り返され、ホルダ202に取り付けられたミラー310(図示せず)で再びX軸方向に反射され受光器311で受光される。ここで、レーザダイオード301を探針駆動機構101のホルダ201に、受光器311をホルダ202に、ミラー305、306、307、308を図示しない治具によりZステージ214に固定することで、探針102の位置によらず探針のたわみ量を受光器受311のレーザ受光面上におけるレーザ照射位置の変化として検出することができる。
受光器311としては、PSD(ポジションセンシティブデバイス)、イメージセンサ、2分割あるいは4分割フォトダイオード等が使用できる。探針102と試料103が接触して探針102にたわみが生じると、受光器311の受光面上ではY軸方向にレーザ照射位置が移動することとなる。受光器311では、このレーザ照射位置の変化を電圧信号に変換し、探針たわみ検出部109で探針102と試料103表面の接触を検知する。探針102が探針ホルダ115等によって加振されている場合は、上記探針撓み検出部では、探針102のたわみによる探針撓み信号の振動の振幅や位相を検出するように構成し、これによって、探針102と試料103の間に働く力を検出するようにしてもよい。すなわち、振動する探針の先端が試料に接近すると探針先端と試料との間に働く力によって、振動振幅、加振信号に対する振動の位相、振動周波数などの振動状態が変化するので、これらを検出する事によって、力を測定できる。
次に図4A及びBを用いて、本発明による粗微動機構と応答性切替機構と変位計とを用いた、広範囲・高速・高精度SPMの構成を説明する。
まず、Z方向の探針位置計測について説明する。探針ホルダ115の一部は、図示しない機構部によって少なくともホルダ201’、202’のどちらか一方あるいはXステージ207’の底面に固定された、Z軸用静電容量センサ224に対向するように構成されている。探針ホルダ115と静電容量センサ224との対向面の間隔は20マイクロメートルである。ここで使用したZ軸用静電容量センサ224は、探針ホルダ115との間隔を0.1ナノメートルの分解能で計測することが可能であり、Zステージ214’の移動量の計測を行う。探針ホルダ115とZ軸用静電容量センサ224はXZ平面上において対物レンズの光軸212’と重なるZ軸上に配置されている。
この配置により、対物レンズの視野中央位置212のステージ変位(探針102の先端位置の変位)を計測することができ、Zステージ214’の動作にヨーイング誤差がある場合にもアッベの誤差がほとんど生じない構成となっている。探針ホルダ115は、Zステージ214’を構成する金属材料と電気的な導通が得られる金属材料から成り、Z軸用静電容量センサ224との対向面には、精密研削処理が施されている。なお,静電容量センサの代わりに後述するようなレーザ干渉変位計などの,例えば分解能が10ピコメートル前後の,より高精度な変位センサを用いることより、更に精度・分解能の高いSPM計測を実現できる。
試料103側の構成は,図4A及びBの実施例では,エアスライダ404上に粗Zステージ403が搭載されて,その上に試料側XYステージ401が搭載されてその上に試料103が搭載されている。また,エアスライダ404と,粗Zステージ403は粗XYステージ402と弾性プレート406で結合されており,定盤405上にスライダ404が置かれた状態になっている。粗XYステージ402は図示しない構造によって定盤405に対して固定されている。試料103上の観察位置の選択は,エアスライダ404を弾性プレート406を介して粗XYステージ402によってXY平面内で動かすことで実現する。このような構成にしたのは,通常のXステージとYステージとZステージを積み上げる方式に比べて,高さが小さく,静止時の剛性も高く保てるので,試料103の振動をほとんどなくすることが可能となり,走査型プローブ顕微鏡に最適であるためである。なお,粗XYステージ402の移動時には,エアスライダ404と定盤405の間に空気を吹き込んで摩擦力を小さい状態にして駆動してもいいし,エアスライダ404に空気を吹き込まずに定盤405に対して滑らせて移動してもいい。後者は,特に試料上の数百マイクロメートルから数十ミリメートルといった広いエリアを探針102で測定する場合に,特に平坦な定盤405用いてこの上をエアスライダ404を滑らせながら,探針102によって試料103の表面形状を測定する場合に,空気による間隙が生じないので,有効な移動方法である。
さらに,試料103上の数十マイクロメートルから数百マイクロメートルという中間的な領域を探針102によって測定する場合は,試料側XYステージ410を駆動する。これは圧電素子によって駆動されて,弾性ガイドを用いた,探針側のステージと同様な構造を持ったステージだが,探針側のステージのZ軸214’に相当するものを持っておらず,その分探針の高速走査に必要な剛性より,可動範囲に重点を置いて設計できるので,可動範囲の数百マイクロメートルと広いステージとなっている。
広い範囲を高い平坦性を確保して走査するのは困難なので,静電容量センサやレーザ干渉変位計などによる変位センサ410を用いて,試料ステージ401の走査時の上下動を測定して,走査型プローブ顕微鏡の測定結果の各点を高さデータを補正することで,より,平坦性の高い測定所実現できる。例えば,ステージ401の走査時の平坦性が10ナノメートルであるときに,変位センサ401の精度が0.1ナノメートルであれば上記説明した補正によって,走査型プローブ顕微鏡による測定結果の平坦性の測定精度を10ナノメートルから,0.1ナノメートルに向上することが可能となる。
なお,上記説明では変位計410によって測定結果を補正していたが,直接これをZステージ214’にフィードバックして試料103上面の試料ステージ401の走査による上下動に追従するように,探針102の高さを補正してもよい
次に、X,Y方向の探針位置計測について説明する。図示しない機構部によって少なくともホルダ201’、202’のどちらか一方に固定されたX軸用静電容量センサ223とY軸用静電容量センサ222が設けられており、Zステージ214’の先端部に対向しており、Zステージ上の対抗面には精密研削処理が施されている。X軸用静電容量センサ223とY軸用静電容量センサ222はXY平面上において対物レンズの視野中央位置212(探針102の先端位置)を含むそれぞれX軸上とY軸上に配置されている。この配置により、対物レンズの視野中央位置212のステージ変位(探針102の先端位置の変位)を計測することができ、Zステージ214’を載置したX,Yステージの動作に含まれるヨーイング、ピッチングなどの誤差により、アッベの誤差がほとんど生じない構成となっている。
これらの変位計の出力を用いてフィードバック制御を行う事によって、探針の先端の位置を正確に制御して走査をおこない、高精度なSPMによる形状・寸法測定が可能となる。なお、静電容量センサの代わりに、後述するようなレーザ干渉変位計などの,例えば分解能が10ピコメートル前後の,より高精度な変位センサを用いることより、更に精度・分解能の高いSPM計測を実現できる。
このとき、広範囲の高速測定と、狭い範囲の高精度測定を実現するために、以下のような構成とする。すなわち,図2A〜Cを用いて説明した圧電素子205の代わりに図4A及びBの205a,205b,205cからなる微粗動駆動機構を用いる。圧電素子206,209,210についても205と読み替えればまったく同様であるので,205についてのみ説明する(ただし,圧電素子209,210については更に,Yステージ203をXステージ207と読み替え,Y変位センサ222をX変位センサ223で読み替える。)。205aは粗動機構を構成する圧電素子である。これが変位拡大機構205bと接合されている。205bはてこを構成していて,一端がホルダ201に固定されていて,中間が圧電素子205aによって押され,反対側の一端が微動用圧電素子205cに接合されている。
