JP2004150202A - 制震システム - Google Patents

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治彦 栗野
Shunichi Yamada
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Abstract

【課題】追加の地震計等を構造物に設置することなく、建物の振動状態を監視することができる制震システムを提供すること。
【解決手段】構造物Bの振動を検知するセンサ5と、当該センサ5の検知結果に基づいて前記構造物Bの振動を低減する制震手段4とを備えた制震システムS1において、前記検知結果に基づき前記構造物Bの振動状態を監視する監視手段6を備えたことを特徴とする。これにより、追加の地震計等を構造物に設置することなく、建物の振動状態を監視することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の制震システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
地震時や風による構造物の振動を抑制するための制震システムとしては、外部から供給されるエネルギにより構造物の頂部に設けた可動錘を能動的に移動させることで制震を行うアクティブ型制震システム、及び、比較的僅かな電力を供給し、制震装置の抵抗力を構造物の振動に合わせて変更することで制震を行うセミアクティブ型制震システムが知られている。
【0003】
これらの制震システムは、いずれの場合も、構造物や制震装置に設置されたセンサが検知した構造物の振動情報を元にして、制震制御がなされている。
【0004】
従来のアクティブ型制震システムとして図6に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この制震システムでは、制震装置103が設置された構造物101の外乱や制震の結果に対する各応答量X1〜X4が構造物の各所に配置されたセンサ102で検出され、その検出値がA/D変換器104でデジタル化されてコントローラ105に供給される。このコントローラ105は、数値演算プロセッサや加算・乗算回路等から構成され、供給された検出値に基づいて駆動指令電圧を求め、この駆動指令電圧をD/A変換器106を介して駆動装置制御回路107に供給する。駆動装置制御回路107では、入力した駆動指令電圧に基づいて制震装置103を駆動して、制御対象である構造物101に制御力を入力する。これを繰り返すことで構造物101に発生する揺れを抑えるものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−338473号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の制震システムにおいては、センサ102が検知した構造物101の振動に関する情報は、制震装置103の制御にのみ用いられていた。そのため、構造物101の振動状態を監視する場合には、これらのセンサ102とは別に構造物101に地震計等を配置しなければならなかった。
【0008】
ここで、センサ102の検知する情報と地震計が検知する情報は本質的には同じものであるので、従来の制震システムを用いる限りにおいては、構造物101の振動状態を地震計とセンサ102とで2重に検知するという無駄が存在した。
【0009】
本発明は、このような無駄を排除するためになされたものであり、追加の地震計等を構造物に設置することなく、建物の振動状態を監視することができる制震システムを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る制震システムは、構造物の振動を検知するセンサと、当該センサの検知結果に基づいて構造物の振動を低減する制震手段とを備えた制震システムにおいて、検知結果に基づき構造物の振動状態を監視する監視手段を備えたことを特徴としている。
【0011】
本発明に係る制震システムでは、センサの検知結果を基にして制震手段が構造物の振動を低減するとともに、監視手段がセンサの検知結果に基づいて構造物の振動状態を算出して監視する。
【0012】
よって、制震システムを構成するセンサの他に、構造物に地震計等を追加する必要が無くなる。
【0013】
