JPH11350931A - 4サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents

4サイクルエンジンの潤滑装置

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JPH11350931A
JPH11350931A JP17405298A JP17405298A JPH11350931A JP H11350931 A JPH11350931 A JP H11350931A JP 17405298 A JP17405298 A JP 17405298A JP 17405298 A JP17405298 A JP 17405298A JP H11350931 A JPH11350931 A JP H11350931A
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JP
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oil
crank chamber
lubricating
lubricating oil
lubricated
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Application number
JP17405298A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Hidaka
義明 日高
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Hidaka Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hidaka Engineering Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/027Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle four
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B2275/00Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
    • F02B2275/22Side valves

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン姿勢が変動した場合にも潤滑油を被
潤滑部に確実に供給でき、また潤滑油の過大消費や失火
の問題を回避できる4サイクルエンジンの潤滑装置を提
供する。 【解決手段】 被潤滑部に給油するようにした4サイク
ルエンジンの潤滑装置において、クランク室内の潤滑油
をピストン下降時のクランク室内の圧力上昇を利用して
第1被潤滑部に供給する第1供給系47と、被潤滑部に
供給された潤滑油をピストン上昇時のクランク室内の圧
力降下を利用して貯留室21内に回収する回収系48
と、該貯留室内の潤滑油を、エンジンの姿勢変化により
該貯留室21内の油溜まりが変動しても常に該油溜まり
内に位置するように設けられた吸込口27aを介して、
かつピストン上昇時のクランク室内の圧力降下を利用し
てクランク室内の第2被潤滑部に供給する第2供給系4
9とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4サイクルエンジ
ンの潤滑装置に関し、特にエンジン姿勢が変動した場合
でも潤滑油を被潤滑部に確実に供給できるようにした構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、チェンソー,芝刈り機,草刈り
機等の駆動用エンジンには、構造が簡単でしかも軽量で
ある等の理由から2サイクルエンジンが採用されるのが
一般的である。ところが2サイクルエンジンの場合、大
気に放出される排気ガス中のCO,HC量が多いという
問題があり、排気ガス浄化,環境保全を図る上でネック
となっている。
