JPH11342440A - 工具制御装置 - Google Patents

工具制御装置

Info

Publication number
JPH11342440A
JPH11342440A JP10146874A JP14687498A JPH11342440A JP H11342440 A JPH11342440 A JP H11342440A JP 10146874 A JP10146874 A JP 10146874A JP 14687498 A JP14687498 A JP 14687498A JP H11342440 A JPH11342440 A JP H11342440A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
work
guide roll
arm
feed
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10146874A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryoichi Suzuki
良一 鈴木
Takeji Hamaide
武治 濱出
Hiroyuki Sawai
弘幸 沢井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP10146874A priority Critical patent/JPH11342440A/ja
Priority to US09/321,734 priority patent/US6240761B1/en
Publication of JPH11342440A publication Critical patent/JPH11342440A/ja
Priority to US09/795,081 priority patent/US6434988B1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21HMAKING PARTICULAR METAL OBJECTS BY ROLLING, e.g. SCREWS, WHEELS, RINGS, BARRELS, BALLS
    • B21H1/00Making articles shaped as bodies of revolution
    • B21H1/06Making articles shaped as bodies of revolution rings of restricted axial length

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工具の位置制御、トルク制御を適切に行いワ
ークの圧延加工を円滑に行い、ワークの真円度の向上を
図る。 【解決手段】 ワークの加工に際し、ワークに押圧を加
える工具の位置制御及びトルク制御の変換及びトルク制
御中におけるトルクの変換をサーボモーターを用いて瞬
時に行うための位置制御手段及びトルク制御手段を備え
た工具制御装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工具制御装置に関
し、更に詳しくはワークに作用する工具の位置制御及び
トルク制御を適宜行う工具制御装置に関し、特にワーク
の成形加工である圧延加工中にワークの拡径を阻害する
ことなく、真円度の高い高精度のワークを提供する工具
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の工具制御装置の一つである輪体成
形装置は特公平3−31534号公報に開示されてい
る。この装置ではマンドレルと平行な軸まわりに回転す
る成形ロールを相対的に押しつけ挟圧されたワークを回
転しつつ圧延して拡径する。このとき圧延加工中のガイ
ドレール等が輪体のワークを支持し、ワークの真円度を
維持する働きをする。また、ワークの外周面に周接する
外径検出レバーと該レバーの変位量を検出するセンサー
を備え、その外径検出レバーとセンサーによって加工中
のワークの外径を検出する。
【0003】図19は従来の輪体成形装置の圧延状況を
示す断面図である。従来の輪体成型方法の圧延加工で
は、初期送りでワーク305が成形ロール315を相対
接近させ、ワーク305と成形ロール315を点接触か
