JP4498474B2 - 高密度粒状洗剤組成物の製造方法 - Google Patents

高密度粒状洗剤組成物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度粒状洗剤組成物の製造方法に関する。詳しくは、洗剤スラリーを乾燥して得られた洗剤生地を破砕する工程で石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸で被覆された結晶性珪酸塩を系中に添加することで、使用されるまでに長期にわたり放置された場合でも結晶性珪酸塩の吸湿による変質を防ぐことができ、その結果、洗浄力が低下することなく、且つ水不溶分が少なく、衣類への粉末の付着、残留を激減することができる高密度粒状洗剤組成物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
衣料用洗剤は、1980年後半より、その形態において世界的に変貌を遂げ、嵩密度が大きく、使用時の容量が少ない高密度洗剤が主流を占めるようになってきた。
また、組成面では環境水域の富栄養化の問題から、縮合燐酸塩に代替する成分や更なる洗浄性の向上を目指した、より高性能な成分が配合されるようになってきた。前者の一例としては、特定の構造を有する結晶性アルミノ珪酸塩、後者の一例としては、結晶性珪酸塩が挙げられる。特に、結晶性珪酸塩においては、その優れたビルダー能とアルカリ緩衝能により、種々、検討されており、例えば特開平6−10000 号公報、特開平2−178398号公報、特開平7−53992 号公報等には、結晶性珪酸塩を配合した洗剤組成物が、更に特開平5−184946号公報、特開平6−116588号公報には、特定の結晶性珪酸塩及びこれを含有する洗剤組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、結晶性珪酸塩は水分との接触でも非晶質化が進行し、Caイオン補足能が低下あるいは消失してしまい、洗浄性能の低下をもたらす。また、結晶性珪酸塩は粉末形態で洗剤に配合されるため、例えば洗剤が長期間放置されて結晶性珪酸塩が吸湿により非晶質化した場合には、同じく洗剤に配合されている成分、例えばゼオライトなどとともに難溶性あるいは不溶性化して洗濯後の衣類や洗濯機の槽内に残留してしまう場合がある(いわゆる水不溶分の発生)。この非晶質化の問題は、上記各公報では何ら触れられていない。
【0004】
洗浄力の低下と水不溶物の衣類への残留の問題を解決すべく、本出願人等は以前、特定の分子量を有するポリアクリル酸等が、水不溶物の分散性を高めることに着目し、水不溶物の衣類への残留性を低減するために、特定量配合することを提案した。これらの技術は衣類への残留を少なくするのに効果的であるが、洗剤スラリーを乾燥した洗剤生地に結晶性珪酸塩を配合した組成物の場合、長期保存後の水不溶物の発生に対して敏感になりやすく、組成の自由度が制限されるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究の結果、少なくとも1種の界面活性剤と少なくとも1種のビルダーを含有する洗剤スラリーを乾燥して得られた洗剤生地を破砕し造粒して、高密度粒状洗剤組成物を製造するに当たり、石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸で被覆された結晶性珪酸塩粉末を、前記造粒時に添加して高密度粒状洗剤組成物を製造することにより、長期にわたり放置されても、洗浄力を低下させることなく、水不溶物の衣類への残留を低減できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち本発明は、少なくとも1種の界面活性剤と少なくとも1種のビルダーを含有する洗剤スラリーを乾燥して得られた洗剤生地を破砕し、造粒して嵩密度が0.65g/cm3 以上の高密度粒状洗剤組成物を製造するに当たり、石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸で被覆された結晶性珪酸塩粉末を、前記造粒時に添加することを特徴とする高密度粒状洗剤組成物の製造方法を提供するものである。
