JPH1138000A - 血液濾過方法 - Google Patents

血液濾過方法

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JPH1138000A
JPH1138000A JP9193783A JP19378397A JPH1138000A JP H1138000 A JPH1138000 A JP H1138000A JP 9193783 A JP9193783 A JP 9193783A JP 19378397 A JP19378397 A JP 19378397A JP H1138000 A JPH1138000 A JP H1138000A
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建一郎 矢沢
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文雄 菅谷
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    • Y10T436/255Liberation or purification of sample or separation of material from a sample [e.g., filtering, centrifuging, etc.] including use of a solid sorbent, semipermeable membrane, or liquid extraction

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス繊維濾紙を用いて、血液から血球
の漏出や溶血のない血漿や血清の必要量を容易にかつ確
実に取得しうる方法を提供する。 【解決手段】 上記課題は、血液をガラス繊維濾紙を用
いて濾過する方法において、被濾過血液がガラス繊維濾
紙層に接触後少なくとも5秒間は血液入口側と濾過液出
口側の圧力差を50mmHg以下に保ち、血液濾過中を
通じて血液入口側と濾過液出口側の圧力差を最大でも2
00mmHg以下とすることを特徴とする血液濾過方法
によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は全血から血漿または
血清試料を調製する血液濾過方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血液中の構成成分例えば代謝産物、蛋白
質、脂質、電解質、酵素、抗原、抗体などの種類や濃度
の測定は通常全血を遠心分離して得られる血漿または血
清を検体として行われている。ところが、遠心分離は手
間と時間がかかる。特に少数の検体を急いで処理したい
ときや、現場検査などには、電気を動力とし、遠心分離
機を必要とする遠心法は不向きである。そこで、濾過に
より全血から血漿を分離する方法が検討されてきた。
【0003】この濾過方法には、ガラス繊維濾紙をカラ
ムに充填し、カラムの一方から全血を注入し、加圧や減
圧を行なって他方から血漿や血清を得るいくつかの方法
が公知化されている(特公昭44−14673号公報、
特開平2−208565号公報、特開平4−20885
6号公報、特公平5−52463号公報等)。
【0004】しかし、全血から濾過により自動分析等に
よる測定に必要な量の血漿または血清を得る方法に関し
ては血糖など一部の項目を除いては、いまだ試行の段階
にあり、広く実用化されるに至っていない。
【0005】そこで、本発明者らは先に、微量な血液で
あっても血漿や血清を効率よく分離しうる血液濾過ユニ
ットとして、濾材にガラス繊維濾紙と微多孔性膜を組み
合わせるとともに濾材の血漿出口側にシール部材を設け
て濾過材料の開口面積を狭めた血液濾過ユニットを完成
した(特願平8−7692号)。
【0006】また、その吸引側に血漿受槽を設けたもの
も既に開発した(特願平8−91621号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に血液濾過は柔軟
な血球が短時間で濾材表面を覆ってしまうので、血球を
濾材内部に通さない表面濾過では血漿や血清の必要量を
取得することが困難である。一方、血球をガラス繊維濾
紙等の濾材では厚さ方向に浸透していくに従って血球を
からめとっていく、いわゆる体積濾過が行われる。この
ガラス繊維濾紙等を用いた血液濾過では血球の漏出が早
い時期から起こってしまうことがあり、また、濾過中に
血球の破壊、すなわち溶血が起こりやすいという問題も
あった。
【0008】濾過によって全血から血漿を得ようとする
試みは従来からなされているが、いかにして血球の破
壊、いわゆる溶血を起こさずに濾過をするかが大きな課
題であり、これに関する技術は何例か開示されている。
しかし、極く僅かな溶血が起こっても測定値に変動を生
ずるKイオンまで含めて正確に測定できるような濾過技
術は提示されていない。