ら面接触にする。ワーク305と成形ロール315が面
接触となった後、粗送りでは成形ロール315とマンド
レル304を所定の早送りで相対接近させて、ワーク3
05は大きなトルクで圧延加工され、ワーク305の拡
径速度が加速され、粗送りのトルクは圧延加工中で最高
値となる。この際ワーク305の姿勢を固定しつつワー
ク305の外周面を支持するため一対のガイドロール3
06を用いるが、この時点でのガイドロール306のワ
ーク保持力が不足しているとワーク圧延部に異常振動が
発生しやすくなる。さらに一度振動が発生すると多角成
分が発生し丸いワークの加工は不可能となりワーク30
5の外径が凸凹になる。
【0004】次にワークの外径が仕上げ送りへの切り換
え径となった時点から切込圧下量mm/ rev(一回転)
(以下、ドラフト量という)を小さくしてワーク305
の真円度を良くするために、マンドレル304と成形ロ
ール315の相対移動速度を遅くして仕上げ送りへ移行
する。仕上げ送りのトルクが定常状態となりワーク外径
が所定の寸法に到達したことを検知したら圧延加工を終
了する。
【0005】一般に仕上げ送りではガイドロール306
のトルクは粗送りに比較して小さい方がワークの拡径を
阻害せず良好な加工が可能である。このようにトルクは
圧延加工中に大きく変化するために安定した加工の条件
が作りにくいという問題が存在する。特に、従来の例え
ば油圧方式のガイドロールでは、各圧延加工工程でワー
クの押圧力をどの様に変更して行くかは明らかにされて
おらず、このため初期圧延の馴染ませ時期(初期送り)
から仕上げ送り完了の最後まで一定のワークの押圧力を
加え続けることになるため、特に仕上げ送り段階を粗送
り段階と同じワークの押圧力でワークをガイドするとワ
ーク305の真円度を阻害するおそれがある。特にそれ
は薄物のワークを圧延する場合にガイドロール306に
よるワーク305への押圧力の影響である上述のことが
より顕著になる。又サイクル短縮のため、仕上げ送り完
了からガイドロール306の開放までの段階では、早く
原点に戻って次の加工開始が出来るようにすることがサ
イクル短縮上望ましいのである。このように従来の輪体
成型装置では加工能率向上と加工精度向上は同時に達成
することが困難であった。
【0006】ガイドロール306はワーク305がマン
ドレル304と成形ロール315により挟圧され塑性加
工される位置に対し、上流下流両側にガイドロール30
6を取り付けてワーク305を挟むように配置し、一定
の押圧力をワーク305に加え、圧延加工によりワーク
305が拡径する際はその力に押されてガイドロール3
06を後退させていく様な機構となっている。この場合
一対のガイドロールの一方のガイドロール306がワー
ク305が押すと、片側にワーク305が振れ、このと
きに他方のガイドロール306がこの力を受け、他方の
ガイドロール306がワークの振れを吸収することにな
り、この現象が繰返されいわば共振のような現象になり
ワーク位置の安定が難しい。従って、各々のガイドロー
ルは同じ開閉となるように強制的に同期させるか、又は
ワーク305を押し込み過ぎないないように押し込み過
ぎる方向をフリーにするワンウェイクラッチなどを組み
込んだ機構にしておく必要があった。特に仕上げ段階で
はこの共振現象を生じない様にしないとワーク305の
真円度が著しく悪くなるのである。
【0007】ワークの真円度精度の向上を図る場合、ワ
ーク305を圧延する仕上げ送りを低速にし、ドラフト
量を少なくなるようにしなければならないが、この時、
先の共振現象をさけて行わなければ偏肉、真円度のよい
ワークは得られない。多数の圧延加工の実験を行った結
果、仕上げ送り時のガイドロール306の押圧力と、上
流側、下流側ガイドロール306の押圧力との関係が真
円度精度に影響を及ぼすことがわかった。すなわち、粗
送りに比べ仕上げ送りではガイドロールのワークの与え
る押圧力を小さくした方がよいこと、又上流側ガイドロ
ールの押圧力よりも下流側ガイドロールの押圧力を強く
してワーク305を支持することが重要であることが分
かった。そして、上流、下流側ガイドロールとも粗送り
よりも弱い押圧力で仕上げ送りを行うか、又は仕上げ送
り時のワーク305の塑性加工の際に上流側ガイドロー
ル306によりワーク305に強い押圧力を働かせると
真円度が悪くなるため、上流側ガイドロールはワーク3
