JP4111867B2 - 走査形プローブ顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、先端に探針が装着されたカンチレバーをその固有振動数またはこの固有振動数付近の周波数で振動させ、探針と試料との間で発生する原子間力に基づき試料表面の画像観察を行う原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)などの走査形プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope;SPM)の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
走査形プローブ顕微鏡である原子間力顕微鏡は、先端に探針が装着されたカンチレバーをその固有振動数またはこの固有振動数付近の周波数で加振させた状態で、カンチレバーと試料とを近づけてそれらの間に発生する原子間力に基づいてカンチレバーを撓ませ、このカンチレバーの変位(撓み)量を検出することにより、試料表面の画像観察を行うものである。
【0003】
ところで、従来、カンチレバーの変位の検出は種々の方法が採用されているが、その検出方法の1つに、カンチレバーに設けた検出用ピエゾ素子により検出することが提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1に開示のカンチレバーの変位検出方法によれば、どのような材料でできたカンチレバーに対しても、これと一体化した変位センサーを設けることが可能となるため、カンチレバーの材料を限定することなく、変位センサーの素子構成の複雑かを阻止することができる。
【0004】
一方、このような原子間力顕微鏡においては、カンチレバーと試料間に原子間力が働いていない状態では、カンチレバーはその固有振動数またはこの固有振動数付近の周波数で振動を続けるようになっており、また、カンチレバーと試料間に原子間力が働くと、カンチレバーの振動数はその固有振動数(共振周波数)またはこの固有振動数付近の周波数、つまりカンチレバーの加振振動数からシフトするようになっている。
【0005】
そして、従来の原子間力顕微鏡には、カンチレバーの加振振動数がシフトしたときの原子間力の変化を検出し、検出した力に基づいてカンチレバーの固有振動数またはこの固有振動数付近の周波数で一定の力となるように試料のZ方向(試料とカンチレバーの探針とを結ぶ方向)位置をフィードバック制御する、いわゆるACモードによる試料表面の画像観察を行う原子間力顕微鏡がある。
【0006】
また、ACモードによる原子間力顕微鏡として、カンチレバーの振幅を検出するスロープ検出方式を採用したものがある。
図3は、従来の原子間力顕微鏡のACモードのスロープ検出方式を説明するためのブロック図である。図中、1は一端が支持されたピエゾカンチレバー(以下、単にカンチレバーともいう)、2はカンチレバー1の他端に固定された探針、3はカンチレバー1に設けられてこのカンチレバー1を加振する加振用ピエゾ素子、4はカンチレバー1に取り付けられてこのカンチレバー1の変位を検出する検出用ピエゾ素子(本発明の変位検出手段に相当)、5は探針2が対向する測定用の試料、6は試料5のZ方向(図3において上下方向)の位置を制御するZピエゾスキャナ(本発明のZ方向走査手段に相当)、7はデジタル発振信号を出力する発振器(以下、DDSともいう)、8はDDS7からの発振信号のアンプリチュード(振幅量)をデジタル制御して加振用ピエゾ素子3に供給するデジタル制御アッテネータ(以下、D/A ATTともいう)、9は検出用ピエゾ素子4からのカンチレバー変位検出信号を電圧に変換しかつ増幅するプリアンプ、10はプリアンプ9によって増幅されたカンチレバー1変位の電圧信号における共振周波数以外の周波数成分を除去するバンドパスフィルター(以下、BPFともいう)、11はBPF10からの共振周波数のパラメータである振幅量を直流電圧(DC)の実効値として検出するRMS(本発明のパラメータ検出手段に相当)、12はRMS11からの振幅量の実効値(電圧)と参照電圧により設定された一定電圧との誤差を検出して誤差信号を出力する誤差アンプ(本発明の誤差検出手段に相当)、13は誤差アンプ12からの誤差信号を増幅するゲイン(本発明のゲイン手段に相当)、14はゲイン13によって増幅された誤差信号の低周波数のみを通過するローパスフィルタ、15はローパスフィルタ14を通過した誤差信号に基づいてZピエゾスキャナ6を駆動制御するZピエゾドライバ(本発明のZ方向走査駆動手段に相当)、16はDDS7からのデジタル発振信号の位相を調整して出力する電圧位相シフター、17はBPF10からのカンチレバー1の共振周波数の位相と電圧位相シフター16からの調整されたDDS7のデジタル発振信号の位相との位相差をDC(電圧)に変換して検出する位相検出器である。
