JPH11349768A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JPH11349768A
JPH11349768A JP16926598A JP16926598A JPH11349768A JP H11349768 A JPH11349768 A JP H11349768A JP 16926598 A JP16926598 A JP 16926598A JP 16926598 A JP16926598 A JP 16926598A JP H11349768 A JPH11349768 A JP H11349768A
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mol
acrylate
monomer
rubber composition
group
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JP16926598A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Akihito Iida
晃人 飯田
Koshin Maruyama
康臣 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、耐油性および耐薬品性に優れるのみな
らず、加工性に優れ、さらに経済的に有利なゴム組成物
を提供する。 【解決手段】全単量体単位の合計量を基準として、
(a)フルオロオレフィン単量体単位10〜90モル
%、(b)炭素数が2以上のアルキル基を有するアクリ
ル酸エステル単量体単位5〜90モル%、(c)官能基
を有する単量体単位0.1〜30モル%、および(d)
その他のラジカル重合性またはビニル単量体単位0〜3
0モル%からなる含フッ素共重合体を主成分とするゴム
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム組成物に関す
るものであり、特に、耐熱性、耐油性、耐薬品性および
加工性が良く、さらに経済的に有利なゴム組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、省資源・省エネルギーの気運が高
まり、過酷な環境下で長時間の使用に耐える材料が求め
られている。例えば、自動車分野において、エンジンの
高出力化、長寿命化、メンテナンスフリーなどの要求が
強まり、これに伴い、使用されるゴム材料についても、
耐熱性の向上、エンジンオイルやオートマチックトラン
ミッションオイルに対する耐油性が要求されている。ま
た、化学工業においても、プラントに使用されるパッキ
ンやO−リングなどに対する耐薬品性の向上が求められ
ています。従来、これらの分野にはフッ化ビニリデン
(以下、VdFという)/ヘキサフルオロプロピレン
(以下、HFPという)系フッ素ゴムが使用されている
が、かかる材料は高価であるばかりか、加工温度が高い
といった欠点がある。一方、比較的安価なゴム材料とし
て、アクリル酸エステルを主成分とするアクリル系ゴム
が知られているが、これらは過酷な条件下では耐熱、耐
油などの性能が不足している。さらに、フッ素ゴムとア
クリルゴムのブレンド品(特開昭52−40558号公
報および特開平1−299859号公報)も検討されて
いるが、このブレンド品は本来異種であるゴム材料を共
加硫させるという困難さがあるだけでなく、アクリルゴ
ム成分が先に劣化するためゴムの寿命が短いという問題
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、耐油性および耐薬品性に優れるのみならず、加工性
に優れ、さらに経済的に有利なゴム組成物を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、フルオロオレフィ
ン、アクリル酸エステル、官能基を有する単量体および
その他の単量体からなる含フッ素共重合体が、前記課題
を満足することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、全単量体単位の合計量を基準とし
て、(a)フルオロオレフィン単量体単位10〜90モ
ル%、(b)炭素数が2以上のアルキル基を有するアク
リル酸エステル単量体単位5〜90モル%、(c)官能
基を有する単量体単位0.1〜30モル%、および
(d)その他のラジカル重合性またはビニル単量体単位
0〜30モル%からなる含フッ素共重合体を主成分とす
るゴム組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるフルオロオレフィ
ン単量体としては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、
クロロフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ト
リフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、ヘ
キサフルオロイソブチレンおよびパーフルオロ(アルキ
ルビニルエーテル)などが例示されるが、入手の容易さ
や、アクリル酸エステルなどの単量体との重合性の点か
ら、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、クロロトリフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオ
ロプロピレンおよびパーフルオロ(アルキルビニルエー
テル)から選ばれた1種以上であることが望ましい。
【0006】本発明におけるアクリル酸エステル単量体
