JPH1034668A - 成形用型 - Google Patents
成形用型Info
- Publication number
- JPH1034668A JPH1034668A JP22732996A JP22732996A JPH1034668A JP H1034668 A JPH1034668 A JP H1034668A JP 22732996 A JP22732996 A JP 22732996A JP 22732996 A JP22732996 A JP 22732996A JP H1034668 A JPH1034668 A JP H1034668A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molding die
- titania
- molding
- mold
- hydrophilic
- Prior art date
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- Pending
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 離型容易なプラスチック成形用の成形型を提
供すること。 【解決手段】 成形型の型表面に光触媒含有層を設け、
光励起して、その表面を親水化することで、成形体との
接着力を弱め、離型を容易にしたプラスチック成形用の
成形型。
供すること。 【解決手段】 成形型の型表面に光触媒含有層を設け、
光励起して、その表面を親水化することで、成形体との
接着力を弱め、離型を容易にしたプラスチック成形用の
成形型。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形用型の離型被膜
に関する。ここでいう成形用型には、金型、ガラス型、
樹脂型なども含まれる。
に関する。ここでいう成形用型には、金型、ガラス型、
樹脂型なども含まれる。
【0002】
【従来の技術】プラスチック、ゴム等の型成形におい
て、成形型と成形物とが接着し、成形物の取り出しが困
難である時、型表面に離型剤を塗布することや、型表面
を表面処理して離型性の良い固体膜を形成することが行
われている。
て、成形型と成形物とが接着し、成形物の取り出しが困
難である時、型表面に離型剤を塗布することや、型表面
を表面処理して離型性の良い固体膜を形成することが行
われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、離型剤
を塗布する場合、数回の成形毎に行わなければならず、
作業効率が悪くなり、製造コストの上昇を招く。また、
フッ素樹脂やシリコーン樹脂を型表面に固形膜として被
覆した場合、この固体膜表面と成形材料表面の双方が疎
水性であるため、親和力により離形が困難となる。
を塗布する場合、数回の成形毎に行わなければならず、
作業効率が悪くなり、製造コストの上昇を招く。また、
フッ素樹脂やシリコーン樹脂を型表面に固形膜として被
覆した場合、この固体膜表面と成形材料表面の双方が疎
水性であるため、親和力により離形が困難となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
は成形型表面を親水化することによって解決でき、しか
も酸化チタン等の光触媒粒子には物品の表面を親水化
(超親水化)する作用を有するという知見に基づいて本
発明をなしたものである。
は成形型表面を親水化することによって解決でき、しか
も酸化チタン等の光触媒粒子には物品の表面を親水化
(超親水化)する作用を有するという知見に基づいて本
発明をなしたものである。
【0005】光触媒粒子には、酸化還元反応によって汚
れや悪臭成分を分解する作用があることは従来からしら
れている。この光触媒粒子による物質の分解作用は、光
触媒粒子に紫外線等を照射すると、光励起により電子−
正孔対が生じ、このうち電子は表面酸素を還元してスー
パーオキサイドイオン(O2 −)を生成し、正孔は表面
水酸基を酸化して水酸ラジカル(・OH)を生成し、こ
れらの極めて反応性に富む活性種(O2 −や・OH)の
酸化還元反応によって表面に付着した物質を分解すると
いうものである。
れや悪臭成分を分解する作用があることは従来からしら
れている。この光触媒粒子による物質の分解作用は、光
触媒粒子に紫外線等を照射すると、光励起により電子−
正孔対が生じ、このうち電子は表面酸素を還元してスー
パーオキサイドイオン(O2 −)を生成し、正孔は表面
水酸基を酸化して水酸ラジカル(・OH)を生成し、こ
れらの極めて反応性に富む活性種(O2 −や・OH)の
酸化還元反応によって表面に付着した物質を分解すると
いうものである。
【0006】一方、光触媒粒子の親水化作用は、今まで
知られていなかったが、本発明者らの実験により最近新
たに知見されたものである。その理論的根拠は完全には
解明されていないが、光触媒効果によって水酸基(OH
−)が光触媒粒子の表面に化学吸着し、或いは水酸基
(OH−)が有機基と置換し、更にこの水酸基(O
H−)に空気中の水分子が物理吸着し、物理吸着水が増