変位拡大機構205bの固定部と205cとの接合部の距離と,固定部と205aとの接合部の距離の比に相当する分(てこ拡大比)だけ,圧電素子205aの変位は拡大されて圧電素子205cに伝わる。例えば,てこ拡大比が5倍として,圧電素子205aの伸びを20マイクロメートルとすると,圧電素子205cの一端は100マイクロメートル変位する事になる。さらに圧電素子205cがYステージ204に変位を伝えてYステージが変位する。このとき,206a,b,cからなる変位拡大系も同様にYステージ204に変位を伝える。前述のように圧電素子205a,206aの変位分解能が1ナノメートルとすれば,ステージ204に伝わる変位のノイズも5倍に拡大されて5ナノメートルとなる。
ここで,圧電素子204a〜d(図2A参照),205c,206c(図4A参照)は微動用圧電素子で,こちらは,例えば,100Vの電圧印加で1マイクロメートル程度伸びるようなものを用いる。すると,微動用圧電素子の変位が加算されて,Yステージを変位させる事になる。電圧ノイズが5mVとすれば,微動用圧電素子のノイズは50ピコメートルとなる。このとき,Yステージ203又は203’は,微動用圧電素子204a〜d又は205c,207cの応答が,粗動用圧電素子206,206又は205a,207aよりも速ければ,変位センサ222でYステージ203または203’のY方向位置を検出してフィードバックをかけることによって,変位センサの分解能と同じオーダの分解能でYステージ203または203’を制御できる事になる。このフィードバック制御は図15を用いて後述するようにステージ変位検出部128で検出したステージ変位データを探針走査制御部112で処理をして,探針駆動制御部110を介して圧電素子を駆動して実現する。探針駆動制御部110内には,粗動用圧電素子ドライバ500,微動用圧電素子ドライバ510を各軸に対して装備している。
ただし,粗動側の応答性が十分小さくないと,微動用圧電素子ではノイズを打ち消すことが出来ない。すなわち,圧電素子は電気的には容量Cをもった負荷になり,これを出力抵抗Rのドライバアンプで駆動することを考える。すると,ドライバアンプの容量が大きく出力抵抗Rを小さく出来るとときは,図5Aに示すように,時定数RCは短くなり,アンプの入力の指令位置に速やかに応答できるが,指令位置到達後のノイズが大きく,微動用圧電素子では十分打ち消すことが出来ない。そこで,図5Bのように出力抵抗を大きく取るとノイズは小さくなるが,代わりに時定数RCが大きくなり,微動用圧電素子でカバーできない長距離の位置決め時に応答が非常に遅くなるという問題があった。
そこで図6A〜Fを用いて粗動用圧電素子ドライバ500の構成を示したように,応答性切替機構を用いて粗動用圧電素子の応答を長距離の位置決め時は速くし,静定時は応答を遅くして,微動用圧電素子で位置決めをおおなうようにする。図6Aにおいて,粗動用圧電素子は容量Cのコンデンサ550で表される。ドライバアンプ501は出力抵抗R(502)を介して出力され,粗動用圧電素子550に接続される。出力抵抗502には並列に切替器506rを介して,高速駆動用出力抵抗Rs(505)が接続される。Rs<<Rの場合,応答性切替信号がONになると出力抵抗はRsR/(Rs+R)≒Rsとなり,時定数RsCで高速に応答する。切替器506rがオフの時は応答性RCでゆっくりとノイズの少ないモードで応答する。長距離の位置決めを行う場合は,切替器506rをオンにして,目標に近づいてから,オフにすれば高速の位置決め動作と,静止時の安定性が両立できる。
図6Aの実施例では,明示的に切替を行っていたが,自動で行うことも可能である。図6Bに示すように,ダイオードの向きを反対にして並列接続したもの506を応答性切替器506rの代わりに挿入する。すると,ダイオードの順方向電圧降下をVdとすると,出力抵抗502に流れる電流がVd/Rを越すとダイオードがオンになり,高速応答用抵抗Rsに電流が流れ応答が高速になる。圧電素子550に両端の電圧が目標値に近くなると,電流が少なくなるため,再び切替器506はオフになり,応答性が低くなり代わりにノイズが減少する。あるいは図6Cに示すようにしても同様である。R−Rsの抵抗502’を抵抗Rs(505)と直列に接続して出力抵抗とし,抵抗52’0と並列にダイオードにから出来た上述の切替器506を接続する。このとき,502’を流れる電流がVd/(R−Rs)を越すと,ダイオードがオンになり,高速応答用抵抗Rsに電流が流れ応答が高速になる。
微動用圧電素子ドライバ510については図6Dに示すように,ドライバアンプ511から出力抵抗Rp(512)を介して容量Cpの圧電素子551に接続する。Rpは時定数RpCpが必要な応答性を実現できるように決めればいい。
このときのステップ状の位置入力に対する,変位の変化の状態を図6E及びFに示す。粗動変位Xは図6Eに示すように,最初は時定数RsCで高速に応答し,指令位置と変位Xの差が小さくなると切替器506あるいは506rによって応答時定数がRCに落ちてゆっくりと,しかし,変位ノイズが小さい状態で位置Xが変化する。微動変位Xpは図6Fに示すように,時定数RpCpで高速に変位する。だだし,可動範囲が小さいので,指令位置はその範囲を超えても可動範囲内でしか変位しないが,変位ノイズは小さい。
さらに,図7に示すように,コンデンサを微動用圧電素子とドライバ回路の間に直列に挿入すれば,圧電素子とコンデンサの容量の逆数の比で,電圧は分圧されて,ノイズすなわち微動圧電素子の変位分解能が向上する。この図で,ドライバアンプ511は出力抵抗512(抵抗値Rp)を介して,さらに,圧電素551の静電容量Cpの1/αの容量のコンデンサ560を通して圧電素子551をドライブする。これによって,コンデンサ560と551の両端の電圧はα対1に分圧されて,ノイズが1/(1+α)に減少する。ここで,コンデンサと並列に入っている抵抗αRbとRbは十分に時定数RbCpが長くなるようなMΩオーダの高抵抗で,これによってコンデンサの電荷の漏れによって次第に分圧比がずれていくのを防ぐ働きのものである。例えばαを4とすれば,前述の微動用圧電素子の例では変位分解能は50ピコメートルの5分の1の10ピコメートルとなる。代償として微動用圧電素子の可動範囲は1マイクロメートルの5分の1の0.2マイクロメートルとなる。
次に,図8A〜Cを用いて本発明の探針走査制御部112の動作を説明する。図8Aでは,粗動目標位置802は変位計の測定結果をフィードバックしないオープン制御で与えられる。粗動目標位置802を変えてから,応答が安定するまでは,応答性切替信号801により応答性切替アンプ806の応答性を高速に保ち,その後応答性を低速(低ノイズ)に切り替える。もちろん,外部から応答性切替信号801をいれずに自動切換えする構成でもよい。ステージの位置は変位計811によって検出されて適当なフィルタ812をかけることによってノイズを低減してから,目標位置803と比較され813,この誤差が制御器805を介してアンプ807に伝わり,微動圧電素子809をフィードバック制御する。ここで,制御器と呼んでいるのは,入力に対して適当なフィルタをかけてゲインを掛けて出力するもので,制御理論では一般的に使われるものである。例えば,PID制御器と呼ばれる制御器では,入力そのものと,これを積分したもの,これを微分したものの3種類に夫々別のゲインを掛けて足し合わせたものを出力する。以上説明した構成によって,広い範囲の高速応答と,高精度位置決めを両立できる。
