JPH11352973A - 遮音壁パネル及びこれを用いた遮音壁構造 - Google Patents

遮音壁パネル及びこれを用いた遮音壁構造

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JPH11352973A
JPH11352973A JP10161051A JP16105198A JPH11352973A JP H11352973 A JPH11352973 A JP H11352973A JP 10161051 A JP10161051 A JP 10161051A JP 16105198 A JP16105198 A JP 16105198A JP H11352973 A JPH11352973 A JP H11352973A
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雄二 新保
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桂二郎 巌
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単純な構成の金型によって造ることでコスト
低減になり、また、騒音源に合わせて大きさ、形状及び
遮音周波数特性を可変できる。 【解決手段】 間隔を置いて対向する2枚の遮音板片2
1と、この2枚の遮音板片21間の側面を覆う側板22
と、2枚の遮音板片21及び側板22で囲まれた空間部
23と、2枚の遮音板片21にそれぞれ設けられた円孔
24と、この円孔24は各遮音板片21の内面側に突出
して設けられ、円孔24と同一断面の内面の突出筒部2
5内にそれぞれ連通し、この対向する突出筒部25の先
端端面間のスリット26を介して空間部23に連通する
構成と、側板22に設けられた溝部27とを備えた遮音
壁パネル20を有し、この複数の遮音壁パネル20を連
結して遮音板片21の円孔24間に2自由度振動型の通
気孔Aを構成し、隣接する溝部27によって1自由度振
動型の通気孔Bを構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通気性を保持しな
がら遮音効果を発揮しうる遮音壁構造及びこれを構成す
る遮音壁パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車のエンジンルームのアンダ
ーカバーや空調機の空気吸入口部材のように、通気を必
要とすると共に遮音効果をも必要な場合がある。このよ
うな機能を有する従来の遮音壁構造として特開平7−1
75485号公報に開示されたものがあり、図23及び
図24にその構成が示されている。
【0003】図23及び図24において、遮音壁1は間
隔を置いて対向する2枚の遮音板2、3を有し、この2
枚の遮音板2には互いに対向する位置に複数の孔2a、
2b、3a、3bが貫通して設けられている。孔2a、
3aは各遮音板2、3の内面側に突出する突出筒部4内
にそれぞれ連通され、この対抗する突出筒部4の先端端
面間にはスリット5が構成されている。このスリット5
によって孔2a、3aは遮音板2、3間の空間部6に連
通している。又、他の孔2b、3bは遮音板2、3間の
全域に亘って設けられた筒部7内に連通され、この筒部
7は孔2b、3bと略同一断面の内面を有する。
【0004】即ち、図24に示すように、遮音壁1の孔
2a、3a間は、孔2a、3a及び突出筒部4の空気8
の空気質量mと空間部6の空気層の空気ばね9とで2自
由度振動型の通気孔Aとして構成されている。又、遮音
壁1の孔2b、3b間は、孔2b、3b及び筒部7の空
気10全体が空気質量Mとして働き、1自由度振動型の
通気孔Bとして構成されている。
【0005】上記構成において、遮音壁1の一方側から
音が入射すると、この入射波は各通気孔A、Bを介して
他方側に透過される。ここで、孔2aへの入射波はその
周波数が振動系の共振周波数を越えると透過波の位相が
180度反転して出力される。一方、1自由度振動型の
通気孔Bは共振点を持たないため、その入射波と同じ位
相で透過波が出力される。従って、両方の透過波はその
干渉効果によって減音されるものである。
【0006】また、他の従来の遮音壁構造として特願平
8−10360号出願書類に示されたものがあり、図2
5及び図26にその構成が示されている。
【0007】図25及び図26において、この他の従来
例と上記従来例との同一構成部分は図面に同一符号を付
してその説明を省略し、異なる構成部分のみを説明す
る。即ち、この他の従来例にあって、筒部7は2部材7
a、7bにて構成され、互いの突き合わせ部に複数の孔
11が設けられている。
【0008】図26に示すように、孔2a、3a及び筒
部7内は振動空間的に仮想仕切壁12にて仕切られ、仮
想仕切壁12内の空気13全体が1自由度振動系を、仮
想仕切壁12外の空気14の空気質量と空間部6の空気
層の空気ばね15とで2自由度振動系をそれぞれ構成す
ることによって複合振動型の通気孔Cとして構成されて
いる。即ち、孔2bへの入射波は1自由度振動系からの
透過波と、2自由度振動系からの透過波とが互いに干渉
して打ち消し合うことで遮音されるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の各遮音壁構造では、多数の孔2a、2b、3a、3
bや突出筒部4等が設けられた遮音壁1を一体に金型成
形しているため、金型が複雑で高価であった。又、一体
の遮音壁1は特定の遮音の周波数特性を持つため、適用
しようとする騒音源の周波数特性が異なる場合には、別
の遮音壁1を造るために別途金型を製造しなけらばなら
なかった。更に、騒音源に合わせた大きさ、形状の遮音
壁を造る場合には、一体成形した遮音壁を切り貼り加工
して使用するか、別途金型を製造するかしなければなら
なかった。
【0010】そこで、本発明は、単純な構成の金型によ
って造ることができコスト低減に供すると共に、騒音源
に合わせて大きさ、形状及び遮音周波数特性を可変でき
ることに供する遮音壁パネル及び遮音壁構造の提供を課
題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、間隔
を置いて対向する2枚の遮音板片と、この2枚の遮音板
片間の側面を覆う側板と、上記2枚の遮音板片及び上記
側板で囲まれた空間部と、上記2枚の遮音板片と上記側
板との少なくとも一方に設けられ、上記空間部と外部と
