JPH10232240A - 表面観察装置 - Google Patents

表面観察装置

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JPH10232240A
JPH10232240A JP5107497A JP5107497A JPH10232240A JP H10232240 A JPH10232240 A JP H10232240A JP 5107497 A JP5107497 A JP 5107497A JP 5107497 A JP5107497 A JP 5107497A JP H10232240 A JPH10232240 A JP H10232240A
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JP
Japan
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sample
probe
distance
amount
deflection
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JP5107497A
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English (en)
Inventor
Kyoji Yano
亨治 矢野
Masabumi Kiyougaku
正文 教學
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】探針と試料表面との距離を正しく算出して試料
表面の電気的測定を行うことのできる表面観察装置を提
供する。 【解決手段】探針と試料間の距離を距離制御手段によっ
て変位させる距離調節手段と、距離調節手段の変位量を
検出する変位量検出手段と、弾性体のたわみ量を検出す
るたわみ量検出手段と、たわみ量の変化に基づいて探針
と試料との接触を検知する接触検知手段とを備え、変位
量検出手段により検出された距離調節手段の変位量とた
わみ量検出手段により検出されたたわみ量と接触検知手
段からの出力信号とに基づき探針と試料表面との距離を
算出する距離算出手段によって、導電性探針と試料表面
との非接触な状態におけるこれらの間の距離を正しく算
出して試料表面の電気的測定を行う表面観察装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査型探針顕微鏡を
応用した表面観察装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、物質の表面を原子オーダーの分解
能で観察できる走査型トンネル顕微鏡(以下STMとい
う)[G.Binnig et al.,Physic
alReview Letters 第49巻57頁
(1982)〕が開発され、原子、分子レベルの実空間
観察が可能になってきた。走査型トンネル顕微鏡は、ト
ンネル電流を一定に保つように探針電極、導電性試料の
距離を制御しながら走査し、その時の制御信号から試料
表面の電子雲の情報、試料の形状をサブナノメートルの
オーダーで観測することができる。また、物質の表面を
やはり高分解能で観察できる手段として原子間力顕微鏡
(以下AFMという)が開発されている。この方法によ
れば試料に流れる電流によらず、試料表面の形状を観察
することが可能である。AFMによる通常の観察方法
は、探針と試料表面を原子間力が働く程度に接近させ
て、この原子間力が一定になるように探針と試料表面の
距離を制御しながら走査し、その制御信号から試料表面
の形状を求めるものである。さらに、AFMにおいて導
電性の探針を用い通常のAFM動作を行うとともに、試
料と探針の間に電圧を印加し、流れる電流を同時に測定
する技術(以下AFM/STMという)も開発されてお
り、かかる技術によれば試料を表面形状と電気的性質を
同時に測定することが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようにAFM/S
TMを用いることにより試料表面の電気的性質を測定す
ることが可能になったが、この動作は通常、導電性探針
を試料表面に接触した状態で観察を行うものである。一
方、このような観察を導電性探針が試料表面に接触した
状態ではなく、探針を試料表面から離した状態で電気的
特性を評価すれば、例えば試料表面の仕事関数等、有益