05から離れている必要がある。
【0008】ワークは最初偏肉や真円度等ワーク素材の
形状が悪く、ドラフト量を大きくして圧延すると共振現
象が激しくなるのでこれを防止するためガイドロール3
06で(粗送りまでは)ワークを上流側、下流側とも強
く押さえる機能を作用させる必要がある。
【0009】しかし仕上げ送りに入ると真円度や偏肉が
次第に矯正されてきており粗送りよりワークとガイドロ
ールとの間に生ずる共振現象が小さくなりワークの姿勢
が安定してくる。図18は成形ロールとマンドレルとに
挟圧されて圧延加工されるワークの状況を示す側面図で
ある。図18に示すように加工前のワークの肉厚t0
加工後のワークの肉厚ta より大きく、加工前のワーク
の入口速度v1 が加工後のワークの出口速度v0 より小
さいという関係が生じると共に、速度の方向も急変す
る。さらにマンドレルの粗送り時はワークが偏肉してい
ることもあり、又マンドレルの一回転あたりのワークへ
のドラフト量も大きく選ばれるのでガイドロールがなけ
れば下流側圧延部が強く押し出されワークの姿勢が不安
定となり振動を起こす。この不安定時に上流、下流側ガ
イドロールの押圧力が不均一となったり、小さいとワー
クはマンドレルの中心と成形ロールの中心を結ぶ軸芯X
−X線を基準に上下方向に共振を起こす。この振動を止
めないと、振動によりワークの圧延加工が困難になるば
かりか、ワークの真円度や偏肉が修正されないばかりか
かえって悪くなる場合もあり、さらには金型を傷つけた
りすることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで請求項1記載の
発明は、各圧延工程において特に工具の1つであるガイ
ドロール306の位置制御、トルク制御に適用しそれら
を選択的に行い、特にワークがマンドレルと成形ロール
との間で圧延開始工程手前(原点から初期送りの開始
前)と仕上げ送りが完了し、ガイドロールの原点位置ま
での復帰時は位置制御を、その余の中間圧延工程では所
望の押圧力(トルク)となる切換制御を行い真円度に優
れるワーク305を成形することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は工具の一つであるガイドロールの位置制御
手段と押圧制御手段を備えたことを特徴とする。そのた
めに、本発明は一例としてサーボモーター(油圧押圧機
構でもよい)を用い、ワークを加工する工具であるマン
ドレルと成形ロールとの間で成形する機構においてワー
クを支持するガイドロールの動作を制御するものであ
る。そして特に、工具の中でもガイドロールの動作の制
御に適用したことに特徴がある。そして、請求項1記載
の発明はワークの加工進行中、ワークと工具を相対的に
進退し、ワークの加工又は押圧を行う工具制御装置にお
いて、ワークの加工又は押圧の開始から終了までにワー
クのガイドロールの位置制御をするための位置制御手段
とでワークをガイドする際の押圧力を制御するための押
圧制御手段とを兼ね備えたことを特徴とする工具制御装
置を提供するものである。ここで位置制御手段とは現在
位置カウンター及び偏差カウンターの値に基づき、工具
であるガイドロールのワークへの高速で接触、非接触を
制御する手段の全てをいう。押圧制御手段とは工具のワ
ークへの押圧力(ここではサーボモーターのトルク値)
を各圧延工程の要求に応じ制御する手段の全てをいう。
また本発明における成形とはワークに押圧を加える加工
工程を全て含むものであり、その代表例として圧延加工
に適用した例を挙げ説明する。
【0012】具体的には、請求項1記載の発明は輪体で
あるワークの圧延加工を行いワークの寸法形状を所望に
圧延する際に、ワークをマンドレルの中心と成形ロール
の中心を結ぶ軸芯(軸芯X−X線という)を挟んで支持
するガイドロールのワークに対する進退位置はガイドロ
ールをワークに早送りで近接させる時、そして圧延加工
を終了しワークをアンローディングするための元の位置
(原点)に復帰するまでを位置制御手段とし、その間の
マンドレルと成形ロールによってワークが圧延される各
圧延工程ではガイドロールのワークに対する押圧力をつ
まり初期送り、粗送り及び仕上げ送りに際し制御する押
圧制御手段とを兼ね備えたことを特徴とする輪体成形装
置を提供するものである。
【0013】ワークを支持するガイドロールにサーボモ
