WO2005021189A1 - チタン化合物被覆ニッケル粉末およびこれを用いた導電ペースト - Google Patents

チタン化合物被覆ニッケル粉末およびこれを用いた導電ペースト Download PDF

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Abstract

 ニッケル粉末にペルオクソチタン酸を接触させて、ニッケル粉末表面にチタン化合物を被覆し、これにより、デラミネーションの発生を防止することのできる導電ペースト用に適したチタン化合物被覆ニッケル粉末、およびこれを用いた導電ペーストを提供することができる。   

Description

明 細 書
チタン化合物被覆エッケノレ粉末およびこれを用いた導電ペースト 技術分野
[0001] 本発明は、ニッケノレ粉末の表面にチタンィ匕合物を被覆させたチタンィ匕合物被覆二 ッケル粉末に係り、特に導電ペーストとして用られ、なかでも積層セラミックコンデンサ の内部電極に用いられる、焼結特性や分散性に優れたチタン化合物被覆ニッケル 粉末に関する。
^景技術
[0002] 従来、銀、パラジウム、白金または金などの貴金属粉末、あるいはニッケル、コバル ト、鉄、モリブデンまたはタングステンなどの卑金属粉末は、電子材料用の導電ぺー ストとして、特に積層セラミックコンデンサの内部電極用として用いられている。一般に 積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック層と内部電極として使用される金属層 とが交互に重なり、これらの層と誘電体セラミック層の両端に内部電極と接続した外 部電極とから構成されてレヽる。
[0003] ここで誘電体として用いられるセラミックとしては、チタン酸バリウム、チタン酸スト口 ンチウム、酸化イットリウムなどの誘電率の高い材料を主成分とするものが挙げられる 。これに対し、内部電極として用いられる金属としては、前述した貴金属粉末ゃ卑金 属が挙げられるが、最近はより安価な電子材料が要求されているため、後者の卑金 属を利用した積層セラミックコンデンサの開発が盛んに行われており、特にニッケノレ 粉末が代表的である。
[0004] また、積層セラミックコンデンサの一般的な製造方法としては、チタン酸バリウム等 の誘電体粉末を有機バインダと混合し懸濁させ、ドクターブレード法によりシート状に 成形して誘電体グリーンシートを作成する。一方、内部電極とする金属粉末を有機溶 剤、可塑剤、有機バインダ等の有機化合物と混合し、金属粉末ペーストを形成して、 これを上記グリーンシート上にスクリーン印刷法で印刷する。その後乾燥、積層およ び圧着を順次行い、加熱処理にて有機成分を除去した後、 1300°C前後またはそれ 以上の温度で焼成する。その後両端に外部電極を焼き付けて、積層セラミックコンデ ンサを得る。
[0005] 上記積層セラミックコンデンサの製造工程においては、誘電体グリーンシートに金 属ペーストを印刷し、積層および圧着を行った後、加熱処理にて有機成分を蒸発除 去するが、この加熱処理は通常大気中で 250— 400°Cで行われる。このように、酸化 雰囲気中で加熱処理を行うため、金属粉末は酸化し、それにより金属粉末の体積が 膨張する。さらにこの有機成分除去のための加熱処理の後、さらに高温に加熱し焼 結するが、この焼結は水素ガス雰囲気等の還元性雰囲気で行う。これにより、一旦酸 化した金属粉末は還元されるため、体積の収縮が起きる。
[0006] このように、積層セラミックコンデンサを製造する工程において、酸化還元反応によ り金属粉末に膨張 *収縮による体積変化が生じる。一方、誘電体自身も焼結により体 積変化が生じるが、誘電体と金属粉末という異なった物質を同時に焼結するため、焼 結過程でのそれぞれの物質の膨張 '収縮の体積変化などの焼結挙動が異なる。この ため、金属ペースト層に歪みが生じ、結果としてクラックまたは剥離などデラミネーショ ンといわれる層状構造の破壊が起きるという問題があった。具体的には、例えばチタ ン酸バリウムを主成分とする誘電体は、 1000°C以上、通常 1200— 1300°Cで焼結 が始まるのに対し、内部電極に用いられる金属粉末の焼結は、それよりも低い温度、 例えばニッケル粉末の場合、通常 400— 500°Cで始まる。このような焼結挙動として 焼結開始温度の違いがデラミネーシヨン発生の一つの大きな要因となっている。
[0007] 上記のようなデラミネーシヨン発生の問題を解決する手段として種々の方法が提案 されている。例えば、ニッケル粉末の焼結温度を向上させる手段として、ニッケル粉 末表面にチタンを主とする酸化物や有機化合物を被覆させる方法が提案されており 、例えば、金属ニッケル微粒子表面に、原子番号が 12 56および 82の範囲内で周 期表の 2 14族に属する金属元素の少なくとも 1種を含む酸化物および複合酸化物 力、らなる群より選ばれる少なくとも 1種が固着している複合ニッケル微粉末が開示され ている(特開 2000—282102号公報参照)。また、ニッケノレ粉末の粒子表面をチタン を含む有機化合物で被覆する、積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末の焼結性 制御方法が開示されている(特開 2001-59101号公報参照)。さらに、ニッケル超微 粉の表面に Ti〇を骨格として含む有機複合皮膜を形成させたニッケル超微粉が開 示されている(特開 2001-355003号公報参照。)。
[0008] 特許文献 1 :特開 2000-282102号公報(特許請求の範囲)
特許文献 2 :特開 2001 - 59101号公報 (特許請求の範囲)
特許文献 3:特開 2001 - 355003号公報(特許請求の範囲)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] しかしながら、上記各文献に記載されている従来技術は、焼結挙動に関する種々 の改善がなされているものであるが、上記したデラミネーシヨンを防止する技術として は必ずしも十分なものではない。また、上記各特許文献は、ニッケル粉末の表面を酸 化物で被覆する工程が煩雑であることや、高価な有機チタン化合物を用いることなど コスト面においても改善の余地が残されている。前述したように、近年安価な電子材 料が求められており、ニッケノレを代表とする卑金属を内部電極とした積層セラミックコ ンデンサが開発されているが、積層セラミックコンデンサを製造する際のデラミネーシ ヨンを防止できるニッケノレ粉末またニッケノレ粉末の導電ペーストのさらなる開発が要 請されていた。
[0010] 本発明は、上記要請に鑑みてなされたものであり、積層セラミックコンデンサの製造 工程において、加熱処理した際、酸化還元反応による体積変化または重量変化が 少ないだけでなぐ焼結開始温度が従来のニッケル粉末に比べてより高ぐすなわち 焼結開始温度が積層セラミックコンデンサを製造する際に用レ、る誘電体の焼結開始 温度により近ぐ結果としてデラミネーシヨンの発生を防止することのできるチタンィ匕合 物被覆ニッケル粉末、およびこれを用いた導電ペーストを提供することを目的として いる。
課題を解決するための手段
[0011] 本発明者らは、デラミネーシヨンの発生防止について鋭意研究を重ねた結果、上記 各特許文献に記載された技術に内在する問題、すなわち、デラミネーシヨンを十分に 防止できる安価な卑金属であるニッケノレ粉末を見いだし、本発明を完成するに至つ た。すなわち、本発明のチタン化合物被覆ニッケル粉末は、ニッケル粉末にペルオタ ソチタン酸を接触させて、ニッケノレ粉末表面にチタン化合物を被覆させたことを特徴 としている。
[0012] 本発明のチタン化合物被覆ニッケル粉末によれば、積層セラミックコンデンサの製 造工程において、ニッケル粉末の腐食を防止することを前提として、ニッケル粉末に 腐食性がなく水溶液ではほぼ中性領域のペルォクソチタン酸を接触させて、加熱処 理した際、酸化還元反応による体積変化または重量変化を少なくすることができる。 また、焼結開始温度を従来のニッケノレ粉末に比べてより高くし、すなわち焼結開始温 度を積層セラミックコンデンサを製造する際に用いる誘電体の焼結開始温度により近 くすることができ、結果としてデラミネーシヨンの発生を防止することができる。
[0013] このようなチタン化合物被覆ニッケル粉末においては、上記ニッケル粉末の平均粒 径が 1 μ m以下であることが望ましレ、が、この平均粒径を 0. 05 1 μ mとするとより好 ましく、 0. 1 0. 5 z mとするとさらに好ましレヽ。
[0014] また、このようなチタンィ匕合物被覆ニッケノレ粉末においては、ニッケル粉末表面に 被覆されたチタンィ匕合物層の平均厚さが 5nm以上であることが望ましいが、この平均 厚さを 10— 20nmとするとより好ましく、 10— 15nmとするとさらに好ましい。なお、こ のチタン化合物被膜は、ニッケル粉末表面上に層を成すものであるが、必ずしもニッ ケノレ表面全体に被覆する連続層を形成していなくてもよぐチタン化合物が点在して レ、てもよい。し力しながら、積層セラミックコンデンサの電極を形成する際の焼結特性 を向上させるためには、ニッケノレ粉末表面全体に均一に被覆されていることが望まし レ、。
[0015] また、本発明のチタン化合物被覆ニッケノレ粉末は、ニッケノレ粉末にチタン化合物を 被覆する前に、前処理として、ニッケル粉末を複素環状系化合物により表面処理を 施すことを特徴としている。複素環状系化合物で表面処理することにより、ニッケル粉 末の耐食性がより良好となり、さらにチタン化合物がニッケノレ粉末全体に均一に被覆 できるようになり、積層セラミックコンデンサの電極を形成する際の焼結特性をより向 上させることができる。複素環状系化合物としては、イミダゾールまたはその誘導体、 ベンゾトリアゾールまたはその誘導体等から選ばれる少なくとも 1種を使用することが できる。
[0016] さらに、このようなチタンィ匕合物被覆ニッケル粉末中のチタン化合物含有量は、ニッ ケノレ粉末に対してチタン含有量が 500ppm%以上であることが望ましいが、このチタ ン含有量を 1000— 50000ppm%とするとより好ましく、 5000— 15000ppmとすると さらに好ましい。また、チタンィ匕合物被覆ニッケル粉末の BETによる比表面積は、 1 一 20m2/gであることが望ましい。
[0017] 次に、本発明の導電ペーストは、上記したようなチタン化合物被覆ニッケル粉末か らなることを特徴としている。本発明の導電ペーストは、上記したようなチタン化合物 被覆ニッケノレ粉末の特性、すなわちデラミネーシヨンの十分な防止特性を有するため 、積層セラミックコンデンサの内部電極等の使用に好適である。 発明の効果
[0018] 以上説明したように、本発明のチタン化合物被覆ニッケル粉末は、焼結開始温度を より高温域に移行させることができ、また焼結時における金属微粉末の収縮率を減少 させ、さらにはペーストを形成した際の分散性に富むことから、内部電極層と誘電体 層との間に発生するデラミネーシヨンや凝集粒子によるショートを抑制することができ る。よって、本発明は、電子部品等に使用される導電ペーストに好適なチタン化合物 被覆ニッケノレ粉末を提供することができる点で有望である。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 以下に、本発明の実施形態を説明する。
本発明のチタン化合物被覆ニッケル粉末は、ニッケル粉末を複素環状系化合物に より表面処理した後、ペルォクソチタン酸により処理する。ここで、用いられるニッケノレ 粉末は、平均粒径が 1. 0 /i m以下、好ましくは 0. 05— 1 /i mであり、さらに好ましく は 0· 1 -0. 5 /i mの範囲の微粒子である。また、ニッケル粉末の BETによる比表面 積は、 1一 20m2/gであることが好ましい。さらに、エッケノレ粉末の粒子形状は、球状 であることが焼結特性や分散性を向上させるために望ましい。
[0020] 上記のニッケル粉末は気相法や液相法など公知の方法により製造することができる 力 特に塩化ニッケルガスと還元性ガスとを接触させることによりニッケル粉末を生成 する気相還元法、または熱分解性のニッケル化合物を噴霧して熱分解する噴霧熱分 解法が、生成するニッケル粉末の粒子径を容易に制御することができ、さらに球状の 粒子を効率よく製造することができるという点において好ましい方法である。 [0021] 気相還元法においては、一般的には気化させた塩ィ匕ニッケノレのガスと水素等の還 元性ガスとを反応させるが、固体の塩ィ匕ニッケルを加熱し蒸発させて塩化ニッケノレガ スを生成してもよい。しかしながら、塩化ニッケルの酸化または吸湿防止やエネルギ 一効率を考慮すると、金属ニッケノレに塩素ガスを接触させて塩化ニッケルガスを連続 的に発生させ、この塩ィ匕ニッケルガスを還元工程に直接供給し、次いで還元性ガスと 接触させ塩ィヒニッケルガスを連続的に還元してニッケル粉末を製造する方法が好ま しい。
[0022] このような気相還元反応によるニッケノレ粉末の製造過程では、塩化ニッケルガスと 還元性ガスとが接触した瞬間にニッケルが単体として生成し、ニッケル原子同士が衝 突-凝集することによって超微粒子が生成し、順次成長してゆく。そして、還元工程で の塩化ニッケルガスの分圧や温度等の条件によって、生成されるニッケル粉末の粒 径が決定される。上記のようなニッケノレ粉末の製造方法によれば、塩素ガスの供給量 に応じた量の塩化ニッケノレガスが発生することから、塩素ガスの供給量を制御するこ とで還元工程へ供給する塩ィ匕ニッケノレガスの量を調整することができ、これによつて 生成するニッケル粉末の粒径を制御することができる。さらに、塩化ニッケノレガスは、 塩素ガスと金属ニッケルとの反応で発生することから、固体塩ィヒニッケルの加熱蒸発 により塩ィ匕ニッケノレガスを発生させる方法と異なり、キャリアガスの使用を少なくするこ とができるばかりでなぐ製造条件によってはキャリアガスを使用しないことも可能であ る。したがって、気相還元反応の方が、キャリアガスの使用量低減とそれに伴う加熱 エネルギーの低減により、製造コストの低減を図ることができる。
[0023] また、気相還元反応によるニッケル粉末の製造過程では、塩化工程で発生した塩 化ニッケノレガスに不活性ガスを混合することにより、還元工程における塩化ニッケノレ ガスの分圧を制御することができる。このように、塩素ガスの供給量または還元工程 に供給する塩化ニッケノレガスの分圧を制御することにより、ニッケル粉末の粒径を制 御すること力 Sでき、よってニッケノレ粉末の粒径を安定させることができるとともに、粒径 を任意に設定することができる。
[0024] 上記のような気相還元法によるニッケル粉末の製造条件は、平均粒径が 1 μ m以 下になるように任意に設定する。例えば、出発原料である金属ニッケノレの粒径は約 5 一 20mmの粒状、塊状、板状等が好ましい。また、その純度は概して 99. 5%以上が 好ましい。
[0025] このような好適な金属ニッケルを、まず塩素ガスと反応させて塩化ニッケルガスを生 成する際の温度は、反応を十分促進させるために 800°C以上とし、かつニッケルの 融点である 1453°C以下とする。反応速度および塩化炉の耐久性を考慮すると、実 用的には 900°C— 1100°Cの範囲が好ましレ、。次いで、この塩化ニッケルガスを還元 工程に直接供給し、水素ガス等の還元性ガスと接触反応させる。この際には、窒素 やアルゴン等の不活性ガスを、塩化ニッケルガスに対し 1一 30モル%混合し、この混 合ガスを還元工程に導入することができる。また、塩ィ匕ニッケルガスとともにまたは独 立に塩素ガスを還元工程に供給することもできる。このように、塩素ガスを還元工程に 供給することによって、塩化ニッケルガスの分圧が調整でき、生成するニッケル粉末 の粒径を制御することが可能となる。還元反応の温度は、反応完結に十分な温度以 上であればよいが、固体状のニッケル粉末を生成する方力 取扱いが容易であるの で、ニッケルの融点以下が好ましぐさらに経済性を考慮すると 900°C— 1100°Cが 実用的である。
[0026] このように還元反応を行い、ニッケル粉末を生成させた後、生成ニッケル粉末を冷 却する。冷却の際には、生成したニッケルの一次粒子同士の凝集による二次粒子の 生成を防止して所望の粒径のニッケル粉末を得ることが重要である。このため、還元 反応を終えた 1000°C付近のガス流を 400— 800°C程度まで窒素ガス等の不活性ガ スを吹き込むことにより急速冷却させることが望ましい。その後、生成したニッケル粉 末を、例えばバグフィルタ一等により分離、回収する。回収したニッケル粉末表面に 付着している塩素分などの不純物を除去するために純水で洗浄し、その後必要に応 じて乾燥する。
[0027] ここで、噴霧熱分解法によるニッケノレ粉末の製造方法では、熱分解性のニッケル化 合物を原料とする。具体的な原料としては、ニッケルの硝酸塩、硫酸鉛、ォキシ硝酸 塩、ォキシ硫酸鉛、塩化物、アンモニゥム錯体、リン酸塩、カルボン酸塩またはアルコ キシ化合物などの少なくとも 1種が挙げられる。このニッケルィ匕合物を含む溶液を噴 霧して、微細な液滴を生成する。この際の溶媒としては、水、アルコール、アセトンま たはエーテルなどが用いられる。また、噴霧方法は、超音波または二重ジェットノズノレ などの噴霧方法を採用することができる。このようにして微細な液滴とし、高温で加熱 しニッケル化合物を熱分解して、ニッケノレ粉末を生成する。このときの加熱温度は、 使用される特定のニッケノレ化合物が熱分解する温度以上とし、好ましくはニッケノレの 融点付近とする。このようにして得られたニッケル粉末表面に付着している不純物を 除去するため純粋で洗浄し、その後必要に応じて乾燥する。
[0028] 一方、液相法によるニッケノレ粉末の製造方法では、硫酸ニッケル、塩ィ匕ニッケルま たはニッケル錯体を含むニッケノレ水溶液を、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水 酸化物中に添加するなどして接触させてニッケノレ水酸化物を生成し、次レ、でヒドラジ ンなどの還元剤でニッケノレ水酸化物を還元しニッケノレ粉末を得る。このようにして得ら れたニッケル粉末表面に付着している不純物を除去するため純粋で洗浄し、その後 必要に応じて乾燥する。このように生成したニッケノレ粉末は、均一な粒子を得るため に解砕処理する。
[0029] 以上のようにして得られたニッケノレ粉末を複素環状系化合物により処理した後ペル ォクソチタン酸により処理し、ニッケル粉末表面上にチタンィ匕合物を被覆させる。本 発明のチタン化合物被覆ニッケノレ粉末の製造においては、ニッケル粉末を炭酸水溶 液で予め処理しておくことが望ましい。炭酸水溶液で処理することにより、ニッケル表 面に付着している塩素などの不純物が十分に除去されるとともに、ニッケル粉末表面 に存在する水酸化ニッケノレなどの水酸化物や粒子同士の摩擦などにより表面から剥 離して形成された微粒子が除去され、均一な酸化ニッケルの被膜を形成することが でき、結果として均一なチタンィ匕合物層を形成することができる。また、複素環状系化 合物により処理することにより、ニッケノレ粉末の耐食性が向上し、さらにペルオタソチ タン酸がニッケノレ粉末全体を均一に被覆することが可能となる。複素環状系化合物と しては、イミダゾールまたはその誘導体、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体等から 選ばれる少なくとも 1種を使用することができる。具体的には、イミダゾールまたはその 誘導帯として、イミダゾール、 2—メチルイミダゾール、 2—ェチルー 4メチルイミダゾール 、 2—フエ二ルイミダゾール、イミダゾリニゥムベタイン等を挙げることができる。
[0030] このような複素環状系化合物による処理は、複素環状系化合物の水溶液にニッケ ル粉末を浸漬させることにより実施することができる。複素環状系化合物の量比は、 ニッケノレ粉末表面に複素環状系化合物の皮膜が均一に形成される量を添加すれば よぐニッケル粉末 lkg当りに使用する複素環状系化合物は 0· 0001— 100g、好ま しくは 0. 01 10gである。また、ニッケル粉末を複素環状系水溶液により処理する際 の温度は 0— 80°C、好ましくは 20— 50°Cの範囲である。
[0031] 用いられるペルォクソチタン酸はペルォキシチタン酸または過酸化チタンともいわ れ、その構造は H Ti〇, Ti (OOH) (OH) または Ti〇 · 2Η Οで表される。ペルォ
4 5 3 3 2
クソチタン酸は、通常、黄色、黄褐色または赤褐色の透明粘性水溶液(ゾル溶液)で 取り扱われ、水溶液の場合、その ρΗは 5— 8でありほぼ中性領域にある。ペルォクソ チタン酸は市販されているものを使用することができ、例えば「ΡΤΑ— 85」、「ΡΤΑ— 1 70」(いずれも(株)田中転写製のペルォクソチタン酸水溶液)力 S挙げられる。また、公 知の方法によって調製することも可能であり、例えば、四塩ィ匕チタン水溶液をアンモ ニァ水で加水分解し、水酸化チタンを含むスラリーを生成し、これを洗浄した後、過 酸化水素をカ卩えてペルォキシチタン酸水溶液を得ることができる。なお、以上の説明 では、ニッケル粉末へのペルォクソチタン酸による処理は、各製造方法で得られた二 ッケル粉末を純水で洗浄し乾燥したニッケル粉末に行ってレ、る力 ペルォクソチタン 酸による処理は、ニッケノレ粉末を純水で洗浄する際、または洗浄の後乾燥する前に 行ってもよい。
[0032] このようにして得られたペルォクソチタン酸を用いて処理を行うに際し、通常ペルォ クソチタン酸水溶液を用いる力 これに例えばメタノール、エタノールなどのアルコー ル類を溶媒として用いることもできる。具体的なペルォクソチタン酸による処理方法と しては、(1)ペルォクソチタン酸水溶液中にニッケル粉末を添カ卩して、ニッケル粉末 を懸濁させ処理を行う方法、 (2)ニッケル粉末の水懸濁液中にペルォクソチタン酸を 添加して処理を行う方法、または(3)ニッケル粉末にペルォクソチタン酸水溶液を噴 霧させ接触処理する方法などが挙げられる。
[0033] 上記のように処理を施した後、ニッケル表面にチタンィ匕合物層を形成させ被覆させ る。その具体的な方法としては、(1)ペルォクソチタン酸を含むニッケル粉末懸濁液 の水などの溶媒を加熱または減圧下で加熱して除去し、ニッケノレ表面にチタン化合 物を析出させる方法、(2)ペルォクソチタン酸を含むニッケル粉末懸濁液を熱処理し て、ニッケル粉末表面上にチタンィ匕合物を析出させる方法、(3)ペルォクソチタン酸 を含むニッケノレ粉末懸濁液をスプレードライなどにより高温の気流中で処理し、ニッ ケル表面にチタン化合物を析出させる方法、または (4)ニッケル粉末にペルオタソチ タン酸水溶液を噴霧させ接触処理するにあたり、高温下で噴霧させ、接触と同時に ニッケル表面にチタン化合物を析出させる方法などが挙げられる。
[0034] 上記のようにペルォクソチタン酸をニッケル粉末と接触させ、その後熱処理や溶媒 を除去することによりチタン化合物を析出させチタン化合物層を形成させる際の温度 は、通常室温から 300°Cとすることができる力 20— 60°Cとするとより好ましぐ 40— 50°Cとするとさらに好ましい。
[0035] 以上に示したチタン化合物被覆ニッケル粉末の製造工程では、ニッケル粉末に複 素環状系化合物により表面処理した後、ペルォクソチタン酸を接触させている。これ に対し、従来、ニッケノレのような金属粉末上にチタンィ匕合物被膜を形成する場合には 、硫酸チタン水溶液を接触させ、その後水酸化ナトリウムで加水分解する方法や、ァ ルコキシチタンやチタンのカップリング剤などの有機チタン化合物で処理する方法が 用いられていた。し力 ながら、これらの従来の手法は、チタン化合物中に硫酸根や ナトリウムなどの不純物元素が混在するという欠点や、有機チタンィ匕合物のごとき高 価な原材料を用いなければならないという欠点があった。これに対して本発明では、 上記したとおり、ニッケル粉末を複素環状系化合物により処理した後、ペルォクソチタ ン酸のニッケル粉末への接触を採用している。複素環状系化合物で処理されること により、ニッケル粉末の耐食性は向上し、さらにペルォクソチタン酸の水溶液はほぼ 中性領域にあるので、ニッケノレ粉末を腐食させることがない。また、ペルォクソチタン 酸水溶液は電極を形成した際の不良の原因となるナトリウムなどの不純物元素を一 切含まないため、純度の高いチタンィ匕合物を被覆することができる。さらに、本発明 では有機チタン化合物のような高価な原材料を用いることなくチタン化合物層を形成 させること力できる。
[0036] このように形成した本発明のチタン化合物被膜は均一であり、結果として本発明の チタンィ匕合物被覆ニッケル粉末は、焼結特性、特に焼結温度が向上する。本発明の チタン化合物被覆ニッケル粉末のチタン化合物層を形成するチタン化合物は、上記 のようにペルォクソチタン酸をニッケル粉末表面に接触させ、水などの溶媒をある程 度除去した化合物であり、その除去の程度およびその後の加熱処理の温度によって その組成や結晶性が若干異なる。具体的には、水酸化チタン、含水酸化チタン、酸 化チタンまたはこれらの混合物であり、接触後の溶媒除去の温度が上述したように 3 00°C以下であれば非晶質またはアナターゼ型結晶、またはこれらの混合物である。 本発明では、通常そのチタンィ匕合物層が非晶質の酸化チタンであることが好ましい。 また、チタン化合物層を形成させた後、 100— 300°Cで加熱処理を施し、チタン化合 物層に含まれる吸着水などの水分や水酸基を除去した状態がさらに好ましぐその 結果、ペーストにした際に分散性が向上し、焼結特性もさらに向上する。
[0037] さらに、本発明のチタン化合物被覆ニッケル粉末は、チタン化合物層を形成させる 前にニッケル粉末の表面を予め界面活性剤で処理したり、ニッケノレ粉末表面にチタ ン化合物層を形成させる際に界面活性剤を存在させたり、またはチタン化合物層形 成後に界面活性剤により処理することもできる。このように界面活性剤で処理すること により、より均一にチタン化合物相が形成され、さらにチタンィ匕合物被覆ニッケル粉末 をペーストにした際の分散性が向上する。
[0038] 具体的な界面活性剤の処理方法を以下に挙げる。
1)ニッケル粉末を水溶媒などに分散させ懸濁液を形成し、これに界面活性剤およ び複素環状系化合物を添加して処理した後、ペルォクソチタン酸水溶液を添加して 処理を行う。
2)複素環状系化合物で処理したニッケル粉末を水溶媒などに分散させ懸濁液を形 成し、これに界面活性剤を添加したペルォクソチタン酸水溶液を添加して処理を行う
3)界面活性剤を添加したペルォクソチタン酸水溶液中に、複素環状系化合物で処 理したニッケル粉末を添加して処理を行う。
4)ペルォクソチタン酸を含む、複素環状系化合物で処理したニッケル粉末懸濁液 に界面活性剤を添加し、その後加熱処理やスプレードライなどにより、ニッケル表面 にチタン化合物を析出させる。
5)複素環状系化合物で処理したニッケル粉末をペルォクソチタン酸で処理し、その 表面にチタン化合物層を形成しチタン化合物被覆ニッケル粉末を形成した後、溶媒 中で界面活性剤によりこのチタン化合物被覆ニッケル粉末を処理する。
[0039] 上記に挙げた 1)一 5)の界面活性剤の処理は単独で行ってもよくまた各処理方法 を組み合わせて行ってもよい。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、ァニォ ン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、フッ素系界面活 性剤および反応性界面活性剤が挙げられ、これらを単独で使用することは勿論、 2種 以上を組み合わせで使用することもできる。
[0040] このような界面活性剤の中でも、特に、 HLB (親水親油バランス)価が通常 3 20 の非イオン性界面活性剤を用いることが好ましぐ HLB価が 10— 20の親水性の非ィ オン界面活性剤を用いることがさらに好ましい。具体的には、ノユルフェノールエーテ ル等のポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテルおよびそのリン酸塩またはこれ らの混合物、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソ ルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリンモノステアレート等のポリグリセリン脂肪酸ェ ステル、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステルのうちの少なくとも 1種を用いることが特に好ましい。さらに好ましい界面活性剤としては、ポリオキシェ チレンアルキルフエニルエーテルおよびそのリン酸塩またはこれらの混合物が挙げら れる。なお、ドデシルァミンなどのアルキルアミン類を用いることも好ましい。
[0041] 上記のようにして得られたチタン化合物被覆ニッケル粉末は、導電ペーストまたは 電極形成用ペーストに好適である。このようなチタン化合物被覆ニッケル粉末は、有 機溶媒およびバインダと混鍊してペーストに形成される。有機溶媒 (有機ビヒクル)とし ては、従来の導体ペーストに用いられているものを使用すれば足り、例えば、ェチル セルロース、エチレングリコール、トルエン、キシレン、ミネラノレオィノレ、ブチルカルビト ール、タービネオール等の高沸点有機溶媒を用いることができる。バインダとしては 有機または無機バインダを用いることができる力 ェチルセルロースなどの高分子バ インダを用いることが好ましい。
[0042] なお、必要に応じて鉛系ガラス、亜鉛系ガラスまたはケィ酸系ガラスなどのガラスフ リットや、酸化マンガン、酸化マグネシウムまたは酸化ビスマなどの金属酸化物フイラ などを、ペーストを形成する際に混合してもよい。これらの添加物を混合することで、 セラミックスなどの基材に塗布、焼結して電極を形成した際、基材との密着性に優れ 、し力、も伝導性の高い電極を形成することができ、また半田との濡れ性を向上させる こと力 Sできる。その他、フタル酸エステルゃステアリン酸などの可塑剤や、分散剤など をペーストに添加することもできる。
[実施例]
[0043] 以下、本発明を具体的な実施例により詳細に説明する。
以下に示す各実施例および比較例では、ニッケル粉末の平均粒径、酸化被膜厚 み(チタン化合物層厚み)、酸素濃度、焼結開始温度、および収縮率を測定した。こ れらの測定事項について詳細に述べる。
[0044] (ニッケル粉末の平均粒径の測定)
電子顕微鏡によりニッケノレ粉末の写真を撮影し、その写真から金属粉末粒子 200 個の粒径を測定してその平均値を算出した。なお、粒径は粒子を包み込む最小円の 直径とした。
[0045] (チタン含有量)
ニッケル粉末を硫酸に溶解し、未溶解分は硝酸に溶解したニッケル溶解液を、 ICP 発光分光装置 (ICP— 1500:セイコー製)を用いてチタン含有量を分析した。
[0046] (焼結開始温度)
金属ニッケル微粉末 lg、樟脳 3重量%、およびアセトン 3重量%を混合し、内径 5m m、高さ 10mmの円柱状金属に充填し、面圧 1トンの荷重をかけて試験ピースを作製 した。この試験ピースの焼結開始温度の測定を、熱膨張収縮挙動測定装置 (TMA— 8310 :株式会社リガク社製)を用いて、弱酸性雰囲気(1. 5%水素一 98. 5%窒素混 合ガス)雰囲気の下、昇温速度 5°C/分の条件で行った。上記測定で得られた収縮 率曲線にて、 1%収縮した時点における温度をもって焼結開始温度とした。
[0047] (収縮率)
上記の焼結開始温度測定で得た収縮率曲線にぉレ、て、 500°Cまで昇温した時点 における重量減少率をもって収縮率とした。 [0048] 次に、各実施例および各比較例について述べる。
[実施例 1]
(ニッケル粉末の調製)
金属ニッケル粉末製造装置の塩化炉内に、出発原料である平均粒径 5mmの金属 ニッケノレショットを充填するとともに、炉内雰囲気温度を 1100°Cとした。次いで、塩ィ匕 炉内に塩素ガスを供給し、金属ニッケルショットを塩ィ匕して塩ィ匕ニッケルガスを発生さ せ、その後この塩ィ匕ニッケノレガスに、窒素ガスを供給して混合した。そして、塩化ニッ ケノレガスと窒素ガスとの混合ガスを 1000°Cの炉内雰囲気温度とした還元炉に流速 2 . 3m/秒(1000°C換算)で導入した。これと同時に、還元炉内に水素ガスを流速 7 N1Z分で供給して塩化ニッケルガスを還元し、ニッケル粉末を得た。さらに、還元ェ 程にて生成したニッケル粉末に、窒素ガスを接触させ、ニッケル粉末を冷却した。そ の後、ニッケル粉末を分離回収し、湯洗洗浄し、ニッケノレ粉末スラリー中に炭酸ガス を吹き込んで PH5. 5とし、常温下においてニッケノレ粉末を炭酸水溶液中で 60分処 理した。その後、ニッケノレ粉末スラリーを水洗して炭酸を除去した。
[0049] (ペルォクソチタン酸による処理およびチタンィヒ合物被覆ニッケノレ粉末の調整) 上記のようにして得られたニッケノレ粉末スラリーに、ニッケル粉末 lkgに対してイミダ ゾールが 0. lgになるよう、常温で添加し、 60分間攪拌処理した。ついで、ニッケル 粉末スラリーにニッケル粉末に対して、チタンが 500ppmになるようにチタン濃度が 0 . 85重量%のペルォクソチタン酸水溶液を添加し、 40°Cで 60分間攪拌処理した。そ の後 120°Cにて加熱し、水分を除去してニッケノレ表面にチタン化合物を被覆させ、チ タン化合物被覆ニッケル粉末を得た。このチタンィ匕合物被覆ニッケル粉末について 焼結開始温度等の測定を行った。
[0050] [実施例 2]
ペルォクソチタン酸による処理においてニッケル粉末に対して、チタンが lOOOppm になるようにペルォクソチタン酸水溶液を添加した以外は実施例 1と同様にしてチタ ン化合物被覆ニッケル粉末を得た。このチタン化合物被覆ニッケル粉末にっレ、て焼 結開始温度等の測定を行った。
[0051] [実施例 3] ペルォクソチタン酸による処理にぉレ、てニッケル粉末に対して、チタン力 OOOppm になるようにペルォクソチタン酸水溶液を添加した以外は実施例 1と同様にしてチタ ン化合物被覆ニッケル粉末を得た。このチタン化合物被覆ニッケル粉末について焼 結開始温度等の測定を行った。
[0052] [比較例 1]
実施例 1で得られたニッケノレ粉末スラリーを乾燥してニッケノレ粉末を得た。このニッ ケノレ粉末について焼結開始温度等の測定を行った。
[0053] [比較例 2]
実施例 1で得られたニッケノレ粉末スラリーに、イミダゾール等の複素環状系化合物 による処理をせずに、ニッケノレ粉末に対してチタン分が 500ppmに相当する硫酸チ タンを添加し、その後、 1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加して pHを 8に調整し、 60 °Cで 1時間攪拌した後、濾過し、乾燥してニッケル粉末を得た。このニッケル粉末表 面には、チタンィ匕合物が付着していた力 チタン化合物層は形成されていなかった。 このニッケル粉末について焼結開始温度等の測定を行った。
[0054] [比較例 3]
実施例 1で得られたニッケノレ粉末スラリーを乾燥し、ニッケル粉末を得、このニッケ ル粉末をイソプロピルアルコールに添加し分散させ、次いでニッケル粉末に対してチ タン分が 500ppmに相当するテトラ- n-ブトキシチタネートを添加し、 40°Cで 30分攪 拌した。その後 120°Cにて加熱し、溶媒を除去してテトラー n—ブトキシチタネートで処 理したニッケル粉末を得た。このニッケノレ粉末にっレ、て焼結開始温度等の測定を行 つた。以上に示した実施例 1一 3および比較例 1一 3の焼結開始温度等の測定結果 を表 1に示す。
[0055] [表 1] 実施例 1 実施例 2 実施例 3 比較例 1 比較例 2 比較例 3 一、 J、 Ύ
粉末の 0. 20 0. 20 0. 20 0. 20 0. 20 0. 0
( m)
チタン
含有量 500 1000 5000 0 500 500
(ppm)
焼結開始 380 405 457 281 349 341 温度 (°C )
収縮率 -5. 98 -3. 06 -1. 53 - 15. 8 -6. 98 -6. 55
( % ) 表 1から明ら力なように、本発明のチタン化合物被覆ニッケル微粉末 (実施例 1一 3) は、従来のニッケル微粉末 (比較例 1一 3)に比して、焼結開始温度も高ぐ収縮率は 小さレ、ものであることが確認された。

Claims

請求の範囲
[1] ニッケル粉末にペルォクソチタン酸を接触させて、ニッケル粉末表面にチタン化合 物を被覆させたことを特徴とするチタンィ匕合物被覆ニッケル粉末。
[2] ニッケル粉末を複素環状系化合物により表面処理した後、ペルォクソチタン酸を接 触させて、ニッケノレ粉末表面にチタン化合物を被覆させたことを特徴とするチタンィ匕 合物被覆ニッケル粉末。
[3] 前記ニッケル粉末の平均粒径が 1 μ m以下であることを特徴とする請求項 1に記載 のチタン化合物被覆ニッケノレ粉末。
[4] 前記ニッケル粉末の BETによる比表面積が 1一 20m2/gであることを特徴とする請 求項 1に記載のチタンィ匕合物被覆ニッケル粉末。
[5] 前記チタンィ匕合物の前記ニッケル粉末に対する含有量が 500ppm以上であること を特徴とする請求項 1に記載のチタン化合物被覆ニッケル粉末。
[6] 前記複素環状化合物がイミダゾールおよびその誘導体の少なくとも 1種であることを 特徴とする請求項 2に記載のチタン化合物被覆ニッケル粉末。
[7] 請求項 1一 6のいずれかに記載のチタン化合物被覆ニッケル粉末からなる導電性 ペースト。
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