としては、アルキル基の炭素数が2以上のものであり、
アルキル基に酸素原子、窒素原子およびハロゲン原子を
含んでいてもよい。かかるアクリル酸エステルとして
は、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸s−
ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ネオペンチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソ
デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、
アクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、ア
クリル酸イソボルニル、アクリル酸トリシクロデシニ
ル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸メ
トキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸
ブトキシエチル、アクリル酸エトキシジエチレングリコ
ール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、ア
クリル酸メトキシトリプロピレングリコール、アクリル
酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエ
チル、アクリル酸モルホリノエチル、アクリル酸トリフ
ルオロエチル、アクリル酸ペンタフルオロプロピル、ア
クリル酸ヘプタフルオロブチルおよびアクリル酸トリフ
ルオロメトキシテトラフルオロプロピルなどが例示され
る。これらの中でも、耐熱性や耐油性の面から、アルキ
ル基の炭素数が2〜8から選ばれた1種以上であること
が好ましく、さらに好ましくはアルキル基の炭素数が2
〜4のアクリル酸エステルである。
【0007】本発明における官能基を有する単量体にお
いて、官能基としてはエポキシ基、カルボキシル基、内
部二重結合およびクロロアルキル基であることが好まし
い。前記エポキシ基を有する単量体としては、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシ
ジルエーテルおよびグリシジルビニルエーテルなどが例
示される。また、カルボキシル基を有する単量体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、ビニル酢酸およびクロトン酸などが例示
される。また、内部二重結合とはラジカル重合しない二
重結合を意味し、後記含フッ素共重合体の製造方法であ
るラジカル重合後においても、二重結合として存在する
ものである。この内部二重結合を有する単量体として
は、エチリデン-ノルボルニレンなどが例示される。さ
らに、クロロアルキル基を有する単量体としては、2−
クロロエチルアクリレート、2−クロロエチルメタクリ
レート、2−クロロエチルビニルエーテル、クロロ酢酸
ビニルおよびクロロメチルスチレンなどが例示される。
【0008】本発明における含フッ素共重合体には上記
以外のその他のラジカル重合性またはビニル単量体を用
いることができ、例えば、ブチルメタクリレートおよび
ラウリルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル
類、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル
酸ビニルおよびラウリン酸ビニルなどのビニルエステル
類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルおよ
びブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、スチ
レンおよびビニルトルエンなどの芳香族含有単量体類、
エチレンおよびプロピレンなどのα―オレフィン類、ア
クリロニトリルならびにメタクリロニトリルなどが例示
される。さらに、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
の末端水酸基ポリエチレンオキサイドマクロモノマーお
よびN−メチロール化(メタ)アクリルアミドなどの水
酸基を含有する単量体、γ−(メタ)アクリロイルオキ
シプロピルメチルジエトキシシランおよびトリエトキシ
ビニルシランなどのアルコキシシリル基を含有する単量
体も使用することができる。
【0009】前記含フッ素共重合体において、各単量体
単位の割合は、全単量体単位を基準として、(a)フル
オロオレフィン単量体単位10〜90モル%、(b)炭
素数2以上のアルキル基(但し、酸素原子、窒素原子お
よびハロゲン原子を含んでもよい)を有するアクリル酸
エステル単量体単位5〜90モル%、(c)官能基を有
する単量体単位0.1〜30モル%および(d)その他
のラジカル重合性またはビニル単量体単位0〜30モル
%であり、さらに好ましくは、(a)20〜70モル
%、(b)10〜70モル%、(c)1〜15モル%お
よび(d)0〜20モル%である。(a)が10モル%
未満であるとゴム組成物の耐熱性および耐薬品性が低下
し、90モル%を超えると加工性が低下し、かつ経済的
に不利である。また、(b)が5モル%未満であると経
済的に不利であり、90モル%を超えるとゴム組成物の
耐熱性が低下する。また、(c)が0.1モル%未満で
あると加硫し難くなり、30モル%を超えると、高架橋
密度になってゴム弾性が低下する。さらに、(d)が3
0モル%を超えると含フッ素共重合体のガラス転移温度
(以下、Tgという)が上昇しゴム弾性を失ったり、耐
