JPH11350282A - ゴムホース補強用ポリエステルコードおよびその製造方法 - Google Patents
ゴムホース補強用ポリエステルコードおよびその製造方法Info
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- JPH11350282A JPH11350282A JP15887998A JP15887998A JPH11350282A JP H11350282 A JPH11350282 A JP H11350282A JP 15887998 A JP15887998 A JP 15887998A JP 15887998 A JP15887998 A JP 15887998A JP H11350282 A JPH11350282 A JP H11350282A
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Abstract
耐久性にすぐれ、クーラーホースやブレーキホースなど
の補強用として有用なゴムホース補強用ポリエステルコ
ードを提供する。 【解決手段】撚糸されたコードの強度が6g/d以上、
1.7g/d荷重時伸度が3%以下、150℃乾熱収縮
率が1.5%以下、かつ1.7g/d荷重時伸度と15
0℃乾熱収縮率の和が3.8%以下であることを特徴と
するゴムホース補強用ポリエステルコードおよびその製
造方法。
Description
材として有用なゴムホース補強用ポリエステルコードお
よびその製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、高モジュラスでかつ低収縮性を有すると共に、耐久
性にすぐれ、クーラーホースやブレーキホースなどの補
強用として有用なゴムホース補強用ポリエステルコード
およびその製造方法に関するものである。
るポリエステルからなる繊維は、高強力、高接着性およ
び耐久性にすぐれているため、各種産業用途に適用され
ており、とくにたとえば、タイヤコード、動力伝達ベル
ト、搬送用ベルトおよびゴムホースなどのゴム補強用コ
ードとして広く用いられている。
エステル繊維に対する要求特性としては、強力が大きい
こと、ハイモジュラスであること、ゴムとの接着性が良
好なこと、および疲労性が良好なことなどが挙げられ
る。
しては、破裂圧、膨張量、耐久性、およびホース品位な
どが挙げられる。そして、これらの特性は、ホースの構
造によって変わるが、補強材として使用される繊維の物
性によっても大きく左右されることになる。
は、高強度の繊維を使用する必要があり、またホースの
膨張量を小さくするためには、繊維のモジュラスを大き
くする必要がある。
ース製造時に繊維が収縮してしまうため、得られるホー
スの品位を低下させる原因となる。
には、処理コードの製造時にモジュラスを高くするため
に、高倍率で延伸、熱処理を行なうと、高モジュラスに
はなるものの、逆に収縮率が大きくなってしまい、ゴム
ホース補強用繊維としての特性を十分満足できないとい
う問題があった。
度の低いポリエステル繊維をゴムホースの補強用として
適用しようという試みがなされているが、この場合には
確かに、高モジュラスにもかかわらず、収縮率が低下す
るものの、その収縮率は必ずしも十分ではないばかり
か、繊維の重合度が低いために、十分な疲労性を有する
ものではなかった。
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
スでかつ低収縮性を有すると共に、耐久性にすぐれ、ク
ーラーホースやブレーキホースなどの補強用として有用
なゴムホース補強用ポリエステルコードを提供すること
にある。
めに、本発明のゴムホース補強用ポリエステルコード
は、主として次の構成を有する。すなわち、撚糸された
コードの強度が6g/d以上、1.7g/d荷重時伸度
が3%以下、150℃乾熱収縮率が1.5%以下、かつ
1.7g/d荷重時伸度と150℃乾熱収縮率の和が
3.8%以下であることを特徴とするゴムホース補強用
ポリエステルコードである。
テルコードの製造方法は、主として次の構成を有する。
すなわち、ポリエステル繊維延伸糸の固有粘度(IV)
が0.9〜1.05、単繊維繊度が1〜4.5d、糸条
強度が6.5g/d以上、150℃乾熱収縮率と4.5
g/d荷重時伸度の和が9.7%以下であり、該延伸糸
の複屈折率と該延伸糸を延伸する前の未延伸糸の複屈折
率の差が100×10-3〜120×10-3であるポリエ
ステル繊維延伸糸に撚りを掛けてコードとなし、次にポ