加することによって表面の親水性が増し、水との接触角
が0゜に近い超親水性の表面が実現すると考えている。
また、物質の分解作用を発揮するには、光触媒層の厚み
として少なくとも100nm以上必要であったが、親水
化作用を発揮するには、数nm以上あれば可能である。
知られていなかったが、本発明者らの実験により最近新
たに知見されたものである。その理論的根拠は完全には
解明されていないが、光触媒効果によって水酸基(OH
−)が光触媒粒子の表面に化学吸着し、或いは水酸基
(OH−)が有機基と置換し、更にこの水酸基(O
H−)に空気中の水分子が物理吸着し、物理吸着水が増
加することによって表面の親水性が増し、水との接触角
が0゜に近い超親水性の表面が実現すると考えている。
また、物質の分解作用を発揮するには、光触媒層の厚み
として少なくとも100nm以上必要であったが、親水
化作用を発揮するには、数nm以上あれば可能である。
【0007】本発明は以上の知見に基づき、従来の課題
を解決すべくなしたものであり、第1発明に係る金型
は、成形面に、光触媒粒子単独からなる表面層または光
触媒粒子を含む表面層を設けた。
を解決すべくなしたものであり、第1発明に係る金型
は、成形面に、光触媒粒子単独からなる表面層または光
触媒粒子を含む表面層を設けた。
【0008】光触媒粒子としては酸化チタンが最も好ま
しいが、この他にも、ZnO、SnO2、SrTi
O3、WO3、Bi2O3、Fe2O3などの金属酸化
物が挙げられる。これらは表面に金属元素と酸素が存在
するため表面に水酸基(OH−)を吸着しやすく、した
がって親水性を発揮しやすいと考えられる。
しいが、この他にも、ZnO、SnO2、SrTi
O3、WO3、Bi2O3、Fe2O3などの金属酸化
物が挙げられる。これらは表面に金属元素と酸素が存在
するため表面に水酸基(OH−)を吸着しやすく、した
がって親水性を発揮しやすいと考えられる。
【0009】光触媒粒子を含有する親水性の表面層を形
成方法として、チタニア(酸化チタン)を例にとって説
明すると、無定形チタニアの形成、シリカ配合チタニア
の塗布、酸化錫配合チタニアの塗布、チタニア含有シリ
コーン塗料の塗布等が挙げられる。
成方法として、チタニア(酸化チタン)を例にとって説
明すると、無定形チタニアの形成、シリカ配合チタニア
の塗布、酸化錫配合チタニアの塗布、チタニア含有シリ
コーン塗料の塗布等が挙げられる。
【0010】無定形チタニアの形成は、先ず被塗装面を
無定形チタニアで被覆し、これを焼成して結晶性チタニ
アに相変化させる方法であり、次のいずれかの方法を採
用することができる。 (1)有機チタン化合物の加水分解と脱水縮重合 チタンのアルコキシド、例えば、テトラメトキシチタ
ン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタ
ン、テトラn−プロポキシチタン、テトラブトキシチタ
ン、に塩酸またはエチルアミンのような加水分解抑制剤
を添加し、エタノールやプロパノールのようなアルコー
ルで希釈した後、部分的に加水分解を進行させながら又
は完全に加水分解を進行させた後、混合物を塗布し、常
温から200℃の温度で乾燥させる。乾燥により、チタ
ンのアルコキシドの加水分解が完遂して水酸化チタンが
生成し、水酸化チタンの脱水縮重合により無定形チタニ
アの層が形成される。チタンのアルコキシドに代えて、
チタンのキレート又はチタンのアセテートのような他の
有機チタン化合物を用いてもよい。 (2)無機チタン化合物による無定形チタニアの形成 無機チタン化合物、例えば、TiCl4またはTi(S
O4)2の酸性水溶液を塗布し、100〜200℃の温
度で乾燥させることにより加水分解と脱水縮重合を行
い、無定形チタニアの層を形成する。 (3)スパッタリングによる無定形チタニアの形成 金属チタンのターゲットに酸化雰囲気で電子ビームを照
射することにより、被塗装面に無定形チタニアの層を形
成する。
無定形チタニアで被覆し、これを焼成して結晶性チタニ
アに相変化させる方法であり、次のいずれかの方法を採
用することができる。 (1)有機チタン化合物の加水分解と脱水縮重合 チタンのアルコキシド、例えば、テトラメトキシチタ
ン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタ
ン、テトラn−プロポキシチタン、テトラブトキシチタ
ン、に塩酸またはエチルアミンのような加水分解抑制剤
を添加し、エタノールやプロパノールのようなアルコー
ルで希釈した後、部分的に加水分解を進行させながら又
は完全に加水分解を進行させた後、混合物を塗布し、常
温から200℃の温度で乾燥させる。乾燥により、チタ
ンのアルコキシドの加水分解が完遂して水酸化チタンが
生成し、水酸化チタンの脱水縮重合により無定形チタニ
アの層が形成される。チタンのアルコキシドに代えて、
チタンのキレート又はチタンのアセテートのような他の
有機チタン化合物を用いてもよい。 (2)無機チタン化合物による無定形チタニアの形成 無機チタン化合物、例えば、TiCl4またはTi(S