【0009】Kイオンの測定は臨床診断上最も重要な項
目の一つであり、測定頻度も高い。血漿中のKイオン濃
度は健常者の場合約4meq/Lであるが、臨床診断上
は僅か0.3meq/L程度のズレがあっても正確な判
断には使えないほど測定精度の要求レベルが高い。血球
内には血漿中に比べ40倍の濃度のKイオンが存在する
ので、臨床診断上実用できるレベルで血漿中のKイオン
濃度を測定するためには、血球の破壊や血球膜を通して
のKイオンの流入を防ぐことが必須要件なのである。
【0010】公知技術である、単独の多孔質膜やガラス
繊維濾紙による血液濾過でも極く少量(数10μl程
度)の血漿を分離回収することは可能であったが、本願
明細書において開示したように数100μlの血漿を分
離しようとすれば、血球が濾過膜の孔の中にトラップさ
れる際変形破壊を起こし、濾過で得られた血漿中のKイ
オンが増加するので、精度の高い測定は不可能であっ
た。
【0011】本願発明は、濾過により、溶血を起こさず
に多量の血漿又は血清を得るという課題を解決すること
を目的とするが、このためには濾過の間、濾過ユニット
の入口側と出口側の圧力差を管理することが極めて重要
であるという発見に基づいてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく鋭意検討の結果、通常の吸引濾過では血
液がガラス繊維濾紙の全面にゆきわたらないうちにガラ
ス繊維濾紙の内部への浸透がはじまるため、血球の漏出
がはやくなり、また、血球による目詰まりを生じやすく
なっていた。この状態で必要血漿量を取るために吸引を
続けると吸引力が強くなって血球破壊を起こしているこ
とを見出した。そこで、本発明者らはさらに検討を続
け、はじめ弱い吸引力で血液濾過を開始することによっ
て血液をガラス繊維濾紙全面にゆきわたらせてから濾過
を開始ししかも最大吸引力を抑制することによって、血
球漏出や溶血の問題なく、必要量の血漿や血清を容易に
短時間で取得できることを見出して本発明を完成するに
至った。上記内容は加圧濾過を行なった場合も同様であ
る。
【0013】すなわち、本発明は、血液をガラス繊維濾
紙を用いて濾過する方法において、被濾過血液がガラス
繊維濾紙層に接触後少なくとも5秒間は血液入口側と濾
過液出口側の圧力差を50mmHg以下に保ち、血液濾
過中を通じて血液入口側と濾過液出口側の圧力差を最大
でも200mmHg以下とすることを特徴とする血液濾
過方法に関するものである。
【0014】また、上記方法において、血液を濾過層に
供給後所定の圧力差で吸引および/または加圧中に血液
入口側と濾過液出口側の圧力差を追跡し、当該圧力差に
応じてその後の吸引および/または加圧速度を調整する
ことによって、血液濾過の自動化を可能にし、あるいは
半自動化して作業者の負担を軽減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】血液濾過材料はガラス繊維濾紙の
みでもよく、ガラス繊維濾紙に微多孔性膜等を組み合わ
せたものであってもよい。ガラス繊維濾紙は低密度のも
のと高密度のものがあり、体積濾過に使用されるものは
主として低密度のものである。本発明で使用される濾過
材料は低密度ガラス繊維濾紙のみでもよいが、その場合
には血球漏出を生じないようガラス繊維濾紙の空間体積
と供給血液量の関係に特に注意する必要がある。
【0016】前述のようにガラス繊維濾紙は2種類に分
けられる。
【0017】第1のグループは、血液がガラス繊維濾紙
の厚さ方向に浸透していくに従って血球を順次トラップ
していく、いわゆる体積濾過作用を主目的とするもので
あり、これには密度が0.05〜0.13程度で、素繊
維の直径が約10μm以下と細く、保留粒子径が約0.
6μm以上と大きく、かつ透水速度が約0.7ml/s
ec以上と大きいものである。市販品ではワットマン社
製 GF/D、アドバンテック社製 GA−100,GA
−200等がこのグループに含まれる。以下、このグル
ープのガラス繊維濾紙を低密度ガラス繊維濾紙と称す
る。
【0018】第2のグループは、低密度ガラス繊維濾紙
から漏出してきた血球の捕捉を主目的とするもので密度
が約0.14以上と高く、保留粒子径が約0.5μm以下
と小さく、透水速度も約0.5ml/sec以下と小さ
いものである。市販品ではワットマン社製 GF/B,G
F/C,GF/F、アドバンテック社製 GC−50,G
F−75,GB−140,QR−100等がこのグルー
プに含まれる。以下、このグループのガラス繊維濾紙を
高密度ガラス繊維濾紙と称する。
【0019】血液濾過材料の主体となるガラス繊維濾紙
は低密度ガラス繊維濾紙のほうである。
【0020】ガラス繊維の表面を、特開平2−2085
65号公報、同4−208856号公報に記載された様
な方法で、親水性高分子で処理することによって濾過を
より速やかに円滑に行なうことができる。また、ガラス
繊維濾紙の中にレクチン、その他の反応性試薬や改質剤
を添加しておいたり、直接処理することもできる。ガラ