【0003】これに対して4サイクルエンジンの場合
は、2サイクルエンジンに比べて排気ガス中のCO,H
C量が少ないことから大気汚染への影響を回避する点で
有利である。このため最近では、上記チェンソー,草苅
り機等においても4サイクルエンジンの採用が検討され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記チェンソ
ー,草刈り機等はその用途からして作業姿勢が大きく変
化することから、これに伴ってエンジン姿勢も前後,左
右に,あるいは上下逆さまに大きく変動することとな
る。
【0005】このようにエンジン姿勢が変動する場合、
2サイクルエンジンではあまり問題ないものの、4サイ
クルエンジンはそのまま採用できない場合がある。即
ち、オイルパン内の油溜まりの位置がエンジン姿勢の変
動によって大きく変動し、吸込パイプの吸込口が油面か
ら離れることが考えられ、このような場合には潤滑油を
被潤滑部に供給できなくなるという問題が生じる。ま
た、エンジン姿勢の如何によって潤滑油がピストン裏側
からシンダボア内に溜まり、この溜まった潤滑油が燃焼
室内に侵入する場合があり、その結果潤滑油の過大消費
や失火の原因になることが懸念される。またカム室やバ
ルブ室に潤滑油が溜まった場合にも上記同様の問題を生
じるおそれがあり、これらについての対策が必要であ
る。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、エンジン姿勢が変動した場合にも潤滑油を被潤滑部
に確実に供給でき、また潤滑油の過大消費や失火の問題
を回避できる4サイクルエンジンの潤滑装置を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、被潤
滑部に給油するようにした4サイクルエンジンの潤滑装
置において、クランク室内の潤滑油をピストン下降時の
クランク室内の圧力上昇を利用して第1被潤滑部に供給
する第1供給系と、被潤滑部に供給された潤滑油をピス
トン上昇時のクランク室内の圧力降下を利用して貯留室
内に回収する回収系と、該貯留室内の潤滑油を、エンジ
ンの姿勢変化により該貯留室内の油溜まりが変動しても
常に該油溜まり内に位置するように設けられた吸込口を
介して、かつピストン上昇時のクランク室内の圧力降下
を利用してクランク室内の第2被潤滑部に供給する第2
供給系とを備えたことを特徴としている。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、上
記第1供給系が、クランク室と上記第1被潤滑部とを連
通する第1供給通路と、クランク室から上記第1被潤滑
部への流れのみを許容する第1逆止弁と、上記第1被潤
滑部への潤滑油量を調整する第1オリフィスとを備えて
いることを特徴としている。
【0009】請求項3の発明は、請求項1又は2におい
て、上記回収系が、クランク室と上記貯留室とを連通す
る負圧通路と、上記第1被潤滑部とクランク室とを連通
する回収通路と、上記負圧通路に介在され上記貯留室か
らクランク室への流れのみを許容する回収逆止弁とを備
えていることを特徴としている。
【0010】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れかにおいて、上記第2供給系が、上記貯留室内の吸込
口と上記第2潤滑部とを連通する第2供給通路と、上記
貯留室から上記第2被潤滑部への流れのみを許容する第
2逆止弁とを備えていることを特徴としている。
【0011】請求項5の発明は、請求項1ないし4の何
れかにおいて、上記貯溜室が大略球体をなしており、上
記吸込口がクランク軸と平行な軸回り及びクランク軸に
直角の軸回りに回動可能に支持されており、かつ該吸込
口近傍に該吸込口を鉛直下方位置に付勢する錘りが設け
られていることを特徴としている。
【0012】
【発明の作用効果】請求項1の発明によれば、ピストン
下降によるクランク室内圧力の上昇を利用して潤滑油を
被潤滑部に供給する一方、エンジンの姿勢変化により貯
留室内の油溜まり位置が変動しても常に該油溜まり内に
