JP3290373B2 - 高密度粒状洗剤組成物 - Google Patents

高密度粒状洗剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高密度の粒状洗剤組
成物に関する。詳しくは、洗濯水に容易に溶解して洗浄
性能が素早く発揮され、より高い洗浄力が得られる高密
度粒状洗剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】衣料用洗剤は、汚れを可溶化し繊維から
洗濯液中に溶解・分散させる界面活性剤、界面活性剤の
能力を低下させるカルシウムやマグネシウム等を洗濯液
中から除去するための金属イオン封鎖剤、汚れの分解や
可溶化を促進させるアルカリ剤、汚れを分散させるため
の高分子化合物、及びその他の洗浄ビルダーにより構成
されている。
【0003】衣料用洗剤に配合される成分の基本的な考
え方は、これまで大きな変化なく今日に至っているが、
具体的な成分については環境に対する配慮より見直しが
行われてきた。その一つとして洗剤の無リン化が挙げら
れる。かつて衣料用洗剤には金属イオン封鎖剤としてト
リポリリン酸ナトリウム等のリン化合物が配合されてい
た。しかしながら、湖水や沼などの富栄養化の原因の一
つとしてこれらリン化合物が懸念されるにいたり、リン
化合物に代わる金属イオン封鎖剤として、特定構造を有
する結晶性アルミノ珪酸ナトリウム(当業界では合成ゼ
オライトと呼称される)が使用されるようになり現在に
至っている。一方、洗剤の形状については、液状、スラ
リー状、ペースト状、粉末ないし粒状、タブレット状又
は棒状等の多様の形状が提案されおり、それぞれにおい
てこれまで多くの技術が出願・公開されてきた。これら
形状のうち、1980年代後半の粉末洗剤の高嵩密度化
は、そのコンパクトさが輸送ないし持ち運び並びに収納
性に大きく寄与するものであったため、現在ではコンパ
クト洗剤が主流を占めるようになっている。
【0004】このような高密度洗剤の洗浄基剤である界
面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面
活性剤が用いられており、このうち非イオン界面活性剤
は、耐硬水性が良好であるうえ、洗浄力、汚れ分散力が
際立っており、且つ生分解性が非常に良好であるなどの
特徴を有しており、洗浄用界面活性剤として重要視され
ている。特に、非イオン界面活性剤の中でも、高級アル
コールにエチレンオキサイドを平均付加モル数6〜10
で付加させたエトキシレート型の非イオン界面活性剤は
洗浄力に優れることから多用されている。
【0005】近年、エトキシレート型を中心に、非イオ
ン界面活性剤を粉末洗剤に応用する目的で検討された公
報が数多く公開されている。中でも、特願平2−404
946号に記載されている組成物や、特願平4−107
459号に記載されている製造法は、パフォーマンスは
高いものの、常温で液状であるため粉末化が大変困難で
あった非イオン界面活性剤を、大量に粉末洗剤中に配合
することを可能とした技術として大変注目できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高密度洗剤において
は、高い洗浄力を得るためには洗剤粉末が素早く洗濯液
中に溶解しなければならない。しかしながら、上記に示
したエトキシレート型の非イオン界面活性剤をはじめと
する一般的に用いられる非イオン界面活性剤は、この点
において満足行くものではなく、その本来有する優れた
洗浄力を十分に発揮できていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するべく鋭意検討した結果、従来のエトキシレート
型の非イオン界面活性剤でなく、特定炭素数の飽和及び
/又は不飽和、直鎖及び/又は分岐鎖のアルコールにエ
チレンオキサイドとプロピレンオキサイドを特定比率で
付加させた非イオン界面活性剤を特定比率で用い、且つ
特定のシリカ系化合物と非石鹸系アニオン性界面活性剤
の含有量を特定比率とすることで、洗濯水に素早く溶解
して優れた洗浄力が得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、下記a)、b)及び
c)を満たす高密度粒状洗剤組成物を提供するものであ
る。 a) 非イオン界面活性剤を10〜40重量%、そのう
ち、炭素数10〜18の飽和及び/又は不飽和の直鎖及
び/又は分岐鎖のアルコールに、エチレンオキサイド
(以下EOと表記)を平均付加モル数4〜10、プロピ
レンオキサイド(以下POと表記する)を平均付加モル
数0.2〜5、EO/PO=1/1〜10/1(モル
比)の比率で付加させたEO・PO付加型非イオン界面
活性剤の割合が50〜100重量%である。 b) JIS K 6220法による吸油能が80〜8
00ml/100gのシリカ系化合物を全非イオン界面
活性剤に対し、シリカ系化合物/全非イオン界面活性剤
=1/6〜1/1の重量比で含有する。 c) 非石鹸系アニオン性界面活性剤を10重量%以下
の比率で含有する。
【0009】<非イオン界面活性剤>本発明の高密度粒
状洗剤組成物には、非イオン界面活性剤が10〜40重
量%、好ましくは10〜30重量%、特に好ましくは1
0〜25重量%配合されるが、非イオン界面活性剤の一
部もしくは全部を特定のEO・PO付加型非イオン界面
活性剤が占めることを特徴とする。
【0010】このEO・PO付加型非イオン界面活性剤