な情報を得ることが可能となるが、この場合、導電性探
針先端と試料表面との距離が正確にもとまらず、所望の
測定を行うことが難しいという問題が生じる。
【0004】そこで、本発明は、探針を試料表面から離
した状態で電気的特性を評価するに際しての上記課題を
解決し、導電性探針と試料表面とが非接触な状態におい
て、探針と試料表面との距離を正しく算出して試料表面
の電気的測定を行うことのできる表面観察装置を提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、表面観察装置をつぎのように構成したこと
を特徴としている。本発明の表面観察装置は、弾性体に
支持された導電性探針を試料表面に対向して配置し、該
探針と試料間に電圧を印加し、これらの間に流れる電流
を検出して試料表面を観察する表面観察装置であって、
前記探針と前記試料間の距離を距離制御手段によって変
位させる距離調節手段と、該距離調節手段の変位量を検
出する変位量検出手段と、前記弾性体のたわみ量を検出
するたわみ量検出手段と、該たわみ量の変化に基づいて
前記探針と前記試料との接触を検知する接触検知手段と
を備えると共に、前記変位量検出手段により検出された
前記距離調節手段の変位量と前記たわみ量検出手段によ
り検出されたたわみ量と前記接触検知手段からの出力信
号とに基づき前記探針と前記試料表面との距離を算出す
る距離算出手段によって、前記導電性探針と前記試料表
面との非接触な状態におけるこれらの間の距離を正しく
算出して試料表面の電気的測定を行うことを特徴として
いる。また、本発明における変位量検出手段は、距離調
節手段に設けられたセンサーからの出力または距離調節
手段の制御信号により距離調節手段の変位量を検出する
ことを特徴としている。また、本発明における表面観察
装置は、前記距離算出手段の出力に基づき前記距離制御
手段の制御信号補正する補正手段を具備することを特徴
としている。また、本発明における表面観察装置は、前
記探針と試料の試料表面に平行な方向の位置を変化させ
る探針位置移動手段を具備することを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は上記構成により、導電性
探針と試料表面とが非接触な状態において、探針と試料
表面との距離を正しく算出して試料表面の電気的測定を
行うことが可能となる。本発明の導電性探針は、試料表
面と接して、または試料表面に接近して試料との間に力
を発生するように構成されている。この探針は少なくと
もその先端は導電性の材料で構成されており、試料との
間に電圧を印加させることができ、また電流が流れるこ
とが可能である。また、この導電性探針は弾性体により
支持されいるが、この弾性体はAFMにおいてカンチレ
バーと呼ばれている板バネ状のものが一般的であり、バ
ネ定数としては0.01N/mから100N/m程度の
ものが一般的である。
【0007】また、本発明の距離調節手段は、導電性探
針と試料表面の距離を調節するように構成されている。
本発明においては導電性探針は弾性体により支持されて
いることから距離調節手段は弾性体を取り付ける部分と
試料との相対的位置を変化させる。この場合、弾性体の
取り付け部を動かすものでもよく、また試料を動かすも
のでもよく、また両者を動かすようなものでもよい。具
体的な機構としてはステッピングモータを利用した粗動
機構とピエゾ素子を用いた微動機構の組み合わせが実用
性が高い。また、本発明の距離制御手段は、前記距離調
節手段を制御する制御装置を構成するものであり、例え
ば前記距離調節手段がピエゾ素子であれば、所望の位置
になるように高圧を発生するものである。また、前記距
離調節手段ステッピングモータの場合は所望の位置にな
るように制御パルスを発生する。また、本発明の変位量
検出手段は、前記距離調節手段がどれだけ変位したかを
検出するように構成されている。この検出手段により検
出される変位量は前記弾性体の取り付け位置と試料表面
の相対的位置の変位量である。検出方法としては、前記
距離調節手段にセンサをつけ、そのセンサ出力から変位
量を検出する方法がある。また、前記距離制御手段に与
えられる制御信号からその変位量を求める方法でもよ
い。本発明における電圧印加手段は、前記導電性探針と
前記試料との間に電圧を印加するもので直流のみなら
ず、必要に応じて交流や、直流に交流等を重畳させたも
のでもよい。また、その電流検出手段は、前記導電性探