別の構成として,図8Bに示すように,ステージの検出位置831をフィルタ832をかけてノイズを低減してから,目標位置822と比較して833,位置の誤差を粗動・微動夫々の制御器823、825を介して粗動用は応答性切替アンプ826を介して,粗動圧電素子827を駆動し,微動用は通常のアンプ828を介して微動圧電素子829を駆動する構成も考えられる。この中で,微動用アンプ828への入力は別の制御器824を介して,粗動圧電素子827への制御量に加えられる。この制御器の動作は,積分動作を多くする。すると,微動圧電素子829が例えば平均的に伸びている状態が長く続くと,これが粗動圧電素子827への制御量に加えられて,粗動圧電素子827が伸び,代わりに微動圧電素子829が縮むこととなる。なお,前記記述は伸びと縮みを逆にした場合も同様に成り立つ。これによって,微動圧電素子が平均的には動作範囲の中心で使用できるように,粗動圧電素子の変位を自動的に調整することが可能となる。この図の実施例の場合は応答性切替アンプは粗動固定信号によって出力値を固定することが可能であり,これによって微動圧電素子でカバーできる走査範囲でSPMを使用するときには,粗動圧電素子の動作を明示的に止めて,より低ノイズの位置宜目を実現することが出来るようになっている。
このときの変位の状態を図9A〜Cを用いて説明する。指令位置がステップ状大きくに変化すると,位置誤差が夫々の制御器を介して粗動圧電素子のアンプと微動圧電素子のアンプに伝わり,図9Aの粗動変位と図9Bの微動変位が変化する。指令位置の変化が大きいときは,図9Aの粗動変位は高速応答し時定数RsCで変化する。一方、図9Bの微動変位Xpは高速に変化するが,この状態が制御器を介して粗動圧電素子のアンプの入力に足しこまれるので,次第に粗動変位Xの方に変位が移り,図9Cの総合変位:X+Xpが指令位置に近づくにつれて,微動変位は再びゼロ(中間位置)に戻る。このときの総合変位は,粗動圧電素子のみのときの点線に示す変位に比べて,微動変位が足しこまれて,実践に示す変化をする。したがって,時定数は微動変位の時定数RpCpにしたがって高速に変化する。
別の構成として,図8Bで説明した粗動固定信号をコントロールしなくても静定時に粗動圧電素子の動作を完全にとめて,変位ノイズの更なる向上の効果を得られる図8Cに示す構成も考えられる。図8Bと異なる点は,不感帯を設けていることである。不感帯A842は位置誤差がある範囲以内であれば粗動圧電素子848を駆動しないようにするためのものであり,たとえば,入力をX,出力をYとして,不感帯を±Wとすれば,Y=X+W(X<−W),Y=0(−W<X<W),Y=X−W(W<X)で表される出力をする。不感帯を微動圧電素子850の可動範囲より若干小さい範囲とすることで,微動圧電素子850では位置決めが出来ない場合のみ自動的に粗動圧電素子848を駆動することが出来るようになる。また,不感帯B846も同様に設定することで,微動用圧電素子850が駆動範囲の中心から外れた状態が続いたときに,不感帯B846の手前の制御器845の積分出力が増加して,不感帯Bの出力がオンになるので,微動用圧電素子が駆動範囲の中心から外れた状態が続いたときのみ,粗動圧電素子を駆動することが出来るようになる。
このときの変位の状態を図10A〜Cを用いて説明する。図10Aに示すように指令位置のステップ状変化が小さく,微動可動範囲内に設定された不感帯Wよりも小さいとき,あるいは,明示的に粗動固定信号がオンになっているとき,粗動変位Xは変化しない。このとき位置誤差は不感帯A,Bが信号経路に入っていない微動圧電素子用アンプに伝わって,図10Bに示すように微動変位XpがRpCpの時定数で応答して,図10Cに示すように総合変位として指令位置に高速に追随する。
次に図11Aを用いて,別の構成として,アンプを一つだけで粗動用圧電素子550と微動用圧電素子551を駆動する構成を示す。ドライバアンプ501は出力抵抗Rp(512)を介して容量Cpの微動用圧電素子(551)を駆動する。ドライバアンプ501はまた,出力抵抗R(502)を介して粗動用圧電素子550に接続される。出力抵抗502には並列に切替器506rを介して,高速駆動用出力抵抗Rs(505)が接続される。Rs<<Rの場合,応答性切替信号がONになると出力抵抗はRsR/(Rs+R)≒Rsとなり,時定数RsCで高速に応答する。切替器506rがオフの時は応答性RCでゆっくりとノイズの少ないモードで応答する。長距離の位置決めを行う場合は,切替器506rをオンにして,目標に近づいてから,オフにすれば高速の位置決め動作と,静止時の安定性が両立できる。
図11Aの実施例では,明示的に切替を行っていたが,自動で行うことも可能である。図11Bに示すように,ダイオードの向きを反対にして並列に応答性切替器506rの代わりに挿入する。すると,ダイオードの順方向電圧降下をVdとすると,出力抵抗502に流れる電流がVd/Rを越すとダイオードがオンになり,高速応答用抵抗Rsに電流が流れ応答が高速になる。圧電素子550に両端の電圧が目標値に近くなると,電流が少なくなるため,再び切替器506はオフになり,応答性が低くなり代わりにノイズが減少する。粗動用アンプと微動用アンプの応答性の相違により,自動的に小ストロークの位置決めは微動圧電素子が応答する。大ストロークの位置決めは粗動圧電素子と微動圧電素子が同時に応答し,目標位置に近くなったところで粗動用のアンプの応答性が遅くなり,残りは微動用圧電素子が応答する。
次に図12A及びBを用いて,図4A及びBで説明した探針102の高速広範囲の走査と,狭い範囲を精密に走査することを両立する別の構成を説明する。図12A及びBの構成は図2A〜Cで説明した構成とほぼ同じであるので,異なるところだけ説明する。Y軸の圧電素子205と206は粗動圧電素子205a’,206a’と微動圧電素子205c’,206c’の2種類が夫々転結されている。図4A及びBで説明した構成では,粗動は圧電素子の変位拡大によって実現していたが,図12A及びBでは圧電素子の長さを長くすることで実現している。X軸についても同様であり,X軸の圧電素子209と210は粗動圧電素子209a’,210a’と微動圧電素子209c’,210c’の2種類が夫々転結されている。また,Z軸についても同様であり,Z軸の圧電素子216と217は粗動圧電素子216a,217aと微動圧電素子216c,217cの2種類が夫々転結されている。これを図4A及びBを用いて説明したのと同様な回路によって駆動する事によって,広範囲の高速走査と狭い範囲の高精度走査を両立できる。
試料ステージ104に関してはこの実施例では通常のXYZステージとなっているが,図4Bで説明したステージを用いれば,さらに精度が上がるのは言うまでもない。
ざらに図13を用いて,図4A及びBで説明した探針102の高速広範囲の走査と,狭い範囲を精密に走査することを両立する更に別の構成を説明する。ホルダ201’’’部にY軸粗動圧電素子205a’’が固定されている,これは,てこの原理による変位拡大機構205b’’を介して,Yステージ203’’’を駆動している。Yステージ203はホルダ201に対して,弾性変形部204a’,b’,c’,d’を介してY方向にのみ滑らかに動くように支持されている。Yステージ203’’’にX粗動圧電素子210a’’が固定されている,これは,てこの原理による変位拡大機構210b’’を介して,Xステージ207’’を駆動している。Xステージ204’はYステージ203’’’に対して,弾性変形部208a’,b’,c’,d’を介してX方向にのみ滑らかに動くように支持されている。さらに,Xステージ207’’内部には弾性変形部230a’,b’,c’,d’を介して微動ステージ240’がXY方向にのみ滑らかに動くように支持されている。弾性変形部230a’,b’,c’,d’はL字型になっているので,X方向とY方向の両方に滑らかに弾性変形する。