ーターを応用した本発明の例としてその動作は、ガイド
ロールは位置制御によりワークに早送りで急速に接近
し、ワークの圧延開始ポイントの手前まで早送りを行
い、ガイドロールでワークを正確な位置で保持し、ワー
クの圧延加工の初期送り開始に合わせ電気信号によりト
ルク制御に切り替え、これをワークの圧延工程の初期送
り、粗送り及び仕上げ送りの各工程で所望の値に切換設
定を行い、そしてワークの圧延加工完了時に電気信号に
より位置制御に切り換え急速にワークの保持を開放し、
ガイドロールの原点復帰を行うものであり、位置制御と
トルク制御をワークの圧延加工の進行に合わせ電気信号
で切り換え、精度の高いワークの圧延加工を可能とする
と共にワークの圧延加工のサイクルを短縮することを目
的とし輪体成形装置に応用したものである。
【0014】輪体であるワークの外周面に接して回転す
る成形ロールと相対的に移動可能なワークの内周面に接
するマンドレルとを相互に接離する方向に相対移動させ
る移動手段と、ワークの外周面に転接してワークの圧延
姿勢を保持するための一対のガイドローラーとこのガイ
ドローラーを動作させるためのサーボモーター及び位置
制御・トルク制御を可能とするコントローラーを搭載
し、圧延されるワークの外径を検出する外径検出手段で
ある寸法定寸レバーとを備え、成形ロールとマンドレル
とを相対的に接近させることでワークを挟圧して初期送
り、粗送り及び仕上げ送りを行う輪体成型装置である。
この構造により、ガイドロールの位置制御・トルク制御
の制御形態を変更し、かつトルク制御の際にタイミング
よく可変量を投入制御する。
【0015】更に、請求項1記載の発明に含まれる他の
工具制御装置として高い真円度精度のワークを安定して
製造するため真円度確保手段を付加することもできる。
真円度確保手段としては、ワークの初期送りから粗送り
の間の圧延中にはワークに接触し、ワークに所望の押圧
力を加えつつ圧延による拡径に伴ってワークを保持しつ
つ後退し、粗送り終了点(仕上げ送り工程の入口)から
はワークとガイドロールのそれまでの接触状態位置(旋
回中心に対する開き角をその状態にして)から下流側ガ
イドロールの開き角と同じ角度で上流側ガイドロールを
開かせ、すなわち上流のガイドロールを下流側ガイドロ
ール開き角に連動し開かせ、仕上げ送りでは下流側ガイ
ドロールは所定のトルクで制御後退(ワークの拡径に伴
い)させつつ上流側ガイドロールはワークより離れさ
せ、専らワークの下流側をガイドロールによって支持拘
束するものである。具体的には、下流側アームの長さを
上流側アームの長さより長くしておく。ここでアーム長
さとは各ガイドロールの腕の長さをいう。初期送り及び
粗送り時にはそれぞれの腕の長さに応じた開き角度でワ
ークの外周面にガイドロールを従動させ、仕上げ送り時
には下流側アームのガイドロールがワークの外周面にト
ルク制御されつつ従動し、これに連動した開き角で上流
側アームのガイドロールはワークよりはなれるアーム機
構としたものである。このように下流側アームにより
(ガイドロールにより)適正なトルクでワークを押圧す
るだけで上流側アームは押圧しない方がワークの姿勢を
安定させることができる。つまりワークの姿勢を正しく
するため下流側ガイドロールのトルク(サーボモーター
のトルクのみでなく、油圧力によって行ってもよい)す
なわちワーク押圧支持力を与えておき上流側ガイドロー
ルはワークと離間させることで仕上げ送り工程時には上
流側の押圧力を「0」とすることが真円度向上に望まし
いのである。
【0016】図6は仕上げ送り時に上流側ガイドロール
をワークから解放し、下流側ガイドロールでワークを押
圧するためのガイドロール、アーム長が、ワークとの関
係条件を示す線図である。ガイドロール駆動のトルクは
初期送り及び粗送りでは上流側、下流側ガイドロールと
もワークの圧延による拡径に伴ってワーク外径に接し等
しい押圧力を付与しつつ後退するが、仕上げ送りでは上
流側、下流側ガイドロールは連動して開かれる(等しい
開き角で)ので下流側ガイドロールから押圧力がワーク
に加えられるが、上流側ガイドロールは開放され押圧力
は作用しない。各送り工程(各圧延工程)におけるトル
ク制御においてトルク設定値以上の反力がワーク5から
ガイドロール6に加わるとガイドロール6は設定された
トルクが釣り合うまで押し戻される。また、ワーク5に
