JPH11350422A - 振動エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物 - Google Patents
振動エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物Info
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- JPH11350422A JPH11350422A JP10158971A JP15897198A JPH11350422A JP H11350422 A JPH11350422 A JP H11350422A JP 10158971 A JP10158971 A JP 10158971A JP 15897198 A JP15897198 A JP 15897198A JP H11350422 A JPH11350422 A JP H11350422A
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Abstract
動を効率良く抑制し、強風時等の橋梁としての機能と安
全性を確保することができる振動エネルギー変換・供給
型橋梁制振構造物を提供する。 【解決手段】 主塔部1の頂部にダンパ兼エネルギー変
換装置として、受動型の制震装置であるダイナミックダ
ンパ7を設置する。主桁部2にエネルギー蓄積装置6お
よび能動制御型の制震装置としてのアクティブマスダン
パ8を設置する。強風時等における主塔部1の振動をダ
イナミックダンパ7で抑制する。その際、ダイナミック
ダンパ7で主塔部1の振動によるエネルギーを吸収・変
換し、エネルギー吸収装置6に蓄積する。センサ10で
検出した情報をコンピュータ9で解析し、エネルギー吸
収装置6をエネルギー供給源としてアクティブマスダン
パ8を作動させ、主桁部2の振動を抑制する。
Description
震装置により制御して揺れを低減し、機能性や安全性を
確保する振動エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物に
関するものである。
を開発している。
付加質量とそれを駆動するアクチュエータ、入力地震動
や建物の揺れを検出するセンサ、センサからの信号を分
析してアクチュエータへの駆動指令を決める制御コンピ
ュータ等からなるアクティブマスドライバ方式の装置
(例えば特公平4−63185号公報、特公平8−64
94号公報等参照)、柱梁架構内に筋交い状に取り付け
たテンドンを直接アクチュエータで緊張・弛緩して制御
を行うアクティブテンドン方式の装置(例えば特公平6
−76738号公報、特公平6−86745号公報等参
照)、柱梁架構とブレースや耐震壁等の耐震要素との連
結状態をアクチュエータあるいはダンパ等を介して制御
する能動制御型の可変剛性装置(例えば特公平7−45
781号公報、特公平7−47898号公報等参照)が
ある。
制御力(制震力)を発生させる装置では、そのためのエ
ネルギーを如何にして供給するかが問題となる。
いて大きい制震効果を得るためには、大型のアクチュエ
ータ等により強制的に揺れを抑えることが最も確実な方
法であるが、その場合、エネルギーのコストの問題、エ
ネルギー供給設備スペースの問題、メンテナンスの問
題、さらに停電等の非常時におけるエネルギー供給の問
題がある。
れた質量体(付加質量)と支持面との間にエネルギー変
換装置を介在させ、地震時の質量体と支持面の相対変位
を利用して地震エネルギーをエネルギー変換装置に導入
し、これを構造物に設置した能動制御型の制震装置の駆
動エネルギーに変換しエネルギー蓄積型制震構造物を開
発している(特開平9−324552号公報参照)。
長大橋では例えば強風時の振動によって設計が決まった
り、また場合によってはこの振動が使用上問題となるこ
とがある。
と主桁部の両方の揺れにより生じる。従って橋梁の振動
を抑制するためには、両方の振動を低減する必要がある
が、鉛直方向の主塔部と水平方向の主桁部から構成され
る橋梁の揺れを同時に制御することは難しく、実際上は
主塔部、主桁部に対し個々に制震装置を設置することに
なる。
有する橋梁の揺れを効率良く抑え、橋梁としての機能と
安全性を確保することを目的としたものである。
動エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物は、構造体と
しての主塔部と主桁部を有する橋梁について、前記主塔
部に受動型の制震装置であるダンパ兼振動エネルギー変
換装置を設置し、前記主桁部にエネルギー供給を必要と
する能動制御型の制震装置を設置し、主塔部の振動を受
