JPH0725948A - 含フッ素エラストマー及びその成形体 - Google Patents

含フッ素エラストマー及びその成形体

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JPH0725948A
JPH0725948A JP19272193A JP19272193A JPH0725948A JP H0725948 A JPH0725948 A JP H0725948A JP 19272193 A JP19272193 A JP 19272193A JP 19272193 A JP19272193 A JP 19272193A JP H0725948 A JPH0725948 A JP H0725948A
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fluorine
mol
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JP19272193A
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Kenzo Hashimura
健三 橋村
Osamu Kawase
治 川瀬
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 50〜60モル%のビニリデンフルオリド単
位と18〜22モル%のヘキサフルオロプロペン単位及
び18〜32モル%のテトラフルオロエチレン単位から
成り、0.001〜10重量%のヨウ素を主としてポリ
マー末端に有し、極限粘度数〔η〕が30〜120ml
/gであるパーオキサイド架橋可能な含フッ素エラスト
マー及び該エラストマーを成形してなる成形体。 【効果】 本発明の含フッ素エラストマーは、優れた耐
スチーム性、耐酸性、耐アルカリ性、耐アミン性などの
特性を保持したまま、耐寒性と耐圧縮永久ひずみ性を改
良したパーオキサイド架橋用含フッ素エラストマーであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてヨウ素をポリ
マー末端に有するパーオキサイド架橋可能な含フッ素エ
ラストマーに関する。更に詳くは、良好な耐熱性、耐溶
剤性、耐薬品性に加えて耐圧縮永久ひずみ性と低温特性
とのバランスに優れたパーオキサイド架橋可能なフッ素
エラストマー、及びこの含フッ素エラストマーを成形し
て成るOリング、オイルシール、パッキン、ガスケッ
ト、ダイヤフラムなどの成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】含フッ素エラストマーの架橋方法には、
ポリアミン架橋、ポリオール架橋、パーオキサイド架橋
などが知られており、用途に応じて最適な架橋法が選定
されており、なかでもフッ素含量が高い含フッ素エラス
トマーをパーオキサイド架橋した成形体は、耐スチーム
性、耐酸性、耐アルカリ性、耐アミン性などが極めて優
れることから、酸や塩基と直接接触するような用途、添
加剤を多く含んだ潤滑油をシールする用途などの過酷な
環境において使用されている。しかしながら、優れた特
性を有するパーオキサイド架橋含フッ素エラストマーで
はあるが、低温特性と耐圧縮永久ひずみ性が劣るという
問題があり、他の優れた特性を保持したまま、低温特性
と耐圧縮永久ひずみ性を向上させることが望まれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た耐スチーム性、耐酸性、耐アルカリ性、耐アミン性な
どの特性を保持したまま、耐寒性と耐圧縮永久ひずみ性
を改良したパーオキサイド架橋用含フッ素エラストマ
ー、及びそれを成形した成形品を提供するものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、特定の範囲のビニリデンフルオリド単位
(以下、VdF単位という)、ヘキサフルオロプロペン
単位(以下、HFP単位という)及びテトラフルオロエ
チレン単位(以下、TFE単位という)から成り、架橋
点となるヨウ素を主としてポリマー末端に有した含フッ
素エラストマーが前記目的に適合することを見出し、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、50〜60モル%のVdF単位と18〜
22モル%のHFP単位及び18〜32モル%のTFE
単位から成り、0.001〜10重量%のヨウ素を主と
してポリマー末端に有し、極限粘度数〔η〕が30〜1
20ml/gであるパーオキサイド架橋可能な含フッ素
エラストマー、及びそれを用いた成形体を提供するもの
である。
【0005】以下、本発明を詳細に説明すると、本発明
の含フッ素エラストマーは、50〜60モル%のVdF
単位と18〜22モル%のHFP単位及び18〜32モ
ル%のTFE単位から成ることが本発明の目的を達成す
るために必須の要件である。VdF単位をこの範囲とす
るのは、50モル%未満では低温特性が大幅に悪化し、
60モル%を超えると含フッ素エラストマーのフッ素含
量が低くなるため、耐スチーム性、耐酸性、耐アルカリ
