JPH10195485A - 高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法 - Google Patents

高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法

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JPH10195485A
JPH10195485A JP385497A JP385497A JPH10195485A JP H10195485 A JPH10195485 A JP H10195485A JP 385497 A JP385497 A JP 385497A JP 385497 A JP385497 A JP 385497A JP H10195485 A JPH10195485 A JP H10195485A
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crystalline silicate
composition
weight
soap
bulk density
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JP385497A
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Yasuhiro Murakami
泰寛 村上
Hitoshi Tanimoto
均 谷本
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より洗浄力に優れた結晶性珪酸塩を含有する
高嵩密度洗剤組成物が得られる方法を提供する。 【解決手段】 石鹸を含有する組成物で被覆された結晶
性珪酸塩(a)及びアニオン性界面活性剤(b)を必須
として含有するスラリーを乾燥して調製した生成物を造
粒して高嵩密度粒状洗剤組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高嵩密度粒状洗剤
組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】衣料用洗剤は、消費者の生活様式の変化
や社会的要請を受けて、製品のコンパクト化、無リン
化、生分解性原料の使用等の進展を見せており、その技
術開発も基本的な洗浄性能の向上は当然として、それ以
外の環境問題、省エネルギー、省資源等を考慮に入れた
開発にも注力されている。例えば、製品のコンパクト化
においては、1980年代後半に、従来の噴霧乾燥法等
により調製された低密度洗剤から、この低密度洗剤を造
粒等の種々の方法で、高密度化させた洗剤へと移行して
いった。又、無リン化においては、環境水域の富栄養化
の問題から、縮合リン酸塩の配合量は、大幅に削減又は
削除されるようになり、現在では、縮合リン酸塩の代わ
りに特定の結晶構造を有するゼオライトを用いた無リン
洗剤が主流を占めるに至っている。
【0003】一方、当然のことながら、洗浄性能の更な
る向上を目指した開発も精力的に行われており、例え
ば、優れたアルカリ緩衝能及びビルダー能を有する特定
の結晶構造を有する結晶性珪酸塩の開発等が挙げられ
る。しかし、そのような結晶性珪酸塩を配合した高嵩密
度洗剤において、水分により結晶性珪酸塩の結晶構造が
一部崩壊することにより洗浄力が低下する場合があり、
今までは結晶性珪酸塩の組成や配合方法等の制約があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、結晶性
珪酸塩を含有する高嵩密度洗剤の調製方法として、以前
に特定の粒径を有する結晶性珪酸塩を噴霧乾燥粒子を造
粒する際に添加する方法や、特定の組成を有する結晶性
珪酸塩をスラリー中に配合する方法を提案したが、これ
らの方法は、共に結晶性珪酸塩の結晶構造の崩壊を抑制
することで、水不溶物の生成や長期に保存した後の洗浄
性の低下を抑制することを目的としていた。しかし、こ
れらの方法で得られる洗剤組成物は、所期の洗浄性能に
おいては結晶性珪酸塩の性能を最大限に発揮できるもの
ではなく、洗浄力の向上という面では必ずしも充分なも
のではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本研究者らは、上記の問
題を解決すべく鋭意研究の結果、(a)石鹸を含有する
組成物で被覆された結晶性珪酸塩、(b)アニオン性界
