JP3794462B2 - チタン酸バリウム粉末の製造方法 - Google Patents

チタン酸バリウム粉末の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不純物の少ない、特に塩素分の少ない粒径が1μm以下の一次粒子からなる結晶性ペロブスカイト構造を有するチタン酸バリウム粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
チタン酸バリウム粉末は、圧電素子やPTCサーミスタ等の電子部品の誘電材料として広く応用されており、特に、多層積層セラミックコンデンサの基板用として有用である。この多層積層セラミックコンデンサは、一般に、セラミック誘電体層と内部電極層とを交互に層状に重ねて圧着し、これを焼成し一体化して製造される。チタン酸バリウム粉末は、バインダー等でスラリー化された後、焼結してセラミック誘電体層を形成する。特に最近では、セラミック誘電体層を薄層化させることで小型化でかつ大容量化の要求に応じている。この場合、耐電圧特性が良好で、焼成後に粒子の凝集が生じず層の密度が均一となり、さらにコンデンサの容量が十分に確保される必要があるが、このような要求を満足するために、チタン酸バリウム粉末には具体的に次のような特性が求められている。
【0003】
(1)一定形状の球状であり、平均粒径が0. 05〜0. 5μm、さらには0. 05〜0. 3μmで、かつ粒度分布が狭いこと。
(2)結晶性が良好でり、ペロブスカイト構造を有すること。
(3)Ba/Tiの原子比が1.00にきわめて近く、具体的には0. 99〜1. 01であること。
(4)スラリー化した際の分散性に優れていること。
(5)良好な焼結特性を有すること。
(6)不純物成分がなく高純度であること。
【0004】
従来、チタン酸バリウム粉末は、チタン化合物とバリウム化合物とを混合焼成して固相反応を起こさせることによって製造されていた。しかしながら、このような固相反応法では化合物を高温で反応させるため、得られるチタン酸バリウム粉末は、粒径が比較的大きく(例えば平均粒子径が0.5μm程度が限度)、粒度分布が広く、かつ形状が一定でないことから、スラリー化した際の分散性に劣るものであった。この問題を解消し得る製造方法として、液相反応法が知られている。
【0005】
この液相反応法としては、例えば特公平5−73695号公報には、含水酸化チタン、バリウム塩化物および/または硝酸塩、ならびにバリウム塩化物および/または硝酸塩1molに対して2.1〜5molのアルカリ金属水酸化物とを、チタン換算で120〜10000倍モルの水の存在下において60〜110℃で反応させる製造方法が開示されている。また、特公平5−73696号公報には、含水酸化チタン、水酸化バリウム及びアルカリ金属水酸化物を、チタン換算で120〜10000倍モルの水の存在下において60〜110℃で反応させる製造方法が開示されている。また、特公平3−39014号公報には、チタン化合物の加水分解生成物と水溶性バリウム塩とを、強アルカリ水溶液中で反応させる製造方法が開示されている。また、特公平6−649号公報には、チタン塩化物を水溶液中で加水分解した後、該水溶液を一旦アルカリ性に戻して塩素イオンを除去し、引き続きバリウムの水溶性塩のうち一つを加え、強アルカリ性水溶液中で反応させる製造方法が開示されている。
【0006】
さらに、特開平7−232923号公報には、四塩化チタン等のチタン化合物とバリウム塩とが共存する混合水溶液を、70〜100℃に予熱したアルカリ水溶液と接触させほぼ球状の結晶性ペロブスカイトを得る方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記液相反応法は、固相法に比べ、上述した(1)〜(5)の誘電材料として要求される特性を満足するチタン酸バリウムが得られるものの、上記のように塩化物や硝酸塩を原料として使用するため、最終的に得られるチタン酸バリウム中にこれらが不純物として残留してしまう。結果として高純度のチタン酸バリウムは得られず、これを誘電材料として使用した際、特性が低下したり、他の電子材料に悪影響を及ぼすという問題があった。