【0007】
本発明の製造方法は、高密度洗剤を、洗剤スラリーから得た乾燥洗剤生地を破砕し造粒することにより製造する方法において、造粒時に、石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸で被覆され且つ結晶性珪酸塩を添加することを特徴とするものである。
【0008】
この様な石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸で被覆された結晶性珪酸塩を用いることにより、組成の自由度を損なうことなく、使用するまで長期にわたり放置された場合でも、結晶性珪酸塩が吸湿することによる変質を防ぐことが出来、その結果、洗浄力を低下させることなく吸湿して非晶質化した結晶性珪酸塩によって生成すると考えられる水不溶物を低減できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、先ず少なくとも1種の界面活性剤と少なくとも1種のビルダーを含有する水性スラリーを調製し、公知の方法、例えばドラム乾燥、気流乾燥、真空薄膜乾燥で乾燥するか、好ましくは向流式噴霧乾燥装置等により噴霧乾燥粒子として乾燥洗剤生地を調製する。噴霧乾燥粒子の場合は平均粒径が 300〜1000μm 程度が好ましい。
【0010】
次いで、得られた乾燥洗剤生地を破砕し、造粒して、嵩密度0.65g/cm3 以上の高嵩密度粒状洗剤組成物を製造するが、本発明では、乾燥洗剤生地を破砕し造粒する時に、石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸で被覆された結晶性珪酸塩を添加する。その方法としては、乾燥洗剤生地を石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸で被覆された結晶性珪酸塩や他の洗剤原料とともに竪型或いは横型の攪拌造粒機(特開昭61−69897 号公報、特開昭61−69900 号公報に例示)に投入して、必要に応じて水、ノニオン活性剤等の液状物質をバインダーとして添加して攪拌造粒する方法や、乾燥洗剤生地と石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸で被覆された結晶性珪酸塩や他の洗剤原料をニーダーやリボンミキサー等で必要に応じて水、ノニオン活性剤等の液状物質を固さ調整剤として添加して捏和するか或いは混合した後に押し出し成形機で円柱状に圧密成形したり、2本のローハの間を通してシート状に圧密成形してこれらの圧密成形体をハンマーミル、カッターミル或いはスピードミル等の粉砕(破砕)造粒機で粒状化する方法が挙げられる。バインダーとしてはノニオン活性剤が好ましく、水分は少ない方が望ましい。
【0011】
以下、本発明に用いられる結晶性珪酸塩を具体的に説明する。
本発明に用いられる結晶性珪酸塩は、0.1重量%分散液において11以上のpHを示し、優れたアルカリ能を示す。また、1リットルのイオン交換水に結晶性珪酸塩0.1g添加した後、3分間攪拌を行い、珪酸塩を十分に溶解もしくは分散させた後の溶液のpHが11以上であり、更にこの溶液に0.1規定の塩酸を添加していきpHが10になるまでの量が少なくとも3ml以上であるようなアルカリ緩衝能を示すものである。
【0012】
本発明に用いられる結晶性珪酸塩としては、アルカリ金属珪酸塩が好ましく、特にSiO2/M2O(但し、Mはアルカリ金属を表す。)が 1.0〜2.6 であるものが用いられる。一方、特開昭60−227895号公報で用いられる結晶性珪酸塩は、SiO2/Na2O比(S/N比)が 1.9〜4.0 であるが、本発明においてS/N比が 2.6を越える珪酸塩は洗浄力が低下し、また1.0 以下の場合は、粉末物性が低下する場合があり、注意を要する。
【0013】
本発明に用いられる結晶性珪酸塩として、好ましくは次の組成を有するものが例示される。
▲1▼ xM2O・ySiO2・zMemn・wH2O (2)
(式中、Mは周期律表のIa族元素、MeはIIa、IIb、 IIIa、IVaもしくはVIII族元素から選ばれる1種または2種以上の組合せを示し、y/x=1.0 〜2.6 、z/x=0.01〜1.0 、n/m=0.5 〜2.0 、w=0〜20である。)