は、炭素数10〜18の飽和及び/又は不飽和の直鎖及
び/又は分岐鎖のアルコールに、EOを平均付加モル数
4〜10、好ましくは5〜8、POを平均付加モル数
0.2〜5、好ましくは0.5〜3、EOとPOをモル
比でEO/PO=1/1〜10/1、好ましくは2/1
〜7/1の比率で付加させて得られる。飽和アルコール
又は不飽和アルコールの炭素数は上記の範囲において優
れた洗浄力が得られる。また、EOとPOの平均付加モ
ル数及び比率は上記の範囲において良好な洗浄力と水へ
の溶解性が得られる。
【0011】従来知られているEO付加型の非イオン界
面活性剤は基剤それ自身の洗浄力は大変優れるものの、
水に対する溶解速度が遅いため、これをバインダーとし
て洗剤粒子を構成した場合、この水に対する溶解速度が
律速となり、非イオン界面活性剤のみならず、その他の
構成成分の溶解・分散の妨げとなり、結果として本来有
している高い洗浄能力を十分に発揮することはできなか
った。これに対し、本発明のEO・PO付加型の非イオ
ン界面活性剤は、特定炭素数のアルコールに特定比率で
EO及びPOを付加することにより、界面活性剤それ自
身が良好な洗浄力を有するのみならず、水と接触しても
液晶相を形成しにくく、これにより水に容易に溶解し、
高い洗浄性能を素早く発揮でき、洗浄力に優れた高密度
粒状洗剤組成物を得ることができる。
【0012】本発明に用いられる非イオン界面活性剤は
公知の方法で合成することができ、高級アルコールにア
ルキレンオキサイドを付加させることによって容易に得
ることができる。本発明ではアルキレンオキサイドの付
加方法は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド
を本発明で規定する範囲内のモル比で配合することで合
成することが可能である。エチレンオキサイドとプロピ
レンオキサイドを同時に反応相に添加することで、ラン
ダム型のポリアルキレングリコールラウリルエーテルを
得ることができる。また、エチレンオキサイドを先に反
応させ、冷却後プロピレンオキサイドを添加することで
EO−PO型のポリアルキレングリコールラウリルエー
テルを得ることができる。この逆の操作を行い、先にプ
ロピレンオキサイドを反応させ、その後にエチレンオキ
サイドを添加することで、PO−EO型のポリアルキレ
ングリコールラウリルエーテルを得ることができる。特
にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレ
ンオキサイドのブロック型の非イオン界面活性剤の合成
方法をも同様にして得ることができる。これらのアルコ
キシル化に用いられる触媒は塩基触媒、酸触媒のほか
に、特開平7−227540号公報に記載のMgO−Z
nO、MgO−SnO、MgO−TiO2 及びMgO−
SbO並びに特開平1−164437号公報に記載の同
様なMg系触媒などの狭いアルキレンオキサイド分布を与
える触媒を用いて合成することができる。このうち特
に、コストの面から塩基触媒を使用することが好まし
く、塩基として水酸化カリウムを使用することが最も好
ましい。
【0013】本発明のEO・PO付加型非イオン界面活
性剤としては、下記一般式(I)で表されるEO・PO
・EO付加型の非イオン界面活性剤が挙げられる。 R1-O-(EO)p-(PO)q-(EO)r-H (I) 〔式中、R1は炭素数10〜18の飽和アルコール及び/又は
炭素数10〜18の不飽和アルコールを表し、p、q、rは
それぞれ平均付加モル数を表し、p>0、r>0、p+
q+r=5〜14、p+r=4〜10であり、q= 0.2〜
5、かつEO/PO=1/1〜10/1である。〕 本発明のEO・PO付加型の非イオン界面活性剤は全非
イオン界面活性剤中の50〜100重量%、好ましくは
70〜100重量%を占め、この範囲において、優れた
洗浄力を得ることができる。
【0014】また、EO・PO付加型非イオン界面活性
剤以外の非イオン界面活性剤としては、洗剤の配合成分
として公知の非イオン界面活性剤を用いることができ
る。具体的には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ル(本発明のEO・PO付加型に該当しないもの)、ポ
リオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオ
キシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
アルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンブロックポリマーが好まし
い。特に、非イオン界面活性剤としては、炭素数10〜18
の直鎖又は分岐鎖の1級又は2級のアルコールにエチレ
ンオキシドを付加したポリオキシエチレンアルキルエー
テルが好ましい。
【0015】<非石鹸系アニオン性界面活性剤>本発明
の高密度粒状洗剤組成物は、非石鹸系のアニオン性界面
活性剤を含有することができるが、その比率は組成物中
に10重量%以下、好ましくは0.5〜5重量%であ
る。ここで、非石鹸系のアニオン性界面活性剤とは、脂
肪酸石鹸以外のアニオン性界面活性剤をいい、具体的に
は、炭素数10〜18の直鎖又は分岐鎖の1級または2
級アルコールの硫酸エステル塩、炭素数8〜20のアル
コールのエトキシレート化物の硫酸エステル塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α