【0007】
このAFMにおいては、試料5の測定時、Zピエゾスキャナ6に試料5がセットされた状態で、DDS7からのデジタルの加振信号がD/A ATT8でアナログに変換されて加振用ピエゾ素子3に供給される。すると、加振用ピエゾ素子3が駆動されて、カンチレバー1が加振用ピエゾ素子3によりこのカンチレバー1の固有振動数(共振周波数)で加振され、カンチレバー1はこの周波数で発振した状態に保持、制御される。
【0008】
このようにカンチレバー1が発振した状態で、Zピエゾドライバ15によりZピエゾスキャナ6が駆動制御されて、試料5が探針2に接近される。試料5が探針2に所定量接近すると、試料5と探針2との間に原子間力が働くようになる。この原子間力により、前述のようにカンチレバーの振動数つまり共振周波数がカンチレバーの固有振動数つまり加振振動数からシフトする。このときのカンチレバーの共振周波数の振幅は原子間力の影響を反映して変化するとともにこの共振周波数の位相も原子間力の影響を反映して変化するようになる。
【0009】
このカンチレバー1の共振周波数による発振で、カンチレバー1が変位し(撓み)、その変位量(つまり、共振周波数の振幅および位相)がカンチレバー1上に取り付けられた検出用ピエゾ4によって検出される。検出されたカンチレバー1の変位量はプリアンプ9によって電圧信号に変換され、更に、BPF10で共振周波数以外の周波数成分が除去される。そして、RMS11により共振周波数の振幅量が直流電圧(DC)の実効値として検出される。
【0010】
次に、誤差アンプ12により、カンチレバー1の共振周波数の振幅量の実効値(電圧)と参照電圧により設定された一定電圧との誤差が検出されて、誤差信号が出力される。この誤差信号はゲイン13によって増幅され、増幅された誤差信号の低周波数のみがローパスフィルタ14によって通過されて、Zピエゾドライバ15に供給される。これにより、Zピエゾドライバ15が駆動して、固有振動数のシフト量(ずれ)が一定となる、つまり探針2と試料5間の距離が一定となるように、Zピエゾスキャナ6がフィードバック制御される。このフィードバック制御において、RMS11から出力されるカンチレバー1の共振周波数の振幅量である実効値(電圧)が試料5の表面情報としてRMS画像信号で取得されるとともに、ローパスフィルタ14を通過した低周波数の誤差信号が試料5の表面情報としてTOPO画像信号で取得される。
【0011】
なお、このとき、位相検出器17により、BPF10からのカンチレバー1の共振周波数の位相と電圧位相シフター16からの調整されたDDS7のデジタル発振信号の位相との位相差がDC(電圧)として検出される。つまり、検出用ピエゾ素子4により検出されたカンチレバー1の変位検出信号と加振用ピエゾ素子3に供給された加振信号の位相差が電圧位相シフター16によって制御される。この位相差の電圧信号が試料5の表面情報として画像位相信号で取得される。
また、他のACモードによるカンチレバー1の変位検出として、前述の振幅量以外にFM検出による周波数変位量の検出を用いてもよい。このFM検出では、PLL(phase lock loop)を用いたFM変調回路により周波数変位量が検出される。
【0012】
更に、検出器を一体に有するカンチレバーを備えた走査形プローブ顕微鏡において、サンプル表面の第1回の走査を行ってカンチレバーの変位を検出することでサンプル表面の形状情報を得るとともに、この形状情報を使用してプローブの高さを制御しながら第2回の走査を行ってカンチレバーの変位を検出することで、サンプル表面の形状を除くサンプル表面のパラメータを測定することが提案されている(特許文献2参照)。
この特許文献2に開示のカンチレバーの変位検出方法によれば、サンプル表面のパラメータをより正確に測定することができる。
【特許文献1】
特開平6−26807号公報
【特許文献2】
特開平6−213910号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の図3に示す従来の原子間力顕微鏡のACモードのスロープ検出方式においては、Zピエゾスキャナ6によってZ方向の変位を制御して試料5とカンチレバー1間の距離を一定に保つようにフィードバック制御しているが、この方式のフィードバック系を安定的に動作させるためには、系の時定数を大きくする必要がある。しかし、系の時定数を大きくした場合、XY方向のスキャン(走査)スピードが高速になってくると、試料5とカンチレバー1間距離を一定に保つフィードバック制御に遅れが生じて、試料5とカンチレバー1間距離を一定に保つことが難しくなり、試料5と探針2とが接触してしまうおそれが考えられる。
【0014】