熱性が低下したりする。
【0010】上記含フッ素共重合体は、通常のラジカル
重合によって製造され、重合形態として塊状重合、有機
溶剤中での溶液重合および水性媒体中での懸濁重合や乳
化重合などが挙げられる。溶液重合における有機溶媒と
しては、テトラヒドロフランおよびジオキサン等の環状
エーテル類;n−ヘキサン、シクロヘキサン、ミネラル
スピリット、工業用ガソリン4号揮発油、同3号揮発
油、灯油およびテレビン油等等の脂肪族炭化水素類;ト
ルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素化合物;酢酸
エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メ
チルエチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン
類;エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールお
よびn−ブチルセロソルブ等のアルコール類等が例示さ
れ、これらの1種または2種以上を用いることができ
る。また、懸濁重合における水性媒体としては、水、オ
クタフルオロシクロペンタンおよびデカフルオロペンタ
ンなどのハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロシ
クロブタンなどのパーフルオロカーボン類等、ジクロロ
ペンタフルオロプロパンなどのハイドロクロロフルオロ
カーボン類、ジクロロメチレンなどのクロロカーボン類
を単独または混合し使用することができる。
【0011】乳化重合における乳化剤としては、アニオ
ン系乳化剤および/またはノニオン系乳化剤が好ましく
用いられる。アニオン系乳化剤としては、パーフルオロ
オクタノイックアシドナトリウム塩、カリウム塩または
アンモニウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ナト
リウム塩またはアンモニウム塩などのフッ素系アニオン
乳化剤、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸
ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムおよ
びアルカンスルホン酸ナトリウムなどの炭化水素系アニ
オン乳化剤が例示される。また、ノニオン乳化剤として
はポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびポリオ
キシエチレン脂肪酸エステルなどの炭化水素系ノニオン
乳化剤、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加
体およびモノヒドロポリフルオロアルキルエチレンオキ
サイド付加体などのフッ素系ノニオン乳化剤が例示され
る。さらに、アクアロンRNシリーズ[第一工業製薬
(株)社製]などの反応性乳化剤も使用可能である。
【0012】前記重合における重合開始剤としては、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリー
ブチルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサイ
ドおよびラウロイルパーオキサイドなどの油溶性有機過
酸化物、サクシニックアシドパーオキサドおよびターシ
ャリブチルハイドロパーオキサイドなどの水溶性有機過
酸化物、アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスイ
ソバレロニトリルなどの油溶性アゾ化合物、アゾビス
(イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩、アゾビス
(メチルイミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩、ア
ゾビスアミジノプロパン塩酸塩およびアゾビスシアノバ
レリックアシドなどの水溶性アゾ化合物、過硫酸アンモ
ニウムおよび過硫酸カリウムなどの水溶性無機過酸化物
が挙げられる。また、レドックス重合をする場合は、還
元剤として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウ
ム、ロンガリットおよびアスコルビン酸などを併用する
ことが好ましい。
【0013】重合条件としては、重合温度20〜100
℃、圧力1〜200kg/cm2および反応時間3〜40時間
が好適であり、全単量体を初期にバッチ仕込みしてもよ
いし、重合の進行と共に一部の単量体または大部分の単
量体を逐次添加してもよい。さらに、PH調整剤とし
て、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよびリン酸2
−ナトリウムなどを加えてもよい。
【0014】本発明における含フッ素共重合体の分子量
は、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量にお
いて5千〜5百万であるのが好ましく、より好ましくは
1万〜百万である。数平均分子量が5千未満ではゴム組
成物が脆弱化し、5百万を越えると充填剤等と配合し難
い。
【0015】本発明における含フッ素共重合体のTgは
0℃以下が好ましく、より好ましくは−5℃以下であ
る。Tgが0℃を超えると寒冷地でゴム組成物が弾性を
失って使用し難い。
【0016】本発明におけるゴム組成物は上記含フッ素
共重合体を主成分とするものであるが、さらに充填剤お
よび加硫剤を含むことが好ましい。前記充填剤として
は、MTカーボン、FTカーボン、FEFカーボン、H