性、耐アミン性などが低下するためである。HFP単位
をこの範囲とするのは、18モル%未満では低温特性が
悪化し、22モル%を超えると耐圧縮永久ひずみ性が劣
るためである。TFE単位をこの範囲とするのは、18
モル%未満では耐圧縮永久ひずみ性が劣り、32モル%
を超えると低温特性が悪化するためである。特に好まし
い範囲は、VdF単位52〜58モル%、HFP単位1
8〜22モル%、およびTFE単位20〜30モル%で
ある。本発明の含フッ素エラストマーは、0.001〜
10重量%のヨウ素を主としてポリマー末端に有してお
り、このヨウ素はパーオキサイド架橋の際に反応点とな
る。パーオキサイド架橋可能な含フッ素エラストマー
は、ヨウ素又は臭素を架橋点とするものが、生産性、加
工性、性能の面から多く用いられている。ヨウ素は臭素
よりもパーオキサイドラジカルによって遊離しやすいの
で、架橋反応が速く進行するため金型離型性が良好で、
さらに架橋密度が高くなるため耐圧縮永久ひずみ性も優
れる。従って、本発明においては、ヨウ素を主としてポ
リマー末端に有する含フッ素エラストマーが選ばれる。
【0006】含フッ素エラストマー中のヨウ素の含有量
を0.001〜10重量%の範囲とするのは、0.00
1重量%未満では十分な架橋密度が得られず、耐圧縮永
久ひずみ性が劣るためであり、10重量%を超えると架
橋密度が高くなりすぎ、エラストマー弾性が無くなるた
めである。ヨウ素の特に好ましい範囲は、0.005〜
5重量%である。ヨウ素を主としてポリマー末端に有す
る含フッ素エラストマーは、公知の方法、例えば、一般
式R・Ix (式中のRは炭素数1〜3の炭化水素基、x
は1又は2である。)で表されるヨウ素化合物の存在下
に含フッ素モノマーを共重合させる方法(特開昭60−
221409号公報)、一般式Rf ・Ix (式中のRf
は飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基又はクロロ
フルオロ炭化水素基であり、xは1以上の整数であ
る。)で表されるヨウ素化合物の存在下に含フッ素モノ
マーを共重合させる方法(特公昭63−41928号公
報)などで製造することができる。
【0007】さらに、本発明の含フッ素エラストマー
は、架橋点と成り得る臭素を0.1〜1.0重量%の範
囲で提供する臭素含有架橋点モノマー単位、例えば、ブ
ロモトリフルオロエチレン、4−ブロモ−3,3,4,
4−テトラフルオロブテン−1、1,1−ジフルオロ−
2−ブロムエチレン、臭素化フルオロビニルエーテルな
どの化合物から誘導される単位を含んでも良い。本発明
の含フッ素エラストマーの極限粘度数〔η〕は、30〜
120ml/gの範囲である。極限粘度数〔η〕をこの
範囲とするのは、30未満ではムーニー粘度が低すぎる
ため開放型練りロール又は密閉式練りロール(バンバリ
ーミキサー、加圧式ニーダーなど)での混練が困難とな
り、120を超えると十分な架橋密度が得られず耐圧縮
永久ひずみ性が劣るためである。特に好ましい極限粘度
数〔η〕は40〜80ml/gの範囲である。
【0008】このような含フッ素エラストマーの製造方
法としては、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法が知
られている。何れの重合法を用いて重合してもよいが、
以下乳化重合法を例に説明する。乳化重合は、水性媒体
にVdF単位、HFP単位、TFE単位からなるモノマ
ー混合物、重合触媒、連鎖移動剤としてのヨウ素化合物
及び必要に応じて乳化剤などを添加し、加熱することに
よって行われる。
【0009】重合触媒としては、水溶性無機過酸化物、
例えば、過硫酸、過リン酸、過ホウ素酸などのアンモニ
ウム、カリウム、ナトリウム塩あるいは過酸化水素など
が用いられる。これら過酸化物は還元剤、例えば、亜硫
酸、次亜硫酸、メタ亜硫酸、チオ亜硫酸、亜リン酸、ハ
イドロ亜リン酸などのアンモニウム、カリウム、ナトリ
ウム塩などと組み合わせて用いることができる。有機系
触媒としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、イソ
ブチリルパーオキシドなどの有機過酸化物を挙げること
ができる。重合触媒は、水性媒体に対して通常5×10
-4〜5重量%の範囲で用いるのが好ましい。重合触媒を
この範囲とするのは5×10-4重量%未満では重合反応
の進行が大幅に遅れ、5重量%をこえると重合反応の進
行が速すぎてコントロールが難しいためである。重合触
媒の特に好ましい範囲は、水性媒体に対して2×10-3
〜5重量%の範囲である。
【0010】ヨウ素化合物としては、例えば、モノヨー
ドメタン、ジヨードメタン、ヨードエタン、1,2−ジ
ヨードエタン、1−ヨード−n−プロパン、ヨウ化イソ
プロピル、1,3−ジヨード−n−プロパン、1,5−
ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロ−n−ペンタ
ン、2−ヨードパーフルオロプロパン、1,4−ジヨー
ドパーフルオロ−n−ブタンなどが挙げられる。これら
の中でジヨードメタンが重合反応性、架橋反応性、入手