針と試料との間に流れる電流を検出する手段で、前記電
圧印加手段により印加された電圧により流れる電流を検
出する。本発明の接触検知手段は、前記たわみ量の変化
に基づいて前記試料と前記導電性探針との接触を検知す
るように構成されている。前記導電性探針を試料表面か
ら十分離した状態から前記距離制御手段が制御信号を発
生し前記距離制御手段により前記導電性探針と試料表面
を接近させる方向に移動させる。このとき、前記導電性
探針と試料表面が接触すると導電性探針は試料表面から
急激に大きな力を受ける。この力により導電性探針を支
持している弾性体が急にたわみ、前記たわみ量検出手段
がそのたわみを検出する。接触検知手段は、この急激な
たわみの変化を検出することにより前記導電性探針と試
料表面との接触を検出する。
【0008】本発明の距離算出手段は、前記変位量検出
手段により検出された距離調節手段の変位量と前記たわ
み量検出手段により検出されたたわみ量と前記接触検知
手段からの出力信号とに基づき、前記探針と前記試料表
面との距離を正確に算出するように構成されている。そ
の算出方法を図1を用いて説明する。図1は距離調節手
段が試料側を移動させる場合について解説した図であ
る。導電性探針102が弾性体103により支持されて
いる。この図では弾性体として通常のAFMで用いるカ
ンチレバーを用いている。このカンチレバーのたわみ
は、カンチレバーの試料と反対側にレーザを照射しその
反射信号を2分割センサで位置のずれを検出するいわゆ
る光てこ方式等により検出することが可能である。この
図において試料101を上下させることにより探針10
2と試料表面の距離を調節する。このとき弾性体103
の取り付け部は固定されている。
【0009】図1に示した縦軸は距離調節手段の位置を
示している。図1(a)は、探針102と試料101が
十分離れた状態を示しており、このとき試料表面の位置
はZ0で示されている。また、探針102先端と試料表
面の距離はd0である。この状態から試料を探針側に接
近させてゆく。図1(b)には(a)から試料表面を少
し接近させた状態を示す。このとき試料表面の位置はZ
0からZ1ヘ Z1−Z0 (1) だけ移動したことになる。この移動量はセンサによって
検出するか、またはこの移動を制御する制御信号から求
めることができる。すなわち、この式(1)は既知の量
である。このとき、例えば探針102と試料101の間
には静電力等が働いていると探針102がたわみ、探針
102先端と試料101表面との距離は(a)の場合に
比べて式(1)で与えられている量より多く接近するこ
とになる。(a)に比べて探針がたわんだ量をL1、探
針102先端と試料102表面との距離をd1とすると d1=d0−(Z1−Z0)−L1 (2) で与えられる。L1は前述のようにたわみ量の検出手段
で検出できる。
【0010】さらに探針102と試料表面を接近させる
と探針102と試料101が接触し図1(c)の状態に
なる。図1(c)は探針102と試料101がちょうど
接触した状態を示す。このとき、試料表面の位置はZ2
で示されており、この量は既知量である。また、探針1
02のたわみ量はL2で表わされこの量も既知量であ
る。探針先端と試料表面はちょうど接触した状態である
から、 探針先端と試料表面との距離=d0−(Z2−Z0)−L2=0 (3) の関係式が成立する。すなわち一度探針102と試料1
01が接触すると式(3)から d0=(Z2−Z0)+L2 (4) によってd0を求めることができる。このd0を用いれ
ば、式(2)により、試料表面と探針先端との距離d0
を求めることができる。図1(b)で測定のデータを取
得したいときは、Z0、Z1、たわみ量L1のデータを記
録しておき、試料と探針を接触させた後に式(2)に従
って探針102と試料表面の距離を求めればよい。
【0011】以上の方法では探針102と試料101を
十分離した状態から両者を接近させ、接触させるという
手順をとったが、逆に最初に探針102と試料101を
接触させた状態にして、次第に試料101と探針102
を離して行く手順でもよい。この場合、図1(c)の状
態にあたる試料101と探針102がちょうど接触する
状態とは、試料101と探針102がちょうど離れる位
置とすればよい。上記の手順により、探針と試料表面と
の距離を正確に算出することが可能となる。
【0012】本表面観察装置による表面の電気的測定は
