JPH1135998A - 高密度粒状洗剤 - Google Patents

高密度粒状洗剤

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JPH1135998A
JPH1135998A JP19291997A JP19291997A JPH1135998A JP H1135998 A JPH1135998 A JP H1135998A JP 19291997 A JP19291997 A JP 19291997A JP 19291997 A JP19291997 A JP 19291997A JP H1135998 A JPH1135998 A JP H1135998A
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周治 高名
Hiroaki Katsuta
浩章 割田
Hitoshi Tanimoto
均 谷本
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    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D17/00Detergent materials or soaps characterised by their shape or physical properties
    • C11D17/06Powder; Flakes; Free-flowing mixtures; Sheets
    • C11D17/065High-density particulate detergent compositions

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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷水で洗濯した際にペーストの残留及び粒子の
残留が生じず分散性及び粒子の溶解性に優れた粒状洗剤
を提供すること。 【解決手段】界面活性剤3〜50%を含み、嵩密度が
0.5〜1.2g/cm3 で、重量50%径が300
〜700μm、粒径125μm未満の粒子の重量頻度が
13%以下、粒径1410μm以上の粒子の重量頻度が
8%以下、最小2乗近似直線の傾きが1.8以上、重
量50%径が200μm以上300μm未満、粒径12
5μm未満の粒子の重量頻度が24%以下、粒径141
0μm以上の粒子の重量頻度が0%、最小2乗近似直線
の傾きが2.1以上、又は重量50%径が700μm
を越え800μm以下、粒径125μm未満の粒子の重
量頻度が2%以下、粒径1410μm以上の粒子の重量
頻度が10%以下、最小2乗近似直線の傾きが2.1以
上の高密度粒状洗剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度粒状洗剤に
関する。さらに詳しくは、衣料用洗剤として好適に使用
しうる高密度粒状洗剤に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今、衣料用粒状洗剤は、圧密化された
粒子で構成されたコンパクト洗剤が主流となっている。
衣料用粒状洗剤のコンパクト化は、造粒、圧縮、粉砕等
の操作によって粒子の密度を高めることにより行なわ
れ、また配合組成は、界面活性剤およびカルシウム捕捉
剤の比率を高め、水溶性無機塩の比率を減じたことによ
り改善されている。
【0003】衣料用粒状洗剤のコンパクト化は、輸送の
軽減や使用の簡便性に大きなメリットをもたらした反
面、洗剤粒子の圧密化により従来の粉末洗剤と比べて溶
解性に対する懸念が高まっただけでなく、洗剤粒子中の
界面活性剤の比率が高まったことにより、分散性の問題
に対して神経質にならざるをえない。特に、組成や製造
方法によっては、冬期の冷水での洗濯時において、洗濯
時間内に溶けきらなかった未溶解粒子が衣料に残留する
不都合や、機械力がかからない注水時に凝集した洗剤集
合体が分散しきれずにペースト状になって衣料に残留す
る不都合が発生する場合がある。
【0004】現在までに、コンパクト洗剤の分散性およ
び溶解性を改善するための洗剤組成物の検討が数多くな
されている。例えば、特開昭58-132093 号公報には、緊
密に混合された陰イオン界面活性剤および陰イオン重合
体を含有する粒状洗剤組成物が開示されている。これ
は、非石鹸陰イオン界面活性剤に予め特定の水溶性陰イ
オン重合体を緊密に混合した物を調製することにより、
水と陰イオン界面活性剤との高粘稠「ガム(gum)」
相の形成を排除または遅延させ、粒状洗剤の分散性およ
び溶解性を改善しようとするものである。また、特開昭
62-167398 号公報には、高密度粒状洗剤中の水溶性かつ
結晶性の無機塩類の含有量を制限した高密度粒状洗剤組
成物が開示されている。これは、低温の水中において界
面活性剤のペースト層を硬くする水溶性無機塩の水和結
晶の形成を低減させ、粒状洗剤の分散性および溶解性を
改善しようとするものである。同様の検討として、特開
昭62-167399 号公報には、水溶性かつ結晶性の無機塩類
の含有量が制限された高密度粒状洗剤に対して、水溶性
かつ結晶性のアルカリ性無機塩類を乾式配合した高密度
粒状洗剤組成物が開示されている。また、特開平6-2000
号公報には、水不溶分の原因となるケイ酸ナトリウムの
含有量を低減した特定の系において、粒度を平均粒径3
00〜500μmに安定化させる製造方法が開示されて
いる。これは、組成および平均粒径をコントロールする
ことによって低温分散性を改善しようとするものであ
る。
【0005】これらの技術によってコンパクト洗剤の分
散性および溶解性のレベルは向上するが、その反面、こ
れらの技術には、特定の添加剤を配合するために洗剤の
コストが高くなったり、原料の配合比率が狭い範囲に限
定されるなどの配合組成の自由度が小さくなるという欠
点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、特に冷水を用いて洗濯
した場合に生じるペーストの残留および粒子の残留を生
じず、分散性および粒子の溶解性に優れた高密度粒状洗
剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、衣料用粒
状高嵩密度洗剤の分散性および溶解性を向上させるため
に、洗剤組成とは別の手段として、洗剤の粉末特性に着
目して鋭意検討を重ねたところ、洗剤粒度と分散性およ
び溶解性とが密接に関係することが究明された。その結
果、重量50%径と粒子径125μm未満の重量頻度お
よび粒子径1410μm以下の重量頻度ならびに特定の
粒子の粒子径の重量頻度の構成を特定の範囲に制限した
場合には、分散性および溶解性の双方を向上させること
ができることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、(1) 界面
活性剤3〜50重量%を含有し、嵩密度が0.5〜1.