リエポキシド化合物を含有する第1処理液またはポリエ
ポキシド化合物とブロックドポリイソシアネート化合物
および/もしくはエチレン尿素化合物ならびにゴムラテ
ックスとを含有する第1処理液により処理した後、レゾ
ルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、ビニルピリジン
−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリブタ
ジエンラテックスおよびクロロフェノール化合物を含有
する第2処理液により処理することを特徴とするゴムホ
ース補強用ポリエステルコードの製造方法である。
テルコードにおいては、(1)ゴムホース補強用ポリエス
テルコードが接着剤で処理されていること、(2)エチレ
ン−プロピレン−ジエン系三元共重合ゴムの補強用に用
いられることが好ましい条件であり、これらの条件を適
用することにより、一層すぐれた効果の取得を期待する
ことができる。
テルコードの製造方法においては、(1)ゴムホース補強
用ポリエステルコードを形成するポリエステル繊維延伸
糸の固有粘度(IV)が0.90〜1.05、単繊維繊
度が1〜4.5d、該延伸糸の糸条強度が6.5g/d
以上、150℃乾熱収縮率と4.5g/d荷重時伸度の
和が9.7%以下であり、該延伸糸の複屈折率と該延伸
糸を延伸する前の未延伸糸の複屈折率の差が100×1
0-3〜120×10-3であること、(2)ゴムホース補強
用ポリエステルコードを形成するポリエステル繊維のカ
ルボキシル末端基量が10当量/106 g以下であるこ
とが好ましい条件であり、これらの条件を適用すること
により、一層すぐれた効果の取得を期待することができ
る。
ポリエステルコードおよびその製造方法について詳述す
る。
ードは、接着剤で接着処理したものであって、そのコー
ド強度、コードの1.7g/d荷重時伸度、コードの1
50℃乾熱収縮率およびコードの1.7g/d荷重時伸
度と150℃乾熱収縮率の和を、夫々上記の範囲とする
ことが重要な条件であり、これらを一つでも欠く場合に
は、本発明の目的を達成することができない。
エステルコードは、複数糸条が撚糸されているものであ
り、単数糸条では強度が不足する問題がある。
テルコードはその強度が6g/d以上であることが必要
であり、これを下回ると、得られるゴムホースの耐圧性
が低くなり、ゴムホースの耐圧性を満足するために編組
するコードの量を増加しなければならなくなる。
テルコードは、その1.7g/d荷重時伸度が3%以下
であることが必要であり、1.7g/d荷重時伸度が3
%を越えると、このコードを用いて補強して得られるゴ
ムホースの膨張量が大きくなり過ぎる。
テルコードは、そのコードの150℃乾熱収縮率が1.
5%以下であることが必要であり、150℃乾熱収縮率
が1.5%を越えると、加硫時の熱によりコードが収縮
してしまい、このコードを用いて補強して得られるゴム
ホース品位を損なう恐れがある。
ステルコードは、その1.7g/d荷重時伸度と150
℃乾熱収縮率の和が3.8%以下であることが必要であ
り、この差が3.8%を越えると、このコードを用いて
補強して得られるゴムコードの耐久性が悪くなる。
ードを形成するポリエステル繊維は、テレフタル酸を主
たる二官能カルボン酸とし、エチレングリコールを主た
るグリコール成分とするポリエステルを溶融紡糸延伸し
てなる繊維であることが望ましいが、テレフタル酸の一
部あるいは全部を2,6−ナフタレンジカルボン酸、
4,4−ジカルボキシフェノキシエタンおよびイソシア
ネート基などに置き換えたもの、またエチレングリコー
ルの一部あるいは全部をジエチレングリコール、プロピ
レングリコールおよびブタンジオールなどに置き換えた
ポリエステルまたは共重合ポリエステルからなる繊維で
あっても使用することができる。
ば、トリメシン酸、トリメリット酸、ほう酸、りん酸、
グリセリンおよびトリメチロールプロパンなどの三官能
化合物を共重合したものであってもよい。
剤、例えばカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イ
ソシアネート化合物およびオキサゾリン化合物などの末
端カルボキシル封鎖剤により改質されていてもよい。
伸を二段階に分けて行なう方法であっても、またこの両
工程を一段階で行なう方法であってもよい。
ードは、上記ポリエステル繊維糸条に下撚りをかけ、次
いで2本以上の繊維糸条を引き揃えて好ましくは下撚り