の容易さなどから特に好ましい。ヨウ素化合物は、重合
触媒1モルに対して通常0.2〜100モルの範囲で用
いられるのが好ましい。重合触媒をこの範囲とするの
は、0.2モル未満ではポリマー末端に結合したヨウ素
量が少なくなり架橋密度が大きく低下するためであり、
100モルを超えると重合反応の進行が大幅に遅くなる
ためである。ヨウ素化合物の特に好ましい範囲は、重合
触媒1モルに対して0.5〜50モルの範囲である。
【0011】必要に応じて用いる乳化剤の例としては、
含フッ素カルボン酸、含フッ素スルホン酸などの塩類が
用いられ、パーフルオロオクタン酸アンモニウムが好適
である。乳化剤は、水性媒体に対して通常10重量%以
下の範囲で用いるのが好まし威。乳化剤をこの範囲とす
るのは、10重量%を超えても増量による実質的な効果
がないためである。乳化剤の特に好ましい範囲は、5重
量%以下である。重合温度については、ラジカル反応が
進行し、生成ポリマーの解重合が起こらない範囲であれ
ば良く、特に制限は無いが、通常の重合温度は、5〜1
00℃の範囲で選ばれる。重合圧力については、なんら
制限はなく、目的の重合速度及び重合度に応じ公範な圧
力を採用しうるが、通常は1〜100kg/cm2 ・G
の範囲である。
【0012】次に含フッ素エラストマーの架橋法につい
て説明すと、該含フッ素エラストマーに多官能性共架橋
剤、有機過酸化物及び必要に応じて充填剤、受酸剤、加
工助剤、着色剤などを練込み、加熱架橋して成形体を製
造する。多官能性共架橋剤は、例えば、トリアリルシア
ヌレート、トリメタクリルイソシアヌレート、トリアリ
ルイソシアヌレート、トリアクリルホルマールトリアリ
ルトリメリテート、N,N' −m−フェニレンビスマレ
イミド、ジアリフタレート、テトラアリルテレフタール
アミド、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、
亜燐酸トリアリル、N,N−ジアリルアクリルアミドな
どが挙げられ、特に好ましくはトリアリルイソシアヌレ
ートである。本発明の含フッ素エラストマー架橋組成物
における多官能性共架橋剤の配合割合は、通常含フッ素
エラストマー100重量部に対して、0.1〜10重量
部の範囲である。多官能性共架橋剤をこの範囲とするの
は、0.1重量部未満では十分な架橋密度が得られず、
10重量部を超えると成形時に多官能性共架橋剤がエラ
ストマー表面にブリードし成形不良の原因になるためで
ある。多官能性共架橋剤の特に好ましい範囲は0.2〜
6重量部である。
【0013】有機過酸化物には、架橋条件下でパーオキ
サイドラジカルを発生する有機過酸化物が用いられ、例
えば、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ−3,
5,5−トリメチル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−
ビス(tert−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル
4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレラート、
2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、2,
5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキ
シド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルク
ミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α'−
ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベ
ンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイル
パーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゼン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘ
キサン、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、tert−ブ
チル−オキシイソプロピルカーボネイトなどが挙げら
れ、ジクミルパーオキシド、α,α−ビス(tert−ブチ
ルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキ
サンが特に好ましい。本発明の含フッ素エラストマー架
橋組成物における有機過酸化物成分の配合割合は、通常
含フッ素エラストマー100重量部に対して、0.05
〜5重量部の範囲が好ましい。有機過酸化物をこの範囲
とするのは0.05未満では十分な加硫速度が得られず
に金型離型性が悪くなり、5重量部を超えると耐圧縮永
久ひずみ性が大幅に悪化するためである。有機過酸化物
の特に好ましい範囲は、0.1〜3重量部である。
【0014】充填剤としては、カーボンブラック、オー