2g/cm 3 である高密度粒状洗剤であって、目開きが
2000μm、1410μm、1000μm、710μ
m、500μm、355μm、250μm、180μm
または125μmである9段の篩と受け皿を用いて測定
した重量50%径、粒子径125μm未満の粒子の重量
頻度および粒子径1410μm以上の粒子の重量頻度、
ならびに目開きが710μm、500μm、355μm
または250μmである篩の目開きをXとし、また各篩
上の積算篩上重量%をYとし、logXに対してlog
・log(100/Y)をプロットした時の最小2乗近
似直線の傾きZとの関係が以下の条件: (A)重量50%径が300μm以上でかつ700μm
以下の範囲内にあり、粒子径125μm未満の粒子の重
量頻度が13%以下で、粒子径1410μm以上の粒子
の重量頻度が8%以下であり、最小2乗近似直線の傾き
Zが1.8以上であること、(B)重量50%径が20
0μm以上でかつ300μm未満の範囲内にあり、粒子
径125μm未満の粒子の重量頻度が24%以下で、粒
子径1410μm以上の粒子の重量頻度が0%であり、
最小2乗近似直線の傾きZが2.1以上であること、ま
たは(C)重量50%径が700μmを越え、かつ80
0μm以下の範囲内にあり、粒子径125μm未満の粒
子の重量頻度が2%以下で、粒子径1410μm以上の
粒子の重量頻度が10%以下であり、最小2乗近似直線
の傾きZが2.1以上であることを満足することを特徴
とする高密度粒状洗剤、(2) (D)重量50%径が
300μm以上でかつ700μm以下の範囲内にあり、
粒子径125μm未満の粒子の重量頻度が10%以下
で、粒子径1410μm以上の粒子の重量頻度が4%以
下であり、最小2乗近似直線の傾きZが2.1以上であ
る前記(1)記載の高密度粒状洗剤、(3) (E)重
量50%径が300μm以上でかつ700μm以下の範
囲内にあり、粒子径125μm未満の粒子の重量頻度が
8%以下で、粒子径1410μm以上の粒子の重量頻度
が2%以下であり、最小2乗近似直線の傾きZが2.4
以上である前記(1)記載の高密度粒状洗剤、(4)
炭酸ナトリウム1〜50重量%を含有してなる前記
(1)〜(3)いずれか記載の高密度粒状洗剤、(5)
結晶性シリケート1〜50重量%を含有してなる前記
(1)〜(4)いずれか記載の高密度粒状洗剤、ならび
に(6) 界面活性剤5〜45重量%を含有してなる前
記(1)〜(5)いずれか記載の高密度粒状洗剤に関す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の高密度粒状洗剤は、前記
したように、界面活性剤3〜50重量%を含有し、嵩密
度が0.5〜1.2g/cm3 である高密度粒状洗剤で
あって、目開きが2000μm、1410μm、100
0μm、710μm、500μm、355μm、250
μm、180μmまたは125μmである9段の篩と受
け皿を用いて測定した重量50%径、粒子径125μm
未満の粒子の重量頻度および粒子径1410μm以上の
粒子の重量頻度、ならびに目開きが710μm、500
μm、355μmまたは250μmである篩の目開きを
Xとし、また各篩上の積算篩上重量%をYとし、log
Xに対してlog・log(100/Y)をプロットし
た時の最小2乗近似直線の傾きZとの関係が以下の条
件: (A)重量50%径が300μm以上でかつ700μm
以下の範囲内にあり、粒子径125μm未満の粒子の重
量頻度が13%以下で、粒子径1410μm以上の粒子
の重量頻度が8%以下であり、最小2乗近似直線の傾き
Zが1.8以上であること、(B)重量50%径が20
0μm以上でかつ300μm未満の範囲内にあり、粒子
径125μm未満の粒子の重量頻度が24%以下で、粒
子径1410μm以上の粒子の重量頻度が0%であり、
最小2乗近似直線の傾きZが2.1以上であること、ま
たは(C)重量50%径が700μmを越え、かつ80
0μm以下の範囲内にあり、粒子径125μm未満の粒
子の重量頻度が2%以下で、粒子径1410μm以上の
粒子の重量頻度が10%以下であり、最小2乗近似直線
の傾きZが2.1以上であることを満足していることに
より、好適に低減された比表面積、好適に低減された粒
子間接触点、好適に増加された空隙率および好適に増加
された空隙径を洗剤集合体に付与し、冷水中における分
散性を高めるとともに、良好な粒子溶解性を発現する。
【0010】本発明の高密度粒状洗剤に含まれる界面活
性剤の量は、充分な洗浄力を得ることができるようにす
るために、3重量%以上、好ましくは5重量%以上、さ
らに好ましくは12重量%以上とされ、また所望の粉末
物性を得ることができるようにするために、50重量%
以下、好ましくは45重量%以下、さらに好ましくは4
0重量%以下とされる。
【0011】前記界面活性剤としては、非イオン界面活
性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および
両性界面活性剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種
があげられる。前記少なくとも1種とは、例えば、非イ
オン界面活性剤の中から複数選択する場合のごとく同一
種類のみから選択してもよく、また陰イオン界面活性剤
と非イオン界面活性剤の中からそれぞれ選択する場合の
ごとく各種のものを複数選択してもよいことを意味す
る。
【0012】前記陰イオン界面活性剤としては、例え
ば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはア
ルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫
酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸
塩またはエステル、アルキルまたはアルケニルエーテル
カルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミ
ノ酸型界面活性剤等が例示される。
【0013】前記非イオン界面活性剤としては、例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシ
エチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、
高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド、
アルキルグルコースアミド、アルキルアミンオキサイド
等が挙げられる。
【0014】これらのうち、洗浄力の点で、非イオン界
面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
が好ましく、特に炭素原子数10〜18の直鎖または分
岐鎖の1級または2級アルコールのエチレンオキサイド
付加物であって、平均付加モル数5〜30のポリオキシ
エチレンアルキルエーテルがより好ましく、炭素原子数
12〜14の直鎖または分岐鎖の1級または2級のアル
コールのエチレンオキサイド付加物であって、平均付加
モル数6〜15のポリオキシエチレンアルキルエーテル
が特に好ましい。
【0015】高密度粒状洗剤中にポリオキシエチレンア
ルキルエーテル型の界面活性剤を配合する場合、特に5
〜30重量%配合することが洗浄性能の点から好まし
い。
【0016】本発明においては、非イオン界面活性剤と
ともに、陰イオン界面活性剤を3〜40重量%、好まし
くは5〜30重量%併用することにより、好適な洗浄力
が得られる。陰イオン界面活性剤として好ましいもの
は、アルキル鎖の平均炭素原子数が12〜18の直鎖ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル鎖の平均炭素原
子数が14〜18のα−スルホ脂肪酸塩またはそのメチ
ルエステル塩、アルキル鎖の平均炭素原子数が12〜1
8のα−オレフィンスルホン酸塩、アルキルまたはアル
ケニル鎖の平均炭素原子数が12〜22であるアルキル
硫酸塩またはアルケニル硫酸塩、エチレンオキサイドの
平均付加モル数が1〜4のポリオキシエチレンアルキル
エーテル硫酸塩等である。これらの塩の対イオンとして
はアルカリ金属イオンが洗浄力を向上させる上で好適で
ある。
【0017】前記界面活性剤に加えて、消泡効果を得る
ために炭素数12〜18の脂肪酸塩、特にナトリウム塩
1〜10重量%を併用することが好ましい。
【0018】前記陽イオン界面活性剤としては、例え
ば、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4アンモ
ニウム塩等があげられる。
【0019】前記両性界面活性剤としては、例えば、カ
ルボベタイン型、スルホベタイン型等の両性界面活性剤
が例示される。
【0020】本発明においては、洗剤粒子に結晶性シリ
ケートを配合することができる。本発明における結晶性
シリケートは、0.1重量%分散液において11.0以
上の最大pHを25℃において示す程度の、優れたアル
カリ能を示す。この点より本発明において結晶性シリケ
ートはゼオライト等のアルミノケイ酸塩と容易に区別さ
れる。また結晶性シリケートは、アルカリ緩衝効果につ
いても、特に優れており、炭酸ソーダや炭酸カリウムと
比較してもアルカリ緩衝効果が優れるものである。
【0021】本発明に用いられる結晶性シリケートとし
ては、アルカリ金属ケイ酸塩のSiO2 /M2 O(但
し、Mはアルカリ金属原子を表す。)が、モル比で0.
