JP2003268306A - 光触媒性複合材及び光触媒性コーティング剤 - Google Patents

光触媒性複合材及び光触媒性コーティング剤

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JP2003268306A
JP2003268306A JP2002075067A JP2002075067A JP2003268306A JP 2003268306 A JP2003268306 A JP 2003268306A JP 2002075067 A JP2002075067 A JP 2002075067A JP 2002075067 A JP2002075067 A JP 2002075067A JP 2003268306 A JP2003268306 A JP 2003268306A
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photocatalytic
binder
anion
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Masahiro Miyauchi
雅浩 宮内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱的、化学的安定性に優れた可視光応答型光
触媒性部材を提供する。 【解決手段】 基材と、基材表面に酸化チタンと酸化チ
タンを固定化するためのバインダーを含む層が形成され
ており、前記酸化チタン結晶中の酸素位置に酸素以外の
アニオンが置換、ないし格子間に酸素以外のアニオンが
割り込み、ないし粒界部に酸素以外のアニオンが配して
あって、前記バインダーは脱水重縮合によって硬化する
無機物であって、かつ、シリケートの加水分解物ないし
アルカリシリケートの少なくとも1種類を含み、前記酸
化チタンと酸化チタンを固定化するための無機バインダ
ーを硬化させるため、熱処理をおこなうことを特徴とす
る光触媒性複合材

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒性部材に関
する。本発明は、鏡、レンズ、板ガラスその他の基材の
表面を高度に親水化することにより、基材の曇りや水滴
形成を防止する防曇技術に適用できる。本発明は、ま
た、建物や窓ガラスや機械装置や物品の表面を高度に親
水化する効果と表面に付着した有機物を分解する効果に
より、表面が汚れるのを防止し、または表面を自己浄化
(セルフクリーニング)し、若しくは容易に清掃する技
術に適用できる。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンに紫外線を照射することによ
って付着した有機物を酸化分解したり、表面が高度に親
水化することが知られており、この特性を利用した防
曇、防汚、セルフクリーニング材料が提案されている。
酸化チタンの酸化分解反応、親水化反応とも光励起によ
って生成した正孔が実質的に関与していると考えられて
いる。
【0003】酸化チタンはバンドギャップが3.0eVのた
め、光励起するためにはバンドギャップ以上のエネルギ
ーの光に相当する光が必要である。つまり、酸化チタン
が光触媒として機能するためには、波長として400nm以
下の紫外線の照射が必要である。一方、光触媒を屋内の
日常的な用途で利用しようとした場合、通常期待できる
光源は、蛍光灯や白熱電球等の室内照明であり、その紫
外線照度も10μW/cm2以下と、非常に小さい。
【0004】室内でも実質的に光触媒機能を持たせるた
め、光触媒の利用できる光の波長範囲を長波長側に拡大
しようといった、光触媒の可視光化の試みが報告されて
いる。例えば、WO01/10552に示されているように、酸化
チタンの格子の一部にアニオンで置換、ないし酸化チタ
ン結晶の格子間にアニオンをドーピング、ないし酸化チ
タンの結晶粒界にアニオンをドーピングすることによっ
て、可視光においても光触媒機能が発揮されることが報
告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の可視光型酸化チ
タンにおいて、酸化チタンに導入したアニオンは熱処理
や化学的な酸化処理によって容易に抜けてしまう。酸化
チタン中のアニオンが一度抜けてしまうと可視光応答性
が喪失してしまう。
【0006】一方、ある部材に対し光触媒機能を持たせ
るためには、部材に光触媒材料を固定化しなければなら
ない。一般的に光触媒として利用される酸化チタンを用
いる場合、酸化チタンを単独で部材に塗布しても機械的
な耐久性が得られない。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、熱的、化学的安定性の高い可視光応答型光触
媒部材を提供し得る。また、該光触媒性部材の被膜は硬
度が高く、緻密で、高度な機械的耐久性を発揮する。
【0008】
【課題を解決するための手段】基材と、基材表面に酸化
チタンと酸化チタンを固定化するためのバインダーを含
む層が形成されており、前記酸化チタン結晶中の酸素位
置に酸素以外のアニオンが置換、ないし格子間に酸素以
外のアニオンが割り込み、ないし粒界部に酸素以外のア
ニオンが配してあって、前記バインダーは脱水重縮合に
よって硬化する無機物であって、かつ、シリケートの加
水分解物ないしアルカリシリケートの少なくとも1種類
を含み、前記酸化チタンと酸化チタンを固定化するため
の無機バインダーを硬化させるため、熱処理をおこなう
ことを特徴とする光触媒性複合材を提供する。
【0009】前記酸化チタンと酸化チタンを固定化する
ための無機バインダーを硬化させるため、熱処理をおこ
なうことで硬さ、耐摩耗性等の機械的耐久性が大幅に向
上する。前記無機バインダーは脱水重縮合、焼成によっ
て三次元的な結合のネットワークを形成する。酸化チタ
ン粒子は、この緻密化したバインダーに接しているた
め、酸化チタンの格子内に導入したアニオンは外気の気
体や液体と接触しにくい。このため、高温で熱処理した
り、酸化作用のある薬品に晒されても酸化チタンの結晶
