JPH1137540A

JPH1137540A - 空気調和機

Info

Publication number: JPH1137540A
Application number: JP9194047A
Authority: JP
Inventors: Katsuhiko Sato; 雄彦佐藤; Mitsuru Ishikawa; 充石川; Hiroaki Higashichi; 広明東地
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1997-07-18
Filing date: 1997-07-18
Publication date: 1999-02-12

Abstract

(57)【要約】【課題】熱交換器の前面側に第３の部品としての空気清
浄手段を備えることを前提として、デットスペースの解
消と本体の容積効率の向上を図り、空気清浄化効率の向
上と、ショートサーキットの発生防止を図れる空気調和
機を提供する。【解決手段】前面パネル２を備えたユニット本体１と、
このユニット本体内に収容され、少なくとも最上端部が
背面側に傾いて配置される室内熱交換器５とを具備し、
上記前面パネルは、室内熱交換器の最先端部Ｘよりも上
部に突部２Ａが設けられ、この前面パネル突部と室内熱
交換器との間に部品である空気清浄装置１２が配置され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機に係
り、特に空気調和機本体のスペース効率の改良に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】被空調室内の空気中には、目視できない
程度の微細な塵埃が浮遊していることが多い。このよう
な浮遊塵埃は人体に無害であるが、抵抗力の弱っている
場合などに、その影響が極くまれに生じると言われてい
る。

【０００３】したがって、この微細な浮遊塵埃は除去す
ることが望ましい。そこで、空気調和機本体内に配置さ
れる室内熱交換器の前面一部に、空気清浄装置を配置し
た機種が多用されている。

【０００４】図１４は、空気清浄装置Ｓとして電気集塵
機ｂと脱臭フィルタｃとを備えた空気調和機室内ユニッ
トの例である。ここでは、室内熱交換器ａの熱交換面積
をより増大して熱交換効率向上を図るため、室内熱交換
器ａを前側熱交換器部ａ１と後側熱交換器部ａ２の２つ
折りにし，側面視で逆Ｖ字状となしている。そして、さ
らに熱交換面積の増大を図るため、前側熱交換器部ａ１
を側面視で円弧状に屈曲形成している。

【０００５】室内送風機である横流ファンＯを回転駆動
すると、空気調和機本体ｄを構成する前面パネルｅなど
から被空調室空気が吸込まれ、その一部は脱臭フィルタ
ｃもしくは電気集塵機ｂに導かれ、清浄化されたあと室
内熱交換器ａと熱交換をなして吹出し口ｇから吹出され
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前側熱交換
器部ａ１の前面側に配置される空気清浄装置Ｓは、それ
自体所定の厚さがあり、これらを覆う前面パネルｅは前
側熱交換器部ａ１の形状に合わせて断面円弧状をなす。

【０００７】したがって、前面パネルｅは全体的に大き
く膨出形成されていて、最突出部と空気調和機本体ｄ背
面部との距離である奥行き寸法Ｌａが、空気清浄装置Ｓ
を備えていない機種の奥行き寸法と比較して極めて長く
なり、壁面に取付けた状態での突出感と圧迫感が大とな
る。

【０００８】また、空気清浄装置Ｓの下方部位で、前面
パネルｅと前側熱交換器部ａ１との間の空間は、何らの
利用もされないデッドスペースＤｓとなる。この部分の
通風抵抗は空気清浄装置Ｓが配置される部分の通風抵抗
と比較して小さいからより多く流れ、空気清浄装置Ｓに
導かれる空気の風量は少なくなって清浄化効率が低下す
る。

【０００９】そして、前面パネルｅの下部側は、吹出し
口ｇに近い位置まで廻り込んだ状態になるため、吹出し
口ｇから吹出される清浄化された熱交換空気が再び前面
パネルｅから吸込まれる、ショートサーキット現象が生
じ易い。