スチンブラック、グラファイト、シリカ、クレー、ケイ
ソウ土、タルク、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、
珪酸カルシウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウムなど
が挙げられる。充填剤の配合割合は、通常含フッ素エラ
ストマー100重量部に対して0.1〜100重量部の
範囲が好ましい。充填剤の配合割合をこの範囲とするの
は、0.1重量部未満では配合する効果がなく、100
重量部を超えるとエラストマー弾性が無くなるためであ
る。充填剤の特に好ましい範囲は、1〜60重量部であ
る。
【0015】受酸剤としては、例えば、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カル
シウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト化合物などが挙
げられる。受酸剤の配合割合は、通常含フッ素エラスト
マー100重量部に対して0〜40重量部の範囲が好ま
しい。受酸剤の好ましい範囲を0〜40重量部とするの
は、40重量部を超えると耐圧縮永久ひずみ性が悪化す
るためである。受酸剤の特に好ましい範囲は1〜20重
量部である。
【0016】加工助剤としては、スルホン化合物、燐酸
エステル、脂肪族アミン、高級脂肪酸エステル、脂肪酸
カルシウム、脂肪酸アマイド、低分子量ポリエチレン、
シリコーンオイル、シリコーングリース、ステアリン
酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウウム、ステアリン酸アルミ
ニウム、ステアリン酸亜鉛などが好ましい。加工助剤の
配合割合は、通常含フッ素エラストマー100重量部に
対して0.1〜10重量部の範囲が好ましい。加工助剤
の配合割合をこの範囲とするのは、0.1重量部未満で
は配合する効果がなく、10重量部を超えると引張強さ
の大幅な低下を招くためである。加工助剤の特に好まし
い範囲は、0.3〜5重量部である。
【0017】着色剤としては、例えば、チタンホワイ
ト、ベンガラなどが挙げられる。また、本発明の主旨を
逸脱しない範囲であれば、従来公知の架橋剤や架橋促進
剤を1種又は2種配合してもよい。
【0018】本発明の含フッ素エラストマーの成形方法
としては、例えば、開放型練りロール又は密閉式練りロ
ール(バンバリーミキサー、加圧式ニーダーなど)で含
フッ素エラストマーに配合剤を混練後、型に入れ加圧加
熱して一次架橋し、次いで二次架橋する方法が好まし
い。一次架橋の条件としては、温度120〜200℃、
時間1〜180分、圧力20〜150kg/m2 の範囲
が、二次架橋の条件としては、温度120〜250℃、
時間0〜48時間の範囲が好ましく採用される。また、
他の架橋手段として、射出又は押出しなどの予備成形を
した後に架橋する方法、あるいはメチルエチルケトン、
アセトンなどのケトン類、エチルエーテル、テトラヒド
ロフランなどのエーテル類などの1種又は2種以上を媒
体とする溶液もしくは分散液を調整し、これで紙繊維、
フィルム、シート、板、チューブ、パイプ、タンク、大
型容器、その他の成形品の表面上を被覆し架橋する方法
などを用いることもできる。このようにして得られた成
形品は、従来公知のパーオキサイド架橋含フッ素エラス
トマーから得られた成形品と同等の優れた耐熱性、耐溶
剤性、耐薬品性を有しながら、耐圧縮永久ひずみ性と低
温特性とのバランスが優れているため、Oリング、オイ
ルシール、パッキン、ガスケット、ダイヤフラムなどの
用途に好適である。
【0019】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、含フッ素エラストマーの極限粘
度数〔η〕及び架橋物物性は次に示す方法により求め
た。 (1)極限粘度数〔η〕は、メチルエチルケトンを溶媒
とする0.1g/100mlの濃度溶液を調整し、毛細
管粘度計を用いて35℃で測定した。 (2)架橋物の硬さ[JIS−A]、100%引張応
力、引張強さ、伸びはJIS−K6301に準じて測定
した。 (3)圧縮永久ひずみは、JIS−B2401に規定さ
れた運動用OリングのP−24を使用し、JIS−K6
301に準じて温度200℃、72時間の条件で測定し
た。 (4)ゲーマンねじり試験は、JIS−K6301に準
じて、エタノール/ドライアイス冷媒で測定した。 (5)耐溶剤性試験は、トルエン40体積%、イソオク
タン40体積%、メタノール20体積%の混合液を試験
油とし、温度40℃、72時間の条件でJIS−K63
01に準じて測定した。
【0020】(実施例1)電磁誘導式かきまぜ機を備え
た内容積10リットルのオートクレーブを窒素ガスで十
分に掃気し、減圧−窒素充填を3回繰り返して窒素置換
したのち、減圧状態で脱酸素した純水5kg及びパーフ
ルオロオクタン酸アンモニウム(米国3M社製品、商品
名FC−143)45gを入れ、600rpmでかきま
ぜながら温度を80℃に調整した。次いでVdF単位1
2.0モル%、HFP単位78.7モル%及びTFE単
位9.3モル%から成る混合モノマーを仕込モノマーと