吸込口が位置するように構成し、該吸込口を介して吸引
した潤滑油を被潤滑部に供給するようにしたので、給油
ポンプを不要にしてコストを低減でき、かつエンジン姿
勢が変動した場合にも潤滑油を被潤滑部に確実に供給で
き、よってチェンソー,草刈り機等に4サイクルエンジ
ンを採用できる。
【0013】また請求項2の発明によれば、上記第1供
給系を、クランク室と上記第1被潤滑部とを連通する第
1供給通路と、クランク室から上記第1被潤滑部への流
れのみを許容する第1逆止弁と、上記第1被潤滑部への
潤滑油量を調整する第1オリフィスとを備え構成とした
ので、ピストン下降によるクランク室内の圧力上昇を利
用して被潤滑部に潤滑油を供給する構造を実現できる。
【0014】請求項3の発明によれば、上記回収系を、
クランク室と上記貯留室とを連通する負圧通路と、上記
第1被潤滑部とクランク室とを連通する回収通路と、上
記負圧通路に介在され上記貯留室からクランク室への流
れのみを許容する回収逆止弁とを備えた構成としたの
で、ピストン上昇によるクランク室内の圧力降下を利用
して貯留室を負圧にし、もって上記第1被潤滑部に供給
された潤滑油を貯留室内に回収する構造を実現できる。
【0015】請求項4の発明によれば、上記第2供給系
を、上記貯留室内の吸込口と上記第2潤滑部とを連通す
る第2供給通路と、上記貯留室から上記第2被潤滑部へ
の流れのみを許容する第2逆止弁とを備えた構成とした
ので、ピストンの上昇によるクランク室内の圧力降下
(負圧)を利用して貯留室内の潤滑油を第2被潤滑部に
供給する構造を実現できる。
【0016】請求項5の発明によれば、上記貯溜室を大
略球体とし、上記吸込口をクランク軸に平行な軸回り及
び直角な軸回りに回動可能に支持し、かつ該吸込口を垂
直下方位置に付勢する構成としたので、エンジン姿勢が
左右,前後に変動しても常に潤滑油内に吸込口を位置さ
せる構造を実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1及び図2は、請求項1〜
4の発明の第1実施形態による4サイクルエンジンの潤
滑装置を説明するための図であり、図1は本潤滑装置の
構成を示す図、図2は吸気バルブ部分の断面図である。
【0018】図において、1は本潤滑装置を備えたサイ
ドバルブ型4サイクル単気筒空冷エンジンであり、これ
はシリンダブロック2の上部にシリンダヘッド3をヘッ
ドボルト4で締結し、シリンダボア2a内に摺動自在に
挿入配置したピストン5をコンロッド6でクランク軸7
に連結した概略構造のものである。上記ピストン5はコ
ンロッド6の小端部にニードル軸受6aを介して連結さ
れており、該コンロッド6の大端部はクランク軸7のク
ランクアーム7aにニードル軸受6bを介して連結され
ている。
【0019】上記シリンダブロック2の下部にはスカー
ト状のクランクケース部2bが一体形成されており、該
クランクケース部2bの下面にはオイルパン9が締結さ
れている。このクランクケース部2b及びオイルパン9
の上部により形成されたクランク室19内に上記クラン
ク軸7が収容配置されており、該クランク軸7の両端の
ジャーナル部は上記クランクケース部2b,オイルパン
9の合面に軸受10を介して支持されている。該クラン
ク軸7の一方の突出端部には冷却ファン11が、他方の
突出端部には不図示の出力ギヤがそれぞれ装着されてい
る。なお、12はイグニッションコイルである。
【0020】上記シリンダヘッド3下面のシリンダボア
2aに対向する部分には燃焼凹部3aが凹設されてお
り、該燃焼凹部3aのシリンダボア2a中心部に臨む位
置には点火プラグ8が螺着されている。
【0021】また上記燃焼凹部3aのクランク軸直角方
向に膨出するように形成された延長部3bには吸気ポー
ト13,排気ポート(不図示)が並行に形成されてお
り、各ポートはシリンダブロック2の側壁に導出されて
いる。上記吸気ポート13の開口には吸気バルブ14の
弁部14aが該開口を開閉可能に配置されている。また
該吸気バルブ14の弁軸14bはシリンダボア2aの軸
心と平行に下方に延び、該弁軸14bの下端部はクラン
ク室19から分離するように画成されたカム室ク19a