【００１０】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、その目的とするところは、熱交換器の前面側に部
品としての空気清浄手段を備えることを前提として、本
体内のデットスペースの解消と本体の容積効率の向上を
図り、空気清浄化効率の向上と、ショートサーキットの
発生防止を得る空気調和機を提供しようとするものであ
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を満足するため
の第１の発明の空気調和機は、請求項１として、前面パ
ネルを備えた空気調和機本体と、この空気調和機本体内
に収容され、少なくとも最上端部が背面側に傾いて配置
される熱交換器とを具備し、上記前面パネルは、上記熱
交換器の最先端部よりも上部に、最先端個所が位置する
突部が設けられ、この前面パネル突部と上記熱交換器と
の間に部品が配置されることを特徴とする。

【００１２】上記目的を満足するための第２の発明の空
気調和機は、請求項２として、上部に設けられる支軸を
回動中心として、ほぼ９０°回動して開口部を開閉可能
な前面パネルを備えた空気調和機本体と、この空気調和
機本体内に収容され、少なくとも最上端部が背面側に傾
いて配置される熱交換器とを具備し、上記前面パネル
は、熱交換器の最先端部よりも上部に、その最先端個所
が位置し、かつ前部から背面側に向かって下方に傾斜す
る突部が設けられることを特徴とする。

【００１３】上記目的を満足するための第３の発明の空
気調和機は、請求項６として、前面パネルを備えた空気
調和機本体と、この空気調和機本体内に配置される熱交
換器とを具備し、上記前面パネルは、その下部側に第２
の吸込み口が、上部側に第１の吸込み口がそれぞれ設け
られ、上記第１の吸込み口と熱交換器との間に空気清浄
手段が設けられるとともに、第１の吸込み口と第２の吸
込み口との間にショートサーキット防止手段を備えたこ
とを特徴とする。

【００１４】以上のごとき課題を解決するための手段を
採用することにより、第１の発明によれば、空気調和機
本体内にデッドスペースがなくなって、空気調和機本体
の容積効率が向上する。

【００１５】第２の発明によれば、空気調和機本体内の
容積効率の向上を得るとともに、前面パネルの開放時に
おいて天井面との隙間の確保を図れて、使い勝手の向上
を得られる。第３の発明によれば、空気清浄化され、か
つ熱交換して吹出される空気が繰り返して空気清浄手段
に吸込まれるショートサーキットを確実に防止する。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。図１ないし図３に示すように、
空気調和機の室内ユニットが構成される。空気調和機本
体であるユニット本体１は、前面パネル２と、上面パネ
ル３および両側板部と背面板部と底面板部を一体に備え
た後板４とからなり、横長の箱状に形成される。

【００１７】ユニット本体１内には、側面視で逆Ｖ字状
に形成される室内熱交換器５が配置される。この室内熱
交換器５は、前面側に位置する前側熱交換器部５Ａと、
背面側に位置する後側熱交換器部５Ｂとから構成され
る。特に、後側熱交換器部５Ｂには、その上面に沿って
補助熱交換器５Ｃが配置されている。

【００１８】上記前後側熱交換器部５Ａ，５Ｂおよび補
助熱交換器５Ｃとも、多数枚のフィンＦを狭小の所定間
隔を存して並設し、ここに熱交換パイプＰを貫通して、
蛇行する流路を構成した、いわゆるフィンドチューブタ
イプである。

【００１９】前側熱交換器部５Ａを構成するフィンＦの
形状が側面視で円弧状に屈曲形成されるところから、前
側熱交換器部５Ａは側面視で円弧状に屈曲形成される。
これに対して後側熱交換器部５Ｂおよび補助熱交換器５
Ｃを構成するフィンＦは、側面視で直状をなす。

【００２０】特に、前側熱交換器部５Ａは、側面視で円
弧状をなしているので、少なくともこの熱交換器部５Ａ
の最上端部が背面側に傾いて配置される。前側熱交換器
部５Ａの下部には前ドレンパン６が配置され、後側熱交
換器部５Ｂの下部には後ドレンパン７が配置される。こ
れら前，後ドレンパン６，７は、上記後板４に一体に設
けられる。