また、監視手段は、振動状態を記憶する記憶機能を有することが望ましい。このように構成することにより、監視手段は、構造物の振動状態を記憶することができるので、記憶した振動状態を適宜取り出して種々の処理を行うことが可能となり、データの有効利用が図れる。
【0014】
また、監視手段は、振動状態を外部に出力する通信機能を有することが望ましい。このように構成することにより、監視手段は、構造物の振動状態を例えば外部の監視センタ等に送信することができるので、構造物の振動状態を遠隔地において監視することが可能となる。また、複数の構造物にこの監視手段を設置することにより、複数の構造物の振動状態を監視センタ等で一括して監視することができる。
【0015】
また、制震手段は、構造物のブレースと当該ブレースに設置される制震用油圧ダンパとを含み、センサは、制震用油圧ダンパに内蔵された圧力計及び変位計であり、制震用油圧ダンパは、シリンダと、当該シリンダ内で往復動するピストンと、当該ピストンの両側に設けられた油圧室と、両油圧室をつなぐ流路に設けられた開閉制御弁とを備え、両油圧室の圧力を測定する圧力計と、シリンダとピストンとの相対変位を測定する変位計と、圧力計によって計測された圧力および変位計によって計測された変位によって開閉制御弁を制御する制御回路とで、外部からの制御指令を必要としない閉じた制御系を形成していることが望ましい。
【0016】
このように構成することにより、閉じた制御系を形成している制震用油圧ダンパから圧力計及び変位計の検知結果を監視手段に入力することができるので、検知結果より構造物の振動状態を求めることが可能となり、検知結果の有効利用が図れる。
【0017】
また、センサは、制震手段と別体であり、センサと制震手段の間には、検知結果を入力し、制震手段を制御するための制御信号を生成する制御手段が設けられており、制御手段が監視手段を兼ねていることが望ましい。このように構成することにより、制震装置とは別に設けられ、構造物の各所に配置されたセンサの検知結果は、制御手段に入力され、この検知結果より生成された制御信号に基づき制震手段が制御される。同時に、制御手段に入力された検知結果を基にして監視手段により構造物の振動状態が算出され監視される。
【0018】
また、センサが、構造物に配置された速度計又は加速度計であることが望ましい。このように構成することにより、構造物の変位の速度又は構造物の変位の加速度を正確に検知することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について適宜図面を参照して説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1に第1実施形態の制震システムを構造物に組み込んだ場合の概略構成を示す。
【0021】
第1実施形態の制震システムS1は、セミアクティブ型制震システムであり、柱1、梁2及びブレース3等からなる構造物Bに設けられる。
【0022】
この制震システムS1は、ブレース3と、制震用油圧ダンパ4と、センサ5と、制御コントローラ7と、コンピュータ6とを備えている。
【0023】
ブレース3は、柱1,1に剛接合された略V字型の部材である。制震用油圧ダンパ4は、一端部がブレース3に接続され、他端部は構造物Bの一部に接続されている。そして制震用油圧ダンパ4は、構造物Bが振動した際に、予め定められた制御則に従い制御され、構造物Bの振動を低減する機能を有する。
【0024】
センサ5は、制震用油圧ダンパ4に内蔵された圧力計5a及び変位計5bを含む。センサ5の検知結果は、制御コントローラ7に入力され、制御コントローラ7が制震用油圧ダンパ4を制御則に従い制御する。
【0025】
また、制御コントローラ7は、監視手段として機能するコンピュータ6に接続されており、センサ5の検知結果をコンピュータ6に出力する。
【0026】
コンピュータ6は、センサ5の検知結果に基づき、構造物Bの振動状態を監視する。
【0027】
続いて、制震用油圧ダンパ4の作用について詳細に説明する。
【0028】
ここで、制震用油圧ダンパ4は、図2に示すように、シリンダ4aと、このシリンダ4a内で往復動するピストン4bと、ピストン4bの両側に設けられた油圧室4c,4cと、両油圧室4c,4cをつなぐ流路4dに設けられた開閉制御弁4eとを備えている。
【0029】