を連通する開口部とを有し、パネル連結状態にあって、
上記開口部が上記2枚の遮音板片に設けられた場合に
は、上記対向する開口部間に遮音壁としての通気孔が構
成されると共に、当該側板と周囲の1又は2以上の遮音
壁パネルの側板との間で遮音壁としての他の通気孔が構
成され、又、上記開口部が上記側板に設けられた場合に
は、当該側板と周囲の1又は2以上の遮音壁パネルの側
板との間で遮音壁としての通気孔が構成されることを特
徴とする。
【0012】従って、連続的な構成の遮音壁にあって、
その最少要素である遮音壁片、側板、開口部、これの形
成に必要な部分を形成できる金型の構成とすれば良く、
又、遮音壁パネルの連結する数、連結の仕方(位置)、
隣接する遮音壁パネル間との通気孔の有無、及びその孔
径の大きさを自由に可変できる。
【0013】請求項2の発明は、請求項1記載の遮音壁
パネルであって、上記2枚の遮音板片に設けられる上記
開口部は、上記各遮音板片の内面側に突出する上記開口
部と略同一断面の内面を有する突出筒部内にそれぞれ連
通され、この対向する突出筒部の先端端面間のスリット
を介して上記空間部に連通され、上記側板には溝部が設
けられ、パネル連結状態にあって、上記2枚の遮音板片
の開口部間に2自由度振動型の通気孔が構成され、又、
当該側板の上記溝部と隣接する遮音壁パネルの側板の溝
部とによって1自由度振動型の通気孔が構成されること
を特徴とする。
【0014】従って、請求項1記載の作用に加え、金型
の構成として側板に溝部を形成する構成を付加すれば良
く、又、パネル連結状態にあって、2自由度振動型の通
気孔と1自由度振動型の通気孔が構成される。
【0015】請求項3の発明は、請求項1記載の遮音壁
パネルであって、上記2枚の遮音板片に孔を設け、この
各孔は上記2枚の遮音板片間の全域に亘って設けられ、
上記孔と略同一断面の内面を有する筒部内に連通され、
上記側板に設けられる上記開口部は上記側板に設けられ
た溝部に構成され、パネル連結状態にあって、上記2枚
の遮音板片の孔間に1自由度振動型の通気孔が構成さ
れ、又、当該側板の上記溝部と隣接する遮音壁パネルの
側板の溝部とによって2自由度振動型の通気孔が構成さ
れることを特徴とする。
【0016】従って、請求項1記載の作用に加え、金型
の構成として2枚の遮音板片に孔及び遮音板片間に筒部
を形成する構成を付加すれば良く、又、パネル連結状態
にあって、2自由度振動型の通気孔と1自由度振動型の
通気孔が構成される。
【0017】請求項4の発明は、請求項1記載の遮音壁
パネルであって、上記2枚の遮音板片に設けられる上記
開口部は、上記各遮音板片の内面側に突出する上記開口
部と略同一断面の内面を有する突出筒部内にそれぞれ連
通され、この対抗する突出筒部の先端端面間のスリット
を介して上記空間部に連通され、パネル連結状態にあっ
て、上記2枚の遮音板片の開口部間に2自由度振動型の
通気孔が構成され、又、当該側板と周囲の1又は2以上
の遮音壁パネルの側板との間隙によって1自由度振動型
の通気孔が構成されることを特徴とする。
【0018】従って、請求項1記載の作用に加え、パネ
ル連結状態にあって、2自由度振動型の通気孔と1自由
度振動型の通気孔が構成されると共に当該側板と周囲の
遮音壁パネルの側板との距離を可変してその間隙を自由
に可変できる。
【0019】請求項5の発明は、請求項1記載の遮音壁
パネルであって、上記側板に設けられる上記開口部は孔
にて構成され、パネル連結状態にあって、当該側板と周
囲の1又は2以上の遮音壁パネルの側板との間隙によっ
て複合振動型の通気孔が構成されることを特徴とする。
【0020】従って、請求項1記載の作用に加え、パネ
ル連結状態にあって、複合振動型の通気孔が構成され
る。
【0021】請求項6の発明は、請求項1〜5記載の遮
音壁パネルであって、上記側板には連結手段を設けたこ
とを特徴とする。
【0022】従って、請求項1〜5記載の作用に加え、
連結手段を用いてパネル連結できる。
【0023】請求項7の発明は、請求項6記載の遮音壁
パネルであって、上記連結手段は互いに回転可能なジョ
イント式であることを特徴とする。
【0024】従って、請求項6記載の作用に加え、各遮
音壁パネルの連結方向を自由に変えることができる。
【0025】請求項8の発明は、請求項1〜7記載の遮
音壁パネルであって、上記側板にはシール部材を設け、
パネル連結状態にあって、当該側板の上記シール部材と
隣接する1又は2以上の遮音壁パネルの側板若しくは側
板のシール部材とが当接して通気孔が構成されたことを
特徴とする。
【0026】従って、請求項1〜7記載の作用に加え、
通気孔がシール部材によって遮蔽される。
【0027】請求項9の発明は、請求項1〜8記載の遮
音壁パネルであって、上記各遮音板片と側板の角部、上
記遮音板片の孔が設けられる場合には孔周囲の角部、上
記側板の溝部が設けられる場合には溝部周囲の角部が曲
面形状に構成されたことを特徴とする。
【0028】従って、請求項1〜8記載の作用に加え、
通気孔を通過する空気流の剥離が生じない。
【0029】請求項10の発明は、請求項1〜9記載の
遮音壁パネルであって、側面全体としての形状が多角形
状であることを特徴とする。
【0030】従って、請求項1〜9記載の作用に加え、
側面が多角形状であることから遮音壁パネルを容易に規
則的に並べることができる。
【0031】請求項11の発明は、請求項1〜9記載の
遮音壁パネルであって、側面全体としての形状が円筒形
状であることを特徴とする。
【0032】従って、請求項1〜9記載の作用に加え、
側面が円筒形状であることから遮音壁パネルの並べ方の
自由度が高い。
【0033】請求項12の発明は、間隔を置いて対向す
る2枚の遮音板片と、この2枚の遮音板片間の側面を覆
う側板と、上記2枚の遮音板片及び上記側板で囲まれた
空間部と、上記2枚の遮音板片と上記側板との少なくと
も一方に設けられ、上記空間部と外部とを連通する開口
部とを有する遮音壁パネルを複数個備え、この複数個の
遮音壁パネルを連結し、上記開口部が上記2枚の遮音板
片に設けられた場合には、上記対向する開口部間に遮音
壁としての通気孔が構成されると共に、当該側板と周囲
の1又は2以上の遮音壁パネルの側板との間で遮音壁と
しての他の通気孔が構成され、又、上記開口部が上記側
板に設けられた場合には、当該側板と周囲の1又は2以
上の遮音壁パネルの側板との間で遮音壁としての通気孔
が構成されたことを特徴とする。