内に突出している。また上記吸気バルブ14にはこれを
閉方向に付勢するスプリング15が配設されている。な
お、上記排気ポートに配設された排気バルブは上記吸気
バルブ14と同様の構造となっている。
【0022】そして上記吸気バルブ14,排気バルブの
下端には、上記カム室19a内に上記クランク軸7と平
行に配置され、両端部が軸受で軸支されたカム軸16の
カムノーズ16aがタペット14cを介して摺接してい
る。該カム軸16に固着されたタイミングギヤ17は上
記クランク軸7に装着された駆動ギヤ18に噛合してい
る。このようにしてクランク軸7の回転によってカム軸
16が吸気,排気バルブを開閉駆動する。
【0023】20は本実施形態の特徴をなす潤滑装置で
あり、該潤滑装置20は、上記カム軸16の軸受,カム
ノーズ16aとタペット14cとの摺動面等の第1被潤
滑部、及び上記クランク軸7の軸受,コンロッド接続部
のニードル軸受6b等の第2被潤滑部に給油するように
構成されている。
【0024】そして上記潤滑装置20は、ピストン下降
時のクランク室19内の圧力上昇(正圧)を利用してク
ランク室19内の潤滑油を上記カム軸軸受等の第1被潤
滑部に供給する第1供給系47と、ピストン上昇時のク
ランク室19内の圧力降下(負圧)を利用して上記第1
被潤滑部に供給された潤滑油を潤滑油貯留タンク(貯留
室)21に回収する回収系48と、該貯留タンク21内
の潤滑油をピストン上昇時のクランク室19内の圧力降
下(負圧)を利用して上記クランク軸軸受等の第2被潤
滑部に供給する第2供給系49とを備えている。
【0025】ここで、本実施形態装置において供給さ
れ、あるいは回収される潤滑油の大部分は霧状のいわゆ
るオイルミストとなっており、また上記貯留タンク21
内及びクランク室19内では液状の潤滑油とオイルミス
トとが混在している。これは例えば、潤滑油が小径の回
収通路をから大容積の貯留タンク21に流入する際の体
積膨脹により霧状のオイルミストになるものと考えられ
る。
【0026】上記第1供給系47は、上記クランク室1
9の底部9bと上記カム軸軸受等の第1被潤滑部とを連
通する第1供給通路47aと、該第1供給通路47aの
クランク室接続部に形成され、クランク室19から第1
被潤滑部への流れのみを許容するリードバルブ(第1逆
止弁)47bと、上記第1供給通路47aのリードバル
ブ47bと上記第1被潤滑部との間に介設され、該第1
被潤滑部への潤滑油量を調整する第1オリフィス47c
とを備えている。
【0027】また上記回収系48は、上記カム軸16が
配設されたカム室19a内と上記貯留タンク21内とを
連通する回収通路48aと、該貯留タンク21とクラン
ク室19内とを連通する負圧通路48bと、該負圧通路
48bに介設され貯留タンク21からクランク室19へ
の流れのみを許容する回収逆止弁48cとを備えてい
る。上記回収通路48a,負圧通路48bの2つのタン
ク内開口48d,48dは何れも潤滑油貯留タンク21
の中心に近接し、かつオイルパイプ23又は保持部材2
8に対向するように配置されている。このように上記各
タンク内開口48dがタンク中心に位置しているのは、
エンジン姿勢が如何様に変化してもこれらの開口が潤滑
油内に浸るのを防止し、該開口に潤滑油が進入するのを
防止するためである。また、開口48dをオイルパイプ
23等に対向させたのは、回収されたオイルミストをオ
イルパイプ23等に付着させて液化するためである。
【0028】上記第2供給系49は、貯留タンク21内
の後述する吸込口27aと上記クランク軸7のオイル通
路7bとを連通する第2供給通路49aと、該第2供給
通路49aに介設され、潤滑油貯留タンク21からクラ
ンク軸方向の流れのみを許容する第2逆止弁49bとを
備えている。ここで、上記第2供給通路49aにクラン
ク軸への潤滑油量を調整する第2オリフィスを設けるこ
とが望ましい。また、この場合、油量調整機能を上記逆
止弁49bに内蔵させるとさらに良い。
【0029】上記貯留タンク21は上記クランク室19
内に収容され回転不能に固定されている。該貯溜タンク
21は大略球体に形成されており、左,右一対の支持部
