JPH11354105A - リチウム二次電池とその製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池とその製造方法

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JPH11354105A
JPH11354105A JP10160229A JP16022998A JPH11354105A JP H11354105 A JPH11354105 A JP H11354105A JP 10160229 A JP10160229 A JP 10160229A JP 16022998 A JP16022998 A JP 16022998A JP H11354105 A JPH11354105 A JP H11354105A
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positive electrode
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polytetrafluoroethylene
electrode active
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JP10160229A
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Masakatsu Urairi
正勝 浦入
Masao Abe
正男 阿部
Naoto Akaha
尚登 赤羽
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極活物質のバインダとしてポリテトラフル
オロエチレンを使用し、その塗料の粘性特性や塗膜強度
を向上させるとともに、正極活物質の劣化を防止して、
高容量のリチウム二次電池を得る。 【解決手段】 有機電解液4中でシ―ト状正極1とシ―
ト状負極2とをセパレ―タ3を介して対向させたリチウ
ム二次電池の製造において、上記のシ―ト状正極1の作
製にあたり、ポリテトラフルオロエチレンのフアインパ
ウダを炭化水素系溶剤に分散させた分散液と、ポリオレ
フイン樹脂を炭化水素系溶剤に溶解させた溶液とを混合
し、これにさらに正極活物質を混合して塗料を調製し、
この塗料を導電性基体上に塗布し、乾燥して、導電性基
体上に正極活物質およびバインダとしてのポリテトラフ
ルオロエチレンとポリオレフイン樹脂との混合物を含有
する塗膜を形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
に関し、さらに詳しくは、正極活物質の劣化が少なく、
高容量であるリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は、正極活物質とバイ
ンダを含む塗料を導電性基体上に塗布、乾燥して塗膜を
形成したシ―ト状正極と、負極活物質とバインダを含む
塗料を導電性基体上に塗布、乾燥して塗膜を形成したシ
―ト状負極とを、セパレ―タを介して対向させ、渦巻状
に捲回するなどして電極体を構成し、これを有機電解液
とともに電池ケ―ス内に封入して作製されており、単位
体積あたりのエネルギ―密度や単位重量当りのエネルギ
―密度が高いという特徴を有している。
【0003】このようなリチウム二次電池において、シ
―ト状正極に用いるバインダには、充電時の活物質によ
る強い酸化作用に対する耐性や有機電解液に対する化学
的安定性の点から、ポリテトラフルオロエチレンが好適
であることが知られている。しかしながら、このポリテ
トラフルオロエチレンは水や有機溶剤に不溶のため、導
電性基体上に良好に塗膜形成できるようなチキソトロピ
―性の粘性特性を示す塗料が得られにくいという難点が
あつた。
【0004】また、正極活物質などと粉末状のポリテト
ラフルオロエチレンに適当な液体を加えて混合攪拌して
塗料を調製し、これを導電性基体上に塗布し、乾燥して
形成しただけの塗膜は、この塗膜中に含まれている粉末
状のポリテトラフルオロエチレンが結着していないた
め、塗膜状を保持する強度が得られにくい。このため、
上記状態の塗膜では、たとえば、導電性基体に対し塗膜
を下方に向けただけで、塗膜が剥離、落下してしまうと
いう問題があつた。
【0005】このような問題に対して、特開平2−15
8055公報には、粉末状の正極活物質に粘性剤として
カルボキシメチルセルロ―スの水溶液を加え、これにポ
リテトラフルオロエチレンの水分散液を加えて、塗料を
調製すると、これを圧延アルミニウム箔のようなフイル