また、油圧室4c,4cには、各油圧室4cの油圧を計測する圧力計5a,5aが設けられている。圧力計5a,5aの計測結果は、制御コントローラ7に送信され、制御コントローラ7中において、両油圧室4c,4cの圧力差Δpとピストン4bの面積Aとを乗じることで制震用油圧ダンパ4が発生する装置発生力Fが算出される。
【0030】
また、シリンダ4aとピストン4bとの間には、変位計5bが設けられている。変位計5bの検知結果は、制御コントローラ7に送信され、制御コントローラ7中において、シリンダ4aとピストン4bとの相対変位Δdが算出される。
【0031】
制御コントローラ7は、装置発生力F(=Δp・A)、相対変位Δd、装置が取り付くブレース3の剛性Kdとから、層間変位x(=F/Kd+Δd)及び層間速度dx/dt(層間変位xを時間微分する)を算出し、これらの値(F及びdx/dt)を基にして、予め決められた制御則に従って、開閉制御弁4eの開度を調整する。
【0032】
例えば、この制御則の一例として、制震用油圧ダンパ4の減衰係数Cを最大値Cmax(開閉制御弁4eが閉状態)と最小値Cmin(開閉制御弁4eが開状態)の2段階に切り替え可能に構成するものが考えられる。
【0033】
つまり、層間速度dx/dt及び装置発生力Fとを基に、予め設定した最低作動荷重Fに対し、|F|>Fの範囲では、開閉制御弁4eを閉じて制震用油圧ダンパ4の減衰係数CをCmaxに維持する。
【0034】
そして、C=Cmaxの状態で、|F|>F、かつ、F・(dx/dt)<0、即ち装置発生力Fと層間速度dx/dtの符号が逆向きになったときに、開閉制御弁4eを開き、制震用油圧ダンパ4の減衰係数CをCminに変化させる。
【0035】
さらに、制震用油圧ダンパ4の装置発生力Fが|F|≦Fとなった時点で、開閉制御弁4eを閉じ、制震用油圧ダンパ4の減衰係数CをCmaxとし、以下同様の制御を繰り返し実行する。
【0036】
図3は、制震用油圧ダンパ4を組み込んだ構造物Bを上記の制御則に則り制震制御した場合の装置発生力Fと層間変位xとの関係を表すグラフを示す。
【0037】
通常は、開閉制御弁4eは閉じられているので、減衰係数はCmaxとなり、ブレース3はバネとして挙動し、構造物Bの揺れに伴う層間変位xに比例した荷重(装置発生力F)が制震用油圧ダンパ4に発生する(i→ii)。
【0038】
層間変位xの最大点、即ち|F|>F、かつ、F・(dx/dt)<0の条件が満たされた時に、開閉制御弁4eを開くと、減衰係数はCminとなり、ブレース3内に蓄えられていた歪エネルギが一瞬に開放されて、制震用油圧ダンパ4に掛かっていた荷重(装置発生力F)が除かれる(ii→iii)。この際、開放された歪エネルギは、流路4dを通過する際に熱エネルギへと変換される。
【0039】
続いて、歪エネルギが完全に開放された時点、即ち、装置発生力Fが|F|≦Fとなった時点で、再び開閉制御弁4eを閉じて減衰係数をCmaxとすると、ブレース3はバネとして挙動し、再び歪エネルギを蓄積する(iii→iv)。
【0040】
そして、層間変位xの最大点で、開閉制御弁4eを開くと、減衰係数はCminとなり、ブレース3に蓄えられていた歪エネルギが一瞬に開放されて、制震用油圧ダンパ4に掛かっていた荷重(装置発生力F)が除かれる(iv→i)。
【0041】
本制御則により制震用油圧ダンパ4を制御することにより、履歴曲線(i〜iv)で囲まれた面積(エネルギ吸収能力)を従来の受動型オイルダンパ等に比べて大きくすることができる。
【0042】
このように、センサ5により検知された両油圧室4c,4cの圧力差Δpと、シリンダ4aとピストン4bとの相対変位Δdとを基にして制御コントローラ7においては、層間変位x及び層間速度dx/dtとが算出され、コンピュータ6に出力される。
【0043】
コンピュータ6においては、必要であれば層間速度dx/dtから層間加速度dx/dt等の演算がなされる。このようにして得られた構造物Bの振動状態(層間変位x、層間速度dx/dt、層間加速度dx/dt等)は、時系列データや数値として表示されたり、ハードディスク等の記憶装置に記憶されたり、ネットワークや電話回線等を通じて外部の監視センタ等に出力されたりする。
【0044】
本実施形態の制震システムS1においては、センサ5の検知結果に基づいて制御コントローラ7が制震用油圧ダンパ4を制御して構造物Bの振動を低減する。同時に、制御コントローラ7は、センサ5の検知結果をコンピュータ6に送信し、コンピュータ6は検知結果に基づいて構造物Bの振動状態を監視する。