ス繊維濾紙は複数枚と積層して用いることができる。
【0021】本発明で用いられる濾過材料は特開昭62
−138756〜8号公報、特開平2−105043号
公報、特開平3−16651号公報等に開示された方法
に従って各層を部分的に配置された接着剤で接着して一
体化することができる。
【0022】本方式により濾過し得る全血の量は、ガラ
ス繊維濾紙中に存在する空間体積と全血中の血球の体積
に大きく影響される。ガラス繊維濾紙の密度が高い(粒
子保持孔径が小さい)と赤血球がガラス繊維濾紙の表面
近傍にトラップされるので、表面からごく浅い領域でガ
ラス繊維濾紙中の空間が閉塞状態になってしまうことが
多い。従って、それ以上の濾過が進まず、結果として濾
過、回収し得る血漿量も少なくなる。この際、回収血漿
量を増やそうとして更に強い条件で吸引すると、血球の
破壊、すなわち溶血が起きてしまう。つまり表面濾過に
近いプロセスとなり、濾紙の空間体積利用効率は低い。
【0023】空間体積あるいは血漿濾過量に対応する指
標として、透水速度が有効である。透水速度は、入口と
出口をチューブに接続できるように絞った濾過ユニット
中に一定面積のガラス繊維濾紙を密閉保持し、一定量の
水を加えて一定圧力で加圧または減圧したときの、単位
面積あたりの濾過量を速度で表したものであり、ml/
sec等の単位を持つ。
【0024】具体例としては、濾過ユニット中に直径2
0mmのガラス繊維濾紙をセットし、その上に100m
lの注射筒をたてて60mlの水を入れて自然流下さ
せ、開始後10秒と40秒の間の30秒間にガラス濾紙
中を通り抜けた水の量をもって透水量とし、これから単
位面積あたりの透水速度を算出する。
【0025】低密度ガラス繊維濾紙の厚さは、回収すべ
き血漿量とガラス繊維濾紙の密度(空隙率)及び面積か
ら定められる。分析を乾式分析素子を用いて複数項目行
なう場合の血漿の必要量は100〜500μlであり、
ガラス繊維濾紙の面積が1〜5cm2 程度が実用的であ
る。この場合低密度ガラス繊維濾紙の厚さは1〜10m
m程度、好ましくは2〜8mm程度、より好ましくは3
〜6mm程度である。この低密度ガラス繊維濾紙は1枚
のほか複数枚、例えば1〜10枚程度、好ましくは2〜
6枚程度を積層して上記厚さとすることができる。
【0026】本発明の血液濾過材料では上記低密度ガラ
ス繊維濾紙層の一部または全部に細断小片を使用するこ
とができる。1枚のガラス繊維濾紙の厚さは0.2〜3
mm程度、通常0.5〜2mm程度である。これを径が
10〜30mm程度、好ましくは15〜25mmに細断
して使用するのである。細断小片の形状は問うところで
はなく、正方形、長方形のほか三角形、円形等如何なる
形状であってもよい。ガラス繊維濾紙の基本的に全部を
使用する観点から円形にする場合には各辺が凹弧状にな
った小片を併用することになる。通常は4角形であり、
長辺と短辺の比が1.0〜5.0程度、特に1.0〜2.5
程度の範囲内にすることが好ましい。
【0027】細断は上記のサイズにできる市販の裁断機
を使用して行えばよい。
【0028】細断小片の充填に際して繊維方向に特に注
意する必要はない。
【0029】ガラス繊維濾紙の濾過液出口側には、さら
に血球と血漿の分離を促進し、また、漏出血球を阻止す
るため微多孔性膜を配置することが好ましい。
【0030】この微多孔性膜は、表面を親水化されてお
り血球分離能を有するものであり、実質的に分析値に影
響を与える程には溶血することなく、全血から血球と血
漿を特異的に分離するものである。この微多孔性膜は孔
径がガラス繊維濾紙の保留粒子径より小さくかつ0.2
μm以上、好ましくは0.3〜5μm程度、より好まし
くは1〜3μm程度のものが適当である。また、空隙率
は高いものが好ましく、具体的には、空隙率が約40%
から約95%、好ましくは約50%から約95%、さら
に好ましくは約70%から約95%の範囲のものが適当
である。微多孔性膜の例としてはポリスルホン膜、弗素
含有ポリマー膜、セルロースアセテート膜、ニトロセル
ロース膜等がある。また表面を加水分解、親水性高分
子、活性剤などで親水化処理したものもある。
【0031】弗素含有ポリマーの微多孔性膜としては、
特表昭63−501594号公報(WO 87/022
67)に記載のポリテトラフルオロエチレンのフィブリ
ル(微細繊維)からなる微多孔性のマトリックス膜(微
多孔性層)、Gore−Tex(W.L.Gore an
d Associates社製)、Zitex(Nor
ton社製)、ポアフロン(住友電工社製)などがあ
る。その他に、US 3268872(実施例3及び
4)、US 3260413(実施例3及び4)、特開
昭53−92195(US 4201548)等に記載
のポリテトラフルオロエチレンの微多孔性膜、US 3
649505に記載のポリビニリデンフルオリドの微多
孔性膜などがある。
【0032】これらの弗素含有ポリマーの微多孔性膜の
作成に当たっては、1種もしくは2種以上の弗素含有ポ