ム状の導電性基体上に塗布し、乾燥することにより、導
電性基体との接着強度の良好な塗膜を形成できるとの報
告がなされている。また、特開平1−320761公報
には、粘性剤としてポリアクリル酸ソ―ダやその他アク
リル系ポリマ―を使用できるとの記載もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
粘性剤を加えて調製した塗料は、水を溶剤としているた
め、正極活物質中からリチウムが溶出して水と反応し、
それにより正極活物質の劣化が生じる問題があつた。こ
の問題は高容量が得られる正極活物質を用いたときほど
顕著となり、たとえば、正極活物質として高容量が得ら
れることが知られているリチウムニツケル酸化物(Li
NiO2 )を用いた場合には、電池容量が1/10以下
にまで低下する。また、粘性剤をアルコ―ルで溶解した
塗料でも、正極活物質の劣化を完全に防止することはで
きなかつた。
【0007】本発明は、このような事情に照らし、正極
活物質のバインダとしてポリテトラフルオロエチレンを
用いる場合に、その塗料の粘性特性や塗膜強度を向上さ
せるとともに、上記のような従来の問題点を解決し、正
極活物質の劣化を防止した、高容量のリチウム二次電池
を得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、鋭意検討した結果、正極活物質の
バインダとして、ポリテトラフルオロエチレンとポリオ
レフイン樹脂とを組み合わせ使用することにより、ポリ
テトラフルオロエチレンはそのフアインパウダを炭化水
素系溶剤に分散させ、ポリオレフイン樹脂はこれを炭化
水素系溶剤に溶解させて、これらを混合しこれに正極活
物質を混合すると、塗膜形成を良好に行えるチキソトロ
ピ―性の粘性特性を示す塗料が得られ、かつこれより形
成される塗膜は導電性基体への接着性などを満足する良
好な塗膜強度を示し、しかも上記の塗料は水やアルコ―
ルを用いていないために、正極活物質中からのリチウム
の溶出のおそれがなく、したがつて、正極活物質の劣化
が生じず、高容量のリチウム二次電池が得られることを
知り、本発明を完成するに至つた。
【0009】すなわち、本発明は、有機電解液中でシ―
ト状正極とシ―ト状負極とをセパレ―タを介して対向さ
せたリチウム二次電池において、上記の正極は、導電性
基体とこの上に設けられた正極活物質およびバインダを
含有する塗膜とからなり、かつ上記のバインダは、ポリ
テトラフルオロエチレンとポリオレフイン樹脂との混合
物からなることを特徴とするリチウム二次電池(請求項
1)と、このリチウム二次電池における上記のシ―ト状
正極を作製するにあたり、ポリテトラフルオロエチレン
のフアインパウダを炭化水素系溶剤に分散させた分散液
と、ポリオレフイン樹脂を炭化水素系溶剤に溶解させた
溶液とを混合し、これにさらに正極活物質を混合して塗
料を調製し、この塗料を導電性基体上に塗布し、乾燥し
て、上記基体上に正極活物質およびバインダとしてのポ
リテトラフルオロエチレンとポリオレフイン樹脂との混
合物を含有する塗膜を形成することを特徴とするリチウ
ム二次電池の製造方法(請求項2)とに係るものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のシ―ト状正極において、
正極活物質としては、たとえば、リチウムニツケル酸化
物、リチウムコバルト酸化物、リチウムマンガン酸化物
(これらは、通常、LiNiO2 、LiCoO2 、Li
Mn2 4 で表されるが、LiとNiとの比、LiとC
oとの比、LiとMnとの比は化学量論組成からずれて
いる場合が多い)などのリチウム含有複合金属酸化物
が、単独または2種以上の混合物として、あるいはそれ
らの固溶体として用いられる。
【0011】このような正極活物質のバインダとして
は、ポリテトラフルオロエチレンと、ポリオレフイン樹
脂との混合物が用いられる。シ―ト状正極の塗膜中、こ
れらバインダの含有量としては、0.2〜20重量%、
とくに0.5〜15重量%であるのが好ましい。0.2
重量%より少ない場合は、塗膜の機械的強度が不足し、
塗膜が導電性基体から剥離しやすくなり、また20重量
%を超えると、塗膜中の正極活物質が減少して、電池容
量が低下するおそれがある。
【0012】ポリテトラフルオロエチレンは、従来の水
性分散液ではなく、そのフアインパウダを炭化水素系溶
剤に分散させた分散液として用いられる。ここで、上記
のフアインパウダは、たとえば、テトラフルオロエチレ
ンモノマ―を水中で乳化重合して合成される平均粒径
0.1〜10μm程度のポリテトラフルオロエチレン粒
子の水分散液に界面活性剤などを添加して水性分散液を