【0045】
例えば、コンピュータ6は、この振動状態を記憶装置に記憶することにより、記憶した振動状態を適宜取り出して種々の処理を行うことが可能となり、記憶した振動状態の有効利用が図れる。
【0046】
また、コンピュータ6は、構造物Bの振動状態を外部に通信回線等を介して出力することができるので、例えば、構造物Bから遠く離れた監視センタ等で、構造物Bの振動状態を遠隔監視することが可能となる。また、制震システムS1を複数の構造物Bに設ければ、複数の構造物Bの振動状態を監視センタ等で一括して監視することが可能となる。
【0047】
このように、本実施形態の制震システムS1においては、制震システムS1を構成するセンサ5の他に構造物Bに地震計等を追加する必要が無くなる。
【0048】
(第2実施形態)
図4に第2実施形態の制震システムを構造物に組み込んだ場合の概略構成を示す。尚、図4において図1と同様の部材については同符号を付しその説明を省略する。
【0049】
第2実施形態の制震システムS2は、アクティブ型制震システムであり、柱1及び梁2等からなる構造物Bの頂部に設けられた可動錘8と、この可動錘8を駆動するアクチュエータ(不図示)と、構造物Bの各所に配置され構造物Bの振動を検知するセンサ9と、センサ9の検知結果が入力されるコンピュータ6とを備える。本実施形態においては、センサ9と可動錘8とは別体に設けられている。
【0050】
ここで、センサ9は、速度計又は加速度計である。速度計は、構造物Bの変位の速度を測定し、加速度計は、構造物Bの変位の加速度を測定するものである。
【0051】
また、コンピュータ6は、センサ9の検知結果から、構造物Bの振動状態(層間変位x、層間速度dx/dt、層間加速度dx/dt等)を求める監視手段であるとともに、アクチュエータによる可動錘8の駆動を制御するための制御手段を兼ねている。
【0052】
本実施形態においては、構造物Bが振動すると、その振動は構造物Bの各所に設けられたセンサ9で検知される。その検知結果は、コンピュータ6に入力される。そして、コンピュータ6内で可動錘8の駆動を制御する制御信号が生成され、この制御信号に基づいてアクチュエータを稼動して可動錘8を駆動することにより構造物Bの振動を低減する。さらに、コンピュータ6においては、センサ9の検知結果より構造物Bの振動状態が演算され、ハードディスク等の記憶装置や、モデム等を介してネットワーク経由で外部の監視センタ等に出力される。
【0053】
このように、本実施形態の制震システムS2においては、コンピュータ6は、センサ9の検知結果を基にして可動錘8の駆動を制御して構造物Bの振動を低減するとともに、構造物Bの振動状態を監視する。コンピュータ6により求められた構造物Bの振動状態は、記憶装置に監視されたり通信回線等を介して外部に送信されたりする。
【0054】
よって、本実施形態の制震システムS2においては、制震システムS2を構成するセンサ9の他に、構造物Bに地震計等を追加する必要が無くなる。
【0055】
(第3実施形態)
図5に第3実施形態の制震システムを構造物に組み込んだ場合の概略構成を示す。尚、図5において図1、図4と同様の部材については同符号を付しその説明を省略する。
【0056】
第3実施形態の制震システムS3は、セミアクティブ型制震システムであり、柱1、梁2及びブレース3等からなる構造物Bに設けられる。
【0057】
この制震システムS3は、ブレース3と、油圧ダンパ10と、センサ9と、コンピュータ6とを備えている。
【0058】
ブレース3は、柱1,1に剛接合された略V字型の部材である。油圧ダンパ10は、一端部がブレース3に接続され、他端部は構造物Bの一部に接続されている。そして油圧ダンパ10は、構造物Bが振動した際に、予め定められた制御則に従い制御され、構造物Bの振動を低減する機能を有する。本実施形態においては、センサ9と制震手段である油圧ダンパ10とは別体に設けられている。
【0059】
ここで、センサ9は、速度計又は加速度計である。速度計は、構造物Bの変位の速度を測定し、加速度計は、構造物Bの変位の加速度を測定するものである。また、コンピュータ6は、センサ9の検知結果から、構造物Bの振動状態(層間変位x、層間速度dx/dt、層間加速度dx/dt等)を求め外部に出力する監視手段であるとともに、油圧ダンパ10を制御するための制御手段を兼ねている。
【0060】