AFカーボンおよびMAFカーボンなどのカーボンブラ
ック、タルク、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、硫
酸バリウムおよびクレーなどの無機充填剤などが挙げら
れ、充填剤の使用量は、含フッ素共重合体100重量部
当たり1〜100重量部であることが好ましく、さらに
好ましくは20〜60重量部である。前記加硫剤として
は、含フッ素共重合体における官能基がエポキシ基の場
合、有機酸アンモニウム、ジチオカルバミン酸金属塩、
イミダゾール/酸無水物およびイソシアヌル酸/4級ア
ンモニウム塩などが例示され、含フッ素共重合体におけ
る官能基がカルボキシル基の場合はポリアミンなどが例
示され、含フッ素共重合体における官能基が内部二重結
合の場合は、硫黄および有機パーオキサイドが挙げられ
る。さらに、含フッ素共重合体における官能基がクロロ
アルキル基の場合は、ステアリン酸ナトリウムやステア
リン酸カリウムなどと硫黄の組み合わせ、トリアジン/
ジチオカルバミン酸塩、ポリアミン類およびアンモニウ
ムベンゾエートなどが例示される。さらに、含フッ素共
重合体のフルオロオレフィンとしてVdFを使用する場
合は、ヘキサメチレンジアミンカルバメートおよびN,
N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサジアミンなど
のアミン類、有機パーオキサイドおよびポリオールなど
も使用可能である。前記加硫剤の使用量は、含フッ素共
重合体100重量部当たり0.1〜10重量部であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは1〜5重量部である。
【0017】本発明におけるゴム組成物には、上記以外
に、必要に応じて、受酸剤、加硫助剤、可塑剤、老化防
止剤および加工助剤を添加しても良く、受酸剤は加硫の
際に酸性物質をトラップするものであり、酸化マグネシ
ウム、酸化カルシウム、亜鉛華/二塩基性亜リン酸塩お
よび酸化鉛などが例示される。加硫助剤は、加硫速度を
調整するものであり、N−(シクロヘキシルチオ)フタ
ルイミドおよび商品名バルカレントE/C(バイエル
社)などのスルホアミド誘導体が例示される。また、可
塑剤は未加硫物の粘度を下げて加工性を上げるもので、
商品名ポリサイザーW−320[大日本インキ化学工業
(株)製]などのポリエステル系、商品名アデカサイザー
RS700[旭電化工業(株)製]などのポリエーテル
系、フルオロシリコーンオイルおよび商品名バイトンL
M(デュポン社製)などが例示される。さらに、老化防
止剤は高温時にゴム組成物が硬化劣化するのを防止す
る。商品名ナウガード445(ユニロイヤル社)などの
ビス(ジメチルベンジル)ジフェニルアミン類が使用可
能である。加工助剤はバンバリーミキサー、ロールなど
への粘着を防ぎ、成形金型の型離れを良くするために使
用される。ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ポリエ
ステルワックス、脂肪酸金属類が使用される。その他に
ゴム組成物の摩擦係数を下げるためにPTFEの微粉末
や二硫化モリブテンを加えても良い。
【0018】本発明におけるゴム組成物は、含フッ素共
重合体および必要に応じ上記各種添加剤を、常法により
混練り、成形および加硫を行なえばよく、混練りにはロ
ールおよびミキサーを使用し、押出成形、ロールの分出
しなどの予備成形を行なった後、加熱プレス、加硫缶お
よびインジェクションによる加硫を行なう。また、必要
によりオーブンなどで二次加硫を行なっても良い。
【0019】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明する。 [合成例1]撹拌機を備えた2Lのオートクレーブに純
水300g、アニオン乳化剤としてパーフルオロオクタ
ン酸アンモニウム3.2g、ノニオン乳化剤としてポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテルである花王(株)
製のエマルゲン906を7.7g、同エマルゲン930
を7.7g、単量体としてエチルアクリレート(以下、
EAという)を5.0g、n−ブチルアクリレート(以
下、BAという)を7.2g、およびクロロ酢酸ビニル
(以下、VCAという)1.7g、PH調整剤として炭
酸水素ナトリウム2.7g、還元剤として亜硫酸水素ア
ンモニウム0.7gを仕込み、脱気と窒素置換を3回繰
り返した後脱気し、クロロトリフルオロエチレン(以
下、CTFEという)を600g仕込んだ。40℃まで
昇温した後、1時間から5時間に渡って、重合開始剤と
して過硫酸アンモニウム10.3gを純水65gに溶か
した水溶液を、一定の割合で添加した。また、純水12
0g中にパーフルオロオクタン酸アンモニウム3.8
g、エマルゲン906を9.3gおよびエマルゲン93
0を9.3gを溶解し、さらに、EA45.0g、BA
65.8gおよびVCA10.2gを加えたプレエマル
ションを昇温1時間後から6時間後まで一定の割合で添
加し、合計10時間重合をおこなった。その後、室温ま
で冷却し、未反応のCTFEをパージし、オートクレー
ブを開放して、内容物をメタノールに投入し洗浄乾燥す
ることで200gの含フッ素共重合体を得た。得られた
重合体のGPCによるポリスチレン換算の数平均分子量
は190,000であり、Tgは−8℃であった。共重
合体のフッ素分析は18.4%であり、1H−NMRお
よび1 3C−NMRより共重合体の組成は、CTFE/E
A/BA/VCA=37/27/31/5(モル%)で
あった。
【0020】[合成例2]合成例1と同様の方法で、全
単量体がCTFE155g、VdF285g、BA10