そこで本発明は、上記(6)の特性を十分満足する、即ち不純物成分の少ない、特に塩素分の少ないチタン酸バリウム粉末を効率よく製造する方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成し得る製造方法を鋭意検討した結果、出発原料として、四塩化チタン等のチタン化合物水溶液と塩化バリウム等のバリウム化合物水溶液を接触して得られる固体反応物を、水蒸気を接触させながら高温で処理することにより不純物成分、特に塩素成分の少ないチタン酸バリウム粉末が得られることを見出し本発明を完成するに至った。したがって本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明のチタン酸バリウム粉末の製造方法は、チタン化合物水溶液とバリウム化合物水溶液を接触させ固体反応物を得た後、該固体反応物を水蒸気と接触させながら700〜1300℃で加熱処理することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、チタン化合物としては、ハロゲン化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、過塩素酸塩、しゅう酸塩およびアルコキシドから選択される1種又は2種以上が用いられる。具体的な化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタン、水酸化チタン、硫酸チタニル等であり、これらの中でも四塩化チタンが好ましく用いられる。
【0010】
バリウム化合物としては、ハロゲン化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、過塩素酸塩、しゅう酸塩およびアルコキシドから選択される1種又は2種以上が用いられる。具体的な化合物としては、塩化バリウム、水酸化バリウム、硝酸バリウム、硫酸バリウム、酢酸バリウム等が挙げられ、この中でも塩化バリウム、水酸化バリウムが好ましく用いられる。また、塩化バリウムなどのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等のバリウム塩化合物にNaOHあるいはKOH等のアルカリ金属の水酸化物を予め接触反応させ、水酸化バリウムを生成させ、これを用いてもよい。
【0011】
上記のチタン化合物及びバリウム化合物のそれぞれ1種又は2種以上組合せて用い、これらの水溶液を接触させ固体反応物を先ず調製する。その組合せは任意であるが、以下に好ましい組合せを示す。
(1)四塩化チタン及び塩化バリウム
(2)四塩化チタン及び水酸化バリウム
(3)四塩化チタン、塩化バリウム及び水酸化バリウム
(4)四塩化チタン、三塩化チタン及び塩化バリウム
(5)四塩化チタン、三塩化チタン、塩化バリウム及び水酸化バリウム
【0012】
上記チタン化合物水溶液(以下「水溶液(I)」ということがある。)とバリウム化合物水溶液(以下「水溶液(II)」ということがある。)を接触させて、固体反応物を得る際、水溶液(I)及び水溶液(II)はアルカリ性状態で接触させることが望ましい。具体的には、以下の方法が採用し得る。
(1)水溶液(I)及び水溶液(II)をアルカリ水溶液中に添加し接触させる。
(2)水溶液(I)及び水溶液(II)を混合し、この混合液をアルカリ水溶液と接触させる。
(3)水溶液(I)及びバリウム化合物のアルカリ水溶液を接触させる。
(4)水溶液(I)及びバリウム化合物のアルカリ水溶液を、アルカリ水溶液中に添加し接触させる。
【0013】
上記のなかでも、生産性および反応の均一性を考慮すると、(3)及び(4)の方法のように、予めバリウム化合物をアルカリ水溶液として調製されたものを用いる方法が好ましい。このときアルカリ源としてはNaOHもしくはKOHのごときアルカリ金属の水酸化物が用いられる。塩化バリウムのようなバリウム塩は、特に酸性状態での溶解度が低く、四塩化チタンのような酸性のチタン化合物とバリウム塩の混合水溶液を出発原料液とした場合、その混合水溶液の調整が困難であり、特に混合水溶液中のチタン化合物及びバリウム塩の濃度には限界がある。具体的には、四塩化チタンと塩化バリウム混合水溶液を調製した場合、金属イオンの合計濃度は、1.2mol/l程度が限界であり、生産性に限度がある。また、出発原料液中に炭酸塩が混入した場合、Ba/Tiの原子比の制御が困難であり、反応生成物である粉末中に炭酸塩が混入して品質の低下を招き、最終的には焼成しなければ比誘電率が上がらないといった問題もある。
