JPH11344893A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH11344893A
JPH11344893A JP10150392A JP15039298A JPH11344893A JP H11344893 A JPH11344893 A JP H11344893A JP 10150392 A JP10150392 A JP 10150392A JP 15039298 A JP15039298 A JP 15039298A JP H11344893 A JPH11344893 A JP H11344893A
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JP
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temperature
fixing
heater
time
per unit
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JP10150392A
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English (en)
Inventor
Yasunari Obara
泰成 小原
Norio Hashimoto
典夫 橋本
Takayasu Yunamochi
貴康 弓納持
Hiroaki Sakai
宏明 酒井
Kaoru Sato
馨 佐藤
Tomohiro Nakamori
知宏 中森
Junichi Kimizuka
純一 君塚
Kiyoto Toyoizumi
清人 豊泉
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント開始時に、定着部材中央部に発生す
るオーバーシュートによる高温オフセットの発生を防止
する。 【解決手段】 温調開始時のヒータの点灯時間を一律全
点灯(例えば、1000msec)とするのではなく、プリ
ントリクエスト時にサーミスタで定着ローラの温度を検
知し、この検知温度と温調温度との差を算出し、この算
出結果に基づいて、例えば、図1に示すように、適宜に
選択する。これにより、オーバーシュートの発生を小さ
くでき、高温オフセットの発生をなくすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザビ
ームプリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、記録材上に未定着画像としてトナ
ー像を転写し、これを加熱・加圧することで定着し、永
久画像とする画像形成装置において用いられる定着装置
は、図2に示すような構造となっている。図2におい
て、1は記録材搬送手段を兼ねる定着ローラであり、例
としてアルミニウムや鉄等の芯金11上にPFA、PT
FE等の離型性樹脂層12を設け、内部には加熱手段と
してヒータ3が設けられ定着ローラ1を内部より加熱し
ている。
【0003】一方、加圧ローラ2は加圧手段(不図示)
によって定着ローラ1に押圧され、定着ニップ部Nを形
成している。加圧ローラ2は、例としてアルミニウムや
鉄等の芯金21上に、耐熱性を持ったシリコーンスポン
ジゴム等からなる弾性層22を設け、さらにこの上にP
FA、PTFE等の離型性の良い樹脂からなる離型層2
3を設けて形成されている。加圧ローラ2を矢印R2方
向に回転駆動することで、加熱ローラ1は矢印R1方向
に従動回転する。
【0004】未定着トナー7は、定着ニップ部Nにおい
て加熱・加圧されることで、記録材P上に転写される。
【0005】4は入り口ガイドであり、未定着トナー像
が形成された記録材Pを、定着ニップ部Nに搬送し、記
録材P上に永久画像として定着している。
【0006】5は定着ローラの表面温度を検知する温度
検知センサであるサーミスタであり、定着ローラ表面に
所定の当接圧で当接しており、定着ローラ表面の温度が
一定となるようにヒータ3への通電をオン・オフ(通電
をオン・オフさせている電気回路は不図示)している。
クリーナ機構を有する定着装置では、サーミスタを記録
材通紙域内に設けることが可能であるが、図2のように