▲2▼ M2O・x'SiO2・y'H2O (3)
(式中、Mはアルカリ金属を表し、x'=1.5〜2.6、y'=0〜20である。)
まず、上記▲1▼の組成の結晶性珪酸塩について説明する。
一般式(2)において、Mは周期律表のIa族元素から選ばれ、Ia族元素としてはNa、K等が挙げられる。これらは単独であるいは例えばNa2OとK2Oとが混合してM2O成分を構成していてもよい。
Meは周期律表のIIa,IIb,IIIa,IVaまたはVIII族元素から選ばれ、例えばMg、Ca、Zn、Y、Ti、Zr、Fe等が挙げられる。これらは特に限定されるものではないが、資源及び安全上の点から好ましくはMg、Caである。また、これらは単独であるいは2種以上混合していてもよく、例えばMgO、CaOなどが混合してMemn成分を構成していてもよい。
また、本発明における結晶性珪酸塩においては、水和物であってもよく、この場合の水和量はw=0〜20の範囲である。
【0014】
また、一般式(2)においてy/xが1.0〜2.6であり、好ましくは1.5〜2.2である。y/xが 1.0未満では、ケーキング性などの洗剤組成物の粉末物性に悪影響を及ぼす。y/xが 2.6を越えると、洗浄力が低下する。z/xは0.01〜1.0 であり、好ましくは0.02〜0.9 である。z/xが0.01未満では耐水溶性が不十分であり、1.0 を越えるとイオン交換能が低くなり、イオン交換体として不十分である。x,y,zは前記のy/xおよびz/xに示されるような関係であれば、特に限定されるものではない。なお、前記のようにxM2Oが例えばx' Na2O・x”K2Oとなる場合は、xはx'+x”となる。このような関係は、zMemn成分が2種以上のものからなる場合におけるzにおいても同様である。また、n/m=0.5 〜2.0 は、当該元素に配位する酸素イオン数を示し、実質的には0.5 、1.0 、1.5 、2.0 の値から選ばれる。
【0015】
本発明における▲1▼の組成の結晶性珪酸塩は、前記の一般式に示されるようにM2O、SiO2 、Memn の三成分よりなっている。したがって、本発明における結晶性珪酸塩を製造するには、その原料として各成分が必要になるが、本発明においては特に限定されることなく公知の化合物が、適宜用いられる。例えば、M2O成分、Memn 成分としては、各々の当該元素の単独あるいは複合の酸化物、水酸化物、塩類、当該元素含有鉱物が用いられる。具体的には例えば、M2 O成分の原料としては、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Na2SO4等が、Memn 成分の原料としては、CaCO3 、MgCO3、Ca(OH)2、Mg(OH)2、MgO、ZrO2、ドロマイト等が挙げられる。SiO2 成分としてはケイ石、カオリン、タルク、溶融シリカ、珪酸ソーダ等が用いられる。
【0016】
本発明における▲1▼の組成の結晶性珪酸塩の調製方法は、目的とする結晶性珪酸塩のx,y,zの値となるように所定の量比で上記の原料成分を混合し、通常、 300〜1500℃、好ましくは 500〜1000℃、さらに好ましくは 600〜 900℃の範囲で焼成して結晶化させる方法が例示される。この場合、加熱温度が 300℃未満では結晶化が不十分で耐水溶性に劣り、1500℃を越えると粗大粒子化しイオン交換能が低下する。加熱時間は通常 0.1〜24時間である。このような焼成は、通常、電気炉、ガス炉等の加熱炉で行う事ができる。
【0017】
本発明における▲1▼の組成の結晶性珪酸塩は、イオン交換容量として少なくとも100 CaCO3 mg/g以上、好ましくは 200〜600 CaCO3 mg/gを有するものである。
【0018】
また、水へのSi溶出量はSiO2 換算で通常 110mg/g以下であり、実質的に水に不溶である。なお、本発明において実質的に水に不溶であるとは、試料2gをイオン交換水 100g中に加え、25℃で30分攪拌した場合におけるSi溶出量がSiO2 換算で通常 110mg/gより少ないものをいうが、本発明においては、 100mg/g以下のものが、本効果を満たす上でより好ましい。