面活性剤を必須として含有するスラリーを乾燥して調製
した生成物を造粒することにより得られる高嵩密度粒状
洗剤が、洗浄性能に優れることを見いだし、本発明を完
成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、石鹸を含有する組成物
で結晶性珪酸塩を被覆する工程と、石鹸を含有する組成
物で被覆された結晶性珪酸塩(a)及びアニオン性界面
活性剤(b)を必須として含有するスラリーを調製する
工程と、当該スラリーを乾燥して調製した生成物を造粒
する工程を含むことを特徴とする高嵩密度粒状洗剤組成
物の製造方法を提供するものである。
【0007】また、本発明は、石鹸を含有する組成物で
被覆された結晶性珪酸塩(a)及びアニオン性界面活性
剤(b)を必須として含有することを特徴とする高嵩密
度粒状洗剤組成物を提供するものである。
【0008】本発明の製造方法は、石鹸を含有する組成
物で被覆された結晶性珪酸塩(a)及びアニオン性界面
活性剤(b)を必須成分として含有するスラリーを乾燥
して調製した生成物を造粒することを特徴し、結晶性珪
酸塩を被覆する石鹸を含有する組成物の重量は、結晶性
珪酸塩に対して20〜50重量%、且つ、最終洗剤組成
物中での石鹸を含有する組成物で被覆された結晶性珪酸
塩(a)及びアニオン性界面活性剤(b)の配合量が各
々1〜8重量%、15〜30重量%が好ましく、更には
本発明に用いられる結晶性珪酸塩は、以下の組成を有す
るものが好ましい。
【0009】x(M2O)・y(SiO2)・z(Mem
n)・w(H2O) 〔式中、 M:周期律表のIa族元素 Me:周期律表のIIa族元素、IIb族元素、IIIa族元
素、IVa族元素又はXIII族元素から選ばれる少なくとも
1種の元素 y/x=1.0〜1.8 z/x=0.01〜1.0 n/m=0.5〜2.0 w=0〜20 を表す。〕。
【0010】本発明に用いられる上記一般式で表される
結晶性珪酸塩は、0.1重量%分散液において11以上
のpHを示し、優れたアルカリ能を示す。また、1リッ
トルのイオン交換水に結晶性珪酸塩0.1g添加した
後、3分間攪拌を行い、珪酸塩を十分に溶解もしくは分
散させた後の溶液のpHが11以上であり、更にこの溶
液に0.1規定の塩酸を添加していきpHが10になる
までの量が少なくとも3ml以上であるようなアルカリ
緩衝能を示すものである。
【0011】本発明に用いられる結晶性珪酸塩として
は、アルカリ金属珪酸塩が好ましく、特にSiO2/M2
O(但し、Mはアルカリ金属を表す。)が1.0〜2.
6であるものが用いられる。一方、特開昭60−227
895号公報で用いられる結晶性珪酸塩は、SiO2
Na2O比(S/N比)が1.9〜4.0であるが、本
発明においてS/N比が2.6を越える珪酸塩は洗浄力
が低下し、また1.0以下の場合は、粉末物性が低下す
る場合があり、注意を要する。
【0012】上記一般式において、Mは周期律表のIa
族元素から選ばれ、Ia族元素としてはNa、K等が挙
げられる。これらは単独であるいは例えばNa2OとK2
Oとが混合してM2O成分を構成していてもよい。Me
は周期律表のIIa,IIb,IIIa,IVaまたはVIII族元素から選
ばれ、例えばMg、Ca、Zn、Y、Ti、Zr、Fe
等が挙げられる。これらは特に限定されるものではない
が、資源及び安全上の点から好ましくはMg、Caであ
る。また、これらは単独であるいは2種以上混合してい
てもよく、例えばMgO、CaOなどが混合してMem
n成分を構成していてもよい。また、本発明における
結晶性珪酸塩においては、水和物であってもよく、この
場合の水和量はw=0〜20の範囲である。
【0013】また、上記一般式においてy/xは1.0
〜1.8であり、好ましくは1.6〜1.8である。y
/xが1.0未満では、ケーキング性などの洗剤組成物
の粉末物性に悪影響を及ぼす。y/xが1.8を越える
と、洗浄力が低下する。z/xは0.01〜1.0であ
り、好ましくは0.02〜0.9である。z/xが0.
01未満では耐水溶性が不十分であり、1.0を越える
とイオン交換能が低くなり、イオン交換体として不十分
である。x,y,zは前記のy/x及びz/xに示され
るような関係であれば、特に限定されるものではない。
なお、前記のようにxM2Oが例えばx' Na2O・x”
2Oとなる場合は、xはx'+x”となる。このような
関係は、zMemn成分が2種以上のものからなる場合
におけるzにおいても同様である。また、n/m=0.
