JPH11343501A - 複合ニッケル微粉末及びその製造方法 - Google Patents

複合ニッケル微粉末及びその製造方法

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JPH11343501A
JPH11343501A JP10165893A JP16589398A JPH11343501A JP H11343501 A JPH11343501 A JP H11343501A JP 10165893 A JP10165893 A JP 10165893A JP 16589398 A JP16589398 A JP 16589398A JP H11343501 A JPH11343501 A JP H11343501A
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nickel fine
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隆之 荒木
Hisao Hayashi
尚男 林
Hiroyuki Shimamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層セラミックコンデンサの内部電極材
料用等に好適にであり、ペースト中のニッケル微粉末の
急激な熱収縮開始温度が600〜700℃近傍より更に高温側
にシフトし、かつニッケル微粉末中の金属ニッケルが酸
化拡散しにくい複合ニッケル微粉末を提供する。 【解決手段】 ニッケル粒子表面上にTiO2、MnO2、Cr2O
3、Al2O3、SiO2、Y2O3、ZrO2、BaTiO3のうちから選ばれ
る少なくとも1種以上の酸化物(以下、単に酸化物と称
す)が存在する複合ニッケル微粉末である。これら複合
ニッケル微粉末は表面を酸化処理したニッケル微粉末を
液中に分散させたスラリーに、Ti、Mn、Cr、Al、Si、
Y、Zr、Ba塩のうちから選ばれる少なくとも1種以上を
含む水溶液を添加した後、酸もしくはアルカリでpHを調
整し、ニッケル粒子表面に添加塩金属酸化物を形成する
表面処理を施すことにより製造される。さらには、表面
処理後に、洗浄、乾燥して得られた微粉末をオングミ
ル、ハイブリタイザー、コートマイザー、ディスパーコ
ート、ジェットマイザーのいずれかの装置で処理するよ
うにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に積層セラミックコ
ンデンサの内部電極材料用等に好適であり、熱収縮特性
に優れた複合ニッケル微粉末及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】積層セラミックコンデ
ンサはセラミック誘電体と内部電極とを交互に重ねて圧
着、焼成一体化したものである。従来、この内部電極材
料としては白金、パラジウムが使用されていたが、近時
にはこれら白金、パラジウムに代えてニッケル等の卑金
属を用いる技術が進んでいる。積層セラミックコンデン
サの内部電極形成は通常、材料である上記金属微粉末を
ペースト化し、セラミック基板上に印刷したものを複数
枚重ねて加熱圧着して一体化した後、還元雰囲気で加熱
焼成を行うのが一般的である。
【0003】しかし、焼成の際にセラミック基材と内部
電極材料の熱収縮の相違に起因して発生するデラミネー
ションやクラック等の欠陥が問題視されていた。本発明
者らはかかる問題点を克服する手段として、ニッケル微
粉末中にマグネシウム及び/又はカルシウムを特定の範
囲内で含有させ、熱収縮特性を改善する技術を既に出願
している(特願平9-342793号)。この技術によれば、従
来のニッケル超微粉で生じる400〜500℃近傍からの急激
な熱収縮が防止でき、かつ急激な熱収縮開始温度が600
〜700℃近傍の高温側にシフトさせることができる。
【0004】しかしながら、元来ニッケル微粉末は粒子
の粒径にもよるが、400〜500℃近傍より急激な熱収縮が
発生し易く、上記特願平9-342793号記載の技術をもって
してもその急激な熱収縮発生開始を600〜700℃近傍程度
にしか改善できないものであった。通常、誘電体の焼成
温度は1200℃程度まで昇温させることから、デラミネー
ションやクラックの抑制のためには、熱収縮発生開始温
度はさらに高温側にシフトさせることが望ましい。加え
て、セラミック基材の焼成温度が高い材料においては焼
成雰囲気中の酸素濃度をかなり下げても、ニッケル微粉
末中の金属ニッケルの一部が酸化され、セラミック基材
中に拡散する現象により焼成後の内部電極欠損が生じた