O4)2の酸性水溶液を塗布し、100〜200℃の温
度で乾燥させることにより加水分解と脱水縮重合を行
い、無定形チタニアの層を形成する。 (3)スパッタリングによる無定形チタニアの形成 金属チタンのターゲットに酸化雰囲気で電子ビームを照
射することにより、被塗装面に無定形チタニアの層を形
成する。
【0011】シリカ配合チタニアの塗布は、チタニアと
シリカとの混合物からなる層を被塗装面に形成すること
である。チタニアとシリカの合計に対するシリカの割合
は、5〜90モル%、好ましくは10〜70モル%、よ
り好ましくは10〜50モル%である。またシリカ配合
チタニアからなる表面層の形成方法には以下の方法を採
用することができる。 (1)アナターゼ型又はルチル型チタニアの粒子とシリ
カの粒子を含む懸濁液を被塗装面に塗布し、基材(被塗
装物)の軟化点以下の温度で焼成する。 (2)無定形シリカの前駆体(例えば、テトラエトキシ
チタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−プロ
ポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシ
チタン、等のテトラアルコキシシラン)と結晶性チタニ
アゾルとの混合物を基材の表面に塗布し、必要に応じて
加水分解させてシラノールを形成した後、約100℃以
上の温度で加熱してシラノールを脱水縮重合に付すこと
により、チタニアが無定形シリカで結着された表面層
(光触媒コーティング)を得る。特に、シラノールの脱
水縮重合を約200℃以上の温度で行えば、シラノール
の重合度を増し、光触媒コーディングの耐アルカリ性能
を向上させることができる。 (3)無定形チタニアの前駆体(チタンのアルコキシ
ド、キレート又はアセテートのような有機チタン化合
物、又はTiCl4またはTi(SO4)2のような無
機チタン化合物)の溶液にシリカの粒子を分散させてな
る懸濁液を基材の表面に塗布し、チタン化合物を常温か
ら200℃の温度で加水分解と脱水縮重合に付すことに
より、シリカ粒子が分散された無定形チタニアの薄膜を
形成する。次いで、チタニアの結晶温度以上の温度、且
つ基材の軟化点以下の温度に加熱することにより、無定
形チタニアを結晶性チタニアに相変化させる。 (4)無定形チタニアの前駆体(チタンのアルコキシ
ド、キレート又はアセテートのような有機チタン化合
物、又はTiCl4またはTi(SO4)2のような無
機チタン化合物)の溶液に無定形シリカの前駆体、(例
えば、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチ
タン、テトラn−プロポキシチタン、テトラブトキシチ
タン、テトラメトキシチタン、等のテトラアルコキシシ
ラン、それらの加水分解物であるシラノール、または平
均分子量3000以下のポリシロキサン)を混合し、基
材の表面に塗布する。次いで、これらの前駆体を加水分
解と脱水縮重合に付すことにより、無定形チタニアと無
定形シリカの混合物からなる薄膜を形成する。次いで、
チタニアの結晶化温度以上の温度、且つ基材の軟化点以
下の温度に加熱することにより、無定形チタニアを結晶
性チタニアに相変化させる。
シリカとの混合物からなる層を被塗装面に形成すること
である。チタニアとシリカの合計に対するシリカの割合
は、5〜90モル%、好ましくは10〜70モル%、よ
り好ましくは10〜50モル%である。またシリカ配合
チタニアからなる表面層の形成方法には以下の方法を採
用することができる。 (1)アナターゼ型又はルチル型チタニアの粒子とシリ
カの粒子を含む懸濁液を被塗装面に塗布し、基材(被塗
装物)の軟化点以下の温度で焼成する。 (2)無定形シリカの前駆体(例えば、テトラエトキシ
チタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−プロ
ポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシ
チタン、等のテトラアルコキシシラン)と結晶性チタニ
アゾルとの混合物を基材の表面に塗布し、必要に応じて
加水分解させてシラノールを形成した後、約100℃以
上の温度で加熱してシラノールを脱水縮重合に付すこと
により、チタニアが無定形シリカで結着された表面層
(光触媒コーティング)を得る。特に、シラノールの脱
水縮重合を約200℃以上の温度で行えば、シラノール
の重合度を増し、光触媒コーディングの耐アルカリ性能
を向上させることができる。 (3)無定形チタニアの前駆体(チタンのアルコキシ
ド、キレート又はアセテートのような有機チタン化合
物、又はTiCl4またはTi(SO4)2のような無
機チタン化合物)の溶液にシリカの粒子を分散させてな
る懸濁液を基材の表面に塗布し、チタン化合物を常温か
ら200℃の温度で加水分解と脱水縮重合に付すことに
より、シリカ粒子が分散された無定形チタニアの薄膜を
形成する。次いで、チタニアの結晶温度以上の温度、且
つ基材の軟化点以下の温度に加熱することにより、無定
形チタニアを結晶性チタニアに相変化させる。 (4)無定形チタニアの前駆体(チタンのアルコキシ
