JPH11349524A - エーテル化反応方法 - Google Patents
エーテル化反応方法Info
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- JPH11349524A JPH11349524A JP10162569A JP16256998A JPH11349524A JP H11349524 A JPH11349524 A JP H11349524A JP 10162569 A JP10162569 A JP 10162569A JP 16256998 A JP16256998 A JP 16256998A JP H11349524 A JPH11349524 A JP H11349524A
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Abstract
得させるエーテル化反応方法を提供する。 【解決手段】 エーテル化反応方法は、溶媒中で原料化
合物を反応させることによりエーテル化合物を生成させ
る方法において、生成したエーテル化合物を反応途中で
析出させることにより反応を促進することを特徴とす
る。
Description
法に関する。
に、原料化合物の濃度が反応の進行に従い徐々に低下す
るため、反応が進行しにくくなり、目的とするエーテル
化合物が高収率で得られないという問題がある。他方、
溶液中でのエーテル化反応は一般に平衡反応であること
が知られており、一旦得られたエーテル化合物が逆反応
によって容易に原料化合物に戻ったり、逆反応と競争す
る副反応が生起して副生成物が得られたりすることもあ
る。たとえば、無水マレイン酸とグリコール酸とを原料
化合物に用いて、エーテル化合物としてのカルボキシメ
トキシコハク酸ナトリウム(CMOS)を製造する場
合、無水マレイン酸の異性体であるフマル酸とグリコー
ル酸とに分解する副反応があり、カルボキシメトキシコ
ハク酸ナトリウムの収率低下の原因となっている。
しようとする課題は、副反応を抑制し、エーテル化合物
を高収率で得させるエーテル化反応方法を提供すること
である。
解決するために種々検討し、実験を重ねた。そして、生
成物であるエーテル化合物を反応途中で析出させると、
エーテル化合物が液相反応系から除かれるので、析出前
の状態(エーテル化合物が反応系に存在している状態)
に比較すると、原料化合物の濃度が高まり、エーテル化
反応が促進されるとともに副反応が生起しにくくなると
いう知見を得て、本発明を完成した。
応方法は、溶媒中で原料化合物を反応させることにより
エーテル化合物を生成させる方法において、生成したエ
ーテル化合物を反応途中で析出させることにより反応を
促進することを特徴とする。
法は、原料化合物を溶媒中で反応させている途中で、エ
ーテル化合物を析出させるようにする。エーテル化合物
の析出は、たとえば、種結晶を添加したり、反応溶媒を
留去したりするほか、種結晶の添加と反応溶媒の留去と
を同時に行っても良い。
らなる反応溶媒中で、水酸基含有有機化合物と、カルボ
キシル基含有不飽和有機化合物およびカルボキシル基含
有エポキシ化合物から選ばれた少なくとも1種のカルボ
キシル基含有有機化合物とからなる原料化合物を反応さ
せて、エーテル化合物としてのエーテルカルボン酸塩を
合成する方法があり、触媒の存在下に反応を行うことが
好ましい。以下、このエーテルカルボン酸塩を合成する
反応について、詳しく説明する。
シカルボン酸化合物、多価アルコール化合物、炭素数6
〜22の高級アルコール化合物および糖類を挙げること
ができ、これらの水酸基含有有機化合物をさらに具体的
に説明すると次のとおりである。ヒドロキシカルボン酸化合物 (a)下記一般式(1)で表される化合物。
素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは水
素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ア
ンモニウム基、アルキルアンモニウム基またはアルカノ
ールアンモニウム基を表し、mは1〜10の整数を表
す。代表例としては、グリコール酸、β−ヒドロキシプ
ロピオン酸、乳酸などを挙げることができる。
物。
のアルキル基を表し、nは1〜10の整数を表し、そし
てXは一般式(1)におけると同意義である。代表例と
してはグリセリン酸、グルコン酸などを挙げることがで
きる。 (c)下記一般式(3)で表される化合物。 OH−CH2−(CH2−O−CH2)p−COOX ・・・(3) 式中、pは1〜10の整数を表し、Xは一般式(1)に
おけると同意義である。代表例としては、ジエチレング
リコールモノカルボン酸などを挙げることができる。
物。
素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R6は
水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、または水酸基を
表し、そしてXは一般式(1)におけると同意義であ
る。代表例としては、リンゴ酸、酒石酸などを挙げるこ
とができる。 (e)下記一般式(5)で表される化合物。
のアルキル基を表し、Xは一般式(1)におけると同意
義である。代表例としては、タルトロン酸などを挙げる
