JPH11354715A - 電力制御用半導体集積回路 - Google Patents

電力制御用半導体集積回路

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JPH11354715A
JPH11354715A JP10163727A JP16372798A JPH11354715A JP H11354715 A JPH11354715 A JP H11354715A JP 10163727 A JP10163727 A JP 10163727A JP 16372798 A JP16372798 A JP 16372798A JP H11354715 A JPH11354715 A JP H11354715A
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emitter
emitters
control circuit
semiconductor integrated
integrated circuit
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Yasuyuki Tezuka
康之 手塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワートランジスタから発生する熱に緩やか
な勾配を設定して熱帰還の影響を少なくし、回路配置ス
ペースの無駄を省くと共に、大電流動作時の特性を向上
させる。 【解決手段】 パワートランジスタ9内のそれぞれのエ
ミッタ10(1〜n)と、これに接触するコンタクト1
3(1〜n)の両方の短冊形状の長辺を平行とし、かつ
その短辺を異なる長さとしてエミッタ抵抗の異なる複数
のエミッタ10(1〜n)を形成し、これらのエミッタ
10を、制御回路3に対してその面積が大きい程、遠く
なるように配列する。また、上記エミッタのそれぞれの
形状を略同一とし、エミッタコンタクトのみの短辺を異
なる長さにしてもよい。これにより、熱帰還の影響を考
慮した熱勾配がパワートランジスタ9に付与され、この
トランジスタ9を制御回路3に近接配置できることにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電力制御用半導体集
積回路、特に熱源となるパワートランジスタとその制御
回路が同一基板に配置される半導体集積回路の熱帰還に
よる影響を低減する構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、大電流が必要となるパワート
ランジスタでは、複数のエミッタが配置・形成された構
成となっており、この構成の一例を図7に示す。この図
7において、同一基板に配置される集積回路1に、パワ
ーNPNトランジスタ2とその制御回路3が配置されて
おり、このパワートランジスタ2内では例えば3個のエ
ミッタ4,5,6が形成される。
【0003】このエミッタ4〜6のそれぞれの面積は、
図示のように同一とされるので、各エミッタ4〜6の電
流密度が均等となり、このような構成のエミッタを複数
形成することによって、上記制御回路3に対する熱の影
響を小さくすることができる。
【0004】即ち、図7に示されるように、パワートラ
ンジスタ2に流れる電流をIC0とすると、各エミッタ4
〜6に流れる電流は均等であるから、IC4=IC5=IC6
=(1/3)IC0アンペアとなる。また、このエミッタ
4〜6の抵抗R4,R5,R6=R0とすると、総電力量P
0は、 P0 =I2R=P4+P5+P6 =[(1/3)IC0・R0+[(1/3)IC0・R0 +[(1/3)IC0・R0 となる。
【0005】ここで、パワートランジスタ2の制御回路
3に対するそれぞれのエミッタ4〜6からの熱の影響度
Hは、この制御回路3からの距離に反比例することか
ら、図6に示すように制御回路3からの距離をそれぞれ
X,2X,3Xとすると、次の式で表される。 H=[(1/3)IC0・R0/X+[(1/3)IC0・R0/2X +[(1/3)IC0・R0/3 X ≒0.2037IC0 ・R0/X
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の半導体集積回路のパワートランジスタでは、熱帰還
の影響を十分に排除することができず、大電流動作時の
特性を安定させるために、上記パワーNPNトランジス
タ2を制御回路3からある程度離して配置しており、回
路スペースの縮小化の妨げになるという問題があった。
即ち、熱の影響は距離に反比例することから、上記制
御回路3からパワートランジスタ2を遠くに離せばよい
が、このトランジスタ2の占める面積が大きいため、遠