ド、キレート又はアセテートのような有機チタン化合
物、又はTiCl4またはTi(SO4)2のような無
機チタン化合物)の溶液に無定形シリカの前駆体、(例
えば、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチ
タン、テトラn−プロポキシチタン、テトラブトキシチ
タン、テトラメトキシチタン、等のテトラアルコキシシ
ラン、それらの加水分解物であるシラノール、または平
均分子量3000以下のポリシロキサン)を混合し、基
材の表面に塗布する。次いで、これらの前駆体を加水分
解と脱水縮重合に付すことにより、無定形チタニアと無
定形シリカの混合物からなる薄膜を形成する。次いで、
チタニアの結晶化温度以上の温度、且つ基材の軟化点以
下の温度に加熱することにより、無定形チタニアを結晶
性チタニアに相変化させる。
【0012】酸化錫配合チタニアの塗布は、チタニアと
酸化錫との混合物からなる層を被塗装面に形成すること
である。チタニアと酸化錫との合計に対する酸化錫の割
合は、1〜95モル%、好ましくは1〜50モル%であ
る。また酸化錫配合チタニアからなる表面層の形成方法
には以下の方法を採用することができる。 (1)アナターゼ型又はルチル型チタニアの粒子と酸化
錫の粒子を含む懸濁液を被塗装面に塗布し、基材(被塗
装物)の軟化点以下の温度で焼成する。 (2)無定形チタニアの前駆体(チタンのアルコキシ
ド、キレート又はアセテートのような有機チタン化合
物、又はTiCl4またはTi(SO4)2のような無
機チタン化合物)の溶液に酸化錫の粒子を分散させてな
る懸濁液を基材の表面に塗布し、チタン化合物を常温か
ら200℃の温度で加水分解と脱水縮重合に付すことに
より、酸化錫粒子が分散された無定形チタニアの薄膜を
形成する。次いで、チタニアの結晶化温度以上の温度、
且つ基材の軟化点以下の温度に加熱することにより、無
定形チタニアを結晶性チタニアに相変化させる。
酸化錫との混合物からなる層を被塗装面に形成すること
である。チタニアと酸化錫との合計に対する酸化錫の割
合は、1〜95モル%、好ましくは1〜50モル%であ
る。また酸化錫配合チタニアからなる表面層の形成方法
には以下の方法を採用することができる。 (1)アナターゼ型又はルチル型チタニアの粒子と酸化
錫の粒子を含む懸濁液を被塗装面に塗布し、基材(被塗
装物)の軟化点以下の温度で焼成する。 (2)無定形チタニアの前駆体(チタンのアルコキシ
ド、キレート又はアセテートのような有機チタン化合
物、又はTiCl4またはTi(SO4)2のような無
機チタン化合物)の溶液に酸化錫の粒子を分散させてな
る懸濁液を基材の表面に塗布し、チタン化合物を常温か
ら200℃の温度で加水分解と脱水縮重合に付すことに
より、酸化錫粒子が分散された無定形チタニアの薄膜を
形成する。次いで、チタニアの結晶化温度以上の温度、
且つ基材の軟化点以下の温度に加熱することにより、無
定形チタニアを結晶性チタニアに相変化させる。
【0013】チタニア含有シリコーン塗料の塗布は、未
硬化の若しくは部分的に硬化したシリコーン(オルガノ
ポリシロキサン)またはシリコーンの前駆体からなる塗
膜形成要素にチタニア(光触媒粒子)を分散させた塗料
を用いる。具体的には、上記塗料を基材の表面に塗布
し、塗膜形成要素を硬化させた後、光触媒を光励起する
と、シリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基は光
触媒の作用により水酸基に置換され、表面の水に対する
接触角が0゜近くになり親水化(超親水化)される。こ
の方法は、比較的低温で塗膜形成要素を硬化せしめるこ
とができ、また必要に応じ何度でも塗布することがで
き、且つ太陽光でも容易に親水化せしめることができる
等の利点がある。尚、用いる樹脂としては以下のものが
挙げられる。メチルトリクロルシラン、メチルトリブロ
ムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、エチルトリクロルシラン、エチルトリブロ
ムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ヘ
キシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、及びこれらの部分加
水分解物若しくはこれらの混合物を使用することができ
る。
硬化の若しくは部分的に硬化したシリコーン(オルガノ
ポリシロキサン)またはシリコーンの前駆体からなる塗
膜形成要素にチタニア(光触媒粒子)を分散させた塗料
を用いる。具体的には、上記塗料を基材の表面に塗布
し、塗膜形成要素を硬化させた後、光触媒を光励起する
と、シリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基は光
触媒の作用により水酸基に置換され、表面の水に対する
接触角が0゜近くになり親水化(超親水化)される。こ
の方法は、比較的低温で塗膜形成要素を硬化せしめるこ
とができ、また必要に応じ何度でも塗布することがで