5〜2.0は、当該元素に配位する酸素イオン数を示
し、実質的には0.5、1.0、1.5、2.0の値か
ら選ばれる。
【0014】本発明における結晶性珪酸塩は、前記の一
般式に示されるようにM2O、SiO2 、Memnの三
成分よりなっている。したがって、本発明における結晶
性珪酸塩を製造するには、その原料として各成分が必要
になるが、本発明においては特に限定されることなく公
知の化合物が適宜用いられる。例えば、M2O成分、M
mn成分としては、各々の当該元素の単独あるいは複
合の酸化物、水酸化物、塩類、当該元素含有鉱物が用い
られる。具体的には例えば、M2O成分の原料として
は、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Na2
SO4等が、Memn成分の原料としては、CaC
3 、MgCO3、Ca(OH)2、Mg(OH)2、Mg
O、ZrO2、ドロマイト等が挙げられる。SiO2成分
としてはケイ石、カオリン、タルク、溶融シリカ、珪酸
ソーダ等が用いられる。
【0015】本発明における前記一般式で表される結晶
性珪酸塩の調製方法は、目的とする結晶性珪酸塩のx,
y,zの値となるように所定の量比で上記の原料成分を
混合し、通常、300〜1500℃、好ましくは500
〜1000℃、さらに好ましくは600〜900℃の範
囲で焼成して結晶化させる方法が例示される。この場
合、加熱温度が300℃未満では結晶化が不十分で耐水
溶性に劣り、1500℃を越えると粗大粒子化しイオン
交換能が低下する。加熱時間は通常0.1〜24時間で
ある。このような焼成は、通常、電気炉、ガス炉等の加
熱炉で行う事ができる。
【0016】本発明における前記一般式で表される結晶
性珪酸塩は、イオン交換容量として少なくとも100C
aCO3mg/g以上、好ましくは200〜600Ca
CO3mg/gを有するものである。
【0017】また、水へのSi溶出量はSiO2 換算で
通常110mg/g以下であり、実質的に水に不溶であ
る。なお、本発明において実質的に水に不溶であると
は、試料2gをイオン交換水100g中に加え、25℃
で30分攪拌した場合におけるSi溶出量がSiO2
算で通常110mg/gより少ないものをいうが、本発
明においては、100mg/g以下のものが、本効果を
満たす上でより好ましい。
【0018】本発明において、前記の組成の結晶性珪酸
塩は、それぞれ単独であるいは2種以上を併用して用い
ることができる。
【0019】本発明では上記した一般式のような結晶性
珪酸塩を用いることで、洗剤スラリーに配合しても好適
な洗浄力を得ることができる。
【0020】本発明の製造方法では、結晶性珪酸塩をス
ラリーに配合するため、結晶性珪酸塩の平均粒径は、例
えば100μmまで粉砕する必要はなく、500μmの
ものでも配合が可能であるが、結晶性珪酸塩の平均粒径
は5〜100μmが好ましく、特に10〜80μmが好
ましい。また、結晶性珪酸塩は、粒径125μm以上の
粒子の割合が10重量%以下、特に5重量%以下である
ことが望ましい。
【0021】本発明の製造方法は、石鹸を含有する組成
物で被覆された結晶性珪酸塩(a)、アニオン性界面活
性剤(b)を必須成分とし、必要に応じて配合される任
意成分、例えば洗剤ビルダー、硬水軟化剤、再汚染防止
剤を含有するスラリーを調製し、公知の方法、例えば、
ドラム乾燥、気流乾燥、真空薄膜乾燥で乾燥するか、好
ましくは、向流式噴霧乾燥装置等により噴霧乾燥粒子と
して乾燥洗剤生地を調製する。
【0022】このスラリー中に含有される結晶性珪酸塩
は、石鹸を含有する組成物で被覆されているが、その被
覆方法は、例えば以下のような方法が挙げられる。振動
ミルに結晶性珪酸塩を投入し、粉砕する。この粉砕工程
途中で噴霧可能な粘性にする為に融点以上に加熱された
脂肪酸を噴霧し、結晶性珪酸塩の表面に付着、展開され
る。その時、この脂肪酸は結晶性珪酸塩のアルカリ性に
より、全部或いは一部が石鹸に変化する。石鹸となる脂
肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸等の不飽
和脂肪酸が挙げられる。また、ヤシ油、パーム油、オリ
ーブ油、牛脂、魚油等の動物性或いは植物性油脂に由来
する脂肪酸を使用することができる。これらは単独でも
二種以上を混合して用いてもよい。
【0023】また、結晶性珪酸塩を被覆する組成物の必
須成分は石鹸であるが、結晶性珪酸塩の結晶構造がスラ
リー中の水分によって崩壊されないのに充分な被覆性を
維持することが可能な成分を添加することは可能であ
る。この種の添加剤としては、ノニオン性界面活性剤が
挙げられ、脂肪酸が結晶性珪酸塩のアルカリ性により、
石鹸に変化することを考慮に入れて、例えば、脂肪酸と
ノニオン性界面活性剤を結晶性珪酸塩の粉砕工程途中で
噴霧することで、石鹸を含有する組成物で被覆すること