【0019】
次に、前記▲2▼の組成の結晶性珪酸塩について説明する。
この結晶性珪酸塩は、一般式(3)
2O・x'SiO2・y'H2O (3)
(式中、Mはアルカリ金属を表し、x'=1.5〜2.6、y'=0〜20である。)
で表されるものであるが、一般式(3)中のx'、y'が1.7≦x'≦2.2、y'=0のものが好ましく、陽イオン交換能が 100〜400 CaCO3 mg/gのものが使用でき、本発明におけるイオン捕捉能を有する物質の一つである。
【0020】
かかる結晶性珪酸塩は、特開昭60−227895号公報にその製法が記載されており、一般的には無定形のガラス状珪酸ソーダを 200〜1000℃で焼成して結晶性とすることによって得られる。合成方法の詳細は例えば Phys. Chem. Glasses. 7, 127-138(1966)、Z. Kristallogr., 129, 396-404(1969)等に記載されている。また、この結晶性珪酸塩は例えばヘキスト社より商品名「Na-SKS-6」(δ−Na2Si2O5)として、粉末状、顆粒状のものが入手できる。
本発明において、前記▲1▼および▲2▼の組成の結晶性珪酸塩は、それぞれ単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。
【0021】
結晶性珪酸塩の平均粒径は5〜100 μm が好ましく、特に10〜80μmが好ましい。また、結晶性珪酸塩は、粒径125 μm 以上の粒子の割合が10重量%以下、特に5重量%以下であることが望ましい。
結晶性珪酸塩は、最終組成物中に0.1 〜20重量%、好ましくは0.5 〜10重量%の割合となるように添加される。
【0022】
結晶性珪酸塩を被覆する石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸は、結晶性珪酸塩に対して 0.1〜10重量%、好ましくは 0.1〜8重量%、最も好ましくは0.5 〜5重量%の割合(脂肪酸として換算)で用いられる。この範囲において洗浄性、溶解性が最も優れる。
【0023】
また石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸は、アルキル鎖の炭素数が12〜20の飽和あるいは不飽和の脂肪酸及びそのアルカリ金属塩で、特に炭素数が16〜18のナトリウム塩が好ましい。脂肪酸を含有する場合の含有比率は問わず、脂肪酸含量が5重量%〜95重量%でも被覆効果は発揮される。
【0024】
結晶性珪酸塩を被覆する方法としては、例えば、振動ミルの様な粉砕機で結晶性珪酸塩を粉砕する時に、脂肪酸や石鹸を一緒に投入し、粉砕機の熱により溶融させたり、機械力で結晶性珪酸塩の粒子表面に付着、展開させて被覆する方法や脂肪酸や石鹸をヘキサンなどの溶剤に分散、又は溶解させ、結晶性珪酸塩をその溶液に浸漬した後に、溶剤を蒸発させて被覆する方法などが挙げられる。尚、被覆する石鹸は結晶性珪酸塩のアルカリ性を利用して脂肪酸を中和することでも調製でき、その際に脂肪酸が全て中和される必要はない。
【0025】
乾燥洗剤生地中に含有される少なくとも1種の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
例えば、アニオン性界面活性剤としては、通常洗剤に使用されるアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩及びα−スルホ脂肪酸エステル塩で、配合量は最終組成物中に5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%である。この範囲において粉末物性と洗浄力が最も好適になる。
【0026】
また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられ、配合量は最終組成物中に1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは3〜8重量%である。この範囲において洗剤粒子接着性が大幅に増加することがないため、比較的低温で湿度の低い状態で放置しても、ペーストを形成することはない。