5〜2.6であるものが好ましく用いられる。また、よ
り好適なSiO2 /M2 Oのモル比は1.5〜2.2で
ある。イオン交換能や耐吸湿性の観点から、上記モル比
は0.5以上が好ましく、アルカリ能の観点からモル比
は2.6以下が好ましい。前記結晶性アルカリ金属ケイ
酸塩のS/N比が2.6以下であると、顕著に少ない使
用量で優れた洗浄力を得ることができる洗剤を得ること
ができる。
【0022】本発明に用いられる結晶性シリケートのう
ち、好ましくは次の組成を有するものが例示される。 xM2 O・ySiO2 ・zMem n ・wH2 O (1) (式中、Mは周期律表のIa族元素を表し、MeはII
a、IIb、 IIIa、IVaおよびVIII族元素から選ばれた
1種以上を表し、y/x=0.5〜2.6、z/x=
0.01〜0.9、n/m=0.5〜2.0、w=0〜
20である。) M2 O・x’SiO2 ・y’H2 O (2) (式中、Mはアルカリ金属原子を表し、x’=1.5〜
2.6、y’=0〜20である。) まず、前記の組成の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩につ
いて説明する。
【0023】一般式(1)において、Mは周期律表のI
a族元素から選ばれ、Ia族元素としてはNa、K等が
あげられる。これらは単独でまたは2種以上の組合せで
用いてもよく、例えばNa2 OとK2 Oとが混合してM
2 O成分を構成していてもよい。
【0024】Meは、周期律表のIIa,IIb,IIIa,IVaお
よびVIII族元素から選ばれ、例えばMg、Ca、Zn、
Y、Ti、Zr、Fe等が挙げられる。これらは特に限
定されるものではないが、資源および安全上の点から、
好ましくはMgおよびCaである。また、これらは単独
でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよく、例えば
MgO、CaOなどを混合してMem n 成分を構成し
ていてもよい。
【0025】また、前記結晶性アルカリ金属ケイ酸塩
は、水和物であってもよい。
【0026】また、一般式(1)において、y/xは、
好ましくは0.5〜2.6であり、さらに好ましくは
1.5〜2.2である。耐水溶性の観点から、y/xは
0.5以上であることが好ましい。耐水溶性が不十分で
ある場合、ケーキング性、溶解性等の洗剤組成物の粉末
物性に著しく悪影響を及ぼす傾向がある。アルカリ剤お
よびイオン交換体として充分に機能する観点から、y/
xは、2.6以下であることが好ましい。
【0027】z/xは、0.01〜0.9であり、好ま
しくは0.02〜0.9であり、特に好ましくは0.0
2〜0.5である。耐水溶性の観点からz/xは、0.
01以上であることが好ましく、イオン交換体として充
分に機能する観点から1.0以下であることが好まし
い。
【0028】x、yおよびzは、前記y/xおよびz/
xに示されるような関係であれば、特に限定がない。な
お、前記のように、xM2 Oが例えばx’Na2 O・
x”K 2 Oとなる場合には、xはx’+x”となる。こ
のような関係は、zMem n成分が2種以上のものか
らなる場合におけるzにおいても同様である。また、n
/m=0.5〜2.0は、当該元素に配位する酸素イオ
ン数を示し、実質的には0.5、1.0、1.5および
2.0の中から選ばれる。
【0029】の組成の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩
は、M2 O、SiO2 およびMem n の3成分よりな
る。したがって、本発明における結晶性アルカリ金属ケ
イ酸塩を製造するには、各成分にすることができるもの
がその原料として必要になるが、本発明においては特に
限定されることなく公知の化合物が適宜用いられる。例
えば、M2 O成分、Mem n 成分としては、各々の当
該元素の単独または複合の酸化物、水酸化物、塩類、当
該元素含有鉱物が用いられる。具体的には、例えば、M
2 O成分の原料としては、NaOH、KOH、Na2
3 、K2 CO3、Na2 SO4 等が挙げられ、Mem
n 成分の原料としては、CaCO3 、MgCO3 、C
a(OH)2、Mg(OH)2、MgO、ZrO2 、ドロマ
イト等が挙げられる。SiO2 成分としてはケイ石、カ
オリン、タルク、溶融シリカ、ケイ酸ソーダ等が用いら
れる。
【0030】の組成の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩の
調製方法としては、目的とする結晶性アルカリ金属ケイ
酸塩のx、y、zの値となるように所定の量比で前記原
料成分を混合し、好ましくは300〜1500℃、さら
に好ましくは500〜1000℃、特に好ましくは60
0〜900℃の範囲で焼成して結晶化させる方法が例示
される。この場合、加熱温度が300℃以上であること
が結晶化を十分に完了させ、耐水溶性を良好に維持する
点から好ましい。また、加熱温度が1500℃以下であ
ることがイオン交換能を良好に維持する点から好まし
い。加熱時間は好ましくは0.1〜24時間である。焼
成は、電気炉、ガス炉等の加熱炉で行なうことができ
る。
【0031】次に、前記の組成の結晶性アルカリ金属
ケイ酸塩について説明する。
【0032】この結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、前記
一般式(2)で表されるものである。一般式(2)にお
いて、x’およびy’は、それぞれ1.7≦x’≦2.