微動ステージ240’は微動X圧電素子210c’’と微動Y圧電素子205c’’によって,X,Y方向に夫々駆動される。微動圧電素子210c’’、205c’’は圧電素子の伸縮方向にのみ力を伝えるように,弾性ヒンジによってXステージ207’’と微動ステージ240’にたいして接合されている。探針の102XY方向の変位はX変位計223とY変位計222によって測定されている。これを図4A及びBを用いて説明したのと同様な回路によって駆動する事によって,広範囲の高速走査と狭い範囲の高精度走査を両立できる。
ざらに図14を用いて,図4A及びBで説明した探針102の高速広範囲の走査と,狭い範囲を精密に走査することを両立する更に別の構成を説明する。ホルダ201’’’’部内に,粗動ステージ241があり弾性変形部231a,b,c,dを介して粗動ステージ241がXY方向にのみ滑らかに動くように支持されている。粗動ステージ241は外部に配置されたX粗動アクチュエータ210a’’’と,Y粗動アクチュエータ205a’’’によって,夫々X方向とY方向に駆動される。このアクチュエータは大型の圧電素子,ボイスコイルモータ,サーボモータやステップモータのような回転モータとボールねじなどの回転ー著駆動変換機構などでもよい。
さらに,粗動ステージ241内部には弾性変形部230a’,b’,c’,d’を介して微動ステージ240’’がXY方向にのみ滑らかに動くように支持されている。弾性変形部230a’,b’,c’,d’はL字型になっているので,X方向とY方向の両方に滑らかに弾性変形する。微動ステージ240’’は微動X圧電素子210c’’’と微動Y圧電素子205c’’’によって,X,Y方向に夫々駆動される。微動圧電素子210c’’’, 205c’’’は圧電素子の伸縮方向にのみ力を伝えるように,弾性ヒンジによって粗動ステージ241と微動ステージ240’’にたいして接合されている。
探針の102XY方向の変位はX変位計223とY変位計222によって測定されている。これを図4A及びBを用いて説明したのと同様な回路によって駆動する事によって,広範囲の高速走査と狭い範囲の高精度走査を両立できる。ただし,アクチュエータ210a’’’,205a’’’の種類によって適当な応答性切替あるいは粗動固定を行う必要がある。例えば,粗動ステージ241を押すロッドに電磁ブレーキを用いて図示しないブレーキシューを押し付けて摩擦力によって固定を行う。あるいは,粗動ステージ241を押すロッドに図示しない流体ダンパーを取り付けておき,ダンパーのオリフィスの流路を小さくする事によって,応答性を落とすことが出来る。あるいは,ボイスコイルモータのコイルとドライバアンプの間に外部のコイルを直列に挿入して,外部コイルの両端をリレーで短絡した場合は高速応答,リレーを開放にした場合はコイルのインダクタンスが増えた割合に比例して,コイルに流れる電流すなわちボイスコイルモータの発生力の応答時定数が長くなり,結果,変位ノイズが低減する。
続いて、図1、図15A及びBを用いて本発明によるSPMの動作を説明する。図15Aは、本発明によるSPMを用いた半導体製造工程の一部を示した図であり、インラインSPMの機能を併せて説明するものである。なお、以下の説明は半導体製造工程を仮定して行うが、半導体以外の例えばハードディスクの製造工程などでも同様に成り立つ。このばあい、ウエハは場合によって記録媒体、ウェハ、ウエハを短冊状に切り出したローバー、ローバーをハードディスク用ヘッド単位に切断したヘッドなどに、読み替えれば同様に成り立つ。
製造装置A1501、製造装置B1502の順に処理されたウエハは、1ロット単位で製造装置C1504の処理に移るのもと、SPM1503で計測を行ってから製造装置C1504の処理に移るものにわかれる。この割合は、SPM1503のスループット(単位時間当たりのウエハの処理枚数)を考慮して予めオペレータがホストコンピュータに指示する。全ての製造装置1501,1502及び1504とSPM1503は、半導体製造ラインのホストコンピュータ1505とデータ網で接続されており、ホストコンピュータ1505では製造中の全ウエハの履歴や工程等が管理される。また、各装置間のウエハの搬送は図示しない搬送装置が行う。例えば、製造装置A1501はドライエッチング装置、製造装置B1502はレジスト剥離装置、製造装置C1504は成膜装置である。
製造装置B1502での処理が終了したウエハは、ホストコンピュータ1505で管理されているウエハの工程管理情報に基づき、予め決められた割合でSPM1503に搬送される。SPM1503では、搬送されたウエハの工程管理情報をホストコンピュータ1505に問合せ、ウエハ上における計測点の座標情報を得た後、計測を行う。SPM1503では、計測の終了後ホストコンピュータ1505にウエハ上の各計測点の計測結果を出力し、ウエハは搬送装置によって製造装置C1504に搬送される。
ホストコンピュータ1505ではSPM1503から得た計測結果を解析し、必要に応じて各製造装置1501,1502及び1504の処理条件を変更(最適化)する。例えば、SPM1503でウエハ上の複数の位置でエッチング段差を計測し、そのばらつきから製造装置A1501(ドライエッチング装置)のエッチング条件の変更等を行う。或いは、SPM1503の計測結果を解析した結果、ウエハを製造装置B1502に戻して再処理を行うこともる。これらの場合の処理条件は、各製造装置における通常の処理条件とは異なる処理条件で実施されるが、この条件はSPM1503の計測結果に基づいて適宜ホストコンピュータ1505が決定・管理する。以上のフィードバック(状況に応じてはSPMの計測結果に基づいてSPM1503以降の製造工程の処理条件を決定するフィードフォワードの場合もある)作業には、オペレータが介在する場合がある。
以上の流れの中で、SPM1503の計測結果に基づいて各製造装置の処理条件を決定(最適化)するに当たり、SPM1503による計測精度が高精度である程、各製造装置の処理条件をきめ細かに設定することができる。また、SPM1503を半導体製造工程のインライン装置として用いるには、SPM1503の上流の製造装置で処理が終了したウエハが、SPM1503を経由しないで次の製造装置で処理されるまでの間に、SPM1503による計測を終了するのが理想的であり、従ってインラインSPMのスループット向上は必須課題である。
図15Bは、本発明によるSPM1503の一連の動作説明図である。以下、図1と併せてSPM1503の具体的な動作を説明する。SPM1503の上流工程の製造装置1501および1502で処理が終了したウエハは、1ロット単位でケースに格納されて半導体製造ラインの搬送装置によってSPM1503のウエハカセットに搭載される(S1501)。SPM1503では、ウエハケースのバーコードを読み取って、これに対応した工程情報と検査条件を半導体製造ラインのホストコンピュータから取得する(S1502)。その後、SPM1503のローダはウエハカセットからウエハを1枚取り出し、ウエハのオリフラが一定の向きとなるようにして試料ステージ104に搭載する(S1503)。
次に以下のような工程を経てウェハのアライメントを行う(S1504)。先ず、ウエハ103は試料ステージ104に真空吸着され、図示しない検出器でウエハ103表面に描画されたウエハ番号を読み取った後に、試料ステージ104に搭載された状態で探針駆動機構101の直下に移動される。この時の試料ステージ104のZ軸方向位置は、下死点で行われる。一方でこれまでの間に、観察光学系105は上死点まで上昇し、図示しないレボルバを回転させて対物レンズ106が交換されて、例えば50倍程度の低倍率のアライメント用対物レンズ(図示せず)に取り替えられる。対物レンズ106とアライメント用対物レンズの同焦距離は同一となっている。続いて観察光学系105を降下させ、その焦点位置が探針102の背面(上面)と成るように、フォーカス位置が調節される。この焦点合わせ動作は、光学像処理部108の画像認識によって自動で行われる。続いて、観察光学系105を定量(例えば1ミリメートル)更に降下させ、SPM像を採取する際よりも低い位置に観察光学系105の焦点位置を移動しておく。