【0034】従って、連続的な構成の遮音壁にあって、
その最少要素である遮音板片、側板、開口部、これの形
成に必要な部分を形成できる金型の構成とすれば良く、
又、遮音板パネルの連結する数、連結の仕方(位置)、
隣接する遮音壁パネル間との通気孔の有無、及びその孔
径の大きさを自由に可変できる。
【0035】請求項13の発明は、請求項12記載の遮
音壁構造であって、上記2枚の遮音板片に設けられる上
記開口部は、上記各遮音板片の内面側に突出する上記開
口部と略同一断面の内面を有する突出筒部内にそれぞれ
連通され、この対抗する突出筒部の先端端面間のスリッ
トを介して上記空間部に連通され、上記側板には溝部が
設けられ、パネル連結状態にあって、上記2枚の遮音板
片の開口部間に2自由度振動型の通気孔が構成され、
又、当該側板の上記溝部と隣接する遮音壁パネルの側板
の溝部とによって1自由度振動型の通気孔が構成された
ことを特徴とする。
【0036】従って、請求項12記載の作用に加え、金
型の構成として側板に溝部を形成する構成を付加すれば
良く、又、パネル連結状態にあって、2自由度振動型の
通気孔と1自由度振動型の通気孔が構成される。
【0037】請求項14の発明は、請求項12記載の遮
音壁構造であって、上記2枚の遮音板片に孔を設け、各
孔は上記2枚の遮音板片間の全域に亘って設けられ、上
記孔と略同一断面の内面を有する筒部内に連通され、上
記側板に設けられる上記開口部は上記側板に設けられた
溝部に構成され、パネル連結状態にあって、上記2枚の
遮音板片の孔間に1自由度振動型の通気孔が構成され、
又、当該側板の上記溝部と隣接する遮音壁パネルの側板
の溝部とによって2自由度振動型の通気孔が構成された
ことを特徴とする。
【0038】従って、請求項12記載の作用に加え、金
型の構成として2枚の遮音板に孔及び遮音板間に筒部を
形成する構成を付加すれば良く、又、パネル連結状態に
あって、2自由度振動型の通気孔と1自由度振動型の通
気孔が構成される。
【0039】請求項15の発明は、請求項12記載の遮
音壁構造であって、上記2枚の遮音板片に設けられる上
記開口部は、上記各遮音板片の内面側に突出する上記開
口部と略同一断面の内面を有する突出筒部内にそれぞれ
連通され、この対向する突出筒部の先端端面間のスリッ
トを介して上記空間部に連通され、パネル連結状態にあ
って、上記2枚の遮音板片の開口部間に2自由度振動型
の通気孔が構成され、又、当該側板と周囲の1又は2以
上の遮音壁パネルの側板との間隙によって1自由度振動
型の通気孔が構成されたことを特徴とする。
【0040】従って、請求項12記載の作用に加え、パ
ネル連結状態にあって、2自由度振動型の通気孔と1自
由度振動型の通気孔が構成されると共に当該側板と隣接
する遮音壁パネルの側板との距離を可変してその間隙を
自由に可変できる。
【0041】請求項16の発明は、請求項12記載の遮
音壁構造であって、上記側板に設けられる上記開口部は
孔にて構成され、パネル連結状態にあって、当該側板と
周囲の1又は2以上の遮音壁パネルの側板との間隙によ
って複合振動型の通気孔が構成されたことを特徴とす
る。
【0042】従って、請求項12記載の作用に加え、パ
ネル連結状態にあって、複合振動型の通気孔が構成され
る。
【0043】請求項17の発明は、請求項12〜16記
載の遮音壁構造であって、連結された複数個の遮音壁パ
ネルの周囲は、枠体で囲まれたことを特徴とする。
【0044】従って、請求項12〜16記載の作用に加
え、遮音壁の外周が枠体で囲まれると共に、枠体と遮音
壁パネルの側面とによっても1自由度振動型の通気孔が
構成される。
【0045】
【発明の効果】請求項1の発明では、連続的な構成の遮
音壁にあって、その最少要素である遮音板片、側板、開
口部等を形成できる金型の構成とすれば良いため、金型
の構成が単純でコスト軽減となり、又、遮音壁パネルの
連結する数、連結の仕方(位置)、隣接する遮音壁パネ
ル間との通気孔の有無、及びその孔径の大きさを自由に
可変できるため、騒音源に合わせた大きさ、形状及び遮
音周波数特性を持つ遮音壁を構成でき、騒音源ごとに金
型を製造する必要がなくなり、これによってもコスト軽
減となる。
【0046】請求項2の発明では、請求項1記載の効果
に加え、金型の構成として側板に溝部を形成する構成と
すれば良いため、金型の構成が単純でコスト軽減とな
り、又、パネル連結状態にあって、2自由度振動型の通
気孔と1自由度振動型の通気孔が構成されるため、入射
波の周波数が2自由度振動系の共振点以上の周波数で透
過波の位相が反転して両方の透過波は相互干渉により減
音される。
【0047】請求項3の発明では、請求項1記載の効果
に加え、金型の構成として2枚の遮音板片に孔及び遮音
板片間に筒部を形成する構成を付加すれば良くため、金
型の構成が単純でコスト軽減となり、又、パネル連結状
態にあって、2自由度振動型の通気孔と1自由度振動型
の通気孔が構成されるため、入射波の周波数が2自由度
振動系の共振点以上の周波数で透過波の位相が反転して
両方の透過波は相互干渉により減音される。
【0048】請求項4の発明では、請求項1記載の効果
に加え、パネル連結状態にあって、2自由度振動型の通
気孔と1自由度振動型の通気孔が構成されるため、入射
波の周波数が2自由度振動系の共振点以上の周波数で透
過波の位相が反転して両方の透過波は相互干渉により減
音され、又、当該側板と隣接する遮音壁パネルの側板と
の距離を可変してその間隙を自由に可変できるため、遮
音壁における1自由度振動型の通気孔の開口率、及び、
1自由度振動型と2自由度振動型の通気孔の開口面積割
合を変えることができ、遮音の周波数特性をチューニン
グできる。
【0049】請求項5の発明では、請求項1記載の効果
に加え、パネル連結状態にあって、複合振動型の通気孔
が構成されるため、入射波の周波数が2自由度振動系の
共振点以上の周波数で透過波の位相が反転して透過波は
相互干渉により減音される。
【0050】請求項6の発明では、請求項1〜5記載の
効果に加え、連結手段を用いてパネル連結できるため、
連結作業が正確かつ容易にできる。
【0051】請求項7の発明では、請求項6記載の効果
に加え、各遮音壁パネルの方向を自由に変えることがで
きるため、騒音源に対して各遮音壁パネルを垂直に配置
でき、最大の遮音効果が得られる。
【0052】請求項8の発明では、請求項1〜7記載の
効果に加え、通気孔がシール部材によって遮蔽されるた