【0027】
さらに、少なくとも1種のビルダーとしては、結晶性あるいは非晶性アルミノ珪酸塩が挙げられる。また、特に低温での洗浄において効果的なものとしてポリアクリル酸塩、無水マレイン酸とアクリル酸又はオレフィンとのコポリマー及びポリアセタールカルボキシレートが挙げられる。この低温で効果的なビルダーの配合量は最終組成物中に 0.5〜10重量%、好ましくは、2〜8重量%であり、少なくとも1種を0.5 〜10重量%配合することで、衣類への水不溶物付着を抑制する。この理由としては、これらの塩が洗濯液中の水不溶物の分散性を高めることが考えられる。塩としてはナトリウム塩が、またポリマーとしては平均分子量10000 以上のものが特に本効果に優れる。
【0028】
本発明の高密度洗剤は、これら必須成分に加えて、他の成分、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩等の硬水軟水化剤、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止剤、亜硫酸塩等の還元剤、蛍光増白剤、香料等の洗剤常用成分を洗剤粒子中に含んでいてもよく、また、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ等の酵素、過炭酸ソーダ、過硼酸ソーダ等の漂白剤等を必要に応じてドライブレンド等により別粒子として配合できる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例をもって本発明を更に詳述するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0030】
実施例1
<被覆結晶性珪酸塩の調製方法>
結晶性珪酸塩と結晶性珪酸塩に対して重量比で1/100 の量にあたる顆粒状(直径約2mm)のパルミチン酸をHB−O型ミル(中央化工(株)製)に投入し、一定時間振動させて結晶性珪酸塩を粉砕する。この粉砕工程において、脂肪酸は発生する熱により溶融し、また結晶性珪酸塩のアルカリにより中和されて石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸となり、結晶性珪酸塩を被覆する。
【0031】
<高密度粒状洗剤組成物の調製>
表1の本発明品1は、次の方法で調製した。
表1に示す成分のうち、ノニオン界面活性剤配合量の50重量%相当分、結晶性アミルノ珪酸塩配合量の60重量%相当分、被覆処理された結晶性珪酸塩及び酵素の全配合量を除く成分から、含水率50%のスラリーを調製し、それを噴霧乾燥して得られた粉末をハイスピードミキサー(攪拌転動造粒機;深江工業株式会社製)に投入し、結晶性アルミノ珪酸塩の配合量の20重量%相当分、ノニオン界面活性剤の残りの50重量%相当分及び被覆処理された結晶性珪酸塩の全配合量を加えて造粒し、更に、結晶性アルミノ珪酸塩の配合量の30重量%相当分を加えて造粒し、得られた粒子に残りの結晶性アルミノ珪酸塩と酵素の全配合量を乾式混合することにより、高密度粒状洗剤組成物を得た。
その他の本発明品及び比較品についても上記スキームに従い、各配合割合をもって表1、2に示す高密度粒状洗剤組成物を調製した。
【0032】
<高密度粒状洗剤組成物の評価>
この様な方法で得られた高密度粒状洗浄組成物を30℃、40〜80%の環境可変室に1カ月間、洗剤用カートンに入れた状態で放置した後、下記の方法で水不溶物の衣類への残留蓄積性試験を行った。その結果を表1、2に示す。
【0033】
◎衣類への残留蓄積性試験
洗濯の影響による結晶性アルミノ珪酸ナトリウム由来の水不溶物の衣料への残留蓄積性を評価するために図1(a)〜(c)に示す洗濯機のモデルをステンレスで作製した。図1(a)の八方に穴の開いた上部開放の筒1は全自動洗濯機の内槽に相当し、図1(b)の筒2は洗濯機の外槽に相当する。また、このモデルは筒2の下部に開けられた半円の穴におけるゴム栓3の開閉により系内の排水を行うものである。また、筒1の底の中心にスターラーピース(7mm×40mm) を置き、回転(500rpm)させることにより水流を起こす。