【0014】
バリウム化合物を予めアルカリ化合物と接触させることによって、例えば塩化バリウムなどのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等のバリウム塩化合物を、一旦水酸化バリウムに変換させ、これをチタン化合物の水溶液(I)と接触させ反応させる。例えば、四塩化チタン水溶液と塩化バリウム水溶液をアルカリ水溶液中に同時に接触させる方法や、あるいは四塩化チタンと塩化バリウムの混合水溶液をアルカリ水溶液中に添加し接触反応させる方法では、反応生成物であるチタン酸バリウム中に塩素分が残留しやすい。しかしながら、バリウム化合物を予めアルカリ水溶液とし、バリウム化合物を水酸化物に予め変換することによって、チタン化合物との反応がより均一に進行し、塩素分の少ないより高純度のチタン酸バリウムが製造できる。
【0015】
さらに上記のようなアルカリ金属の水酸化物を使用せず、水酸化バリウムをアルカリ源として用いてもよい。つまり、本発明の固体反応物は、バリウム化合物のアルカリ水溶液の調製を、バリウム化合物として水酸化バリウムのみから調製してもよく、また塩化バリウムのような水酸化バリウム以外のバリウム化合物と水酸化バリウムから調製してもよい。即ち、チタン化合物の水溶液(I)とバリウム化合物と水酸化バリウムの水溶液(II)を接触させ、固体反応物を調製する。これによって、チタン及びバリウム以外の金属成分は使用せず、不純物金属の混入を防ぐことができるので、最終的により高純度のチタン酸バリウム粉末を製造することができる。
【0016】
また、チタン化合物水溶液とバリウム化合物水溶液を接触させる際、チタン化合物/バリウム化合物のモル比を0. 8〜1. 2に制御しながら接触させて固体反応物を調製することが望ましい。このように供給するチタン化合物とバリウム化合物の量比を制御することによって、反応が均一に起こり、結果としてBa/Tiの原子比が1.00にきわめて近いチタン酸バリウムの製造が可能となる。
【0017】
即ち、本発明においては、チタン化合物水溶液とバリウム化合物のアルカリ水溶液とを、チタン化合物/バリウム化合物のモル比を0. 8〜1. 2に制御しながら接触させて固体反応物を調製することが特に望ましい方法である。
【0018】
以下、本発明の固体反応物を得るためのより好ましい実施の形態を、チタン化合物が四塩化チタンの場合について説明する。当該製造方法では、四塩化チタンの場合におけるチタン水溶液(I)と、ハロゲン化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、過塩素酸塩、しゅう酸塩およびアルコキシドから選択される1種又は2種以上のバリウム化合物の水溶液(II)とを貯蔵容器にそれぞれ用意し、これら水溶液(I) 及び(II)を撹拌下に接触させる。水溶液(I) 及び(II)は、次のような処方により調製される。
【0019】
(1)四塩化チタン水溶液(I)
・四塩化チタン濃度
四塩化チタン水溶液(I) の四塩化チタン濃度は、0. 1mol/l以上が適当であり、好ましくは0. 3mol/l以上、純度向上の観点からは0. 4〜3.0mol/lが好ましい。0. 1mol/l未満では反応速度が極端に低下するので、生産性向上のためにはより高い濃度が望ましく、四塩化チタンのようなチタン化合物の単独の水溶液を使用することで、その原料水溶液の濃度をより高くすることができ、その結果生産性を向上することが可能となる。
【0020】
・温度
四塩化チタン水溶液(I) の温度は、30〜90℃、好ましくは40〜50℃に予熱して保持しておく方がよい。60℃を超えると四塩化チタンが加水分解し固形物が析出し、均一な水溶液が得られにくくなり、結果として生成物のBa/Ti原子比の制御が困難になる。
【0021】
・四塩化チタン水溶液(I) に用いる水
イオン交換樹脂等で脱イオン処理した水、さらには二酸化炭素などの溶存ガスを脱気処理した水を使用することが好ましい。なお、四塩化チタン水溶液(I) は、バリウム化合物のアルカリ水溶液(II)と接触させる前に、アルゴンガスをバブリングさせる等の手段により脱塩素処理を施しておくことが、得られるチタン酸バリウム粉末中の塩素分が低下するので好ましい。
【0022】