クリーニング機構を持たない定着装置では、画像汚れを
避けるために非通紙域に設けている。
【0007】熱源であるヒータ3は、その定着装置で定
着可能な最大幅の記録材に応じて、長手寸法が決定さ
れ、それに応じて定着ローラ1も長手寸法が決定され
る。パーソナルプリンタ等における記録材の最大幅は、
主に2種類に分けられ、一方はLETTER縦(幅21
6mm)を最大幅の記録材とするヒータ、もう一方はA3
縦(幅297mm)を最大幅とするヒータに大別される。
【0008】ヒータ3の定格電力は、定着可能な最大幅
の記録材・単位時間当たりの最大通紙可能枚数(以下
「スループット」という)・定格電圧等で決定される。
【0009】また、ヒータ3への通電をオン・オフする
際、同一電源ライン上のコンピュータディスプレイの画
面が瞬間的に歪んだり、照明機器が瞬間的に暗くなる等
の問題を解決するために、ヒータ3の定格電力小さくす
る必要がある。そのための手段の一つとして、定着に必
要な発熱量を確保しつつ、ヒータ3の定格容量を小さく
するために、ヒータ3を複数本(一般的に2本)に分割
するなどの手段がとられる。
【0010】ヒータ3の発熱分布は、記録材に未定着ト
ナーを定着中に、定着ローラ1表面の温度分布が一様に
あるように決定される。1本ヒータ系ならば、定着ロー
ラ1を長手にわたって満遍なく加熱するような配光分布
としている。2本ヒータ系では、その一例を図3の配光
分布図に示すように、1本は定着ローラ長手方向の中央
部を中心に加熱するメインヒータ3aとし、他の1本は
帯電ローラ長手方向の両端部を中心に加熱するサブヒー
タ3bとしている。
【0011】また、記録材のサイズは1種類ではなく、
定着装置で定着可能な最大幅の記録材、最大幅より幅狭
な記録材、記録材搬送方向の長さ、記録材の厚さ、等異
なる数多くの記録材があり、それらすべてに満足する定
着性を確保するために2本ヒータ系を採用している定着
装置では、各ヒータへの通電は記録材サイズに応じた通
電制御を行っている。
【0012】以下2本ヒータ系の定着装置における従来
技術を述べる。
【0013】例えば、最大通紙幅をA3縦とする画像形
成装置においては、連続通紙中のメインヒータ3a、サ
ブヒータ3bへの通電制御は以下のようになされる。
【0014】図7は、メインヒータ3aとサブヒータ3
bの1秒単位時間当たりの点灯時間を記録材の幅(以下
適宜「紙幅」という)に応じたグループ毎に点灯比率と
して表したものである。この図7のように単位時間当た
りの点灯時間を変化させた参照テーブルをonduty
テーブルと呼ぶことにする。
【0015】記録材は、紙幅に応じてA3縦、B4縦、
A4横、LEDGER縦、LEGAL縦、LETTER
横を分類している。各紙サイズごとにそれぞれの点灯比
率に従って、連続通紙中にメインヒータ3aとサブヒー
タ3bを交互点灯させると、定着ローラ表面の温度分布
を目標温調温度にほぼ一様にすることができ、連続通紙
でも定着不良を起こさない温度制御が可能となる。
【0016】具体的には、スタンバイ状態(160℃)
からA4横(温調温度180℃)を連続プリントさせる
場合には、ホストコンピュータ等からプリント命令が入
力されると(以下「プリントリクエスト」という)、定
着装置は定着ローラ1を回転駆動させながらメイン/サ
ブヒータを全点灯させ、定着ローラ表面温度を定着可能
な温度まで上昇させる(前回転という)。そして、サー
ミスタ検知温度がある所定の温度に到達したならば、定
着ニップ部Nに記録材が搬送されるように記録材を給紙
する。前回転が終了すると即座にサーミスタ検知温度を
温調温度に到達させるため、温調開始時間はondut
yテーブルにおける最も点灯時間が長いメインヒータ/
サブヒータの点灯比率1/1(duty No.1)の
割合で交互点灯し温調制御を開始する。温調制御は制御
単位時間内のサーミスタ温度を検知し、その値をもとに
次の通電時間を増加させるか、減少させるか判断する。
【0017】この1/1での交互点灯は、サーミスタ検
知温度と温調温度との差が−2〜+2℃以下の間は、そ
のまま1/1の点灯比率で交互点灯を続ける。ここで、
符号のマイナスは、サーミスタ検知温度>温調温度と
し、プラスはサーミスタ検知温度<温調温度とする。
【0018】全点灯状態では記録材上のトナー定着によ