材22が上記オイルパン9に一体形成された左,右一対
のボス部9aにオイルシールを介して油密に支持されて
いる。
【0030】また、上記貯溜タンク21内にはクランク
軸7と平行をなすようにオイルパイプ23が挿入配置さ
れており、該オイルパイプ23の左,右端部は上記支持
部材22内に挿入され、軸受24を介してクランク軸と
平行な軸回りに回転自在に支持されている。なおこのオ
イルパイプ23の両端開口は上記ボス部9aの内面に対
向している。
【0031】上記オイルパイプ23の軸方向中央部には
仕切り板25が配設されており、これにより該オイルパ
イプ23内は潤滑油の第2供給通路23aとブリーザ通
路23bとに区分けされている。また上記オイルパイプ
23の軸方向中央部には保持部材28が固着されてお
り、該保持部材28内にはブリーザ通路23bに連通す
るブリーザパイプ26の基部が挿入され、軸受28aを
介して上記オイルパイプ23の回転軸と直角、つまり気
筒軸と平行な軸回りに回転自在に支持されている。該ブ
リーザパイプ26はオイルパイプ23から軸直角方向に
延び途中からく字状に屈曲形成されており、その吸込口
26aは該貯留タンク21の外周側の内面近傍に位置し
ている。
【0032】そして上記ブリーザパイプ26の吸込口2
6aと反対側には錘り29aが固着されている。この錘
り29aの重力によりブリーザパイプ26は上記回転軸
回りに回動する。また上記オイルパイプ23のブリーザ
通路23bはブリーザ通路35を介してエアクリーナに
接続されている。
【0033】また上記保持部材28のブリーザパイプ2
6と反対側には上記供給通路23aに連通する吸込パイ
プ27の基部が挿入され、軸受28bを介して上記オイ
ルパイプ23の回転軸と直角、つまり気筒軸と平行な軸
回りに回転自在に支持されている。この吸込パイプ27
はオイルパイプ23から軸直角方向に延び途中からく字
状に屈曲形成されており、該吸込パイプ27の吸込口2
7aは貯溜タンク21の外周側の内面近傍に位置してい
る。
【0034】そして上記吸込パイプ27の吸込口27a
近傍には錘り29bが固着されている。この錘り29b
の重力により吸込パイプ27は、オイルパイプ23の軸
回り(クランク軸と平行な軸回り)に回動し、かつ吸込
パイプ27の基部の軸回り(気筒軸と平行な軸回り)に
回動する。
【0035】その結果、上記吸込パイプ27の吸込口2
7aは、貯留タンク21内の油溜まりAの位置がエンジ
ン姿勢の変動に伴って貯留タンク21内で変動しても常
に該油溜まりA内に位置し、かつブリーザパイプ26の
吸込口26aは油溜まりAの外側に位置することとな
る。
【0036】上記オイルパン9の一方のボス部9aには
供給管(第2供給通路)49aの一端がオイルパイプ2
3の潤滑油供給通路23aに連通するように接続されて
おり、該供給管49aの他端はクランク軸7のオイル通
路7bに連通接続されている。このオイル通路7bはク
ランク軸7の軸方向に延び、ニードル軸受6bの近傍、
具体的にはクランクアーム7aの内面に開口している。
【0037】なお、上記貯留タンク21はオイルパン9
と別体に設けられているが、該オイルパン9内を隔壁で
画成する等してオイルパン9に一体に形成してもよい。
また図4に示すように、クランクケース9をクランク軸
中心で分割するタイプのエンジンの場合には、潤滑油貯
留タンク21をシリンダブロック2の側部に一体形成
し、上記オイルパイプ23部分で分割するように構成す
ることも可能である。このようにした場合は、コストを
低減できる。
【0038】図4は、クランクアッパケースの合面を下
側からみた図であり、図中、19bはクランク室19の
上半部、2aはシリンダボア、21aは潤滑油貯留タン
ク21の上半部である。また10aはクランク軸7用軸
受10の装着孔、10bはオイルシール装着孔、24a
はオイルパイプ23用軸受24の装着孔である。
【0039】次に本実施形態の作用効果について説明す
る。本実施形態の潤滑装置20では、ピストン5の下降
によりクランク室19内の圧力が上昇するとリードバル
ブ47bが開き、上昇によりクランク室19内の圧力が
