JPH08285864A - カンチレバー位置決め装置 - Google Patents

カンチレバー位置決め装置

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JPH08285864A
JPH08285864A JP8827895A JP8827895A JPH08285864A JP H08285864 A JPH08285864 A JP H08285864A JP 8827895 A JP8827895 A JP 8827895A JP 8827895 A JP8827895 A JP 8827895A JP H08285864 A JPH08285864 A JP H08285864A
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piezoelectric element
probe
strain gauge
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JP8827895A
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Asao Uenodai
浅雄 上野台
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、カンチレバーの位置調整及び姿勢調
整が可能であり、圧電体のドリフトやクリープ等に影響
されず、試料走査中においてもカンチレバーを初期設定
位置にホールドできるカンチレバー位置決め装置を提供
することを目的とする。 【構成】 本発明は、STM等において、試料11上を
走査する測定用の先端部に探針5を有するカンチレバー
3が取付けられた積層型圧電素子2の伸縮方向の歪みを
検出する方向で、対向して配置される歪みゲージ4a,
4bと、検出された歪み検出信号を演算処理する歪み検
出部9と、算出された歪み量に基づき、初期設定位置に
探針5が設定されるように積層型圧電素子2の伸縮して
位置補正する圧電素子駆動部10とで構成されるカンチ
レバー位置決め装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微小表面形状及び摩擦
力分布測定装置、例えば走査型トンネル顕微鏡や原子間
力顕微鏡や水平力顕微鏡等の走査型プローブ顕微鏡に適
用され、カンチレバーの位置決め装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、走査型トンネル顕微鏡(STM;
Scanning Tunneling Microscope )、原子間力顕微鏡
(AFM;Atomic Force Microscope )など、簡単な構
成で原子レベルの高い縦横方向分解能を有する走査型プ
ローブ顕微鏡に関する技術が特開昭62−130302
号公報における「サンプル表面の像を形成する方法及び
その装置」により開示されている。さらに最近では、A
FMと同時に探針と試料との間に働く摩擦力などを測定
する水平力顕微鏡(LFM;Lateral Force Microscop
e)などがある。
【0003】従来のSTM、AFM、LFMとして、カ
ンチレバーの先端位置に探針を対置し、当該探針を試料
に接近させて滑動せしめ、前記カンチレバーの撓み角と
捻れ角とを検出することにより前記試料の形状及び摩擦
力分布を同時に測定する装置が既知となっている。
【0004】ここで従来のAFMの測定方法を説明す
る。AFMでは、探針は柔軟なカンチレバーによって支
持される。探針が試料表面に近づくと、探針先端の原子
と試料表面との原子の間には、ファン・デル・ワールス
(van der Waals )相互作用による引力が働き、さらに
原子の結合距離まで近づくと、パウリ(Pauli )の排他
律による斥力が働く。これらの引力及び斥力(原子間
力)は非常に小さく、10-9〜1012[N]程度であ
る。
【0005】一般的にAFMでは、観察の際、探針の先
端の原子が原子間力を受けてカンチレバーがある程度変
位する距離まで、探針が試料表面に近づけられる。この
状態から、探針を試料表面に沿って走査させると、試料