くに離すことにより比較的大きなスペースを無駄に使用
してしまうことになる。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、パワートランジスタから発生する
熱に緩やかな勾配を設定して熱帰還の影響を少なくし、
当該パワートランジスタと制御回路との距離を離さず
に、大電流動作時の特性を向上させることができる半導
体集積回路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、複数のエミッタを具備する
パワーNPNトランジスタと、このトランジスタを駆動
するために同一基板上に配置された制御回路と、を有す
る半導体集積回路において、上記複数のエミッタのそれ
ぞれの面積又はエミッタ抵抗成分が異なる値となるよう
に設定し、これら複数のエミッタは、上記制御回路に対
して上記エミッタの面積が大きい程遠くなるように、又
は上記エミッタ抵抗成分が小さい程遠くなるように配列
し、この制御回路から遠くなるエミッタ程、このエミッ
タに流れる電流が大きくなるようにしたことを特徴とす
る。ここで、上記のエミッタ抵抗成分とは、エミッタと
エミッタコンタクトの接触領域で生じる抵抗や、このエ
ミッタやコンタクトに直接接続されるアルミ配線等の抵
抗成分をいうものとする。
【0009】請求項2に係る発明は、上記エミッタの短
冊形状の長辺を平行とし、かつその短辺の長さを変えて
面積の異なる複数のエミッタを形成し、これら複数のエ
ミッタは、上記制御回路に対して上記短冊形状の短辺が
長い程、遠くなるように配列したことを特徴とする。
【0010】請求項3に係る発明は、上記複数のエミッ
タのそれぞれの形状を略同一とし、このエミッタに接触
するエミッタコンタクトの短冊形状の短辺を変えて、異
なる上記エミッタ抵抗成分を設定することを特徴とす
る。請求項4に係る発明は、上記複数のエミッタに接続
されるアルミ配線の抵抗成分を変えて、上記エミッタ抵
抗成分を異なる値に設定することを特徴とする。
【0011】上記の構成によれば、パワートランジスタ
に配置される複数のエミッタにつき、制御回路に近くな
る程、エミッタの面積が小さくなり、またエミッタ抵抗
成分が大きくなり、発生する熱が小さくなるという熱勾
配が設定される。この結果、パワートランジスタを制御
回路に近づけることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1には、実施形態の第1例に係
る電力制御用半導体集積回路の構造が示されており、こ
の第1例においても、図示されるように、集積回路1が
同一基板に形成される。この集積回路1では、パワーN
PNトランジスタ9とその制御回路3が近接して配置さ
れており、このパワートランジスタ9内には、例えばn
個のエミッタ10−1,10−2,…10−nが形成さ
れ、このエミッタ10(1〜n)の周囲にベース11、
このベース11の周囲にコレクタ12が形成される。
【0013】上記のエミッタ10−1,10−2,…1
0−nは、それぞれが短冊形状を成し、全体でストライ
プ形状とされ、このエミッタ10(1〜n)には、その
上側にエミッタコンタクト13−1,13−2,…13
−nが接触するように配置される。そして、第1例で
は、これらエミッタ10(1〜n)の面積及びこれに接
触するエミッタコンタクト13(1〜n)の面積が異な
るように形成される。なお、上記ベース11にはベース
コンタクト14、上記コレクタ12にはコレクタコンタ
クト15が接触するように配置される。
【0014】当該第1例では、上記エミッタ10(1〜
n)は、その長辺が同一長さとされ、かつこの長辺が平
行となるように配列される一方、その短辺は制御回路3
から遠い程、長くなるように設定して、それぞれの面積
を異ならせている。他方のエミッタコンタクト13(1
〜n)においても同様であり、図示されるように、ベー
ス11との接触を避けるために、エミッタ10(1〜
n)よりも全体をやや小さくした状態で、各コンタクト
13が異なる面積となるように形成する。
【0015】この結果、制御回路3から離れる程、エミ
ッタ10の面積が大きくなり、またエミッタコンタクト
13が接触する面積も大きくなってエミッタに流れる電
流が増加し、逆に制御回路3に近づく程、上記エミッタ
10とエミッタコンタクト13の接触面積が小さくなっ
てエミッタに流れる電流が減少することになる。
【0016】図2には、実施形態の第2例の構成が示さ
れており、この第2例はエミッタコンタクトのみの面積
を変えたものである。図2に示されるように、当該例で
は、パワートランジスタ9内に形成される複数のエミッ