内挿されているマンドレル4と成形ロール3による圧延
が進むと、図6に示すようにワーク5の外径が大きくな
る。つまり半径R0 から半径RW に変化する。
【0017】仕上げ送りに入る直前では、ワークの拡径
にならって上流側が角度θ02、下流側が角度θ01でガイ
ドロールの旋回中心に対し開いた状態であり、ガイドロ
ールとワークの外周が接触している。このとき、上流側
ガイドロールの腕の長さをA2 、下流側ガイドロールを
1 としA1 >A2 の関係とする。仕上げ送り工程に入
る直前において(初期)ワークの拡径が始まる前のワー
ク中心とガイドロール旋回中心の間の距離はR0 +Lか
ら最終の仕上げ送り工程ではRW +Lに変わる(ただ
し、任意のワークの拡径半径をRW とする)。仕上げ送
り開始時の角度θ01、θ02でワーク5に接触している状
態から、ガイドロールの腕は(上流と下流は)連動して
動く(ワークへの進退として)ので、そこから連動によ
りA1 >A2 なのでθ01とθ02は等しくなっておらず次
の式によりθ01>θ02となる。
【0018】
【数1】
【0019】そこから、連動している上流側、下流側ガ
イドロールの開き角は、ワークの拡径により、上流側、
下流側ガイドロールの両者が△θだけ増えた様子(図6
に示してある)をみればガイドロールからのトルクに逆
らって反ワーク側に押し戻されたとき下流側ガイドロー
ルが△θだけ増え、ワークの上流側ガイドロールも連動
して開くから同じ△θだけサーボモーターによって開か
される。しかし、結論的には次の式に示すように拡径し
たワークの中心からガイドロールの中心までの距離は上
流側でS、下流側でKとするとS>Kとなる。
【0020】
【数2】
【0021】つまり、ガイドロールのアームの長さがA
1 >A2 の関係からK(下流側)の方が小さくなるので
下流側ガイドロールがワークと接している距離Kではト
ルク制御がかかっている。しかし、上流側ガイドロール
はKより大きいSとなっているのでワークに接触してい
ない。つまり、上流側ガイドロールは下流側ガイドロー
ルより大きな角度で開いている。このことは上流側ガイ
ドロールは下流側ガイドロールと同じサーボモーター制
御でその開き角(△θ)を制御していてもA1>A2 のた
めθL >θU となり、上流側ガイドロールはワークに接
触しなくなる。従って、上流側ガイドロールではワーク
の拘束のトルクは「0」となる。それ故、A1 >A2
θL >θU (ガイドロールの押圧開始の角度)の関係を
形成し、下流側ガイドロールでのみトルク制御すること
になる。従って、下流側のアームを上流側のアームより
長くすることが必要である。
【0022】より具体的には、マンドレルによるドラフ
ト量の大きい粗送りまでは一対のガイドロールで軸芯X
―X線に対し対向となるようにワークに接触し押圧を加
えワーク位置を制御する。ただし、仕上げ送りになると
ドラフト量が小さくなり、ワークの入口速度v1 と出口
速度v0 の差が少なくなり振動しなくなる。つまり、ワ
ークの姿勢が軸芯X―X線に対し安定してくる。このよ
うな状態になったときは、上流側ガイドロールはワーク
から離し非接触の状態とし、下流側ガイドロールはワー
クに所望の押圧力を与え接触させた状態にしておく。こ
のように片寄りを防止する一種の自動調心効果の方が圧
延加工を安定させやすく、両方のガイドロールに押圧力
を与えワークに接触させておくよりワークの真円度の向
上を図ることができる。このように第1の発明は初期送
りから仕上げ送りにかけてガイドロールの支持押圧力
(トルク)を所望の値に可変するものであり、又第2の
発明は仕上げ送りのみ上流側ガイドロールを開放させ下
流側ガイドロールのみトルク制御させるものであり、ワ
ークの初期の偏肉や真円度或いはワークの肉厚によって
使い分けることができる。
【0023】
【実施例】(第一実施例)以下、本発明の実施例を図面
に基づいて説明する。本発明の実施例では工具制御装置
として輪体成形装置を用いている。図1は本発明を輪体
成型装置に応用した時の概略構成を示す側面図である。
ベッドの一端には第一支持ブロック2が設けられてお
り、第一支持ブロック2には成形ロール3が回転可能に
支持されている。ベッド1の上の第一支持ブロック2よ
りも中央寄りにはマンドレル4が成形ロール3の成形ロ
ール軸15と平行に、マンドレル支持軸(不図示)に回