りする。このようなことから、ペースト用のニッケル微
粉末に求められる特性としては、セラミック基材の収縮
曲線に近づけるため、より高温側へ急激な熱収縮開始温
度をシフトさせるとともに、焼成中にニッケル微粉末中
の金属ニッケルがセラミック基材中に拡散しにくくする
ことが重要視される。
【0005】本発明者らは前記課題を解決し、ペースト
中のニッケル微粉末の急激な熱収縮開始温度が600〜700
℃近傍より更に高温側にシフトし、かつニッケル微粉末
中の金属ニッケルが酸化拡散しにくいニッケル微粉末を
提供することを目的として鋭意研究を重ねた結果、本発
明を為すに至ったものである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】すなわち、本発明によ
れば、ニッケル粒子表面上にTiO2、MnO2、Cr2O3、Al
2O3、SiO2、Y2O3、ZrO2、BaTiO3のうちから選ばれる少
なくとも1種以上の酸化物(以下、単に酸化物と称す)
が存在する複合ニッケル微粉末が提供される。また、こ
れら複合ニッケル微粉末は表面を酸化処理したニッケル
微粉末を液中に分散させたスラリーに、Ti、Mn、Cr、A
l、Si、Y、Zr、Ba塩のうちから選ばれる少なくとも1種
以上を含む水溶液を添加した後、酸もしくはアルカリで
pHを調整し、ニッケル粒子表面に添加塩金属酸化物を形
成する表面処理を施すことにより複合ニッケル微粉末を
製造する方法が提供される。さらには、表面処理後に、
洗浄、乾燥して得られた微粉末をオングミル、ハイブリ
タイザー、コートマイザー、ディスパーコート、ジェッ
トマイザーのいずれかの装置で処理するようにしてもよ
い。なお、酸化物形成工程に供せられる表面を酸化処理
したニッケル微粉末はニッケル微粉末を液中で酸化処理
したニッケル微粉末を使用するようにしてもよい。
【0007】
【発明の態様】本発明に係る複合ニッケル微粉末におけ
る重要な特徴は、ニッケル微粉末表面上にTiO2、MnO2
Cr2O3、Al2O3、SiO2、Y2O3、ZrO2、BaTiO3のうちから選
ばれる少なくとも1種以上の酸化物が存在していること
にあり、その酸化物量は粉末全体に対する酸化物の総重
量比率が0.1〜5wt%の範囲内となるようにすることが好
ましい。酸化物が粉末全体にたいして0.1wt%未満ではそ
の効果が不十分であり、逆に5wt%を越えると積層セラ
ミックコンデンサの内部電極材料として使用したとき、
コンデンサの誘電特性に悪影響を及ぼしやすい。
【0008】セラミック基材のような固体相を重ねて焼
成結合を施す場合等における固体相間にあっては、一般
的に金属はセラミック基材に較べると拡散係数が大きい
ため、高温になるにつれ、固相粒界において拡散係数の
大きな金属相から拡散係数の小さなセラミック相への拡
散が進みやすい。従って、セラミック誘電体焼成のよう
な固体相間での焼成結合では、ニッケル微粉末中の金属
ニッケルのセラミック基材中への拡散が著しく、内部電
極を構成する金属ニッケルがセラミック誘電体中へ拡散
することにより内部電極に欠損部が生じやすい。
【0009】本発明において、酸化物形成処理として湿
式法を採用する。それは、酸化物処理を施す以前のニッ
ケル微粉末製造を湿式処理で行うことにより一貫した湿
式処理操作が容易で、かつ低コストで製品が得られるこ
とによるものである。通常、ニッケル微粉末は、ニッケ
ル塩蒸気の気相水素還元法のような乾式法でも得られる
が、上記した点からもニッケル微粉末は例えばニッケル
塩を含む水溶液を特定条件の下、還元剤で還元析出する
湿式法で製造することが好ましい。なお、当該ニッケル
微粉末はその表面を予め適当な酸化剤で軽く酸化したも
のを使用する場合には、TiO2、MnO2、Cr2O3、Al2O3、Si
O2、Y2O3、ZrO2、BaTiO3等の酸化物がニッケル粒子表面
上に形成しやすくなる。本発明では、上記ニッケル粒子
表面上にTiO2、MnO2、Cr2O3、Al2O3、SiO2、Y2O3、Zr
O2、BaTiO3のいずれか1種以上の酸化物を形成した前記
処理品は、洗浄、乾燥後、オングミル、ハイブリタイザ
ー、コートマイザー、ディスパーコート、ジェットマイ
ザーのいずれかの装置で処理することにより、核となる
ニッケル微粉末と表面に存在する酸化物との固着強度が
著しく改善される。
【0010】本発明の製法において用いられるTi、Mn、
Cr、Al、Si、Y、Zr、Ba塩のうちから選ばれる少なくと
も1種以上を含む水溶液を調製する際に用いられる塩は
各々以下の物質が挙げられる。 Ti塩…塩化チタン、ヨウ化チタン、硫酸チタン、蓚酸