そこで、前述の特許文献2に開示のカンチレバーの変位検出方法によるサンプルのZ方向の位置制御をこの原子間力顕微鏡のACモードのスロープ検出方式に適用することで、試料5とカンチレバー1間距離を一定に保って試料5と探針2との接触を防止することが考えられる。
しかしながら、この特許文献2に開示のものでは、2回の走査が必要となるため、トータル的に走査に時間がかかってしまい、高速スキャンを行うことは難しい。
【0015】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ACモードのスロープ検出方式において、高速スキャン時にも試料とカンチレバーの探針間距離を一定に保つ制御を安定して行うことのできる走査形プローブ顕微鏡をを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、試料をZ方向に走査制御するZ方向走査手段と、一端が支持されたカンチレバーと、そのカンチレバーの他端に固定され前記試料に対向する探針と、前記カンチレバーをその固有振動数またはこの固有振動数の付近の周波数の加振周波数で加振する加振手段と、前記カンチレバーに設けられてこのカンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、その変位検出手段の出力信号の特定のパラメータを検出して電圧信号として出力するパラメータ検出手段と、このパラメータ検出手段から出力される前記電圧信号と参照電圧により設定された一定電圧との誤差を検出して誤差信号を出力する誤差検出手段と、この誤差検出手段から出力される誤差信号のゲインを大きくして出力するゲイン手段と、このゲイン手段からの出力信号を第1遮断周波数f1より小さい周波数を出力する第1ローパスフィルタと、前記ゲイン手段からの出力信号を前記第1遮断周波数f1より小さい第2遮断周波数f2より小さい周波数を出力する第2ローパスフィルタと、前記第1ローパスフィルタからの出力により前記変位検出手段の出力信号の電位を制御する電位制御手段と、前記第2ローパスフィルタからの出力により前記Z方向走査手段を制御するZ方向走査駆動手段とを備えていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項2の発明は、前記パラメータが、前記変位検出手段の出力信号の振幅量、加振周波数との位相差、および周波数変位量のいずれか1つであることを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、前記ゲイン手段が互いゲインの異なる第1および第2ゲイン手段からなり、前記第1ゲイン手段からの出力信号を前記第1ローパスフィルタに入力するとともに、前記第2ゲイン手段からの出力信号を前記第2ローパスフィルタに入力するようになっていることを特徴としている。
【0018】
【作用】
このように構成された本発明の走査形プローブ顕微鏡においては、誤差検出手段により変位検出手段の出力信号と参照電圧との誤差信号が出力される。このとき、誤差信号は、比較的大きな第1遮断周波数f1を有する第1ローパスフィルタにより設定される比較的小さな時定数と比較的小さな第2遮断周波数f2を有する第2ローパスフィルタにより設定される比較的大きな時定数の2通りの時定数を持つようになる。そして、小さい時定数の誤差信号により、変位検出手段の電位によるフィードバック制御が行われるとともに、大きい時定数の誤差信号により、Z方向走査手段によるフィードバック制御が行われる。
【0019】
このようにして、Z方向のフィードバック制御がZ方向走査手段による制御と変位検出手段の電位による制御との2重フィードバック制御から構成される。この2重フィードバック制御により、固有振動数またはこの固有振動数付近の周波数のシフト量(ずれ)が一定となるように制御される。これにより、ACモードのスロープ検出方式において、高速スキャン時にも試料とカンチレバーの探針間距離を一定に保つ制御が安定して行われるようになる。
その場合、第1および第2ローパスフィルタの第1および第2遮断周波数f1,f2、つまり誤差検出手段が出力する誤差信号の時定数をカンチレバーの固有振動数等に応じて最適化させることにより、高速スキャンにおいてZ方向のフィードバック制御がより一層安定して行われる。
【0020】
また、フィードバック系に2つのゲインの異なる第1および第2ゲイン手段が設けられることにより、2重フィードバック制御において、誤差検出手段の誤差信号がそれぞれのフィードバック系に最適なゲインの誤差信号にされて第1および第2ローパスフィルタに入力される。これにより、Z方向のフィードバック制御がより最適に行われるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明にかかる走査形プローブ顕微鏡の実施の形態で原子間力顕微鏡に適用した一例を模式的に示す、図3と同様のブロック図である。なお、前述の図3に示す従来例と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