−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−
スルホ脂肪酸アルキルエステル塩等が挙げられる。非石
鹸系アニオン性界面活性剤の比率が10重量%を超える
と、配合組成上のバランスがくずれ、洗浄力の低下をき
たすことになる。
【0016】<シリカ系化合物>本発明の高密度粒状洗
剤組成物は、JIS K 6220法による吸油能(無
水換算)が80〜800ml/100gのシリカ系化合
物を全非イオン界面活性剤に対し、シリカ系化合物/全
非イオン界面活性剤=1/6〜1/1、好ましくは1/
4〜1/1の重量比で含有する。この範囲でシリカ系化
合物を使用することにより、非イオン界面活性剤のしみ
出しを十分に抑制できる。具体的には、トクシール(徳
山曹達(株)製)、ニップシール(日本シリカ(株)
製)又はチキソレックス(コフランケミカル社製)とし
て市販されているシリカ系化合物を用いることができ
る。また、本発明では特に非晶質のアルミノ珪酸塩を吸
油性担体として使用することが吸油能だけでなくイオン
交換能も有している点で好ましい。具体的な非晶質アル
ミノ珪酸塩としては、特開平6−179899号公報記
載のものが挙げられる。
【0017】本発明には、イオン交換容量が150〜6
00mgCaCO3 /gの金属イオン封鎖剤及び/又は
0.1重量%水分散液のpHが25℃で10.5以上の
アルカリ剤を総量で10〜70重量%配合することが好
ましく、イオン交換容量が150〜600mgCaCO
3 /gで、0.1重量%水分散液のpHが25℃で1
0.5以上という条件を共に満たすものを用いることも
できる。金属イオン封鎖剤、アルカリ剤として使用可能
な物質を下記に示す。
【0018】<結晶性アルミノ珪酸塩>本発明に用いら
れる結晶性アルミノ珪酸塩は、一般にゼオライトといわ
れているものであり、下記式 a'(M2O)・Al2O3・b'(SiO2)・w(H2O) (i) 〔式中、M はアルカリ金属原子、a', b', w は各成分の
モル比を表し、一般的には 0.7≦a'≦1.5 、0.8 ≦b'<
6、w は任意の正数である。〕で表されるものであり、
中でも次の一般式(ia) Na2O・Al2O3・n(SiO2)・w(H2O) (ia) 〔ここで、n は 1.8〜3.0 、w は1〜6の数を表す。〕
で表されるものが好ましい。結晶性アルミノ珪酸塩(ゼ
オライト)としては、A型、X型、P型ゼオライトに代
表される平均一次粒径 0.1〜10μm 好ましくは0.1 〜5
μmの合成ゼオライトが好適に使用される。ゼオライト
は粉末及び/又はゼオライトスラリーを乾燥して得られ
るゼオライト凝集乾燥粒子として配合してもよい。本発
明において、結晶性アルミノ珪酸塩は、組成物中に5〜
40重量%、好ましくは10〜35重量%配合される。
【0019】<結晶性珪酸塩>本発明では、結晶性珪酸
塩を配合することが特に好ましい。結晶性珪酸塩は、珪
酸(SiO2)のアルカリ金属塩が好ましく、0.1%分散液の最
大pH値が11以上(25℃)であり、0.1 重量%分散液1リ
ットルに対し、0.1NのHCL 水溶液を用いてpH10まで低下
させるのに5ml以上を必要とするものであり、アルカリ
度だけでなく、アルカリ緩衝能にも優れるものである。
なかでも、アルカリ金属ケイ酸塩のSiO2/M2O(但しM は
アルカリ金属を表す。) が 0.5〜2.6 、好ましくは1.5
〜2.6 のものが好適に用いられる。従来知られている結
晶性珪酸塩はSiO2/Na2Oが 1.9〜4.0 であるが、この比
率が 2.6を超えるものは本発明の対象となる高密度洗剤
の配合に向かない場合がある。
【0020】また本発明の結晶性珪酸塩は、イオン交換
容量として、少なくとも100CaCO3mg/g 以上、好ましく
は 200〜600CaCO3mg/g を有するものであり、本発明に
おけるイオン捕捉能を有する物質の一つである。また結
晶性珪酸塩は、その平均粒径が 0.1〜100 μmであるこ
とが好ましく、より好ましくは1〜60μmである。な
お、ここでいう平均粒径とは、粒度分布のメジアン径で
ある。
【0021】このような平均粒径及び粒度分布を有する
結晶性珪酸塩は、振動ミル、ハンマーミル、ボールミ
ル、ローラーミル等の粉砕機を用い、粉砕することによ
って調製することができる。
【0022】本発明に用いられる結晶性珪酸塩として好
適なものは、次の組成を有するものである。 x(M2O)・y(SiO2)・z(MemOn)・w(H2O) (II) 〔式中、M は周期律表のIa族元素を表し、Meは周期律表
のIIa族元素、IIb 族元素、IIIa族元素、IVa 族元素又
はVIII族元素から選ばれる1種又は2種以上の組み合わ
せを示し、 y/x = 0.5〜2.6 、 z/x =0.01〜0.9 、
w =0〜20、 n/m = 0.5〜2.0 である。〕 Meは周期律表のIIa 族元素、IIb 族元素、IIIa族元素、
IVa 族元素又はVIII族元素から選ばれ、例えばMg、Ca、
Zn、Y 、Ti、Zr、Fe等が挙げられる。これらは特に限定
されるものではないが、資源及び安全上の点から好まし
くはMg、Caである。また、これらは単独で或いは2種以
上混合していてもよく、例えばMgO、CaO等が混合してMe
mOn 成分を構成していてもよい。
【0023】一般式(II)において、 y/x は 0.5〜2.