リマーを混合しても良いし、弗素を含まない1種もしく
は2種以上のポリマーや繊維と混合し、製膜したもので
あつても良い。
【0033】構造としては、延伸しないもの、1軸延伸
したもの、2軸延伸したもの、1層構成の非ラミネート
タイプ、2層構成のラミネートタイプ、例えば繊維等の
他の膜構造物にラミネートした膜等がある。
【0034】フイブリル構造又は一軸延伸もしくは二軸
延伸した非ラミネートタイプの微多孔性膜は、延伸によ
り、空隙率が大きくかつ濾過長の短い微多孔膜が作られ
る。濾過長が短い微多孔膜では、血液中の有形成分(主
として赤血球)による目詰りが生じがたく、かつ血球と
血漿の分離に要する時間が短いので、定量分析精度が高
くなるという特徴がある。
【0035】弗素含有ポリマーの微多孔性膜は特開昭5
7−66359号公報(US 4783315)に記載の
物理的活性化処理(好ましくはグロー放電処理又はコロ
ナ放電処理)を微多孔膜層の少なくとも片面に施すこと
により微多孔性膜の表面を親水化して、隣接する微多孔
性膜との部分接着に用いられる接着剤の接着力を強化す
ることができる。
【0036】弗素含有ポリマーの微多孔性膜は、そのま
までは、表面張力が低く乾式分析要素の血球濾過層とし
て用いようとしても、水性液体試料ははじかれてしまっ
て、膜の表面や内部に拡散、浸透しないことは、周知の
事実である。本発明では、第1の手段として弗素含有ポ
リマーの微多孔性膜に親水性を付与し親水性を高める手
段として、弗素含有ポリマーの微多孔性膜の外部表面及
び内部の空隙の表面を実質的に親水化するに充分な量の
界面活性剤を弗素含有ポリマーの微多孔性膜に含浸させ
ることにより、前記の水性液体試料がはじかれる問題点
を解決した。
【0037】水性液体試料がはじかれることなく膜の表
面や内部に拡散、浸透、移送されるに充分な親水性を弗
素含有ポリマーの微多孔性膜に付与するには、一般に、
弗素含有ポリマーの微多孔性膜の空隙体積の約0.01
%から約10%、好ましくは約0.1%から約5.0
%、更に好ましくは0.1%から1%の界面活性剤で微
多孔性膜の空隙の表面が被覆されることが必要である。
例えば、厚さが50μmの弗素含有ポリマーの微多孔性
膜の場合に、含浸される界面活性剤の量は、一般に0.
05g/m2から2.5g/m2の範囲であることが好ま
しい。弗素含有ポリマーの微多孔性膜に界面活性剤を含
浸させる方法としては、界面活性剤の低沸点(沸点約5
0℃から約120℃の範囲が好ましい)の有機溶媒
(例、アルコール、エステル、ケトン)溶液に弗素含有
ポリマーの微多孔性膜を浸漬し、溶液を微多孔性膜の内
部空隙に実質的に充分に行きわたらせた後、微多孔性膜
を溶液から静かに引き上げ、風(温風が好ましい)を送り
乾燥させる方法が一般的である。
【0038】弗素含有ポリマーの微多孔性膜を親水性化
処理に用いられる界面活性剤としては、非イオン性(ノ
ニオン性)、陰イオン性(アニオン性)、陽イオン性
(カチオン性)、両性いずれの界面活性剤をも用いるこ
とができる。
【0039】これらの界面活性剤のうちでは、ノニオン
性界面活性剤が、赤血球を溶血させる作用が比較的低い
ので、全血を検体とするための多層分析要素においては
有利である。ノニオン性界面活性剤としては、アルキル
フェノキシポリエトキシエタノール、アルキルポリエー
テルアルコール、ポリエチレングリコールモノエステ
ル、ポリエチレングリコールジエステル、高級アルコー
ルエチレンオキシド付加物(縮合物)、多価アルコール
エステルエチレンオキシド付加物(縮合物)、高級脂肪
酸アルカノールアミドなどがある。
【0040】ノニオン性界面活性剤の具体例として、次
のものがある。アルキルフェノキシポリエトキシエタノ
ールとしては、 イソオクチルフェノキシポリエトキシエタノール: (Triton X−100:オキシエチレン単位平均
9〜10含有) (Triton X−45:オキシエチレン単位平均5
含有) ノニルフェノキシポリエトキシエタノール: (IGEPAL CO−630:オキシエチレン単位平均
9含有) (IGEPAL CO−710:オキシエチレン単位平均
10〜11含有) (LENEX698:オキシエチレン単位平均9含有) アルキルポリエーテルアルコールとしては、 高級アルコール ポリオキシエチレンエーテル:(Tr
iton X−67:CA Registry No.5
9030−15−8)
【0041】弗素含有ポリマーの微多孔性膜は、その多
孔性空間に水不溶化した1種又は2種以上の水溶性高分
子を設けることによって親水化したものであってもよ
い。水溶性高分子の例として、酸素を含む炭化水素には
ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリ
エチレングリコール、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、窒素を含むものにはポリアクリルアミ
ド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアミン、ポリエ