評価は次の要領で行った。予め、筒2の重量を測定し(ゴム栓無し)、筒2の側面下部のゴム栓3をし、20℃、硬度3°DHの水1リットルを筒1の中心に2リットル/分の流速で注入する。その時、筒2には、筒1の側面に開けられた穴より水が流出し、筒1と筒2の水位が一致する。次にスターラーピースを回転(500rpm) させ、水流を起こし、30秒後水流が安定した時点で上記の方法で調製した洗剤組成物1gを筒1の水面に投入し攪拌する。洗剤組成物投入より10分後スターラーを停止すると同時に、筒2の側面のゴム栓を引き抜き、洗剤組成物液を排出する。上記操作を 100回繰り返した後、筒1を筒2から取り外し、筒2を 105℃で2時間乾燥した後に、重量を測定し、水不溶分の残留による重量増加分を求めた。その結果を表1〜2に示す。
更に、筒2の重量増加(g)と実際の洗濯における衣料への水不溶分の付着、残留性の関係を以下に示す。前述の洗濯機モデルによる試験は以下の条件で洗濯した場合に相当する。
洗濯機:松下電器NA−F42Y5
洗濯衣料:黒布(混紡(ポリエステル/綿))=65/35 20枚
洗剤組成物:40g
洗濯コース:中水位(水量表示40リットル)で、洗濯9分→濯ぎ2回→脱水3分→乾燥(30℃、40%RHで24時間保存)
衣料乾燥後、黒布20枚のうち、10枚を任意に選択する。その際の黒布への水不溶物付着及び残留性と筒2の重量増加分との関係は以下の通りである。
<重量増加(g)> <黒布への付着、残留性>
0〜0.2 問題なし(付着物なし)
0.2〜0.4 若干付着あり
0.4〜0.6 付着物あり
0.6以上 付着残留物が多量にある
衣類への付着及び残留性は、重量増加が 0.4g以下であることが望まれる。
【0034】
【表1】
Figure 0004498474
【0035】
【表2】
Figure 0004498474
【0036】
注)
・結晶性珪酸塩(1) :結晶性珪酸塩〔SKS-6 (ヘキスト社製)〕に対して1重量%の石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸で被覆されている。平均粒径=50μm、粒径 125μm以上の粒子の割合=5重量%
・結晶性珪酸塩(2) :石鹸等での被覆は行われていない〔SKS-6 (ヘキスト社製)〕。平均粒径=50μm、粒径 125μm以上の粒子の割合=5重量%
・酵素:API-21H (昭和電工(株)製)、リポラーゼ100T(ノボノルディスク社製)、セルザイム0.1T(ノボノルディスク社製)、ターマミル60T (ノボノルディスク社製)を2:1:1:1(重量比)で混合したもの
・蛍光染料:ホワイテックスSA(住友化学工業(株)製)とチノパールCBS-X (チバガイギー社製)を1:1(重量比)で混合したもの
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた洗濯機モデルの概略図である。
【符号の説明】
1…筒(内槽)
2…筒(外槽)
3…ゴム栓

Claims (3)

  1. 少なくとも1種の界面活性剤と少なくとも1種のビルダーを含有する洗剤スラリーを乾燥して得られた洗剤生地を破砕し、造粒して嵩密度が0.65g/cm3 以上の高密度粒状洗剤組成物を製造するに当たり、結晶性珪酸塩に粉砕機の熱により溶融した石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸を付着させて被覆した平均粒径が5〜100μmの結晶性珪酸塩粉末を、前記造粒時に添加することを特徴とする高密度粒状洗剤組成物の製造方法。
  2. 前記結晶性珪酸塩粉末を被覆する石鹸又は脂肪酸を含有する石鹸量が、結晶性珪酸塩に対して 0.1〜10重量%(脂肪酸として換算)である請求項1記載の高密度粒状洗剤組成物の製造方法。
  3. 前記結晶性珪酸塩粉末中の粒径 125μm以上の粒子の割合が10重量%以下である請求項1又は2記載の高密度粒状洗剤組成物の製造方法。
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