表面に対応して探針と試料との距離が変化するため、探
針と試料表面との間に働く原子間力に基づいて、カンチ
レバーの変位量が変化する。このようなカンチレバーの
変位検出には、いくつかの方式が知られている。例え
ば、カンチレバーの先端上面(探針のない面)に光学反
射面を設け、この反射面にレーザ光を入射させ、カンチ
レバーの変位に応じて変化する反射角をフォトダイオー
ドで検出させる方法がある。
【0006】また、図8に示すようにチップアシー1に
おいてカンチレバー3は積層型圧電素子2に固定され、
カンチレバー3の先端はZPセンサ6によってモニタさ
れている。カンチレバー3をZPセンサ6の焦点位置に
来るようにカンチレバー3の粗動をチップアシー1に取
り付けられているマイクロメータ(図示せず)により行
い、微動は積層型圧電素子2の電圧を調節して行ってい
る。この焦点位置は、計測時にリファレンスとなるた
め、非常に重要である。
【0007】さらに、特開平05−18769号公報に
おいては、捻りアクチュエータを使用している。探針を
先端部に配置したカンチレバーの基部に備えられた捻り
アクチュエータが試料表面との摩擦力によって生じるカ
ンチレバーの捻れ角をこの試料表面に対して“0”、即
ち探針の試料表面における位置を摩擦力“0”の位置に
戻すようにカンチレバーの基部に逆方向の捻れを与える
ので、探針の姿勢は常に摩擦力“0”の状態に保持され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た装置においては、積層型圧電素子2がオープンループ
で使用されているため、カンチレバー3をZPセンサ6
の焦点位置を初期設定しても、使用時間が長くなるに連
れ、積層型圧電素子2の温度ドリフトやクリープ等が原
因となって、実際には、カンチレバー3が次第に、ZP
センサ6の焦点位置から外れてきてしまい、そのため、
リファレンスが狂い、測定誤差の要因となる欠点があ
る。
【0009】また特開平05−187869号公報に提
案される技術おいては、捻りアクチュエータが捻られた
場合、アクチュエータ自身が捻れるのみでなく、伸縮が
生じて、カンチレバーがX方向に動いてしまう。これに
より、レーザ光の反射点の高さが変化してしまい、カン
チレバー変位信号として検出されてしまうため測定誤差
になってしまう欠点がある。
【0010】そこで本発明は、カンチレバーの位置調整
及び姿勢調整が可能であり、圧電体のドリフトやクリー
プ等に影響されず、試料走査中においてもカンチレバー
を初期設定位置にホールドできるカンチレバー位置決め
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、予め設定された初期設定位置を有し、先端
部に探針が設けられ、該探針を試料表面上に走査させ
て、生じた撓み角及び捻れ角より試料表面の形状及び摩
擦力分布を測定するためのカンチレバーと、前記カンチ
レバーの末端の基部に取付けられ、所定の電圧印加によ
り、前記試料と前記探針の相対位置関係を自在に移動可
能な圧電素子と、前記圧電素子の伸縮する方向を検出可
能に配置される、少なくとも2個以上の歪みゲージ変位
センサと、前記歪みゲージ変位センサを含みブリッジ回
路構成され、歪みゲージ変位センサの出力に基づき、前
記初期設定位置からの移動量となる変位量を算出する変
位量算出手段とで構成され、算出された前記変位量に基
づき前記圧電素子を駆動させて、カンチレバーを前記初
期設定位置に補正するカンチレバー位置決め装置を提供
する。
【0012】さらに、予め設定された初期設定位置を有
し、先端部に探針が設けられ、該探針を試料表面上に走
査させて、生じた撓み角及び捻れ角より試料表面の形状
及び摩擦力分布を測定するためのカンチレバーと、前記
カンチレバーの末端の基部に取付けられ、所定の電圧印
加により、カンチレバーの軸方向を中心とする回動方向
に捻れる第1の圧電素子と、前記第1の圧電素子に取付
けられ所定の電圧印加により、カンチレバーの軸方向に
伸縮及び屈曲する第2の圧電素子とからなり、前記試料
と前記探針の相対位置関係を自在に移動可能な圧電素子
手段と、前記第1の圧電素子の電極方向に沿って取付け
られ、該第1の圧電素子の捻れ方向を検出可能に配置さ
