JPH11348172A - 光触媒フィルム及びその製造方法 - Google Patents

光触媒フィルム及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11348172A
JPH11348172A JP10160157A JP16015798A JPH11348172A JP H11348172 A JPH11348172 A JP H11348172A JP 10160157 A JP10160157 A JP 10160157A JP 16015798 A JP16015798 A JP 16015798A JP H11348172 A JPH11348172 A JP H11348172A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
photocatalyst
film
oxide
vapor deposition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10160157A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4121620B2 (ja
Inventor
Yasushi Yamada
泰 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP16015798A priority Critical patent/JP4121620B2/ja
Publication of JPH11348172A publication Critical patent/JPH11348172A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4121620B2 publication Critical patent/JP4121620B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒層を設けたプラスチックフィルムが、
光触媒フィルムとして使用されたとき、上記プラスチッ
クフィルムが、光触媒の作用によって分解したり、劣化
したりしない透明な光触媒フィルム及びその製造方法の
提供を課題とする。 【解決手段】基材フィルム1の一方の側に、厚みが10
0〜2000Åのケイ素酸化物又はアルミニウム酸化物
からなる蒸着層2及び酸化チタンを主成分とする光触媒
層3からなる光触媒フィルム10であって、上記の蒸着
層2がアルミニウム及び/又はケイ素の少なくとも1種
類の無機酸化物を物理蒸着法により連続して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光活性作用が高
く、脱臭、殺菌、汚染防止、藻類の成育を抑制する触媒
層を含む光触媒フィルムにおいて、光触媒の作用によっ
て基材フィルムが劣化したり、光触媒層が脱落したりし
ない安定した光触媒フィルムの提供を課題とするもので
ある。
【0002】
【従来技術】紫外線のエネルギーによって、化学物質か
ら発生する臭いの除去、細菌、藻類や黴の成育を抑制し
て水処理や太陽電池の受光部ガラスの汚染防止や、建
材、家具、家電製品などの表面に於ける黴防止や、細菌
的汚染を抑制するために光触媒フィルムが使用されてき
た。そして、表面に付着する化学物質の分解や微生物の
成育の抑制を促進する光触媒にはアナターゼ型酸化チタ
ンなどが多用されている。光触媒は粉末状もしくは溶液
に懸濁させる方が触媒活性は高いが、実用的には触媒の
微粒子をバインダーで固着させた光触媒層を透明なフィ
ルム状の担体に設け、太陽電池受光部や、建材、家具、
家電製品などの表面に貼着や積層して設けて使用される
ことが多い。
【0003】光触媒フィルムは、光触媒の微粒子を含む
光触媒層を基材フィルムとしてニトロセルロース、ポリ
ビニルブチラール、アクリル酸及び/又はメタアクリル
酸エステルの共重合体、塩化ビニル系共重合体、ポリプ
ロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・
アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共
重合体、アイオノマー、ポリアミド、ポリエステルなど
の延伸又は未延伸フィルムに光触媒層を形成して供され
ていた。また、ガラス又はセラミックなどの無機高分子
のシートや板に光触媒層を直接形成することも行われて
いた。
【0004】しかしながら、上記物質のなかで有機物を
基材フィルムとした場合、光触媒層の触媒作用によって
基材フィルムを劣化したり、分解したりして触媒層が脱
落するなどの問題点があった。光触媒とプラスチックフ
ィルムとの十分な接着を得ることが困難であった。そし
て、接着を強固にするためには基材フィルムにテトラメ
トキシシランなどのシリカゾルを塗工し、加熱処理、ア
ルカリ処理などでゲル化を行う方法もある。しかしなが
ら、加熱処理は、塗工材を100℃以上の高温で長時間
処理の必要があり、またアルカリ処理はアミンのように
アルカリ雰囲気下でゲル化処理を行う必要がある。した
がってフィルムにこのような特殊な処理を施すには、極
めて特殊な乾燥装置・ゲル化装置が必要である。そし
て、このようにして光触媒を施しても有機物である基材
フィルムは、光触媒の作用によって分解したりして触媒
層が脱落したりするなどの問題点は避けることができな
いものである。また、基材がセラミックなどの無機物の
場合でも、光触媒層のバインダーに有機高分子を使用す
ると、光触媒の粒子表面がバインダーで被覆されるため
に触媒としての活性が低下されるばかりでなく、バイン
ダーも触媒作用によって劣化したり、分解したりして触
媒層が基材から脱落するなどの問題点があった。
【0005】基材が無機物の場合は、触媒を有機物を全
く存在しない状態でスパッタリングで形成したり、アル
キルチタネートを塗工・焼成して形成したり、チタニア
ゾルのスプレー・焼成したりして、光触媒層を無機物に
形成している。しかしながら、基材上での光触媒粒子の
生成は、結晶化及び基材との接着を確実にするために、
場合によっては200℃を超える高温度の焼成が必要で
あり、大面積の光触媒フィルムを形成できないばかりで
なく、製造コストが高いという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するために、有機物である透明なプラスチックフ
ィルムに、光触媒層を形成して、光触媒フィルムとして
供されても基材フィルムが光触媒の作用によって分解し
たり、劣化したりしない透明な光触媒フィルムの提供を
課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに本発明は、図1に示すとおり基材フィルム1の一方
の面に、厚みが100〜2000Åのケイ素酸化物又は
アルミニウム酸化物からなる蒸着層2、及び酸化チタン
を主成分とする光触媒層3とからなる光触媒フィルム1
0であって、上記蒸着層2がアルミニウム及び/又はケ
イ素の中の少なくとも1種類の酸化物を連続して含む光
触媒フィルムである。また、SiOx のxが1.5乃至