けて前記ダンパ兼振動エネルギー変換装置によって変換
されたエネルギーをエネルギー蓄積装置に蓄積し、前記
エネルギー蓄積装置に蓄積されたエネルギーを前記能動
制御型の制震装置に供給して主桁部の振動を抑制するよ
う構成したことを特徴とするものである。
り、また主桁部は能動制御型の制震装置により、個々に
制御を行うにあたり、受動型の制震装置をダンパ兼振動
エネルギー変換装置として構成することで、主塔部の揺
れによってダンパ兼エネルギー変換装置に入力されるエ
ネルギーを、主桁部の能動制御型の制震装置で利用可能
な形に変換し、これをエネルギー蓄積装置を介して主桁
部の能動制御型の制震装置に供給するようにしたもので
ある。
が油圧によって駆動されるものであれば、受動型の制震
装置であるダンパ兼エネルギー変換装置で振動エネルギ
ーを油圧の形に変換し、アキュムレータなどのエネルギ
ー蓄積装置に蓄積し、これを能動制御型の制震装置に供
給することになる。
・供給型橋梁制振構造物は、構造体としての主塔部と主
桁部を有する橋梁について、前記主桁部に受動型の制震
装置であるダンパ兼振動エネルギー変換装置を設置し、
前記主塔部にエネルギー供給を必要とする能動制御型の
制震装置を設置し、主桁部の振動を受けて前記ダンパ兼
振動エネルギー変換装置によって変換されたエネルギー
をエネルギー蓄積装置に蓄積し、前記エネルギー蓄積装
置に蓄積されたエネルギーを前記能動制御型の制震装置
に供給して主塔部の振動を抑制するよう構成したことを
特徴とするものである。
換・供給型橋梁制振構造物におけるダンパ兼エネルギー
変換装置としての受動型の制震装置と能動制御型の制震
装置の配置を主塔部と主桁部で入れ替えたものに相当す
る。
エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物において、ダン
パ兼振動エネルギー変換装置が、ダイナミックダンパで
ある場合を限定したものである。
置された付加質量と、前記付加質量を構造体に対し相対
移動可能に支持するバネ手段およびダンパとからなる。
他の各種バネに限らず、付加質量を振り子式に吊り支持
することにより所定の固有周期を持たせたものなども含
まれる。
は、従来、油圧ダンパ、電磁ダンパ、粘性ダンパなどが
用いられているが、本願発明ではダイナミックダンパ部
分でエネルギーを消費してしまうのではなく、エネルギ
ーを変換・蓄積する必要があるため、油圧の形でエネル
ギーの変換・蓄積が可能な油圧ダンパあるいは電気の形
でエネルギーの変換・蓄積が可能な電磁ダンパなどを用
いることになる。
エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物において、ダン
パ兼振動エネルギー変換装置が、構造体内に耐震要素を
介して設置されたダンパである場合を限定したものであ
る。
ダンパなどが考えられる。また、油圧式のダンパには、
油圧室間を結ぶ流路にオリフィスや受動型の流量制御弁
を設け、減衰係数を所定の値に調整したり、ある範囲で
可変としたものなども含まれる。
ム内にブレースあるいは耐震壁などの形で配置すること
ができるが、形態等は特に限定されない。
係る振動エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物におい
て、能動制御型の制震装置が、構造体に設置された付加
質量と、前記付加質量を構造体に対し相対移動可能に支
持するバネ手段と、前記構造体に反力をとって前記付加
質量に振動外力または建物の応答に応じた制御力を加え
る駆動装置とを備えた制震装置(アクティブマスダン
パ)である場合を限定したものである。
体あるいは装置設置部分の振動を検知するセンサ等の情
報をもとにコンピュータあるいは電気的な制御回路によ
って求めた最適な制御力を駆動装置から付加質量に加え
ることによって構造体の振動を抑制することができる。
ータを用いたものや電動式のアクチュエータを用いたも
のなどが知られており、油圧式のものとするか電磁式の
ものとするか等は、ダンパ兼エネルギー変換装置によっ
て変換されるエネルギーが油圧か電気か等に応じて決ま
る。
係る振動エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物におい
て、能動制御型の制震装置が、構造体内に耐震要素を介
して設置され、構造体に振動外力または建物の応答に応
じた制御力を加える駆動装置を備えた制震装置である場
合を限定したものである。
であるダンパ兼振動エネルギー変換装置が、能動制御型
の制震装置に置き替わった構成であり、駆動装置として
は、油圧式または電動式のアクチュエータの他、油圧ダ