本実施形態においては、構造物Bが振動すると、その振動は構造物Bの各所に設けられたセンサ9で検知され、その検知結果は、コンピュータ6に入力され、コンピュータ6内で油圧ダンパ10を制御する制御信号が生成され、この制御信号に基づいて油圧ダンパ10を駆動することにより構造物Bの振動を低減する。さらに、コンピュータ6においては、センサ9の検知結果より構造物Bの振動状態が演算され、ハードディスク等の記憶装置や、モデム等を介してネットワーク経由で外部の監視センタ等に出力される。
【0061】
このように、本実施形態の制震システムS3においては、コンピュータ6は、センサ9の検知結果を基にして油圧ダンパ10の駆動を制御して構造物Bの振動を低減するとともに、に構造物Bの振動状態を監視する。コンピュータ6により求められた構造物Bの振動状態は、記憶装置に監視されたり、通信回線等を介して外部に送信されたりする。
【0062】
よって、本実施形態の制震システムS3においては、制震システムS3を構成するセンサ9の他に、構造物Bに地震計等を追加する必要が無くなる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、追加の地震計等を構造物に設置することなく、建物の振動状態を監視することができる制震システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制震システムを構造物に組み込んだ場合の概略構成図である。
【図2】制震用油圧ダンパ4の断面構造を示す模式図である。
【図3】装置発生力Fと層間変位xとの関係を表すグラフである。
【図4】第2実施形態の制震システムを構造物に組み込んだ場合の概略構成図である。
【図5】第3実施形態の制震システムを構造物に組み込んだ場合の概略構成図である。
【図6】従来の制震システムの模式図である。
【符号の説明】
1・・・柱
2・・・梁
3・・・ブレース
4・・・制震用油圧ダンパ
4a・・・シリンダ
4b・・・ピストン
4c・・・油圧室
4d・・・流路
4e・・・開閉制御弁
5・・・センサ
5a・・・圧力計
5b・・・変位計
6・・・コンピュータ
7・・・制御コントローラ
8・・・可動錘
9・・・センサ
10・・・油圧ダンパ

Claims (6)

  1. 構造物の振動を検知するセンサと、当該センサの検知結果に基づいて前記構造物の振動を低減する制震手段とを備えた制震システムにおいて、
    前記検知結果に基づき前記構造物の振動状態を監視する監視手段を備えたことを特徴とする制震システム。
  2. 前記監視手段は、前記振動状態を記憶する記憶機能を有することを特徴とする請求項1に記載の制震システム。
  3. 前記監視手段は、前記振動状態を外部に出力する通信機能を有することを特徴とする請求項1に記載の制震システム。
  4. 前記制震手段は、前記構造物のブレースと当該ブレースに設置される制震用油圧ダンパとを含み、
    前記センサは、前記制震用油圧ダンパに内蔵された圧力計及び変位計であり、
    前記制震用油圧ダンパは、シリンダと、当該シリンダ内で往復動するピストンと、当該ピストンの両側に設けられた油圧室と、前記両油圧室をつなぐ流路に設けられた開閉制御弁とを備え、
    前記両油圧室の圧力を測定する前記圧力計と、前記シリンダとピストンとの相対変位を測定する前記変位計と、前記圧力計によって計測された圧力および前記変位計によって計測された変位によって前記開閉制御弁を制御する制御回路とで、外部からの制御指令を必要としない閉じた制御系を形成していることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の制震システム。
  5. 前記センサは、前記制震手段と別体であり、
    前記センサと前記制震手段の間には、前記検知結果を入力し、前記制震手段を制御するための制御信号を生成する制御手段が設けられており、
    前記制御手段が前記監視手段を兼ねていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の制震システム。
  6. 前記センサが、前記構造物に配置された速度計又は加速度計であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の制震システム。
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