と反対方向に撚りをかけ両撚りとした後、熱処理するこ
とにより得られるものである。
ステルコードの原料であるポリエステル繊維は、延伸糸
の複屈折率と該延伸糸を延伸する前の未延伸糸の複屈折
率の差、固有粘度(IV)、単繊維繊度、強度、150
℃乾熱収縮率と4.5g/d荷重時伸度の和が、および
さらにはカルボキシル末端基量が、上記の範囲を満たす
ものであることが好ましい。
複屈折率と延伸糸の複屈折率の差は、100×10-3〜
120×10-3の範囲であることが好ましく、100×
10-3以上とすることで強力低下を防ぎ、また120×
10-3以下とすることで寸法安定性が良好で、得られる
ゴムホースの疲労性が優れたものとなる。
9〜1.05の範囲であることが好ましく、0.9未満
以上とすることでゴムホース補強用として使用する場合
の耐久性が十分となり、1.05以下とすることで溶融
粘度が適切で紡糸が円滑となり、加工性が良好でタフネ
スの高い繊維が得られる。
5dの範囲であることが、得られるゴムホースの疲労性
および柔軟性の点で好ましく、1d以上とすることでコ
ード/コード間の摩耗によりコードが劣化して疲労性が
低下するのを防ぎ、また4.5g/d以下とすることで
得られるゴムホースの柔軟性を確保できる。
5g/d以上であることが好ましく、この範囲とするこ
とで、接着剤で処理した後のコード強力を十分にでき、
得られるゴムホースの耐圧性が高くなり、ゴムホースの
耐圧性を満足するために編組するコードの量を増加させ
る必要はない。
該ポリエステル繊維の4.5g/d荷重時伸度(以下、
中間伸度)の和(以下、寸法安定性)は9.7%以下が
好ましく、9.7%以下とすることで、ゴムホース補強
用ポリエステルコードの1.7g/d荷重時伸度と15
0℃における乾熱収縮率の和を上記した範囲にすること
ができ、ホースの疲労性を高くすることができる。
(−COOH)末端基は10当量/106 g以下である
ことが好ましく、10当量/106 g以下とすること
で、ゴムホースの製造工程で加硫時の水分やゴム中の添
加剤によるコードの強力低下やホースの長時間使用によ
るコードの強力低下を起こしにくい。
量/106 gにする具体的な方法としては、重合工程に
おいてカルボキシル末端基と反応し、これを封鎖する化
合物を添加する方法(封鎖重合法)があり、このカルボ
キシル末端基封鎖剤としては、例えばモノエポキシ化合
物、ジエポキシ化合物、カーボネート化合物、モノカル
ボジイミド化合物およびジカルボジイミド化合物などが
挙げられる。
以下に例示する方法により製造することができる。
ダ型押し出し機に供給して溶融チップとなし、続いて紡
糸口金から紡糸する。
ムニー冷風により冷却固化される。ここで、口金下加熱
域の温度は320〜350℃であり、徐冷域の長さは6
5〜75cmであることが好適である。また、口金下無
加熱域の長さは5〜15cmであることが好適である。
引き取り速度2700〜3300m/分で引き取る。口
金下の雰囲気と紡糸速度を上記の範囲にすることによっ
て、次いで延伸して得られる延伸糸の微細構造上の特徴
がより発揮され、撚糸時の強力利用率が向上する。よっ
て、原糸の強力は低下するが、利用形態としてのコード
の強力低下はわずかである。むしろ屈曲疲労性や耐化学
劣化性が向上しているために、初期の強力が低い値を示
したとしても、使用されているゴムホースの使用時間の
経過にしたがって残存強力は優位になり、ゴムホースの
寿命が長くなるという好ましい性能を示すようになる。
件、紡糸速度を採用することにより、紡出糸条の品質を
安定させるとともに、ポリエステル繊維の強伸度積、寸
法安定性を満足し、ホース用として最適なポリエステル
繊維を得ることができる。
は、通常一旦巻きとられることなく延伸される。
移送し、1段延伸では80〜100℃の温度で最終延伸
倍率の60〜80%程度まで延伸し、次いで残りの最終
延伸倍率の20〜40%程度は245〜265℃の温度
で2段延伸される。なお、毛羽を減少させ、撚糸工程な
どの工程通過性を良好にする観点から2段延伸の延伸温
度を200℃以上とするのが好ましい。
ラに捲回し、次いで5000〜6500m/分の速度で
巻取機に巻取ることにより、本発明のゴムホース補強用
ポリエステルコードに適したポリエステル繊維を得るこ
とができる。
は、高配向のPOY糸を低倍率延伸したものであり、ゴ
ムホース補強用として特に必要な強度と寸法安定性のバ
ランスのとれた性能を有するものである。
は、上記の方法で製造されたポリエステル繊維を合撚し
た生コードに、コンピュートリータなどのディッピング
