JP2000136162A - エーテルカルボン酸塩の製法 - Google Patents

エーテルカルボン酸塩の製法

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JP2000136162A
JP2000136162A JP10310141A JP31014198A JP2000136162A JP 2000136162 A JP2000136162 A JP 2000136162A JP 10310141 A JP10310141 A JP 10310141A JP 31014198 A JP31014198 A JP 31014198A JP 2000136162 A JP2000136162 A JP 2000136162A
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carboxyl group
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organic compound
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Yoshiaki Asakawa
美昭 浅川
Yasutaka Sumita
康隆 住田
Mitsuhiro Kitajima
光弘 北島
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Nippon Shokubai Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒の使用量を削減でき、反応混合物中のエ
ーテルカルボン酸塩を精製する別工程が不要で、簡便な
エーテルカルボン酸塩の製法を提供することである。 【解決手段】 エーテルカルボン酸塩の製法は、水性媒
体中で、アルカリ土類金属および亜鉛から選ばれた少な
くとも1種の元素を含む触媒の存在下に、水酸基含有有
機化合物と、カルボキシル基含有不飽和有機化合物およ
びカルボキシル基含有エポキシ化合物から選ばれた少な
くとも1種のカルボキシル基含有有機化合物とからなる
原料化合物をエーテル化反応させる、エーテルカルボン
酸塩の製法において、前記触媒の使用量が前記カルボキ
シル基含有有機化合物1モルに対し0.0001〜0.
1モルであり、前記原料化合物の濃度を60重量%以上
にして反応させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エーテルカルボン
酸塩の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】エーテルカルボン酸塩の一つであるカル
ボキシメトキシコハク酸ナトリウムは、無リンの洗剤ビ
ルダーとして有用であり、無水マレイン酸とグリコール
酸とを水性媒体中でランタン(III)イオンの存在下
に均一系反応させて得られることが報告されている(J
eroen van Westrenen et a
l.,J.Chem.Soc.Dalton Tran
s.,2723−2728(1988))。すなわち、
水中でグリコール酸ナトリウムとマレイン酸ナトリウム
とを三塩化ランタンの存在下、pH5〜9で反応させ
て、カルボキシメトキシコハク酸塩(ナトリウム塩およ
びランタン塩)を得る方法である。この方法では、ラン
タンイオン等の希土類元素イオンの触媒活性が高く、目
的物の選択率および収率が高いという点で優れている。
しかしながら、希土類元素は高価であり、製造コストの
低減を図るために、安価な触媒を使用して反応を行うこ
とが望まれていた。
【0003】上記と同じ均一系反応において、アルカリ
土類金属化合物である水酸化カルシウムの存在下に反応
させる方法が知られている(ケミカル・アブストラク
ト、75、89458(1971))。この方法では、
触媒としての水酸化カルシウムが安価であるが、多量に
用いるため、反応液中のカルシウムイオンを不溶性の塩
として除去し、カルボキシメトキシコハク酸ナトリウム
を精製する工程が必要であり、簡便な製法ではなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、触媒の使用量を削減でき、反応混
合物中のエーテルカルボン酸塩を精製する別工程が不要
で、簡便なエーテルカルボン酸塩の製法を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために鋭意検討した結果、上記水酸化カルシウ
ムを触媒として用いた従来例では、原料化合物としての
無水マレイン酸およびグリコール酸の濃度が低く、その
ために触媒を多量に用いているというと結論づけた。そ
して、原料化合物の濃度を高くすれば、触媒量を削減で
きるという知見を得て、本発明を完成した。
【0006】したがって、本発明にかかるエーテルカル
ボン酸塩の製法は、水性媒体中で、アルカリ土類金属お
よび亜鉛から選ばれた少なくとも1種の元素を含む触媒
の存在下に、水酸基含有有機化合物と、カルボキシル基
含有不飽和有機化合物およびカルボキシル基含有エポキ
シ化合物から選ばれた少なくとも1種のカルボキシル基
含有有機化合物とからなる原料化合物をエーテル化反応
させる、エーテルカルボン酸塩の製法において、前記触
媒の使用量が前記カルボキシル基含有有機化合物1モル
に対し0.0001〜0.1モルであり、前記原料化合