め、通気孔が空間的に漏れがなくなり、遮音特性が向上
する。
【0053】請求項9の発明では、請求項1〜8記載の
効果に加え、通気孔を通過する空気流の剥離が起きない
ため、通風抵抗が小さく通気性の向上となる。
【0054】請求項10の発明では、請求項1〜9記載
の効果に加え、側面が多角形状であることから遮音壁パ
ネルを容易に規則的に並べることができるため、連結作
業を迅速に行うことができる。
【0055】請求項11の発明では、請求項1〜9記載
の効果に加え、側面が円筒形状であることから遮音壁パ
ネルの並べ方の自由度が高いため、遮音壁の全体として
の形状バリエーションの対応性に優れている。
【0056】請求項12の発明では、連続的な構成の遮
音壁にあって、その最少要素である遮音板片、側板、開
口部、これの形成に必要な部分を形成できる金型の構成
とすれば良いため、金型の構成が単純でコスト軽減とな
り、又、遮音壁パネルの連結する数、連結の仕方、周囲
の遮音壁パネル間との通気孔の有無、及びその孔径の大
きさを自由に可変できるため、騒音源に合わせた大き
さ、形状及び遮音周波数特性を持つ遮音壁を構成でき、
騒音源ごとに金型を製造する必要がなくなり、これによ
ってもコスト軽減となる。
【0057】請求項13の発明では、請求項12記載の
効果に加え、金型の構成として側板に溝部を形成する構
成を付加すれば良いため、金型の構成が単純でコスト軽
減となり、又、パネル連結状態にあって、2自由度振動
型の通気孔と1自由度振動型の通気孔が構成されるた
め、入射波の周波数が2自由度振動系の共振点以上の周
波数で透過波の位相が反転して両方の透過波は相互干渉
により減音される。
【0058】請求項14の発明では、請求項12記載の
効果に加え、金型の構成として2枚の遮音板片に孔及び
遮音板片間に筒部を形成する構成を付加すれば良くた
め、金型の構成が単純でコスト軽減となり、又、パネル
連結状態にあって、2自由度振動型の通気孔と1自由度
振動型の通気孔が構成されるため、入射波の周波数が2
自由度振動系の共振点以上の周波数で透過波の位相が反
転して両方の透過波は相互干渉により減音される。
【0059】請求項15の発明では、請求項12記載の
効果に加え、パネル連結状態にあって、2自由度振動型
の通気孔と1自由度振動型の通気孔が構成されるため、
入射波の周波数が2自由度振動系の共振点以上の周波数
で透過波の位相が反転して両方の透過波は相互干渉によ
り減音され、又、当該側板と周囲の遮音壁パネルの側板
との距離(間隔)を可変してその間隙を自由に可変でき
るため、遮音壁における1自由度振動型の通気孔の開口
率、及び、1自由度振動型と2自由度振動型の通気孔の
開口面積割合を変えることができ、遮音の周波数特性を
チューニングできる。
【0060】請求項16の発明では、請求項12記載の
効果に加え、パネル連結状態にあって、複合振動型の通
気孔が構成されるため、入射波の周波数が2自由度振動
系の共振点以上の周波数で透過波の位相が反転して透過
波は相互干渉により減音される。
【0061】請求項17の発明では、請求項12〜16
記載の効果に加え、遮音壁の外周が枠体で囲まれるた
め、構造体として強固になると共に、枠体と遮音壁パネ
ルの側面とによっても1自由度振動型の通気孔が構成さ
れるため、透過波の干渉に寄与できる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0063】(第1実施形態)図1(a)は本発明の第
1実施形態に係る遮音壁パネルの斜視図、図1(b)は
(a)のA−A線断面図、図1(c)は遮音壁パネルを
用いた遮音壁の平面図、図2は遮音壁の周囲に枠体を取
付けた状態の斜視図である。
【0064】図1(a)、(b)において、遮音壁パネ
ル20は間隔を置いて平行に対向する2枚の遮音板片2
1を有し、この2枚の遮音板片21間の側面全体は側板
22で覆われている。この遮音壁パネル20は大略の外
形が立方体形状を有し、2枚の遮音板片21と側板22
とに囲まれて内側には空間部23が構成されている。
【0065】2枚の遮音板片21の対向位置には開口部
である円孔24がそれぞれ設けられており、各円孔24
は遮音板片21の内面側に突出する円孔24と略同一断
面の内面を有する突出筒部25内にそれぞれ連通してい
る。この対向する突出筒部25の先端端面間は開口部で
あるスリット26として構成され、円孔24はこのスリ
ット26を介して空間部23に連通するよう構成されて
いる。又、上記側板22の四面には半円柱状の溝部27
がそれぞれ設けられている。尚、この第1実施形態で
は、溝部27は半円柱状であるが、溝部27の形状及び
個数は問わない。
【0066】図1(c)に示すように、上記構成の複数
の遮音壁パネル20は、接着剤等の適宜の連結手段で互
いの側板22同士を密着状態で縦横方向に連結すること
によって遮音壁1が構成されている。このように構成さ
れた遮音壁1は、各遮音壁パネル20の2枚の遮音板片
21が全体で2枚の遮音板となり、各遮音板片21の円
孔24間は、円孔24及び突出筒部25内の空気の空気
質量と空間部23の空気層の空気ばねとで2自由度振動
型の通気孔Aとして構成されている。
【0067】又、隣り合う遮音壁パネル20の双方の溝
部27にて構成される通気孔が溝部27の空気全体が空
気質量として働き、1自由度振動型の通気孔Bとして構
成されている。従って、上記従来例と同様の作用によっ
て透過波が減音されるものである。又、隣り合う遮音壁
パネル20の側板22同士を離間して連結しても良い。
【0068】上記遮音壁パネル20は金型によって成形
され、この金型の構成は、連続的な構成の遮音壁にあっ
て、その最少要素である2枚の遮音板片21、側板2
2、開口部である円孔24、及びこれに付随する部分を
成形できるものであれば良く、構成が単純で金型のコス
トが安くできる。又、遮音壁パネル20の連結する数、
連結の仕方(位置)を変えることができるため、騒音源
に合わせた大きさ、形状及び遮音周波数特性を持つ遮音
壁を構成でき、騒音源ごとに金型を製造する必要がなく
なり、これによってもコスト軽減となる。更に、遮音壁
パネル20は大略の外形が立方体形状を有し、側面が多
角形状であることから遮音壁パネルを容易に規則的に並
べることができるため、連結作業を迅速に行うことがで
きる。
【0069】図2に示すように、連結された遮音壁パネ
ル20の外周は枠体28によって囲まれている。この様
に構成することによって構造体として強固になると共