チレンイミン、負電荷を有するものとしてポリアクリル
酸、ポリメタアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸など
をあげることが出来る。不溶化は熱処理、アセタール化
処理、エステル化処理、重クロム酸カリによる化学反
応、電離性放射線による架橋反応等によって行えばよ
い。詳細は、特公昭56−2094号公報及び特公昭5
6−16187号公報に開示されている。
【0042】ポリスルホンの微多孔性膜は、ポリスルホ
ンをジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドンあるいはこれらの混合溶媒等に溶解して製膜原液
を作製し、これを支持体上に、又は直接凝固液中に流延
し洗浄、乾燥して行うことにより製造することができ
る。詳細は特開昭62−27006号公報に開示されて
いる。ポリスルホンの微多孔性膜は、そのほか特開昭5
6−12640号公報、特開昭56−86941号公
報、特開昭56−154051号公報等のも開示されて
おり、それらも使用することができる。ポリスルホンの
微多孔性膜も弗素含有ポリマーと同様界面活性剤を含有
させ、あるいは水不溶化した水溶性高分子を設けること
によって親水化することができる。
【0043】その他の非繊維微多孔性膜としては、特公
昭53−21677号、米国特許1,421,341号等
に記載されたセルロースエステル類、例えば、セルロー
スアセテート、セルロースアセテート/ブチレート、硝
酸セルロースからなるブラッシュポリマー膜が好まし
い。6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド、
ポリエチレン、ポリプロピレン等の微多孔性膜でもよ
い。その他、特公昭53−21677号、特開昭55−
90859号等に記載された、ポリマー小粒子、ガラス
粒子、けい藻土等が親水性または非吸水性ポリマーで結
合された連続空隙をもつ多孔性膜も利用できる。
【0044】非繊維微多孔性膜の有効孔径は0.2〜1
0μm、好ましくは0.3〜5μm、特に有効なのは
0.5〜3μmである。本発明で非繊維微多孔性膜の有
効孔径は、ASTM F316−70に準拠した限界泡
圧法(バブルポイント法)により測定した孔径で示す。
非繊維微多孔性膜が相分離法により作られたいわゆるブ
ラッシュ・ポリマーから成るメンブランフィルターであ
る場合、厚さ方向の液体通過経路は、膜の製造の際の自
由表面側(即ち光沢面)で最も狭くなっているのが普通
で、液体通過経路の断面を円に近似したときの孔径は、
自由表面の近くで最も小さくなっている。容積の通過経
路における厚さ方向に関する最小孔径は、さらにフィル
ターの面方向について分布を持っており、その最大値が
粒子に対する濾過性能を決定する。通常、それは限界泡
圧法で測定される。
【0045】上に述べたように、相分離法により作られ
たいわゆるブラッシュ・ポリマーから成るメンブランフ
ィルターでは、厚さ方向の液体通過経路は膜の製造の際
の自由表面側(即ち光沢面)で最も狭くなっている。本
発明の分析素子の非繊維微多孔性膜としてこの種の膜を
用いる場合には、出口側を、メンブランフィルターの光
沢面とすることが好ましい。
【0046】本発明で使用される血液濾過材料には、低
密度ガラス繊維濾紙と微多孔性膜に加えて第3の濾過材
料を追加することができる。この第3の濾過材料の例と
しては、濾紙、不織布、織物生地(例えば平織生地)、
編物生地(例えば、トリコット編)等、繊維質多孔性層
を挙げることができる。これらのうち織物、編物等が好
ましい。織物等は特開昭57−66359号に記載され
たようなグロー放電処理をしてもよい。この第3の濾過
材料はガラス繊維濾紙と微多孔性膜の中間に配置するこ
とが好ましい。
【0047】好ましい微多孔性膜はポリスルホン膜、酢
酸セルローズ膜等であり、特に好ましいのはポリスルホ
ン膜である。本発明の血液濾過材料においてはガラス繊
維濾紙が血液供給側に配置され、微多孔性膜が出口側に
配置される。
【0048】微多孔性膜の厚さは0.05〜0.3mm
程度、特に0.1〜0.2mm程度でよく、通常は1枚
の微多孔性膜を用いればよい。しかしながら、必要によ
り複数枚を用いることもできる。
【0049】上記微多孔性膜の代わりにあるいは微多孔
性膜に加えて前述の高密度ガラス繊維濾紙を使用するこ
ともできる。
【0050】高密度ガラス繊維濾紙層の厚さは0.2〜
1mm程度、特に0.3〜0.7mm程度でよく、通常は
1枚の高密度ガラス繊維濾紙を用いればよい。しかしな
がら、必要により複数枚を用いることもできる。
【0051】血液濾過材料は、要は濾過される血液が血
液濾過材料を通過するように構成され、血液入口側と濾
過液出口に圧力差を与えうる構造のものであれば如何な
る濾過器に収容して使用しても差し支えない。
【0052】しかしながら、一般にはホルダーに収容し
て使用するのが簡便である。このホルダーは血液入口と