物の濃度を60重量%以上にして反応させることを特徴
とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明にかかるエーテルカルボン
酸塩の製法は、原料化合物をエーテル化反応させる方法
であり、水性媒体中で、触媒の存在下に行われる。原料
化合物は、水酸基含有有機化合物と、カルボキシル基含
有不飽和有機化合物およびカルボキシル基含有エポキシ
化合物から選ばれた少なくとも1種のカルボキシル基含
有有機化合物とからなる。
【0008】水酸基含有有機化合物としては、ヒドロキ
シカルボン酸化合物、多価アルコール化合物、炭素数6
〜22の高級アルコール化合物および糖類を挙げること
ができ、これらの水酸基含有有機化合物をさらに具体的
に説明すると次のとおりである。ヒドロキシカルボン酸化合物 (a)下記一般式(1)で表される化合物。
【0009】
【化1】
【0010】式中、R1およびR2は、各々独立して、水
素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは水
素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ア
ンモニウム基、アルキルアンモニウム基またはアルカノ
ールアンモニウム基を表し、mは1〜10の整数を表
す。代表例としては、グリコール酸、β−ヒドロキシプ
ロピオン酸、乳酸などを挙げることができる。
【0011】(b)下記一般式(2)で表される化合
物。
【0012】
【化2】
【0013】式中、R3は水素原子または炭素数1〜3
のアルキル基を表し、nは1〜10の整数を表し、そし
てXは一般式(1)におけると同意義である。代表例と
してはグリセリン酸、グルコン酸などを挙げることがで
きる。 (c)下記一般式(3)で表される化合物。 OH−CH2−(CH2−O−CH2)p−COOX ・・・(3) 式中、pは1〜10の整数を表し、Xは一般式(1)に
おけると同意義である。代表例としては、ジエチレング
リコールモノカルボン酸などを挙げることができる。
【0014】(d)下記一般式(4)で表される化合
物。
【0015】
【化3】
【0016】式中、R4およびR5は、各々独立して、水
素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R6
水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、または水酸基を
表し、そしてXは一般式(1)におけると同意義であ
る。代表例としては、リンゴ酸、酒石酸などを挙げるこ
とができる。 (e)下記一般式(5)で表される化合物。
【0017】
【化4】
【0018】式中、R7は水素原子または炭素数1〜3
のアルキル基を表し、Xは一般式(1)におけると同意
義である。代表例としては、タルトロン酸などを挙げる
ことができる。 (f)下記一般式(6)で表される化合物。
【0019】
【化5】
【0020】式中、R8、R9、R10およびR11は、各々
独立して、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を
表し、Xは一般式(1)におけると同意義である。代表
例としては、クエン酸などを挙げることができる。多価アルコール化合物 (a)下記一般式(7)で表される化合物。
【0021】
【化6】
【0022】式中、R12〜R15は、各々独立して、水素
原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。代表例と
しては、エチレングリコール、イソプロピレングリコー
ルなどを挙げることができる。 (b)上記一般式(7)の化合物の2〜10の縮合体。 代表例としては、ジエチレングリコールなどを挙げるこ
とができる。
【0023】(c)グリセリンおよびその誘導体。 代表例としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリ
セリンなどを挙げることができる。 (d)ソルビトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトールなど。炭素数6〜22の高級アルコール化合物(R−OH) 代表例としては、Rがヘキシル、ヘプチル、オクチル、
ノニル、デシル、ウンデシル、ラウリル、ミリスチル、
パルミチル、ステアリル、アラキジル、ベヘニル、オレ
イル、リノール、リノレニル、2−エチルヘキシルなど
であるアルコール類を挙げることができる。糖類 代表例としては、グルコース、マンノース、ガラクトー
ス、フラクトース、ラクトース、ショ糖などを挙げるこ
とができる。
【0024】エーテル化反応方法で使用されるカルボキ
シル基含有不飽和有機化合物としては、不飽和モノカル
ボン酸、不飽和ジカルボン酸等を挙げることができ、こ
れらのカルボキシル基含有不飽和有機化合物をさらに具
体的に説明すると次のとおりである。不飽和モノカルボン酸化合物 (a)下記一般式(8)で表される化合物。
【0025】
【化7】
【0026】式中、R16〜R18は、それぞれ独立して、
水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、X
は一般式(1)におけると同意義である。代表例として
は、アクリル酸、メタクリル酸などを挙げることができ