【0022】
この例の原子間力顕微鏡は前述の図3に示す従来例の原子間力顕微鏡に対して、次の点が異なる。
すなわち、前述の図3に示す従来例では、誤差アンプ12からの誤差信号がゲイン13およびローパスフィルタ14を介してZピエゾドライバ15に供給されるようになっているが、図1に示すように、この例における原子間力顕微鏡では、誤差アンプ12から出力される誤差信号にゲイン13により任意のゲインを持たせて、2種類の第1および第2ローパスフィルタ18,19にそれぞれ供給するようにしている。その場合、第1ローパスフィルタ18の遮断周波数f1と第2ローパスフィルタ19の遮断周波数f2は、f1>f2となるように設定されている。
そして、誤差アンプ12が出力する誤差信号は、大きな遮断周波数f1を有する第1ローパスフィルタ8により設定される比較的小さな時定数の誤差信号と小さな遮断周波数f2を有する第2ローパスフィルタ19により設定される比較的大きな時定数の誤差信号との2通りの時定数を持つ誤差信号にされる。
【0023】
また、プリアンプ9は加算器9aとゲイン9bとを備えており、これらにより本発明の電位制御手段が構成されている。そして、これらの加算器9aとゲイン9bは、検出用ピエゾ素子4からの出力電圧Vaを第1ローパスフィルタ18からの誤差信号である出力電圧Vbとなる、つまりVa=Vbとなるようにフィードバック制御する。すなわち、時定数の小さい誤差信号で検出用ピエゾ素子4の電位を制御することにより、高速スキャンにおいて試料5表面の小さな凹凸を検出するようにしている。
【0024】
一方、第2ローパスフィルタ19からの出力電圧がZピエゾドライバ15に供給され、Zピエゾスキャナ6がZピエゾドライバ15によりこの出力電圧に基づいて制御される。すなわち、時定数の大きい誤差信号でZピエゾスキャナ6を制御することにより、高速スキャンにおいて試料5表面の大きな凹凸を検出するようにしている。
【0025】
このように、Z方向のフィードバック制御は、時定数の大きな信号に基づくZピエゾスキャナ6による制御と時定数の小さな信号に基づく検出用ピエゾ素子4の電位による制御との2重フィードバック制御として設定されている。これにより、高速スキャンにおいてZ方向のフィードバック制御が安定して行われるようになる。その場合、第1および第2ローパスフィルタ18,19の遮断周波数f1,f2、つまり前述の大小の時定数をカンチレバー1の固有振動数等に応じて最適化させることにより、高速スキャンにおいてZ方向のフィードバック制御がより一層安定して行われるようになる。
【0026】
なお、この例の原子間力顕微鏡では、第1および第2ローパスフィルタ18,19の出力を加算器(ADDアンプ)20で加算することにより、TOPO画像信号を取得している。
この例の原子間力顕微鏡の他の構成および他の作用効果は、前述の図3に示す従来例と同じである。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態で原子間力顕微鏡に適用した他の例を模式的に示す、図1および図3と同様のブロック図である。なお、前述の図1および図3に示す各例と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
この例の原子間力顕微鏡は前述の図1に示す例の原子間力顕微鏡に対して、次の点が異なる。
【0028】
すなわち、前述の図1に示す例の原子間力顕微鏡では、第1および第2ローパスフィルタ18,19に1つのゲイン13から出力される誤差信号が入力されるようになっているが、図2に示すように、この例の原子間力顕微鏡では、フィードバック系に2つのゲインの異なる第1および第2ゲイン(本発明の第1および第2ゲイン手段に相当)21,22が設けられている。その場合、第1ゲイン21の出力が第1ローパスフィルタ18に入力されるようになっているとともに、第2ゲイン22の出力が第2ローパスフィルタ19に入力されるようになっている。このように2重フィードバック制御において、誤差アンプ12からの誤差信号をそれぞれのフィードバック系に最適なゲインの誤差信号にして第1および第2ローパスフィルタ18,19に入力することにより、より最適なZ方向のフィードバック制御を行うことができるようになる。
この例の原子間力顕微鏡の他の構成および他の作用効果は、前述の図1に示す例と同じである。
【0029】
なお、前述の各例では、カンチレバー1の変位検出信号のパラメータとしてこの変位検出信号の振幅を用い、この振幅によりZ方向のフィードバック制御を行うものとしているが、本発明はこれに限定されることはなく、変位検出信号のパラメータとして、例えばカンチレバー1の変位検出信号と加振周波数との位相差あるいはカンチレバー1の変位検出信号の周波数変位量を用いることにより、Z方向のフィードバック制御を行うこともできる。