れる、少なくとも2個以上の第1の歪みゲージ変位セン
サと、前記第2の圧電素子に取付けられ、該第2の圧電
素子の伸縮する方向を検出可能に配置される、少なくと
も2個以上の第2の歪みゲージ変位センサとからなる歪
みゲージ変位手段と、前記第1,第2の歪みゲージ変位
センサを含み、それぞれにブリッジ回路構成され、各歪
みゲージ変位センサの出力に基づき、前記初期設定位置
からの移動量となる変位量を算出する変位量算出手段と
で構成され、算出された前記変位量に基づき前記圧電素
子手段を駆動させて、カンチレバーを前記初期設定位置
に補正するカンチレバー位置決め装置を提供する。
【0013】
【作用】以上のような構成のカンチレバー位置決め装置
は、圧電素子及びアクチュエータに歪みゲージ変位セン
サを複数個設けることにより、使用時間の経過により予
め設定した初期設定位置から移動した変位量が算出さ
れ、カンチレバーが元の初期設定位置に補正される。ま
た、常時、歪みゲージの歪みをモニタして、経時変化に
よって生じる温度ドリフトやクリープ等の誤差を走査ご
とに初期設定位置に戻すようにフィードバック制御され
る。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1に、本発明のカンチレバー位置決め装
置を設けた走査型プローブ顕微鏡をAFMを一例にとっ
て概略的な構成を示し説明する。
【0015】このAFMは、チップアシー1に積層型圧
電素子2が固着されており、積層型圧電素子2のチップ
アシー1に固定されていない一端にカンチレバー3が固
定されている。そのカンチレバー3の先端に探針5が設
けられている。さらにカンチレバー3は対物レンズ8を
介して、例えば、臨界角プリズムを用いたカンチレバー
の変位検出光学系(ZPセンサ)6によってモニタさ
れ、そのモニタ信号に基づき、圧電素子駆動部10が積
層型圧電素子2を伸縮する。
【0016】また、前記カンチレバー3の先端部に設け
られた探針5が試料11を走査する前にカンチレバー3
をZPセンサ6の焦点位置に持ってくる必要があり、チ
ップアシー1にはカンチレバー3の位置を移動させて粗
動調整を行うためのマイクロメータ7が設けられる。微
調整は積層型圧電素子2で行う。試料11は、所定位置
に電極12が配置されたチューブスキャナ13に載置さ
れ、図示しない制御部によりチューブスキャナ13が屈
曲して、XYZ方向に走査される。
【0017】前記積層型圧電素子2には、図3(a)の
上面図に示すように、歪みゲージ変位センサ(以下、歪
みゲージとする)4a,4bが積層型圧電素子2の伸縮
方向の歪みを検出できる方向で、2枚の歪みゲージ4
a,4bを対向するように配置する。これらの歪みゲー
ジ4a,4bにより検出された歪み検出信号は、歪み検
出部9で演算処理され、圧電素子駆動部10にフィード
バックされ、積層型圧電素子2の伸縮を補正する。
【0018】図2には、第1実施例としてのカンチレバ
ー位置決め装置の構成例を示す。このカンチレバー位置
決め装置は、積層型圧電素子2に配置された歪みゲージ
4a,4bと、ZPセンサ6と、圧電素子駆動部10
と、歪み検出部9とで構成される。
【0019】前記歪み検出部9は、歪みゲージ4a,4
bで生じた歪みを後述するホイートストンブリッジ回路
を用いて歪み量を常時、検出信号として得るブリッジ回
路14と、微小な検出信号を増幅するプリアンプ15
と、得られた検出信号から積層型圧電素子2の伸縮の補
正量を演算する演算回路16とで構成される。また、前
記圧電素子駆動部10は、積層型圧電素子2に伸縮の電
圧を印加するピエゾドライバ18と、該ピエゾドライバ
18を制御するピエゾコントローラ17とで構成され
る。またピエゾコントローラ17には、外部のパーソナ
ルコンピュータ等からの制御信号も入力している。
【0020】また、前記演算回路16はモニタ機能を有
し、ブリッジ回路14からの出力に基づく補正量を常時
もしくは走査毎の開始直前にピエゾコントローラ17に
出力し、常にカンチレバー3(探針5)を初期設定位置
になるように制御するフィードバック制御を行う。
【0021】次に図3(b)を参照して、歪みゲージ4
a,4bで生じた歪みをブリッジ回路を用いて検出する