タ16−1,16−2,…16−nについて、その短辺
の長さを同一として全ての面積を同一に形成する。
【0017】一方、このエミッタ16(1〜n)の上側
で接触するエミッタコンタクト17−1,17−2,…
17−nについては、その短辺を、制御回路3から遠ざ
かる程長くなるように設定して、遠ざかる程、エミッタ
16とコンタクト17が接触する面積が大きくなるよう
にする。なお、その他の構成は第1例と同様になる。こ
の第2例によれば、上記制御回路3から離れる程、エミ
ッタ抵抗成分が小さくなり、逆に近づく程、エミッタ抵
抗成分が大きくなる。
【0018】図3には、実施形態の第3例の構成が示さ
れており(コンタクトは省略する)、この第3例はエミ
ッタに接続される抵抗成分の値を変えたものである。図
3に示されるように、エミッタ18−1,18−2,…
18−nには、配線であるアルミ線が接続されるが、上
記エミッタ18−1に接続されるアルミ線19−1を一
番長くし、このアルミ線19−1からエミッタ18−2
に接続されるアルミ線19−2,…エミッタ18−nに
接続されるアルミ線19−nの順で、即ち制御回路3か
ら遠くのエミッタ18になる程、アルミ線19の長さを
短くする。なお、これらのアルミ線19(1〜n)は一
本のアルミ本線20に接続される。このような第3の構
成によっても、制御回路3から離れる程、エミッタ抵抗
成分が小さくなり、逆に近づく程、エミッタ抵抗成分が
大きくなる。
【0019】図4には、上記の第1例から第3例におい
て、3個のエミッタを配置した場合のパワートランジス
タ回路が示されている。図示されるパワートランジスタ
9内には、3個のNPNトランジスタ21,22,23
が形成され、エミッタの面積で考えると、左側のトラン
ジスタ21のエミッタの面積が最も小さく、次に小さい
のがトランジスタ22で、右側のトランジスタ23のエ
ミッタの面積が最も大きくなる。また、エミッタ抵抗成
分で考えると、左側のトランジスタ21のエミッタ抵抗
が最も大きく、右側のトランジスタ23の抵抗が最も小
さくなる。
【0020】そして、これらトランジスタ21,22,
23のコレクタにコレクタ電圧24、ベースにベース電
圧25が与えられると、上記トランジスタ21にはコレ
クタ電流IC21、上記トランジスタ22にはコレクタ電
流IC22、上記トランジスタ23にはコレクタ電流IC23
が流れることになる。
【0021】図5には、上記図4の回路において、ある
値のコレクタ電圧24を与えると共に、ベース電圧25
を変化させたときのコレクタ電流が示されている。図示
されるように、あるベース電位Vxにおけるコレクタ電
流IC21,IC22,IC23の値は、エミッタ抵抗が最も大
きいトランジスタ21のコレクタ電流IC21<次にエミ
ッタ抵抗が大きいトランジスタ22のコレクタ電流I
C22<エミッタ抵抗が最も小さいトランジスタ23のコ
レクタ電流IC23の大小関係となる。
【0022】このことからも理解されるように、エミッ
タの面積を小さく又はエミッタ抵抗成分を大きくするこ
とによりコレクタ電流が制限されることになり、これに
よって熱の発生に勾配を与えることが可能となる。この
熱勾配については、図6を参照して説明する。
【0023】図6において、パワートランジスタ9内に
第1例のエミッタ10−1から10−3の3つを配置し
た場合を考えると、制御回路3に近いエミッタ10−1
は当該制御回路3からXの距離、次のエミッタ10−2
は2Xの距離、最も遠いエミッタ10−3は3Xの距離
にある。
【0024】そして、パワートランジスタ9に流れる電
流をIC0とし、例えばエミッタ10−1の抵抗R1を2
0、エミッタ10−2の抵抗R2をR0、エミッタ10
−3の抵抗R3を(2/3)R0とすると、エミッタ10
−1に流れる電流IC1が(1/6)ICO、エミッタ10
−2に流れる電流IC2が(1/3)ICO、エミッタ10
−3に流れる電流IC3が(1/2)ICOとなる。
【0025】そして、総電力量P0は、 P0 =I2R=P1+P2+P3 =[(1/6)IC0・2R0+[(1/3)IC0・R0 +[(1/2)IC0・(2/3)R0 となる。
【0026】ここで、パワートランジスタ9の制御回路
3に対するそれぞれのエミッタ10−1〜10−3から
の熱の影響度Hは、この制御回路3からの距離に反比例
するので、次の式で表される。 H=[(1/6)IC0・2R0/X+[(1/3)IC0・R0/2X +[(1/2)IC0・(2/3)R0/3 X ≒0.1667IC0 0/X この熱の影響度Hは、従来では、上述のように0.20
37IC0 0/Xであったから、これと比べると、当