ンパにおける流路に能動制御型の開閉制御弁を設けて減
衰係数を可変とし、減衰抵抗力の形で構造体に制御力を
与える可変減衰装置等を用いることができる。
ルギー変換・供給型橋梁制振構造物において、より具体
的な形態として、振動エネルギー変換装置が油圧ダンパ
により構成され、エネルギー蓄積装置がアキュムレータ
により構成され、能動制御型の制震装置が油圧アクチュ
エータにより構成されている場合を限定したものであ
る。
ルギー変換・供給型橋梁制振構造物において、より具体
的な形態として、振動エネルギー変換装置が電磁ダンパ
により構成され、エネルギー蓄積装置がバッテリにより
構成され、能動制御型の制震装置が電磁アクチュエータ
により構成されている場合を限定したものである。
ブル3から構成される長大橋に、本願発明を適用した振
動エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物の基本概念を
概略的に示したものである。
ずれか一方に、受動型の制震装置であるダンパ兼エネル
ギー変換装置4を設置し、他方に能動制御型の制震装置
5を設置し、任意の位置にエネルギー蓄積装置6を設置
する。
換装置4を設置したとすれば、主桁部2に能動制御型の
制震装置5を設置する。また、図では主桁部2の下面に
エネルギー蓄積装置6を設置している。
動型の制震装置であるダンパ兼エネルギー変換装置4が
ダンパとして機能し、エネルギーを吸収することで主塔
部1の振動を抑制しつつ、吸収したエネルギーを変換し
てエネルギー蓄積装置6に蓄積する。
からの情報などをもとに能動制御型の制震装置5の駆動
装置を駆動し、主桁部2の振動を抑制する。その際、駆
動エネルギーをエネルギー蓄積装置6から得ることで、
理想的には外部からのエネルギー供給の必要がなくな
り、エネルギー供給設備を省略することができる。
るエネルギーでは不足する場合には、別途、外部エネル
ギー供給設備を併設してもよい。その場合も、外部エネ
ルギー供給設備は小規模のものとすることができる。
装置4を設置したとすれば、主塔部1に能動制御型の制
震装置を設置する。システムとしての原理は上述したも
のと同じである。
振動エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物の一実施形
態を示したものである。
受動型の制震装置であるダイナミックダンパ(動吸振
器)7を設置し、主桁部2にアクティブマスダンパ8を
設置している。
よる主塔部1の制震自体は、従来のダイナミックダンパ
による制震と同じ原理によるものであるが、本願発明で
はこのダイナミックダンパ7をダンパ兼エネルギー変換
装置として機能させることで、吸収・変換したエネルギ
ーをエネルギー蓄積装置6に蓄積し、そのエネルギーを
利用してやはり従来と同じ原理で制震を行う能動型の制
震装置であるアクティブマスダンパ8の駆動装置を駆動
する。
ンサであり、センサからの情報をコンピュータ9で解析
し、アクティブマスダンパ8を作動させることで、主桁
部2の振動を抑制することができる。
動エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物の一実施形態
を示したもので、(a) に主塔部へのダンパ兼エネルギー
変換装置の配置を(b) に主桁部への能動制御型の制震装
置とエネルギー蓄積装置の配置を示している。
ース11等の耐震要素を介して、ダンパ兼エネルギー変
換装置としてのダンパ12を組み込み、主桁部2にはブ
レース11等の耐震要素を介して能動制御型の制震装置
としてのアクチュエータ13を組み込んでいる。
抑制を行うと同時に振動エネルギーを吸収・変換して、
この例において主桁部2に設置したエネルギー蓄積装置
6に一旦蓄積し、センサ10の情報に基づいてコンピュ
ータ9がアクチュエーター13の制御力を計算し、蓄積
されたエネルギーをアクチュエーター13に供給して、
主桁部2の振動を抑制する。
組合せも可能である。例えば主塔部1に図2のダイナミ
ックダンパ7を設置し、吸収・変換したエネルギーによ
り、主桁部2にブレース11等の耐震要素を介して設置
した図3のアクチュエーター13を駆動するといった構
成も考えられる。
振動エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物の一実施形
態におけるダンパ兼エネルギー変換装置、エネルギー蓄
積装置、能動制御型の制震装置の関係を示したものであ
る。
の耐震要素を介して設置したダンパ兼エネルギー変換装
置としての受動型の制震装置である油圧ダンパ12で主
塔部1の振動を抑制し、その際に油圧ダンパ12が受け
る振動エネルギーを主桁部2に設置したエネルギー蓄積