装置を用いて下記する接着剤を付与し、さらに熱処理す
ることによって得られる。
に4〜15回/10cmの片撚りをかけたものが好まし
く用いられる。
テルコードの被着ゴムとの接着性を向上させるために、
接着剤を付与することが好ましい。
ン−ジエン系三元共重合ゴム(EPDM)の場合には、
次の第1処理液および第2処理液とからなる2浴接着処
理液を用いることが好ましい。
物を含有する処理液、または、ポリエポキシド化合物と
ブロックドポリイソシアネート化合物および/もしくは
エチレン尿素化合物ならびにゴムラテックスとを主成分
として含有する処理液が好ましく用いられる。
キシド化合物とは、1分子中に2個以上のエポキシ基を
含有する化合物であり、具体例としては、グリセロー
ル、ペンタエリスリトール、ソルビトール、エチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ールなどの多価アルコール類と、エピクロルヒドリンの
ようなハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、レゾ
ルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタ
ン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂およびレゾルシ
ン・ホルムアルデヒド樹脂などの多価フェノール類と、
前記ハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、ビス−
(3,4−エポキシ−6−メチル−ジシクロヘキシルメ
チル)アジペートおよび3,4−エポキシシクロヘキセ
ンエポキシドなどの不飽和結合部分を酸化して得られる
ポリエポキシド化合物、ビスフェノールA型エポキシ化
合物およびビスフェノールA型ウレタン変性エポキシ化
合物などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。なかでも好ま
しいポリエポキシド化合物は、多価アルコールとエピク
ロルヒドリンの反応生成物(多価アルコールのポリグリ
シジルエーテル化合物)である。
合物単独を有効成分として含むものであってもよいが、
このポリエポキシド化合物と共に、ブロックドポリイソ
シアネート化合物および/もしくはエチレン尿素化合物
ならびにゴムラテックスとを主成分として含むものであ
ることがより好ましい。
リイソシアネート化合物とは、熱によりブロック剤が遊
離して活性なイソシアネート化合物を生じる化合物であ
り、具体的にはトリレンジイソシアネート、メタフェニ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびトリフェ
ニールメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネ
ート化合物と、フェノール、クレゾール、レゾルシンな
どのフェノール類、ε−カプロラクタム、バレロラクタ
ムなどのラクタム類、アセトキシム、メチルエチルケト
ンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム類
およびエチレンイミンなどから選ばれたブロック剤との
反応生成物などが挙げられる。
物のなかでは、特にε−カプロラクタムでブロックされ
た芳香族ポリイソシアネート化合物およびジフェニルメ
タンジイソシアネートの芳香族化合物の使用が良好な結
果を与える。
きるエチレン尿素化合物とは、加熱によりエチレンイミ
ン環が開環して反応し、接着性を向上させる機能を有
し、その代表例としては、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネートおよびトリフェニルメタンジイソシアネ
ートなどの芳香族、脂肪族イソシアネートと、エチレン
イミンとの反応生成物などが挙げられる。
くにジフェニルメタンジエチレン尿素の芳香族エチレン
尿素化合物の使用が良好な結果を与える。
ができるゴムラテックスとしては、ビニルピリジン−ス
チレン−ブタジエン共重合体ラテックスおよび/または
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスが好ましく用
いられる。
を含むタイプの場合、上記ブロックドポリイソシアネー
ト化合物およびエチレン尿素化合物のいずれか一方また
は両方を含むことができる。
タイプの場合、ポリエポキシド化合物/ブロックドポリ