2.0であり、若しくはAlOx のxが1.0乃至1.
5である光触媒フィルム10である。
【0008】そして、上記の蒸着層2が、アルミニウム
及び/又は、ケイ素の少なくとも1種類の酸化物を連続
して含む層を物理蒸着法で形成する光触媒フィルム10
の製造方法である。また、図2に示すように上記の蒸着
層2に更にチタニウム、アルミニウム、ケイ素、水素又
は酸素の少なくとも2種以上の元素からなる無機プライ
マー層4、及び酸化チタンを主成分とする光触媒層3を
塗工形成する光触媒フィルム10の製造方法である。
【0009】
【発明の実施形態】本発明の光触媒フィルムを構成する
基材フィルムは、透明なプラスチックフィルムで、かつ
物理蒸着法を施せるとともに耐久性に優れた材料から選
択する。例えば、酢酸セルロース、ニトロセルロース
(セルロイド)、ポリビニルブチラール、アクリル酸及
び/又はメタアクリル酸エステルの共重合体、塩化ビニ
ル系共重合体、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル
共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・
アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリエステル、エチレン・酢酸ビニル
共重合体ケン化物などの延伸あるいは未延伸フィルムで
ある。基材フィルムの厚みは、材質や製造方法にもよる
が、10〜200μm好ましくは15〜50μmであ
る。
【0010】本発明の蒸着層は、透明性をもつととも
に、光触媒が基材フィルムに影響を与えないように相互
の接触を阻害するものである。そして、蒸着層の厚みが
3000Å以上では、透明性が欠けるばかりでなく可撓
性をも損なうことになる。したがって、蒸着層の厚みは
100〜2000Åである。
【0011】蒸着層が、基材フィルムと十分な接着をも
つために、図3に示すように、基材フィルム1にプライ
マー層5を設け、更に蒸着層2及び光触媒層3を形成す
ることが好ましい。プライマー層は、耐候性をもつ材料
を基材フィルムに0.5〜5g/m2 塗工し均一な塗膜
を設けるものである。使用される材料は、基材フィルム
の種類にもよるが、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合
体、線状ポリエステル、ポリエーテルやこれらをポリイ
ソシアネートで硬化したもの、ウレタン、エポキシ樹
脂、特に無水マレイン酸による酸硬化物やポリイソシア
ネートによる硬化物が適用できる。また、プライマー層
に光安定剤を加えることもできる。
【0012】蒸着層は、光触媒の活性が基材フィルムに
及ぶことを阻止するバリア作用をもち、かつ透明な蒸着
層が好ましい。バリア作用を奏する蒸着層は100Å以
上が必要であり、200Åに達しないときは、バリア作
用の効果を奏することができず、結果として基材フィル
ムが触媒の作用で劣化することになる。透明な蒸着層を
構成する材料は、金属酸化物が好ましく、AlOx 、S
iOx、酸化インジウム、酸化マグネシウムなどがあ
り、好ましくは物理蒸着法によって形成されたAl
x 、SiOx の厚みが100〜2000Åのものであ
る。そして、蒸着層と光触媒層との接着を強固にする目
的で、必要に応じてコロナ放電処理や、プラズマ処理を
施すことが好ましい。
【0013】SiOx のxは、1.4以下の場合や、
2.1以上になると、蒸着層と光触媒層との接着が低下
する。したがって、xは、1.5〜2.0のものが好ま
しく使用できる。また、AlOx のxは、0.9以下の
場合や、1.6以上になると蒸着層と光触媒層との接着
が低下する。したがって、xは、1.0〜1.5のもの
が好ましく使用できる。
【0014】単なる金属酸化物の蒸着層は、通常、基材
フィルムとの接着や、光触媒層との接着が十分でないこ
とが多い。したがって、前述のように基材フィルムと蒸
着層との接着強化にはプライマー層を設けて形成するこ
ともある。しかしながら、蒸着層の面に設け、光触媒層
と直接接触する通常の有機化合物からなるプライマー層
は、短期的には活性化された光触媒によって分解されそ
のプライマー層としての作用を喪失し、光触媒層が剥離
することになる。したがって、本発明の無機プライマー
層は、光触媒の作用によって分解されない骨格に炭素を
含まない化合物から選択されるものである。例えば、有
機チタン化合物で代表されるアルキルチタネート(テト
ライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、
テトラステアリルチタネート)やチタンアシレート、チ
タンキレートなどの加水分解生成物がある。好ましく
は、加水分解速度が極めて早いテトライソプロピルチタ
ネート、テトラブチルチタネートである。その他、無機
ポリシラザン(ペルヒドロポリシラザン)などの無機ポ
リマーも使用することができる。
【0015】上記の他に、無機プライマー層や後述の光
触媒層の構成要素としては次のものがある。メチルトリ
クロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ
イソロプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラ
ン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリイソロプロポキシシラン、エチルトリ
t−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、
n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメト
キシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プ
ロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt
−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n
−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキ
シシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキ
シルトリイソポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブト
キシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシル
トリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n
−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソポキ
シシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オ
クタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブ
ロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n
−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシル
トリイソポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブト
キシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリ
ブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、フェニルトリイソポキシシラン、
フェニルt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テ
トラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエト
キシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロ
ムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジ
ブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、
フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメト
キシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリク
ロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメト
キシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイ
ソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシ
ラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt
−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシ
ラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロ
ピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブ
トキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリイソプロポエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラ
ン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシ
シラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキ
シシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプ
ロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシ
シラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ
シシランなどがある。そして上記の部分加水分解物、及
びそれらの混合物を使用することができる。
【0016】光触媒としての活性をもつ化合物は、Ti
2 、ZnO、SrTiO3 、CdS、CaP、In
P、GaAs、BaTiO3 、K2 TiO3 、K2 Nb
3 、Fe2 3 、Ta2 3 、WO3 、SnO2 、B
2 3 、NiO、Cu2 0、SiC、SiO2 、Mo
2 、InPb、RuO2 、CeO2 などや、これらに
Pt、Rh、RuO2 、Nb、Cu、Sn、Ni、Fe
などの金属及び/又はこれらの金属酸化物とを混合した
組成物を使用できる。光触媒層の塗工液に含まれる光触
媒粉末、若しくはゾルに含まれる粒子の含有量は多いほ
ど触媒としての活性が高くなるが、蒸着層との接着や塗
工適性(粉末が多いと塗工液がダイラタンテシテイを示
す)が低下するばかりでなく、光触媒層が脆くなった
り、蒸着層との層間の接着強度が低下し脱落したりする
ことがある。したがって、光触媒の密度、粒形状にもよ
るが0.1〜30重量%が好ましい。
【0017】光触媒層の塗工液にバインダーは、アクリ
ル・シリコーン樹脂、エポキシ・シリコーン樹脂などの
耐光性に優れた材料から選択する。光触媒層の塗工は、
その粘度や、乾燥・硬化条件によっても異なるが、材料
に応じて通常の方法で設けることができる。例えば、グ
ラビア版を用いたグラビアコート、ゴムあるいはスチー
ルロールによるロールコート、エアナイフコート、スプ
レーコート、スピンコート、ディップコートなどから適
宜に選択できる。光触媒層の触媒粒子の径が、40nm
以下のものであり、硬化後の比表面積が50m2 /g以
上の金属酸化物及び/又は水酸化物のゾルを用いた光触
媒層の全光線透過率は70%以上となる。また波長が5
50nmの全光線透過率が70%以上の透明な基材フィ
ルムを用いた場合、透過した可視光線を証明として利用
できる。
【0018】以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細
に説明する。 (実験例 1〜5)基材フィルム1として、厚み20μ
mのポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルムの
片面にアルミニウムを蒸着源に用いて、電子線加熱方式
による真空蒸着法により、表1に示す厚みの蒸着層2を
形成した。その直後、グロー放電プラズマ発生装置を用
いて、プラズマ出力1500Wとし、混合ガスの比率O
2 :Ar=19:1、圧力を6×10-5Toor、処理
速度420m/minで、酸素/アルゴン混合ガスプラ
ズマ処理を施した。上記の蒸着層2に酸化チタン微粒子
(結晶粒子径27nm)20重量部、シリカゾル(15
0℃乾燥後の比表面積180m2 /g)20重量部とテ
トラエトキシシランを60重量部とからなる光触媒塗工
液をグラビアコートで1g/m2 塗工し光触媒層3を設
けた実験例1〜5の光触媒フィルム10を構成した。
【0019】
【表1】
【0020】(実験例 6〜10)基材フィルム1とし
て、厚み20μmのポリエチレンテレフタレートの二軸
延伸フィルムの片面にSiOx を蒸着源に用いて、電子
線加熱方式による真空蒸着法により、表2に示す厚みの
蒸着層2を形成した。その直後、グロー放電プラズマ発
生装置を用いて、プラズマ出力1500Wとし、混合ガ
スの比率O2 :Ar=19:1、圧力を6×10-5To
or、処理速度420m/minで、酸素/アルゴン混
合ガスプラズマ処理を施した。上記の蒸着層2に酸化チ
タン微粒子(結晶粒子径27nm)20重量部、シリカ
ゾル(150℃乾燥後の比表面積180m2 /g)20
重量部とテトラエトキシシランを60重量部とからなる
光触媒塗工液をグラビアコートで1g/m2 塗工し光触
媒層3を設け実験例6〜10 の光触媒フィルム10を