り持ち出される熱量よりも、ヒータからの熱供給が過剰
となるため定着ローラ表面温度は上昇する。サーミスタ
検知温度と温調温度の差が+2℃を超えると、メインヒ
ータ/サブヒータの点灯比率はそのままで単位時間当た
りの点灯時間をそれぞれメインヒータ3aを0.8秒、
サブヒータ3bを0.8秒に減らして(duty N
o.1→No.2)通電制御を行う。それでもサーミス
タ検知温度と温調温度の差が+2℃を超える状態が続く
場合には、さらに点灯時間を減らしていく。
【0019】サーミスタ検知温度と温調温度の差が−2
〜+2℃の範囲になると、そのときの点灯時間(dut
y No.)を維持する。
【0020】逆に、定着ローラ表面温度が低下し、サー
ミスタ検知温度と温調温度の差が−2℃以上になった
ら、メインヒータ/サブヒータの時間をそれぞれ増加
(duty No.を減少)させていき、定着ローラ表
面温度を上昇させ、温度差が−2〜+2℃の範囲に収ま
るように各ヒータへの通電時間を制御する。
【0021】このようにして、定着ローラ表面温度が定
着温調温度を保持できるように、サーミスタ検知温度と
温調温度の差に応じて、次の制御単位時間内のメインヒ
ータ/サブヒータへの通電時間を制御し、温調温度が所
望の温度幅内に収束するようにすると、温度リップルが
小さく安定した温調制御が可能となる。
【0022】以上では2本ヒータ系でondutyテー
ブルを用いた例を示したが、1本ヒータ系を用いる場合
でもその制御手段は同じである。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来例では、1
本ヒータ系の場合、ヒータ3の配光は最も通紙される紙
種を連続プリントしたときの温度プロファイルが定着ロ
ーラ長手方向にわたってフラットとなるように決めてい
る。また、2本ヒータ系でも同様に、連続プリント時に
搬送されてくる記録材が定着ローラ1の熱を奪っても、
図4の上半部に示すのように、定着ローラ長手方向にわ
たってフラットな温度プロファイルとなるように、サブ
ヒータ3bに比べてメインヒータ3aの点灯比率を大き
くしている。
【0024】しかし、スタンバイ状態からはじめの枚数
は、加圧ローラ2及び定着装置全体の温度が高く、その
状態で連続プリント中と同様な点灯をさせると、図4の
下半部に示すように、プリント初期は定着ローラ中央部
温度が定着ローラ両端部温度に比べて高くなった中高の
温度プロファイルとなってしまう。この中高現象は、記
録材が定着ニップ部Nに搬送され、記録材が定着ローラ
中央部から熱を奪い、ヒータ3からの供給される熱量と
記録材が奪う熱量が平衡に達することで解消され、定着
ローラ長手方向にわたってフラットな平衡状態の温度プ
ロファイルとなる。
【0025】このように、定着ローラ中央部温度が定着
ローラ両端部温度(≒サーミスタ検知温度≒定着温調温
度)よりも大きく上回ってしまう(以下「オーバーシュ
ート」という)と、記録材上の未定着トナーが定着ニッ
プ部Nにおいて溶融したときに、定着ローラ表面と記録
材上に分離してしまい、定着ローラ1表面に残ったトナ
ーが定着ローラ1周後に記録材上に定着されオフセット
として記録材上に現れる。このオフセットは、定着ロー
ラ表面が高温になりすぎて発生するオフセットであるの
で、特に高温オフセットと呼ぶことにする。
【0026】図5(a)、(b)、(c)に高温オフセ
ットが発生するようすをモデル図で示した。定着ローラ
1が定着温調温度より大きく高温になっている状態で、
表面に未定着トナー像を担持した記録材Pが定着装置に
搬送されると(a)、トナーが定着ローラ上と記録材上
に分離してしまい(b)、定着ローラ上に転移したオフ
セットトナーが、定着ローラ1周後(定着ローラ1円周
長:L)に、再び記録材上に定着されてしまう(c)。
【0027】また、オーバーシュートは、ヒータ出力が
入力電源電圧に依存するため、例えばヒータ定格を上回
る電圧(定格上限)ではより大きくなり、高温オフセッ
トが発生しやすくなる。逆にヒータ定格よりも小さい電
圧では、例えば厚紙など、ヒータ3からの熱供給よりも
記録材に奪われる熱量が勝る場合、中央での温度低下に
よる定着不良が起こる。
【0028】特に、熱容量の小さい薄肉の定着ローラ1
で上記のようなondutyテーブルを用いた温調制御