2およびy’=0を満足することが好ましい。陽イオン
交換能は、100CaCO3mg/g以上、好ましくは
200〜400CaCO3 mg/gである。
【0033】前記結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、特開
昭60−227895号公報にその製法が記載されてお
り、一般的には無定形のガラス状ケイ酸ソーダを200
〜1000℃で焼成して結晶性とすることによって得ら
れる。合成方法の詳細は、例えば Phys. Chem. Glasse
s. 7, 127-138(1966)、 Z. Kristallogr., 129, 396-404
(1969) 等に記載されている。この結晶性アルカリ金属
ケイ酸塩は、例えばヘキスト社より商品名「Na-SKS-6」
(δ−Na2Si2O5) として、粉末状、顆粒状のものを入手
することができる。また、特開平7−187655号公
報にはナトリウムだけでなくカリウムを特定量含有させ
た結晶性アルカリ金属ケイ酸塩が開示されている。
【0034】本発明における結晶性アルカリ金属ケイ酸
塩は、イオン交換容量として好ましくは少なくとも10
0CaCO3 mg/g以上、さらに好ましくは200〜
600CaCO3 mg/gを有するものであり、また、
25℃で30分間攪拌した場合におけるSi溶出量がS
iO2 換算で通常110mg/gよりも少ないものが好
ましく、100mg/g以下のものがより好ましい。
【0035】本発明における結晶性アルカリ金属ケイ酸
塩以外の金属イオン封鎖剤としては、Caイオン捕捉能
が200CaCO3 mg/g以上のものが使用され、よ
り好ましくは300CaCO3 mg/g以上のものが用
いられる。本発明では、カルボン酸系ポリマーとゼオラ
イト等のアルミノケイ酸塩が好適である。
【0036】イオン捕捉能を有する重合体の具体例とし
ては、一般式(3):
【0037】
【化1】
【0038】(式中、X1 はメチル基、水素原子又はC
OOX3 基を示し、X2 はメチル基、水素原子または水
酸基を示し、X3 は水素原子、アルカリ金属イオン、ア
ルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンまたは2−
ヒドロキシエチルアンモニウムイオンを示す)で表され
る繰り返し単位を有する重合体があげられる。
【0039】一般式(3)において、アルカリ金属イオ
ンとしては、Na、K、Liイオン等があげられ、アル
カリ土類金属イオンとしては、Ca、Mgイオン等があ
げられる。
【0040】前記重合体は、例えばアクリル酸、(無
水)マレイン酸、メタクリル酸、α−ヒドロキシアクリ
ル酸、クロトン酸、イソクロトン酸またはその塩等の重
合、それらと他のモノマーとの重合によって得ることが
できる。このとき、重合に用いられる他のモノマーとし
ては、例えば、アコニット酸、イタコン酸、シトラコン
酸、フマル酸、ビニルホスホン酸、スルホン化マレイン
酸、ジイソブチレン、スチレン、メチルビニルエーテ
ル、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ペンテン、
ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル(重合後に加水分
解させた場合にはビニルアルコール)、アクリル酸エス
テル等が挙げられる。なお、重合方法には特に限定がな
く、公知の方法を用いることができる。
【0041】また、本発明においては、特開昭54−5
2196号公報に記載のポリグリオキシル酸等のポリア
セタールカルボン酸重合体を用いることもできる。
【0042】本発明において、前記重合体の重量平均分
子量は、好ましくは800〜100万であり、さらに好
ましくは5000〜20万である。
【0043】また、重合させる場合の一般式(3)の繰
り返し単位を与えるモノマーと他のモノマーとの比率も
特に限定がないが、好ましくは一般式(3)の繰り返し
単位を与えるモノマー/他の共重合モノマー(モル比)
が1/100〜90/10のである。
【0044】本発明の高密度粒状洗剤において、前記結
晶性シリケートの含有量は、結晶性シリケートが有する
高いアルカリ能、イオン交換能によって発現される優れ
た洗浄性能を得ることおよび保存時の水不溶分等の発生
を抑制する等の保存安定性の観点から、好ましくは1〜
50重量%、より好ましくは2〜30重量%、さらに好
ましくは5〜15重量%である。
【0045】また、本発明においては、金属イオン封鎖
剤として、Caイオン捕捉能が200CaCO3 mg/
g以上のカルボキシレート重合体および一般式(4): x”(M2 O)・Al2 3 ・y”(SiO2 )・w”(H2 O) (4) (式中、Mはナトリウム原子、カリウム原子等のアルカ
リ金属原子、x”、y”、w”は各成分のモル数を表
し、一般的には0.7≦x”≦1.5、0.8≦y”≦
6、w”は0〜20である)で表わされるイオン交換容
量が200CaCO3 mg/g以上のアルミノケイ酸塩
を含有するものが好ましい。
【0046】前記アルミノケイ酸塩としては、結晶性の
ものと非晶質のものとがあるが、結晶性のものとして
は、特に一般式: Na2 O・Al23 ・ySiO2 ・wH2 O (式中、yは1.8〜3.0の数を表し、wは1〜6の
数を表す。)で表されるものが好ましい。
【0047】結晶性アルミノケイ酸塩(ゼオライト)と
しては、A型、X型、P型ゼオライトに代表される平均
一次粒子径0.1〜10μmの合成ゼオライトを好適に
用いることができる。ゼオライトは、粉末、ゼオライト
スラリーまたはスラリーを乾燥させて得られるゼオライ
ト凝集乾燥粒子として用いてもよい。また前記形態を有
するゼオライトを組み合わせて用いてもよい。
【0048】前記結晶性アルミノケイ酸塩は、常法によ
り製造することができる。例えば、引用によりその開示
が本明細書に取り込まれる、特開昭50−12381号
公報および特開昭51−12805号公報に記載の方法
を用いることができる。
【0049】一方、前記結晶性アルミノケイ酸塩と同様
の一般式で示される、非晶質アルミノケイ酸塩は、常法
により製造することができる。例えば、SiO2 とM2
O(Mはアルカリ金属原子を意味する)のモル比がSi
2 /M2 O=1.0〜4.0であり、H2 OとM2
のモル比がH2 O/M2 O=12〜200であるケイ酸
アルカリ金属塩水溶液を用いて、これにM2 OとAl2
3 のモル比がM2 O/Al23 =1.0〜2.0で
あり、H2 OとM2 Oのモル比がH2 O/M2O=6.