0gおよびクロロエチルビニルエーテル(以下、CEV
Eという)10g仕込み、重合をおこなった。得られた
含フッ素共重合体は290gであり、分析した結果、G
PCによるポリスチレン換算の数平均分子量は90,0
00であり、Tgは−19℃であった。共重合体のフッ
素分析は35%であり、1H−NMRおよび13C−NM
Rより共重合体の組成は、CTFE/VdF/BA/C
EVE=19/55/22/3(モル%)であった。
【0021】[合成例3]撹拌機を備えた2Lのオート
クレーブに酢酸エチル500g、単量体としてEA1
2.5g、メトキシエチルアクリレート(以下、MEA
という)12.5gおよびアリルグリシジルエーテル
(以下、AGEという)2.0gを仕込み、脱気と窒素
置換を3回繰り返した後脱気し、CTFE380gおよ
びVdF290g仕込んだ。40℃まで昇温した後、1
時間から5時間に渡って、重合開始剤としてジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネート3gを酢酸エチル50g
に溶解した液を添加した。ここに追加単量体としてEA
87.5g、BA87.5gおよびVCA13.0gの
混合物を昇温1時間後から6時間後まで一定の割合で添
加し、合計12時間重合をおこなった。その後室温まで
冷却し、未反応のTFEとVdFをパージし、オートク
レーブを開放して、内容物をメタノールに投入し洗浄乾
燥することで395gの含フッ素共重合体を得た。得ら
れた重合体のGPCによるポリスチレン換算の数平均分
子量は101,000であり、Tgは−16℃であっ
た。共重合体のフッ素分析は26%であり、1H−NM
Rおよび13C−NMRより共重合体の組成は、CTFE
/VdF/EA/MEA/AGE=24/32/23/
18/3(モル%)であった。
【0022】[実施例1〜3]後記表1に示す成分を配
合して、ゴム組成物を調製した。次いで後記表2の加硫
条件で加硫したゴムについて下記の試験を行ない、その
結果を後記表3に示す。 ・空気老化性:加硫ゴムを空気中で170℃×500時
間加熱し、強度と伸びを測定して、初期値で割った値を
残留率とした。 ・連続使用温度:各温度で加硫ゴムを1,000時間連
続加熱し、伸びの残留率が50%以上である温度を連続
使用温度とした。 ・耐エンジンオイル性:170℃に加熱したSGグレー
ドのエンジンオイルに加硫ゴムを浸漬し500時間後の
強度残留率を求めた。 ・耐ATFオイル性:170℃にトヨタ純正ATFオイ
ルに加硫ゴムを浸漬し、 1,000時間
後の強度残留率を求めた。 ・耐薬品性:加硫ゴムを室温で濃硫酸または苛性ソーダ
溶液に70時間浸漬し た後、強度残留率
を求めた。
【0023】
【比較例1〜3]フッ素ゴムであるバイト
ンA(デュポン社製)、アクリルゴムであるAR−71
[日本ゼオン(株)社]またはバイトンA/AR−71=
1/1(重量比)の混合物を用いて、実施例と同様の方
法で調製した加硫ゴムについて実施例と同様の試験を行
い、その結果を表3に記載した。 【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【発明の効果】本発明におけるゴム組成物は、低温で加
硫できるのみならず、フッ素ゴムとアクリルゴムの長所
を合わせ持ち、耐熱性、耐油性および耐薬品性に優れた
加硫物を与え、また、経済的にも有利なものであるの
で、各種用途に幅広く利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 63/00 C08L 63/00 (72)発明者 丸山 康臣 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全単量体単位の合計量を基準として、
    (a)フルオロオレフィン単量体単位10〜90モル
    %、(b)炭素数が2以上のアルキル基を有するアクリ
    ル酸エステル単量体単位5〜90モル%、(c)官能基
    を有する単量体単位0.1〜30モル%、および(d)
    その他のラジカル重合性またはビニル単量体単位0〜3
    0モル%からなる含フッ素共重合体を主成分とするゴム
    組成物。
  2. 【請求項2】官能基を有する単量体が、エポキシ基、カ
    ルボキシル基、内部二重結合またはクロロアルキル基か
    ら選ばれた官能基の少なくとも1種を有する単量体であ
    る請求項1記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】さらに、充填剤および加硫剤を必須成分と
    する請求項1〜2のいずれかに記載のゴム組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009521585A (ja) * 2005-12-21 2009-06-04 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー フルオロポリマーを製造するためのフッ素化界面活性剤
EP1784434B2 (en) 2004-08-31 2019-03-13 Abbott Cardiovascular Systems Inc. Implantable device from polymers of fluorinated monomers and hydrophilic monomers
WO2023017701A1 (ja) * 2021-08-10 2023-02-16 ダイキン工業株式会社 低粘度含フッ素エラストマーの製造方法

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