を行う場合、温調開始時のdutyNo.として、点灯
時間が最も長いdutyNo.1から開始しているた
め、前回転後の温調開始温度と温調温度の差が大きい場
合に端部と中央の温度差が大きくなり、オーバーシュー
トが発生する。すなわち、記録材Pとして多様な紙種を
扱う定着装置においては、定着性、カール、しわを考慮
して、複数の温調温度に切り替えることが行われるが、
スタンバイ温度に比べ温調温度が高い場合は、ヒータ全
点灯状態の加熱時間が長くなり温度分布がより中高にな
るためである。
【0029】また、スタンバイ温調状態ではヒータ非過
熱中(サーミスタ温度下降)よりも、ヒータ加熱中(サ
ーミスタ温度上昇)にプリント命令が入力されると温度
上昇が加速されるため、よりオーバーシュートが大きく
なる。
【0030】さらに、2本ヒータ系の場合のスタンバイ
温調では、ヒータ寿命を同じにするためメインヒータ3
a、サブヒータ3b交互点灯を行っているが、中央部中
心に加熱するメインヒータ3aの加熱中にプリント命令
が入力されるとさらにオーバーシュートが大きくなる。
【0031】これらは、定着ローラ芯金11の肉厚を厚
くすることで、芯金11の熱容量を大きくし、蓄熱効果
によって解決されるが、立ち上げ時間を延ばしてしまう
ことになり、ユーザの要望である立ち上げ時間の短縮に
反し、また、より多くの熱エネルギーを与えることは、
省エネルギーにも反することになる。
【0032】そこで、本発明は、立ち上げ時間の延長や
熱エネルギーの増加を伴うことなく、プリント開始時
に、定着部材中央部に発生するオーバーシュートを抑え
ることが可能で、高温オフセットの発生を防止するとと
もに、定着部材にトナー像定着に必要十分な熱量を与え
て定着不良を防止するように下定着装置を提供すること
を目的とするものである。
【0033】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの、請求項1に係る定着装置は、定着部材に加圧部材
を当接させて定着ニップ部を構成し、未定着トナー像を
担持した記録材を前記定着ニップ部にて挟持搬送しつつ
加熱して前記未定着トナー像を前記記録材上に熱定着さ
せる定着装置において、前記定着部材を加熱する加熱部
材と、前記定着部材の表面温度を検知する温度検知部材
と、交流電源電圧によらず前記加熱部材に一定電圧を印
加する電源装置と、前記温度検知部材の出力を基に前記
電源装置を制御して前記定着部材の表面温度を制御する
制御装置と、を備え、該制御装置は、前回転後のプリン
タと温調開始時の前記加熱部材への単位時間当たりの通
電時間をプリントリクエスト時の温度と目標定着温度と
の温度差により選択し、その後は前記温度検知部材によ
り検知した温度と目標定着温度との大小関係に応じて、
単位時間当たりの通電時間を制御して、前記定着部材の
表面温度を目標定着温度に維持する、ことを特徴とす
る。
【0034】請求項2に係る定着装置において、前記制
御装置は、プリントリクエスト時に温度検知部材により
検知した温度の単位時間当たりの変化率により、プリン
ト温調開始時の前記加熱部材への単位時間当たりの通電
時間を選択する、ことを特徴とする。
【0035】請求項3に係る定着装置は、前記加熱部材
として発熱分布の異なる2本のヒータを有し、トナー像
定着中は前記温度検知部材により検知した温度と目標定
着温度との大小関係に応じて、単位時間当たりの通電時
間を制御して、前記定着部材の表面温度を目標定着温度
に維持し、またプリント待機中は前記2本のヒータを交
互に点灯して待機を行うとともに、プリントリクエスト
時にその直前に点灯していたヒータの種類及び温度検知
手部材により検知した温度の単位時間当たりの変化率に
より、プリント開始時のヒータへの単位時間当たりの通
電時間を選択する、ことを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。
【0037】〈実施の形態1〉はじめに本実施の形態で
用いる定電圧電源と加熱手段(加熱部材)であるヒータ
の制御について説明する。
【0038】図6はヒータに一定電圧を印加する定電圧
回路を含む定電圧電源の概要を示す図である。
【0039】商用電源(交流電源電圧)50からの交流
波形は以下のようにして定電圧化され、画像形成装置の