0〜500である低アルカリアルミン酸アルカリ金属塩
水溶液を15〜60℃、好ましくは30〜50℃の温度
で強攪拌下に添加する。
【0050】次に、生成した白色沈澱物スラリーを好ま
しくは70〜100℃、さらに好ましくは90〜100
℃の温度で、好ましくは10分間以上10時間以下、さ
らに好ましくは5時間以下加熱処理し、その後濾過、洗
浄、乾燥することにより有利に得ることができる。この
ときの添加方法は、低アルカリアルミン酸アルカリ金属
塩水溶液にケイ酸アルカリ金属塩水溶液を添加する方法
であってもよい。
【0051】この方法により、イオン交換能100Ca
CO3 mg/g以上、吸油能80ml/100g以上の
非晶質アルミノケイ酸塩吸油担体を容易に得ることがで
きる(特開昭62−191417号公報、特開昭62−
191419号公報参照)。
【0052】その他の金属イオン封鎖剤としては、アミ
ノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリ
デン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ
(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ
(メチレンホスホン酸)、それらの塩、2−ホスホノブ
タン−1,2−ジカルボン酸の塩等のホスホノカルボン
酸の塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ
酸の塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩
等のアミノポリ酢酸塩などがあげられる。
【0053】クエン酸塩、コハク酸塩等の有機酸塩、カ
ルボキシルメチルセルロース等のその他再汚染防止剤、
JIS1、2もしくは3号珪酸ナトリウム等のアルカリ
金属珪酸塩等のアルカリ剤、硫酸ナトリウム等の増量
剤、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピ
ロリドン(PVP)およびポリビニルアルコール(PV
A)等の分散剤もしくは色移り防止剤(PVP)、過炭
酸ナトリウム等の漂白剤、特開平6−316700号公
報記載およびテトラアセチルエチレンジアミン(TAE
D)等の漂白活性化剤、プロテアーゼ、セルラーゼ、ア
ミラーゼ、リパーゼ等の酵素、ホウ素化合物、亜硫酸ナ
トリウム等の酵素安定剤、ビフェニル型、スチルベン型
の蛍光染料、シリコーン/シリカ系等の消泡剤、酸化防
止剤、青味付剤ならびに香料等の公知の成分を公知の配
合量で配合することができる。前記成分として、具体的
には特開平8−218093号公報に記載されているも
のを使用することができる。
【0054】また、本発明においては、前記漂白剤を必
要に応じて洗剤に漂白性能を付与し、しみ、汚れに対す
る洗浄性能を強化する観点から、有効酸素量で5重量%
以下で用いることができる。
【0055】さらに、本発明においては、炭酸ナトリウ
ムをアルカリ性を付与して良好な洗浄性能を得ることお
よび冷水中で溶解した洗剤粒子間に形成される炭酸ナト
リウムの水和結晶の量を適度に抑制する観点から、含有
量が1〜50重量%となるように調整して用いることが
好ましい。
【0056】次に、本発明の高密度粒状洗剤の物性につ
いて説明する。
【0057】本発明の高密度粒状洗剤の嵩密度は、JI
S K3362によって測定される。前記嵩密度は、洗
剤の使用量の低減を図り、また振出した時に粉立ちが発
生しないようにするために、0.5g/cm3 以上とさ
れ、また粒子間に適度の空隙を確保することおよび粒子
間接触点数の増加を抑制することで分散性を低下させな
いこと等の点から、1.2g/cm3 以下とされる。
【0058】本発明の高密度粒状洗剤においては、目開
きが2000μm、1410μm、1000μm、71
0μm、500μm、355μm、250μm、180
μmまたは125μmである9段の篩と受け皿を用いて
測定した重量50%径、粒子径125μm未満の粒子の
重量頻度および粒子径1410μm以上の粒子の重量頻
度、ならびに目開きが710μm、500μm、355
μmまたは250μmである篩の目開きをXとし、また
各篩上の積算篩上重量%をYとし、logXに対してl
og・log(100/Y)をプロットした時の最小2
乗近似直線の傾きZとの関係が以下の条件: (A)重量50%径が300μm以上でかつ700μm
未満の範囲内にあり、粒子径125μm未満の粒子の重
量頻度が13%以下で、粒子径1410μm以上の粒子
の重量頻度が8%以下であり、最小2乗近似直線の傾き
Zが1.8以上であること、(B)重量50%径が20
0μm以上でかつ300μm以下の範囲内にあり、粒子
径125μm未満の粒子の重量頻度が24%以下で、粒
子径1410μm以上の粒子の重量頻度が0%であり、
最小2乗近似直線の傾きZが2.1以上であること、ま
たは(C)重量50%径が700μmを越え、かつ80
0μm以下の範囲内にあり、粒子径125μm未満の粒
子の重量頻度が2%以下で、粒子径1410μm以上の
粒子の重量頻度が10%以下であり、最小2乗近似直線
の傾きZが2.1以上であることを満足する点に、1つ
の大きな特徴がある。
【0059】前記重量50%径(e)は、目開きが20
00μm、1410μm、1000μm、710μm、
500μm、355μm、250μm、180μmまた
は125μmである9段の篩と受け皿を用い、受け皿、
125μm、180μm、250μm、355μm、5
00μm、710μm、1000μm、1410μm、
2000μmの順番に受け皿および各篩上に重量頻度を
積算していくと、積算の重量頻度が50%以上となる最
初の篩の目開きをaμmとし、またaμmよりも一段大
きい篩の目開きをbμmとした時、受け皿からaμmの
篩までの重量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の重
量頻度をd%とした場合、式:e(重量50%径)=1

(50-(c-d/(log b-log a) x log b))/(d/(log b-log a)) にしたがって求めることができる。
【0060】また、前記粒子径125μm未満の粒子の
重量頻度および粒子径1410μm以上の粒子の重量頻
度は、受け皿上の重量頻度(125μm未満の粒子の重
量頻度)および1400μm以上の篩上の重量頻度を合
計し、1400μm以上の粒子の重量頻度とすることに
より、求めることができる。
【0061】また、各篩上の積算篩上重量%Yは、それ
ぞれの篩の径以上の篩上の粒子の重量頻度を合計するこ
とにより、求めることができる。
【0062】前記最小2乗近似直線の傾きZは、JIS