次の手順で行われる。まず、探針と試料を十分に離して
おく。この状態で電圧印加手段により探針と試料との間
に電圧を印加する。なお、このとき流れる電流は電流ア
ンプ等の電流検出手段によりその値が求められている。
次に探針のたわみ量、距離調節手段の位置、電流値を観
測しかつその値を保存しながら、距離調節手段により探
針と試料表面とを接近させ、最終的には接触させる。次
に、前述の方法に従って、測定を行った各点における探
針先端と試料表面との距離を求める。この求めた距離と
電流値から、試料表面からの距離と電流値の正確な関係
を求めることができる。また、逆に始めに試料表面と探
針を接触させた状態から開始して、試料を離しながら測
定してもよい。このときの試料表面と探針先端との距離
の求めかたは前述のとおりであるが、まず、探針と試料
表面を接触させた状態から、探針を試料表面から離す向
きに移動し、探針先端が試料表面から離れたときのたわ
み量、距離調節手段の位置を基準にして、各距離調節手
段の位置での探針と試料表面の真の距離を求める。
【0013】また本発明に、前記距離算出手段の出力に
基づき前記距離制御手段の制御信号補正する補正手段を
具備することにより、所望の位置で電気的特性をとるこ
とができる。これは特に試料と探針先端との距離を一定
に保ちながら電圧を変化させて測定を行う場合に有効で
ある。この補正手段の動作を図2を用いて説明する。図
2の説明で用いる構成は図1のものと同じである。図2
(a)は図1(b)と同じ状態を示し、距離調節手段の
位置がZ1、探針101のたわみ量がz1となっている。
このとき探針先端と試料表面との距離d1は探針先端と
試料表面が既に接触したことがあり前述の方法によりわ
かっていても、あるいはまだ接触せずに未知の値でもよ
い。この状態で探針102と試料101の間に電圧を印
加したり、あるいは電圧を変化させる。すると、探針と
102と試料101との間、あるいはカンチレバー10
3に含まれる配線と試料との間に静電力が働き、カンチ
レバー103がたわみ、探針102先端が試料101に
近づく方向に動く。
【0014】このような状態のままであると探針102
と試料101表面との距離が印加する電圧によって変化
してしまう。そこで図2(b)に示したような方法によ
り試料表面を移動する距離調節手段を調節する。実際に
は距離調節手段を制御する距離制御手段の信号を補正す
る。その補正方法は図2(b)において Z′1−Z1=z′1− z1 (5) となるように調節する。ここでZ′1は新たな距離調節
手段の位置、z′1は新たなたわみ量である。すなわ
ち、電圧の変化あるいは印加により発生した探針102
のたわみ量に相当する分を試料の移動により補正するこ
とになる。この補正により、試料表面と探針先端との距
離を一定に保ったまま電圧を変化させることができ、よ
り正確な電気的特性を測定することが可能となる。
【0015】さらに、本発明に、前記探針と試料の試料
表面に平行な方向の位置を変化させる探針位置移動手段
を付加することにより、電気的特性を試料表面2次元方
向の分布をとることが可能となる。この移動手段として
は例えばピエゾ素子等が挙げられる。試料表面での分布
を測定する場合、まず試料表面の一点で探針と試料の接
近、接触動作を行い、次の測定点に移動して新たな測定
を行っていくことを次々繰り返してもよいし、一定の距
離を保ったまま試料表面方向に移動しながら測定を行っ
て行く方法でもよい。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]本発明における実施例1を、図3に示す構
成図を用いて説明する。本実施例は通常のAFMを基本
にした表面観察装置である。観察試料102は本実施例
に示す表面観察装置により観察する試料である。本実施
例においてカンチレバー103は通常のAFMで用いる
カンチレバーであり本実施例ではバネ定数0.1N/m
のものを使用している。その先端には探針104が固定
されている。探針104は窒化シリコン製で表面にPt
薄膜114が形成されており、このPt薄膜114から
はカンチレバー103の内部に配したAlの配線により
電流アンプ106に接続され、探針104を通して観察
試料102に流れる電流を検出し、その値をマイクロコ
ンピュータ113に送る。また、この先端は観察試料1
02に接触する。試料ホルダ101は観察試料102を
保持する機構である。電源105は電気的に観察試料に
接続されており、マイクロコンピュータ113の指令に