も可能である。この様なノニオン性界面活性剤として、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。具体的
には、炭素数10〜20、好ましくは炭素数10〜1
6、平均炭素数12〜14の直鎖又は分岐鎖で1級又は
2級のアルコールに、エチレンオキサイドを平均付加モ
ル数5〜15、好ましくは6〜12で付加させたポリオ
キシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。上記記
載のポリオキシエチレンアルキルエーテルは、一般にエ
チレンオキサイド低付加モル数のアルキルエーテルを多
量に含有しているが、0〜3モル付加物が35重量%以
下、好ましくは25重量%以下のものを使用することが
望ましい。その他、ノニオン性界面活性剤としては、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひ
まし油、アルキルグリコシド高級脂肪酸アルカノールア
ミド等が挙げられる。これらのノニオン性界面活性剤を
1種類のみで添加することも、数種類で添加すること
も、充分な被覆性を維持することが出来れば、何ら問題
はない。また、結晶性珪酸塩は、1粒子ごとに被覆され
る必要はなく、スラリー中の水分によって結晶構造が崩
壊しないように被覆されており、且つ、この後の工程、
例えば、乾燥や造粒に影響を及ぼさない程度の凝集体で
あれば、何ら問題はない。
【0024】この様な方法で調製された結晶性珪酸塩
は、石鹸を含有する組成物で被覆されている為、スラリ
ー中で、水分により結晶構造が崩壊することは、殆どな
いので、洗浄性能の面からはスラリーの水分量を制御す
る必要はないが、生産面及び製造面を考慮すると、スラ
リーの水分量は35〜50重量%が好ましい。
【0025】また、石鹸を含有する組成物による結晶性
珪酸塩への被覆量は、結晶性珪酸塩に対して20〜50
重量%であり、この被覆量が20重量%未満では、スラ
リー中において、水分による結晶性珪酸塩の結晶構造が
崩壊するのを抑制するのに充分な量ではなく、また50
重量%を越えると結晶性珪酸塩の洗濯時における溶出速
度が大幅に遅延となり、結晶性珪酸塩のアルカリ緩衝能
及びビルダー能が充分に発揮されず、充分な洗浄性が得
られない為、共に好ましくない。
【0026】更に、被覆された結晶性珪酸塩(a)の配
合量は、最終洗剤組成物中に1〜8重量%であり、これ
が1重量%未満では充分な洗浄性が発揮されず、また8
重量%を越えると、そのスラリーを乾燥して調製した生
成物の粉末物性が悪化し、その後の造粒行程での生産性
が大きく低下する為、共に好ましくない。
【0027】また、被覆された結晶性珪酸塩(a)の平
均粒径は50μm以下が好ましく、25μm以下がより
好ましい。
【0028】本発明でスラリー中に含有される必須の成
分であるアニオン性界面活性剤(b)としては、通常、
洗剤に配合されるものであれば、いずれも使用でき、限
定されない。具体的には、アルキル鎖の炭素数が8〜2
2のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアル
ケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸
塩、αースルホ脂肪酸塩又はエステル塩、αーオレフィ
ンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽
和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン
酸塩、アミノ酸型界面活性剤、Nーアシルアミノ酸型界
面活性剤、アルキル又はアルケニルリン酸エステル又は
その塩が例示される。
【0029】これらのアニオン性界面活性剤(b)の最
終洗剤組成物中の配合量は20〜40重量%であり、こ
の配合量が20重量%未満では、このスラリーから調製
された高嵩密度洗剤の洗浄力が悪く、また40重量%を
越えると、スラリーを乾燥して調製した生成物の粘着性
が大きく上昇する為、造粒工程での生産性が低下する
為、共に好ましくない。
【0030】次いで、石鹸を含有する組成物で被覆され
た結晶性珪酸塩(a)とアニオン性界面活性剤(b)を
含有するスラリーを乾燥して調製した乾燥粒子を造粒す
る方法としては、この乾燥粒子を他の洗剤原料と共に竪
型あるいは横型の撹拌造粒機に投入して、さらにノニオ
ン性界面活性剤を添加し、撹拌造粒する方法や、噴霧乾
燥粒子と他の洗剤原料及びノニオン性界面活性剤をニー
ダーやリボンミキサー等で混合した後に押し出し成形機
で円柱状に圧密成形したり、2本のロールの間を通じて
シート状に圧密成形し、これらの圧密成形体をハンマー
ミルやカッターミルやスピードミル等の粉砕造粒機で粒
状化する方法等が挙げられる。