転可能に支承されている。マンドレル4の上方及び下方
には、ワーク5を押圧するように2つのガイドロール6
が設けられている。
【0024】成形ロール3は、外周面にワーク5の外周
面を成形するための型が形成されており、成形ロール駆
動モーター(不図示)の回転出力によって回転駆動され
る。該回転駆動される成形ロール3にワーク5が外挿さ
れたマンドレル4を接近させていくことによって、ワー
ク5を成形ロール3とマンドレル4とで挟圧して圧延加
工する。圧延加工中のワーク5は、型ずれしないように
ガイドロール6及びマンドレル4の押圧により保持され
る。
【0025】ベッド1の略中央部にはベッド1の長手方
向に伸長するレール7が設けられており、該レール7の
上には圧下スライド8が載置される。圧下スライド8の
右側にはマンドレル4を成形ロール3に向かって押圧す
るためのサポートロール9が設けられている。サポート
ロール9は、同型の二枚の円板を間を開けて同軸に並置
した構成をなし、成形ロール3の回転軸と平行な軸まわ
りに回転可能に支持されている。また、サポートロール
9は、上記二枚の円板の間にワーク5を挟み込んだ状態
でマンドレル4を成形ロール3に向かって押圧すること
になる。
【0026】ベッド1の他端には第二支持ブロック10
が設けられており、第二支持ブロック10と第一支持ブ
ロック2とはタイロッド11で連結されている。第二支
持ブロック10には偏心した円板状のカム12が成形ロ
ール3の回転軸と平行な軸まわりに回転可能に支持され
ている。カム12は回転角度に比例したリフト量を有
し、サーボモーターからなるカム駆動モーター(不図
示)によって回転駆動される。
【0027】圧下スライド8の左側にはカム12と接す
るように円板状のカムフォロア13が設けられている。
カムフォロア13はカム12の回転角度に応じてカム1
2外周面により押圧され、これにより圧下スライド8が
移動して、該圧下スライド8の右側に設けられたサポー
トロール9によってマンドレル4が成形ロール3に向か
って押圧される。カム12が一回転することによってマ
ンドレル4が早送り、初期送り、粗送り、仕上げ送り及
びアンローディングの移動を完了する。
【0028】マンドレル4とサポートロール9との軸心
との間には、ワーク5の外周面と接するように寸法定寸
レバー14が設けられている。寸法定寸レバー14はワ
ーク5が圧延・拡径されるのに伴って移動し、この移動
量を測定することによって、圧延加工中のワーク5の外
径が検出される。このセンサー信号により圧延工程の切
換信号が得られる。
【0029】次に、図2を参照して図1の輪体成型装置
の動作を制御するための制御系統を説明する。図2は図
1の輪体成型装置のガイドロール6を除く動作を制御す
るための制御系統の概略構成を示すブロック図である。
圧延部101は圧延加工を実行するための機械的構成で
あり、図1の輪体成型装置全体と略一致する。圧延送り
制御部102は圧延部101におけるマンドレル4の送
りを制御するための制御装置である。
【0030】接触検出部103はワーク5と成形ロール
3とが接触したか否かに係わるパラメーターを測定する
機構であり、本実施例の形態においては、上記成形ロー
ル駆動モーターの駆動電力を測定する電力センサー(電
流センサー)(不図示)から構成される。接触検出部1
03の検出値は接触レベル判定部105に出力される。
接触レベル設定部104は、上記パラメーターの接触判
定用の閾値が設定される記憶装置であり、設定された閾
値は接触レベル判定部105に供給される。
【0031】接触レベル判定部105は、接触検出部1
03により測定されたパラメーター(駆動電力値)と接
触レベル設定値104に設定された上記閾値とを比較す
ることによって、ワーク5と成形ロール3とが接触した
か否かを判定する。接触レベル判定部105における判
定結果は圧延送り制御部102に出力され、圧延送り制
御部102は該判定結果に応じて圧延部101における
マンドレル4の送り速度を変化させる。時間に対するマ
ンドレル送り量は図2の圧延送り制御部102で行われ
る。
【0032】次に、図3、図4、図5、図7、図8、図
9及び図10に基づいて輪体成型装置の動作を説明す
る。図3は輪体成形装置の成形ロールに対するマンドレ
ルの送り量を時間経過と共に示したグラフである。図4
(1)は本発明の実施例のガイドロールの位置・トルク