以上からなる四塩化チタン水溶液(I) は、大気への接触を避けて保存しておくことが望ましい。また、四塩化チタン水溶液(I) の溶存ガスを反応前に脱気しておいた方がより好ましい。この脱気が不十分であると、反応の際、液相に泡が発生し、生成粒子の形状が不均一になる。
【0023】
(2)バリウム化合物のアルカリ水溶液(II)
・バリウム濃度
バリウム化合物のアルカリ水溶液(II)のバリウムイオン濃度は、0. 05mol/l以上が適当であり、好ましくは0. 1〜2.0mol/lに調整されるとよい。0. 05mol/l未満では反応速度が極端に低下するので、生産性向上のためにはより高い濃度が望ましい。このように、上記のチタン化合物の水溶液とは別にバリウム化合物水溶液を調製し原料水溶液として使用することで、上記水溶液(I)と同様、バリウムイオン濃度をより高くすることができ、その結果生産性を向上することが可能となる。
【0024】
・アルカリ濃度
バリウム化合物のアルカリ水溶液(II)のアルカリ源としてはNaOHもしくはKOHのごときアルカリ金属の水酸化物が用いられ、その濃度は、通常0. 2〜15mol/lであり、上記のバリウム化合物が水酸化物に変換するのに十分な濃度であることが好ましく、即ち、バリウムイオン濃度以上の濃度である。このようにバリウム化合物を予めアルカリ化合物と接触させることによって、例えば塩化バリウムなどのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等のバリウム塩化合物を、一旦水酸化バリウムに変換させ、これをチタン化合物の水溶液(I)と接触させ反応する。例えば、四塩化チタン水溶液と塩化バリウム水溶液をアルカリ水溶液中に同時に接触させる方法や、あるいは四塩化チタンと塩化バリウムの混合水溶液をアルカリ水溶液中に添加し接触反応させる方法では、反応生成物であるチタン酸バリウム中に塩素分が残留しやすい。しかしながら、バリウム化合物を予めアルカリ水溶液とし、バリウム化合物を水酸化物に予め変換することによって、チタン化合物との反応がより均一に進行し、塩素分の少ないより高純度のチタン酸バリウムが製造できる。さらに本発明では、上記のようなアルカリ金属の水酸化物を使用せず、水酸化バリウムをアルカリ源として用いてもよい。つまり、水溶液(II)は、バリウム化合物は水酸化バリウムのみから調製してもよく、また塩化バリウムのような水酸化バリウム以外のバリウム化合物と水酸化バリウムから調製してもよい。即ち、チタン化合物の水溶液(I)とバリウム化合物と水酸化バリウムの水溶液(II)を接触させ、チタン酸バリウムを製造する。これによって、チタン及びバリウム以外の金属成分は使用せず、不純物金属の混入を防ぐことができるので、より高純度のチタン酸バリウムを製造することができる。
【0025】
・温度
バリウム化合物のアルカリ水溶液(II)の温度は、80〜100℃、好ましくは実際の反応系と同じ温度に予熱して保持しておくことが、四塩化チタン水溶液(I) との反応が促進されるので好ましい。さらに、水溶液(I) 及び(II)の反応中は、温度の変動を±1℃以内におさめて反応温度を一定に保持することが、得られるチタン酸バリウムのBa/Ti原子比が安定するので好ましい。
【0026】
・バリウム化合物のアルカリ水溶液(II)に用いる水
イオン交換樹脂等で脱イオン処理した水、さらには二酸化炭素などの溶存ガスを脱気処理した水を使用することが好ましい。
【0027】
・ろ過処理
前記した方法により得られたバリウム化合物のアルカリ水溶液(II)をそのまま用いてもよいが、その前にろ過処理を行う方が、Ba/Tiの原子比制御の容易化や高純度化に効果的であることから好ましい。例えばアルカリ源としてNaOHを用いた場合、NaOH中に不純物として含まれる炭酸ナトリウムがバリウム化合物と反応して、炭酸バリウムが沈殿する。これは反応の際、汚染の原因となるので、このようにろ過によって予め除去しておくことが望ましい。この点において、バリウム化合物のアルカリ水溶液とチタン化合物水溶液を別々に調製し、これを接触反応させる方法は、例えば、チタン化合物とバリウム化合物の混合溶液をアルカリ水溶液中に添加する方法や、チタン化合物水溶液とバリウム化合物水溶液を別々にまた同じにアルカリ水溶液中に添加する方法に比べ、純度の高いチタン酸バリウムを得ることができる。
【0028】