き、且つ太陽光でも容易に親水化せしめることができる
等の利点がある。尚、用いる樹脂としては以下のものが
挙げられる。メチルトリクロルシラン、メチルトリブロ
ムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、エチルトリクロルシラン、エチルトリブロ
ムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ヘ
キシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、及びこれらの部分加
水分解物若しくはこれらの混合物を使用することができ
る。
【0014】シリコーン樹脂膜の良好な硬度と平滑性を
確保するためには、3次元架橋型シロキサンを10モル
%以上含有させるのが好ましい。更に良好な硬度と平滑
性を確保しながら樹脂膜の十分な可撓性を提供するため
には、2次元架橋型シロキサンを60モル%以下含有さ
せるのが好ましい。また、シリコーン分子のケイ素原子
に結合した有機基が光励起により水酸基に置換される速
度を速めるには、シリコーン分子のケイ素原子に結合す
る有機基がn−プロピル基若しくはフェニル基からなる
シリコーンを使用するのが好ましい。
確保するためには、3次元架橋型シロキサンを10モル
%以上含有させるのが好ましい。更に良好な硬度と平滑
性を確保しながら樹脂膜の十分な可撓性を提供するため
には、2次元架橋型シロキサンを60モル%以下含有さ
せるのが好ましい。また、シリコーン分子のケイ素原子
に結合した有機基が光励起により水酸基に置換される速
度を速めるには、シリコーン分子のケイ素原子に結合す
る有機基がn−プロピル基若しくはフェニル基からなる
シリコーンを使用するのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】プラスチック成形用型の材質とし
ては、各種鋼材(機械構造用炭素鋼、ステンレス鋼など
が挙げられる。この成形用型の表面に光触媒を含有する
層を設け、光励起することにより、光触媒含有層表面が
親水化され、かつ、一度超親水化したら、ある程度の時
間は光照射なしでも親水性の状態が維持される。このよ
うにして親水化した型表面は、疎水性である成形体表面
とは接着しにくく、離型が容易となる。
ては、各種鋼材(機械構造用炭素鋼、ステンレス鋼など
が挙げられる。この成形用型の表面に光触媒を含有する
層を設け、光励起することにより、光触媒含有層表面が
親水化され、かつ、一度超親水化したら、ある程度の時
間は光照射なしでも親水性の状態が維持される。このよ
うにして親水化した型表面は、疎水性である成形体表面
とは接着しにくく、離型が容易となる。
【0016】
【実施例】補強層上にFRP層(エポキシ樹脂とガラス
繊維からなる)があり、さらにその上にゲルコート層
(エポキシ樹脂からなる)があるプラスチック成形用樹
脂型表面に、シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカ、A
液)とトリメトキシメチルシラン(日本合成ゴム、グラ
スカ、B液)を重量比で3:1に混合した物を塗布し、
150℃で硬化させた。このシリコーンで被覆された型
表面に、チタニア含有塗料用組成物を塗布し、150℃
で硬化させ、アナターゼ型チタニア粒子がシリコーン中
に分散された最表面層を形成した(試料1)。チタニア
含有塗料用組成物は以下のように調製した。アナターゼ
型チタニアゾル(日産化学、TA−15、平均結晶子型
12nm)とシリカゾル(日本合成ゴム、グラスカ、A
液)の混合物をエタノールで希釈後、トリメトキシメチ
ルシラン(日本合成ゴム、グラスカ、B液)を添加し
た。この塗料用組成物の組成は、チタニアゾル56重量
部、シリカゾル33重量部、トリメトキシメチルシラン
11重量部であった。次に、試料1に20Wのブラック
ライトブルー蛍光灯を用いて0.5mW/cm2の照度
で連続5日間紫外線を照射した(試料2)。比較例とし
て、補強層上にFRP層(エポキシ樹脂とガラス繊維か
らなる)があり、さらにその上にゲルコート層(エポキ
シ樹脂からなる)があるプラスチック成形用樹脂型を用
いた(試料3) 試料2と3を用いてプラスチックの成形を行ったとこ
ろ、試料2の方が離型性に優れていた。
繊維からなる)があり、さらにその上にゲルコート層
(エポキシ樹脂からなる)があるプラスチック成形用樹
脂型表面に、シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカ、A
液)とトリメトキシメチルシラン(日本合成ゴム、グラ
スカ、B液)を重量比で3:1に混合した物を塗布し、
150℃で硬化させた。このシリコーンで被覆された型
表面に、チタニア含有塗料用組成物を塗布し、150℃
で硬化させ、アナターゼ型チタニア粒子がシリコーン中
に分散された最表面層を形成した(試料1)。チタニア
含有塗料用組成物は以下のように調製した。アナターゼ
型チタニアゾル(日産化学、TA−15、平均結晶子型
12nm)とシリカゾル(日本合成ゴム、グラスカ、A