Z 8901に準じて求めることができる。
【0063】本発明においては、前記(A)〜(C)の
いずれかの条件が満足されているので、分散性および溶
解性に優れた高密度粒状洗剤が得られる。
【0064】なお、本発明においては、前記(A)の条
件は、より優れた分散性および溶解性を付与する観点か
ら、(D)重量50%径が300μm以上でかつ700
μm以下の範囲内にあり、粒子径125μm未満の粒子
の重量頻度が10%以下で、粒子径1410μm以上の
粒子の重量頻度が4%以下であり、最小2乗近似直線の
傾きZが2.1以上であることを満足することが好まし
く、さらに(E)重量50%径が300μm以上でかつ
700μm以下の範囲内にあり、粒子径125μm未満
の粒子の重量頻度が8%以下で、粒子径1410μm以
上の粒子の重量頻度が2%以下であり、最小2乗近似直
線の傾きZが2.4以上であることを満足することが特
に好ましい。
【0065】なお、本発明の高密度粒状洗剤を製造する
方法には、特に限定がなく、例えば、縦型ミキサーや横
型ミキサーなどによる攪拌転動造粒操作、押し出し機に
よって圧縮した組成物を粉砕機で解砕する操作等によっ
て圧密粒子を製造する際の操作条件を所望の粒度が得ら
れるように最適化する方法および前記の操作で製造した
圧密粒子に風力や篩で分級する操作を行なう方法等があ
げられる。その他、本発明においては、所望の粒度に近
似する粒度を有する粉体原料や噴霧乾燥物の中間原料を
使用して圧密粒子を製造する方法も、有効な方法の1つ
である。
【0066】また、本発明の所望の粒度に設計された優
れた分散性を有する高密度粒状洗剤は、洗剤投入ケース
から洗剤を注水によって洗濯槽に流入させる機構を有す
るドラム式洗濯機用洗剤としての使用にも適している。
【0067】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0068】製造例 粒状洗剤用成分の配合 実施例および比較例に用いられる粒状洗剤用成分(単
位:重量%)を表1に示す。
【0069】なお、表1に記載の粒状洗剤用成分は、以
下のことを示す。 1 LAS−Na:炭素数10〜14の直鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム 2 LAS−K:炭素数10〜14の直鎖アルキルベン
ゼンスルホン酸カリウム 3 AOS−Na:炭素数14〜18のα−オレフィン
スルホン酸ナトリウム 4 AOS−K:炭素数14〜18のα−オレフィンス
ルホン酸カリウム 5 AS−Na:炭素数12〜18のアルキル硫酸エス
テル塩 6 POE:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(エ
チレンオキサイド平均付加モル数:9) 7 石鹸:牛脂(炭素数14〜18)脂肪酸ナトリウム 8 PEG:ポリエチレングリコール(平均分子量10
000) 9 1号シリケート:1号珪酸ナトリウム(東曹産業
(株)製、固形分44重量%) 10 結晶性シリケート:SKS−6(ヘキスト社製、結
晶性珪酸塩、平均粒子径120μm、粒子径125μm
以上の粒子の含有率:45重量%)をハンマーミルで粉
砕したもの(平均粒子径30μm、粒子径125μm以
上の粒子の含有率:5重量%) 11 結晶性アルミノシリケート:4A型ゼオライト、平
均粒子径3μm(ゼオビルダー社製) 12 結晶質アルミノシリケート:イオン交換水に炭酸ナ
トリウムを溶解させ、66重量%濃度の水溶液を用意し
た。この水溶液132gとアルミン酸ソーダ水溶液(濃
度:50重量%)38.28gを容量1000mLの邪
魔板付き反応槽に入れた。得られた混合溶液に、強攪拌
下、2倍の水で希釈した3号水ガラス201.4gを4
0℃で20分間かけて滴下しつつ反応させた。この際、
CO2 ガスを吹き込むことによって反応系のpHをコン
トロールし(pH=10.5)、反応速度を最適化し
た。続いて、反応系を50℃まで加熱し、同温度で30
分間攪拌した。その後、反応系にCO2 ガスを吹き込
み、過剰のアルカリを中和した(pH:9.0)。得ら
れた中和スラリーを、濾紙(東洋濾紙(株)製、No.
5C)を用いて減圧下で濾過した。濾過ケーキを100
0倍の水で洗浄し、濾過乾燥(105℃、300tor
r、10時間)し、残部はそのまま(洗浄せずに)同条
件で乾燥した。さらに、解砕を行ない、非晶質アルミノ
シリケートを得た。なお、アルミン酸ソーダ水溶液は、
1000ml容量の4つ口フラスコにAl(OH)3
43gと48重量%NaOH水溶液298.7gを入れ
て混合し、攪拌下で110℃まで加熱し、30分間溶解
して調製した。 13 AA/MAコポリマー:Sokalan CP5
(BASF社アクチェンゲシェルシャフト製、アクリル
酸およびマレイン酸をモノマーとした共重合体、平均分
子量70000) 14 ポリアクリル酸Na:アクリル酸ナトリウムの重合
体、平均分子量10000 15 蛍光染料:チノパールCBS−X(チバガイギ社
製)とホワイテックスSA(住友化学工業(株)製)を
1/1の重量比で配合した。 16 酵素:セルラーゼ(花王(株)製、KAC 50
0)0.5重量%、プロテアーゼ(ノボノルディクス社
製、サビナーゼ 12.0T−W)0.5重量%および
リパーゼ(ノボノルディクス社製、リポラーゼ100
T)0.4重量%含有
【0070】
【表1】
【0071】 粒状洗剤の調製 A.〔表1に記載の組成ナンバー〜の配合組成のベ
ースサンプルの調製〕 表1に記載の組成ナンバー〜の配合組成の各原料の
うち、POEの配合量の50重量%、〜に関しては
結晶性アルミノシリケート配合量の50重量%、に関
しては結晶性アルミノシリケート配合量の80重量%、
酵素および過炭酸ナトリウムの全配合量を除く成分を含
む含水率48%のスラリーを調製し、向流式噴霧乾燥装
置にて乾燥し、嵩密度0.25〜0.32g/cm3
噴霧乾燥生地を得た。
【0072】次に、これらの噴霧乾燥生地をハイスピー
ドミキサー(深江工業(株)製、攪拌転動造粒機、ジャ
ケットを具備する)に投入し、〜に関しては結晶性
アルミノシリケート配合量の20重量%、に関しては
結晶性アルミノシリケート配合量の35重量%を加え、
70℃に加温した配合量の残りの50重量%のPOEを
スプレーで添加して造粒を行ない、さらに造粒終了60
秒前に〜に関しては結晶性アルミノシリケート配合
量の20重量%、に関しては結晶性アルミノシリケー
ト配合量の30重量%を加えて表面処理することによっ
て造粒物を得た。
【0073】なお、造粒操作中、ジャケットには40℃
の温水を流した。さらに得られた造粒物を2000μm
の目開きの篩で篩い分けし、2000μm以上の粗大粒
子はフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、粉砕
機)で2000μm以下に粉砕した後、篩を通過した造
粒物と混合した。
【0074】この篩い分け終了品に残りの結晶性アルミ
ノシリケートと酵素および過炭酸ナトリウムの全配合量
を加えてVブレンダーで乾式混合することにより、嵩密
度0.68〜0.79g/cm3 の粒状洗剤のベースサ
ンプルを得た。 B.〔表1に記載の組成ナンバーの配合組成のベース
サンプルの調製〕 ポリアクリル酸Na、PEG、硫酸ナトリウム、亜硫酸
ナトリウム、石鹸、蛍光染料の全配合量および結晶性ア
ルミノシリケート配合量の50重量%、炭酸ナトリウム
配合量の50重量%を含む含水率50%のスラリーを調
製し、向流式噴霧乾装置で乾燥し、嵩密度0.47g/
cm3 の噴霧乾燥生地を得た。
【0075】得られた噴霧乾燥生地と非晶質アルミノシ
リケート、結晶性シリケートの全配合量および炭酸ナト
リウム配合量の残りの50重量%をレディゲミキサー
(松阪技研(株)製、攪拌転動造粒機、ジャケットを具
備する)に投入し、攪拌を開始した。ジャケットには4
0℃の温水を流した。70℃に加温したPOEの全配合
量をスプレーで添加して造粒を行なった。
【0076】さらに、造粒終了60秒前に結晶性アルミ
ノシリケート配合量の20重量%を加えて表面処理する
ことにより造粒物を得た。得られた造粒物を2000μ
mの目開きの篩で篩い分けし、粒子径2000μm以上
の粗大粒子に結晶性アルミノシリケート配合量の20重
量%を加えてパルベライザー(ホソカワミクロン(株)
製、粉砕機)で粉砕した後に篩通過物と混合した。この
篩い分け終了品に残りの結晶性アルミノシリケートと酵
素の全配合量を加えてVブレンダーで乾式混合すること
により、嵩密度0.81g/cm3 の粒状洗剤のベース
サンプルを得た。
【0077】実施例および比較例〔粒状洗剤の製造〕 製造例で得られた組成ナンバー〜のベースサンプル
を用いて粒状洗剤を以下の方法に従って製造した。
【0078】組成ナンバー〜のベースサンプルそれ
ぞれについて、2000μm、1410μm、1000
μm、710μm、500μm、355μm、250μ
m、180μm、125μmの9段の篩と受け皿を用い
て分級操作を行なった。分級操作は、受け皿に目開きの
小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部
の2000μmの篩の上から100g/回のベースサン
プルを入れ、蓋をしてロータップマシーン(HEIKO
SEISAKUSHO製、タッピング:156回/
分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間
振動させた後、それぞれの篩および受け皿上に残留した
サンプルを篩目ごとに回収する操作を行なった。
【0079】この操作を繰すことによって1410〜2
000μm(1410μmon)、1000〜1410
μm(1000μmon)、710〜1000μm(7
10μmon)、500〜710μm(500μmo
n)、355〜500μm(355μmon)、250
〜355μm(250μmon)、180〜250μm
(180μmon)、125〜180μm(125μm
on)、皿〜125μm(125μm.pass)の各
粒子径の分級サンプルを得た。
【0080】続いて、この操作によって得られた各分級
サンプルを表2〜6に示した粒度分布の重量頻度に従っ
てそれぞれのサンプルが200gとなるように秤量し、
調合し、ロッキングミキサー(愛知電機(株)製)で2
分間混合することによって種々の粒度分布を有するサン
プルを調製した。
【0081】また、表2〜6に示した粒度分布の重量頻
度は、710μm、500μm、355μmおよび25
0μmのそれぞれの篩の目開きXの対数logXに対し
て、log・log(100/Y)をプロットした時の
最小2乗近似直線の傾きZを1.5〜2.7および重量
50%径を150〜850μmの範囲で変動させたもの
である。
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】実験例1〔洗剤の分散性評価〕 〔分散性評価1〕松下電器産業(株)製、全自動洗濯機
「愛妻号 NA−F42Y1」のパルセータの6分割さ
れた扇状の窪みの1つの外周に近い部分に洗剤サンプル
25gを集合状態で置き、洗剤集合体を崩さないように
衣料1.5kg(木綿肌着50重量%、ポリエステル/
綿混Yシャツ50重量%)を洗濯槽に投入し、洗剤に直
接水が当らないように10L/minの流量で5℃の水
道水22Lを注水し、注水終了後に静置した。
【0088】注水開始から3分間後、弱水流(手洗いモ
ード)で撹拌を開始し、3分間撹拌した後に排水し、衣
料および洗濯槽に残留する洗剤の状態を下記の評価基準
によって目視判定した。
【0089】なお、本評価で用いた弱い撹拌力は標準よ
りも極めて弱く、以下の評価基準の◎および○は優れた
分散性を有していることを示している。
【0090】また、以下の評価基準に記載の「凝集物」
とは、洗剤粒子が凝集した直径3mm以上の塊をいう。
【0091】〔評価基準〕 ◎:洗剤粒子の凝集物がない。 ○:洗剤粒子の凝集物が殆どない(直径3mm程度の塊
が1〜5個認められる)。 △:洗剤粒子の凝集物が少量残留している(直径6mm
程度の塊が認められ、直径3〜10mmの塊が10個以
下認められる)。 ×:洗剤粒子の凝集物が多量に残留している(直径6m
mを越える塊が多数認められる)。
【0092】〔分散性評価2〕前記分散性評価1の注水
開始から攪拌開始までの時間を5分間に延長して、前記
分散性評価1と同様の評価を行なった。
【0093】〔分散性評価3〕前記分散性評価2の注水
開始から攪拌開始までの時間を7分間にさらに延長し、
前記分散性評価2と同様の評価を行なった。
【0094】前記分散性評価においては、注水開始から
静置の間に洗剤集合体は、物理的な機械力を殆ど受けな
い環境で水にさらされることによって水の浸透およびペ
ースト化による凝集が経時的に進行するため、前記分散
性評価1、分散性評価2、分散性評価3の順に評価が過
酷になっている。
【0095】本発明においては、前記分散性評価1にお
いて、その評価が◎および○以上のものが優れた分散性
を有していることを示す。
【0096】なお、洗剤集合体の凝集力が弱いものほ
ど、攪拌開始後の分散性が良好となる。
【0097】実験例2〔洗剤の溶解性評価〕 〔溶解性評価1〕松下電器産業(株)製、全自動洗濯機
「愛妻号 NA−F42Y1」に衣料2kg(木綿肌着
50重量%、ポリエステル/綿混Yシャツ50重量%)
を投入した後、洗剤サンプル26.7gを散布投入し、