構成した。
【0021】
【表2】
【0022】(実験例 11〜12)実験例3及び8で
作成した蒸着層2の面にイソプピルチタネートのトルオ
ール溶液を塗工し加湿下で乾燥・加水分解して図2に示
す無機プライマー層3を設けた。更に上記の無機プライ
マー層3に上記の実験例で用いた光触媒塗工液をグラビ
アコートで1g/m2 塗工し光触媒層3を設け実験例1
1〜12の光触媒フィルム10を構成した。
【0023】(実験例 13〜14)実験例3及び8で
作成した蒸着層2の面にポリシラザンのキシレン溶液を
塗工し加湿下で乾燥加水分解して、図2に示す無機プラ
イマー層3を設けた。更に上記の無機プライマー層3に
上記の実験例で用いた光触媒塗工液をグラビアコートで
1g/m2 塗工し光触媒層3を設け実験例13〜14の
光触媒フィルム10を構成した。
【0024】(比較例 1)上記のポリエチレンテレフ
タレートフィルムを用いて、蒸着層を設けないで、フィ
ルムに直接上記実験例で使用した光触媒塗工液を実験例
と同様に塗工し光触媒層3を設け実験例比較例1の光触
媒フィルム10を構成した。
【0025】(比較例 2)上記のポリエチレンテレフ
タレートフィルムを用いて、実験例11で用いたイソプ
ピルチタネートのトルオール溶液を塗工し加湿下で乾燥
・加水分解して無機プライマー層を設けた。更に上記の
無機プライマー層に上記の実験例と同様に光触媒層を設
け比較例2の光触媒フィルムを構成した。
【0026】上記の実験例及び比較例で作成した光触媒
フィルムを次の方法で評価・比較を行った。その評価の
結果を3に示す。 ・全光線透過率 基材フィルムを基準とし、各光触媒フィルムを、550
nmも全光線透過率を自記分光光度計を用いて測定し
た。 ・耐候試験 光触媒フィルムの触媒層側に、サンシャインカーボンア
ークウェザーメーターを用いて、500時間の照射後の
基材フィルムの劣化程度(抗張力及び延び)を照射前の
ものと比較する。また、光触媒層の密着強度の変化をJ
IS K5400に準拠し、塗膜面に縦横各11本の切
り込みを入れ、縦横各10列の碁盤目を形成し、その面
にセロハン粘着テープ〔セロテープ LD18 ニチバ
ン(株)製 商品名〕を貼着した後、180°方向の剥
離テストを行い、その剥離数(n/100)のnを計数
する。 ・抗菌性試験(参考) 100mm×100mmに断裁した試料を125℃10
分間に相当する滅菌処理をした光触媒フィルムの光触媒
層の面に大腸菌を105個/mlの溶液を0.2ml滴
下する。そして、30℃に保ち、インキュベーターに設
けた螢光灯(15W×2本)を5時間照射する。所定の
照射後に試料を取り出し、滅菌生理食塩水を浸した滅菌
ガーゼで菌液を拭き取り、ガーゼを10mlの滅菌生理
食塩水に入れ攪拌した。この上澄み液を寒天培地に植え
つけ、36℃24時間培養後通常のコロニー数を計数し
た。
【0027】
【表3】
【0028】本発明の基材フィルムに透明な金属酸化物
の蒸着層を設けて形成した光触媒フィルムは、蒸着層が
もつバリア作用によって、活性のある光触媒と接するこ
とがない。したがって、上記の試験にも十分に耐える耐
久性に優れた効果を奏する光触媒フィルムの基材フィル
ムである。不特定多数の人が接する器具などで、透明な
光触媒フィルムを要求される窓ガラスや、計器盤、家電
製品、医療設備、OA機器、各種包装材料、表面の汚染
を嫌う園芸用フィルムなどに使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光触媒フィルムの基本的構成を示す断
面概略図である。
【図2】本発明の光触媒フィルムの他の構成を示す断面
概略図である。
【図3】本発明の光触媒フィルムの他の構成を示す断面
概略図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム 2 蒸着層 3 光触媒層 4 無機プライマー層 5 プライマー層 10 光触媒フィルム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの一方の面に、厚みが10
    0〜2000Åのケイ素酸化物又はアルミニウム酸化物
    からなる蒸着層、及び酸化チタンを主成分とする光触媒
    層とからなる光触媒フィルムであって、上記蒸着層がア
    ルミニウム及び/又はケイ素の中の少なくとも1種類の
    酸化物を連続して含むことを特徴とする光触媒フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のケイ素酸化物(SiO
    x )のxが1.5乃至2であることを特徴とする光触媒
    フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のアルミニウム(AlO
    x )のxが1.0乃至1.5であることを特徴とする光
    触媒フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、及び3に記載の蒸着層
    に、更にチタニウム、アルミニウム、ケイ素、炭素、水
    素又は酸素の少なくとも2種以上の元素からなるプライ
    マー層、及び酸化チタンを主成分とする光触媒層とから
    なることを特徴とする光触媒フィルム。
  5. 【請求項5】 基材フィルムの一方の面に、厚みが10
    0〜2000Åのケイ素酸化物又はアルミニウム酸化物
    からなる蒸着層、及び酸化チタンを主成分とする光触媒
    層とからなる光触媒フィルムであって、上記蒸着層が、
    アルミニウム及び/又は、ケイ素の少なくとも1種類の
    酸化物を連続して含む層を物理蒸着法で形成することを
    特徴とする光触媒フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の蒸着層に更にチタニウ
    ム、アルミニウム、ケイ素、炭素、水素又は酸素の少な
    くとも2種以上の元素からなる無機プライマー層、及び
    酸化チタンを主成分とする光触媒層を塗工形成すること
    を特徴とする光触媒フィルムの製造方法。
JP16015798A 1998-06-09 1998-06-09 光触媒フィルム及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4121620B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16015798A JP4121620B2 (ja) 1998-06-09 1998-06-09 光触媒フィルム及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16015798A JP4121620B2 (ja) 1998-06-09 1998-06-09 光触媒フィルム及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11348172A true JPH11348172A (ja) 1999-12-21
JP4121620B2 JP4121620B2 (ja) 2008-07-23