イソシアネート化合物およびエチレン尿素化合物/ゴム
ラテックスの配合比は、10〜25重量%/20〜35
重量%/0〜70重量%、とくに10〜20重量%/2
0〜30重量%/0〜70重量%の割合が好ましい。
スを含むタイプの場合、配合が、上記の範囲であると、
処理したポリエステルコードの初期接着力が優れたもの
となる。
分の総固形分濃度を2〜10重量%、さらには4〜7重
量%の溶液(分散液を含む)として使用するのが好適で
ある。
の製糸工程において付与してもよく、また上記ポリエス
テル繊維に4〜15回/10cmの片撚りをかけた生コ
ードとしてから付与してもよい。
ドに付与される第2処理液としては、レゾルシン・ホル
ムアルデヒド初期縮合物、ビニルピリジン−スチレン−
ブタジエン共重合体ラテックス、ポリブタジエンラテッ
クスおよびクロロフェノール化合物を含有する処理液が
好ましく用いられる。
レン−ブタジエン共重合体ラテックスとポリブタジエン
ラテックスとの混合比は重量比で1/3〜3/1の範囲
であることが好ましい。1/3以上とすることでEPD
Mとの良好な接着性が得られ、でき上がった補強用コー
ドに粘着性が生じることもなく、ホース編み上げ時の工
程通過性が良好となる。また、3/1以下とすることで
ゴムとの接着性を良好なものにできる。
ルデヒド初期縮合物(RF)と、上記ビニルピリジン−
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスとの混合割合
は、固形分換算重量比で1/10〜1/2、さらには1
/8〜1/3の範囲にあることが好ましい。この固形分
換算重量比を1/10以上とすることで、ゴムとの接着
性を良好なものとし、コードおよび編織物の粘着性が増
加しすぎることがなく、また1/2以下とすることで、
処理されたコードおよび編織物が硬くなりすぎず柔軟に
保つことができる。
化合物としては、“カサボンドE”(登録商標、トーマ
ス・スワン社製)、“デナボンド”、“デナボンドA”
および“デナボンドK”(以上ともに登録商標、長瀬化
成(株)製)などの2−6ビス(2,4−ジヒドロキシ
フェニルメチル)−4−クロロフェノールが挙げられ
る。
化合物とレゾルシン・ホルムアルデヒドとの初期縮合物
(RF)を混合すると、EPDMとポリエステルコード
との接着性を著しく向上させることができるので好まし
い。
化合物(C)とRFLとの固形分換算重量比(C/RF
L)が1/10〜1/2であることが好ましい。かかる
重量比を1/10以上とすることで、満足すべき接着性
が得られ、また1/2以下とすることで、コードおよび
編織物の柔軟性を維持できる。
0重量%で使用される。
テルコードの製造手順の一例について説明する。
ドに浸漬し、通常、70〜150℃の温度で乾燥した
後、200〜260℃の温度で熱処理を施す。引続き前
記第2処理液を付与し、上記第1処理液の場合と同様
に、70〜150℃で乾燥した後、200〜260℃で
熱処理を施す。
ることで、処理剤が十分に固化するのでローラーに付着
することがなく、編組物への付着量が減少したり付着ム
ラが生じることはなく、ゴムとの接着性が良好となる。
また、熱処理温度を260℃以下とすることで、処理剤
が劣化するのを防ぎ、ゴムとの接着性を良好とできる。
一方、熱処理温度を200℃以上とすることで、ゴムと
の接着性を良好にできる。
付着量は、固形分換算で0.5〜2.0重量%の範囲が
好ましい。また、ポリエステルコードに対する第2処理
液の付着量は、固形分換算で1.0〜2.0重量%、さ
らには1.2〜1.7重量%の範囲が好ましい。
ードを用いて補強されるゴムとしては、天然ゴム(N
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレ
ンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブ
チルゴム(X−IIR)、クロロプレンゴム(CR)、
エチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合ゴム(EP
DM)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム
(HNBR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(C
SM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム(CH