加熱手段であるハロゲンヒータ57に印加される。
【0040】まず、入力交流波形はダイオードブリッジ
51により整流され、次に定電圧回路52により所望の
一定電圧を得ると同時に、出力電流波形を入力電圧波形
と相似波形になるようにチョッピングFET53のオン
デューティーを制御している。この制御を行うために、
出力電圧を電圧検知回路54で検知し、定電圧回路52
によりフィードバックを行っている。まあ、定電圧回路
52には、出力電流、入力実効値電圧、入力電圧波形の
検出を行う、検出抵抗、コンデンサが含まれるが詳細は
省略する。
【0041】図6中、57は画像形成装置内の加熱手段
であるハロゲンヒータであり、定電圧回路52とスイッ
チング手段であるFET58を介して接続されており、
FET58が導通状態になると電力が供給されハロゲン
ヒータ57が発熱する。スイッチング用FET58のゲ
ートにはフォトカップラのフォトトランジスタ側が接続
されている。このフォトトランジスタは、MPU(不図
示)からのデジタル信号を受けたフォトダイオード(不
図示)からの光信号が途絶えるとオフされ、FET58
が導通状態となりハロゲンヒータ57が発熱する。この
スイッチング動作に基づいてハロゲンヒータ57のオ
ン、オフが行われる。
【0042】また、定電圧回路52の出力は定電圧出力
を開始してからスロースタート機能により一定の時定数
をもって立ち上がるため、入力電流も徐々に増加する。
したがって、定電圧電源を用いた定着装置においては、
従来例のようにハロゲンヒータへの通電をオン・オフす
る際、同一電源ライン上のコンピュータディスプレイの
画面が瞬間的に歪んだり、照明機器が瞬間的に暗くなる
といった現象は発生しない。
【0043】さらに、ハロゲンヒータ57のオン、オフ
制御は、制御装置30(図2参照)により、熱定着手段
(加熱部材)である定着ローラ1の表面に接するサーミ
スタ(不図示)の出力電圧を検出し、出力電圧から温度
を検知して、上記ハロゲンヒータ57のオン、オフを制
御することで定着ローラ表面が目標温度となるように制
御する。
【0044】以下に、上記定電圧回路を用いた本発明の
実施の形態1をさらに具体的に説明する。説明する定着
装置は、記録材として最大A3縦(幅297mm)まで通
紙可能であり、搬送は記録材中心と定着ローラ中心とが
一致する中央基準搬送であり、各ハロゲンヒータ57の
配光分布も中央基準に対して左右対称な分布となってい
る装置を例に説明する。
【0045】本実施の形態における定着装置の構成で、
図2に示した従来例と同様である個所については説明を
省略する。また、広く知られている電子写真方式の画像
形成装置についても説明は省略する。本実施の形態では
大サイズ紙のカール量を低減させるため、A4横の温調
温度が180℃、A3の温調温度が175℃、スタンバ
イ状態の温調温度が170℃に設定されている画像形成
装置について説明する。
【0046】本実施の形態で説明する定着装置は、加熱
部材として、1本のハロゲンヒータ(定格電力800
W)を用い、図8に示すondutyテーブルを用いて
温調制御を行う。また、上記定電圧電源を使用している
ので、ハロゲンヒータ出力は入力電圧によらず一定と考
えてよい。
【0047】定着ローラ1は、直径40mm、肉厚1mmの
アルミニウムを芯金11とし、離型層12として厚さ5
0μmのPFAチューブを被覆している。
【0048】加圧ローラ2は、直径14mmの鉄製の芯金
21の上に厚さ8mmのシリコーンスポンジゴムからなる
弾性層22、さらに弾性層22の上に離型層23として
厚さ50μmのPFAチューブを被覆し、加圧ローラ2
としての硬度は56度(アスカーC硬度計に1kg荷重)
とし、20N(ニュートン)の押圧力によって定着ロー
ラ1に押し当てることで、約5mm幅の定着ニップ部Nを
得る。
【0049】このような構成の定着装置を備えたレーザ
ビームプリンタを用いて、A4横(温調温度180℃)
のプリントを行う場合には、ホストコンピュータ等から
プリント命令が入力されプリントリクエスト信号を本体
制御CPUが受けると、画像形成装置は画像形成のため
に、スキャナ装置の立ち上げ、転写部材に印加する電圧
の決定、定着可能温度まで定着ローラ温度を上昇させる