【００２１】上記室内熱交換器５の内部位置である前側
熱交換器部５Ａと後側熱交換器部５Ｂとの間に、横流フ
ァン８を備えた室内送風機が配置される。また、上記後
板４は、後ドレンパン７下部である横流ファン８の背面
側から底面部に亘って曲成され、上記前ドレンパン６下
面部との間に送風路９が形成されている。前ドレンパン
６には、送風路９の吹出し口上面９ａが一体に設けられ
る。

【００２２】前面パネル２の下部には吹出し口１０が開
口される。この吹出し口１０の上部に上記前ドレンパン
６の先端部が嵌め込まれ、一体化される。吹出し口１０
には、複数の風向案内板１１が回動自在に枢支される。

【００２３】上記上面パネル３には、枠状の桟が嵌め込
まれる上部吸込み口３ａが設けられていて、ここからユ
ニット本体１内に被空調室空気を導入案内するようにな
っている。

【００２４】一方、上記前側熱交換器部５Ａの前面側上
部には、この熱交換器部５Ａに極めて近接した状態で空
気清浄手段である空気清浄装置１２が配置される。この
空気清浄装置１２の取付け位置をさらに説明すると、円
弧状に形成される前側熱交換器部５Ａの最先端部よりも
上部側となる。

【００２５】上記空気清浄装置１２は、図４にも示すよ
うに、前側熱交換器部５Ａに近接して配置される電気集
塵機１３と、この電気集塵機１３の側方に並置される脱
臭フィルタ１４とから構成される。

【００２６】すなわち、電気集塵機１３と脱臭フィルタ
１４は、それぞれ独立に並べて配置され、前側熱交換器
部５Ａから前方に突出するとともに、両者合わせてこの
前側熱交換器部５Ａの幅方向に亘って対向する幅方向寸
法を有している。

【００２７】再び図１ないし図３に示すように、前ドレ
ンパン６の前面側から前側熱交換器部５Ａの下部前面側
に亘ってフィルタガイド３０が立設される。フィルタガ
イド３０にはプレフィルタ３１の把手部３１ａが着脱自
在に取付けられている。このプレフィルタ３１は、上記
空気清浄装置１２の前面側から、上面パネル３と室内熱
交換器５との間に介在するよう延出される。

【００２８】上記前面パネル２は、全体的に側面視で円
弧状に形成されていて、下方において、この屈曲形状は
前側熱交換器部５Ａの円弧形状とほとんど同一である。
一方、前側熱交換器部５Ａの前面側に空気清浄装置１２
が取付けられているところから、前面パネル２の空気清
浄装置１２対向部は、ほとんど空気清浄装置１２に沿っ
た形状となっている。

【００２９】すなわち、前面パネル２の上部は、この幅
方向に亘って突部２Ａが一体に設けられる。換言すれ
ば、前面パネル突部２Ａと前側熱交換器部５Ａとの間に
他の部品である空気清浄装置１２が配置されることにな
る。

【００３０】上記突部２Ａは、前側熱交換器部５Ａの側
面視形状および空気清浄装置１２の取付け形状から、前
側熱交換器部５Ａの最先端部Ｘよりも上部に設けられ、
かつ前部から背面側に向かって下方に傾斜した形状をな
す。

【００３１】突部２Ａの突出面である前面には、第１の
吸込み口１５が開口される。この第１の吸込み口１５に
は、図５にも示すように、複数の横桟１６が、互いに上
下方向に平行に架設される。これら横桟１６は、全て第
１の吸込み口１５の幅方向に亘って設けられ、かつ前部
から背面側に向かって漸次下方に傾斜する。

【００３２】上記横桟１６は、第１の吸込み口１５の上
下部に亘って、かつ互いに幅方向に平行に架設される複
数の縦桟１７相互間に架設される。横桟１６相互間隔と
比較して、縦桟１７相互間隔は極めて広い。

【００３３】再び図１ないし図３に示すように、突部２
Ａの左右両側面と上下面、すなわち周面は全て板部によ
って閉成されている。特に下面部は、前部から背面側に
向かって漸次下方に傾斜する遮蔽板１８となっていて、
後述のごとく機能する。