し、圧力15kg/cm2 ・Gになるまで仕込んだ。次
に0.5重量%過硫酸アンモニウム水溶液54ccを圧
入して重合を開始させた。反応が進行して圧力が12k
g/cm2 ・Gまで低下したら、ジヨードメタン3.3
3gを圧入した後、VdF単位53.0モル%、HFP
単位20.0モル%及びTFE単位27.0モル%から
なる混合モノマーを追添モノマーとして追添し、圧力を
15kg/cm2 ・Gにもどした。さらに、重合反応が
進行して圧力が14kg/cm2 ・Gまで低下したら、
追添モノマーで圧力を15kg/cm2 ・Gに戻した。
【0021】このようなモノマーの追添操作を繰り返し
て約29時間重合反応を行った。また、上記重合反応中
最初にジヨードメタンを添加してから3時間毎に0.5
重量%過硫酸アンモニウム水溶液27mlを、9時間毎
にジヨードメタン3.3gを追添した。重合反応終了
後、オートクレーブ中の混合ガスをパージし、次いで重
合乳化液を取り出し、10重量%塩化マグネシウム水溶
液を添加して固形分を凝析した後、純水で十分に洗浄し
た。この固形分を100℃で真空乾燥して約2kgの含
フッ素エラストマーを得た。
【0022】得られた含フッ素エラストマーの組成比を
19F−NMRで分析したところ、VdF単位54.3モ
ル%、HFP単位19.4モル%及びTFE単位26.
3モル%であり、ヨウ素を0.4重量%含有していた。
また、この含フッ素エラストマーの〔η〕は48ml/
gであった。該含フッ素エラストマー100重量部を開
放型練りロールに巻付け、CANCARB社製品MTカ
ーボンブラック「サーマックスN−990」30重量部
と協和化学工業株式会社製品低活性酸化マグネシウム
「キョーワマグ30」3重量部を練り込む。次ぎに、日
本化成株式会社製品トリアリルイソシアヌレート「TA
IC」4重量部、日本油脂株式会社製品有機過酸化物
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン「パーヘキサ25B−40(パーオキサイ
ド含量は40重量%)」3.75重量部を練り込み、そ
のまま一夜放置して熟成させた。その後、再練りを行っ
てから金型に入れ、温度160℃でプレス架橋を10分
間行いシート及びOリングに成形した。次いで金型から
取り出し、温度180℃の空気循環式炉内で4時間加熱
して二次架橋を完結させ各種試験を行った。このように
して得られた架橋成形物の架橋物物性を表2に示す。
【0023】(実施例2及び比較例1と2)表1に示す
条件で重合を行った以外は、実施例1と同様にして試験
を行った。得られた含フッ素エラストマーのポリマー特
性、架橋物物性を表2に示す。比較例1は実施例1及び
2と同等の耐圧縮永久ひずみ性を示すが、ゲーマンねじ
り試験のT10値が実施例1及び2より劣る。比較例2は
実施例1及び2と同等のT10値になるが、耐圧縮永久ひ
ずみ性が実施例1及び2より劣る。これらの例から、本
発明の含フッ素エラストマーは、良好な引張特性と耐溶
剤性を保持したまま、低温特性と耐圧縮永久ひずみ性が
改良されていることは明らかである。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明のフッ素エラストマー、及びそれ
を用いた成形体は、従来公知のパーオキサイド加硫含フ
ッ素エラストマーと同等の優れた耐スチーム性、耐酸
性、耐アルカリ性、耐アミン性などを保持したまま、低
温特性と耐圧縮永久ひずみ性とのバランスが優れている
ため、Oリング、オイルシール、パッキン、ガスケッ
ト、ダイヤフラムなどの用途に好適であり、工業的価値
は極めて高い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50〜60モル%のビニリデンフルオリ
    ド単位と18〜22モル%のヘキサフルオロプロペン単
    位及び18〜32モル%のテトラフルオロエチレン単位
    から成り、0.001〜10重量%のヨウ素を主として
    ポリマー末端に有し、極限粘度数〔η〕が30〜120
    ml/gであるパーオキサイド架橋可能な含フッ素エラ
    ストマー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の含フッ素エラストマーを
    成形して成る成形体。
JP19272193A 1993-07-08 1993-07-08 含フッ素エラストマー及びその成形体 Pending JPH0725948A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5852125A (en) * 1996-06-03 1998-12-22 Bayer Aktiengesellschaft Fluororubber, a process for its production and its use, as well as a process for producing fluororubber moldings and/or coatings
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