以上からなるバリウム化合物のアルカリ水溶液(II)は、四塩化チタン水溶液(I) と同様に大気への接触を避けて保存しておくことが望ましい。また、バリウム化合物のアルカリ水溶液(II)は、反応前に脱気処理した方がより好ましい。
【0029】
次に、上記水溶液(I) と上記水溶液(II)とを接触させる方法について説明する。まず、接触時及び反応時のpHが13以上、好ましくは13.5以上、より好ましくは13.8以上に保持されるよう水溶液(II)のアルカリ濃度を調整しておく。反応中、このように所定のpHを保持するため、別系統からNaOH水溶液等のアルカリ水溶液を必要量供給することも可能である。好ましくは、予め反応容器に所定濃度に調整したアルカリ水溶液を装入し、このアルカリ水溶液中に、前記水溶液(I) 及び(II)を添加し接触させる。この際のアルカリ水溶液は、予め反応温度あるいは両水溶液(I) 及び(II)を添加した後、所定の反応温度になるように高目に加熱しておくことが望ましい。このように、反応中一定のpHを保持することによって、均一な反応が保持され、結果としてBa/Ti原子比が制御された、均一なチタン酸バリウムが製造できる。
【0030】
さらに、両水溶液(I) 及び(II)を接触し反応させる際、チタン化合物/バリウム化合物のモル比を0. 8〜1. 2に制御することは必須であるが、モル比だけではなく、チタン化合物あるいはバリウム化合物の反応系内における絶対濃度を反応初期から反応終了までの間、なるべく一定に保つことも均一な反応を行うために好ましい態様である。そのために、例えば、上述したような反応容器中に予めアルカリ水溶液を装入しておき、その中に水溶液(I)及び(II)を添加する方法においては、反応初期の段階は、チタン化合物またバリウム化合物の濃度が希釈され、希薄状態で反応するため所定のBa/Ti原子比のチタン酸バリウムが生成されない。そこで、反応容器中のアルカリ水溶液に予め水溶液(II)に使用したバリウム化合物あるいは水溶液(I)で使用したチタン化合物を添加しておく。このうち、特にバリウム化合物の濃度が生成するチタン酸バリウムのBa/Ti原子に影響するため、前者のようにバリウム化合物を反応容器中のアルカリ水溶液に添加することが望ましい。
【0031】
次いで、水溶液(I)と水溶液(II)とを、それぞれ貯蔵容器から配管を経て反応容器内にポンプ等を利用して供給し、撹拌しながら接触させる。このとき、チタン化合物/バリウム化合物のモル比が0. 8〜1. 2、好ましくは1.0〜1. 2、より好ましくは1. 07〜1. 12となるよう、一定の流量で瞬間的かつ連続的に両水溶液(I) 及び(II)を反応容器内に供給する。供給する際、反応容器には撹拌器が具備され、撹拌しておくことが必要である。あるいは撹拌器が具備されていなくとも、例えばラインミクシングのよううな方法によって、乱流域を形成し、水溶液(I) 及び(II)を供給した後均一に接触混合し反応させることができる。
【0032】
水溶液(I) 及び(II)を接触させて反応させる際の温度は、80〜100℃、好ましくは85〜95℃の範囲内設定し、その設定温度±1℃に一定させて行う。
【0033】
反応容器内で水溶液(I) と水溶液(II)とを接触させ、撹拌を例えば、数秒〜20分間の十分な時間行うことにより粒子状の固体反応物が生成する。この固体反応物の主な成分は、チタン酸バリウムである。生成した固体反応物は反応中にスラリー状で連続的に抜き出してもよく(連続反応)、あるいは反応容器で一旦反応を終了した後、抜き出してもよい(バッチ反応)。
【0034】
このように生成した固体反応物は、スラリー状態で加熱処理を行うことが望ましい。該加熱処理の温度は通常、上記の反応温度と同じ80〜100℃かあるいはそれ以上の温度、例えば100〜200℃、また加熱処理の時間は通常1分〜30時間、好ましくは1分〜1時間で行われる。この加熱処理によって、未反応のチタン化合物及びバリウム化合物を完全に反応させ、また生成粒子を加熱処理することによって粒子の結晶性を向上させることができる。その具体的な方法としては、生成したチタン酸バリウムを含むスラリーを、反応容器内、あるいは反応容器から熟成槽に移し、所定温度及び所定時間処理する。加熱処理の後、固体反応物を洗浄し、未反応の化合物及びアルカリ分また複成したアルカリ塩等を十分に除去し、固体反応物を分離する。この洗浄、分離にはデカンテーション、遠心分離あるいはろ過など一般的な方法が採用し得る。分離後、固体反応物を空気中または不活性ガス中において50〜300℃で加熱するか、もしくは真空下において20〜300℃で加熱することにより乾燥させ、最終的にアルカリ成分を除去し、固体反応物を精製する。