方法について説明する。これらの歪みゲージ4a,4b
は、所定電圧を印加中に歪みを生じた場合に、出力値が
変化するものであり、例えば120Ωの歪みゲージが1
000×10-6の歪みを受けた場合に電気抵抗の変化
は、0.24Ωと極めて微小である。これを電気信号と
して取り出す場合には、図3(b)に示すようなホイー
トストンブリッジ回路が利用される。
【0022】本実施例では、2つの歪みゲージ4a,4
bを用いているため、ブリッジを構成させるために2つ
の固定抵抗20a,20bを接続する。ブリッジで対向
する2端に電圧Eを印加し、検出信号は残りの2端から
得る。
【0023】そしてブリッジ回路14で得られた検出信
号はまだ、微弱な信号であるため、プリアンプ15で増
幅させて、演算回路16に入力させる。演算回路16で
は、入力された検出信号に基づき、積層型圧電素子2の
伸縮を補正するための信号をピエゾコントローラ17に
出力する。
【0024】このピエゾコントローラ17では、ZPセ
ンサ6による探針5の位置をモニタ信号に、前記歪み検
出部9からの補正信号を加味して積層型圧電素子2の伸
縮をフィードバック制御する。
【0025】次に、このように構成されたカンチレバー
位置決め装置が搭載されたAFMを例として、動作を説
明する。まず、AFMにおける試料測定のための所定の
操作を行い、次に、カンチレバー3の位置をモニターす
るために、マイクロメータ7で粗動調整を行った後、Z
Pセンサ6の出力を基に積層型圧電素子2をフィードバ
ック制御を行い、カンチレバー3をZPセンサ6の焦点
位置に移動させるための微調整を行う。そして、カンチ
レバー3がZPセンサ6の焦点位置に合ったときの積層
型圧電素子2の歪みを歪みゲージ4a,4bで検出し、
その値を初期設定位置として演算回路16に含まれるメ
モリに記憶させる。
【0026】そして試料11の測定箇所の走査開始位置
に探針5がセットされるようにチューブスキャナ13を
XYZ方向に駆動する。走査開始位置にセットされた
後、所定の走査により、試料11が測定される。
【0027】そして、測定を行っていくと、前述したよ
うに積層型圧電素子2の温度ドリフトやクリープ等が原
因となって、カンチレバー3が次第にZPセンサ6の焦
点位置からずれていく。
【0028】その際に、歪みゲージ4a,4bから検出
された歪み信号が最初に記憶された初期設定位置の値に
なるようにフィードバック制御を行い、積層型圧電素子
2の歪みを補正して、カンチレバー3を初期設定位置に
ホールドすることが可能になる。
【0029】次に、本発明による第2実施例のカンチレ
バー位置決め装置について説明する。本実施例におい
て、第1実施例と同等の構成については説明を省略し、
特徴部分について説明する 図4(a)には、第2実施例としてのカンチレバー位置
決め装置の概念的な構成を示す。第1実施例では、カン
チレバーが1方向(Z方向)のみに動くものであったが
本実施例は1方向+ローテーション方向に動くものであ
る。具体的には、Z方向+ローテーション方向であり、
これらの方向(XYZ方向)にカンチレバーを動かすに
は、電極が4枚設けられ、カンチレバーの軸方向へ伸縮
するスキャナ21と、円筒型圧電素子の円筒軸に対して
45度の角度を持つ交差指電極を設けた捻りアクチュエ
ータ22とを組み合わせることで簡単に実現できる。こ
の構成の参考文献としては、「第3回電磁力関連のダイ
ナミックスシンプジウム講演論文集、日本機械学会、電
気学会、布田、増子、吉田、1991−6、p154」
に詳しく記載される。
【0030】このカンチレバー位置決め装置は、固定部
23にスキャナ21の一端が固着され、その反対側の他
端には、捻りアクチュエータ22が固着される。前記捻
りアクチュエータ22の先端には、カンチレバー3が固
定されており、そのカンチレバー3の先端に探針5が設
けられている。
【0031】図4(a)に示すように、スキャナ21に
は歪みゲージ24a,24bが該スキャナ21の伸縮方
向の歪みのみを検出するように対向して配置されてい
る。捻りアクチュエータ22には、歪みゲージ25a〜
25dが4枚、捻りアクチュエータ22の電極方向に9
0度づつ離れ、互いに対向するように配置されている。
【0032】さらにカンチレバー3の上側先端部位置に