6 であり、好ましくは 1.5〜2.6 である。 y/x が 0.5
未満では耐水溶性が不十分であり、ケーキング性、溶解
性、洗剤組成物の粉末物性に著しく悪影響を及ぼす。ま
た、 y/x が 2.6を超えると、アルカリ能が低くなり、
アルカリ剤として不十分となり、且つイオン交換能も低
くなり、イオン交換体としても不十分である。また、一
般式(II)において、z/x は0.01〜0.9 であり、好ま
しくは0.02〜0.5 である。 z/x が0.01未満では耐水溶
性が不十分であり、 z/x が0.9 を超えるとイオン交換
能も低くなり、イオン交換体として不十分である。x,
y, z は前記の y/x 比、 z/x 比に示されるような関
係であれば特に限定されるものではない。なお、前記の
ようにx(M2O)が例えばx'(Na2O)・x''(K2O)・となる場合
は、x はx'+x'' となる。このような関係は、z(MemOn)
成分が2種以上のものからなる場合におけるz におい
ても同様である。また、 n/m は、当該元素に配位する
酸素イオン数を示し、実質的には 0.5、 1.0、 1.5、
2.0の値から選ばれる。
【0024】一般式(II)で表される結晶性珪酸塩の製
造方法については、特開平7-89712号公報を参考にする
ことができる。
【0025】また、以下の組成の結晶性珪酸塩も好適に
使用することができる。
【0026】M2O・x'(SiO2)・y'(H2O) (III) 〔式中、M はアルカリ金属を表し、x'= 1.5〜2.6 、y'
=0〜20である。〕。
【0027】一般式(III) において、M は周期律表のIa
族元素から選ばれ、Ia族元素としては、Na、K 等が挙げ
られる。これらは単独で或いは例えばNa2OとK2O とが混
合してM2O 成分を構成してもよい。またx'、y'が 1.7≦
x'≦2.2 且つy'=0のものが好ましく、陽イオン交換能
が 100〜400 CaCO3 mg/g のものが使用でき、本発明に
おけるイオン補足能を有する物質の一つである。一般式
(III) で表される結晶性珪酸塩は、特開昭60−227895号
公報にその製法が記載されており、一般的には無定形の
ガラス状珪酸ソーダを 200〜1000℃で焼成して結晶性と
することによって得られる。合成方法の詳細は例えばPh
ys.Chem.Glasses.7, 127-138(1966)、Z.Kristallogr.,
129, 396-404(1969)等に記載されている。また、一般式
(III) で表される結晶性珪酸塩は、例えば、ヘキスト社
より商品名「Na-SKS-6」(δ−Na2Si2O5)として、粉末
状、顆粒状のものが入手できる。
【0028】本発明において、一般式(II)で表される
結晶性珪酸塩及び前記一般式(III)で表される結晶性珪
酸塩は、それぞれ単独あるいは2種以上を用いることが
できる。また、本発明において、結晶性珪酸塩は組成物
中に、3〜40重量%、特に5〜35重量%配合するこ
とが好ましい。
【0029】<非晶質アルミノ珪酸塩>本発明において
は、前記結晶性のアルミノ珪酸塩以外に非晶質のアルミ
ノ珪酸塩を用いることができる。
【0030】非晶質アルミノ珪酸塩としては、珪素をSi
O2として、30重量%以上、好ましくは40重量%以上含有
するものが良く、また、5%分散液のpHが9以上である
ものを用いると、高湿度貯蔵後の洗剤の溶解性の劣化が
更に改善される。
【0031】本発明に用いられる非晶質アルミノ珪酸塩
としては、下記一般式(A)で表されるものが例示さ
れ、これらは高吸油性で且つ陽イオン交換能が高い。 a(M2O)・Al2O3・b(SiO2)・c(H2O) (A) 〔式中、M はアルカリ金属原子、a ,b , cは各成分のモ
ル数を表し、一般的には0.7 ≦a ≦2.0 、0.8 ≦b <
4、c は任意の正数である。〕 特に次の一般式(Aa) Na2O・Al2O3・b(SiO2)・c(H2O) (Aa) 〔ここで、b は 1.8〜3.2 、c は1〜6の数を表す。〕
で表されるものが好ましい。特に、非晶質のアルミノ珪
酸塩はイオン交換能だけでなく、吸油能も有するため、
非イオン界面活性剤のような液状の界面活性剤を用いる
場合、粉末物性を保つ上で好適な成分であるだけでな
く、従来のシリカ系吸油担体よりも洗浄性に寄与する部
分が大きい。
【0032】かかる非晶質アルミノ珪酸塩の製造法は特
開平6-179899号公報を参考にすることによって容易にJ
IS K 6220での吸油能が100ml/100g
(無水換算)以上、加えてカチオン交換能が100Ca
CO3 mg/g以上の非晶質アルミノ珪酸塩を得ること
ができる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の高密度粒状洗剤組成物は
上記で示した特定のEO・PO付加型非イオン界面活性
剤を特定比率で含有し、且つ特定のシリカ系化合物と非
石鹸系アニオン性界面活性剤をそれぞれ特定の比率で含
有するものであり、具体的に下記の組成物を包含する。
EO・PO付加型非イオン界面活性剤のEO平均付加モ
ル数が5〜7、PO平均付加モル数が1〜3である組成
物。EO・PO付加型非イオン界面活性剤が前記一般式
(I)で表される化合物である組成物。イオン交換容量
が150〜600mgCaCO3 /gの金属イオン封鎖
剤及び/又は0.1重量%水分散液のpHが25℃で1
0.5以上のアルカリ剤を総量で10〜70重量%含有
する組成物。前記一般式(ii)及び/又は一般式(iii)
で表される結晶性珪酸塩を3〜40重量%含有する組成
物。前記一般式(ii)で表される結晶性珪酸塩を3〜4
0重量%含有する組成物。前記一般式(iii) で表される
結晶性珪酸塩を3〜40重量%含有する組成物。
【0034】本発明の高密度粒状洗剤組成物には、上記
の成分の他に下記の成分を配合することができる。
【0035】<カルボン酸系ポリマー>カルボン酸系ポ
リマーは金属イオンを封鎖する機能を有する他、固体粒
子汚れを衣料から洗濯浴中へ分散させる作用とその粒子
が衣料へ再付着(再汚染)するのを防ぐ作用がある。こ
の目的に分子量が数百〜10万の分子量の下記の(IV)式
で表されるコポリマー又は/及び(V)式で表されるホ
モポリマーなどのカルボン酸系ポリマーを配合すること
が好ましい。なおコポリマーは一般的にランダム重合で
ある。
【0036】
【化1】
【0037】(式中、Z は炭素数1〜8のオレフィン、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メタリルスル
ホン酸などの(無水)マレイン酸、又はマレイン酸塩と
共重合可能なモノマーと(無水)マレイン酸のコポリマ
ーの塩、m はコポリマーの分子量が数百〜10万を示すよ
うな値である。M はNa、K 、NH4 、H である。)
【0038】
【化2】
【0039】(式中、p は単独重合可能なモノマーであ
り、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などがその
例である。l はホモポリマーの分子量が数百〜10万を示
すような値である。ホモポリマーはNa、K 、NH4 塩とな
っている。) これらのカルボン酸系ポリマーの中でアクリル酸−マレ
イン酸コポリマーの塩とポリアクリル酸塩 (Na、K 、NH
4)が、特に優れている。分子量は1000〜80000が適して
いる。カルボン酸系ポリマーは通常は不飽和の有機カル
ボン酸や有機ポリカルボン酸を重合することによって容
易に得ることができるが、分子量が2000以上で且つカル
ボキシル基が10以上を有するものであるならば、その原
料として不飽和のカルボン酸モノマーに限定されるもの
ではない。
【0040】上記カルボン酸系ポリマー以外に、ポリグ
リシジル酸塩等のポリマー、カルボキシメチルセルロー
ス等のセルロース誘導体並びにポリアスパラギン酸塩な
どのアミノカルボン酸系のポリマーも金属イオン封鎖
能、分散能及び再汚染防止能を有する。
【0041】(IV)式のコポリマー又は/及び(V)式
のホモポリマーの配合量は、組成物中に、それぞれ1〜
20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
【0042】<その他のアルカリ剤>本発明では前記し
たように、0.1重量%水分散液のpHが25℃で1
0.5以上のアルカリ剤を配合するとが好ましいが、そ
れ以外のアルカリ剤を配合することもできる。アルカリ
剤としては、デンス灰や軽灰と総称されている炭酸ナト
リウム等のアルカリ金属炭酸塩、並びにJIS1号、2
号、3号等の非晶質のアルカリ金属珪酸塩が挙げられ
る。これら、無機性のアルカリ剤は洗剤乾燥時に、粒子
の骨格形成において効果的であり、比較的硬く、流動性
に優れた洗剤を得ることができる。これら以外のアルカ
リとしては、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ムなどが挙げられる。
【0043】また、特にトリポリリン酸塩、オルトリン
酸塩、メタリン酸塩等のリン化合物を、金属イオン補足
化合物として、或いはアルカリ剤として配合することが
できる。リン化合物としては、トリポリリン酸ナトリウ
ムが好適である。但し、リン化合物は環境中への影響が
懸念されるので、その配合量に留意する必要がある。
【0044】<その他の成分>更に本発明の高密度粒状
洗剤組成物には下記のような洗剤成分を配合できる。 (1)中性塩 中性塩として、一般的に芒硝と呼ばれている硫酸ナトリ
ウムを配合することができる。硫酸ナトリウムは無機性
のアルカリ剤と同様に乾燥後の洗剤粒子の骨格形成の効
果的である。その他の中性塩として好ましいものは、塩
化ナトリム、塩化カリウム等が挙げられる。中性塩の配
合量は、組成物中に、1〜40重量%、特に5〜35重
量%が好ましい。
【0045】(2)漂白剤及び漂白活性化剤 漂白剤としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウ
ム(1水塩が好ましい)、又は硫酸ナトリウム過酸化水
素付加体等が挙げられ、特に過炭酸ナトリウムが好まし
く、洗剤に配合する場合、特にゼオライト等のアルミノ
珪酸塩と併用する場合はホウ酸ナトリウムにて被覆する
ことが好ましい。詳しくは米国特許公報4526698 号を参
考にすることができる。
【0046】漂白活性化剤は漂白剤の漂白力を活性化す
るものであり、漂白活性化剤としては、遷移金属塩もし
くは遷移金属を有機性の金属キレート剤にてキレートし
たもの、カルボン酸塩のエステルもしくはアミド化合
物、又は有機塩素化化合物等がある。本発明では特に漂
白剤の過酸化水素と反応し漂白性の過カルボン酸を発生
するものが好ましく、カルボン酸塩のエステルもしくは
アミド化合物が特に好ましい。具体的にはテトラアセチ
ルエチレンジアミン(TAED)、アセトキシベンゼン
スルホン酸塩、特開昭59−22999 号公報、特開昭63−25
8447号公報又は特開平6−316700号公報記載の有機過酸
前駆体が挙げられる。
【0047】漂白剤及び漂白活性化剤は、別途製造造粒
したものを洗剤生地(粒子)にドライブレンドされる。
【0048】漂白剤を配合する場合の配合量は、組成物
中に、0〜15重量%、特に0〜7重量%が好ましく、
また漂白活性化剤を配合する場合の配合量は、組成物中
に、0〜15重量%、特に0〜7重量%が好ましい。
【0049】(3)酵素 酵素(本来的に酵素作用を洗浄工程中になす酵素であ
る。)としては、酵素の反応性から分類すると、ハイド
ロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、ト
ランスフェラーゼ類及びイソメラーゼ類が挙げられる
が、本発明にはいずれも適用できる。特に好ましいのは
プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアー
ゼ、セルラーゼ、アミラーゼ及びペクチナ−ゼである。
プロテアーゼの具体例は、ペプシン、トリプシン、キモ
トリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスタ
ーゼ、スプチリシン、BPN 、パパイン、プロメリン、カ
ルボキシペプチターゼA及びB、アミノペプチターゼ、
アスパーギロペプチターゼA及びBであり、市販品とし
て、サビナーゼ、アルカラーゼ(ノボインダストリー
社)、API 21(昭和電工(株))、マクサカル(ギスト
プロケイデス社)、特開平5−25492 号公報記載のプロ
テアーゼK-14もしくはK-16がある。エステラ−ゼの具体
例としては、ガストリックリパ−ゼ、バンクレアチック
リパ−ゼ、植物リパ−ゼ類、ホスホリパ−ゼ類、コリン
エステラ−ゼ類及びホスホタ−ゼ類がある。リパーゼの
具体例としては、リポラーゼ(ノボインダストリー
社)、リポサム(昭和電工(株))等の市販のリパーゼ
を用いることができる。
【0050】また、セルラーゼとしては市販品のセルザ
イム(ノボインダストリー社)、特開昭63−264699号公
報の請求項4記載のセルラーゼが使用でき、アミラーゼ
としては市販のターマミル(ノボインダストリー社)等
が使用できる。
【0051】酵素は別途安定な粒子として造粒したもの
を洗剤生地(粒子)にドライブレンドされる。酵素類
は、組成物中に、0.1〜5重量%、特に0.2〜2.