ことができる。 (f)下記一般式(6)で表される化合物。
独立して、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を
表し、Xは一般式(1)におけると同意義である。代表
例としては、クエン酸などを挙げることができる。多価アルコール化合物 (a)下記一般式(7)で表される化合物。
原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。代表例と
しては、エチレングリコール、イソプロピレングリコー
ルなどを挙げることができる。 (b)上記一般式(7)の化合物の2〜10の縮合体。
代表例としては、ジエチレングリコールなどを挙げるこ
とができる。
例としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリ
ンなどを挙げることができる。 (d)ソルビトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトールなど。炭素数6〜22の高級アルコール化合物(R−OH) 代表例としては、Rがヘキシル、ヘプチル、オクチル、
ノニル、デシル、ウンデシル、ラウリル、ミリスチル、
パルミチル、ステアリル、アラキジル、ベヘニル、オレ
イル、リノール、リノレニル、2−エチルヘキシルなど
であるアルコール類を挙げることができる。糖類 代表例としては、グルコース、マンノース、ガラクトー
ス、フラクトース、ラクトース、ショ糖などを挙げるこ
とができる。
シル基含有不飽和有機化合物としては、不飽和モノカル
ボン酸、不飽和ジカルボン酸等を挙げることができ、こ
れらのカルボキシル基含有不飽和有機化合物をさらに具
体的に説明すると次のとおりである。不飽和モノカルボン酸化合物 (a)下記一般式(8)で表される化合物。
水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、X
は一般式(1)におけると同意義である。代表例として
は、アクリル酸、メタクリル酸などを挙げることができ
る。不飽和ジカルボン酸化合物 (a)下記一般式(9)で表される化合物。
て、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表
し、Xは一般式(1)におけると同意義である。代表例
としては、マレイン酸などを挙げることができる。な
お、この不飽和ジカルボン酸は無水物であってもよい。
カルボキシル基含有エポキシ化合物としては、下記のエ
ポキシ化合物を挙げることができる。下記一般式(10)で表される化合物
原子、炭素数1〜10のアルキル基、または−(C
H2)n−COOX(ここで、nは0〜10の整数であ
り、Xは一般式(1)におけると同意義である)を表
し、その少なくとも1つは−(CH2)n−COOXで
ある。代表例としては、グリシド酸、エポキシコハク酸
などを挙げることができる。
とえば、下記水酸基含有有機化合物(A)と、下記カル
ボキシル基含有不飽和有機化合物(B1)および/また
は下記カルボキシル基含有エポキシ化合物(B2)とを
エーテル化反応させる方法を挙げることができ、エーテ
ルカルボン酸塩が製造される。水酸基含有有機化合物
(A)としては、たとえば、グリコール酸、β−ヒドロ
キシプロピオン酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、
ジエチレングリコールモノカルボン酸、リンゴ酸、酒石
酸、タルトロン酸、クエン酸などのヒドロキシカルボン
酸;エチレングリコール、イソプロピレングリコール、
ジエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポ
リグリセリン、ソルビトール、1,4−ソルビタン、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多
価アルコール;炭素数6〜22の高級アルコール;およ
びグルコース、マンノース、ガラクトース、フラクトー
ス、ラクトース、ショ糖などの糖類から選ばれる少なく
とも1種の化合物を挙げることができる。これらのうち
でも、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸およびタルトロ
ン酸から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。
1)としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸な
どの不飽和モノカルボン酸;(無水)マレイン酸などの
不飽和ジカルカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の
化合物を挙げることができる。これらのうちでも(無
水)マレイン酸が好ましい。カルボキシル基含有エポキ
シ化合物(B2)としては、たとえば、グリシド酸およ
びエポキシコハク酸から選ばれる少なくとも1種の化合
物を挙げることができる。これらのうちでもエポキシコ
ハク酸が好ましい。
有有機化合物との割合については特に限定はないが、好
ましくは、水酸基含有有機化合物/カルボキシル基含有
有機化合物(モル比)が0.5〜2の範囲、さらに好ま
しくは0.8〜1.2の範囲である。上記モル比が0.