レーザ光が照射するようにレーザ発生器26が配置さ
れ、その反射光が検出部27aに入射されるように光検
出器27が配置される。
【0033】そして照射されるレーザ光は、カンチレバ
ー3が試料11に対して水平になったときにカンチレバ
ー3の上側先端部位で焦点が合い、さらに図4(b)に
示すように検出部27aの0点(初期設定位置)に反射
光が入射するように設定する。このレーザ光の照射位置
を確認するために、カンチレバー3の上方に対物レンズ
28が配置される。
【0034】図5には、本実施例のカンチレバー位置決
め装置の構成を示し説明する。このカンチレバー位置決
め装置は、2枚の歪みゲージ24a,24bが配置され
たスキャナ21と、該スキャナ21と固着し4枚の歪み
ゲージ25a〜25dが配置された捻りアクチュエータ
22と、歪みゲージ25a〜25dで生じた歪みをホイ
ートストンブリッジ回路を用いて検出信号として得る第
1のブリッジ回路29と、歪みゲージ24a,24bか
らの歪みを検出信号として得る第2のブリッジ回路30
と、前記第1,第2のブリッジ回路29,30からのそ
れぞれの検出信号を増幅するプリアンプ31と、得られ
た検出信号からスキャナ21の伸縮の補正量を演算し且
つ、得られた検出信号からスキャナ21の伸縮の補正量
を演算し且つ、得られた検出信号から捻りアクチュエー
タ22の伸縮の補正量をする演算回路32と、スキャナ
21及び捻りアクチュエータ22に伸縮の電圧を印加す
るピエゾドライバ34と、該ピエゾドライバ34を制御
するピエゾコントローラ33とで構成される。また、Z
Pセンサ35はレーザ発生器26と光検出器27からな
る。
【0035】ここで、図6に示す捻りアクチュエータ2
2に配置した歪みゲージ25a〜25dによる第1のブ
リッジ回路29の概念について説明する。捻りアクチュ
エータ22の歪みの算出の方法について説明する。
【0036】歪みゲージ25a〜25dで測定される歪
みをそれぞれεa,εb,εc,εdとし、捻り歪みを
ε0とすると、 εa=ε0 εb=−ε0 εc=ε0 εd=−ε0 となる。さらに第1のブリッジ回路29で検出される歪
みをεとすると、 εt=εa−εb+εc−εd=ε0−(−ε0)+ε0−(−ε0) =4ε0 となる。第1のブリッジ回路29の出力電圧eとεtの
関係は、 e=Ks*εt*E/4 ここで、Ksは歪みゲージのゲージ率、Eはブリッジ回
路の励起電圧を示す。また第1のブリッジ回路29は、
温度変化による歪みを検出することもできる。また図7
には、スキャナ21の歪みゲージ24a,24bと所定
の固定抵抗36a,36bによる第2のブリッジ回路3
0の概念を示す。
【0037】図7(b)に示すようにブリッジ構成され
た歪みゲージ24a,24bにより検出される歪みをε
1,ε2とし、積層型圧電素子の伸び方向の歪みをεz
とすると、 ε1=εz ε2=εz となる。第2のブリッジ回路30で検出される歪みをε
0とすると、 ε0=ε1+ε2=εz+εz=2εz となる。第2のブリッジ回路30の出力電圧cとεzの
関係は、 e=Ks*ε0*E/4 となる。
【0038】このように構成されたカンチレバー位置決
め装置の動作について説明する。まず、カンチレバー3
の上側先端部位置にレーザ発生器26からのレーザ光が
照射されるように、対物レンズ28の視野に入るまでマ
イクロメータ7で粗動調整を行い、以後の微動調整をス
キャナ21及び捻りアクチュエータ22で行う。
【0039】この時、カンチレバー3からの反射光によ
る検出部27aの出力に基づき、スキャナ21及び捻り
アクチュエータ22をフィードバック制御して、カンチ
レバー3からの反射光の入射位置が検出部15aのO点
に一致するように設定する。
【0040】ここで図4(b)に示す検出部27aのx
方向の補正は、捻りアクチュエータ22を駆動して行
い、y方向の補正はスキャナ21を駆動して行う。しか
し、捻りアクチュエータ22は、捻れる時に伸縮方向に
変位するため、検出部27aではx方向にズレとして現
れてくる。スキャナ21は、このズレも補正する。
【0041】そして反射光の入射位置が検出部15aの
O点に一致した時のスキャナ21及び捻りアクチュエー