【００３４】前面パネル２における突部２Ａの下方部位
には、第２の吸込み口２０が開口される。この第２の吸
込み口２０にも、先に説明したような横桟１６と縦桟１
７が架設される。

【００３５】そして、再び図５に示すように、第１の吸
込み口１５に設けられる横桟１６の中心線と水平線との
なす角度θａは、第２の吸込み口２０に設けられる横桟
１６の中心線と水平線とのなす角度θｂよりも大きく
（θａ＞θｂ）なるよう形成される。

【００３６】図６は、前面パネル２を開放して室内熱交
換器５をユニット本体１から取外しした状態を示す。前
面パネル２は、この上端部に設けられる支軸２１を介し
て後板４側面部に設けられる枢支部２２に回動自在に枢
支される。

【００３７】上記枢支部２２の位置は上記空気清浄装置
１２の直上部にあり、ここに枢支される支軸２１は、ス
テー２３を介して前面パネル２上端部に連結される。先
に説明したプレフィルタ３１の掃除や、脱臭フィルタ１
４の交換、もしくは電気集塵機１３や室内熱交換器２の
メンテナンスの際は、同図に示すように前面パネル２を
ほぼ９０°開放して作業を行なう。

【００３８】そして、前面パネル２の完全開放状態で、
同図にＡ部として拡大して示すように、上記枢支部２２
が略Ｕ字状に形成されるところから、支軸２１ごと前面
パネル２を枢支部２２から容易に取外し自在である。

【００３９】また、前面パネル２を最大限開放した状態
で、前面パネル２は被空調室Ｒの天井面Ｔに近接する
が、実際には突部２Ａのみが天井面Ｔに近接し、第２の
吸込み口２０が設けられる部分は天井面Ｔとの間に十分
な隙間が形成される。

【００４０】このようにして構成される空気調和機の室
内ユニットであり、室内熱交換器５に対する冷凍サイク
ル運転をなすとともに室内送風機を駆動して横流ファン
８を回転することにより、被空調室内空気が前面パネル
２に設けられる第１の吸込み口１５と第２の吸込み口２
０から吸込まれるとともに、上面パネル３に設けられる
上部吸込み口３ａからユニット本体１内に吸込まれる。

【００４１】第１の吸込み口１５から吸込まれた空気は
プレフィルタ３１を介して空気清浄装置１２に導かれ
る。すなわち、脱臭フィルタ１４を通過する空気は、こ
れによって脱臭され、一方、電気集塵機１３を通過する
空気は微細な浮遊塵埃が帯電され、かつ集塵される。こ
の結果、清浄化した状態で室内熱交換器５を構成する前
側熱交換器部５Ａに導かれて熱交換をなす。

【００４２】第２の吸込み口３０から吸込まれる空気は
プレフィルタ３１を介して直接、前側熱交換器部５Ａに
導かれ熱交換をなす。また、上部吸込み口３ａから吸込
まれる空気は、プレフィルタ３１を介して補助熱交換器
５Ｃと後側熱交換器部５Ｂに導かれて熱交換をなす。

【００４３】これらで熱交換した後の熱交換空気は、横
流ファン８から送風路９に案内され、吹出し口１０から
被空調室内へ吹出され、以上の経路を循環する。被空調
室空気が空気清浄装置１２と室内熱交換器５に導かれる
ことによって、空気清浄化と所望の空気調和を得る。

【００４４】このように、前面パネル２は前側熱交換器
部５Ａの最先端部Ｘよりも上部に突部２Ａが設けられ、
この突部２Ａと熱交換器部５Ａとの間に空気清浄装置１
２が配置される構成としたから、ユニット本体１の構造
にムダがなく、容積効率が向上する。

【００４５】なお、図１においては、突部２Ａは、その
突出部分全体が前側熱交換器部５Ａの最先端部Ｘよりも
上部に設けられているが、その一部が前側熱交換器部５
Ａの最先端部Ｘにかかってもよい。

【００４６】要は、突部２Ａの最先端個所Ｙが前側熱交
換器部５Ａの最先端部Ｘよりも上側にあれば、ユニット
本体１のサイズを極力小さくした上で、上部が背面側に
傾斜した熱交換器と前面パネル２間に広い空間が有効に
確保できる。