5重量%配合することが好ましい。
【0052】(4)酵素安定剤 酵素安定剤として還元剤(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水
素ナトリウム)、カルシウム塩、マグネシウム塩、ポリ
オール、ホウ素化合物等を用いることができる。還元剤
は水道水中の塩素を除去することにより、酵素を安定化
する。なお亜硫酸塩は酸化防止剤としての効果も有す
る。
【0053】(5)青味付剤 各種の青味付剤も必要に応じて配合できる。青味付剤と
しては、特公昭49−8005号公報、特公昭49−2
6286号公報又は特公昭53−45808号公報記載
の物質が挙げられる。
【0054】(6)ケーキング防止剤 ケーキング防止剤としては、パラトルエンスルホン酸
塩、キシレンスルホン酸塩、酢酸塩、スルホコハク酸
塩、タルク、微粉末シリカ、粘土、酸化マグネシウム等
が挙げられる。なお、粘土(スメクタイト状粘土)は、
柔軟化剤としても効果的である。
【0055】(7)酸化防止剤 酸化防止剤としては、第3ブチルヒドロキシトルエン、
4,4'−ブチリデンビス−(6−第3ブチル−3−メチル
フェノール)、2,2'−ブチリデンビス−(6−第3ブチ
ル−4−メチルフェノール)、モノスチレン化クレゾー
ル、ジスチレン化クレゾール、モノスチレン化フェノー
ル、ジスチレン化フェノール、1,1'−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0056】(8)蛍光染料 蛍光染料として、4,4'−ビス−(2−スルホスチリル)
−ビフェニル塩、4,4'−ビス−(4−クロロ−3−スル
ホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニ
ル)ナフトチアゾール誘導体、4,4'−ビス(トリアゾー
ル−2−イル)スチルベン誘導体、ビス(トリアジニル
アミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体の1種又は2種
以上を、組成物中に0〜2重量%含有することができ、
例えばホワイテックスSA(住友化学社製)やチノパール
CBS (チバガイギ−社製)等の商品名で市販されてい
る。蛍光染料は、組成物中に0.1〜1.5重量%、特
に0.1〜1.0重量%配合することが好ましい。
【0057】(9)香料 香料としては、従来洗剤に配合される香料、例えば特開
昭63−101496号公報記載の香料を使用することができ
る。もちろんその他の洗剤成分にによる劣化のないよう
に、配合される各香料成分及び場合により配合比率や配
合量は考慮される。
【0058】(10)消泡剤 消泡剤としては、従来より知られている例えばシリコー
ン/シリカ系のものが挙げられ、特開平3−101496号公
報記載の方法を用いて製造した消泡剤造粒物として用い
てもよい。消泡剤は、組成物中に0.1〜7重量%、特
に0.5〜3重量%配合することが好ましい。
【0059】本発明の高密度粒状洗剤組成物は、炭素数
10〜18の直鎖又は分岐鎖の1級または2級アルコールの
硫酸エステル塩、炭素数8〜20のアルコールのエトキシ
レート化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスル
ホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アル
キルエステル塩等の非石鹸系アニオン性界面活性剤を含
有していてもよいが、これら非石鹸系アニオン性界面活
性剤の組成物中の比率は10重量%以下である必要があ
る。
【0060】本発明の高密度粒状洗剤組成物は上記成分
よりなるものであり、その製造方法は特に限定されるこ
とはなく、従来より公知の方法を用いることができる。
好ましくは高嵩密度の粒状の組成物である。高嵩密度化
は、例えば、噴霧乾燥粒子に非イオン界面活性剤を噴霧
して高密度化する方法や、また吸油担体を含む粉体成分
に直接非イオンを吸蔵させながら高密度化する方法が挙
げられるが、特開昭61−69897 号公報、特開昭61−6989
9 号公報、特開昭61−69900 号公報、特開平2−222498
号公報、特開平2−222499号公報、特開平3−33199 号
公報、特開平5−86400 号公報、特開平5−209200号公
報に記載の方法を参考にすることができる。またアルミ
ノ珪酸塩は、造粒物の表面改質剤として使用するため
に、少量を造粒中又は造粒終了直前に添加してもよい。
また、結晶性珪酸塩を配合する場合、結晶性珪酸塩は高
嵩密度化時に添加するか、ドライブレンドにて添加した
方が好ましい。またアルカリ金属炭酸塩を配合する場合
はスラリー中、造粒中又はドライブレンドの何れに添加
してもよい。その他酵素や漂白剤(及び漂白活性化剤)
及びその他添加剤は別途粒子化したものを上記製法によ
って得られた洗剤粒子にドライブレンドすることが好ま
しい。特に本発明では、前記一般式(A)で表される非
晶質アルミノ珪酸塩を配合し、この非晶質アルミノ珪酸
塩を、造粒、表面改質、アフターブレンドの少なくとも
1つの工程で添加することが好ましい。
【0061】本発明の高密度粒状洗剤組成物の平均粒径
は、好ましい粉末物性を得るために200〜1000μm、特
に 200〜600 μmであることが望ましい。また、本発明
の洗剤組成物の嵩密度は 0.5〜1.2 g/cm3 、好ましく
は 0.6〜1.0 g/cm3 程度である。
【0062】また、本発明の洗剤組成物は洗濯機洗浄、
漬け置き洗浄などの洗浄方法、並びに衣類や水の量、汚
れの度合い、洗濯機の使用方法などにより、それぞれの