【0035】
さらに、本発明において、前記した方法により得られた固体反応物を水蒸気と接触させながら加熱処理をして、最終的にチタン酸バリウム粉末を得る。水蒸気との接触方法については効率的な方法である限り制限はないが、例えば、得られた固体反応物を流動層中に導入し流動させ、その中に水蒸気を供給し接触させる方法、またロータリーキルンのような回転式加熱炉に固体反応物を装入し、その中に水蒸気を供給し接触させる方法、あるいは固体反応物をカラムに充填し、そのカラムに水蒸気を供給し接触させる方法などが採用し得る。ここで、供給する水蒸気は固体反応物と接触した後、排出することが望ましく、即ち水蒸気との接触は密閉系ではなく流通系で行う。
【0036】
また、水蒸気を供給する際、キャリアガスとして乾燥エアー、あるいは窒素、アルゴンなどの不活性ガスを使用することもできる。このうち好ましくは窒素、アルゴンなどの不活性ガスをキャリアガスとしてもちいることが好ましい。
【0037】
本発明において固体反応物と接触させる水蒸気の量としては、十分に不純物が除去される限り特に制限はないが、通常固体反応物1g当り、0.001〜1000g、好ましくは 0.01〜500g、特に好ましくは10〜200gである。また接触時間は通常30秒〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。また、水蒸気と接触させる際、加熱処理の温度は通常700〜1300℃、好ましくは800〜1200℃、特に好ましくは900〜1100℃で行う。
【0038】
このように、固体反応物を水蒸気と接触させながら高温下で加熱処理することによって、塩素などの不純物成分が固体反応物から除去され、より高純度のチタン酸バリウム粉末を得ることができる。さらに、同時にチタン酸バリウムを焼成する効果もあるので、チタン酸バリウムの結晶性がより一層向上する。
【0039】
以上のようにして製造したチタン酸バリウム粉末は、一定形状の球状であり、粒径が0. 05〜0. 5μm、さらには0. 05〜0. 3μmで、かつ粒度分布が狭く、かつ結晶性も良好である。また、Ba/Tiの原子比が0. 99〜1. 01と1.00にきわめて近い。さらに高温下での水蒸気接触により塩素分などの不純物成分が除去され、高純度のチタン酸バリウムが得られる。したがって、本発明の方法で得られるチタン酸バリウムは積層セラミックコンデンサにおけるセラミック誘電体層の材料としてきわめて好適である。また、上記製造方法は、出発原料として、四塩化チタンのようなチタン化合物と塩化バリウムのようなバリウム化合物を水溶液とし、これら水溶液を瞬間的かつ連続的に撹拌しながら接触させるといった容易な方法であり、その結果、生産性の向上が図られる。
【0040】
【実施例】
次に、本発明をより明らかにした実施例を説明する。
実施例1
撹拌装置を備えた2000ccのSUS製フラスコを反応容器とし、この反応容器内に、濃度0.92規定のNaOH水溶液を予め投入し、このNaOH水溶液を約90℃に保持した。次いで、40℃に加熱保持したTiCl4 水溶液(イオン交換水使用、TiCl4 濃度0. 472mol/l)と、予め未溶解分を除去し約95℃に加熱保持したBaCl2 /NaOH水溶液(イオン交換水使用、BaCl2 濃度0. 258mol/l、NaOH濃度2. 73mol/l)とを、TiCl4 水溶液77cc/分、BaCl2 /NaOH水溶液151cc/分の流量で、それぞれポンプにより反応容器内に連続的に供給した。その際、TiCl6 /BaCl2 のモル比は1.07であった。また、反応容器内の混合水溶液の温度を約90℃で一定とし、2分間撹拌して粒子状のチタン酸バリウムを生成した。次に、生成したチタン酸バリウムを含むスラリーを、TiCl4 水溶液とBaCl2 /NaOH水溶液の合計流量でポンプを用いて連続的に反応容器から約90℃に保持してある熟成槽に抜き出した後、ポンプを停止して熟成槽にて5分間撹拌した。続いて、デカンテーションを行って上澄みと沈殿物を分離し、遠心分離を行い、その後、純水洗浄、デカンテーション、遠心分離の操作を数回行い、固体反応物を回収した。回収した固体反応物を大気雰囲気下において100℃で加熱することにより乾燥した。