調製したのち、これを凝集することにより、得ることが
できる。また、上記のポリオレフイン樹脂は、電気化学
的に安定でかつ炭化水素系溶剤に溶解するものとして、
ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどが好ましく用いられる。
【0013】このようなバインダ中、ポリテトラフルオ
ロエチレンは5〜80重量%、とくに10〜75重量%
であり、ポリオレフイン樹脂は95〜20重量%、とく
に90〜25重量%であるのが好ましい。ポリテトラフ
ルオロエチレンが5重量%未満で、ポリオレフイン樹脂
が95重量%を超えると、シ―ト状正極の塗膜が有機電
解液に浸されたときに、正極活物質などの固体粒子を結
着しているバインダの膨潤が大きくなり、固体粒子間や
固体粒子と導電性基体との間の電気的接触が低下し、電
池の電気容量の低下や大電流放電特性の低下などの問題
を生じやすい。また、ポリテトラフルオロエチレンが8
0重量%を超え、ポリオレフイン樹脂が20重量%未満
となると、これらと正極活物質などを混合した塗料の粘
性特性や塗膜強度が低下するなどの不都合が起こりやす
い。
【0014】本発明のシ―ト状正極は、上記のポリテト
ラフルオロエチレンのフアインパウダを炭化水素系溶剤
に分散させた分散液と、上記のポリオレフイン樹脂を炭
化水素系溶剤に溶解させた溶液とを混合し、これにさら
に正極活物質を混合して塗料を調製し、この塗料を導電
性基体上に塗布し、乾燥して、上記基体上に正極活物質
およびバインダとしてのポリテトラフルオロエチレンと
ポリオレフイン樹脂との混合物を含有する塗膜を形成す
ることにより、作製できる。
【0015】ここで、ポリテトラフルオロエチレンのフ
アインパウダを分散させる炭化水素系溶剤には、脂肪族
炭化水素(流動パラフインなど)や芳香族炭化水素が用
いられる。また、ポリオレフイン樹脂を溶解させる炭化
水素系溶剤には、脂環族炭化水素、脂肪族炭化水素(流
動パラフインなど)、芳香族炭化水素が用いられ、これ
らの中でも、溶解度の高いシクロヘキサン、シクロヘキ
センなどの脂環族炭化水素がとくに好ましく、また低温
で凝固することを回避するために、上記の脂環族炭化水
素とともに、低融点のキシレン、トルエンなどの芳香族
炭化水素を併用するのも好ましい。さらに、上記の塗料
には、必要により、鱗片状黒鉛、カ―ボンブラツクなど
の電子伝導助剤を添加するようにしてもよい。
【0016】上記の塗料を導電性基体上に塗布する方法
としては、たとえば、押出しコ―タ、リバ―スロ―ラ、
ドクタ―ブレ―ドなどをはじめ、各種の塗布方法を採用
することができる。また、上記の導電性基体としては、
たとえば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、銅な
どの金属製導電材料を網、パンチドメタル、フオ―ムメ
タルや、板状に加工した箔などが用いられる。
【0017】本発明のシ―ト状負極において、負極活物
質としては、たとえば、リチウム金属またはリチウム含
有化合物が用いられる。リチウム含有化合物としては、
リチウム合金とそれ以外のものがある。リチウム合金と
しては、たとえば、リチウム−アルミニウム、リチウム
−鉛、リチウム−ビスマス、リチウム−インジウム、リ
チウム−ガリウム、リチウム−インジウム−ガリウムな
どのリチウムと他の金属との合金が挙げられる。リチウ
ム合金以外のリチウム含有化合物としては、たとえば、
乱層構造を有する炭素材料、黒鉛などが挙げられる。こ
れらは製造時にはリチウムを含んでいないものもある
が、負極活物質として作用するときには、化学的手段、
電気化学的手段によりリチウムを含有した状態になる。
【0018】シ―ト状負極は、上記の負極活物質に対し
て、必要により鱗片状黒鉛、カ―ボンブラツクなどの電
子伝導助剤を加え、これにポリビニリデンフロライド、
エチレン−プロピレンジエンタ―ポリマ―などの適宜の
バインダを加え、さらに溶剤を加えて混合して塗料を調
製し、この塗料を導電性基体上に塗布し、乾燥して、塗
膜を形成することにより、作製することができる。
【0019】ここで、上記塗料の導電性基体への塗布方
法は、シ―ト状正極の場合と同様、押出しコ―タ、リバ
―スロ―ラ、ドクタ―ブレ―ドなどをはじめ、各種の塗
布方法を採用することができる。また、導電性基体につ
いても、同様であり、アルミニウム、ステンレス鋼、チ
タン、銅などの金属製導電材料を網、パンチドメタル、
フオ―ムメタルや、板状に加工した箔などが用いられ
る。
【0020】本発明における有機電解液としては、たと
えば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシ
エタン、プロピレンカ―ボネ―ト、エチレンカ―ボネ―
ト、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3
−ジオキソラン、ジエチルカ―ボネ―ト、ジメチルカ―
ボネ―ト、エチルメチルカ―ボネ―トなどの単独または
2種以上の有機溶剤に、たとえば、LiCF3 SO3
LiC4 9 SO3 、LiClO4 、LiPF6 、Li
BF4 などの電解質を単独または2種以上溶解させてな
るものが用いられる。また、本発明におけるセパレ―タ
はしては、たとえば、厚さが10〜50μmで、開孔率
が30〜70%である微多孔性ポリエチレンフイルム、
微多孔性ポリプロピレンフイルムまたは微孔性のポリプ
ロピレン/ポリエチレン複合フイルムなどが好適に用い
られる。
【0021】本発明においては、たとえば、上記のシ―
ト状正極とシ―ト状負極とを両者間にセパレ―タを介在
させて渦巻状に捲回した渦巻状電極体を、ニツケルめつ
きを施した鉄やステンレス鋼製の電池ケ―ス内に挿入
し、これに有機電解液を注入し、封口することにより、
有機電解液中でシ―ト状正極とシ―ト状負極とをセパレ
―タを介して対向させたリチウム二次電池を作製する。
この電池には、通常、電池内部に発生したガスをある一
定圧力まで上昇した段階で電池外部に排出して、電池の
高圧下での破裂を防止するための防爆機構が組み込まれ
る。
【0022】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にの
み限定されるものではない。以下の実施例などにおい
て、濃度などを示す%は重量%、部は重量部である。
【0023】実施例1 (1)シ―ト状正極の作製 シ―ト状正極の作製を、正極活物質として使用する
(i)リチウムニツケル酸化物の合成、(ii)塗膜の形
成の順に説明する
【0024】(i)リチウムニツケル酸化物の合成 水酸化リチウム(LiOH・H2 O)と酸化ニツケル
(Ni2 3 )とを熱処理して、リチウムニツケル酸化
物(通常、LiNiO2 として表わすが、LiとNiと
の比は化学量論組成から若干ずれている場合が多い)を
合成した。この合成は、水酸化リチウムと酸化ニツケル
とをLi/Ni=1/1.05(モル比)の割合になる
ように秤量し、メノウ製の乳鉢で粉砕しつつ混合し、こ
れを酸素気流中、500℃で2時間予備加熱し、昇温速
度50℃/時間以下で700℃で20時間加熱焼成する
方式により、行つた。合成したリチウムニツケル酸化物
は水分に弱いため、粉砕などの取り扱いはArガスの雰
囲気中で行つた。
【0025】(ii)塗膜の形成 リチウムニツケル酸化物90部、ポリテトラフルオロエ
チレン3部、ポリ4−メチル−1−ペンテン2部、鱗片
状黒鉛5部、シクロヘキサン43.3部およびトルエン
20部からなる塗料を、以下の方法により混合して、調
製した。ポリテトラフルオロエチレンのフアインパウダ
をシクロヘキサン中で5μm以下の粒子に分散させた分
散液(固形分20%)と、ポリ4−メチル−1−ペンテ
ンをシクロヘキサン中に1日浸漬し膨潤させ、80℃で
攪拌溶解した溶液(固形分6%)とをつくり、これらを
固形分比が前記値となるように混合したのち、トルエン
を加えた。これに正極活物質としてのリチウムニツケル
酸化物、電子伝導助剤としての鱗片状黒鉛を加えて、混
合し、塗料を調製した。
【0026】つぎに、このように調製した塗料を、厚さ
が20μmのアルミニウム箔上に、アプリケ―タを用い
て塗布し、100〜120℃で乾燥して、塗膜を形成し
た。同様にして、アルミニウム箔の裏面側にも上記塗料
を塗布し、100℃で8時間真空乾燥して、塗膜を形成
した。この電極体をロ―ルプレスして、片面の塗膜厚み
が80μmであるシ―ト状正極を作製した。
【0027】(2)シ―ト状負極の作製 負極活物質として人造黒鉛(2,800℃で合成)を、
バインダとしてポリビニリデンフロライド(N−メチル
ピロリドンに溶解させてバインダ濃度12%とした樹脂
液)を、使用した。この人造黒鉛90部とポリビニリデ
ンフロライド樹脂液83.3部(ポリビニリデンフロラ
イド固形分10部)とからなる塗料を、厚さが18μm
の銅箔上に、アプリケ―タを用いて塗布し、100〜1
20℃で乾燥して、塗膜を形成した。同様にして、銅箔
の裏面側にも上記塗料を塗布し、100℃で8時間真空
乾燥して、塗膜を形成した。この電極体をロ―ルプレス
して、片面の塗膜厚みが80μmであるシ―ト状負極を
作製した。なお、前記のシ―ト状正極と上記のシ―ト状
負極とは、両者の活物質の重量比が2:1になるよう
に、塗膜密度を調整した。
【0028】(3)有機電解液の調製 エチレンカ―ボネ―トとエチルメチルカ―ボネ―トとの
体積比1:1の混合溶剤を使用し、この混合溶剤に電解
質としてのLiPF6 を1モル/リツトル溶解して、有
機電解液を調製した。
【0029】(4)筒形電池の組立て 上記のシ―ト状正極を幅28mm×長さ220mmの帯状に
切断し、また上記のシ―ト状負極を幅30mm×長さ26
0mmの帯状に切断した。それぞれの電極の端の塗膜の1
部を剥がして、金属箔を露出させた部分に、アルミニウ
ム製のリ―ド体を超音波溶接した。厚みが25μmで開
孔率が50%の微多孔性ポリプロピレンフイルムからな
る帯状セパレ―タを、上記シ―ト状正極とシ―ト状負極
との間に介在させ、渦巻状に捲回して渦巻状電極体とし
た。
【0030】この電極体を、ニツケルめつきを施した鋼
製の電池ケ―スに挿入した。負極側のリ―ド体の先端を
絶縁体を貫通させて電池ケ―スの底部に溶接し、また電
池ケ―スの開口部に絶縁体を挿入し、溝を形成したの
ち、封口板と正極側のリ―ド体を溶接した。このように
作製した缶体を、60℃で10時間真空乾燥後、乾燥雰
囲気中で電解液2mlを注入したのち、封口して、図1
に示す構造の筒形のR5型電池(外形:14.95mm、
高さ:39.7mm)を作製した。
【0031】図1において、1はシ―ト状正極であり、
2はシ―ト状負極である。ただし、図1においては、煩
雑化をさけるために、シ―ト状正極1やシ―ト状負極2
の作製に際して使用した導電性基体としての金属箔など
は、図示していない。3はセパレ―タであり、4は有機
電解液である。5はステンレス綱製の電池ケ―スであ
り、この電池ケ―ス5は負極端子を兼ねている。
【0032】電池ケ―ス5の底部にはポリテトラフルオ
ロエチレンシ―トからなる絶縁体6が配置され、電池ケ
―ス5の内周部にもポリテトラフルオロエチレンシ―ト
からなる絶縁体7が配置されていて、前記の正極1、負
極2およびセパレ―タ3からなる渦巻状電極体や、有機
電解液4などは、電池ケ―ス5内に収容されている。8
はステンレス鋼製の封口板で、この封口板8の中央部に
はガス通気孔8aが設けられている。9はポリプロピレ
ン製の環状パツキング、10はチタン製の薄板である。
11はポリプロピレン製の環状の熱変形部材であり、温
度によつて変形することにより、薄板10の破壊圧力を
代える作用を有している。
【0033】12はニツケルめつきを施した圧延鋼製の
端子板であり、この端子板12には切刃12aとガス排
出孔12bとが設けられており、電池内部にガスが発生
して電池の内部圧力が上昇し、その内部上昇によつて薄
板10が変形したときに、上記切刃12aによつて薄板
10を破壊し、電池内部のガスを上記ガス排出孔12b
から電池外部に排出して、電池の高圧下での破壊が防止
できるように設計されている。13は絶縁体、14はア
ルミニウム製のリ―ド体であり、このリ―ド体14は上
記の正極1と封口板8とを電気的に接続しており、端子
板12は封口板8との接触により正極端子として作用す
る。15は上記の負極2と電池ケ―ス5とを電気的に接
続するリ―ド体である。
【0034】実施例2 シ―ト状正極の作製において、正極活物質のバインダで
あるポリテトラフルオロエチレンの使用量を3部から2
部に、鱗片状黒鉛の使用量を5部から6部に、それぞれ
変更した以外は、実施例1と同様にして、R5型電池を
作製した。
【0035】比較例1 シ―ト状正極の作製において、リチウムニツケル酸化物
90部と、ポリテトラフルオロエチレンの60%水分散
液5部(ポリテトラフルオロエチレン固形分として3
部)と、カルボキシメチルセルロ―ス1部と、鱗片状黒
鉛6部と、蒸留水38部とより、水分散系の塗料を調製
し、この塗料を用いるようにした以外は、、実施例1と
同様にして、R5型電池を作製した。
【0036】比較例2 シ―ト状正極の作製において、リチウムニツケル酸化物
90部と、ポリフツ化ビニリデン4部と、鱗片状黒鉛6
部と、N−メチル−2−ピロリドン38部とより、溶剤
系の塗料を調製し、この塗料を用いるようにした以外
は、実施例1と同様にして、R5型電池を作製した。
【0037】上記の実施例1,2および比較例1,2の
各電池について、下記の方法により、電池容量を測定し
た。結果は、表1に示されるとおりであつた。
【0038】<電池容量の測定>充放電電流をCで表示
した場合、R5形で560mAを1Cとして充放電を行
つた。充電は1Cの電流制限回路を設けて4.1Vの定
電圧で行い、放電は電池の電極間電圧が2.75Vに低
下するまで行つた。この充放電を繰り返し、1回目、1
00回目、200回目、300回目、400回目、50
0回目のときの放電容量(%)を測定した。また、充放