より、探針104と観察試料102に電圧を印加する。
レーザl07はレーザ光をカンチレバー103の観察試
料102と反対側の面を照射しており、ここで反射され
た光は2分割センサ108に入射しこの2分割センサ1
08の出力によりたわみ量検出装置109がカンチレバ
ー103のたわみを検出する。この検出方法は通常光て
こ方式と呼ばれている方法である。このたわみ量は探針
104の先についているPt薄膜114が観察試料10
2から受ける力をあらわしている。たわみ量検出装置1
09は検出されたたわみ量をマイクロコンピュータ11
3に送る。
【0017】試料駆動機構112は、試料ホルダ101
を図示X−Y及びZ方向に移動することにより、探針1
04と観察試料102の位置を移動するもので円筒ピエ
ゾを用いている。Z方向には2.0nm/Vで変位す
る。Z方向位置制御回路110は試料駆動機構112の
Z方向の動きを制御し、X−Y方向位置制御回路111
は試料駆動機構112のX−Y方向の動きを制御する。
Z方向位置制御回路110からの出力が0.5V変化し
たとき試料駆動機構112は1nmだけZ方向に移動す
る。マイクロコンピュータ113はZ方向位置制御回路
110に探針104のZ方向の位置に関する制御信号
を、またX−Y方向位置制御回路111にX−Y方向の
位置の制御信号を送る。
【0018】本実施例に示す観察装置を用いて一定電圧
のもとでの試料表面からの距離と電流との関係を測定す
る方法を示す。まず、マイクロコンピュータ113の指
示によりX−Y方向位置制御回路111が信号を出し、
探針104の先端が観察試料102の観察したい位置に
来るように試料駆動機構112をX−Y方向に移動させ
る。次に電源105が動作して探針104と観察試料1
02の間に電圧を印加する。この状態でマイクロコンピ
ュータ113の指令によりZ方向位置制御回路110が
働き、試料駆動機構112が動作し、試料ホルダ101
を移動することにより観察試料102と探針104を接
近させる。この動作の間、Z方向位置制御回路111の
出力電圧の接近動作開始前の電圧とのずれV(V)とカ
ンチレバーのたわみ量L(nm)と観測電流I(pA)
は常に、あるいは必要に応じて断続的に記録される。こ
の3つの測定値は常に同時に取得される。また、たわみ
量は動作開始前の初期の状態を0(nm)とし、図示下
向き(−Z向き)にたわんでいる場合を正とした。
【0019】本実施例の一つの試行での結果を図4に示
す。横軸はいずれも時間を示し、縦軸は図4(a)は上
記ずれV、図4(b)は上記たわみ量L、図4(c)は
図4(a)、図4(b)から求めた探針104先端と観
察試料102表面との距離dを示す。図4(d)は測定
された電流Iである。図4(b)においてたわみ量Lは
探針が観察試料側に近づく方向を正(上)方向としてい
る。まず、時刻t0から接近動作を開始した。Z方向位
置制御回路110の出力電圧を上昇させ、探針104と
観察試料102を接近させたところ図4(b)に示すと
おり時刻t1においてたわみ量が図示のとおり変化し、
探針104先端が観察試料102に接触したことが示さ
れた。このときZ方向位置制御回路110の出力は初期
状態に比べ12V上昇していた。すなわち、試料が初期
状態と比較して6nm接近したところで探針104と観
察試料が接触した。従って、記録された測定値において
Z方向位置制御回路110がV(V)、たわみ量検出装
置109の出力がL(nm)のとき、探針104先端と
試料表面102の距離d(nm)は d=12−V/0.5−L (6) で与えられる。この変換式に従って、各測定点でのVと
Lからdを求めることができ、このdに対して測定され
た電流値Iをプロットすることにより、試料表面からの
距離と電流値の関係を求めることができる。本実施例に
おいては測定試料102表面上の一点において上記測定
を行った後、図示ZY方向に移動し測定場所を変更し
て、新たに同じ動作を行うことにより試料表面2次元方
向の分布をとることが可能となる。
【0020】[実施例2]つぎに、図5を用いて実施例
2を示す。本実施例は試料表面からの距離を正確に測定
し、かつこの距離を一定に保ちながら電庄を変化させ流
れる電流を測定する表面観察装置である。実施例2は実
施例1のものにサーボ回路201が付加されている。サ
ーボ回路201は、たわみ量検出装置109からの信号
とマイクロコンピュータ113からの設定信号とが同じ