Family

ID=15709111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16015798A Expired - Fee Related JP4121620B2 (ja) 1998-06-09 1998-06-09 光触媒フィルム及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4121620B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000189795A (ja) * 1998-12-26 2000-07-11 Toto Ltd 光触媒性被膜形成用表面処理剤およびこの表面処理剤を用いた光触媒被膜の形成方法
JP2002248355A (ja) * 2001-02-27 2002-09-03 Ulvac Japan Ltd 光触媒装置
JP2008062117A (ja) * 2006-09-04 2008-03-21 Hirano Tecseed Co Ltd 光触媒フィルムシート及びその製造方法
JP2008142655A (ja) * 2006-12-12 2008-06-26 Asahi Kasei Chemicals Corp 水系光触媒組成物
JP2009131804A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 塗装体
JP2011116038A (ja) * 2009-12-03 2011-06-16 Hosokawa Yoko Co Ltd 積層体およびその製造方法
JP2012086104A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Asahi Kasei Chemicals Corp 光触媒組成物
WO2013022097A1 (ja) * 2011-08-10 2013-02-14 太陽化学工業株式会社 プライマー薄膜を含む構造体及び該構造体の製造方法
JP2013052561A (ja) * 2011-09-02 2013-03-21 Konica Minolta Advanced Layers Inc ガスバリア性フィルム及びガスバリア性フィルムの製造方法
JP2017193688A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 パンサーフェス株式会社 親水性付与剤、親水性被膜形成方法、親水性被膜、及び太陽光パネル