C)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)あるいはこれ
ら各種のゴムの混合物などが挙げられる。これらのなか
でも、自動車用ゴムホースには、主としてエチレン−プ
ロピレン−ジエン系三元共重合ゴム(EPDM)が好ま
しく使用される。
エステルコードは、高モジュラスでかつ低収縮性を有す
ると共に、耐久性にすぐれており、このコードで補強さ
れたブレーキホースやクーラーホースホースなどは、膨
張量、耐久性およびホース品位などの向上を図ることが
できる。
する。実施例における各測定値は次の方法にしたがって
測定したものである。
を用いて、オルソクロロフェノール100mlに対し、
試料3gを溶解した溶液の相対粘度ηrpを25℃で測定
し、次の近似式によりIVを算出した。 IV=0.0242ηrp+0.2634 ただし、ηrp=(t×d)/(t0 ×d0 ) t :溶液の落下時間(秒) t0 :オルソクロロフェノールの落下時間(秒) d :溶液の密度(g/cc) d0 :オルソクロロフェノールの密度(g/cc)。
を使用してJIS L 1017(1995)の規定に
より測定した。
17(1995)の規定により測定した。すなわち、試
料をかせ条に取り20℃、65RHの温調室に24時間
以上放置した後、試料の0.1g/dに相当する荷重を
かけて測定した長さl0 の試料を、無張力状態で150
℃のオーブン中に30分放置した後、オーブンから取り
出し上記温調室で4時間放置し、再び上記荷重をかけて
測定した長さl1 から次式により算出した。 △Sd ={(l0 −l1 )/l0 }×100(%)。
顕微鏡を使いD線を光源として、通常のベレックコンペ
ンセーター法により求めた。なお、未延伸糸の複屈折率
を△nPOY 、延伸糸の複屈折率を△nDYとした。
ラメント0.1g/dを秤り、試験管内にてベンジルア
ルコール5mlを加え、215℃で3分間加熱して溶解
させた。この後20〜30℃の数秒で急冷し、クロロフ
ォルム10ml中に加えた。次に、加熱したベンジルア
ルコール5mlで上記試験管を洗浄し、これを急冷した
後、上記クロロフォルムを加えた。このクロロフォルム
溶液をフェノールレッドの0.1%アルコール溶液を指
示薬として0.1N苛性ソーダベンジルアルコール溶液
で滴定し、−COOH末端基を測定した。
ン”を使用してJIS L 1017(1995)の規
定により測定した。
995)のディップピックアップ−質量法の規定により
求めた。
らなる配合ゴムと処理コードを用いて、幅25mmの試
験片を作製し、JIS K 6328(1995)に記
載の剥離試験方法によって処理コード/ゴム剥離力を測
定した。すなわち、直径10cm、長さ6cmのアルミ
ニウム製のパイプに未加硫ゴムを貼付けた後、ラッピン
グクロス(東レ製35mm)を巻き付け、オートクレー
ブを用いて、150℃で30分加硫した後、JIS K
6328記載の剥離試験方法によって処理コード/ゴ
ム剥離力を測定した。
眼で観察し外形良好なものを○、外形不良のものを×と
表わした。
膨張量は、JIS D 2601の規定に基づき、加圧
したときのホースの内容積変化率を測定し、体積膨張量
を相対値で示した。
は、JIS D 2601の規定に基づき、試料が破損
して圧力低下を生じた時間を測定し、相対値で示した。
チレンテレフタレートチップをエクストルーダ型溶融紡
糸装置に供給し、吐出口径が0.6φの紡糸口金を用い
て紡糸し、紡出繊維糸条を雰囲気温度330℃の加熱筒
を通した後、環状の冷却筒により冷却風を30m/分の
速さで吹き付けて冷却しオイリングローラで紡糸油剤を
付与した後、70℃に加熱制御された引取ローラで28
00m/分の速度で引き取った。
ことなく連続して2段で延伸し、巻取ることにより、延
伸繊維糸条を得た。なお1段目と2段目の延伸倍率、温
度および口金下雰囲気の条件は表2に示した条件とし
た。
単繊維数240本のポリエステル繊維糸条を合撚して総
繊度2000デニール(1000d//2、撚数8回/
10cm)の生コードを得た。
し、固形分を6重量%にすることにより、第1処理液と
した。
ンとホルマリンをモル比2/3の割合で混合し、2時間
熟成して得られた固形分10重量%の初期縮合物を、ビ
ニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテック
ス(VPラテックス)と、ポリブタジエンラテックス
(BRラテックス)を、固形分重量比50/50の割合
で混合した混合ラテックス100重量部に対し、12.