チタンカリウム Mn塩…塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、
臭化マンガン、ヨウ化マンガン Cr塩…酸化クロム、塩化クロム、硫酸クロム、硝酸ク
ロム、臭化クロム、ヨウ化クロム Al塩…アルミン酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、
塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、ヨウ化アルミニウム Si塩…ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム Y塩 …硫酸イットリウム、塩化イットリウム、硝酸イ
ットリウム、臭化イットリウム、ヨウ化イットリウム Zr塩…塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジ
ルコニウム、塩化酸化ジルコニウム Ba塩…酸化バリウム、塩化バリウム、硝酸バリウム また、本発明では中和時に使用するpH調整用の酸もしく
はアルカリは、生成酸化物に応じて各々以下の水溶液を
使用する。 TiO2、MnO2、Cr2O3、SiO2、Y2O3、ZrO2、BaTiO3:水酸
化ナトリウム Al2O3 :希硫酸
【0011】
【発明の効果】上記のような本発明による複合ニッケル
微粉末は、従来のニッケル微粉末に較べ、熱収縮が著し
くなる温度が少なくとも700℃以上にシフトし、かつニ
ッケル微粉末中の金属ニッケルがセラミック基材中に拡
散しにくく、従ってこれをセラミック基材上に重ねて高
温焼成する場合に両者間の熱収縮係数の差が少なくなる
ことにより焼成時のデラミネーションやクラックの発生
するおそれが可及的に少なくなり、積層コンデンサの内
部電極形成用途に極めて好適である。
【0012】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明はかかる事例に限定されるものではない。本
実施例に供した表面を酸化処理したニッケル微粉末は次
のようにして調製した。すなわち、ニッケル微粉末100
gを純水1リットル中に加えて撹拌し、スラリー化し
た。30分間撹拌した後、過酸化水素水100gを一括添加
し、反応が終了し泡が出なくなった時点で撹拌を停止
し、濾過、乾燥し、表面酸化処理ニッケル微粉末を得
た。
【0013】
【実施例1】表面酸化処理ニッケル微粉末100gを純水
1リットル中に加えて撹拌し、60℃に加熱し、この温度
に保持した。該溶液に硫酸チタン(Ti:5wt%品) 19.2g
を一括添加し、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:1N) を
添加してpH8に調節した。そのまま1時間撹拌した後、
濾過、乾燥してTiO2酸化物が存在する複合ニッケル微粉
末を得た。
【0014】
【実施例2】表面酸化処理ニッケル微粉末100gを純水
1リットル中に加えて撹拌し、60℃に加熱し、この温度
に保持した。該溶液に塩化クロム5.0gを50mlの純水に
溶解した水溶液を一括添加し、水酸化ナトリウム水溶液
(NaOH:1N) を添加してpH7に調節した。そのまま1時
間撹拌した後、濾過、乾燥してCr2O3酸化物が存在する
複合ニッケル微粉末を得た。
【0015】
【実施例3】表面酸化処理ニッケル微粉末100gを純水
1リットル中に加えて撹拌し、60℃に加熱し、この温度
に保持した。該溶液にケイ酸ナトリウム(水ガラス)2.
8gを60mlの純水に溶解した水溶液を一括添加し、水酸
化ナトリウム水溶液(NaOH:1N) を添加してpH6に調節
した。そのまま1時間撹拌した後、濾過、乾燥してSiO2
酸化物が存在する複合ニッケル微粉末を得た。
【0016】
【実施例4】表面酸化処理ニッケル微粉末100gを純水
1リットル中に加えて撹拌し、60℃に加熱し、この温度
に保持した。該溶液に塩化イットリウム3.5gを50mlの
純水に溶解した水溶液を一括添加し、水酸化ナトリウム
水溶液(NaOH:1N) を添加してpH6に調節した。そのま
ま1時間撹拌した後、濾過、乾燥してY2O3酸化物が存在
する複合ニッケル微粉末を得た。
【0017】
【実施例5】表面酸化処理ニッケル微粉末100gを純水
1リットル中に加えて撹拌し、60℃に加熱し、この温度
に保持した。該溶液に塩化酸化ジルコニウム3.5gを50m
lの純水に溶解した水溶液を一括添加し、水酸化ナトリ
ウム水溶液(NaOH:1N) を添加してpH6に調節した。そ
のまま1時間撹拌した後、濾過、乾燥してZr2O3酸化物
が存在する複合ニッケル微粉末を得た。
【0018】
【実施例6】表面酸化処理ニッケル微粉末100gを純水