試料ステージ104は、ウエハ103上のアライメントマーク位置がアライメント用対物レンズ(図示せず)の視野に入る程度の位置までXY方向に移動した後、Z方向に徐々に上昇して観察光学系105の焦点位置にウエハ103表面を一致させ、光学像処理部108でアライメントマークを画像認識する。この時、アライメント用対物レンズの開口率が低い条件では、観察光学系105で得られる光学像において探針102が同時に観察されてしまう場合がある。従ってアライメントマークの画像認識は、観察光学系105の視野内において、アライメントマークと探針102とが重ならないような位置で行うのが望ましい。ウエハ103上のアライメントマークは少なくとも2箇所以上の場所で画像認識されることにより、ウエハ103上のパターンと試料ステージ104のXY座標軸との相関を得て、全体制御部114に記憶される。
ウエハ103のアライメント動作中は、観察光学系105を定量降下させ、SPM像を採取する際よりも低い位置に焦点位置が移動していることから、ウエハ103表面と探針102の先端は接触することがない。アライメント動作終了後は、観察光学系105は上死点まで再度上昇し、図示しないレボルバを回転させて高倍率(例えば100倍)の対物レンズ106に取り替えられる。そして観察光学系105を降下させ、その焦点位置が探針102の背面(上面)と成るように、フォーカス位置が調節される。この焦点合わせ動作は、光学像処理部108の画像認識によって自動で行われる。更に、観察光学系105を定量(例えば1ミリメートル)降下させ、SPM像を採取する際よりも低い位置に焦点位置を移動しておく。なおここでは、ウエハ103のアライメント時に対物レンズを交換する動作を述べたが、観察光学系105に光学像のズーム機能を備えておき、対物レンズを交換することなく観察倍率を変更する構成でも構わない。
全体制御部はホストコンピュータから得た検査情報(座標情報)に基づき、1点目の計測点が観察光学系105視野に入る位置に試料ステージ104をXY方向に移動させる(S1505)。光学像処理部では、観察光学系105の視野(TVモニタ107上の表示領域)に含まれた計測点(または計測点の周辺パターン)を画像認識し、試料ステージ104のXY軸を微調整することで計測点の位置出しを精密に行う。対物レンズ106の倍率は100倍であり、観察光学系105を定量(例えば1ミリメートル)降下させ、SPM像を採取する際よりも低い位置に焦点位置を移動してウエハ103表面を観察することによって、対物レンズ106の視野内に配置された探針102の存在の影響を受けることなく、ウエハ103表面を高解像度で観察することが可能である。例えば対物レンズ106の開口率が0.7の仕様であれば、ウエハ103上のパターンを解像度が1マイクロメートル以下の条件で鮮明に観察できる。また探針102直下のウエハ103上のパターンを観察することも可能である。これは対物レンズ106の開口率が大きく、探針102が対物レンズ106の視野の一部分のみを占める条件の際に得られる光学的現象を利用したものである。
なお、計測点の位置出しはオペレータがTVモニタ107を観察して、全体制御部から座標を直接指定して行っても良い。その後、観察光学系105を定量上昇させ、その焦点位置が探針102の背面(上面)と成るように、フォーカス位置が調節される。
本発明によるSPMによれば観察光学系105の視野内で計測点が決定されてから、以後の計測動作が終了するまでの間、試料ステージ104を移動させる必要が無い。従来のSPMでは、探針の直上に探針駆動機構が存在するために、観察光学系の視野位置とSPM像計測位置が異なっており、計測点をSPM像計測位置に移動させ、再び精密な位置決めを行うためにステージの動作時間が必要であった。或いは、試料ステージ104を移動させることなく計測点と探針を観察する機能を有していても、探針の直上に探針駆動機構が存在するために、観察光学系の開口率を高くすることができず、充分な解像度でウエハ表面のパターンの観察ができなかった。本発明によるSPMによれば、探針駆動機構101にスルーホール211を設けた構造のため、探針102の直上において、高開口率の対物レンズを用いて、試料ステージ104を動作させることなく、計測点と探針を観察することを可能とした。
次に、探針102の先端をウエハ103表面に接触させる動作(S1506)を述べる。探針駆動機構101は、弾性変形部を有するステージを圧電素子で駆動する構造から成る3次元(X、Y、Z)の探針走査機構部であり、その底部には探針ホルダ115に保持された探針102が取り付けられている。探針駆動機構101には、対物レンズ106を非接触で挿入するスルーホールが設けられており、観察光学系105のフォーカス軸(図示せず)を調整することによって、試料ステージ104を移動させることなく探針102とウエハ103表面の観察が可能である。探針駆動機構101の可動領域は、X軸方向が20マイクロメートル、Y軸方向が20マイクロメートル、Z軸方向が10マイクロメートルで、その詳細な構造は図2A〜Cの通りである。
探針102の先端とウエハ103表面との接触について,図16A及びBを用いて説明する。探針たわみ検出部109における検出信号をモニタリングしながら、(1)探針駆動機構101のZ軸の高さを上死点まで上昇、(2)試料ステージ104のZ軸を10マイクロメートル上昇、(3)探針駆動機構101のZ軸の高さを下死点まで降下、を繰り返すことで達成される。即ち、前述した(3)の過程で探針102の先端がウエハ103の表面に接触した場合、探針たわみ検出部109の検出信号が変化する。探針走査制御部112では、この変化を捉えて両者の接触を検知するが、詳細な動作原理は図3の説明の通りである。
図16Bでは(3)の探針降下の3回目で試料103に探針102が接触している。この後,更に探針102を上死点まで上昇させてから,探針102のZ方向可動範囲911の中心付近に設定された,目標高さ912内に試料表面高がくるように計算した量だけ,試料ステージ104のZ軸を上昇させる。この後再度探針102を下降させ,探針の先端とウエハ103表面との接触を検知後するまで降下させる(S1507)。上記方法は探針と試料の接触時には,より高精度な制御の出来る探針102のみが駆動されているようにする事によって,試料側Z軸を駆動しているときに探針102が試料103に接触する事によって,起こりうる,探針に過大な力が加わる事による微細な探針先端へのダメージを防止できるという効果がある。
図17A及びBを用いて別の探針102と試料103との接近方法を説明する。ここでは,探針102を下死点まで下ろした状態で試料103を試料Zステージによって上昇させる。試料103と探針102の接触を検出するとすぐに探針103を高速に上死点まで退避させる。これによって,駆動によって振動している試料103の表面と探針102が接触している状態を最短に抑えて,探針102先端へのダメージを防止する。試料103表面は探針102の可動範囲911の中心付近に設定された,目標高さ912内に試料表面高がくるように計算した量だけ上昇を続けた後停止させる。その後,再度探針102を下降させ,探針の先端とウエハ103表面との接触を検知後するまで降下させる。