液)の混合物をエタノールで希釈後、トリメトキシメチ
ルシラン(日本合成ゴム、グラスカ、B液)を添加し
た。この塗料用組成物の組成は、チタニアゾル56重量
部、シリカゾル33重量部、トリメトキシメチルシラン
11重量部であった。次に、試料1に20Wのブラック
ライトブルー蛍光灯を用いて0.5mW/cm2の照度
で連続5日間紫外線を照射した(試料2)。比較例とし
て、補強層上にFRP層(エポキシ樹脂とガラス繊維か
らなる)があり、さらにその上にゲルコート層(エポキ
シ樹脂からなる)があるプラスチック成形用樹脂型を用
いた(試料3) 試料2と3を用いてプラスチックの成形を行ったとこ
ろ、試料2の方が離型性に優れていた。
【0017】
【発明の効果】本発明の光触媒層を含有する表面層をも
つ成形型では、型表面が光励起により親水性になるた
め、成形体の型と接触する部分が疎水性である場合、接
着する力が弱いため離型性に優れている。
つ成形型では、型表面が光励起により親水性になるた
め、成形体の型と接触する部分が疎水性である場合、接
着する力が弱いため離型性に優れている。
Claims (3)
- 【請求項1】成形用型の成形表面に、光触媒粒子単独か
らなる表面層または光触媒粒子を含有する層を設けたこ
とを特徴とする成形用型。 - 【請求項2】前記成形用型はプラスチック成形用型であ
る請求項1または2に記載の成形用型。 - 【請求項3】前記成形用型は樹脂型である請求項1に記
載の成形用型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22732996A JPH1034668A (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 成形用型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22732996A JPH1034668A (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 成形用型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1034668A true JPH1034668A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16859109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22732996A Pending JPH1034668A (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 成形用型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1034668A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007034643A1 (ja) * | 2005-09-20 | 2007-03-29 | Konica Minolta Opto, Inc. | 凹凸パターンフィルムの形成方法 |
JP2010537867A (ja) * | 2007-09-06 | 2010-12-09 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 型を形成する方法及びかかる型を使用して物品を成形する方法 |
WO2018235387A1 (ja) * | 2017-06-19 | 2018-12-27 | ソニー株式会社 | 造形装置および光ヘッドユニット |
US10696104B2 (en) | 2013-12-18 | 2020-06-30 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Tires and other objects having an aerodynamic/hydrodynamic surface treatment |
-
1996
- 1996-07-25 JP JP22732996A patent/JPH1034668A/ja active Pending
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US9102083B2 (en) | 2007-09-06 | 2015-08-11 | 3M Innovative Properties Company | Methods of forming molds and methods of forming articles using said molds |
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JPWO2018235387A1 (ja) * | 2017-06-19 | 2020-04-16 | ソニー株式会社 | 造形装置および光ヘッドユニット |
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