濾過液出口が設けられており、一般に血液濾過材料を収
容する本体と、蓋体に分けた態様で作製される。通常
は、いずれにも少なくとも1個の開口が設けられてい
て、一方は血液供給口として、場合により更に加圧口と
して、他方は吸引口として、場合により更に濾過された
血漿または血清の排出口として使用される。濾過された
血漿または血清の排出口を別に設けることもできる。ホ
ルダーが四角形で蓋体を側面に設けた場合には血液供給
口と吸引口の両方を本体に設けることができる。
【0053】血液濾過材料収納部の容積は、収納すべき
ろ過材料の乾燥状態および検体(全血)を吸収し膨潤し
た時の総体積より大きい必要がある。ろ過材料の総体積
に対して収納部の容積が小さいと、ろ過が効率良く進行
しなかったり、溶血を起こしたりする。収納部の容積の
ろ過材料の乾燥時の総体積に対する比率はろ過材料の膨
潤の程度にもよるが、通常101%〜300%、好まし
くは110%〜200%、更に好ましくは120%〜1
50%である。
【0054】また、ろ過材料と収納部の側壁面との間は
密着していることが必要であり、全血を吸引した時にろ
過材料を経由しない流路が出来ないように構成されてい
る必要があることは勿論である。
【0055】血液濾過ユニットを組立てる際には濾過ユ
ニット本体にガラス繊維濾紙、微多孔性膜等を入れて、
ガラス繊維濾紙に細断小片を用いた場合には細断小片間
の隙間がなくなる程度に押圧し、蓋体を装着すればよ
い。
【0056】一方、血液濾過ユニットの出口側および入
口側に空間部を設けることによって血液の濾過材料内の
流れを均一化して目詰まりや血球漏出の問題を改善する
ことができる。このような構造の血液濾過ユニットにお
いて細断小片層が血液入口側の表面層となる場合には細
断小片が入口側空間部を埋めてしまわないようナイロン
メッシュ等のスクリーン部材等を設けて空間部への進入
を阻止するようにする。
【0057】血液濾過ユニットは、上記本体に蓋体が取
付けられると、これらの血液入口と濾過液出口を除いて
全体が密閉構造になる。
【0058】ホルダーの材料は熱可塑性あるいは熱硬化
性のプラスチックが好ましい。例えば、ハイインパクト
ポリスチレン、メタアクリル酸エステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリカ
ーボネート、各種共重合体ポリマー等の透明あるいは不
透明の樹脂が用いられる。
【0059】上記本体と蓋体の取付方法は、接着剤を用
いた接合、融着等如何なる手段によってもよい。この
際、上記本体と蓋体のいずれの周縁が内側に位置しても
よく、あるいは突き合わせ状態であってもよい。また、
上記本体と蓋体を螺合あるいはネジ等の手段で固着して
組立分解ができる構造とすることもできる。
【0060】血液濾過材料の形状に特に制限はないが、
原則として円形とする。この際、濾過材料をホルダー本
体の内部断面よりやや大きめとし、濾過材料の側面から
血漿が漏れることを防ぐことができる。
【0061】本発明の方法はこのような血液濾過材料を
用いて血液を濾過する際に被濾過血液を供給後、厳密に
はガラス繊維濾紙層に接触後少なくとも5秒間血液入口
側と濾過液出口側の圧力差を50mmHg以下に保つこ
とを第1の特徴とする。この第1段階における圧力差は
50mmHg以下であるが、好ましくは30mmHg以
下であり、血液を自然に展開させるだけでもよい。一
方、保持時間は5秒間以上であるが、好ましくは10秒
間以上である。
【0062】血液の供給量は血液濾過材料の体積の1.
2〜5倍程度、好ましくは2〜4倍程度が適当であり、
低密度ガラス繊維濾紙の体積ではその1.2〜3倍程
度、好ましくは1.2〜2倍程度が適当である。
【0063】上記第1段階後は濾過液出口側からの吸引
および/または血液入口側からの加圧によって血液濾過
を促進する。この加、減圧手段はペリスタルあるいはシ
リンジを利用する方法が簡便である。その際に圧力差が
最大でも200mmHg以下とすることを本発明の第2
の特徴とする。この最大圧力差は好ましくは170mm
Hg以下であり、特に好ましくは150mmHg以下に
抑えるようにする。圧力差の下限は特になく、遅くても
良いが、時間がかかるので実用的でなくなる。この点で
圧力差が最低で30mmHg、好ましくは50mmHg
を越えるようにすることが好ましい。シリンジを用いる
場合のピストンを移動させる距離はピストンの移動体積
が濾過材料の体積の2〜5倍程度になるようにするのが
よい。移動速度は1cm2 当り1〜500ml/min
程度、好ましくは20〜100ml/min程度が適当
である。
【0064】ところで、血液はヘマトクリット値に大き
なバラツキがあり、それによって濾過抵抗(加減圧に伴
う圧力差の上昇速度)が変わる。つまり、一定速度で
加、減圧を加えていった場合、ヘマトクリット値の大き
な血液では圧力差がどんどん上昇し、血漿や血清の必要
量が得られる前に濾過材料の目詰まりによる濾過速度の