探針102の先端とウエハ103表面との接触を検知後、探針駆動機構101を駆動して探針102を走査しSPM像を採取する。例えば、ウエハ103上の1マイクロメートル四方の領域をX方向に256分割、Y方向に10分割し、探針102を例えば1マイクロメートル上昇させてから、その接触位置をX方向(Y方向)に順次移動させて、探針102とウエハ103表面との接触検知を繰り返す。但しこの接触検知は、試料ステージ104は移動させず、探針駆動機構101の可動範囲で探針102のみを動作させて実施する。探針駆動機構101の動作は、探針走査制御部112によって探針駆動制御部110を介して制御されている。探針駆動機構101の各移動軸(X、Y、Zステージ)には、図11A及びBに示した通り静電容量センサが取り付けられており、各静電容量センサの変位はステージ変位検出部128で検出され、探針走査制御部112を経由してSPM像生成部114に保存される。SPM像生成部114では、探針102がウエハ103上の各接触点に接触した状態で計測された探針102の変位(探針駆動機構101のZステージ変位)の、XY平面分布像を生成する。探針駆動機構101に用いられている圧電素子は、2キロヘルツから3キロヘルツの応答速度で動作可能であり、以上の計測動作は数秒間で終了し、得られたSPM像(データ)は、全体制御部に保存される。
ウエハ103上での計測座標、計測点数は予め決められており、ウエハ103上で他の計測点が残っている場合は、観察光学系105と試料ステージ104を同量降下させ、ステージ104のXY座標を次の計測点の座標に移動させて再び計測動作に移る(S1508)。ウエハ103上で他の計測点が存在しない場合は、観察光学系105と試料ステージ104を同量降下させ、ウエハ103を試料ステージ104からアンロードする(S1509)。ウエハケースに計測すべき次のウエハが存在する場合は、それを試料ステージ104にロードして計測を繰り返し(S1510)、ウエハケース内の全ウエハの計測が終了した場合は、全体制御部114に保存されたデータをホストコンピュータに出力し(S1511)、図示しない搬送装置がウエハケースを次の処理装置に搬送する(S1512)。
従来のSPMにおいては、同一ウエハ上で計測位置を変える度に、計測位置決めを行う観察光学系で計測位置を認識し、探針走査機構部(探針102の位置)まで試料ステージを移動させる必要が有った。計測位置決めを行う観察光学系位置と、探針走査機構部(探針102の位置)との間隔が150ミリメートルの場合、試料ステージの動作に2秒〜3秒の時間を要するが、1枚のウエハ上で10点の計測点が存在すると、計測位置決め動作のための試料ステージの動作時間の合計が20秒〜30秒となり、SPMの計測スループットを大きく低下させる要因となっていた。本発明のSPMの動作によれば、観察光学系105のフォーカスを調整することによって試料ステージ104を移動させることなく探針102とウエハ103表面の観察ができることから、計測位置決め動作にかかる時間を省略することができる。この結果、計測対象ウエハ1枚当たりの一連の装置動作(ウエハをロードし、例えば9点の計測位置でエッチング段差を計測後、ウエハをアンロードする)にかかる時間を2分以下(30WPH)とすることができ、スループットが向上したインラインSPMを実現することができる。
次に,図18A及びBを用いて,測定位置を試料XYステージ410の座標や,光学顕微鏡105による観察結果によって指定するのではなく,SPM測定結果によって精密に指定したい場合の本発明の動作を説明する。901は探針102の粗動圧電素子による走査可能範囲である。この中で,測定したいパターンを含むと思われる範囲910をまず探針102で走査して測定結果910を得る。この中で,測りたいパターンを見つけて,ここパターンだけを含むエリアを探針102によって精密に測定する。このとき,このエリアが微動圧電素子による測定可能サイズ(微動素子走査可能エリア)902よりも小さければ,粗動圧電素子を固定して,微動圧電素子だけの走査で,高精度な測定を行うことが出来る。Z軸に関しても,粗動と微動の2種類のアクチュエータを具備している場合は,測りたいエリアの高さが微動圧電素子による高さ制御幅912に入るように粗動圧電素子の位置を調整してから測定することで,高さに関しても高精度な測定を行うことが出来る。
この測定シーケンスを図19を用いて説明する。まず試料ステージを移動して試料」103上の測定したい位置上に探針102をもってくる(S1901)。次に,Z粗動アンプの応答性を明示的に切り替える必要がある場合にはこれを高速に切り替える(S1902)。次に,上記図16と17を用いて説明した試料接近処理をおこなう(S1903)。次にXY粗動アンプの応答性を明示的に切り替える必要がある場合にはこれを高速に切り替える(S1904)。次に探針102の粗動走査を行って測定を行う(S1905)(以上の制御は図15の探針走査制御部112によっておこなう)。これによって(SPM像生成部113に)得られた測定画像の中から被測定パターンの位置を全体制御部114のなかで画像処理によって自動的に求めるか,ユーザが画面上で指定する(S1906)。
XY軸を被測定領域の中心に移動した後(S1907),XY粗動アンプの応答性を明示的に切り替える必要がある場合にはこれを低速に切り替える(S1908)。あるいは,粗動固定を行う(S1909)。Z軸についても粗微動機構を持っている場合は同様の処理を行う。そのあとで,探針102の微動圧電素子による走査を行い,高倍の高精度測定を実現する(S1910)。ここで,測定を終了するのであれば(S1911),Z粗動アンプの応答性を明示的に切り替える必要がある場合にはこれを高速に切り替えてから(S1912),試料103退避をおこなう(S1913)。同じ微動走査による視野内で,更にズームをしたり,若干測定位置再度測定を行いたい場合は,再び,微動走査より行う。
別の視野で測定を行いたい場合は(S1920),その位置を再び画像処理かユーザの指定によって求める所から再び行う。同じ粗動走査の範囲内に測定したいパターンがない場合は,再度,XY粗動アンプの応答性を明示的に切り替える必要がある場合にはこれを高速に切り替えてから(S1921),粗動走査範囲を変更して再び走査を行うところからやり直(S1922)す。
以上説明したシーケンスによって,本発明で得られる広範囲の高速走査と,狭い範囲の高精度走査を切り替えて,高速・高精度測定を実現することが出る。
本発明で用いられる変位計として、静電容量センサとは別のレーザ干渉変位計の実施例を、図20及び図21AからCに基づいて説明する。静電容量センサの場合はターゲットして平坦な金属電極との間隔を静電容量の変化に換算して検出していたが、レーザ干渉変位計の場合は、平坦なミラーとの間隔を干渉縞の位相に換算して検出するものである。
図20に示すように、本実施例の光干渉変位センサは、図示しない光源ユニットと、センサユニット100及び変位出力ユニット70から成る。光源ユニットでは、例えば周波数安定化He−Neレーザからの波長632.8nmの直線偏光レーザ光を、偏波面保存ファイバ2で45°の偏光方向でセンサユニット100に導光する。
センサユニット100は、干渉計600及び変位演算処理ユニット50から成る。干渉計600では、偏波面保存ファイバ2から出射した45°偏光をコリメータ3で平行光4にし、さらにグラントムソンプリズムなどの偏光素子5を透過させ、透過光6をプリズムミラー7及び無偏光ビームスプリッタ8で反射させて、参照ミラー9に入射させる。
参照ミラー9は、図21Bに示すように、合成石英基板9a上にアルミニウム等の金属材料で回折格子9bが形成された構成となっている。この回折格子に入射する45°方向の偏光ビーム6はベクトル分解された2つの直交偏光成分から成り、回折格子の長手方向と平行なS偏光成分25sは回折格子で反射し、直交するP偏光成分25pは回折格子を透過する。すなわち、この回折格子は、いわゆる回折偏光素子(Wire Grid Polarizer)としての性質を示す。本実施例の場合、回折格子9bのピッチは144nm、線幅は65nm、高さは165nmとした。