内に導入したアニオンは抜けにくい。この結果、高温で
熱処理をおこなっても可視光での光触媒活性を低下させ
ること無い。つまり、本発明の光触媒性部材において
は、機械的耐久性、可視光活性の二つの要件を同時に満
足する優れた材料である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用できる酸化チタンの
結晶系はアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型が好
適に使用できる。
【0011】本発明に係る酸化チタンは、結晶中の酸素
位置に酸素以外のアニオンが置換、ないし格子間に酸素
以外のアニオンが割り込み、ないし粒界部に酸素以外の
アニオンが配してある。前記酸素以外のアニオンとし
て、窒素、炭素、リン、硫黄、ホウ素、フッ素からなる
群より選択される少なくとも一つが好適に使用できる。
【0012】酸素以外のアニオンを導入した酸化チタン
を得る方法として、例えば、市販の酸化チタン粉末を用
い、アンモニア、炭化水素、りん酸、硫化水素、ホウ
酸、フッ酸からなる群より選択される各種反応性ガスの
うち少なくとも一つを含む気流中で熱処理することで作
製することができる。また、酸化チタンの前駆体をアン
モニア、炭化水素、りん酸、硫化水素、ホウ酸、フッ酸
からなる群より選択される各種反応性ガスのうち少なく
とも一つを含む気流中で熱処理しても構わない。酸化チ
タンの前駆体としては、テトラメトキシチタン、テトラ
エトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ
n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、チタン
キレート、アセチルアセトンチタン、四塩化チタン、硫
酸チタン、水酸化チタンからなる群から選択される少な
くとも1つを好適に使用することができる。
【0013】一方、酸素以外のアニオンを導入する別の
方法として、酸素以外のアニオンを含む酸化チタン前駆
体を大気中で600℃以下で焼成することによっても酸素
以外のアニオンを酸化チタンに導入することができる。
例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタ
ン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−プロポキ
シチタン、テトラブトキシチタン、チタンキレート、ア
セチルアセトンチタン、四塩化チタン、硫酸チタン、水
酸化チタンからなる群より選択される少なくとも一つの
酸化チタン前駆体をアンモニア、硫酸、炭酸、りん酸、
ホウ酸、フッ酸からなる群より選択される少なくとも一
つの触媒で加水分解したものや、オキシ蓚酸チタンアン
モニウム、硫酸チタンアンモニウム等を好適に使用する
ことができる。
【0014】また、酸素以外のアニオンを導入する別の
方法として、酸化チタンに対し、酸素以外のアニオンを
プラズマ処理、ないしイオン注入法によって導入しても
構わない。
【0015】本発明の光触媒性部材に含まれる無機物の
バインダーとして、シリケートの加水分解物を好適に使
用することができる。シリケートとしては、メチルトリ
クロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ
イソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラ
ン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt
−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n
−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキ
シシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロ
ピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−
ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−
ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシ
シラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシ
ルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブ
トキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシ
ルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、
n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプ
ロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;
n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシル
トリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラ
ン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタ
デシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルト
リt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フ
ェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプ
ロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テ
トラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシ
ラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロル
シラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメ
チルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、
フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエ
トキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒ
ドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシ
ヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリ
t−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、
ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシ
シラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロ
プロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリ
ブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフ
ルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオ
ロプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソ
プロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−
ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルト
リt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt
−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3、
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
エトキシシランの群から選択される少なくとも一つの加
水分解物が好適に使用することができる。
【0016】本発明の光触媒性部材に含まれる無機物の
バインダーとして、アルカリシリケートを好適に使用す
ることができる。アルカリシリケートの好ましい具体例
としては、一般式Me2О・nSiО2(ここでMeはアルカ
リ金属)で表される組成であって、例えば、水ガラス、
珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム等が挙げら
れる。また、本発明において、アルカリシリケートを含
むバインダーは、Fr、Cs、Rb、K、NaおよびLi
のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】前記、シリケートの加水分解物およびアル
カリシリケートを含む層の表面には水との親和性の高い
水酸基が存在しており、暗所における親水性の維持性の
機能を持たせたり、強めたりする効果がある。また、シ
ロキサン結合は耐酸性に優れている。
【0018】本発明の光触媒性部材のより好ましい態様
においては、前記酸化チタンと酸化チタンを固定化する
ためのバインダーを硬化させるため、熱処理をおこな
う。熱処理温度は無機バインダーの脱水重縮合を促進す
るため、500℃以上である方が望ましい。熱処理温度
の上限としては、酸化チタンおよび基材の融点以下であ
れば構わない。特に酸化チタンとして準安定相のアナタ
ーゼ型ないしブルッカイト型を使用した場合、高温での
ルチル相への転移を防ぐため、熱処理温度800℃以下で
あることが望ましい。本発明の光触媒性部材において
は、熱処理温度が500℃の高温となっても光触媒性部材
に含まれる酸化チタンの中に導入した酸素以外のアニオ
ンは抜けてしまうことがない。
【0019】本発明に係る酸化チタンは可視光応答性が
あるため、600nmまでの波長域の光を光触媒反応に使用
することができる。本発明の光触媒性部材は、蛍光灯や
白熱電球等の室内照明からの光照射で表面の水との接触
角が5°以下まで高度に親水化し、防曇、防汚、セルフ
クリーニング効果を発揮する。また、付着した有機物を
分解する機能も高く、抗菌機能も発揮する。また、本発
明の光触媒性部材に対して光強度の強い水銀ランプ、キ
セノンランプ、水銀−キセノンランプ、ハロゲンラン
プ、メタルハライドランプ等からの光照射や、窓から入
射する太陽光および太陽光の散乱光によって光励起させ
た場合、前記の様な防曇、防汚、セルフクリーニング、
抗菌効果を発揮することは言うまでもない。
【0020】本発明の光触媒性部材の用途として、特に
タイル、ガラス、鏡、陶器、琺瑯、衛生陶器等の製造工
程上で焼成が必要なセラミックス部材に対し好適に応用
することが出来る。本発明の光触媒性部材は室内の照明
による光照射で、防曇、防汚、セルフクリーニング効果
を発揮することが出来る。
【0021】
【実施例】実施例1 ・酸化チタンスラリーの作製 白色の酸化チタンの粉末(ST01、石原産業)をアンモニ
アガス気流中、600℃で3時間熱処理して窒素が導入され
た酸化チタンを作製した。得られた粉末は淡黄色を有し
ており、酸化チタン中に窒素原子がドープされたことを
示唆している。この粉末を固形分濃度として20%で純水
中に投入し、ZrO2ビーズミル(ビーズ径:0.3mmΦ)に
よって48時間粉砕し、酸化チタンスラリーを得た。 ・バインダーの作製 エチルシリケート(ES-40、コルコート)30部にメチル
アルコール223.5部を加えて均一に攪拌する。これに、