と時間との関係を示すグラフである。図4(2)は図3
の時間に対応する現在位置カウンターの値を示す線図で
ある。図5は本発明の実施例のサーボモーター制御のブ
ロック図である。図7はワークの圧延加工プロセスを説
明する流れ図である。図8は本発明の実施例のアーム支
持軸の詳細な断面図である。図9は本発明の実施例の輪
体成形装置の平面図である。図10はアームギヤとアー
ムに噛み合うギヤの噛み合い状況を示す平面図である。
【0033】図9において成形ロール軸15を組み込ん
だ成形ロール3の右側にはアーム支持軸16を配置し、
左側にはマンドレル4を配置し、それぞれの中心位置が
一直線に並ぶように配置してある。成形ロール3とマン
ドレル4の間にはワーク5が挟まれている。アーム支持
軸16には上流側アーム17、下流側アーム18が取り
付けらており、ガイドロール6を軸芯X−X線を基準に
対称に旋回する。上流側アーム17、下流側アーム18
はワーク5の外周にガイドロール6を当接するために円
弧を描きながらワーク5の外周へ伸びている。ガイドロ
ール6の支柱となるアーム支持軸16はアーム支持軸ブ
ラケット(不図示)で支持している。本実施例において
はアームにガイドロール6を取り付けているが、回転自
在ローラーとすることもできる。
【0034】 図8では
アーム支持軸16は、モーターで駆動されるのでアーム
支持軸ブラケット22に対し軸受32、円錐軸受34を
介して回転自在に支持されている。図9に示すようにア
ーム支持軸16は成形ロール軸15と平行に配置され
る。また、アーム支持軸の位置決めを行うためにアーム
支持軸ブラケット22に回転しないように固定支持す
る。アーム支持軸16の中央部分に中間部材30を配
し、その中間部材30に軸受32を介して上流側アーム
17、下流側アーム18を回転自在に支持する。この軸
受32は離れた軸方向位置でこの中間部材30に固定さ
れる。一方の軸受32の外輪が下流側アーム18、他方
の軸受32が上流側アーム17に固定され中間部材30
に対し上流側アーム17、下流側アーム18は回転自在
に支持されている。なお、図8に示したアーム支持軸1
6は部品点数の軽減のため成形ロール軸15と兼用とす
ることもできる。図8においては、現在位置センサー2
6は下流側アーム18に設置してあるが、上流側アーム
17及び下流側アーム18の両方に取り付けることも可
能である。この現在位置センサー26内に現在位置カウ
ンター84が設けられている。
【0035】図10において上流側アーム17及び下流
側アーム18のアーム支持軸16側では外周の円周上に
はそれぞれギヤが形成されている。サーボモーター36
からの動力はサーボモーター36の軸に固定されたピニ
オン38を介し、メインギヤ40に伝え減速し、メイン
ギヤ40と一体に回る下流側アームに噛み合うギヤ44
とこれとアイドラーギヤ42を介して一体に回転する上
流側アームギヤ17aに伝えられる。このとき、下流側
アームに噛み合うギヤ44、アイドラーギヤ42及び上
流側アームに噛み合うギヤ50は同一の歯車を使用する
ので、上流側アーム17と下流側アーム18はお互いに
離間するよう、軸芯X―X線に対称に開閉することがで
きる。つまり上流側アーム17と下流側アーム18が仕
上げ送り工程で連動して開く場合に用いる機構である。
一例として連動しない従動期は上側アームギヤ17aと
下側アームギヤ18aとが、上流側アームに噛み合うギ
ヤ50と下流側アームに噛み合うギヤ44と噛み合わず
(歯がなく)、滑る様にする。このサーボモーターを用
いればガイドロールの開閉位置及びトルク制御を行うこ
とができる。
【0036】次に図5を用いガイドロールの位置及びト
ルク制御について説明する。図5の左側にある「A」
(ワーク5の外径の位置センサー信号)は1)早送り完
了点である時刻t1の位置であるx1、2)仕上げ送り
完了点である時刻t4からガイドロールの復帰点(原
点)までの位置であるx4の位置指令信号である。位置
指令信号はデジタルデータ(パルス列)として偏差カウ
ンター83に送られる。「B」は1)時刻t1から時刻
t2までの間の加工初期送りのトルク、2)時刻t2か
ら時刻t3までの間の粗送りのトルク、3)時刻t3か
ら時刻t4までの間の仕上げ送りのトルク指令の信号で
あり、トルクはサーボモーター36が出力できるトルク
を設定し、これらの値以上のトルクがガイドロール6に