下降すると該リードバルブ47bが閉じる。このリード
バルブ47bの開閉によりクランク室19内の潤滑油が
第1供給通路47aを通り、第1オリフィス47cで所
定量に調整されてカム軸軸受等の第1被潤滑部に供給さ
れる。この場合、第1被潤滑部に供給されるのは霧状を
なすオイルミストが大部分を占める。
【0040】またピストン5の上昇によりクランク室1
9内が負圧になると、該負圧により回収系49の負圧通
路48bの回収逆止弁48cが開き、上記貯留タンク2
1内が負圧になる。これにより上記第1被潤滑部を潤滑
した潤滑油は、回収通路48aを介して上記潤滑油貯留
タンク21内に回収される。
【0041】またピストン5の上昇によりクランク室1
9内が負圧になると、該負圧により第2供給通路49a
の第2逆止弁49bが開き、該負圧により貯溜タンク2
1内の潤滑油が吸込パイプ27の吸込口27aから吸引
され、第2供給通路49aを通り、クランク軸7のオイ
ル通路7bからクランクアーム7aの内面開口を通って
クランク室19内に導入される。この潤滑油は大部分が
オイルミストの状態をなしており、上記ニードル軸受6
b,ピストン6裏面,ピストンピン摺動部等の各被潤滑
部に飛散し、各被潤滑部を潤滑した後、オイルパン9の
底部9bに落下回収される。そして再び上述の被潤滑部
の潤滑,貯留タンクへの回収が行われる。
【0042】上記潤滑動作において、エンジン姿勢が図
1に示す直立状態にある場合には、貯留タンク21内の
油溜まりAは図面下端部に位置しており、また錘り29
bが下側に位置することから吸込パイプ27の吸込口2
7aは油溜まりA内に位置し、かつブリーザパイプ26
の吸込口26aの油溜まりAの外方に位置している。そ
のため貯留タンク21内において潤滑油は支障なく吸込
パイプ27の吸込口27aから吸い込まれ、またオイル
ミストを含む空気(ブローバイガス)はブリーザパイプ
26の吸込口26aから吸い込まれ、エアクリーナを介
してエンジン燃焼室に流れる。
【0043】そしてエンジン姿勢を図示の直立状態か
ら、例えば気筒軸が右側に傾く右傾斜の状態に変化させ
ると、油溜まりはA1の状態に変化する。この場合、エ
ンジン姿勢の変動に伴って、錘り29bが自重により吸
込パイプ27をオイルパイプ23と直角の回転軸回りに
吸込口27aが図示右側に位置するように回転させ、ま
た錘り29aが自重によりブリーザパイプ26をオイル
パイプ23と直角の回転軸回りに吸込口26aが図示左
側に位置するように回転させる。これにより吸込パイプ
27の吸込口27aは油溜まりA1内に位置し、かつブ
リーザパイプ26の吸込口26aは油溜まりA1の外側
に位置し、潤滑油の吸込及びブローバイガスの吸込が支
障なく行われる。
【0044】またエンジン姿勢を図示の直立状態から、
例えば上下逆の位置に反転させると、油溜まりはA2の
状態に変動する。この場合、エンジン姿勢の変動に伴っ
て、錘り29bが吸込パイプ27及びブリーザパイプ2
6をオイルパイプ23回りに上下逆の位置に回動させ、
この場合も、吸込パイプ27の吸込口27aは油溜まり
A2内に位置し、かつブリーザパイプ26の吸込口26
aは油溜まりA2の外側に位置し、潤滑の吸込及びブロ
ーバイガスの吸込が支障なく行われる。
【0045】このように、本実施形態では、ピストン5
の下降,上昇によるクランク室内の圧力の上昇,下降を
利用して被潤滑部への潤滑油の供給,及び潤滑油の回収
を行うようにしたので、潤滑油ポンプを不要にでき、コ
ストを低減できる。
【0046】またエンジン姿勢の変動により潤滑油の位
置が左右,前後方向に移動した場合、吸込パイプ27の
吸込口27aが潤滑油の移動に追従し常に潤滑油内に位
置するようにしたので、エンジン姿勢をどのように変動
させても潤滑油を吸引して被潤滑部に供給することがで
きる。なお、クランク室19内の負圧を利用して潤滑油
をクランク軸軸受等の第2被潤滑部に潤滑油を供給する
方式であるから、貯留タンク21内の潤滑油がオイルミ
ストとなっている場合でも支障なくクランク軸軸受等を
潤滑できる。
【0047】またブリーザパイプ26は、常に吸込パイ
プ27の反対側に位置しており、しかも錘り29aによ