【0031】本発明の高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方
法は、上記のように、石鹸を含有する組成物で被覆され
た結晶性珪酸塩(a)及びアニオン性界面活性剤(b)
を必須として含有するスラリーを乾燥して調製した生成
物を造粒することを特徴とするが、最終洗剤組成物中に
は、これら必須成分の他に任意の配合成分が含まれるよ
う、スラリー中や造粒時等の任意の段階で任意成分を添
加することができる。任意成分としては、結晶性或いは
非晶性アルミノ珪酸塩、無水マレイン酸とアクリル酸又
はオレフィンとのコポリマー等のビルダー、ニトリロ三
酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩等の硬
水軟化剤、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止
剤、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ
等の酵素、亜硫酸塩等の還元剤、過炭酸ソーダ、過硝酸
ソーダ等の漂白剤、蛍光増白剤、香料等の洗剤常用成分
が挙げられる。
【0032】本発明の高嵩密度粒状洗剤組成物は、石鹸
を含有する組成物で被覆された結晶性珪酸塩(a)及び
アニオン性界面活性剤を必須として含有し、結晶性珪酸
塩が水分の影響により崩壊しにくく、良好な洗浄力を示
す。
【0033】
【発明の実施の形態】以下実施例により本発明をより詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0034】実施例1 <石鹸を含有する組成物で被覆された結晶性珪酸塩の調
製方法>結晶性珪酸塩をHB−O型振動ミル〔中央化工
(株)製〕に投入し、一定時間粉砕している間に、結晶
性珪酸塩に対して重量比で30重量%に当たる脂肪酸、
ノニオン性界面活性剤及びポリエチレングリコールの混
合物(以下、被覆剤組成物という場合もある)を噴霧す
る。結晶性珪酸塩のアルカリ性により、脂肪酸は全部、
或いは一部が石鹸に変化し、その結果、この工程中で粉
砕された結晶性珪酸塩は、石鹸を含有する組成物で被覆
される。また、結晶性珪酸塩に対する被覆剤組成物の量
を変化させて、表1に示すような組成となるように種々
の被覆結晶性珪酸塩を得た。
【0035】◎被覆剤組成物の組成 牛脂(C14-18)脂肪酸 ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、アルキル基の平均炭素数12、エチレンオキ
サイドの平均付加モル数8.5) ポリエチレングリコール(平均分子量8000) //=35/55/10(重量比)。
【0036】<高嵩密度粒状洗剤組成物の調製>表1の
組成物No.1は、次の方法で調製した。表1に示す成
分のうち、ノニオン性界面活性剤配合量の50%分、結
晶性アルミノ珪酸塩配合量の60%分及び酵素の全配合
量を除く成分から、含水率45重量%のスラリーを調製
し、それを向流式噴霧乾燥装置で噴霧乾燥して粉末粒子
を得る。次に、この噴霧乾燥して調製した乾燥粒子をハ
イスピードミキサー(撹拌転動造粒機、深江工業株式会
社製)に投入し、結晶性アルミノ珪酸塩配合量の20%
分及び残りのノニオン性界面活性剤50%分を加えて造
粒し、更に、結晶性アルミノ珪酸塩配合量の30%分を
加えて造粒する。この様にして得られた粉末に残りの結
晶性アルミノ珪酸塩と酵素の全配合量を乾式混合するこ
とで、高嵩密度粒状洗剤組成物を調製した。その他の組
成物についても上記スキームに従い、各配合割合をもっ
て高嵩密度粒状洗剤組成物を調製した。
【0037】<洗浄力試験>上記で得られた洗剤組成物
を用いて以下の条件で洗浄試験を行った。その結果を表
1に示す。 (人工汚染布の調製)下記組成の人工汚染液を布に付着
して人工汚染布を調製した。人工汚染液の布への付着
は、グラビアロールコーターを用いて人工汚染液を布に
印刷することで行った。人工汚染液を布に付着させ人工
汚染布を作製する工程は、グラビアロールのセル容量5
8cm3 /cm2 、塗布速度1.0m/min、乾燥温
度100℃、乾燥時間1分で行った。布は木綿金巾20
03布(谷頭商店製、10cm×10cm)を使用し
た。 〔人工汚染液の組成〕 ラウリン酸 0.44重量% ミリスチン酸 3.09重量% ペンタデカン酸 2.31重量% パルミチン酸 6.18重量% ヘプタデカン酸 0.44重量% ステアリン酸 1.57重量% オレイン酸 7.75重量% トリオレイン酸 13.06重量% パルミチン酸n−ヘキサデシル 2.18重量% スクアレン 6.53重量% 卵白レシチン液晶物 1.94重量% 鹿沼赤土 8.11重量% カーボンブラック 0.01重量% 水道水 バランス。
【0038】(洗浄条件及び評価方法)評価用洗剤水溶