また、前述の各例では、アナログにより2重のZ方向フィードバック制御を行うものとしているが、2重のZ方向フィードバック制御の少なくとも一方をデジタルによるフィードバック制御にすることもできる。
【0030】
更に、前述の各例では、本発明を原子間力顕微鏡に適用して説明しているが、カンチレバー1の変位を検出する検出器を一体に有するカンチレバーを備えていれば、本発明を原子間力顕微鏡以外の他の走査形プローブ顕微鏡にも適用することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる走査形プローブ顕微鏡によれば、Z方向のフィードバック制御を、時定数の比較的大きな誤差信号に基づくZ方向走査手段による制御と、時定数の比較的小さな誤差信号に基づく変位検出手段の電位による制御との2重フィードバック制御から構成しているので、ACモードのスロープ検出方式において、高速スキャン時にも試料とカンチレバーの探針間距離を一定に保つ制御を安定して行うことができるようになる。
その場合、第1および第2ローパスフィルタの第1および第2遮断周波数f1,f2、つまり誤差検出手段が出力する誤差信号の時定数をカンチレバーの固有振動数等に応じて最適化させることにより、高速スキャンにおいてZ方向のフィードバック制御をより一層安定して行うことができる。
【0032】
また、フィードバック系に2つのゲインの異なる第1および第2ゲイン手段を設けているので、2重フィードバック制御において、誤差検出手段の誤差信号をそれぞれのフィードバック系に最適なゲインの誤差信号にされて第1および第2ローパスフィルタに入力することができる。これにより、Z方向のフィードバック制御をより最適に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる走査形プローブ顕微鏡の実施の形態で原子間力顕微鏡に適用した一例を模式的に示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態で原子間力顕微鏡に適用した他の例を模式的に示すブロック図である。
【図3】 従来の原子間力顕微鏡のACモードのスロープ検出方式を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1…ピエゾカンチレバー、2…探針、3…加振用ピエゾ素子、4…検出用ピエゾ素子、5…試料、6…Zピエゾスキャナ、7…発振器、8…デジタル/アナログ変換アッテネータ、9…プリアンプ、9a…加算器、9b…ゲイン、10…バンドパスフィルター、11…RMS、12…誤差アンプ、13…ゲイン、14…ローパスフィルタ、15…Zピエゾドライバ、16…電圧位相シフター、17…位相検出器、18…第1ローパスフィルタ、19…第2ローパスフィルタ、21…第1ゲイン、22…第2ゲイン
Claims (3)
- 試料をZ方向に走査制御するZ方向走査手段と、一端が支持されたカンチレバーと、そのカンチレバーの他端に固定され前記試料に対向する探針と、前記カンチレバーに設けられてこのカンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、その変位検出手段の出力信号の特定のパラメータを検出して電圧信号として出力するパラメータ検出手段と、このパラメータ検出手段から出力される前記電圧信号と参照電圧により設定された一定電圧との誤差を検出して誤差信号を出力する誤差検出手段と、この誤差検出手段から出力される誤差信号のゲインを大きくして出力するゲイン手段と、このゲイン手段からの出力信号を第1遮断周波数f1より小さい周波数を出力する第1ローパスフィルタと、前記ゲイン手段からの出力信号を前記第1遮断周波数f1より小さい第2遮断周波数f2より小さい周波数を出力する第2ローパスフィルタと、前記第1ローパスフィルタからの出力により前記変位検出手段の出力信号の電位を制御する電位制御手段と、前記第2ローパスフィルタからの出力により前記Z方向走査手段を制御するZ方向走査駆動手段とを備えていることを特徴とする走査形プローブ顕微鏡。
- 前記パラメータは、前記変位検出手段の出力信号の振幅量、加振周波数との位相差、および周波数変位量のいずれか1つであることを特徴とする請求項1記載の走査形プローブ顕微鏡。
- 前記ゲイン手段は互いゲインの異なる第1および第2ゲイン手段からなり、前記第1ゲイン手段からの出力信号を前記第1ローパスフィルタに入力するとともに、前記第2ゲイン手段からの出力信号を前記第2ローパスフィルタに入力するようになっていることを特徴とする請求項1または2記載の走査形プローブ顕微鏡。
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