【００４７】さらに、上記突部２Ａは、前部から背面側
に向かって下方に傾斜するよう形成されるから、前面パ
ネル２の開放時において天井面Ｔとの隙間の確保を図れ
て、使い勝手がよい。

【００４８】また、この前面パネル２の開放時には、従
来の単なる円弧状に形成したものに比して、図６のＳで
示すように室内ユニットの前方がより大きく開くため、
プレフィルタ３１や脱臭フィルタ１４および電気集塵き
１３の清掃などのメンテナンス時には、この広い開口部
分Ｓからプレフィルタ３１や脱臭フィルタ１４および電
気集塵機１３の取外し、取り付けが可能となり、極めて
作業性がよい。

【００４９】突部２Ａの下面部は閉成された遮蔽板１８
となっているから、図７の破線矢印で示すように、吹出
し口１０から吹出される熱交換空気のショートサーキッ
トを防止する。

【００５０】この結果、空気清浄機１３や脱臭フィルタ
１４を通過した空気が吹出し口１０を経由して再び吸込
まれることを極力抑制し、室内の新たな空気を清浄・脱
臭し、空気清浄効果と脱臭効果を向上させることができ
る。

【００５１】そして、遮蔽板１８の前部から背面側に向
かって漸次下方に傾斜する傾斜方向から、長期の使用に
亘っても、この裏面である空気清浄装置１２と対向する
面に塵埃が滞積し難い。

【００５２】さらに、この遮蔽板１８の裏面に塵埃が付
着した場合、前面パネル２をユニット本体１から取外し
て洗浄が可能であり、この際、遮蔽板１８は前部から背
面側に向かって漸次下方に傾斜する構造で、この部分に
は溝や鋭角になっている部分がなく、たわしやスポンジ
などを使っての洗浄が容易になっている。

【００５３】また、第１の吸込み口１５における横桟１
６の水平線に対する傾斜角度θａを、第２の吸込み口２
０における横桟１６の水平線に対する傾斜角度θｂより
も大きく（θａ＞θｂ）形成したから、第２の吸込み口
２０の吸込み方向に対して第１の吸込み口１５の吸込み
方向が、より吹出し口１０から遠ざかる方向にあるた
め、ショートサーキットの防止効果が高くなる。

【００５４】また、前面パネル２を最大限（ほぼ９０
°）開放した状態では、突部２Ａのみが天井面Ｔに近接
し、第２の吸込み口２０が設けられる部分は天井面Ｔか
ら離間する。

【００５５】したがって、先に説明したように前面パネ
ル２をユニット本体１に対して着脱する際に、これと天
井面Ｔとの間に十分な隙間があるから作業者は余裕をも
ってて指を差し込み、楽に作業を行なえる。

【００５６】本発明の空気調和機は、以下に述べるよう
な変形実施が可能である。（なお、同一構成部品につい
ては同番号を付して新な説明は省略する）図８に示すように、突部２Ａａは、前面パネル２の両側
部から所定距離を存した位置には存在せず、所定距離相
互間に亘って設けられる。そして、突部２Ａａの上端部
は前面パネル２面と同一であり、突部２Ａａの下部に亘
って漸次突出している。

【００５７】図９に示すように、製品発送のため梱包材
Ｋを空気調和機の両側部に嵌合するのにあたって、梱包
材Ｋは上記突部２Ａａが設けられていない部分に嵌合す
ればよく、先に説明したようにユニット本体１の幅方向
に亘って設けられる突部２Ａを有する空気調和機と比較
して、梱包状態での容積の拡大を防止することができ
る。

【００５８】また、上記突部２Ａａは側面形状が三角形
をなし、その上端部が前面パネル２面と同一であり、突
部２Ａａがより上方に向いているから、突部２Ａａに設
けられる第１の吸込み口１５と第２の吸込み口２０の吸
込み角度の差が拡大して、吸込み口１５，２０から吸込
まれる空気が互いに干渉せず、さらにショートサーキッ
トの防止を図れる。