る。不飽和ジカルボン酸化合物 (a)下記一般式(9)で表される化合物。
【0027】
【化8】
【0028】式中、R19およびR20は、それぞれ独立し
て、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表
し、Xは一般式(1)におけると同意義である。代表例
としては、マレイン酸などを挙げることができる。な
お、この不飽和ジカルボン酸は無水物であってもよい。
カルボキシル基含有エポキシ化合物としては、下記のエ
ポキシ化合物を挙げることができる。下記一般式(10)で表される化合物
【0029】
【化9】
【0030】式中、R21〜R24は、各々独立して、水素
原子、炭素数1〜10のアルキル基、または−(C
2)n−COOX(ここで、nは0〜10の整数であ
り、Xは一般式(1)におけると同意義である)を表
し、その少なくとも1つは−(CH2)n−COOXで
ある。代表例としては、グリシド酸、エポキシコハク酸
などを挙げることができる。
【0031】本発明の製法の好適な態様としては、たと
えば、下記水酸基含有有機化合物(A)と、下記カルボ
キシル基含有不飽和有機化合物(B1)および/または
下記カルボキシル基含有エポキシ化合物(B2)とをエ
ーテル化反応させる方法を挙げることができる。水酸基
含有有機化合物(A)としては、たとえば、グリコール
酸、β−ヒドロキシプロピオン酸、乳酸、グリセリン
酸、グルコン酸、ジエチレングリコールモノカルボン
酸、リンゴ酸、酒石酸、タルトロン酸、クエン酸などの
ヒドロキシカルボン酸;エチレングリコール、イソプロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトールなどの多価アルコール;炭素数6〜22
の高級アルコール;グルコース、マンノース、ガラクト
ース、フラクトース、ラクトース、ショ糖などの糖類か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物や、これらの化合物
のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム
塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウ
ム塩等を挙げることができる。これらのうちでも、グリ
コール酸、リンゴ酸、酒石酸およびタルトロン酸から選
ばれる少なくとも1種の化合物、これらの化合物のアル
カリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ア
ルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩等
が好ましい。
【0032】カルボキシル基含有不飽和有機化合物(B
1)としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸な
どの不飽和モノカルボン酸;(無水)マレイン酸などの
不飽和ジカルカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の
化合物や、これらの化合物のアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム
塩、アルカノールアンモニウム塩等を挙げることができ
る。これらのうちでも(無水)マレイン酸、マレイン酸
のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム
塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウ
ム塩等が好ましい。
【0033】カルボキシル基含有エポキシ化合物(B
2)としては、たとえば、グリシド酸およびエポキシコ
ハク酸から選ばれる少なくとも1種の化合物や、これら
の化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アン
モニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールア
ンモニウム塩等を挙げることができる。これらのうちで
も、エポキシコハク酸、そのアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム
塩、アルカノールアンモニウム塩等が好ましい。
【0034】原料化合物中の水酸基含有有機化合物とカ
ルボキシル基含有有機化合物との割合については特に限
定はないが、好ましくは、水酸基含有有機化合物/カル
ボキシル基含有有機化合物(モル比)が0.5〜2の範
囲、さらに好ましくは0.8〜1.2の範囲である。上
記モル比が0.5未満または2を超えると、一方の原料
化合物が反応終了時に残存するようになり、これを除去
する精製工程が必要になるおそれがある。
【0035】上記原料化合物の濃度は、反応中、60重
量%以上、好ましくは65重量%以上、さらに好ましく
は70重量%以上に設定される。原料化合物の濃度が、
60重量%未満であると、エーテル化反応が進行しにく
くなる。本発明の製法で使用される触媒としては、アル
カリ土類金属および亜鉛から選ばれた少なくとも1種の
元素を含む、均一系触媒を挙げることができる。これら
の触媒は、通常、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸
塩、塩化物、酸化物、水酸化物等の形態になっている。