中水位(40L)の設定で5℃の水道水を注水し、標準
水流で12分間の洗濯を行なった。
【0098】洗濯行程終了後に排出される洗濯排水を5
00μm篩で濾過し、篩上に残留する洗剤量を下記評価
基準に基づいて目視判定した。
【0099】本評価で用いた5℃の水温は、粒子の溶解
性に不利な条件であり、評価結果の◎および○は、特に
優れた粒子溶解性を有していることを示す。
【0100】なお、以下の評価基準に記載のカッコ内の
数値は篩上の残留粒子の目視面積を示す。
【0101】〔評価基準〕 ◎:洗剤粒子の残留がない。 ○:洗剤粒子の残留が殆どない(およそ4cm2 未満の
残留量)。 △:洗剤粒子が少量残留している(およそ4〜16cm
2 の残留量)。 ×:洗剤粒子が多量に残留している(およそ16cm2
を越える残留量)。
【0102】〔溶解性評価2〕前記溶解性評価1の洗濯
時間を9分間に短縮して、前記溶解性評価1と同様の評
価を行なった。
【0103】〔溶解性評価3〕前記溶解性評価1の洗濯
時間を6分間に短縮して、前記溶解性評価1と同様の評
価を行なった。
【0104】本評価においては、洗剤粒子の溶解は、洗
濯行程での水流や衣料との接触等によって経時的に進行
するため、溶解性評価1よりも洗濯時間が短い溶解性評
価2、さらには溶解性評価3が過酷な試験である。
【0105】〈洗剤の分散性及び溶解性の評価結果〉表
1の配合組成(組成ナンバー〜)で調製した洗剤を
ベースにして粒度分布を変動させた表2〜6(サンプル
ナンバー(1)〜(75))の洗剤サンプルについての
分散性および溶解性の評価結果を表7〜24に示す。
【0106】表7〜24には、参照としてサンプルの重
量50%径および710μm、500μm、355μ
m、250μmのそれぞれの篩の目開きXの対数log
Xに対して、log・log(100/Y)をプロット
した時の最小2乗近似直線の傾きZを記載した。
【0107】
【表7】
【0108】
【表8】
【0109】
【表9】
【0110】
【表10】
【0111】
【表11】
【0112】
【表12】
【0113】
【表13】
【0114】
【表14】
【0115】
【表15】
【0116】
【表16】
【0117】
【表17】
【0118】
【表18】
【0119】
【表19】
【0120】
【表20】
【0121】
【表21】
【0122】
【表22】
【0123】
【表23】
【0124】
【表24】
【0125】表7〜24に示された結果から明らかなよ
うに、洗剤の分散性(分散性評価)は、重量50%径を
大きくするほど良好になり、同じ重量50%径であれば
最小2乗近似直線の傾きZを大きくするほど良好になる
傾向があることがわかる。
【0126】一方、洗剤の粒子溶解性(溶解性評価)は
重量50%径を小さくするほど良好になり、同じ重量5
0%径であれば最小2乗近似直線の傾きZを大きくする
ほど良好になる傾向があることがわかる。
【0127】洗剤の分散性と粒子溶解性の両方に優れた
本発明の実施例は、分散性評価1と溶解性評価1との結
果の組み合わせが、いずれも◎評価であるか、または◎
と○との評価もしくは○と◎との評価となっている。
【0128】本発明において、より好ましい実施例は、
分散性評価2の溶解性評価2との結果が前記組み合わせ
であり、さらに好ましい実施例は、分散性評価3と溶解
性評価3との結果が前記組み合わせである。
【0129】
【発明の効果】本発明の高密度粒状洗剤によれば、特に
冷水を用いて洗濯した場合に生じるペーストの残留およ
び粒子の残留を生じず、分散性および粒子の溶解性に優
れるという効果が奏される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤3〜50重量%を含有し、嵩
    密度が0.5〜1.2g/cm3 である高密度粒状洗剤
    であって、目開きが2000μm、1410μm、10
    00μm、710μm、500μm、355μm、25
    0μm、180μmまたは125μmである9段の篩と
    受け皿を用いて測定した重量50%径、粒子径125μ
    m未満の粒子の重量頻度および粒子径1410μm以上
    の粒子の重量頻度、ならびに目開きが710μm、50
    0μm、355μmまたは250μmである篩の目開き
    をXとし、また各篩上の積算篩上重量%をYとし、lo
    gXに対してlog・log(100/Y)をプロット
    した時の最小2乗近似直線の傾きZとの関係が以下の条
    件: (A)重量50%径が300μm以上でかつ700μm
    以下の範囲内にあり、粒子径125μm未満の粒子の重
    量頻度が13%以下で、粒子径1410μm以上の粒子
    の重量頻度が8%以下であり、最小2乗近似直線の傾き
    Zが1.8以上であること、(B)重量50%径が20
    0μm以上でかつ300μm未満の範囲内にあり、粒子
    径125μm未満の粒子の重量頻度が24%以下で、粒
    子径1410μm以上の粒子の重量頻度が0%であり、
    最小2乗近似直線の傾きZが2.1以上であること、ま
    たは(C)重量50%径が700μmを越え、かつ80
    0μm以下の範囲内にあり、粒子径125μm未満の粒
    子の重量頻度が2%以下で、粒子径1410μm以上の
    粒子の重量頻度が10%以下であり、最小2乗近似直線
    の傾きZが2.1以上であることを満足することを特徴
    とする高密度粒状洗剤。
  2. 【請求項2】 (D)重量50%径が300μm以上で
    かつ700μm以下の範囲内にあり、粒子径125μm
    未満の粒子の重量頻度が10%以下で、粒子径1410
    μm以上の粒子の重量頻度が4%以下であり、最小2乗
    近似直線の傾きZが2.1以上である請求項1記載の高
    密度粒状洗剤。
  3. 【請求項3】 (E)重量50%径が300μm以上で
    かつ700μm以下の範囲内にあり、粒子径125μm
    未満の粒子の重量頻度が8%以下で、粒子径1410μ
    m以上の粒子の重量頻度が2%以下であり、最小2乗近
    似直線の傾きZが2.4以上である請求項1記載の高密
    度粒状洗剤。
  4. 【請求項4】 炭酸ナトリウム1〜50重量%を含有し
    てなる請求項1〜3いずれか記載の高密度粒状洗剤。
  5. 【請求項5】 結晶性シリケート1〜50重量%を含有
    してなる請求項1〜4いずれか記載の高密度粒状洗剤。
  6. 【請求項6】 界面活性剤5〜45重量%を含有してな
    る請求項1〜5いずれか記載の高密度粒状洗剤。
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