1リットル中に加えて撹拌してスラリー化し、これを60
℃に加熱した後、硫酸チタン溶液(Ti:5wt%)3.9gを一
括添加した。さらに水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:1
N) を加えてpHを8に調整し、1時間撹拌した。次い
で、これを濾過し、リパルプを1回行った後、また濾過
した。こうして得たケーキを純水1リットル中に加えて
スラリー化した。そして塩化バリウム2.62gを湯に溶か
した溶液を一括添加した。さらに水酸化ナトリウム水溶
液(NaOH:1N) を加えてpHを12以上に調整し、そのまま
1時間程撹拌した後、濾過、乾燥してBaTiO3酸化物が存
在する複合ニッケル微粉末を得た。
【0019】
【実施例7】表面酸化処理ニッケル微粉末100gを純水
1リットル中に加えて撹拌し、60℃に加熱し、この温度
に保持した。該溶液に硫酸マンガン15.7gを100mlの純
水に溶解した水溶液を一括添加し、水酸化ナトリウム水
溶液(NaOH:1N) を添加してpH8に調節した。そのまま
1時間撹拌した後、濾過、乾燥してMnO2酸化物が存在す
る複合ニッケル微粉末を得た。
【0020】
【実施例8】表面酸化処理ニッケル微粉末100gを純水
1リットル中に加えて撹拌し、60℃に加熱し、この温度
に保持した。該溶液にアルミン酸ナトリウム5.5gを100
mlの純水に溶解した水溶液を一括添加し、1:1希硫酸
を添加してpH8に調節した。そのまま1時間撹拌した
後、濾過、乾燥してAl2O3酸化物が存在する複合ニッケ
ル微粉末を得た。
【0021】
【比較例1】固形1級水酸化ナトリウム244gを純水に
溶解し、総量が430mlとなるように純水で調整して水酸
化ナトリウム水溶液を得た。一方、硫酸ニッケル(NiSO4
・6H2O品位22.2重量%品)448gを純水に溶解し(より早
く完全に溶解するように温水を用いた)、総量が1000ml
となるように純水で調整して硫酸ニッケル水溶液を得
た。得られた硫酸ニッケル水溶液を、上記水酸化ナトリ
ウム水溶液に20ml/minの添加速度で50分間連続添加し
た。このようにして得られた水酸化物含有スラリーを60
℃に昇温した後、ヒドラジン−水和物420gを一括添加
し、水酸化物を還元した。得られたニッケル微粒子を純
水を用いて洗浄し、洗浄液のpHが10以下になるまで洗浄
を続け、その後常法に従って濾過、乾燥を実施してニッ
ケル微粉末(粒径0.20μm品)を得た。
【0022】
【比較例2】比較例1の方法において、60℃に昇温した
水酸化物含有スラリーを還元するのに添加するヒドラジ
ン−水和物420gを一括添加ではなく20分間にわたって
添加したこと以外は比較例1と全く同様にしてニッケル
微粉末(粒径0.50μm品)を得た。
【0023】こうして得られた実施例に係る複合ニッケ
ル微粉末及び比較例に係るニッケル微粉末を熱機械分析
装置(理学電機製TAS-100)を用いて昇温速度10deg/分、
窒素ガス雰囲気中で熱収縮率を測定した。なお、平均粒
径は電子顕微鏡写真よりフィレ径を求めた。その結果を
表1にまとめた。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、実施例の場合の
複合ニッケル微粉末は、比較例のニッケル微粉末に対
し、900℃での熱収縮率が約28〜91%小さくなってお
り、1100℃でも約8〜77%の改善が窺える。また、比較
例1のニッケル微粉末が500℃近傍からの収縮が急激
で、セラミック基材がこの領域では余り収縮せず、膨張
すら生じるため、デラミネーションやクラックを生じや
すいのに対し、実施例1のニッケル微粉末は700℃を越
えた時点から収縮が起こっており、セラミック基材の収
縮開始温度に近づき、前記弊害が起こりにくいことが分
かる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、表面を酸化処理したニッケル粒子表面上にTiO、M
nO、CrO、AlO、SiO、YO、ZrO、BaTi
Oのうちから選ばれる少なくとも1種以上の酸化物
(以下、単に酸化物と称す)が存在する複合ニッケル微
粉末が提供される。また、本発明によれば表面を酸化処
理したニッケル微粉末を液中に分散させたスラリーに、
Ti、Mn、Cr、Al、Si、Y、Zr、Ba塩のうちから選ばれる
少なくとも1種以上を含む水溶液を添加した後、酸もし
くはアルカリでpHを調整し、前記ニッケル粒子表面に添
加塩金属酸化物を形成する表面処理を施すことにより複
合ニッケル微粉末を製造する方法が提供される。さらに
