JPS6039920Y2 - 遮音パネルユニツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、建物の内部に形成された空間を外部に対し
て遮音するために用いられる遮音パネルユニットに関す
るものである。

建物の内部に形成された空間を外部に対して遮音すると
いう要求は、たとえば外部の交通騒音などに対して内部
の居住空間を遮音する場合、あるいは室内で発生する騒
音が外部に漏れるのを防止する場合などに多く生じる。

従来の考え方では、質量則としてよく知られているよう
に、内部と外部とを仕切る遮音壁の質量が大きくなるほ
ど遮音効果がよくなるとされている。

しかしながら建物の構造上、あるいはコストの面から、
遮音壁の質量を増すことによって、所望の遮音効果を得
ることは困難であり、とくに周波数の低い騒音に対する
遮音は容易でない。

この考案は、真空中では音波は伝達されないということ
に着目し、高度に排気された小室を有するパネルユニッ
トを用いて、重量の増大を伴うことなく効果的な遮音を
おこなうことが可能な遮音壁を構成しようとするもので
ある。

この考案の一実施例を図面にしたがって説明する。

第１図および第２図において、パネル部材１は、金属、
ガラスあるいは合成樹脂等の空気を透過させない材料て
構成されたもので、同一のパネル部材１とシール部材２
をはさんで対向するように配置されている。

各パネル部材１は、第１図に示すような平面形状の部分
とほぼ円弧からなる突起１ａの部分から戊り、パネル部
材１の周囲は少なくとも平面形状となっている。

またシール部材２はパネル部材１の平面形状の部分に対
向し、各突起１ａと対向する位置においては開口２ａが
形成されている。

これによってシール部材２が両パネル部材１，１の平面
形状の部分に密着され、対向する突起１ａ９１ａ間には
ほぼ円形の横断面を有する小室３（この例では３個）が
形成される。

そしてこの小室３は、パネルユニットの製造時、あるい
は建築現場における排気作業によって高度に、好ましく
はＩＱ”ｍｍＨｇもしくはそれ以上の真空度になるよう
に排気される。

この時、小室３は断面がほぼ円形をしているため、小室
内の減圧に十分耐えることのできる強度を得ることがで
き、変形することがない。

またパネル部材１は平面形状の部分がシール部材に密接
するので、減圧しても平面形状の部分が支えるため、対
向したパネル部材１が互いにずれたり、変形することが
ない。

このように構成された遮音パネルユニットにおいて、パ
ネル部材１の表面に到達した音波はこのパネル部材１を
振動させるが、この振動は、排気された小室３をはさん
で対向しているパネル部材１にはほとんど伝達されない
。

したがって両パネル部材１，１間に介在するシール部材
２の材質として、軟質ゴムのような振動に対する内部損
失の大きいものを選んでおけば、きわめて良好な遮音特
性が得られる。

また第３図および第４図に示すように、各パネル部材１
には、任意の形状、好ましくは円形の平面状を有する凹
所１ｂを形成し、この凹所１ｂ間の部分にシール部材２
を位置させた構造を採用してもよい。

この場合には、小室３内の減圧にもとづいてパネル部材
１に作用する力が主として小室３を圧縮するための力で
あるため、小室３が復元不能に変形する可能性が少なく
、パネル部材１を比較的柔軟な材料て構成できるという
利点がある。

またシール部材２に各小室３を相互に連通ずる通気孔２
ｂを形成しておけば、■回の排気作業ですべての小室３
を排気することができる。

なお、この考案の小室３は単一に構成することができ、
それにより比較的小形のパネルユニットとすることがで
きることは明らかである。

この考案による遮音パネルユニットの最大の利点は、従
来の遮音壁と比較してきわめて軽量であり、したがって
適用に対する構造上および強度上の制限が少ないという
ことである。

またパネル部材１として種々の素材を使用できるので、
壁面を構成したときの意匠的な効果を広範囲に変化させ
ることができ、またコスト的に安価なものを得ることも
容易である。

しかも多数の遮音パネルユニットを接続して構成した壁
面には、パネル部材１の突起１ａまたは凹所１ｂによる
凹凸が存在するため、音波に対する反射効果が多様にな
り、とくに内部をリスニングルームとして使用する場合
には、定在波がなくなり、残響特性がよくなる等の効果
も得られる。

さらに光透過性を有するパネル部材１を使用すれば、照
明の点でも有利になる。

さらに、パネル部材は平面形状の部分を対向させ、シー
ル部材を密着させたため、小室内を減圧しても平面部分
で互いにパネル部材が圧接されるので、変形する恐れは
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による遮音パネルユニット
の正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿った断面図、
第３図は他の実施例による遮音パネルユニットの正面図
、第４図は第３図のＢ−Ｂ線に沿った断面図である。 １・・・・・・パネル部材、１ａ・・・・・・突起、１
ｂ・・・・・・凹所、２・・・・・・シール部材、２ａ
・・・・・・開口、２ｂ・・・・・・通気孔、２ｃ・・
・・・・係合溝、３・・・・・・連結部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周囲に形成された平坦部と前記平坦部から一例に形成さ
   れ断面がほぼ円形を有する適当数の凹所または突起を有
   する一対の非通気性パネル部材と、この両者の平坦部間
   に介在し、両パネル部材を一体化するための内部損失の
   大きい材料からなるシール部材とから成り、前記一対の
   パネル部材の間に前記シール部材を介在させると共に、
   前記一対のパネル部材の凹所または突起を対向させ、前
   記対向した凹所または突起により気密状態に封止された
   遮音室を形成したことを特徴とする遮音パネルユニット
   。