【００５９】図１０に示すように、第１の吸込み口１５
に設けられる横桟１６の水平線に対する傾斜角度θｃ
を、第２の吸込み口２０に設けられる横桟１６の水平線
に対する傾斜角度θｄよりも小さく（θｃ＜θｄ）形成
してもよい。

【００６０】一般に横桟１６は、壁掛け型の室内ユニッ
トにおいて、室内の上方の壁面に据付けられた場合、そ
の内部の部品を使用者が下方から見え難くして美観を損
なわないようにするために設けられる。

【００６１】一方、上記第１の吸込み口１５は、三角状
の突部２Ａａの上面に設けられているため、もともと下
方からはその内部が見え難い。このため、第１の吸込み
口１５に設ける横桟１６は、その傾斜角度θｃを小さく
しても美観を損なうことはない。

【００６２】そして、第１の吸込み口１５に設けた横桟
１６の傾斜角度θｃをより小さくすることで、吸込み口
１５の輪郭に対して横桟１６の取り付け方向が９０°近
くなり、横桟１６間の開口面積を増加させることができ
る。

【００６３】すなわち、第１の吸込み口１５における通
風抵抗は第２の吸込み口２０における通風抵抗よりも小
さくなる。このため、吸込み空気の量を増大させること
ができ、その結果、空気清浄、脱臭、空気調和機の熱交
換量の全ての性能向上を図ることができる。

【００６４】図１１に示すように、第１の吸込み部１５
に設けられる横桟１６の水平線に対する傾斜角度θｅ
を、第２の吸込み口２０に設けられる横桟１６の水平線
に対する傾斜角度θｆと同一（θｅ＝θｆ）に形成して
もよい。

【００６５】この場合は、前面パネル２の製造にあたっ
て第１の吸込み口１５と第２の吸込み口２０とで金型の
抜き方向が同一となり、したがってこれら吸込み口の一
体成形が可能となる。

【００６６】また、この場合、図１０に示したものより
は若干効果が劣るが、同様に第１の吸込み口１５が、三
角状の突部２Ａａの上面に位置し、第１の吸込み口１５
そのものが後ろ上方向へ傾斜しているところから、第１
の吸込み口１５に対する横桟１６の傾斜角度Ｄｅは、第
２の吸込み口２０に対する横桟１６の傾斜角度Ｄｆより
も大で９０°近くになり、相対的に第２の吸込み口２０
よりも通風抵抗を小さくできる。

【００６７】図１２に示すように、突部２に設けられる
第１の吸込み口１５ａは、先に説明した横桟に代って略
円形で、連続して設けられる複数の孔からなる、いわゆ
るパンチングメタルであり、既製のものをそのまま吸込
み口に嵌め込めばよく、コスト的に有利となる。

【００６８】このパンチングメタル部分は、金属に限ら
ず、樹脂成型品でもよく、要はハニカムなどの連続孔開
き形状であればよい。このような連続孔開き形状で吸込
み口１５を形成すれば、第２の吸込み口２０に対する横
桟１６よりも通風抵抗が小さくなり、大幅な空気調和機
の熱交換量の増加を得ることができる。

【００６９】なお、第２の吸込み口２０においては、横
桟１６が吸込み口２０の幅方向に亘って、かつ前部から
背面側に向かって漸次下方に傾斜するよう設けられるこ
とは変わりがない。

【００７０】図１３に示すように、上記室内熱交換器５
は側面視で逆Ｖ字状に形成されることは変わりがない
が、ここでの前側熱交換器部５Ａａは多段に折り曲げら
れてなる。

【００７１】したがって、この前側熱交換器部５Ａａに
おいても少なくとも最上端部が背面側に傾いて配置され
ることになり、かつ前面パネルの前側熱交換器部５Ａａ
の最先端部Ｘよりも上部に突部２Ａが設けられることは
変わりがない。この他、先に説明したものと全く同一の
構成であるので、同様の作用効果を得られる。