タ22の歪みを歪みゲージ24a,24b,25a〜2
5dで検出し、その値を演算回路32に含まれるメモリ
に初期設定位置として記憶する。この時、カンチレバー
3は、試料11に対して水平に設定される。
【0042】そして試料11の測定に伴い、圧電体を利
用したスキャナ21及び捻りアクチュエータ22の温度
ドリフトやクリープ等の歪みを歪みゲージ24a、24
b及び25a〜25dの出力がメモリに記憶された初期
設定位置の値になるようにフィードバック制御を行い、
スキャナ8及び捻りアクチュエータ9の歪みを補正し
て、カンチレバー3を初期設定位置にホールドすること
が可能になる。
【0043】さらに、好ましくは、自己温度補償型ゲー
ジを使用し、被測定物材料と線膨脹係数を適合させ、温
度変化による歪みゲージの見掛けの歪みを非常に小さく
することができ、測定精度が向上する。
【0044】以上の実施例に基づいて説明したが、本明
細書には、以下のような発明も含まれる。 (1) 試料を走査する探針と、探針を先端部の一方の
面に有するカンチレバーを試料表面にて接触摺動させ、
前記カンチレバーの撓み角及び捻れ角より前記試料表面
の形状及び摩擦力分布を測定する表面形状及び摩擦力分
布測定装置において、前記試流と前記探針の相対位置関
係を修整自在に前記カンチレバーの基部に圧電アクチュ
エータと、前記圧電アクチュエータの状態をモニタする
ための歪みゲージセンサを配置し、前記歪みゲージセン
サで構成されたブリッジ回路とを有することを特徴とす
るカンチレバー位置決め装置。
【0045】(2) 前記圧電アクチュエータは、積層
型圧電素子であることを特徴とする前記(1)記載のカ
ンチレバー位置決め装置。 (3) 前記圧電アクチュエータは、円筒型アクチュエ
ータであることを特徴とする前記(1)記載のカンチレ
バー位置決め装置。
【0046】(4) 前記積層型圧電素子に配置された
前記歪みゲージは、前記積層型圧電素子の伸縮方向で、
前記歪みゲージが対向するように配置することを特徴と
する前記(1)記載のカンチレバー位置決め装置。
【0047】(5) 前記捻りアクチュエータに配置さ
れた前記歪みゲージは、前記捻りアクチュエータの電極
方向に沿って90°づつ離して配置されたことを特徴と
する前記(2)記載のカンチレバー位置決め装置。
【0048】(6) 前記アクチュエータは、前記歪み
ゲージの出力信号を基にフィードバック制御され、測定
中のカンチレバーのポジションを初期設定された位置に
ホールドすることを特徴とする前記(1),(2)記載
のカンチレバー位置決め装置。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、カ
ンチレバーの位置調整及び姿勢調整が圧電体のドリフト
やクリープなどの影響を受けずに行え、試料走査中にお
いてもカンチレバーを初期設定された位置にホールドす
ることを可能にするカンチレバー位置決め装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカンチレバー位置決め装置を設けた走
査型プローブ顕微鏡(STM)の概略的な構成を示す図
である。
【図2】第1実施例としてのカンチレバー位置決め装置
の構成例を示す図である。
【図3】図3(a)は積層型圧電素子における歪みゲー
シの配置を示す図、図3(b)はブリッジ回路の構成を
示す図である。
【図4】図4(a)は、第2実施例としてのカンチレバ
ー位置決め装置の概念的な構成を示す図、図4(b)
は、検出部に反射光が入射する位置を示す図である。
【図5】第2実施例のカンチレバー位置決め装置の構成
を示す図である。
【図6】図6(a)は捻りアクチュエータにおける歪み
ゲージの配置を示す図、図6(b)はそれらの歪みゲー
ジのよるブリッジ回路の構成を示す図である。
【図7】図7(a)はスキャナにおける歪みゲージの配
置を示す図、図7(b)はそれらの歪みゲージのよるブ
リッジ回路の構成を示す図である。
【図8】従来の走査型プローブ顕微鏡の概略的な構成を
示す図である。
【符号の説明】
1…チップアシー、2…積層型圧電素子、3…カンチレ
バー、4a,4b,25a〜25d…歪みゲージ、5…
探針、6…カンチレバーの変位検出光学系(ZPセン