って吸込口26aを油溜まりの反対側に回動させるよう
にしたので、潤滑油を吸い込むことなく、貯溜タンク2
1内のブローバイガスを吸気系に排出することができ
る。
【0048】またクランク室内圧力を利用して潤滑油の
供給,回収を行うに当たり、潤滑油貯留タンク21内に
開口している各通路48a,48bのタンク内開口48
dを、タンク内の油面が最大の場合でも、またエンジン
姿勢が如何様でも潤滑油内に浸ることのないように該貯
留タンク21の中心部に寄せて配置したので、該貯留タ
ンク21内の潤滑油が逆流するのを防止できる。また上
記開口48dから回収されたオイルミストはオイルパイ
プ23,保持部材28に付着して液化し、貯留タンク2
1内に落下し、留まる。
【0049】図3は、請求項1〜4の発明の第2実施形
態による4サイクルエンジンの潤滑装置を説明するため
の図であり、図中、図1と同一符号は同一又は相当部分
を示す。
【0050】本エンジン60は、OHC型4サイクル空
冷エンジンであり、これはシリンダヘッド61に、燃焼
凹部61aに連通する吸気,排気ポート62を形成し、
該各ポート62の燃焼室開口に吸気,排気バルブ63を
配設し、また上記シリンダヘッド61のカム室a内にロ
ッカアーム65を介して吸気,排気バルブ63を開閉駆
動するカム軸64を配設した構造を有している。なお、
上記カム軸64はクランク軸7により不図示のタイミイ
グチェーンを介して回転駆動される。
【0051】そして本実施形態の特徴をなす潤滑装置2
00は、上記カム軸64の軸受,カムノーズとロッカア
ーム65との摺動面等の第1被潤滑部に潤滑油を供給す
る第1供給系47と、上記第1被潤滑部に供給された潤
滑油を潤滑油貯留タンク21に回収する回収系48と、
該貯留タンク21内の潤滑油を上記クランク軸7の軸
受,コンロッド連結用ニードル軸受6b等の第2被潤滑
部に供給する第2供給系49とを備えており、これらの
各供給系,回収系の基本的構造は上記第1実施形態と同
様である。
【0052】即ち、上記第1供給系47は、クランク室
19内の潤滑油をピストン下降時のクランク室内の圧力
上昇を利用してリードバルブ47bから第1供給通路4
7a,第1流量制御用オリフィス47cを介して上記カ
ム軸軸受等の第1被潤滑部に供給する。
【0053】また上記回収系48は、ピストン5の上昇
によるクランク室19内の負圧により上記貯留タンク2
1内を負圧にし、該負圧により上記カム室a内のミスト
状の潤滑油をタンク21内に回収するようになってい
る。
【0054】さらにまた上記第2供給系49は、ピスト
ン5の上昇によるクランク室内の負圧により上記貯留タ
ンク21内の潤滑油を吸込口27aから吸引し、クラン
ク軸軸受等の第2被潤滑部に供給するようになってい
る。
【0055】上記貯留タンク21は、上記シリンダヘッ
ド61のヘッドカバー66に配置されている。該貯溜タ
ンク21内には吸込パイプ27が気筒軸と平行な軸回り
及びクランク軸と平行な軸回りに回動自在に配設されて
おり、基本的構造は図1のものと同様である。
【0056】本第2実施形態においても、ピストン5の
上昇,下降によるクランク室19内の圧力降下,上昇を
利用して潤滑油の供給,回収を行うようにするととも
に、貯溜タンク21内に吸込パイプ27を気筒軸と平行
な軸回り及びクランク軸と平行な軸回りに回動自在に配
置したので、潤滑油ポンプを不要にしてコストを低減
し、かつエンジン姿勢の変動に伴って潤滑油が左右,上
下に移動しても潤滑油を各被潤滑部に潤滑油を確実に供
給することができるとともに、潤滑油の過大消費や失火
の問題を解消でき、上述の第1実施形態と同様の効果が
得られる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜4の発明に係る第1実施形態による
サイドバルブ型4サイクルエンジンの潤滑装置を説明す
るための構成図である。
【図2】上記エンジンの吸気バルブ部分を示す断面図で
ある。
【図3】請求項1〜4の発明に係る第2実施形態による
オーバヘッドカムシャフト型4サイクルエンジンの潤滑
装置を説明するための構成図である。