は、本発明においては、前記表面処理後に、洗浄、乾燥
して得られた微粉末をオングミル、ハイブリタイザー、
コートマイザー、ディスパーコート、ジェットマイザー
のいずれかの装置で処理するようにしてもよい。なお、
酸化物形成工程に供せられる表面を酸化処理したニッケ
ル微粉末は、〔0012〕で述べるように例えばニッケ
ル微粉末を液中で酸化処理することにより得ることがで
きる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明に係る複合ニッケル微粉末における
重要な特徴は、表面を酸化処理したニッケル微粉末表面
上にTiO、MnO、CrO、AlO、SiO、Y
O、ZrO 、BaTiOのうちから選ばれる少なくとも
1種以上の酸化物が存在していることにあり、その酸化
物量は粉末全体に対する酸化物の総重量比率が0.1〜5w
t%の範囲内となるようにすることが好ましい。酸化物が
粉末全体にたいして0.1wt%未満ではその効果が不十分で
あり、逆に5wt%を越えると積層セラミックコンデンサ
の内部電極材料として使用したとき、コンデンサの誘電
特性に悪影響を及ぼしやすい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明において、酸化物形成処理として湿
式法を採用する。それは、酸化物処理を施す以前のニッ
ケル微粉末製造を湿式処理で行うことにより一貫した湿
式処理操作が容易で、かつ低コストで製品が得られるこ
とによるものである。通常、ニッケル微粉末は、ニッケ
ル塩蒸気の気相水素還元法のような乾式法でも得られる
が、上記した点からもニッケル微粉末は例えばニッケル
塩を含む水溶液を特定条件の下、還元剤で還元析出する
湿式法で製造することが好ましい。なお、本発明では当
該ニッケル微粉末はその表面を予め適当な酸化剤で軽く
酸化したものを使用するので、TiO、MnO、Cr
O、AlO、SiO、YO、ZrO、BaTiO等の
酸化物がニッケル粒子表面上に形成しやすくなるという
産業上の利益をもたらす。本発明では、上記ニッケル粒
子表面上にTiO、MnO、CrO、Al O、SiO、Y
O、ZrO、BaTiOのいずれか1種以上の酸化物を
形成した前記処理品は、洗浄、乾燥後、オングミル、ハ
イブリタイザー、コートマイザー、ディスパーコート、
ジェットマイザーのいずれかの装置で処理することによ
り、核となるニッケル微粉末と表面に存在する酸化物と
の固着強度が著しく改善される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル粒子表面上にTiO2、MnO2、Cr2O
    3、Al2O3、SiO2、Y2O3、ZrO2、BaTiO3のうちから選ばれ
    る少なくとも1種以上の酸化物が存在する複合ニッケル
    微粉末。
  2. 【請求項2】 前記TiO2、MnO2、Cr2O3、Al2O3、SiO2
    Y2O3、ZrO2、BaTiO3のうちから選ばれる少なくとも1種
    以上の酸化物の総重量比率が粉末全体に対して0.1〜5w
    t%である請求項1記載の複合ニッケル微粉末。
  3. 【請求項3】 表面を酸化処理したニッケル微粉末を液
    中に分散させたスラリーに、Ti、Mn、Cr、Al、Si、Y、Z
    r、Ba塩のうちから選ばれる少なくとも1種以上を含む
    水溶液を添加した後、酸もしくはアルカリでpHを調整
    し、ニッケル粒子表面に添加塩金属酸化物を形成する表
    面処理を施す請求項1又は2記載の複合ニッケル微粉末
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 表面を酸化処理したニッケル微粉末を液
    中に分散させたスラリーに、Ti、Mn、Cr、Al、Si、Y、Z
    r、Ba塩のうちから選ばれる少なくとも1種以上を含む
    水溶液を添加した後、酸もしくはアルカリでpHを調整
    し、ニッケル粒子表面に添加塩金属酸化物を形成する表
    面処理を施した後、洗浄、乾燥して得られた微粉末をオ
    ングミル、ハイブリタイザー、コートマイザー、ディス
    パーコート、ジェットマイザーのいずれかの装置で処理
    する請求項3記載の複合ニッケル微粉末の製造方法。
JP10165893A 1998-05-29 1998-05-29 複合ニッケル微粉末及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2992270B2 (ja)

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