に、枠体28と遮音壁パネル20の側面の溝部27とに
よっても1自由度振動型の通気孔B´が構成されるた
め、透過波の干渉に寄与できる。
【0070】(第2実施形態)図3は本発明の第2実施
形態に係る遮音壁パネル20の斜視図である。図3にお
いて、この第2実施形態に係る遮音壁パネル20にあっ
て上記第1実施形態のものと同一構成部分は図面に同一
符号を付してその説明を省略し、異なる構成部分のみを
説明する。
【0071】即ち、第2実施形態に係る遮音壁パネル2
0の側板22には連結手段である係合溝部29a及び係
合突部29bが設けられている。遮音壁パネル20の連
結は一方の遮音壁パネル20の係合溝部29aと他方の
遮音壁パネル20の係合突部29bとを係合することに
よって行うことができる。この様に連結手段を用いてパ
ネル連結できるため、連結作業が正確かつ容易にでき
る。
【0072】尚、この第2実施形態の連結手段は係合溝
部29a及び係合突部29bであるが、遮音壁パネル2
0同士を連結できる手段であれば良い。
【0073】(第3実施形態)図4は本発明の第3実施
形態に係る遮音壁パネルの斜視図、図5は図4のB−B
線断面図、図6は遮音壁パネルを用いた遮音壁の平面図
である。
【0074】図4及び図5において、遮音壁パネル20
は間隔を置いて平行に対向する2枚の遮音板片21を有
し、この2枚の遮音板片21間の側面全体は側板22で
覆われている。この遮音壁パネル20は大略の外形が立
方体形状を有し、2枚の遮音板片21と側板22とに囲
まれて内側には空間部23が構成されている。
【0075】2枚の遮音板片21の対向位置には孔30
がそれぞれ設けられており、各孔30は遮音板片21間
の全域に亘って設けられ、上記孔30と略同一断面の内
面を有する筒部31に連通している。又、上記側板22
の四面には半円柱状の溝部27がそれぞれ設けられてお
り、この各溝部27にスリット状の開口部32がそれぞ
れ設けられている。この開口部32を介して上記空間部
23と外部が連通している。
【0076】図6に示すように、上記構成の複数の遮音
壁パネル20を、接着剤等の適宜の連結手段で互いの側
板22同士が密着状態で縦横方向に連結することによっ
て遮音壁1が構成される。このように構成された遮音壁
1は、各遮音壁パネル20の2枚の遮音板片21が全体
で2枚の遮音板となり、各遮音板片21の孔30間は、
孔30及び筒部31内の空気全体が空気質量として働
き、1自由度振動型の通気孔Bとして構成されている。
又、隣接する遮音壁パネル20の双方の溝部27にて構
成される通気孔が溝部27の空気の空気質量と空間部2
3の空気層の空気ばねとで2自由度振動型の通気孔Aと
して構成されている。従って、上記従来例や上記第1実
施形態と同様の作用によって透過波が減音されるもので
ある。尚、隣り合う遮音壁パネル20の側板22同士を
離間して連結しても良い。
【0077】この第3実施形態においても、上記第1実
施形態と同様に、遮音壁パネル20の金型は構成が単純
で金型のコストが安くでき、又、遮音壁パネル20の連
結する数、連結の仕方(位置)を変えることができるた
め、騒音源に合わせた大きさ、形状及び遮音周波数特性
を持つ遮音壁を構成できる等の効果を有する。
【0078】(第4実施形態)図7は本発明の第4実施
形態に係る遮音壁パネル20の斜視図、図8は遮音壁パ
ネルを用いた遮音壁の平面図、図9は遮音壁の周囲に枠
体を取付けた状態の平面図である。尚、図8、図9では
連結状態を明確に示すため、遮音壁パネル20の遮音板
片21は濃く塗ってある。
【0079】図7において、この第4実施形態の遮音壁
パネル20は上記第1実施形態のものと比較して側板2
2に溝部27を有していない点が相違するのみで他の構
成は同一であるため、図面の同一符号を付してその説明
を省略する。
【0080】図8に示すように、上記構成の複数の遮音
壁パネル20は、接着剤等の適宜の連結手段で互いの側
板22同士を密着状態で縦横方向に連結する一方、遮音
壁パネル20を1つ置きに間引いて連結することによっ
て遮音壁1が構成される。このように構成された遮音壁
1は、各遮音壁パネル20の2枚の遮音板片21が全体
で2枚の遮音板となり、各遮音板片21の円孔24間
は、円孔24及び突出筒部25内の空気の空気質量と空
間部23の空気層の空気ばねとで2自由度振動型の通気
孔Aとして構成されている。又、遮音壁パネル20を間
引いたことによって構成される間隙33がその間隙内の
空気全体が空気質量として働き、1自由度振動型の通気
孔Bとして構成されている。従って、上記従来例と同様
の作用によって透過波が減音されるものである。
【0081】図9に示すように、上記構成の複数の遮音
壁パネル20は、横方向に一定の距離d1を置いて連結
することによって遮音壁1が構成されている。距離d1
を変えることによって遮音壁1における1自由度振動型
の通気孔Bの開口率、及び、1自由度振動型と2自由度
振動型の通気孔の開口面積割合を変えることができ、遮
音の周波数特性をチューニングできる。
【0082】又、連結された遮音壁パネル20の外周は
枠体28によって囲まれている。この様に構成すること
によって構造体として強固になると共に、枠体28と遮
音壁パネル20の側面とによっても1自由度振動型の通
気孔B、B´が構成されるため、透過波の干渉に寄与で
きる。
【0083】(第5実施形態)図10は本発明の第5実
施形態に係る遮音壁パネル20の斜視図、図11及び図
12はそれぞれ遮音壁パネルを用いた遮音壁の平面図で
ある。尚、図11、図12では連結状態を明確に示すた
め、遮音壁パネル20の遮音板片21は濃く塗ってあ
る。
【0084】図10において、この第5実施形態に係る
遮音壁パネル20は上記第4実施形態のものと比較し
て、遮音壁パネル20の側板22が円筒形状である点が
相違するのみで他の構成は同一であるため、図面の同一
符号を付してその説明を省略する。
【0085】図11に示すように、上記構成の複数の遮
音壁パネル20は、接着剤等の適宜の連結手段で縦横方
向に互いにシフトすることなく連結することによって遮
音壁1が構成されている。図12に示すように、上記構
成の複数の遮音壁パネル20は、接着剤等の適宜の連結
手段で縦方向には互いにシフトせずに、横方向には互い
にシフトさせて連結することによって遮音壁1が構成さ
れている。
【0086】この第5実施形態でも上記第4実施形態と
同様に各遮音板片21の円孔24間は2自由度振動型の