装置としてのアクチュエータ14に蓄積し、アクチュエ
ータ14に蓄積された油圧を利用して、主桁部2にブレ
ース11などの耐震要素を介して設置された能動制御型
の制震装置としての油圧アクチュエータ13をセンサな
どからの情報を基に制御することで主桁部2の振動を抑
制することができる。
置によって、長大橋等の複雑な振動を抑制するにあた
り、一方に配置したダンパ兼エネルギー変換装置と、他
方に配置した能動制御型の制震装置の間にエネルギー蓄
積装置を介在させ、構造物に生じる振動エネルギーをダ
ンパ兼エネルギー変換装置で吸収・変換し、これを能動
制御型の制震装置の駆動のために供給することで、主塔
部と主桁部を有する橋梁の揺れを効率良く抑え、橋梁と
しての機能と安全性を確保することができる。
・供給型橋梁制振構造物の概念図である。
変換・供給型橋梁制振構造物の一実施形態を示す概要図
である。
・供給型橋梁制振構造物の一実施形態を示したものであ
り、(a) は主塔部へのダンパ兼エネルギー変換装置の配
置を示す立面概要図、(b) は主桁部への能動制御型の制
震装置とエネルギー蓄積装置の配置を示す平面概要図で
ある。
変換・供給型橋梁制振構造物の一実施形態におけるダン
パ兼エネルギー変換装置、エネルギー蓄積装置、能動制
御型の制震装置の関係を示す説明図である。
エネルギー変換装置、5…能動制御型の制震装置、6…
エネルギー蓄積装置、7…ダイナミックダンパ、8…ア
クティブマスダンパ、9…コンピュータ、10…セン
サ、11…ブレース、12…ダンパ、13…アクチュエ
ータ、14…アキュームレータ
Claims (8)
- 【請求項1】 主塔部と主桁部を有する橋梁について、
前記主塔部に受動型の制震装置であるダンパ兼振動エネ
ルギー変換装置を設置し、前記主桁部にエネルギー供給
を必要とする能動制御型の制震装置を設置し、主塔部の
振動を受けて前記ダンパ兼振動エネルギー変換装置によ
って変換されたエネルギーをエネルギー蓄積装置に蓄積
し、前記エネルギー蓄積装置に蓄積されたエネルギーを
前記能動制御型の制震装置に供給して主桁部の振動を抑
制するよう構成したことを特徴とする振動エネルギー変
換・供給型橋梁制振構造物。 - 【請求項2】 主塔部と主桁部を有する橋梁について、
前記主桁部に受動型の制震装置であるダンパ兼振動エネ
ルギー変換装置を設置し、前記主塔部にエネルギー供給
を必要とする能動制御型の制震装置を設置し、主桁部の
振動を受けて前記ダンパ兼振動エネルギー変換装置によ
って変換されたエネルギーをエネルギー蓄積装置に蓄積
し、前記エネルギー蓄積装置に蓄積されたエネルギーを
前記能動制御型の制震装置に供給して主塔部の振動を抑
制するよう構成したことを特徴とする振動エネルギー変
換・供給型橋梁制振構造物。 - 【請求項3】 前記ダンパ兼振動エネルギー変換装置
が、構造体に設置された付加質量と、前記付加質量を構
造体に対し相対移動可能に支持するバネ手段およびダン
パとからなるダイナミックダンパである請求項1または
2記載の振動エネルギー変換・供給型橋梁制振構造物。 - 【請求項4】 前記ダンパ兼振動エネルギー変換装置
が、構造体内に耐震要素を介して設置されたダンパであ
る請求項1または2記載の振動エネルギー変換・供給型
橋梁制振構造物。 - 【請求項5】 前記能動制御型の制震装置が、構造体に
設置された付加質量と、前記付加質量を構造体に対し相
対移動可能に支持するバネ手段と、前記構造体に反力を
とって前記付加質量に振動外力または建物の応答に応じ
た制御力を加える駆動装置とを備えた制震装置である請
求項1、2、3または4記載の振動エネルギー変換・供
給型橋梁制振構造物。 - 【請求項6】 前記能動制御型の制震装置が、構造体内
に耐震要素を介して設置され、構造体に振動外力または
建物の応答に応じた制御力を加える駆動装置を備えた制
震装置である請求項1、2、3または4記載の振動エネ
ルギー変換・供給型橋梁制振構造物。 - 【請求項7】 前記振動エネルギー変換装置が油圧ダン
パにより構成され、前記エネルギー蓄積装置がアキュム
レータにより構成され、前記能動制御型の制震装置が油
圧アクチュエータにより構成されている請求項1〜6の
いずれか1項に記載の振動エネルギー変換・供給型橋梁
制振構造物。 - 【請求項8】 前記振動エネルギー変換装置が電磁ダン
パにより構成され、前記エネルギー蓄積装置がバッテリ
により構成され、前記能動制御型の制震装置が電磁アク
チュエータにより構成されている請求項1〜6のいずれ
か1項に記載の振動エネルギー変換・供給型橋梁制振構
造物。
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