液1リットルに、上記で作成した10cm×10cmの
人工汚染布を5枚入れ、ターゴトメーターにて回転数1
00rpmで洗浄した。洗浄条件は次の通りである。 ・洗濯時間 10分 ・洗剤濃度 0.067% ・水の硬度 4°DH ・水温 20℃ ・すすぎ 水道水にて5分間 洗浄力は、汚染前の原布及び洗浄前後の汚染布の550
nmにおける反射率を自記色彩計(島津製作所製)にて
測定し、次式によって洗浄率(%)を求め、5枚の測定
平均値を洗浄力として示した。
【0039】
【数1】
【0040】
【表1】
【0041】(注) ・LAS−Na塩:直鎖アルキル(C10-13)ベンゼンス
ルホン酸ナトリウム ・AS−Na塩:アルキル硫酸ナトリウム(C12アルコ
ール50%及びC14アルコール50%の混合アルコール
の硫酸化物) ・α−SFE−Na塩:アルキル基の炭素数14〜16
のα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム ・石鹸:牛脂(C14-18)脂肪酸ナトリウム ・ノニオン:ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔ド
バノール23(三菱油化製)にエチレンオキサイドを平
均8モル付加させたもの〕 ・結晶性珪酸塩:xM2O・ySiO2・zMemn・w
2O、x=1、y=1.8、z=0.02、w=0、
M=K及びNa且つK/Na=0.03、Me=Mg及
びCa且つMg/Ca=0.01、平均粒径=20μm ・非晶性珪酸塩:1号珪酸ナトリウム〔東曹産業(株)
製、固形分44%) ・マレイン酸コポリマー:マレイン酸/アクリル酸=3
0/70(モル比)、平均分子量60000、中和度7
0%のナトリウム塩 ・ポリエチレングリコール:平均分子量10000 ・蛍光染料:チノパールCBS−X(チバガイギー社
製)とホワイテックスSA〔住友化学工業(株)製〕と
を1/1(重量比)で配合 ・酵素:セルラーゼK(特開昭63−264699号公
報記載)1.0重量%及びAPI−21〔昭和電工
(株)製〕1.0重量%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 17/06 C11D 17/06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石鹸を含有する組成物で結晶性珪酸塩を
    被覆する工程と、石鹸を含有する組成物で被覆された結
    晶性珪酸塩(a)及びアニオン性界面活性剤(b)を必
    須として含有するスラリーを調製する工程と、当該スラ
    リーを乾燥して調製した生成物を造粒する工程を含むこ
    とを特徴とする高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 石鹸を含有する組成物の重量が、結晶性
    珪酸塩に対して20〜50重量%である請求項1記載の
    高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 結晶性珪酸塩が下記の組成を有する請求
    項1又は2記載の高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法。 x(M2O)・y(SiO2)・z(Memn)・w(H
    2O) 〔式中、 M:周期律表のIa族元素 Me:周期律表のIIa族元素、IIb族元素、IIIa族元
    素、IVa族元素又はXIII族元素から選ばれる少なくとも
    1種の元素 y/x=1.0〜1.8 z/x=0.01〜1.0 n/m=0.5〜2.0 w=0〜20 を表す。〕
  4. 【請求項4】 被覆された結晶性珪酸塩(a)の配合量
    が最終洗剤組成物中で1〜8重量%である請求項1〜3
    の何れか1項記載の高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 アニオン性界面活性剤(b)の配合量が
    最終洗剤組成物中で20〜40重量%である請求項1〜
    4の何れか1項記載の高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 石鹸を含有する組成物で被覆された結晶
    性珪酸塩(a)及びアニオン性界面活性剤(b)を必須
    として含有することを特徴とする高嵩密度粒状洗剤組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011231282A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Kao Corp 粉末洗浄剤組成物

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