になるようにZ方向位置制御回路110に制御信号を送
る。本実施例における他の構成は実施例1と同じであ
る。また、本実施例では試料表面を清浄に保つために、 101 試料ホルダ 102 観察試料 103 カンチレバー 104 探針 112 試料駆動機構 114 Pt薄膜 を高真空に保ってある。
【0021】次に本実施例に示す観察装置を用いて試料
表面からの距離を一定に保った状態で電圧と電流との関
係を測定する方法を示す。本実施例では最初に探針10
4を観察試料102に接触させた状態から、探針が離れ
る瞬間を距離の基準とする方法を用いる。まず、観察試
料102と探針104を接触させた状態とする。この状
態からマイクロコンピュータ113の指令によりZ方向
位置制御回路が働き、試料駆動機構112が動作し、試
料ホルダ101を探針104と試料102が離れる方向
に移動させる。この動作の間、Z方向位置制御回路11
0の出力電圧の動作開始前の電圧とのずれV(V)とカ
ンチレバーのたわみ量L(nm)をモニタする。
【0022】図6に各値の変化を示す。図6(a)〜図
6(c)の縦軸のV、L、d、は実施例1と同じであ
る。時刻t0から動作を開始し、時刻t2まで試料駆動機
構112を動作させた。時刻の経過とともにVが負の方
向に増加しているが、これは探針102は試料表面から
離れていく向きなので、実施例1と逆の極性になるため
である。たわみ量は、最初は接触しているので探針10
4が下に曲がる方向に変化する。次に時刻t1に探針1
04が観察試料102表面から離脱した。t1を境に探
針104の動きはほとんど無くなった。これは本実施例
ではこの段階では探針104と試料との間に電圧が印加
されておらず、静電力が働かないためである。なお、本
実施例では試料表面が清浄な状態で実験を行ったので吸
着力の影響はほとんど観測されなかった。
【0023】ここで、t1におけるZ方向位置制御回路
110の出力信号をV1とする。本実施例では、試料表
面が清浄なために吸着力はほとんど無く、t1における
たわみ量検出装置の出力は0であった。Z方向位置制御
回路110の出力をV、たわみ量検出装置109の出力
をLとすると、t1以降、すなわち探針104と観察試
料102表面が離れた後は、観察試料102表面と、探
針104先端と距離dは d=(V1−V)/0.5−L (7) で表わされ、この値を用いることにより距離を正確に求
めることができる。なお、この時点ではまだ電圧印加を
行っていないので、 L=0 (8) であった。
【0024】マイクロコンピュータ113はこのように
して求められるdが測定を行おうとする値となるまでZ
方向位置制御回路110に指令して観察試料102の位
置を移動させる。次にマイクロコンピュータがサーボ回
路201に対してたわみ量Lが L =(V1−V)/0.5−d (9) となるよう指令する。この指令に基づきサーボ回路20
1は式(9)が成立するように制御信号を発し、Z方向
位置制御回路に送る。この制御を保ったまま電源105
が動作して探針104と観察試料102の間に電圧を印
加し、所望の電流電圧特性を取得する。前記制御の効果
により、探針104と観察試料102表面の距離は電圧
が印加されて静電力が発生しても等しく保たれる。これ
ら一連の動作により探針104と観察試料102表面と
の距離が正しい状態で、電流電圧特性を測定することが
できた。本実施例においても実施例1と同様に測定試料
102表面上の一点において上記測定を行った後、図示
XY方向に移動し測定場所を変更して、新たに同じ動作
を行うことにより試料表面2次元方向の分布をとること
が可能である。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明は、変位量検出手
段により検出された距離調節手段の変位量とたわみ量検
出手段により検出されたたわみ量と接触検知手段からの
出力信号とに基づき、探針と試料表面との距離を正確に
算出する距離算出手段を構成することによって、導電性
探針と試料表面とが非接触な状態において、導電性探針
と観察試料表面との距離が正確に求められた状態で試料
表面の電気的測定を行うことができる。また、本発明
は、距離算出手段の出力に基づき前記距離制御手段の制
御信号補正する補正手段を具備するように構成すること
により、所望の位置で電気的特性をとることが可能とな
る。また、本発明は、探針と試料の試料表面に平行な方
向の位置を変化させる探針位置移動手段を付加するよう