サ)、7…マイクロメータ、8…対物レンズ、9…歪み
検出部、10…圧電素子駆動部、11…試料、12…電
極、13…チューブスキャナ、14…ブリッジ回路、1
5…プリアンプ、16…演算回路、17…ピエゾコント
ローラ、18…ピエゾドライバ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め設定された初期設定位置を有し、先
    端部に探針が設けられ、該探針を試料表面上に走査させ
    て、生じた撓み角及び捻れ角より試料表面の形状及び摩
    擦力分布を測定するためのカンチレバーと、 前記カンチレバーの末端の基部に取付けられ、所定の電
    圧印加により、前記試料と前記探針の相対位置関係を自
    在に移動可能な圧電素子と、 前記圧電素子の伸縮する方向を検出可能に配置される、
    少なくとも2個以上の歪みゲージ変位センサと、 前記歪みゲージ変位センサを含みブリッジ回路構成さ
    れ、歪みゲージ変位センサの出力に基づき、前記初期設
    定位置からの移動量となる変位量を算出する変位量算出
    手段と、を具備し、 算出された前記変位量に基づき前記圧電素子を駆動させ
    て、カンチレバーを前記初期設定位置に補正することを
    特徴とするカンチレバー位置決め装置。
  2. 【請求項2】 予め設定された初期設定位置を有し、先
    端部に探針が設けられ、該探針を試料表面上に走査させ
    て、生じた撓み角及び捻れ角より試料表面の形状及び摩
    擦力分布を測定するためのカンチレバーと、 前記カンチレバーの末端の基部に取付けられ、所定の電
    圧印加により、カンチレバーの軸方向を中心とする回動
    方向に捻れる第1の圧電素子と、前記第1の圧電素子に
    取付けられ所定の電圧印加により、カンチレバーの軸方
    向に伸縮及び屈曲する第2の圧電素子とからなり、前記
    試料と前記探針の相対位置関係を自在に移動可能な圧電
    素子手段と、 前記第1の圧電素子の電極方向に沿って取付けられ、該
    第1の圧電素子の捻れ方向を検出可能に配置される、少
    なくとも2個以上の第1の歪みゲージ変位センサと、前
    記第2の圧電素子に取付けられ、該第2の圧電素子の伸
    縮する方向を検出可能に配置される、少なくとも2個以
    上の第2の歪みゲージ変位センサとからなる歪みゲージ
    変位手段と、 前記第1,第2の歪みゲージ変位センサを含み、それぞ
    れにブリッジ回路構成され、各歪みゲージ変位センサの
    出力に基づき、前記初期設定位置からの移動量となる変
    位量を算出する変位量算出手段と、を具備し、 算出された前記変位量に基づき前記圧電素子手段を駆動
    させて、カンチレバーを前記初期設定位置に補正するこ
    とを特徴とするカンチレバー位置決め装置。
  3. 【請求項3】 前記変位量算出手段が算出した前記圧電
    素子及び第1の圧電素子及び第2の圧電素子による変位
    量を、これらの圧電素子に、常時フィードバックし、走
    査毎若しくは任意の時間間隔でカンチレバーを初期設定
    位置に補正するフィードバック手段を具備することを特
    徴とする請求項1,2記載のカンチレバー位置決め装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006527856A (ja) * 2003-06-16 2006-12-07 ユーティ―バテル エルエルシー 高スループットマイクロカンチレバー検出器
DE102005003684B4 (de) * 2004-02-13 2013-02-21 Sii Nano Technology Inc. Feinjustierungsmechanismus zur Rastersondenmikroskopie
JP2014095512A (ja) * 2012-11-09 2014-05-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 計測装置、計測システム及び計測方法

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