5未満または2を超えると、一方の原料化合物が反応終
了時に残存するようになり、これを除去する精製工程が
必要になるおそれがある。
は、従来から知られている触媒を使用することができ、
たとえば、希土類元素、アルカリ土類金属および亜鉛か
ら選ばれた少なくとも1種の元素を含む触媒を挙げるこ
とができる。これらの反応触媒は、通常、塩化物、硝酸
塩、硫酸塩、シュウ酸塩、塩化物、酸化物、水酸化物等
の形態で使用することができる。
ン、セリウム、プラセオジム、ネオジム等のランタノイ
ド系元素;スカンジウム;イットリウム等を挙げること
ができる。アルカリ土類金属としては、たとえば、カル
シウム、マグネウシム、ベリリウム、ストロンチウム、
バリウム、ラジウム等を挙げることができる。
ウムおよびカルシウムが、その反応活性および経済性の
面から好適に用いられる。触媒の使用量については特に
限定はなく、好ましくはカルボキシル基含有有機化合物
1モルに対し0.0001〜1.2モル、さらに好まし
くは0.0005〜1モル、最も好ましくは0.001
〜0.8モルである。触媒の使用量がカルボキシル基含
有有機化合物1モルに対し0.0001モル未満である
と、エーテル化反応が進行しにくくなるおそれがある。
他方、触媒の使用量が1.2モルを超えると、触媒を回
収する場合や、触媒が希土類元素を含む触媒の場合に
は、コストが高くなるおそれがある。
ては、一般に水が使用されるが、適宜、アルコール類、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシ
エタン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミ
ド、ヘキサメチレンホスホリックトリアミドなども使用
されることがある。エーテルカルボン酸塩を合成するエ
ーテル化反応方法は、たとえば、以下のようにして行わ
れる。
合物としての水酸基含有有機化合物およびカルボキシル
基含有有機化合物と、触媒とを溶解させる。ここで、触
媒の添加は、上記原料化合物等を含むことによって、予
めpH6未満、好ましくはpH4未満に調整された水性
媒体に、触媒を混合して行うのが好ましい。次に、原料
化合物と触媒を混合した水性媒体のpHを6以上、好ま
しくは8〜13の範囲に調整する。pHが6未満では、
エーテル化反応の反応速度が著しく低下する。このpH
の調整には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリ金属水酸化物;アンモニア、モノエチルアミン、
ジエチルアミン、モノエタノールアミン等のアンモニウ
ム性塩基などが用いられるが、特に水酸化ナトリウムが
好適に用いられる。
テル化反応を行うが、この反応は反応液を40〜150
℃、好ましくは70〜120℃の範囲の温度で加熱する
ことにより容易に進行する。反応は十分に攪拌しながら
行うのがよい。反応圧力は常圧または加圧のいずれでも
よいが、通常、常圧下で反応は行われる。
は、反応時の濃度によっては反応の進行にともなって自
然に起こる場合もあるが、種結晶を添加したり、溶媒を
留去等して反応液を濃縮して、析出させる場合には、好
ましくは、仕込みのカルボキシル基含有不飽和有機化合
物またはカルボキシル基含有エポキシ化合物に対するエ
ーテルカルボン酸の収率が50重量%以上になった時点
以降、さらに好ましくはエーテルカルボン酸の収率が6
0重量%以上になった時点以降に行われる。種結晶を添
加したり、反応液を濃縮したりすることによる析出は、
反応途中のエーテルカルボン酸塩の濃度が、好ましくは
20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上、最
も好ましくは35重量%以上になった時点以降に行われ
る。
を用いて行う場合は、たとえば、生成したエーテルカル
ボン酸塩に対して0.005重量%以上の種結晶を添加
して行えばよく、種結晶を添加する際の温度等の条件に
ついては、特に限定はない。エーテルカルボン酸塩の析
出は、水性媒体からなる反応溶媒を留去することにより
行っても良く、前記反応温度を保持できる減圧下で行う
のが好ましい。反応溶媒を留去する時の温度が低すぎる
と、反応液の粘度が上昇し、攪拌・混合が困難になる。