通気孔Aとして構成され、又、遮音壁パネル20間の間
隙33が1自由度振動型の通気孔Bとして構成されてい
る。そして、間隙33は連結の仕方(位置)によって変
えることができ、これによって遮音の周波数特性をチュ
ーニングできる。また、側板22が円筒形状であること
から遮音壁パネルの並べ方の自由度が高いため、遮音壁
の全体としての形状バリエーションの対応性に優れてお
り、又、遮音壁1の外形形状を曲線的に構成できる。
【0087】(第6実施形態)図13は本発明の第6実
施形態に係る遮音壁パネル20の斜視図、図14は遮音
壁パネル20を用いた遮音壁1の平面図である。尚、図
14では連結状態を明確に示すため、遮音壁パネル20
の遮音板片21は濃く塗ってあり、又、孔34の位置は
黒く塗り潰してある。
【0088】図13において、遮音壁パネル20は間隔
を置いて平行に対向する2枚の遮音板片21を有し、こ
の2枚の遮音板片21間の側面全体は側板22で覆われ
ている。この遮音壁パネル20は直方体形状を有し、2
枚の遮音板片21と側板22とに囲まれて内側には空間
部(図示せず)が構成されている。側板22の四面には
開口部である孔34がそれぞれ設けられている。
【0089】図14に示すように、上記構成の遮音壁パ
ネル20は、接着剤等の適宜の連結手段で互いの側板2
2同士を密着状態で縦横方向に連結すると共に、適当に
遮音壁パネル20の1個分を間引くことによって遮音壁
1が構成されている。このように構成された遮音壁1
は、遮音壁パネル20で構成された間隙33が上記他の
従来例のように複合振動型の通気孔Cとして構成されて
いる。
【0090】(第7実施形態)図15(a)は本発明の
第7実施形態に係る遮音壁パネル20の斜視図、図15
(b)は遮音壁パネル20を用いた遮音壁1の平面図で
ある。尚、図15(b)では連結状態を明確に示すた
め、遮音壁パネル20の遮音板片21は濃く塗ってあ
り、又、孔34の位置は黒く塗り潰してある。
【0091】図15(a)において、第7実施形態に係
る遮音壁パネル20は側板22が円筒形状を有し、他の
構成は上記第6実施形態のものと同様であるため、図面
に同一符号を付してその説明を省略する。
【0092】図15(b)に示すように、上記構成の複
数の遮音壁パネル20は、接着剤等の適宜の連結手段で
縦横方向に互いにシフトすることなく連結することによ
って遮音壁1が構成されている。このように構成された
遮音壁1は、遮音壁パネル20で構成された間隙33が
上記第6実施形態のように複合振動型の通気孔Cとして
構成されている。
【0093】(第8実施形態)図16(a)は本発明の
第8実施形態に係る遮音壁パネル20の斜視図、図16
(b)は遮音壁パネル20を用いた遮音壁1の平面図で
ある。尚、図16(b)では連結状態を明確に示すた
め、遮音壁パネル20の遮音板片21は濃く塗ってあ
り、又、孔34の位置は黒く塗り潰してある。
【0094】図16(a)において、第7実施形態に係
る遮音壁パネル20は側板22が6角形状を有し、他の
構成は上記第6実施形態のものと同様であるため、図面
に同一符号を付してその説明を省略する。
【0095】図16(b)に示すように、上記構成の複
数の遮音壁パネル20は、接着剤等の適宜の連結手段で
縦横方向に互いにシフトすることなく連結することによ
って遮音壁1が構成されている。このように構成された
遮音壁1は、遮音壁パネル20で構成された間隙33が
上記第6実施形態のように複合振動型の通気孔Cとして
構成されている。側板22が6角形状であるため、連結
面の自由度がある程度あるため、連結バリエーションが
あり、又、遮音壁1の外形形状を曲線的に構成できる。
尚、側板22の形状は5角形状、7角形状、8角形状、
これ以上の多角形状に構成しても良い。
【0096】(第9実施形態)図17は本発明の第9実
施形態に係る遮音壁パネル20の斜視図、図18は遮音
壁パネル20を用いた遮音壁1の要部平面図である。
【0097】図17において、この第9実施形態に係る
遮音壁パネル20は、図10の上記第5実施形態のもの
と同様の構成を有し、この円筒形状の側板22の四方向
に連結手段であるボールジョイント式の雄連結部35a
及び雌連結部35bが設けられている。又、側板22に
はゴム等の弾性体であるシール部材36が適所に突出し
て設けられ、各連結部35a、35bの両側はシール部
材36によって囲まれている。
【0098】図18に示すように、隣り合う遮音壁パネ
ル20同士が互いの連結部35a、35bで連結される
ことによって遮音壁1が構成されている。パネル連結状
態にあっては、隣り合う遮音壁パネル20のシール部材
36同士が圧接することによって互いに空気漏れがない
間隙33が構成されている。従って、各間隙33は空気
漏れのない1自由度振動型の通気孔Bが構成されるた
め、より良い遮音特性を得ることができる。
【0099】図19に示すように、ボールジョイント式
の雄連結部35a及び雌連結部35bは回転可能であ
り、シール部材36は弾性変形可能であるため、隣り合
う遮音壁パネル20同士は密着性を保持しながら傾斜し
て連結することができる。従って、図20に示すよう
に、騒音源37の垂直線Nに対して各遮音壁パネル20
を垂直に配置できる。遮音壁1は音が垂直に入射したと
きに最大の遮音効果が期待できるため、最大の遮音効果
を発揮させることができる。
【0100】尚、シール部材36は隣接するいずれか一
方の遮音壁パネル20にのみ設けても良い。
【0101】尚、第9実施形態では、ボールジョイント
式の雄連結部35a及び雌連結部35bとシール部材3
6を円筒形状の遮音壁パネル20に適用した場合を示し
たが、遮音壁パネル20の形状は問わず、立方体形状、
直方体形状等の各種の形状のものに適用できる。
【0102】(第10実施形態)図21は本発明の第1
0実施形態に係る遮音壁パネル20の斜視図、図22は
遮音壁パネル20の断面図である。図21及び図22に
おいて、この第10実施形態に係る遮音壁パネル20は
図7の上記第4実施形態のものと略同一構成を有し、各
遮音板片21と側板22の角部21a、及び、遮音板片
21の孔24の周囲角部24aが曲面形状に構成されて
いる点が相違し、他の構成は上記第6実施形態のものと
同様であるため、図面に同一符号を付してその説明を省
略する。
【0103】上記構成において、各角部21a、24a
が曲面形状であるので、空気流の剥離が起きずに空気流
が流れるため、通風抵抗を小さくでき通気性の向上にな