急激な低下や多大な圧力差の付加による血球破壊を生じ
てしまう。一方、ヘマトクリット値の小さな血液では濾
過速度が大きすぎて血球漏出を生じる。そこで、血液を
濾過層に供給後一定の速度パターンで吸引および/また
は加圧して血液入口側と濾過液出口側の圧力差の経時変
化を追跡し、当該圧力差から被濾過血液のヘマトクリッ
ト値を推定し、その後の吸引および/または加圧速度を
調整することが望ましい。上記一定の速度パターンは通
常は一定速度でよいが、同一の速度パターンを採用すれ
ば一定速度でなくともよい。ヘマトクリット値に対応す
る吸引および/または加圧速度の調整は、ヘマトクリッ
トが高い血液の場合は溶血を起こし易いので、吸引ある
いは加圧の変化率を小さく保ち、かつ最大減圧度を低く
する(濾過に要する時間を長くする)。低いヘマトクリ
ットの血液では溶血は起こりにくくかつ濾過もし易いの
で、相対的に高い吸引または加圧で短時間処理すれば良
い。
【0065】具体的には、以下の方法が挙げられる。ヘ
マトクリット値の異なる全血試料を用いて、吸引圧と吸
引時間の最適なパターンを予め決めておく。実際の検体
の濾過に際してはヘマトクリット値は判らないので、標
準的な血液(例えばヘマトクリット値45%)で設定し
た吸引パターンで吸引を開始し、その後の濾過の進行に
伴う濾過圧の変動と基準値との差から検体のヘマトクリ
ット値を推定して、予め決めた最適パターンに合致する
吸引条件に合うように吸引圧や吸引時間を調整しながら
濾過を行う。
【0066】加圧による濾過においても同様に調整でき
ることはいうまでもない。
【0067】
【実施例】
実施例1 (1) ホルダーの作製 図2〜4に示す血液濾過ユニットを作製した。この濾過
ユニットは組み立てた状態の縦断面図である図2に示す
ようにホルダー本体10と蓋体20からなっている。
【0068】ホルダー本体10には血液濾過材料30の
収容室11(直径20.1mm)とその上縁から外方に形
成されたフランジ13が形成されている。一方、ホルダ
ー本体10の底部には周縁よりやや内側に段部を設けて
そこから浅いロート状円板部12が連設され、その中心
から下方にノズル状血液供給口14が延設されている。
上記の段部は血液濾過材料30の下面をホルダー本体1
0のロート状円板部12から隔離させて空間15を形成
するスペーサー16として機能させている。図1及び図
3に示されているように血液供給口14の基部には4方
にフラップ17が形成されている。このフラップは血液
を入れたサンプル管(図示されていない。)を嵌め込む
ことによって保持するものである。
【0069】蓋体20の底面は中心に向かって同心円状
の段21が4段形成されて中央が凹みここが上部空間を
形成している。この底面中央にはサイコロの5の目状に
5つの突起25が血液濾過材料の密着を阻止する手段と
して下方に突出形成されている。また、血漿受槽22の
中心と周壁の中間に両側を削ぎ落とした煙突状の血漿通
路24が上方に起立し、その頂部には血漿の噴出を阻止
する庇26が水平方向にせり出している。この庇26は
図3に示されているように大小2つの半円を組み合わさ
れた形状をしており、周壁側の半円は血漿通路外壁と一
致させ、中心側の半円は血漿通路内壁の延長線と一致さ
せている。血漿通路24の両側部には、血漿の液深を確
保するため、血漿受槽22の周壁面に達する仕切壁27
が形成されている。血漿受槽22の上端は開放されてお
り、これが吸引口28となっている。蓋体20の底部に
は外方に突出するフランジ23が形成され、このフラン
ジがホルダー本体のフランジ13と超音波で接着され
る。フランジ23のホルダー本体のフランジ13と合わ
さる面にはリブ(図示されていない。)が形成されてい
る。これは接着の際には超音波エネルギーをそこに集め
て液密性を充分に確保した状態で接着されるようにした
ものである。
【0070】(2) 濾過ユニットの作製 (1)のプラスチック製のホルダー(内径20.1mm)の
ホルダー本体10に、直径20.3mmの円板状に打ち
抜いたガラス繊維濾紙(ワットマン社製,GF/D)6
枚を重ねて入れ、その上に、直径20.7mmの円板状
に打ち抜いた厚さ170μmのポリスルホン多孔膜33
(富士写真フイルム社製 SE−200)をのせた。蓋体
20をセットし、両者のフランジ13と23を超音波で
溶着してシールした。ノズル状血液供給口14に血液吸
引用ノズルとしてフジクリーンチップ(富士写真フイル
ム社製)を装着して、濾過ユニットを完成させた。
【0071】(3) 血液の採取 男子健常者より、ヘパリン入り真空採血管(テルモ社
製)を用いて静脈血10mlを採血した。この血液のヘ
マトクリットを測定したところ、44%であった。この
血液3mlを容量4mlのプラスチック製試験管に分取
した。
【0072】(4) 吸引機 排気速度が可変のペリスタポンプと接続されている小型
吸引機を作製した。小型吸引機のチューブの先端には、
上記濾過ユニットの吸引面と気密状態で接続可能なシリ
コーンゴム製の吸引ピペットを取り付けた。チューブの