【0036】アルカリ土類金属としては、たとえば、カ
ルシウム、マグネウシム、ベリリウム、ストロンチウ
ム、バリウム、ラジウム等を挙げることができ、これら
のうちでも、生成物に着色が見られず、安価であるた
め、カルシウムが好適に用いられる。触媒の使用量は、
カルボキシル基含有有機化合物1モルに対し0.000
1〜0.1モル、好ましくは0.0002〜0.1モ
ル、さらに好ましくは0.0005〜0.08モル、最
も好ましくは0.001〜0.05モルである。触媒の
使用量がカルボキシル基含有有機化合物1モルに対し
0.0001モル未満であると、エーテル化反応が進行
しにくくなる。他方、触媒の使用量が0.1モルを超え
ると、反応後に水不溶の塩として触媒を除去し、エーテ
ルカルボン酸塩を精製する別工程が必要になる。
【0037】本発明で使用される水性媒体としては、一
般に水が使用されるが、適宜、アルコール類、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、
ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサ
メチレンホスホリックトリアミドなども使用されること
がある。上記水性媒体のpHは、反応中、好ましくは9
〜13、さらに好ましくは10〜13、最も好ましくは
11.5〜12.5である。水性媒体のpHが、反応中
9以下であると、触媒が生成物の塩として消費されてし
まい、エーテル化反応が進行しなくなるおそれがある。
他方、水性媒体のpHが、反応中13を超えると、生成
物の分解反応が促進されるおそれがある。
【0038】本発明の製法は、水性媒体中で反応が行わ
れ、原料化合物、触媒および水性媒体を含む原料混合物
の調製方法等については特に限定はないが、たとえば、
原料化合物および/またはその前駆体と、水性媒体とを
混合して、一旦、この混合物のpHを6未満、好ましく
はpH4未満に調整した後、触媒を溶解させ、次に、塩
基性物質をさらに添加して、pHを9〜13の範囲に調
整して、原料混合物を調製する方法を挙げることができ
る。上記で、原料化合物の前駆体とは、塩基性物質を添
加することによって、原料化合物が生成する化合物のこ
とである。
【0039】上記塩基性物質としては、たとえば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物;アンモニア、モノエチルアミン、ジエチルアミン、
モノエタノールアミン等のアンモニウム性塩基などが用
いられるが、特に水酸化ナトリウムが好適に用いられ
る。上記pH調整後に、この範囲のpHで、原料混合物
のエーテル化反応を行うが、この反応では、40〜15
0℃、好ましくは70〜120℃の範囲の温度に加熱す
ることにより容易に進行する。反応は十分に攪拌しなが
ら行うのがよい。
【0040】反応圧力は常圧または加圧のいずれでもよ
いが、通常、常圧下で反応は行われる。上記エーテル化
反応後、使用した触媒量が少ないため、反応後の反応液
中のカルシウムイオンを不溶性の塩として除去する工程
は不要であり、特段、エーテルカルボン酸塩を精製する
工程を設けることなく、水性媒体の留去等を行って、エ
ーテルカルボン酸塩を単離することができる。
【0041】本発明の製法では、使用した触媒量は少な
いが、アルカリ土類金属および亜鉛から選ばれた少なく
とも1種の元素を水不溶性塩として分離、回収すること
もできる。この水不溶性塩としては、たとえば、アルカ
リ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物、炭
酸亜鉛、水酸化亜鉛等を挙げることができる。アルカリ
土類金属の炭酸塩や、炭酸亜鉛は、反応後の反応液に、
たとえば、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカ
リ金属の炭酸塩;カルウシム、マグネシウム等のアルカ
リ土類金属の炭酸塩;モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン等のアルキルアミンの炭酸塩;モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等のアルカノールアミンの炭酸塩;エチレン
ジアミン、トリエチレンジアミン等のポリアミンの炭酸
塩;炭酸アンモニウム等のアンモニウム性炭酸塩等のア
ルカリ性の炭酸塩を混合して、反応液中の希土類元素イ
オンを炭酸塩に変換することによって得られる。上記ア
ルカリ性の炭酸塩の添加量は、アルカリ土類金属イオン
や亜鉛イオンを炭酸塩に変換するのに十分な量であれば
よく、その具体的な量は使用した上記イオンの量から容
易に決定することができる。なお、この場合、反応液の
pHが少なくとも8以上、特に9〜14の範囲となるよ
うな量のアルカリ性炭酸塩を混合するのがよい。
【0042】反応液とアルカリ性の炭酸塩を混合する方
法は特に限定されず、反応液中にアルカリ性の炭酸塩の
粉末または水溶液を添加してもよく、アルカリ性の炭酸
塩の粉末または水溶液中に反応液を添加しても良い。混
合時の温度も特に限定されないが、目的とするエーテル
カルボン酸の分解を抑制するためには反応温度以下、特
に40〜90℃が好ましい。
【0043】アルカリ土類金属の炭酸塩や、炭酸亜鉛
は、反応生成物であるエーテルカルボン酸塩を含む、中
性ないしはアルカリ性の水溶液中には難溶であって、ろ