洗浄に適した濃度にして使用することができる。例え
ば、洗濯機洗浄の場合、0.03〜0.3 重量%の洗浄濃度で
使用することができる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、良好な洗浄力を有する
高密度のノニオン性粒状洗剤組成物が提供される。
【0064】
【実施例】以下、実施例にて本発明を説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0065】製造例1<吸油担体の製造法> イオン交換水に炭酸ソーダを溶解させ、6重量%濃度の
水溶液を用意した。この水溶液132gとアルミン酸ソ
ーダ水溶液(濃度50重量%)38.22gを容量10
00mlの邪魔板付き反応槽に入れた。得られた混合溶
液に、強攪拌下、2倍の水で希釈した3号水ガラス20
1.4gを、40℃にて、20分間かけて滴下しつつ反
応させた。この際、CO2 ガスを吹き込むことによって
反応系のpHをコントロールし(pH=10.5)、反
応速度を最適化した。続いて反応系を50℃まで加熱
し、同温度で30分間撹拌した。その後、反応系にCO
2 ガスを吹き込み、過剰アルカリを中和した(pH=
9.0)。得られた中和スラリーを、濾紙(東洋濾紙
(株)製No.5C)を用いて、減圧下に濾過した。濾
過ケーキを、1000倍の水で洗浄し、濾過乾燥(10
5℃、300torr、10時間)し、残部はそのまま
(洗浄せずに)同条件で乾燥した。更に、解砕を行い、
非晶質アルミノケイ酸塩粉体(平均粒径10μm)を得
た。なおアルミン酸ソーダ水溶液は1000mlの4つ
口フラスコにAl(OH)3 243gと48%NaOH水
溶液298.7gを入を混合し、攪拌下110℃まで加
熱し、30分間溶解して調製した。
【0066】実施例1<非イオン界面活性剤の製造法> 以下に、下記実施例で用いた非イオン界面活性剤の製造
方法を、原料アルコールとしてラウリルアルコールを用
いる場合を例に説明する。
【0067】エチレンオキサイド用とプロピレンオキサ
イド用の2つの計量槽のついた5リットルの回転攪拌式
オートクレーブ中にラウリルアルコール(商品名カルコ
ール2098、花王(株)製)を 500g、水酸化カリウムを
3.0g仕込み、窒素置換を行った後、 110℃に昇温し、
5.33kPa で1時間脱水を行った。次に 150℃に昇温し、
エチレンオキサイドを 3.5kg/cm2の圧力で 472gをオー
トクレーブ中に導入し、圧力が低下して一定になるまで
反応させた後、 120℃に冷却してプロピレンオキサイド
312gをオートクレーブ中に 3.5kg/cm2の圧力で導入
し、エチレンオキサイドと同様に圧力が低下し一定にな
るまで反応させた。その後、再び 150℃に昇温し、エチ
レンオキサイドを 236g導入し、圧力が低下し、一定に
なるまで反応させた。反応終了後、温度を低下させ、酢
酸 3.5gで中和し、目的のEO−PO−EO付加型のポ
リアルキレングリコールラウリルエーテルが得られる。
【0068】<洗剤粒子の製造法>非イオン界面活性
剤、吸油担体、酵素、香料及び結晶性シリケート以外の
各成分で含水率45重量%の水性スラリーを調製し、噴
霧乾燥を行った。得られた噴霧乾燥粒子、吸油担体5.
0重量%及び結晶性シリケートをレディゲミキサー(攪
拌転動造粒機、松坂技研 (株) 製)に投入し攪拌を開始
した。そこに非イオン界面活性剤をスプレーすることに
より添加し、造粒を行った。次いで吸油担体3.5重量
%を投入し、表面改質を行った。得られた造粒粒子をロ
ータリーキルンに入れ、残りの吸油担体、酵素をブレン
ドし、同時に香料をスプレーし最終洗剤粒子を得た。得
られた高密度粒状組成物について、下記の方法で洗浄力
試験を行った。その結果を表1、2に示す。
【0069】<洗浄力試験> (人工汚染布の調製)下記組成の人工汚染液を布に付着
して人工汚染布を調製した。人工汚染液の布への付着
は、グラビアロールコーターを用いて人工汚染液を布に
印刷することで行った。人工汚染液を布に付着させ人工
汚染布を作製する工程は、グラビアロールのセル容量5
8cm3 /cm2 、塗布速度1.0m/min、乾燥温
度100℃、乾燥時間1分で行った。布は木綿金巾20
03布(谷頭商店製)を使用した。 〔人工汚染液の組成〕 ラウリン酸 0.44重量% ミリスチン酸 3.09重量% ペンタデカン酸 2.31重量% パルミチン酸 6.18重量% ヘプタデカン酸 0.44重量% ステアリン酸 1.57重量% オレイン酸 7.75重量% トリオレイン酸 13.06重量% パルミチン酸n−ヘキサデシル 2.18重量% スクアレン 6.53重量% 卵白レシチン液晶物 1.94重量% 鹿沼赤土 8.11重量% カーボンブラック 0.01重量% 水道水 バランス。
【0070】(洗浄条件及び評価方法)ターゴトメータ
ーを使用して、回転数100rpm、洗濯時間10分、
温度20℃、使用水5°DH(Ca/Mg=3/1)
で、表1、2に示す洗剤及び洗剤濃度にて洗濯を行っ
た。なお通常、洗濯用水の硬度成分はCa2+、Mg2+
代表され、その重量比はCa/Mg=(60〜85)/
(40〜15)程度であるが、ここではモデル水として
Ca/Mg=3/1を用いた。また5°DHとはMgイ
オンの当モルをCaに置換した際の硬度である。
【0071】(洗浄率の算出)原布及び洗浄前後の55
0mμにおける反射率を自記色彩計(島津製作所製)に
て測定し、次式によって洗浄率D(%)を算出した。そ
の結果を表1、2に併せて示す。 D=(L2−L1)/(L0−L1)×100(%) L0 :原布の反射率 L1 :洗浄前汚染布の反射率 L2 :洗浄後汚染布の反射率