該例では、約20%低下したことになる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、異なるエミッタの面積又はエミッタ抵抗成
分を有する複数のエミッタを形成し、これらを制御回路
に対してエミッタの面積が大きい程遠くなるように、又
はエミッタ抵抗成分が小さい程遠くなるように配列し
て、制御回路から遠くなる程、エミッタに流れる電流が
大きくなるようにしたので、パワートランジスタから発
生する熱に緩やかな勾配を設定して熱帰還の影響を少な
くすることができ、このパワートランジスタとその制御
回路とを近接配置できるので、無駄に回路スペースを使
うことがない。しかも、熱帰還による影響が低減され、
大電流動作時の特性を向上させることが可能となる。
【0028】請求項2に係る発明によれば、エミッタの
短辺を変えて異なる面積を設定することにより、また請
求項3の発明によれば、エミッタコンタクトの短辺を変
えて異なるエミッタ抵抗成分を設定することにより、更
に請求項4の発明によれば、エミッタに接続されるアル
ミ配線の抵抗成分を変えることにより、上記の効果を得
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の第1例に係る電力制御用半
導体集積回路の構成を示す図である。
【図2】実施形態の第2例に係る半導体集積回路の構成
を示す図である。
【図3】実施形態の第3例に係る半導体集積回路の構成
を示す図である。
【図4】実施形態の各例で構成されるパワートランジス
タ回路を示す図である。
【図5】図4のパワートランジスタ回路で得られるコレ
クタ電流を示すグラフである。
【図6】実施形態例の半導体集積回路での制御回路とエ
ミッタとの関係(距離及び抵抗値等)を示す説明図であ
る。
【図7】従来の半導体集積回路での制御回路とエミッタ
との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 … 半導体集積回路、 2,9 … パワートランジスタ、 3 … 制御回路、 10(1〜n),16(1〜n),18(1〜n) …
エミッタ、 13(1〜n),17(1〜n) … エミッタコンタ
クト、 19(1〜n) … アルミ線。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】ここで、パワートランジスタ9の制御回路
3に対するそれぞれのエミッタ10−1〜10−3から
の熱の影響度Hは、この制御回路3からの距離に反比例
するので、次の式で表される。 H=[(1/6)IC0・2R0/X+[(1/3)IC0・R0/2X +[(1/2)IC0・(2/3)R0/3X ≒0.1667IC0 0/X この熱の影響度Hは、従来では、上述のように0.20
37IC0 0/Xであったから、これと比べると、当
該例では、約20%低下したことになる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のエミッタを具備するパワートラン
    ジスタと、このパワートランジスタを駆動するために同
    一基板上に配置された制御回路と、を有する半導体集積
    回路において、 上記複数のエミッタのそれぞれの面積
    又はエミッタ抵抗成分が異なる値となるように設定し、
    これら複数のエミッタは、上記制御回路に対して上記
    エミッタの面積が大きい程遠くなるように、又は上記エ
    ミッタ抵抗成分が小さい程遠くなるように配列し、この
    制御回路から遠くなるエミッタ程、このエミッタに流れ
    る電流が大きくなるようにしたことを特徴とする電力制
    御用半導体集積回路。
  2. 【請求項2】 上記エミッタの短冊形状の長辺を平行と
    し、かつその短辺の長さを変えて面積の異なる複数のエ
    ミッタを形成し、 これら複数のエミッタは、上記制御回路に対して上記短
    冊形状の短辺が長い程、遠くなるように配列したことを
    特徴とする上記請求項1記載の電力制御用半導体集積回
    路。
  3. 【請求項3】 上記複数のエミッタのそれぞれの形状を
    略同一とし、このエミッタに接触するエミッタコンタク
    トの短冊形状の短辺を変えて、異なる上記エミッタ抵抗
    成分を設定することを特徴とする上記請求項1又は2記
    載の電力制御用半導体集積回路。
  4. 【請求項4】 上記複数のエミッタに接続されるアルミ
    配線の抵抗成分を変えて、上記エミッタ抵抗成分を異な
    る値に設定することを特徴とする上記請求項1記載の電
    力制御用半導体集積回路。
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