5重量部混合し、24時間熟成することにより、固形分
30重量%のRFLを調製した。
ある2−6ビス(2,4−ジヒドロキシフェニルメチ
ル)−4−クロロフェノールを有効成分とする“デナボ
ンド”(登録商標、長瀬化成(株)製)を25重量%添
加し、水で固形分濃度を20重量%とした。このRFL
を水にて希釈し、固形分濃度10%としたのものを第2
処理液とした。
ツラー社製)を用いて、上記生コードに対し、前記第1
処理液を付与し、エアワイパーで液切りを行ない、12
0℃で100秒間乾燥し、続いて240℃で60秒間熱
処理した。さらに、上記第1処理液付与後のコードに対
して、前記第2処理液を付与し、120℃で100秒間
乾燥し、続いて240℃で60秒間熱処理した後、柔軟
化処理を行ない、処理コードを得た。この処理コードを
評価した結果を表2に示した。
を次の方法により製造し、得られたゴムホースの性能を
評価した結果を表2に併記した。
は、まず、マンドレルの外周に内管ゴム層となるブチル
ゴム(IIR)および/またはハロゲン化ブチルゴムか
らなるゴム組成物を管状に押出成形した。次に、ポリエ
ステルコード3本を編組し、その外周にEPDMを押出
成形した後、150℃で60分間加硫した。冷却後、マ
ンドレルから抜き取ることにより、ゴムホースを得た。
得られたホースは内径が11mmで厚さ2mmの内管ゴ
ム層と、その外周に施したポリエステルコードの繊維補
強層と、その外周に設けた最外層のEPDMからなる厚
さ1.5mmの外管ゴムからなっているものであった。
アネート化合物/ビニルピリジン−スチレン−ブタジエ
ン系三元共重合ゴムラテックスを、固形分比で11重量
%/23重量%/66重量%の割合で混合してなる混合
液100重量部に対し、ケイ酸塩化合物の水溶液を6重
量部を添加し、この混合液の固形分を6重量%にするこ
とにより、第1処理液とする以外は実施例1と同じ操作
を行ない、得られた結果を表2に併せて示した。
のストレッチ率を表2に示したように変更した以外は、
実施例2と同じ操作を行ない、得られた結果を表2に併
せて示した。
うに変更した以外は実施例2と同じ操作を行ない、得ら
れた結果を表3に示した。
ス補強用ポリエステルコードは、高モジュラスでかつ低
収縮性を有すると共に、耐久性にすぐれており、このコ
ードで補強されたブレーキホースやクーラーホースホー
スなどは、膨張量、耐久性およびホース品位などの向上
を図ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 撚糸されたコードの強度が6g/d以
上、1.7g/d荷重時伸度が3%以下、150℃乾熱
収縮率が1.5%以下、かつ1.7g/d荷重時伸度と
150℃乾熱収縮率の和が3.8%以下であることを特
徴とするゴムホース補強用ポリエステルコード。 - 【請求項2】 接着剤で処理されていることを特徴とす
る請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴムホース補強
用ポリエステルコード。 - 【請求項3】 エチレン−プロピレン−ジエン系三元共
重合ゴムの補強用に用いられることを特徴とする請求項
1〜4のいずれか1項に記載のゴムホース補強用ポリエ
ステルコード。 - 【請求項4】ポリエステル繊維延伸糸の固有粘度(I
V)が0.9〜1.05、単繊維繊度が1〜4.5d、
糸条強度が6.5g/d以上、150℃乾熱収縮率と
4.5g/d荷重時伸度の和が9.7%以下であり、該
延伸糸の複屈折率と該延伸糸を延伸する前の未延伸糸の
複屈折率の差が100×10-3〜120×10-3である
ポリエステル繊維延伸糸に撚りを掛けてコードとなし、
次にポリエポキシド化合物を含有する第1処理液または
ポリエポキシド化合物とブロックドポリイソシアネート
化合物および/もしくはエチレン尿素化合物ならびにゴ
ムラテックスとを含有する第1処理液により処理した
後、レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、ビニル
ピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、
ポリブタジエンラテックスおよびクロロフェノール化合
物を含有する第2処理液により処理することを特徴とす
るゴムホース補強用ポリエステルコードの製造方法。 - 【請求項5】ポリエステル繊維延伸糸のカルボキシル末
端基量が10当量/106 g以下であることを特徴とす
る請求項4に記載のゴムホース補強用ポリエステルコー
ドの製造方法。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003004175A (ja) * | 2001-06-21 | 2003-01-08 | Kuraray Plast Co Ltd | キンク防止耐圧フレキシブルホース |
KR100585248B1 (ko) * | 2000-07-28 | 2006-06-01 | 토요 보세키 가부시기가이샤 | 고무 보강용 폴리에스테르 섬유 및 딥 코드 |
JP2008007929A (ja) * | 2006-05-31 | 2008-01-17 | Toray Ind Inc | ホース補強用ポリエステル繊維コード |
JP2011058105A (ja) * | 2009-09-07 | 2011-03-24 | Teijin Fibers Ltd | ホース補強用繊維コード及びホース |
-
1998
- 1998-06-08 JP JP15887998A patent/JP3924924B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100585248B1 (ko) * | 2000-07-28 | 2006-06-01 | 토요 보세키 가부시기가이샤 | 고무 보강용 폴리에스테르 섬유 및 딥 코드 |
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