ために各ハロゲンヒータへの通電を行うと同時に、感光
ドラムへの静電潜像を書き込むための準備として、ホス
トコンピュータ等からの画像情報を、レーザ発信が可能
な画像信号に変換する。
【0050】このような一連の動作は、サーミスタ検知
温度が画像形成装置動作可能温度(スタンバイ状態)と
なる前回転開始温度に到達すると開始される。
【0051】図1に一連の動作のフローチャートを示
す。例えば、このプリントリクエスト時のサーミスタ検
知温度が173℃であれば、制御CPUは温調温度との
温度差7℃を算出して、onduutyテーブルから温
調開始時のdutyNo.を図9に示すようにNo.3
(800msec)を選択し、温調制御を開始する。
【0052】その後は、従来例で説明したようにサーミ
スタ温度と温調温度の差に応じて、ハロゲンヒータの通
電時間を増加、または減少させ連続プリント時の温調制
御を行う。
【0053】このように、従来、温調開始時の点灯時間
を一律全点灯1000msecとしていたものを、プリント
リクエスト時のサーミスタ検知と温調温度の差に応じて
適宜選択するようにしたことでオーバーシュートの発生
を小さくでき、高温オフセットの発生をなくすことがで
きた。
【0054】〈実施の形態2〉本実施の形態2は、実施
の形態1の定着装置において、プリントリクエスト時の
サーミスタ温度を検知し、温調温度との差を算出すると
同時に一つ前の制御単位時間でのサーミスタ温度と比較
して、サーミスタ検知温度の温度変化率を算出し、温度
上昇過程であるか、温度降下過程であるかにより温調開
始時の点灯時間を選択することを特徴とする。本実施の
形態における温調開始時の点灯時間を図10に示す。
【0055】プリントリクエスト時に温度上昇過程であ
れば、温度降下過程よりも温調開始時の点灯時間を短く
してオーバーシュートの発生を防ぐことが可能となる。
【0056】ここでは、サーミスタ検知温度の温度変化
率で温調開始時の点灯時間を選択するようにしたが、例
えばハロゲンヒータが通電中であるか非通電中であるか
により選択するようにしてもよい。
【0057】〈実施の形態3〉本実施の形態3では、従
来例で説明したような配光分布の異なる2本のハロゲン
ヒータを使って温調制御を行う場合である。ondut
yテーブルは図11で温調制御する。
【0058】温調開始時の点灯時間はハロゲンヒータが
温度上昇過程であるか温度降下過程であるか、さらにメ
インヒータ/サブヒータのどちらかの通電、非通電状態
であるかにより図12のように選択する。
【0059】上述のように、ハロゲンヒータの通電、非
通電状態、さらにハロゲンヒータの種類に応じて細かく
温調開始時の点灯時間を選択することで、いかなる状態
でプリントが要求されても、オーバーシュートは発生せ
ず、また連続プリント時に中央温度が低下し、定着不良
が発生することもなくなった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
定電流電源を備え、加熱部材への印加電圧を一定にした
定着装置において、プリント開始時に、定着部材中央部
に発生するオーバーシュートを抑えることが可能とな
り、高温オフセットの発生を防止できる。しかも、定着
部材にはトナー像定着に必要十分な熱量を与えることが
可能となり、定着不良が発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の制御を示すフローチャート。
【図2】定着装置の概略構成を示す縦断面図。
【図3】メインヒータとサブヒータとの配光分布を示す
モデル図。
【図4】定着ローラ長手方向の温度プロファイルのモデ
ル図。
【図5】(a)、(b)(c)は高温オフセットの発生
を説明するモデル図。
【図6】定電圧電源回路の説明図。
【図7】実施の形態1におけるメインヒータ/サブヒー
タの点灯時間を示す図。
【図8】実施の形態1におけるヒータ点灯時間を示す
図。
【図9】実施の形態1における温調開始時の点灯時間を
示す図。
【図10】実施の形態2において、温調開始時に選択す
る点灯時間を示す図。
【図11】実施の形態3におけるメインヒータ/サブヒ
ータの点灯時間を示す図。
【図12】実施の形態3において、温調開始時に選択す
るduty No.を示す図。
【符号の説明】