せることによって、原料化合物の濃度が高まり、エーテ
ル化反応が促進されるとともに、副反応も発生しにくく
なる。特に、原料化合物の濃度は、エーテルカルボン酸
塩が結晶水を有する塩である場合にさらに高まり、エー
テルカルボン酸塩が高収率で得られるようになる。結晶
水を有するエーテルカルボン酸塩としては、たとえば、
カルボキシメトキシコハク酸ナトリウム等を挙げること
ができる。
て用い、マレイン酸をカルボキシル基含有不飽和有機化
合物として用いた場合と、グリコール酸を水酸基含有有
機化合物として用い、エポキシコハク酸をカルボキシル
基含有エポキシ化合物として用いた場合とを例にして、
それぞれの化学反応式を示すと次のとおりである。な
お、これらの式においては、カルボン酸塩は相当するカ
ルボン酸として示している。グリコール酸とマレイン酸との反応
ルボン酸塩は、原料化合物が特定されれば、上記式にし
たがって容易に特定することができる。なお、このよう
にして得られたエーテルカルボン酸塩は、通常、その一
部または全てのカルボキシル基がアルカリ金属、アルカ
リ土類金属、アルキルアミン塩基、アルカノールアミン
塩基、ポリアミン塩基、アンモニウム塩基等で置換され
たものである。
ナトリウム塩は、前記のとおり、洗剤用ビルダーとして
有用なのものであり、各種の洗剤組成物に利用すること
ができる。その他、キレート剤などとして使用すること
ができる。
更に具体的に説明する。 −実施例1− 無水マレイン酸29.4g(0.3モル)および70重
量%グリコール酸水溶液32.6g(0.3モル)を水
60gに溶解させ、さらに酸化ランタン2.4g(0.
0074モル)を添加した。次に、この反応混合物を攪
拌しながら水酸化ナトリウムを徐々に添加し、反応混合
物のpHを10に調整して、90℃で2時間反応させた
後、約20mgのカルボキシメトキシコハク酸ナトリウ
ム(CMOS)の粉末を添加し、反応温度を80℃にし
て反応を継続させた。CMOSの添加後、反応混合物は
徐々に白濁し、約8時間後に反応混合物を液体高速クロ
マトグラフィー(HPLC)で分析した結果、CMOS
が仕込んだマレイン酸に対して、94.8モル%の収率
で得られた。
圧下で留去させた後、反応温度を80℃にして反応を開
始した。反応開始から2.5時間後からCMOSの結晶
が析出し始めて、さらに6時間反応を継続させ、CMO
Sが仕込んだマレイン酸に対して、95.6モル%の収
率で得られた。
して90℃で2時間反応させた後、種結晶を添加するこ
となく、さらに80℃で6時間反応を継続した。反応途
中で結晶の析出は見られず、反応終了後の反応混合物を
液体高速クロマトグラフィー(HPLC)で分析した結
果、CMOSが仕込んだマレイン酸に対して、79モル
%の収率で得られた。
は、副反応を抑制し、エーテル化合物を高収率で得させ
ることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】溶媒中で原料化合物を反応させることによ
りエーテル化合物を生成させる方法において、生成した
エーテル化合物を反応途中で析出させることにより反応
を促進することを特徴とする、エーテル化反応方法。 - 【請求項2】反応液中に種結晶を添加することによりエ
ーテル化合物を析出させる、請求項1に記載のエーテル
化反応方法。 - 【請求項3】溶媒を留去することによりエーテル化合物
を析出させる、請求項1または2に記載のエーテル化反
応方法。 - 【請求項4】前記溶媒は水性媒体であり、前記原料化合
物が、水酸基含有有機化合物と、カルボキシル基含有不
飽和有機化合物およびカルボキシル基含有エポキシ化合
物から選ばれた少なくとも1種のカルボキシル基含有有
機化合物とからなり、前記エーテル化合物がエーテルカ
ルボン酸塩である、請求項1から3までのいずれかに記
載のエーテル化反応方法。 - 【請求項5】前記水酸基含有有機化合物がグリコール酸
である、請求項4に記載のエーテル化反応方法。 - 【請求項6】前記カルボキシル基含有有機化合物がマレ
イン酸である、請求項4または5に記載のエーテル化反
応方法。
Priority Applications (6)
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