る。
【0104】尚、第1実施形態のように側板22に溝部
27を有するものでは、溝部27の角部も曲面形状とす
ることによって通風抵抗を小さくでき通気性の向上にな
り、又、第10実施形態の遮音壁パネル20は直方体形
状であるが、各角部を曲面形状とすることは遮音壁パネ
ル20の形状は問わず適用でき、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る遮音壁パ
ネルの斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図、
(c)は遮音壁パネルを用いた遮音壁の平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る遮音壁の周囲に枠
体を取付けた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る遮音壁パネルの斜
視図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る遮音壁パネルの斜
視図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る遮音壁パネルを用
いた遮音壁の平面図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る遮音壁パネル20
の斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る遮音壁パネルを用
いた遮音壁の平面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る遮音壁の周囲に枠
体を取付けた状態を示す平面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る遮音壁パネルの
斜視図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係る遮音壁パネルを
用いた遮音壁の平面図である。
【図12】本発明の第5実施形態に係る遮音壁パネルを
用いた遮音壁の平面図である。
【図13】本発明の第6実施形態に係る遮音壁パネルの
斜視図である。
【図14】本発明の第6実施形態に係る遮音壁パネルを
用いた遮音壁の平面図である。
【図15】(a)は本発明の第7実施形態に係る遮音壁
パネルの斜視図、(b)は遮音壁パネルを用いた遮音壁
の平面図である。
【図16】(a)は本発明の第8実施形態に係る遮音壁
パネルの斜視図、(b)は遮音壁パネルを用いた遮音壁
の平面図である。
【図17】本発明の第9実施形態に係る遮音壁パネルの
斜視図である。
【図18】本発明の第9実施形態に係る遮音壁パネルを
用いた遮音壁の要部平面図である。
【図19】本発明の第9実施形態に係る遮音壁パネルの
連結状態を示す側面図である。
【図20】本発明の第9実施形態に係る各遮音壁パネル
が騒音源に対して垂直方向に配置された状態を示す側面
図である。
【図21】本発明の第10実施形態に係る遮音壁パネル
の斜視図である。
【図22】本発明の第10実施形態に係る遮音壁パネル
の断面図である。
【図23】従来例の遮音壁の斜視図である。
【図24】従来例の遮音壁における空気質量を示す図で
ある。
【図25】他の従来例の遮音壁の斜視図である。
【図26】他の従来例の遮音壁における空気質量を示す
図である。
【符号の説明】
1 遮音壁 20 遮音壁パネル 21 遮音板片 22 側板 23 空間部 24 円孔(開口部) 25 突出筒部 26 スリット 27 溝部 A 2自由度振動型の通気孔 B 1自由度振動型の通気孔 C 複合振動型の通気孔

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間隔を置いて対向する2枚の遮音板片
    と、この2枚の遮音板片間の側面を覆う側板と、上記2
    枚の遮音板片及び上記側板で囲まれた空間部と、上記2
    枚の遮音板片と上記側板との少なくとも一方に設けら
    れ、上記空間部と外部とを連通する開口部とを有し、 パネル連結状態にあって、上記開口部が上記2枚の遮音
    板片に設けられた場合には、上記対向する開口部間に遮
    音壁としての通気孔が構成されると共に、当該側板と周
    囲の1又は2以上の遮音壁パネルの側板との間で遮音壁
    としての他の通気孔が構成され、又、上記開口部が上記
    側板に設けられた場合には、当該側板と周囲の1又は2
    以上の遮音壁パネルの側板との間で遮音壁としての通気
    孔が構成されることを特徴とする遮音壁パネル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の遮音壁パネルであって、 上記2枚の遮音板片に設けられる上記開口部は、上記各
    遮音板片の内面側に突出する上記開口部と略同一断面の
    内面を有する突出筒部内にそれぞれ連通され、この対向
    する突出筒部の先端端面間のスリットを介して上記空間
    部に連通され、上記側板には溝部が設けられ、 パネル連結状態にあって、上記2枚の遮音板片の開口部
    間に2自由度振動型の通気孔が構成され、又、当該側板
    の上記溝部と隣接する遮音壁パネルの側板の溝部とによ
    って1自由度振動型の通気孔が構成されることを特徴と
    する遮音壁パネル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の遮音壁パネルであって、 上記2枚の遮音板片に孔を設け、この各孔は上記2枚の
    遮音板片間の全域に亘って設けられ、上記孔と略同一断
    面の内面を有する筒部内に連通され、上記側板に設けら
    れる上記開口部は上記側板に設けられた溝部に構成さ
    れ、 パネル連結状態にあって、上記2枚の遮音板片の孔間に
    1自由度振動型の通気孔が構成され、又、当該側板の上
    記溝部と隣接する遮音壁パネルの側板の溝部とによって
    2自由度振動型の通気孔が構成されることを特徴とする
    遮音壁パネル。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の遮音壁パネルであって、 上記2枚の遮音板片に設けられる上記開口部は、上記各
    遮音板片の内面側に突出する上記開口部と略同一断面の