参照ミラー9で反射されたS偏光ビーム6rは参照光として用いる。透過したP偏光ビーム6mは測定光として用いる。P偏光ビーム6mは1/4波長板10を透過した後円偏光となり、測定対象物31上に載置されたターゲットミラー12で反射され、再び1/4波長板10を透過後S偏光となり、参照ミラー9で反射され、1/4波長板10を透過後円偏光としてターゲットミラー12で反射され、1/4波長板10を透過後P偏光となり、参照ミラー9を透過する。即ち、測定光6mは参照ミラー9とターゲットミラー12との間の光路を2往復することになり、測定対象物31の移動量31dを2倍に拡大して検出することになる。参照ミラー9で反射されたS偏光ビーム6rと透過したP偏光ビーム6mは、直交偏光ビーム14として合成され、無偏光ビームスプリッタ8を透過する。
この直交偏光ビーム14は、迷光除去のための開口13を通過した後、対向させた2つのピラミッド形状の四角錐プリズム15a及び15bにより、4つの直交偏光ビームビーム17に分割される。ビーム分割の方法は、このようなプリズムに限定されるものではなく、回折光学素子なども適用可能である。4つの直交偏光ビームビーム17は、位相シフト素子18及び19を透過することにより、直交偏光成分の間に、0、π/2、π、3π/2の位相シフトが与えられた状態で偏光干渉し、4つの位相シフト干渉光20が生成される。
位相シフト素子18は、図21Aに示すように2分割され、下半分が合成石英18dで構成され、上半分はフォトニック結晶18cで構成される。フォトニック結晶18cは、拡大図に示すように、合成石英基板18c1に入射光の波長よりも小さなピッチの水平方向のライン&スペース状の回折格子を形成し、その上に屈折率の異なる誘電体薄膜18c2及び18c3を積層して構成される。回折格子上に堆積した薄膜層の断面は、回折格子の凹凸によって膜厚方向に三角波形の凹凸形状が維持される。薄膜材料としては、Si、 SiO2、TiO2、Ta2O5、Nb2O5が適用可能である。このような回折格子をベースとする多層薄膜構造は、回折格子の方向を結晶軸方向とするフォトニック結晶となり、多層薄膜間の回折、干渉作用により複屈折特性を示し、入射光の偏光や透過・反射特性を制御することが可能となる(参照:(株)フォトニックラティス製品カタログ)。
入射光の波長及び得たい特性を考慮して、回折格子ピッチ、深さ、各薄膜の膜厚は制御される。また、半導体素子製造に用いられるフォトリソグラフィ技術やスパッタリングなどの膜付け技術を用いることにより、1枚の基板上に結晶軸方向の異なる偏光素子や波長素子をアレイ状に形成できる点も大きな特徴である。フォトニック結晶18cは1/4波長板としての機能を有しており、太い矢印がその結晶軸方向を示している。すなわち、図19に示すように、4つの直交偏光ビーム17のうちフォトニック結晶18cを透過する2つの直交偏光ビームに関して、2つの偏光成分の間にπ/2の位相差が生じる。一方、残りの2つの直交偏光ビームは合成石英18dを透過し、位相差は生じない。
位相シフト素子19は、図21Cに示すように2分割され、左半分が45°の結晶軸方向を有するフォトニック結晶19aで構成され、右半分が逆向きの45°の結晶軸方向を有するフォトニック結晶19bで構成される。フォトニック結晶19aは、フォトニック結晶18cと同様、拡大図に示すように、合成石英基板19a1に入射光の波長よりも小さなピッチの45°方向のライン&スペース状の回折格子を形成し、その上に屈折率の異なる誘電体薄膜19a2及び19a3を積層して構成される。フォトニック結晶19bの構造も同様である。フォトニック結晶19a及び19bは偏光素子としての機能を有しており、太い矢印がその結晶軸方向を示している。すなわち、図20に示すように、4つの直交偏光ビームビーム17のうちフォトニック結晶19aを透過する2つの直交偏光ビームを構成する2つの偏光成分と、フォトニック結晶19bを透過する2つの直交偏光ビームを構成する2つの偏光成分との間に、相対的にπの位相差が与えられた状態で、両偏光成分は干渉する。
すなわち、位相シフト素子18及び19を透過した4つの直交偏光ビーム17の各直交偏光成分の間に、0、π/2、π、3π/2の位相シフトが与えられた状態で偏光干渉し、4つの位相シフト干渉光20が生成される。4つの位相シフト干渉光20は、外乱光の影響を避けるため、波長632.8nmに透過中心波長を有する干渉フィルタ21を透過した後、フォトダイオードなどの4つの光電変換素子で22で各々受光され、増幅器23で増幅された後、4つの位相シフト干渉信号41a、41b、41c、41dとして出力される。
4つの位相シフト干渉信号41a、41b、41c、41dは、各々(1)〜(4)式で与えられる。
Ia=Im+Ir+2(Im・Ir)1/2cos(4πnD/λ)・・・(数1)
Ib=Im+Ir+2(Im・Ir)1/2cos(4πnD/λ+π)
=Im+Ir−2(Im・Ir)1/2cos(4πnD/λ) ・・・(数2)
Ic=Im+Ir+2(Im・Ir)1/2cos(4πnD/λ+π/2)
=Im+Ir+2(Im・Ir)1/2sin(4πnD/λ) ・・・(数3)
Id=Im+Ir+2(Im・Ir)1/2cos(4πnD/λ+3π/2)
=Im+Ir−2(Im・Ir)1/2sin(4πnD/λ) ・・・(数4)
ここで、Imはプローブ光の検出強度、Irは参照光の検出強度、nは空気の屈折率、Dは測定対象物31の移動量31d、λはレーザ光4の波長である。
変位演算処理ユニット50では、(5)式に基づいて測定対象物31の移動量Dが算出されて、移動量信号61として変位出力ユニット70に表示される。
D=(λ/4πn)tan−1{(Ic−Id)/(Ia−Ib)}・・・(数5)
本実施例では、参照ミラー9として回折偏光素子(Wire Grid Polarizer)を用いたが、前述の説明から明らかなように、図21Cに示すような水平方向に結晶軸方向を有するフォトニック結晶9cを用いることも可能である。また、1/4波長板10も同様に、45°方向に結晶軸方向を有すフォトニック結晶10cを用いることも可能である。また、干渉計600をさらに簡素化するために、図21Cにおいて位相シフト素子19をフォトニック結晶19aのみで構成し、(1)式及び(3)式で表される位相シフト干渉信号41a及び41cを得て、この2つの干渉信号から測定対象物31の移動量Dを求めることも可能である。
図20から明らかなように、ターゲットミラー12に向かう測定光6mと参照光6rの2つのビームは、光源ユニットから出射されてセンサユニット100に入射し、参照ミラー9に至るまで、更に参照ミラー9から4つの光電変換素子22で受光されるに至るまで、完全に同一の光路を通る。即ち、共通光路形干渉計の構成となる。従って、仮に光路中に空気の揺らぎ等による温度分布や屈折率分布、あるいは機械振動が生じたとしても、これらの外乱は両ビームに等しく影響を及ぼすため、両ビームが干渉した際にこれら外乱の影響は完全に相殺され、干渉光は外乱の影響を受けない。唯一、参照ミラー9とターゲットミラー12との間の光路において測定光6mのみが存在するが、例えば、走査型プローブ顕微鏡等のストロークは高々数百ミクロン程度であるので、参照ミラー9とターゲットミラー12との間隙は1mm以下に設定することが可能であり、このような微小間隙での外乱の影響は無視できる。また、レーザ光自身の強度変動は、(1)〜(4)式においてプローブ光検出強度Im、参照光検出強度Irの変動となるが、変位演算処理ユニット50における(5)式の中の減算処理及び除算処理により相殺される。