過などの通常の分離手段によって容易に反応液から分離
することができるので、好ましい。上記反応液から分離
した水不溶性塩は、新たなエーテル化反応用のアルカリ
土類金属や亜鉛の供給源として再使用でき、前記エーテ
ル化反応を繰り返し行うことができる。
【0044】本発明のエーテルカルボン酸の製法とし
て、グリコール酸を水酸基含有有機化合物として用い、
マレイン酸をカルボキシル基含有不飽和有機化合物とし
て用いた場合と、グリコール酸を水酸基含有有機化合物
として用い、エポキシコハク酸をカルボキシル基含有エ
ポキシ化合物として用いた場合とを例にして、それぞれ
の化学反応式を示すと次のとおりである。なお、これら
の式においては、カルボン酸塩は相当するカルボン酸と
して示している。グリコール酸とマレイン酸との反応
【0045】
【化10】
【0046】グリコール酸とエポキシコハク酸との反応
【0047】
【化11】
【0048】本発明の方法によって得られるエーテルカ
ルボン酸塩は、原料化合物が特定されていると、上記式
にしたがって容易に特定することができる。なお、この
ようにして得られたエーテルカルボン酸塩は、通常、そ
の一部または全てのカルボキシル基がアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、アルキルアミン塩基、アルカノールア
ミン塩基、ポリアミン塩基、アンモニウム塩基等で置換
されたものである。
【0049】上で得られたエーテルカルボン酸塩、特に
ナトリウム塩は、前記のとおり、洗剤用ビルダーとして
有用なのものであり、各種の洗剤組成物に利用すること
ができる。その他、キレート剤などとして使用すること
ができる。
【0050】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
更に具体的に説明する。 −実施例1− 無水マレイン酸19.6g(0.2モル)を水50gに
溶解させた後、70重量%グリコール酸水溶液21.7
gと水酸化カルシウム0.74g(0.01モル)とを
添加し、室温下、均一になるまで攪拌した。攪拌後、水
酸化ナトリウムを用いて、攪拌して得られた上記混合液
のpHを12に調整した。この時の原料化合物(マレイ
ン酸2ナトリウム塩およびグリコール酸2ナトリウム
塩)の合計重量は51.6gであった。次いで、原料化
合物を含む液の全重量が73gになるまで濃縮して、原
料化合物の濃度を約70重量%に調整した後、80℃で
10時間反応を行った。反応終了後、炭酸ナトリウム
2.1gを加え、60℃で1時間攪拌した後、析出した
炭酸カルシウムを主成分とする固体(1)をろ過操作に
より分離、回収し、ろ液を高速液体クロマトグラフィー
で分析したところ、カルボキシメトキシコハク酸トリナ
トリウム塩(CMOS−3Na)が、80.2モル%の
収率で得られた。なお、CMOS−3Naの同定は、1
H−NMRおよび1 3C−NMRにより行った。
【0051】−実施例2− 無水マレイン酸19.6gを水50gに溶解させた後、
70重量%グリコール酸水溶液21.7gと実施例1で
分離、回収した固体(1)とを添加し、室温下、均一に
なるまで攪拌した。攪拌後、水酸化ナトリウムを用い
て、攪拌して得られた上記混合液のpHを12に調整
し、原料化合物(マレイン酸2ナトリウム塩およびグリ
コール酸2ナトリウム塩)を含む液の全重量が73gに
なるまで濃縮した後、80℃で10時間反応を行った。
反応終了後、実施例1と同様の操作を行い、ろ液中にカ
ルボキシメトキシコハク酸トリナトリウム塩(CMOS
−3Na)が、81.0モル%の収率で得られた。
【0052】−比較例1− 実施例1で、原料化合物を含む液の全重量が100gに
なるまで濃縮して、原料化合物の濃度を約52重量%に
調整する以外は、実施例1と同様に反応を行い、カルボ
キシメトキシコハク酸トリナトリウム塩(CMOS−3
Na)が、58.2モル%の収率で得られた。
【0053】
【発明の効果】本発明にかかるエーテルカルボン酸塩の
製法は、触媒の使用量を削減でき、反応混合物中のエー
テルカルボン酸塩を精製する別工程が不要で、簡便であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 北島 光弘 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC43 BA06 BA07 BC34 BP10 BS10 4H039 CA61 CF10 CF90

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性媒体中で、アルカリ土類金属および亜
    鉛から選ばれた少なくとも1種の元素を含む触媒の存在
    下に、水酸基含有有機化合物と、カルボキシル基含有不
    飽和有機化合物およびカルボキシル基含有エポキシ化合
    物から選ばれた少なくとも1種のカルボキシル基含有有
    機化合物とからなる原料化合物をエーテル化反応させ
    る、エーテルカルボン酸塩の製法において、 前記触媒の使用量が前記カルボキシル基含有有機化合物
    1モルに対し0.0001〜0.1モルであり、前記原
    料化合物の濃度を60重量%以上にして反応させること
    を特徴とする、エーテルカルボン酸塩の製法。
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