【0041】
次に、この固体反応物0.2gを外側に加熱ヒータを具備した石英製の加熱反応管に装入し、1000℃に加熱しながら水蒸気を加熱反応管の一端から供給し、接触した後加熱反応管のもう一端から排出した。この操作を30分行い、チタン酸バリウム粉末を得た。このとき供給した水蒸気の量は24gであった。得られたチタン酸バリウム粉末の塩素濃度、平均粒径及びBa/Ti原子比を分析し、その結果を表1に示した。ここで、チタン酸バリウム中の塩素は、硝酸銀による電位差滴定法(JIS H1615)により分析した。また、平均粒径を電子顕微鏡写真によって測定(SEM径)し、これに基づき、CV値(粒径の標準偏差/d50(粒度分布のメジアン径))を求めた。さらに、Ba/Tiの原子比(Ba/Ti比)を、次の方法に基づき求めた。すなわち、バリウムは、試料を、硫酸、硫酸アンモニウムおよび硝酸を加えて分解してから水を加えて溶解し、バリウムを硫酸バリウムとして沈殿させた後、その溶液をろ過し、灰化した後に灼熱して冷却し、硫酸バリウムとして秤量しバリウムを定量した。一方、チタンは、試料を、硫酸、硫酸アンモニウムおよび硝酸を加えて分解してから水を加えて溶解し、塩酸および硫酸を加えた後、チタン(IV)を金属アルミニウムに還元し、冷却後、チオシアン酸アンモニウム溶液を指示薬として硫酸アンモニウム鉄(III)標準液で滴定してチタンを定量した。
【0042】
実施例2
水蒸気の接触に際し、1000℃の温度を900℃とした以外は実施例1と同様に実験を行った。得られたチタン酸バリウム粉末を実施例1と同様に分析し、その結果を表1に示した。
【0043】
比較例1
水蒸気を供給しなかった以外は実施例1と同様に実験を行った。得られたチタン酸バリウム粉末を実施例1と同様に分析し、その結果を表1に示した。
【0044】
比較例2
実施例1で得られた固体反応物について実施例1と同様に分析し、その結果を表1に示した。
【0045】
【表1】
Figure 0003794462
【0046】
上記のように、本発明の製造方法によるチタン酸バリウム粉末は、Ba/Tiの原子比が1.00に極めて近く、かつ塩素分が極めて少なく高純度であることが確かめられた。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の方法によれば、Ba/Tiの原子比が1.00に極めて近く、不純物の少ない、特に塩素分の少ない粒径が1μm以下の均一な粒子からなる積層セラミックコンデンサを構成するセラミック誘電体層の材料としてきわめて好適なチタン酸バリウム粉末を、容易に効率よく製造することができる。

Claims (6)

  1. チタン化合物水溶液とバリウム化合物水溶液を接触させ固体反応物を得た後、該固体反応物を水蒸気と接触させながら700〜1300℃で加熱処理することを特徴とするチタン酸バリウム粉末の製造方法。
  2. 前記固体反応物が、チタン化合物水溶液とバリウム化合物のアルカリ水溶液とを、チタン化合物/バリウム化合物のモル比を0. 8〜1. 2に制御しながら接触させて得られる請求項1に記載のチタン酸バリウム粉末の製造方法。
  3. 前記チタン化合物およびバリウム化合物が、それぞれ、ハロゲン化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、過塩素酸塩、しゅう酸塩およびアルコキシドから選択される1種又は2種以上である請求項1に記載のチタン酸バリウム粉末の製造方法。
  4. 前記チタン化合物が、四塩化チタンである請求項1に記載のチタン酸バリウム粉末の製造方法。
  5. 前記バリウム化合物が、塩化バリウムと水酸化バリウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のチタン酸バリウム粉末の製造方法。
  6. 前記固体反応物が、アルカリ水溶液中にチタン化合物の水溶液とバリウム化合物のアルカリ水溶液を添加し接触させて得られる請求項1に記載のチタン酸バリウム粉末の製造方法。
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