電電流を2C(1,120mA)として同様に充放電試
験を行い、1回目の放電容量を測定した。各測定値は、
実施例1の電池の1回目の放電容量を100%として、
その相対値で表した。
【0039】
【0040】上記の表1から明らかなように、正極活物
質のバインダとしてポリテトラフルオロエチレンとポリ
4−メチル−1−ペンテンとを使用し、これらを炭化水
素系溶剤に分散ないし溶解させて得られる塗料からシ―
ト状正極を作製するようにした実施例1,2の電池は、
初期の電池容量が高く、かつ充放電を繰り返したのちで
も高い電池容量を維持していることがわかる。
【0041】これに対して、ポリテトラフルオロエチレ
ンとカルボキシメチルセルロ―スを用いた水分散系塗料
からシ―ト状正極を作製するようにした比較例1の電池
は、正極活物質の劣化が著しく、非常に低い電池容量し
か得られない。また、ポリフツ化ビニリデンをバインダ
とした溶剤系塗料からシ―ト状正極を作製するようにし
た比較例2の電池は、上記電池容量の改善効果が認めら
れるが、本発明の実施例1,2のものに比べて、劣つて
いることがわかる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明は、正極活物質の
バインダとして、ポリテトラフルオロエチレンとポリオ
レフイン樹脂とを組み合わせ使用するようにしたことに
より、このバインダと正極活物質とを含む塗料の粘性特
性や塗膜強度に好結果を得ることができるとともに、上
記活物質の劣化が防止された、高容量のリチウム二次電
池とその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウム二次電池の一例を模式的に示
す断面図である。
【符号の説明】
1 シ―ト状正極 2 シ―ト状負極 3 セパレ―タ 4 有機電解液 5 電池ケ―ス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤羽 尚登 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機電解液中でシ―ト状正極とシ―ト状
    負極とをセパレ―タを介して対向させたリチウム二次電
    池において、上記の正極は、導電性基体とこの上に設け
    られた正極活物質およびバインダを含有する塗膜とから
    なり、かつ上記のバインダは、ポリテトラフルオロエチ
    レンとポリオレフイン樹脂との混合物からなることを特
    徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 有機電解液中でシ―ト状正極とシ―ト状
    負極とをセパレ―タを介して対向させたリチウム二次電
    池の製造において、上記の正極を作製するにあたり、ポ
    リテトラフルオロエチレンのフアインパウダを炭化水素
    系溶剤に分散させた分散液と、ポリオレフイン樹脂を炭
    化水素系溶剤に溶解させた溶液とを混合し、これにさら
    に正極活物質を混合して塗料を調製し、この塗料を導電
    性基体上に塗布し、乾燥して、上記基体上に正極活物質
    およびバインダとしてのポリテトラフルオロエチレンと
    ポリオレフイン樹脂との混合物を含有する塗膜を形成す
    ることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
JP10160229A 1998-06-09 1998-06-09 リチウム二次電池とその製造方法 Withdrawn JPH11354105A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012002037A1 (ja) * 2010-06-30 2012-01-05 ダイキン工業株式会社 電極用バインダー組成物
JP2015103451A (ja) * 2013-11-26 2015-06-04 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 全固体二次電池および全固体二次電池の製造方法

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JP2015103451A (ja) * 2013-11-26 2015-06-04 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 全固体二次電池および全固体二次電池の製造方法

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