途中に圧力モニター用のゲージを接続した。
【0073】(5) 血液の濾過 (3)で分取した血液に(2)の濾過ユニットの検体吸引
ノズルを挿入し、濾過ユニットの他端を吸引機の吸引パ
ッドに接続した。吸引ポンプの排気速度を調節し、30
秒後に減圧度が100mmHgに到達するようにしつつ
吸引を続けた。10秒後の減圧度は30mmHgであっ
た。
【0074】(6) 血漿の回収 吸引に伴って濾過ユニットの貯留槽中に血漿が流出し
た。量は、330μlであった。血漿の色は淡黄色であ
り、溶血液や赤血球の混入は観察されなかった。
【0075】(7) 濾過液中の溶血液の評価 濾過された血漿中の溶血液の程度を定量的に評価するた
めに、富士ドライケム5500臨床化学アナライザー
(富士写真フイルム社製)を用いて、LDHを測定し
た。比較のため、ヘパリン採血液を定法に従い遠心分離
して得た血漿についてもLDHを測定した。結果を表1
に示す。
【0076】
【表1】
【0077】実施例2 実施例1と同様の実験を図1に示す各種吸引パターンで
行なった。結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】表2の結果から、吸引開始当初の減圧度を
低く保つことによって良質な血漿が得られることがわか
る。
【0080】実施例3 実施例1と同様の実験において、減圧度をモニターしつ
つ吸引濾過を行なった。用いた血液のヘマトクリットは
43%であった。回収血漿量は320μlであり、目視
観察では溶血や血液の混入は全く認められなかった。
【0081】吸引パターンは次の通りに設定した。 吸引後の時間(秒) 0 10 20 30 減圧度(mmHg) 0 30 110 170 吸引開始後10秒間は低速で吸引し、後半20秒を中速
で吸引した。
【0082】得られた血漿の成分を日立7150で測定
した。比較例として同じ血液を遠心分離して得た血漿に
ついても同様に測定した。結果は表3の通りであった。
【0083】
【表3】
【0084】実施例4 実施例3と同様の実験において、減圧度を検出しその変
化量をモニターし、減圧度が170mmHg到達する時
間を吸引ポンプの作動系にフィードバックする機構を吸
引機に組み込んで実験した。
【0085】ヘマトクリット値(Hct)が48%の健
常者のヘパリン加血液40mlを採取して以下の実験を
行った。
【0086】健常者血液の場合は、減圧度が150mm
Hgに到達するのに要する時間は25秒以上であったが
Hctが50%以上になると25秒以下で150mmH
gに到達し、その関係はHctと逆に関係にあることが
分かった。この関係を実験により求めた。
【0087】例えば、Hctを55%に調整した全血で
は150mmHgに到達するのは22.5秒であった。
減圧度が150mmHgに到達する時間を検出し、Hc
tが高い検体の場合は減圧度は170mmHgに保ちつ
つ吸引時間を長くするように設定した。
【0088】このようにした結果、Hctが50%を越
える高Hct検体の場合でも質の良い血漿を必要量分離
回収できるようになった。
【0089】
【発明の効果】本発明によりガラス繊維濾紙を用いて、
血液から血球の漏出や溶血のない血漿や血清の必要量を
容易にかつ確実に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各種吸引パターンを示すグラフである。
【図2】 本発明の一実施例である血液濾過ユニットを
組み立てた状態の縦断面図である。
【図3】 同上平面図である。
【図4】 上記血液濾過ユニットのホルダー本体の底面
図である。
【符号の説明】
10…ホルダー本体 11…血液濾過材料収容室 12…円板部 13…フランジ 14…血液供給口 15…空間 16…スペーサー 17…フラップ 20…蓋体 21…段 22…血漿受槽 23…フランジ 24…血漿通路 25…突起(密着阻止手段) 26…庇 27…仕切壁 28…吸引口 30…血液濾過材料 31…ナイロンメッシュ 32…ガラス繊維濾紙フレーク層 33…ポリスルホン多孔膜(微多孔性膜)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液をガラス繊維濾紙を用いて濾過する
    方法において、被濾過血液がガラス繊維濾紙層に接触後
    少なくとも5秒間は血液入口側と濾過液出口側の圧力差
    を50mmHg以下に保ち、血液濾過中を通じて血液入
    口側と濾過液出口側の圧力差を最大でも200mmHg
    以下とすることを特徴とする血液濾過方法
  2. 【請求項2】 血液を濾過層に供給後所定の圧力差で吸
    引および/または加圧中に血液入口側と濾過液出口側の
    圧力差を追跡し、当該圧力差に応じてその後の吸引およ
    び/または加圧速度を調整することを特徴とする請求項
    1記載の血液濾過方法
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