【００７２】なお、以上の実施の形態では、熱交換効率
の高い円弧形状の熱交換器を用いて説明したが、熱交換
器の中央において２つに曲げられたものや、折り曲げ部
なしの直状の熱交換器の上方を背面方向に傾けて配置し
たものにおいても適用可能である。

【００７３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、熱
交換器の前面側に他の部品としての空気清浄手段を備
え、しかも本体内のデットスペースを解消して本体の容
積効率の向上を得るとともに、空気清浄化効率の向上を
図れ、ショートサーキットの発生を防止するなどの効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示し、空気調和機の室
内ユニットの断面図。

【図２】同実施の形態の、室内ユニットの外観斜視図。

【図３】同実施の形態の、室内ユニットの外観正面図。

【図４】同実施の形態の、室内ユニットの一部を切欠し
た正面図。

【図５】同実施の形態の、前面パネルの一部断面図。

【図６】同実施の形態の、前面パネルを開放した状態の
室内ユニットと、Ａ部を拡大した断面図。

【図７】同実施の形態の、ショートサーキットの説明
図。

【図８】他の実施の形態の、室内ユニットの外観斜視
図。

【図９】同実施の形態の、室内ユニットの梱包時の正面
図。

【図１０】さらに他の実施の形態の、横桟の傾斜角度を
説明する図。

【図１１】さらに他の実施の形態の、横桟の傾斜角度を
説明する図。

【図１２】さらに他の実施の形態の、室内ユニットの外
観斜視図。

【図１３】さらに他の実施の形態の、室内ユニットの断
面図。

【図１４】従来の、室内ユニットの断面図。

【符号の説明】

２…前面パネル、１…空気調和機本体（ユニット本体）、５…室内熱交換器、２１…支軸、２Ａ…突部、１５…第１の吸込み口、１２…空気清浄装置、２０…第２の吸込み口、１８…遮蔽板、１６…横桟、８…横流ファン、３ａ…上部吸込み口、１３…電気集塵機、１４…脱臭フィルタ、３１…プレフィルタ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号ＦＩＦ２４Ｆ 1/00 ３９１Ｂ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】前面パネルを備えた空気調和機本体と、この空気調和機本体内に収容され、少なくとも最上端部
が背面側に傾いて配置される熱交換器とを具備し、上記前面パネルは、上記熱交換器の最先端部よりも上部
に、最先端個所が位置する突部が設けられ、この前面パネル突部と上記熱交換器との間に部品が配置
されることを特徴とする空気調和機。
【請求項２】上部に設けられる支軸を回動中心として、
ほぼ９０°回動して開口部を開閉可能な前面パネルを備
えた空気調和機本体と、この空気調和機本体内に収容され、少なくとも最上端部
が背面側に傾いて配置される熱交換器とを具備し、上記前面パネルは、熱交換器の最先端部よりも上部に、
その最先端個所が位置し、かつ前部から背面側に向かっ
て下方に傾斜する突部が設けられることを特徴とする空
気調和機。
【請求項３】上記突部には、第１の吸込み口が設けら
れ、この第１の吸込み口と上記熱交換器との間に空気清浄手
段が配置されることを特徴とする請求項２記載の空気調
和機。
【請求項４】上記突部には、第１の吸込み口が設けら
れ、上記部品は、この第１の吸込み口と上記熱交換器との間
に配置される空気清浄手段であることを特徴とする請求
項１記載の空気調和機。
【請求項５】上記突部には、第１の吸込み口が設けられ
るとともに、この突部の下方部位の前面パネルに第２の
吸込み口が設けられることを特徴とする請求項１および
請求項２のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項６】前面パネルを備えた空気調和機本体と、この空気調和機本体内に配置される熱交換器とを具備
し、上記前面パネルは、その下部側に第２の吸込み口が、上
部側に第１の吸込み口がそれぞれ設けられ、上記第１の吸込み口と熱交換器との間に空気清浄手段が
設けられるとともに、第１の吸込み口と第２の吸込み口
との間にショートサーキット防止手段を備えたことを特
徴とする空気調和機。
【請求項７】上記第１の吸込み口は、上記第２の吸込み