に構成することにより、電気的特性につき試料表面の2
次元方向の分布をとることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】距離調節手段によって試料側を移動させる場合
の、探針と試料表面の距離の関係を示す図である。
【図2】距離調節手段によって試料側を移動させる場合
の、探針と試料表面の距離の関係を示す図である。
【図3】実施例1による表面観察装置を示す図である。
【図4】実施例1の動作時の各値を示す図である。
【図5】実施例2による表面観察装置を示す図である。
【図6】実施例2の動作時の各値を示す図である。
【符号の説明】
101:試料ホルダ 102:観察試料 103:カンチレバー 104:探針 105:電源 106:電流アンプ 107:レーザ 108:2分割センサ 109:たわみ量検出装置 110:Z方向位置制御回路 111:X−Y方向位置制御回路 112:試料駆動機構 113:マイクロコンピュータ 114:Pt薄膜 201:サーボ回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性体に支持された導電性探針を試料表面
    に対向して配置し、該探針と試料間に電圧を印加し、こ
    れらの間に流れる電流を検出して試料表面を観察する表
    面観察装置であって、前記探針と前記試料間の距離を距
    離制御手段によって変位させる距離調節手段と、該距離
    調節手段の変位量を検出する変位量検出手段と、前記弾
    性体のたわみ量を検出するたわみ量検出手段と、該たわ
    み量の変化に基づいて前記探針と前記試料との接触を検
    知する接触検知手段とを備えると共に、前記変位量検出
    手段により検出された前記距離調節手段の変位量と前記
    たわみ量検出手段により検出されたたわみ量と前記接触
    検知手段からの出力信号とに基づき前記探針と前記試料
    表面との距離を算出する距離算出手段によって、前記導
    電性探針と前記試料表面との非接触な状態におけるこれ
    らの間の距離を正しく算出して試料表面の電気的測定を
    行うことを特徴とする表面観察装置。
  2. 【請求項2】前記変位量検出手段は、距離調節手段に設
    けられたセンサーからの出力または距離調節手段の制御
    信号により距離調節手段の変位量を検出することを特徴
    とする請求項1に記載の表面観察装置。
  3. 【請求項3】前記表面観察装置は、前記距離算出手段の
    出力に基づき前記距離制御手段の制御信号補正する補正
    手段を具備することを特徴とする請求項1〜請求項2の
    いずれか1項に記載の表面観察装置。
  4. 【請求項4】前記表面観察装置は、前記探針と試料の試
    料表面に平行な方向の位置を変化させる探針位置移動手
    段を具備することを特徴とする請求項1〜請求項3のい
    ずれか1項に記載の表面観察装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999063299A1 (de) * 1998-05-29 1999-12-09 Werth Messtechnik Gmbh Tastschnittverfahren sowie anordnung zur kenngrössenbestimmung einer oberfläche eines prüflings nach dem tastschnittverfahren
JP2001324439A (ja) * 2000-03-10 2001-11-22 Fujitsu Ltd 不純物濃度測定方法、stm測定方法及びsts測定方法
US6679130B2 (en) * 2000-05-26 2004-01-20 Symyx Technologies, Inc. Instrument for high throughput measurement of material physical properties of a plurality of samples
JP2010160161A (ja) * 2000-03-10 2010-07-22 Fujitsu Semiconductor Ltd 不純物濃度測定方法、stm測定方法及びsts測定方法

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