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000189795A (ja) * 1998-12-26 2000-07-11 Toto Ltd 光触媒性被膜形成用表面処理剤およびこの表面処理剤を用いた光触媒被膜の形成方法
JP2002248355A (ja) * 2001-02-27 2002-09-03 Ulvac Japan Ltd 光触媒装置
JP4590118B2 (ja) * 2001-02-27 2010-12-01 株式会社アルバック 光触媒装置
JP2008062117A (ja) * 2006-09-04 2008-03-21 Hirano Tecseed Co Ltd 光触媒フィルムシート及びその製造方法
JP2008142655A (ja) * 2006-12-12 2008-06-26 Asahi Kasei Chemicals Corp 水系光触媒組成物
JP2009131804A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 塗装体
JP2011116038A (ja) * 2009-12-03 2011-06-16 Hosokawa Yoko Co Ltd 積層体およびその製造方法
JP2012086104A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Asahi Kasei Chemicals Corp 光触媒組成物
WO2013022097A1 (ja) * 2011-08-10 2013-02-14 太陽化学工業株式会社 プライマー薄膜を含む構造体及び該構造体の製造方法
CN103717403A (zh) * 2011-08-10 2014-04-09 太阳化学工业株式会社 包含薄底漆膜的结构体和制备所述结构体的方法
JPWO2013022097A1 (ja) * 2011-08-10 2015-03-05 太陽化学工業株式会社 プライマー薄膜を含む構造体及び該構造体の製造方法
US9469097B2 (en) 2011-08-10 2016-10-18 Taiyo Yuden Chemical Technology Co., Ltd. Structure including thin primer film and method of producing said structure
JP2013052561A (ja) * 2011-09-02 2013-03-21 Konica Minolta Advanced Layers Inc ガスバリア性フィルム及びガスバリア性フィルムの製造方法
JP2017193688A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 パンサーフェス株式会社 親水性付与剤、親水性被膜形成方法、親水性被膜、及び太陽光パネル

Also Published As

Publication number Publication date
JP4121620B2 (ja) 2008-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4460537B2 (ja) 光触媒部材
TWI433781B (zh) A gas barrier laminated film and a method for manufacturing the same
Lin et al. Photocatalytic and antibacterial properties of medical‐grade PVC material coated with TiO2 film
WO1997000134A1 (en) Photocatalyst-carrying structure and photocatalyst coating material
JP4121620B2 (ja) 光触媒フィルム及びその製造方法
EP0866101A1 (en) Photocatalytic coating composition and photocatalyst-bearing structure
CA2457791A1 (en) Coatings with low permeation of gases and vapors
JPH09310039A (ja) 光触媒コーティング剤
JP2001122679A (ja) 防汚性タイル
JP4017389B2 (ja) 光触媒体の製造方法
KR20150065196A (ko) 항균 필름, 항균 필름의 제조 방법 및 항균 기능성 물품
JP2002346393A (ja) 光触媒体およびその製造方法
JP7061284B2 (ja) バリアフィルム
JP2000033271A (ja) 光触媒フィルム及びその製造方法
JPH08116963A (ja) 細胞培養用基材
CN116075428A (zh) 抗病毒材料
JPH0957911A (ja) 防曇シール
KR102558794B1 (ko) 이산화티타늄 나노 입자를 포함하는 친수성 하드코팅 조성물
JP2003010696A (ja) 光触媒体およびその製造方法
JP5108222B2 (ja) 非晶質酸化チタン含有複合膜形成用コーティング組成物、その製造方法および用途
JP3707130B2 (ja) 保冷ショーケース
JP2013233746A (ja) ガスバリア性フィルム及びその製造方法
WO2024090513A1 (ja) 粒子付き基材、および粒子付き基材の製造方法
CN105219128A (zh) 增强敏感基底稳定性的复合光催化涂层及其制备方法
JPH1034668A (ja) 成形用型

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050531

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080415

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080430

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110509

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120509

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120509

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130509

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140509

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees