JPH11342809A - 産業車両のバッテリー取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業車両のバッテリー取付構造において、バ
ッテリー取付位置の側方に補器類等を搭載するための十
分なスペースを確保すると共に、簡単かつ確実にバッテ
リーを車体に固定することができるようにする。 【解決手段】 バッテリー２０ａ，２０ｂの前面側の上
部角部には、ハンガー４０のカバープレート４３が配置
され、カバープレート４３に溶接された丸棒４４ａ，４
４ｂの屈曲部４４ｆａ，４４ｆｂが上部連結プレート３
１ａ、３１ｂの連結用穴３１ｈａ，３１ｈｂに引っ掛け
られている。下部連結プレート３２の連結用穴３２ｈ
ａ，３２ｈｂにはハンガーボルト５０ａ，５０ｂの屈曲
部５０ｆａ，５０ｆｂが引っ掛けられるとともに、ハン
ガー４０のボルト穴４２ｈａ，４２ｈｂを挿通したねじ
部５０ｎａ，５０ｎｂにナット５１ａ，５１ｂが締め付
けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フォークリフト等
の産業車両に搭載されるバッテリーの取付構造に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】フォークリフト等の産業車両には、エン
ジンの始動、点火、制御のため、照明や標識類の点灯の
ため、あるいは走行用モーターへの電力供給のための電
源としてバッテリーが搭載されている。このようなバッ
テリーを車体に取り付けるための構造の一例を図６に示
す。

【０００３】図６において、図示しないフォークリフト
の車体には、底板５０ａ、背板５０ｂ、両側板５０ｃ，
５０ｃからなるバッテリーケース５０が設置されてい
る。このバッテリーケース５０には、２つのバッテリー
５１ａ，５１ｂが長手方向に直列に載置された状態で収
納されている。

【０００４】バッテリーケース５０の両側板５０ｃ，５
０ｃにはバッテリー５１ａ，５１ｂを固定するための断
面Ｌ字型のブラケット５２がそれぞれ取り付けられてい
る。また、バッテリー５１ａ，５１ｂの前面側の上部角
部には断面Ｌ字型のカバープレート５３が配置されてお
り、このカバープレート５３の両端部にはバッテリー５
１ａ，５１ｂの両側から突出した突出部５３ｓがそれぞ
れ形成されている。そして、突出部５３ｓとブラケット
５２とが連結棒５４により連結されている。ここで、連
結棒５４で突出部５３ｓとブラケット５２と連結すると
きは、連結棒５４の屈曲部５４ａをブラケット５２の連
結用穴５２ａに引っ掛けるとともに、ネジ部５４ｂを突
出部５３ｓのボルト穴に挿通してそのネジ部５４ｂにナ
ット５５を締め付け、２つのバッテリー５１ａ，５１ｂ
をバッテリーケース５０に固定する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
バッテリーの取付構造では、バッテリーケース５０の両
側板５０ｃ，５０ｃに設けたブラケット５２とカバープ
レート５３の突出部５３ｓとを連結棒５４により連結す
る構造となっている。しかし、バッテリーケース５０の
側方には補器類等を搭載することが一般的であるが、両
側板５０ｃ，５０ｃにブラケット５２があるために補器
類等の設置スペースが制限されることとなっていた。ま
た、側方に存在する補器類等が邪魔となり、ブラケット
５２またはカバープレート５３に連結棒５４を連結する
作業が困難である。

【０００６】本発明の目的は、バッテリー取付位置の側
方に補器類等を搭載するための十分なスペースを確保す
ると共に、簡単かつ確実にバッテリーを車体に固定する
ことができる産業車両のバッテリー取付構造を提供する
ことである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、産業車両の車体にバッテリーを載置して
固定する産業車両のバッテリー取付構造において、車体
に設けられ、バッテリーを当該車体の第１の略水平方向
において拘束する第１の拘束手段と、この第１の拘束手
段により拘束されたバッテリーを第１の略水平方向に直
交する第２の略水平方向および略垂直方向において拘束
すべく、第１の略水平方向に延びる当該バッテリーの前
面、上面および後面を囲む第２の拘束手段とを備えた構
成とする。

【０００８】バッテリーを車体に取り付けるときは、第
２の拘束手段により車体の第１の略水平方向に延びる当
該バッテリーの前面、上面および後面を囲むことによ
り、バッテリー取付位置の側方に補器類等を搭載するた
めの十分なスペースを確保することができる。また、バ
ッテリー取付位置の側方に補器類等を搭載しても、簡単
かつ確実にバッテリーを車体に固定することができる。

【０００９】上記の産業車両のバッテリー取付構造にお
いて、好ましくは、第２の拘束手段は、バッテリーの前
面側の上部角部に取り付けられ、この角部に係合する屈
曲部を有するカバープレートと、このカバープレートと
バッテリーの前面側に位置する車体の第１の連結部とを
連結する第１の連結部材と、カバープレートとバッテリ
ーの後面側に位置する車体の第２の連結部とを連結する
第２の連結部材とを有する。これにより、バッテリーの
前面側の上部角部がこすれることが防止され、バッテリ
ーが安定しぐらつくことがない。

【００１０】この場合、好ましくは、第１の連結部材お
よび第２の連結部材はともに一端部に屈曲部が形成され
た連結棒で構成され、第１の連結部および第２の連結部
はともに連結棒の屈曲部が挿通される長穴を有する。こ
れにより、カバープレートと車体の第１の連結部および
第２の連結部とをそれぞれ強固に連結できる。また、第
１の連結部および第２の連結部にはそれぞれ長穴が設け
られているので、バッテリーの長手方向の寸法やバッテ
リー上部の補充液注入キャップの配置間隔が異なる複数
種類のバッテリーを取り付ける場合、第１の連結部材を
補充液注入キャップ間に配置するためにはカバープレー
トをバッテリーの長手方向にずらすだけで対処でき、第
１の連結部及び第２の連結部の構造を変更しなくて済
む。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。

【００１２】図１は、本発明が係わる産業車両の１つで
あるフォークリフトの側面図である。本フォークリフト
１は、前輪３及び後輪４を備えた車体２を有し、この車
体２の前部にはアウタマスト５ａ及びこのアウタマスト
５ａに対して昇降可能なインナマスト５ｂからなるマス
ト部５が設置され、インナマスト５ｂにはリフトブラケ
ットを介してフォーク６が装備されている。

【００１３】また、車体２の両側部にはサイドフレーム
７がそれぞれ設けられ、このサイドフレーム７の前部に
は昇降ステップ１４が取り付けられている。左右両側の
サイドフレーム７間には、エンジン、クラッチ装置及び
後述するバッテリー等の各種装置を収納したエンジンル
ーム８（図２参照）が形成され、このエンジンルーム８
の上部にはエンジンフード９が被冠されている。エンジ
ンフード９は後端部を中心に開閉可能であり、エンジン
フード９の開閉によりエンジンルーム８内に配備された
各種装置部品の点検や交換を行うようになっている。エ
ンジンフード９の上部には運転席１０が載置され、この
運転席１０の上方にはフロントピラー１１ａ及びリヤピ
ラー１１ｂに支持される状態でヘッドガード１２が配置
されている。

【００１４】図２および図３は、エンジンルーム８内に
バッテリー２０ａ，２０ｂが取り付けられている状態を
示す図である。バッテリー２０ａ，２０ｂは、それぞ
れ、直方体形状をなしており、その上面部には、陽極端
子２２ａおよび陰極端子２２ｂと、バッテリー液を補給
するための複数個（ここでは５個）の補充液注入キャッ
プ２１とが設けられている。このようなバッテリー２０
ａ，２０ｂは、エンジンルーム８内に設けられたバッテ
リーケース３０に収納されている。

【００１５】バッテリーケース３０は、底板３０ａ、背
板３０ｂ、両側板３０ｃ，３０ｃからなり、車体フレー
ム２１にボルト２２により結合された支持台２３に底板
３０ａが溶接接合されている。このようなバッテリーケ
ース３０に、２つのバッテリー２０ａ，２０ｂが長手方
向（車体の第１の略水平方向）に直列に配置され、かつ
バッテリー２０ａ，２０ｂの陽極端子２２ｐおよび陰極
端子２２ｎの両方が位置する側の面を後面とした状態で
収納されている。ここで、両側板３０ｃ，３０ｃは、バ
ッテリー２０ａ，２０ｂが載置されたときに当該バッテ
リー２０ａ，２０ｂを長手方向において拘束する。

【００１６】バッテリーケース３０の背板部３０ｂの上
部には、２つのバッテリー２０ａ，２０ｂのそれぞれの
側に位置する上部連結プレート３１ａ、３１ｂがそれぞ
れ溶接接合されている。この上部連結プレート３１ａ、
３１ｂは上方に延び、バッテリー２０ａ，２０ｂの上面
よりもわずかに高い位置に連結用穴３１ｈａ，３１ｈｂ
が形成されている。この連結用穴３１ｈａ，３１ｈｂ
は、バッテリー２０ａ，２０ｂの長手方向に延びる長穴
形状をなしている。

【００１７】バッテリーケース３０の底板３０ａからは
下部連結プレート３２がバッテリー２０ａ，２０ｂの前
面側に延び、当該前面よりも突出した位置に連結用穴３
２ｈａ，３２ｈｂが形成されている。この連結用穴３２
ｈａ，３２ｈｂは、バッテリー２０ａ，２０ｂの長手方
向に延びる長穴形状をなしている。

【００１８】バッテリー２０ａ，２０ｂの前面側の上部
角部には、カバープレート４３と２本の丸棒４４ａ，４
４ｂとからなるハンガー４０が取り付けられている。カ
バープレート４３は、図４に示すように、バッテリー２
０ａ，２０ｂの角部に係合するようにＬ字状に折り曲げ
られた屈曲部４１ａ，４１ｂ，４１ｃと、屈曲部４１
ａ，４１ｂ間および屈曲部４１ａ，４１ｃ間に位置し、
一部がバッテリー２０ａ，２０ｂの前面から突出する突
出部４２ａ，４２ｂとからなっている。また、この突出
部４２ａ，４２ｂにはボルト穴４２ｈａ，４２ｈｂが形
成されている。

【００１９】丸棒４４ａ，４４ｂは、一端部に略Ｌ字状
に折り曲げた屈曲部４４ｆａ，４４ｆｂを有し、他端部
は突出部４２ａ，４２ｂに溶接接合されている。ここ
で、丸棒４４ａ，４４ｂは、所定の補充液注入キャップ
２１間を通って、バッテリー２０ａ，２０ｂの後面側に
延びるように溶接接合されている。また、丸棒４４ａ，
４４ｂの屈曲部４４ｆａ，４４ｆｂは、上部連結プレー
ト３１ａ、３１ｂの連結用穴３１ｈａ，３１ｈｂに引っ
掛けられている。

【００２０】また、ハンガー４０と下部連結プレート３
２とが、２本のハンガーボルト５０ａ，５０ｂにより連
結されている。ハンガーボルト５０ａ，５０ｂは、図５
に示すように、一端部に略Ｌ字状に折り曲げた屈曲部５
０ｆａ，５０ｆｂを有し、他端部にねじ部５０ｎａ，５
０ｎｂを有している。ハンガーボルト５０ａ，５０ｂの
屈曲部５０ｆａ，５０ｆｂは下部連結プレート３２の連
結用穴３２ｈａ，３２ｈｂにそれぞれ引っ掛けられると
ともに、ねじ部５０ｎａ，５０ｎｂがハンガー４０のボ
ルト穴４２ｈａ，４２ｈｂに挿通されてそのねじ部５０
ｎａ，５０ｎｂにナット５１ａ，５１ｂがそれぞれ締め
付けられている。

【００２１】以上のように構成した本実施形態におい
て、バッテリー２０ａ，２０ｂを車体に取り付ける場合
は、まず、２つのバッテリー２０ａ，２０ｂを長手方向
に直列に配置した状態でバッテリーケース３０に収納す
る。

【００２２】次に、ハンガー４０の丸棒４４ａ，４４ｂ
の屈曲部４４ｆａ，４４ｆｂを上部連結プレート３１
ａ、３１ｂの連結用穴３１ｈａ，３１ｈｂにそれぞれ引
っ掛けるとともに、カバープレート４３の屈曲部４１ａ
〜４１ｃをバッテリー２０ａ，２０ｂの前面側の上部角
部に合わせる。

【００２３】そして、２本のハンガーボルト５０ａ，５
０ｂの屈曲部５０ｆａ，５０ｆｂを下部連結プレート３
２の連結用穴３２ｈａ，３２ｈｂにそれぞれ引っ掛ける
とともに、ねじ部５０ｎａ，５０ｎｂをハンガー４０の
ボルト穴４２ｈａ，４２ｈｂに通し、そのねじ部５０ｎ
ａ，５０ｎｂにナット５１ａ，５１ｂをそれぞれ締め付
ける。

【００２４】これによりバッテリー２０ａ，２０ｂがバ
ッテリーケース３０に押し付けられ、バッテリー２０
ａ，２０ｂが幅方向（第２の略水平方向）および略垂直
方向に動くのが防止される。また、丸棒４４ａ，４４ｂ
がバッテリー２０ａ，２０ｂの補充液注入キャップ２１
に引っ掛かることで、バッテリー２０ａ，２０ｂが長手
方向に動くのも防止される。したがって、バッテリー２
０ａ，２０ｂがバッテリーケース３０に確実に固定され
る。

【００２５】以上のように本実施形態にあっては、バッ
テリーケース３０の両側板３０ｃ，３０ｃにバッテリー
固定用のブラケットを取り付けなくても、２つのバッテ
リー２０ａ，２０ｂをバッテリーケース３０に固定する
ことが可能となるので、バッテリーケース３０の側方に
補器類等を搭載しても、簡単かつ確実に２つのバッテリ
ー２０ａ，２０ｂをバッテリーケース３０に固定するこ
とができる。

【００２６】また、バッテリー２０ａ，２０ｂの前面側
の上部角部にカバープレート４３を取り付け、このカバ
ープレート４３と上部連結プレート３１ａ、３１ｂとを
丸棒４４ａ，４４ｂで連結し、カバープレート４３と下
部連結プレート３２とをハンガーボルト５０ａ，５０ｂ
で連結するので、強固に連結することが可能となる。ま
た、バッテリー２０ａ，２０ｂの前面側の上部角部がこ
すれることが防止されるため、バッテリー２０ａ，２０
ｂが安定しぐらつくことがない。

【００２７】さらに、上部連結プレート３１ａ、３１ｂ
の連結用穴３１ｈａ，３１ｈｂおよび下部連結プレート
３２の連結用穴３２ｈａ，３２ｈｂは長穴形状をなして
いるので、バッテリーの長手方向の寸法やバッテリー上
部の補充液注入キャップの配置間隔が異なる複数種類の
バッテリーをバッテリーケース３０に収納した場合、丸
棒４４ａ，４４ｂが補充液注入キャップ間に配置される
ようにするには、ハンガー４０をバッテリー２０ａ，２
０ｂの長手方向にずらすだけで対処できる。このため、
上部連結プレート３１ａ、３１ｂおよび下部連結プレー
ト３２を変更しなくて済む。

【００２８】なお、本実施形態においては、バッテリー
２０ａ，２０ｂの前面、上面、後面を囲む第２の拘束手
段として、バッテリー２０ａ，２０ｂの前面側の上部角
部にカバープレート４３を取り付け、このカバープレー
ト４３に溶接された丸棒４４ａ，４４ｂを上部連結プレ
ート３１ａ、３１ｂに連結し、カバープレート４３と下
部連結プレート３２とをハンガーボルト５０ａ，５０ｂ
で連結する構造を採用したが、第２の拘束手段は特にこ
れには限らず、種々の変形が可能である。

【００２９】例えば、カバープレートと上部連結プレー
トとを連結する部材をハンガーボルトとし、カバープレ
ートと下部連結プレートとを連結する部材をカバープレ
ートに溶接された丸棒としてもよい。また、カバープレ
ートと上部連結プレートとを連結する部材、およびバー
プレートと下部連結プレートとを連結する部材をともに
ハンガーボルトとしてもよい。

【００３０】また、カバープレートと上部連結プレート
とを連結する部材、およびバープレートと下部連結プレ
ートとを連結する部材として、上記の丸棒やハンガーボ
ルトのような連結棒とする代わりに、ゴムバンド等のよ
うなものを用いてもよい。この場合には、バッテリー２
０ａ，２０ｂの前面側の上部角部にカバープレートを取
り付けずに、上部連結プレートと下部連結プレートとを
ゴムバンド等により直接連結してもよい。

【００３１】さらに、上述のようにバッテリー２０ａ，
２０ｂをバッテリーケースに収納する構造のものに限ら
ず、バッテリー２０ａ，２０ｂを直接車体フレーム２１
に載置して取り付ける構造のものにも適用できる。この
場合には、バッテリー２０ａ，２０ｂを長手方向におい
て拘束する第１の拘束手段として、フレームやピン等を
車体フレーム２１に取り付ければよい。

【００３２】また、上述のように２つのバッテリー２０
ａ，２０ｂを長手方向に直列に配置する構造のものに限
らず、例えば２つのバッテリー２０ａ，２０ｂを幅方向
に直列に配置する構造のものにも適用できる。さらに、
搭載されるバッテリーが２個のものに限らず、１個の場
合にも適用できる。

【００３３】

【発明の効果】本発明によれば、第２の拘束手段により
車体の第１の略水平方向に延びるバッテリーの前面、上
面および後面を囲むようにしたので、バッテリー取付位
置の側方に補器類等を搭載するための十分なスペースを
確保することができると共に、簡単かつ確実にバッテリ
ーを車体に固定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のバッテリーの取付構造を備えたフォー
クリフトの側面図である。

【図２】本発明のバッテリーの取付構造を示す矢視図で
ある。

【図３】本発明のバッテリーの取付構造を示すバッテリ
ーケースの背板側から見た図である。

【図４】図２に示すハンガーの矢視図である。

【図５】図２に示すハンガーボルト連結棒の矢視図であ
る。

【図６】従来のバッテリーの取付構造を示す矢視図であ
る。

【符号の説明】

１…フォークリフト、２０ａ，２０ｂ…バッテリー、２
２ｐ…陽極端子、２２ｎ…陰極端子、３０…バッテリー
ケース、３１ａ，３１ｂ…上部連結プレート（第１の連
結部）、３１ｈａ，３１ｈｂ…連結用穴、３２…下部連
結プレート（第２の連結部）、３２ｈａ，３２ｈｂ…連
結用穴、４０…ハンガー、４１ｐ〜４１ｒ…屈曲部、４
２ａ，４２ｂ…突出部、４２ｈａ，４２ｈｂ…ボルト
穴、４３…カバープレート、４４ａ，４４ｂ…丸棒（第
１の連結部材）、４４ｆａ，４４ｆｂ…屈曲部、５０
ａ，５０ｂ…ハンガーボルト（第２の連結部材）、５０
ｆａ，５０ｆｂ…屈曲部、５０ｎａ，５０ｎｂ…ねじ
部。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 産業車両の車体にバッテリーを載置して
   固定する産業車両のバッテリー取付構造において、 前記車体に設けられ、前記バッテリーを当該車体の第１
   の略水平方向において拘束する第１の拘束手段と、 この第１の拘束手段により拘束されたバッテリーを前記
   第１の略水平方向に直交する第２の略水平方向および略
   垂直方向において拘束すべく、前記第１の略水平方向に
   延びる当該バッテリーの前面、上面および後面を囲む第
   ２の拘束手段とを備えたことを特徴とする産業車両のバ
   ッテリー取付構造。
2. 【請求項２】 前記第２の拘束手段は、前記バッテリー
   の前面側の上部角部に取り付けられ、この角部に係合す
   る屈曲部を有するカバープレートと、このカバープレー
   トと前記バッテリーの前面側に位置する前記車体の第１
   の連結部とを連結する第１の連結部材と、前記カバープ
   レートと前記バッテリーの後面側に位置する前記車体の
   第２の連結部とを連結する第２の連結部材とを有するこ
   とを特徴とする請求項１記載の産業車両のバッテリー取
   付構造。
3. 【請求項３】 前記第１の連結部材および第２の連結部
   材はともに一端部に屈曲部が形成された連結棒で構成さ
   れ、前記第１の連結部および第２の連結部はともに前記
   連結棒の屈曲部が挿通される長穴を有することを特徴と
   する請求項２記載の産業車両のバッテリーの取付構造。