口よりも前方に突出して設けられる突部の突出面に備え
られることを特徴とする請求項６記載の空気調和機。
【請求項８】上記ショートサーキット防止手段は、突部
下面を構成する遮蔽板であることを特徴とする請求項７
記載の空気調和機。
【請求項９】上記突部下面を構成する遮蔽板は、前部か
ら背面側に向って漸次下方に傾斜していることを特徴と
する請求項８記載の空気調和機。
【請求項１０】上記突部は、前面パネルの両側部から所
定距離を存した位置には存在せず、所定距離相互間に亘
って設けられることを特徴とする請求項１、請求項２お
よび請求項７のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項１１】上記第１の吸込み口および第２の吸込み
口は、それぞれの幅方向に亘って、かつ前部から背面側
に向って漸次下方に傾斜する横桟が架設され、第１の吸込み口の横桟の水平線に対する傾斜角度θａ
を、第２の吸込み口の横桟の水平線に対する傾斜角度θ
ｂよりも大きく（θａ＞θｂ）形成したことを特徴とす
る請求項５ないし請求項１０のいずれかに記載の空気調
和機。
【請求項１２】上記第１の吸込み口および第２の吸込み
口は、それぞれの幅方向に亘って、かつ前部から背面側
に向って漸次下方に傾斜する横桟が架設され、第１の吸込み口の横桟の水平線に対する傾斜角度θｃ
を、第２の吸込み口の水平線に対する横桟の傾斜角度θ
ｄよりも小さく（θｃ＜θｄ）形成したことを特徴とす
る請求項５ないし請求項１０のいずれかに記載の空気調
和機。
【請求項１３】上記第１の吸込み口および第２の吸込み
口は、それぞれの幅方向に亘って、かつ前部から背面方
向に漸次下方に傾斜する横桟が架設され、第１の吸込み口の横桟の水平線に対する傾斜角度θｅ
を、第２の吸込み口の水平線に対する横桟の傾斜角度θ
ｆと同一（θｅ＝θｆ）に形成したことを特徴とする請
求項５ないし請求項１０のいずれかに記載の空気調和
機。
【請求項１４】上記第１の吸込み口は、略円形で、連続
して設けられる複数の孔からなり、上記第２の吸込み口は、幅方向に亘って、かつ前部から
背面側に向って漸次下方に傾斜する横桟が架設されるこ
とを特徴とする請求項５ないし請求項１０のいずれかに
記載の空気調和機。
【請求項１５】上記第１の吸込み口は、その通風抵抗が
第２の吸込み口の通風抵抗よりも小さく形成されること
を特徴とする請求項５ないし請求項１０のいずれかに記
載の空気調和機。
【請求項１６】上記熱交換器は、側面視で円弧状に形成
されることを特徴とする請求項１ないし請求項１５のい
ずれかに記載の空気調和機。
【請求項１７】上記熱交換器は、側面視で少なくとも２
つ以上に折り曲げられた形状であることを特徴とする請
求項１ないし請求項１５のいずれかに記載の空気調和
機。
【請求項１８】上記空気調和機本体は、その内部に横流
ファンが配置されることを特徴とする請求項１ないし請
求項１５のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項１９】上記空気調和機本体は、その上部に吸込
み口が設けられることを特徴とする請求項１ないし請求
項１５のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項２０】上記空気清浄手段は、電気集塵機である
ことを特徴とする請求項３，請求項４，請求項６ないし
請求項９のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項２１】上記空気清浄手段は、脱臭フィルタであ
ることを特徴とする請求項３，請求項４，請求項６ない
し請求項９のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項２２】上記空気清浄手段は、集塵フィルタであ
ることを特徴とする請求項３，請求項４，請求項６ない
し請求項９のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項２３】上記前面パネルの内側に、前面パネルの
形状に沿う形状のプレフィルタが配置されることを特徴
とする請求項１ないし請求項１５のいずれかに記載の空
気調和機。
【請求項２４】上記前面パネルは、空気調和機本体に対
して着脱自在に取付けられることを特徴とする請求項１
ないし請求項２３のいずれかに記載の空気調和機。