    内面を有する突出筒部内にそれぞれ連通され、この対抗
    する突出筒部の先端端面間のスリットを介して上記空間
    部に連通され、 パネル連結状態にあって、上記2枚の遮音板片の開口部
    間に2自由度振動型の通気孔が構成され、又、当該側板
    と周囲の1又は2以上の遮音壁パネルの側板との間隙に
    よって1自由度振動型の通気孔が構成されることを特徴
    とする遮音壁パネル。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の遮音壁パネルであって、 上記側板に設けられる上記開口部は孔にて構成され、 パネル連結状態にあって、当該側板と周囲の1又は2以
    上の遮音壁パネルの側板との間隙によって複合振動型の
    通気孔が構成されることを特徴とする遮音壁パネル。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の遮音壁パネルであっ
    て、 上記側板には連結手段を設けたことを特徴とする遮音壁
    パネル。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の遮音壁パネルであって、 上記連結手段は互いに回転可能なジョイント式であるこ
    とを特徴とする遮音壁パネル。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7記載の遮音壁パネルであっ
    て、 上記側板にはシール部材を設け、パネル連結状態にあっ
    て、当該側板の上記シール部材と隣接する1又は2以上
    の遮音壁パネルの側板若しくは側板のシール部材とが当
    接して通気孔が構成されたことを特徴とする遮音壁パネ
    ル。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8記載の遮音壁パネルであっ
    て、 上記各遮音板片と側板の角部、上記遮音板片の孔が設け
    られる場合には孔周囲の角部、上記側板の溝部が設けら
    れる場合には溝部周囲の角部が曲面形状に構成されたこ
    とを特徴とする遮音壁パネル。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9記載の遮音壁パネルであ
    って、 側面全体としての形状が多角形状であることを特徴とす
    る遮音壁パネル。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9記載の遮音壁パネルであ
    って、 側面全体としての形状が円筒形状であることを特徴とす
    る遮音壁パネル。
  12. 【請求項12】 間隔を置いて対向する2枚の遮音板片
    と、この2枚の遮音板片間の側面を覆う側板と、上記2
    枚の遮音板片及び上記側板で囲まれた空間部と、上記2
    枚の遮音板片と上記側板との少なくとも一方に設けら
    れ、上記空間部と外部とを連通する開口部とを有する遮
    音壁パネルを複数個備え、 この複数個の遮音壁パネルを連結し、上記開口部が上記
    2枚の遮音板片に設けられた場合には、上記対向する開
    口部間に遮音壁としての通気孔が構成されると共に、当
    該側板と周囲の1又は2以上の遮音壁パネルの側板との
    間で遮音壁としての他の通気孔が構成され、又、上記開
    口部が上記側板に設けられた場合には、当該側板と周囲
    の1又は2以上の遮音壁パネルの側板との間で遮音壁と
    しての通気孔が構成されたことを特徴とする遮音壁構
    造。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の遮音壁構造であっ
    て、 上記2枚の遮音板片に設けられる上記開口部は、上記各
    遮音板片の内面側に突出する上記開口部と略同一断面の
    内面を有する突出筒部にそれぞれ連通され、この対向す
    る突出筒部の先端端面間のスリットを介して上記空間部
    に連通され、上記側板には溝部が設けられ、 パネル連結状態にあって、上記2枚の遮音板片の開口部
    間に2自由度振動型の通気孔が構成され、又、当該側板
    の上記溝部と隣接する遮音壁パネルの側板の溝部とによ
    って1自由度振動型の通気孔が構成されたことを特徴と
    する遮音壁構造。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の遮音壁構造であっ
    て、 上記2枚の遮音板片に孔を設け、この各孔は上記2枚の
    遮音板片間の全域に亘って設けられ、上記孔と略同一断
    面の内面を有する筒部内に連通され、上記側板に設けら
    れる上記開口部は上記側板に設けられた溝部に構成さ
    れ、 パネル連結状態にあって、上記2枚の遮音板片の孔間に
    1自由度振動型の通気孔が構成され、又、当該側板の上
    記溝部と隣接する遮音壁パネルの側板の溝部とによって
    2自由度振動型の通気孔が構成されたことを特徴とする
    遮音壁構造。
  15. 【請求項15】 請求項12記載の遮音壁構造であっ
    て、 上記2枚の遮音板片に設けられる上記開口部は、上記各
    遮音板片の内面側に突出する上記開口部と略同一断面の
    内面を有する突出筒部内にそれぞれ連通され、この対向
    する突出筒部の先端端面間のスリットを介して上記空間
    部に連通され、 パネル連結状態にあって、上記2枚の遮音板片の開口部
    間に2自由度振動型の通気孔が構成され、又、当該側板
    と周囲の1又は2以上の遮音壁パネルの側板との間隙に
    よって1自由度振動型の通気孔が構成されたことを特徴
    とする遮音壁構造。
  16. 【請求項16】 請求項12記載の遮音壁構造であっ
    て、 上記側板に設けられる上記開口部は孔にて構成され、 パネル連結状態にあって、当該側板と周囲の1又は2以
    上の遮音壁パネルの側板との間隙によって複合振動型の
    通気孔が構成されたことを特徴とする遮音壁構造。
  17. 【請求項17】 請求項12〜16記載の遮音壁構造で
    あって、 連結された複数個の遮音壁パネルの周囲は、枠体で囲ま
    れたことを特徴とする遮音壁構造。
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