さらに本実施例の光干渉変位センサでは、単純な構成で4つの直交偏光ビームを生成し、かつアレイ状に配置した位相シフト素子により空間的に並列に4つの位相シフト干渉光を生成し受光する構成となっているので、従来の位相シフト干渉計に比べ光学部品が大幅に低減し、変位センサが格段に小形化するというメリットがある。具体的には干渉計600の寸法を20×15×50mm以下程度に縮小化可能である。また、4つの位相シフト干渉光が近接した光路を通過するため、光路間に空気の揺らぎ等による温度分布、湿度分布、気圧分布、密度分布、気流変化などの外乱が重畳されたとしても、その影響を最小限に抑えることが可能になる。
以上より、本実施例の光干渉変位センサにより、温度、湿度、気圧、密度、音響振動といった環境因子を高精度に制御することなく、測定対象物の移動量や位置をサブナノメートルから10ピコメートル以下の精度で安定に計測することが可能であり、これを用いてSPM走査機構をフィードバック制御することで、SPMの探針先端の位置を、サブナノメートルから10ピコメートル以下の精度で安定に制御することが可能となり、高精度なSPM装置を実現することが出来る。
1…光源ユニット 2…偏波面保存ファイバ 3…コリメータ 5…偏光素子 7…プリズムミラー 8…無偏光ビームスプリッタ 9…参照ミラー 10…1/4波長板 12 12x 12y 12z…ターゲットミラー 14 17 81 218…直交偏光ビーム 13…開口 15a 15b…四角錐プリズム 18 19 82 83 84 219 220…位相シフト素子 9c 10c 18c 19a 19b 82c 82d 83c 83d 84a 84b…フォトニック結晶 20 85 221…位相シフト干渉光 21 86…干渉フィルタ 22…光電変換素子 23 88 223…増幅器 31…測定対象物 50、51、52…変位演算処理ユニット 70…変位出力ユニット 101…探針駆動機構 102…探針 103…ウエハ 104…試料ステージ 105…観察光学系 106…対物レンズ 201、202…ホルダ 203…Yステージ 204a 204b 204c 204d…弾性変形部 205 206 209 210 216 217…圧電素子 205a 206a 209a 210a 216a 217a…粗動圧電素子 205b 206b 209b 210b…変位拡大機構 205c 206c 209c 210c 216c 217c…微動圧電素子 205a’ 210a…粗動アクチュエータ 207…Xステージ 207…試料ステージ 211…スルーホール 214…Zステージ 240…微動ステージ 230a 230b 230c 230d…弾性変形部 231a 231b 231c 231d…弾性変形ガイド 241…粗動ステージ 220 221…ターゲット 222 223 224 410…変位センサ 301…レーザダイオード 311…受光器 402…粗XYステージ 404…エアスライダ 403…粗Zステージ 405…定盤 406…弾性プレート 410…試料XYステージ 500…粗動用圧電素子ドライバ 501…ドライバアンプ 506…切替器 506r…切替器r 510…微動用圧電素子ドライバ 511…ドライバアンプ 512…出力抵抗。

Claims (12)

  1. カンチレバーと該カンチレバーの先端付近に固定した探針とを備えた探針部と、
    前記探針部を駆動して前記探針を前記試料表面に近接または接触させることと離間させる
    ことを繰り返しながら前記試料表面を走査する探針部駆動手段と、
    該探針部駆動手段で前記探針を前記試料表面に近接または接触させた状態における前記探
    針部の変位量を検出する変位量検出手段と、
    該変位量検出手段で検出した前記探針部の変位量に基づいて前記試料表面の形状情報求め
    る信号処理手段と
    を備えた走査型プローブ顕微鏡であって、
    前記探針部駆動手段は、前記探針を直交する3軸方向に独立して駆動する駆動部を有すると
    ともに、該駆動部で前記探針部を駆動中に少なくとも1軸方向の駆動速度および応答速度を切替える駆動速度切替え部を備えたことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 前記探針駆動手段の駆動部は、前記探針を駆動する駆動範囲が大きい粗動アクチュエータ
    と駆動範囲が小さい微動アクチュエータとを組合わせた駆動部を互いに直交する3軸方向
    のうちの少なくとも一軸に備え、前記駆動速度切替え部で前記3軸方向のうちの少なくとも1軸方向の粗動アクチュエータの駆動速度を切替えることを特徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
  3. 前記駆動速度切替え部は、前記少なくとも1軸方向への移動量に応じて駆動速度を切替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  4. 前記変位量検出手段は静電容量変位計によって構成されることを特徴とする請求項3記
    載の走査型プローブ顕微鏡。
  5. 前記変位量検出手段はレーザ干渉変位計によって構成されることを特徴とする請求項3
    記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 前記駆動度切替え部は前記駆動速度を高速応答と低速応答に切替え、前記高速応答の時定数は0.1から5ミリセカンドの範囲,前記低速応答の時定数は5から100ミリセ
    カンドの範囲であることを特徴とする,請求項1乃至5の何れかに記載の走査型プローブ
    顕微鏡。
  7. カンチレバーと該カンチレバーの先端付近に固定した探針とを備えた探針部を駆動して前
    記探針を試料表面に近接または接触させることと離間させることを繰り返しながら前記試
    料表面を走査し、
    該試料表面を走査している前記探針部の変位量を検出し、
    該検出した前記探針部の変位量に基づいて前記試料表面の形状情報求める
    走査型プローブ顕微鏡を用いた計測方法であって、
    前記探針を駆動して前記試料表面を走査しているときに少なくとも1軸方向の駆動速度および応答速度を駆動中に切替えながら走査することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡を用いた計測方法。
  8. 前記少なくとも1軸方向の駆動速度を駆動中に切替えながら走査することを、前記探針を
    駆動する駆動範囲が大きい粗動アクチュエータと駆動範囲が小さい微動アクチュエータと
    のうちの粗動アクチュエータの駆動速度を切替えることにより行うことを特徴とする請求
    項7記載の走査型プローブ顕微鏡を用いた計測方法。
  9. 前記少なくとも1軸方向への駆動速度を切替えることを、該1軸方向への移動量に応じ
    て切替えることを特徴とする請求項7又は8に記載の走査型プローブ顕微鏡を用いた計測
    方法。
  10. 前記探針部の変位量を静電容量変位計によって検出することを特徴とする請求項9記載
    の走査型プローブ顕微鏡を用いた計測方法。
  11. 前記探針部の変位量をレーザ干渉変位計によって検出することを特徴とする請求項9記
    載の走査型プローブ顕微鏡を用いた計測方法。
  12. 前記試料表面を走査しているときに前記駆動速度を切替えることを高速応答と低速応答
    に切替え、前記高速応答の時定数は0.1から5ミリセカンドの範囲,前記低速応答の時
    定数は5から100ミリセカンドの範囲であることを特徴とする,請求項7乃至11の何
    れかに記載の走査型プローブ顕微鏡を用いた計測方法。
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