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】(注)表1、2中の非イオン界面活性剤A
〜Pは、下記表3に示すアルコール(何れも直鎖、1
級)にEOもしくはEO及びPOを、前記に準じて付加
させて得られたものである。
【0075】
【表3】
【0076】また、表1、2中のその他の成分は、下記
のものである。 ・LAS:直鎖アルキル(C12)ベンゼンスルホン酸N
a塩 ・石鹸:パルミチン酸Na塩 ・ゼオライト:組成 M2O・Al2O3・2SiO2・2H2O、平均粒
子径4μm、イオン交換容量290CaCO3mg/g ・吸油性非晶質シリカ:チキソレックス25(コフラン
ケミカル社製) ・非晶質珪酸塩:合成例1の非晶質アルミノケイ酸塩 ・炭酸ナトリウム:セントラル硝子社製、無水物、平均
粒子径250μm ・珪酸塩(II):組成 M2O・1.8SiO2・0.02M'O(ここ
で、M :Na,K 、 K/Na=0.03、M'=Ca,Mg、Mg/Ca=
0.01) 、イオン交換容量290CaCO3mg/g、平均粒子径30
μm (一般式(II)で表される結晶性珪酸塩) ・珪酸塩(III) :組成 M2O・2SiO2 、イオン交換容量22
4CaCO3mg/g、平均粒子径30μm 、(一般式(III) で表
される結晶性珪酸塩) ・ポリアクリル酸塩:Na塩、平均分子量 ・蛍光染料:チノパールCBS(チバガイギー社製)/
ホワイテックスSA(住友化学社製)=1/1(重量
比) ・酵素:サビナーゼ12.0TW(ノボノルディスク社
製)、リポラーゼ100T(ノボノルディスク社製)、
セルザイム0.1T(ノボノルディスク社製)及びター
マミル60T(ノボノルディスク社製)を2:1:1:
1で混合したもの
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11D 1:12) C11D 1:12) (72)発明者 岡田 京子 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (72)発明者 田村 成 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 平6−220499(JP,A) 特開 平9−87691(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 1/00 - 17/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記a)、b)及びc)を満たす高密度
    粒状洗剤組成物。 a) 非イオン界面活性剤を10〜40重量%、そのう
    ち、下記一般式(I)で表されるEO・PO・EO付加
    型非イオン界面活性剤の割合が50〜100重量%であ
    る。R 1 -O-(EO) p -(PO) q -(EO) r -H (I) 〔式中、R 1 は炭素数10〜18の飽和アルコール及び/又は
    炭素数10〜18の不飽和アルコールを表し、p、q、rは
    それぞれ平均付加モル数を表し、p>0、r>0、p+
    q+r=5〜14、p+r=4〜10であり、q=0.2〜
    5、かつEO/PO=1/1〜10/1である。〕 b) JIS K 6220法による吸油能が80〜80
    0ml/100gのシリカ系化合物を全非イオン界面活
    性剤に対し、シリカ系化合物/全非イオン界面活性剤=
    1/6〜1/1の重量比で含有する。 c) 非石鹸系アニオン性界面活性剤を10重量%以下
    の比率で含有する。
  2. 【請求項2】 EO・PO・EO付加型非イオン界面活
    性剤のEO平均付加モル数が5〜8、PO平均付加モル
    数が0.5〜3である請求項1記載の高密度粒状洗剤組
    成物。
  3. 【請求項3】 イオン交換容量が150〜600mgC
    aCO3/gの金属イオン封鎖剤及び/又は0.1重量
    %水分散液のpHが25℃で10.5以上のアルカリ剤
    を総量で10〜70重量%含有する請求項1又は2記載
    の高密度粒状洗剤組成物。
  4. 【請求項4】 下記一般式(II)で表される結晶性珪酸
    塩を3〜40重量%含有する請求項1〜の何れか1項
    記載の高密度粒状洗剤組成物。 x(M2O)・y(SiO2)・z(MemOn)・w(H2O) (II) 〔式中、Mは周期律表のIa族元素を表し、Meは周期律表
    のIIa族元素、IIb族元素、IIIa族元素、IVa族元素又はV
    III族元素から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせ
    を示し、y/x=0.5〜2.6、z/x=0.01〜0.9、w=0〜2
    0、n/m=0.5〜2.0である。〕
  5. 【請求項5】 下記一般式(III) で表される結晶性珪酸
    塩を3〜40重量%含有する請求項1〜の何れか1項
    記載の高密度粒状洗剤組成物。 M2O・x'(SiO2)・y'(H2O) (III) 〔式中、Mはアルカリ金属を表し、x'=1.5〜2.6、y'=
    0〜20である。〕
  6. 【請求項6】 非石鹸系アニオン性界面活性剤を0.5
    〜5重量%の比率で含有する請求項1〜5の何れか1項
    記載の高密度粒状洗剤組成物。
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