1 定着部材(定着ローラ) 2 加圧部材(加圧ローラ) 3、3a、3b、57加熱部材(ハロゲンヒータ) 5 温度検知部材(サーミスタ) 7 トナー 30 制御装置 50 交流電源電圧(商用電源) N 定着ニップ部 P 記録材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 宏明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 馨 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中森 知宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 君塚 純一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 豊泉 清人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着部材に加圧部材を当接させて定着ニ
    ップ部を構成し、未定着トナー像を担持した記録材を前
    記定着ニップ部にて挟持搬送しつつ加熱して前記未定着
    トナー像を前記記録材上に熱定着させる定着装置におい
    て、 前記定着部材を加熱する加熱部材と、 前記定着部材の表面温度を検知する温度検知部材と、 交流電源電圧によらず前記加熱部材に一定電圧を印加す
    る電源装置と、 前記温度検知部材の出力を基に前記電源装置を制御して
    前記定着部材の表面温度を制御する制御装置と、を備
    え、 該制御装置は、 前回転後のプリンタと温調開始時の前記加熱部材への単
    位時間当たりの通電時間をプリントリクエスト時の温度
    と目標定着温度との温度差により選択し、その後は前記
    温度検知部材により検知した温度と目標定着温度との大
    小関係に応じて、単位時間当たりの通電時間を制御し
    て、前記定着部材の表面温度を目標定着温度に維持す
    る、 ことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記制御装置は、プリントリクエスト時
    に温度検知部材により検知した温度の単位時間当たりの
    変化率により、プリント温調開始時の前記加熱部材への
    単位時間当たりの通電時間を選択する、 ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱部材として発熱分布の異なる2
    本のヒータを有し、トナー像定着中は前記温度検知部材
    により検知した温度と目標定着温度との大小関係に応じ
    て、単位時間当たりの通電時間を制御して、前記定着部
    材の表面温度を目標定着温度に維持し、またプリント待
    機中は前記2本のヒータを交互に点灯して待機を行うと
    ともに、 プリントリクエスト時にその直前に点灯していたヒータ
    の種類及び温度検知手部材により検知した温度の単位時
    間当たりの変化率により、プリント開始時のヒータへの
    単位時間当たりの通電時間を選択する、 ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
JP10150392A 1998-05-29 1998-05-29 定着装置 Pending JPH11344893A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2806794A1 (fr) * 2000-03-23 2001-09-28 Canon Res Ct France Sa Dispositif de mesure de temperature d'un element chauffant
JP2002351255A (ja) * 2001-05-29 2002-12-06 Canon Inc 画像形成装置
JP2013148721A (ja) * 2012-01-19 2013-08-01 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置

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