【図4】潤滑油貯留タンクをエンジン側と一体形成する
場合の例を示す底面図である。
【符号の説明】
1 4サイクルエンジン 5 ピストン 7 クランク軸 19 クランク室 21 潤滑油貯留タンク(貯留室) 27a 吸込口 29b 錘り 47 第1供給系 47a 第1供給通路 47b リードバルブ(第1逆止弁) 47c 第1オリフィス 48 回収系 48a 回収通路 48b 負圧通路 48c 回収逆止弁 49 第2供給系 49a 第2供給通路 49b 第2逆止弁 49c 第2オリフィス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被潤滑部に給油するようにした4サイク
    ルエンジンの潤滑装置において、クランク室内の潤滑油
    をピストン下降時のクランク室内の圧力上昇を利用して
    第1被潤滑部に供給する第1供給系と、被潤滑部に供給
    された潤滑油をピストン上昇時のクランク室内の圧力降
    下を利用して貯留室内に回収する回収系と、該貯留室内
    の潤滑油を、エンジンの姿勢変化により該貯留室内の油
    溜まりが変動しても常に該油溜まり内に位置するように
    設けられた吸込口を介して、かつピストン上昇時のクラ
    ンク室内の圧力降下を利用してクランク室内の第2被潤
    滑部に供給する第2供給系とを備えたことを特徴とする
    4サイクルエンジンの潤滑装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記第1供給系が、
    クランク室と上記第1被潤滑部とを連通する第1供給通
    路と、クランク室から上記第1被潤滑部への流れのみを
    許容する第1逆止弁と、上記第1被潤滑部への潤滑油量
    を調整する第1オリフィスとを備えていることを特徴と
    する4サイクルエンジンの潤滑装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、上記回収系
    が、クランク室と上記貯留室とを連通する負圧通路と、
    上記第1被潤滑部とクランク室とを連通する回収通路
    と、上記負圧通路に介在され上記貯留室からクランク室
    への流れのみを許容する回収逆止弁とを備えていること
    を特徴とする4サイクルエンジンの潤滑装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかにおいて、上
    記第2供給系が、上記貯留室内の吸込口と上記第2潤滑
    部とを連通する第2供給通路と、上記貯留室から上記第
    2被潤滑部への流れのみを許容する第2逆止弁とを備え
    ていることを特徴とする4サイクルエンジンの潤滑装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかにおいて、上
    記貯溜室が大略球体をなしており、上記吸込口がクラン
    ク軸と平行な軸回り及びクランク軸に直角の軸回りに回
    動可能に支持されており、かつ該吸込口近傍に該吸込口
    を鉛直下方位置に付勢する錘りが設けられていることを
    特徴とする4サイクルエンジンの潤滑装置。
JP17405298A 1998-06-05 1998-06-05 4サイクルエンジンの潤滑装置 Pending JPH11350931A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002054420A (ja) * 2000-08-10 2002-02-20 Honda Motor Co Ltd 作業機用4サイクルエンジンにおけるブリーザ構造
JP2002242689A (ja) * 2001-02-14 2002-08-28 Honda Motor Co Ltd 携帯用エンジン作業機
CN100393989C (zh) * 2004-06-18 2008-06-11 李新苍 四行程引擎的润滑装置

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