純水45部と60%硝酸1.5部の混合液を添加し、30℃で5時
間加水分解した。この様にして得られた加水分解物の固
形分濃度はSiO2で換算して4%であった。 ・酸化チタンとバインダーの混合体の成膜 前記シリケートの加水分解物12.5部にイソプロピルアル
コール55.8部を加えて均一に攪拌する。これに所定量の
前記酸化チタンスラリーを加えて1時間攪拌した。酸化
チタンの添加量については、混合後のTiO2とSiO2の固形
分濃度の比に換算して、80/20および60/40とした。この
様にして得られたコーティング剤を、7cm×7cmのシリカ
コートしたホウ珪酸ガラス上にスピンコートで成膜し、
室温で乾燥後、電気炉にて500℃×30分の熱処理をおこ
なった。コーティング剤中のTiO2とSiO2の固形分濃度の
比に換算して、80/20の割合で成膜したサンプルを#
1、60/40の割合で成膜したサンプルを#2とする。 ・光触媒活性の評価 前記の様にして得られたサンプルのアセトアルデヒドの
分解活性を評価した。800mLのガラスセル内に薄膜サン
プルを設置、セル内を合成空気で置換した後にアセトア
ルデヒドを注入、暗所で2時間放置した後に光照射した
場合のアセトアルデヒドの濃度変化を測定した。アセト
アルデヒドの初期濃度を500ppmとした。アセトアルデヒ
ドの濃度および二酸化炭素の発生濃度をマルチガスモニ
タ(Innova社、1312)で測定した。光源はキセノンラン
プ(林時計工業、LA-250Xe)を用い、紫外線カットフィ
ルター(東芝硝子、Y-43)を介して430nm以上の波長域
の可視光を照射した。
【0022】この結果、#1、#2試料とも可視光の照
射によって二酸化炭素の発生が認められた。
【0023】実施例2 実施例1で得たガラス基材にコーティングしたサンプル
の暗所における水との接触角変化を測定した。水との接
触角は接触角測定器(協和界面科学、CA−X150)
により、マイクロシリンジから水滴を滴下して求めた。
【0024】結果を図1に示したが、#1、#2試料と
も300時間にわたって低い水との接触角を維持してい
る。表面の水との接触角が5度以下のため、#1、#2
試料とも高い防曇機能を発揮する。
【0025】実施例3 実施例1で得たガラス基材にコーティングしたサンプル
の表面を消しゴムで摺動した後の膜の剥離状況を目視に
て確認した。
【0026】この結果、#1、#2試料とも膜が剥離し
なかった。比較としてバインダーを含まない塗膜につい
ても同様の試験をおこなったが、この場合、消しゴムに
よる摺動によって塗膜は完全に剥離してしまった。
【0027】
【発明の効果】熱的、化学的安定性に優れた可視光応答
型光触媒性部材を提供し得る。また、暗所においても高
い水濡れ性を維持する光触媒性部材を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例2に係る、暗所での保管時間
と水との接触角の関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/04 C09D 183/04 Fターム(参考) 4F100 AA01B AA03B AA21B AT00A BA02 BA07 CA23B EJ42 JB12B JL00 JL06 JL08B 4G069 AA03 AA08 BA02B BA04A BA04B BA15A BA21C BA48A BB01C BB11B BC01A BC50A BC50B BD01C BD03A BD04A BD06A BD06C BD07A BD08A BD15A BE32C CD10 DA06 EC22X ED02 FA01 FA03 FB23 FB26 FB29 FC04 FC05 FC07 4J038 DL021 DL031 HA216 JC32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、基材表面に酸化チタンと酸化チ
    タンを固定化するためのバインダーを含む層が形成され
    ており、前記酸化チタン結晶中の酸素位置に酸素以外の
    アニオンが置換、ないし格子間に酸素以外のアニオンが
    割り込み、ないし粒界部に酸素以外のアニオンが配して
    あって、前記バインダーは脱水重縮合によって硬化する
    無機物であって、かつ、シリケートの加水分解物ないし
    アルカリシリケートの少なくとも1種類を含み、前記酸
    化チタンと酸化チタンを固定化するための無機バインダ
    ーを硬化させるため、熱処理をおこなうことを特徴とす
    る光触媒性複合材。
  2. 【請求項2】 前記酸化チタンと酸化チタンを固定化す
    るための無機バインダーを硬化させるための熱処理温度
    が、500℃以上であることを特徴とする請求項1に記載
    の光触媒性複合材。
  3. 【請求項3】 前記酸化チタン結晶中の酸素以外のアニ
    オンが、窒素、炭素、リン、硫黄、ホウ素、フッ素から
    なる群より選択される少なくとも一つであることを特徴
    とする請求項1ないし2に記載の光触媒性複合材。
  4. 【請求項4】 前記酸化チタンが可視光の照射に応じて
    光触媒機能が発現することを特徴とする請求項1〜3に
    記載の光触媒性複合材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の光触媒性複合材を
    形成するためのコーティング剤であって、酸化チタンと
    酸化チタンを固定化するためのバインダーを含み、前記
    酸化チタン結晶中の酸素位置に酸素以外のアニオンが置
    換、ないし格子間に酸素以外のアニオンが割り込み、な
    いし粒界部に酸素以外のアニオンが配してあって、前記
    バインダーは脱水重縮合によって硬化する無機物であっ
    て、かつ、シリケートの加水分解物ないしアルカリシリ
    ケートの少なくとも1種類を含むことを特徴とする光触
    媒性コーティング剤。
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