与えられるとガイドロール6はワーク5へ設定トルク以
上の押圧力が加わらないように逃げることになる。
「C」は1)ガイドロール6の閉位置(時刻t0〜t1
の初期送り開始時)開始指令、2)ガイドロール6の開
位置(時刻t4の仕上げ完了時)を開始指令する信号で
ある。
【0037】現在位置カウンター84はガイドロール6
の復帰位置(原点位置)からどれだけワーク5に近づい
たかの現在位置を計数するカウンターである。ガイドロ
ール6がワーク5に向かって移動する場合をプラスの方
向とし、ガイドロール6がワーク5から離れるように移
動する場合をマイナスの方向とする。偏差カウンター8
3はメインギヤ40と係合するピニオン38の回転によ
るラックアンドピニオンのラック(不図示)の移動量を
カウントするものである。つまり原点から早送り完了
迄、及び仕上げ送り完了から原点までのガイドロール6
の移動量を設定値に対しどの様になっているか(設定値
に対するガイドロールの変化量)をサーボモーター36
の回転状態を検知するエンコーダー93からのエンコー
ダーパルスとの比較を行ってガイドロール6の位置制御
を行うために用いるものである。ガイドロール6の現在
位置カウンターは初期送り完了時でもクリアーせず常に
現在位置を監視し、異常検出又はアンローディングの始
点信号に利用することもできる。偏差カウンター83に
は現在位置カウンターの早送り完了時の値及び仕上げ送
り完了時の値が入力される。
【0038】はじめに、図7に示すように「ワークのロ
ーディング」を行う。ローディングは輪体であるワーク
5を輪体成形装置にセットすることである。セットに際
しマンドレル4を輪体であるワーク5の内周面でワーク
5を保持するように外挿する。
【0039】「マンドレルの早送り」ではワーク5を外
挿したマンドレル4を早送りで急速(最大速度で)に成
形ロール3に接近させる。この早送りはマンドレル4を
ワーク5の圧延開始ポイントまで移動させるプリセット
送りの一つとして実行される。この早送りによるマンド
レル4の送り量L1は、早送り実行中にワーク5が成形
ロール3と衝突しないように、想定される圧延開始ポイ
ントのある程度手前で早送りが終了するように設定され
る。位置制御は偏差カウンター83によって行われる。
まず時刻t0において、偏差カウンター83及び現在位
置カウンター84は「0」に設定する。図4(1)のグ
ラフの中で一点鎖線は、コントローラー80の中に設置
してある現在位置カウンター84によるガイドロール6
の位置状況が監視され、実線はマンドレル4の各送り工
程でのサーボモーター36(油圧の場合は油圧力)のト
ルク設定値を表している。マンドレル4の移動によりワ
ーク5が成形ロール3と接触する(時刻t0から時刻t
1に変化)。ガイドロール6の移動に伴い現在位置カウ
ンター84が変化する。例えば、現在位置カウンター8
4は時刻t1では「10、000」カウンターとなる。
偏差カウンター83には位置指令として予め現在位置カ
ウンターの「10、000」という値を入力し、マンド
レル4を駆動するサーボモーター(不図示)のエンコー
ダーから出力されるパルスが位置指令と一致するか比較
し、一致すればガイドロール6のワーク側への進みであ
る位置制御を終了させる。この位置制御が終了した時点
で偏差カウンター83は「0」になっている。
【0040】ワーク5の圧延開始前の上記プリセット送
りの他の一つとして実行される早送りは、ワーク5と成
形ロール3との接触検出の時間遅れによる不都合をなく
すために行われる。つまり成形ロール3の型形状とワー
ク5の接触する状態をより正しく確実に行うために実行
されるものである。この時点においてはガイドロール6
は位置制御が完了し時刻t1となる。マンドレル4の送
り量Lが図3に示すL1に達し、成形ロール3の送り速
度が減速されて、初期送りの位置制御が終わり、ガイド
ロール6は初期送りのトルク制御に移る。
【0041】図7に示す「マンドレルの初期送り」では
時刻t1の時にワーク5の外周面と成形ロール3の外周
面は点接触している。これよりワークの点接触による圧
延が始まり、ワーク5が成形ロール3の回転力(マンド
レル4は従動)により成形ロール3とマンドレル4の間
で挟圧された状態で回転し始める。成形ロール3を回転
駆動している成形ロール駆動モーター(不図示)の負荷
が増大し、該モーターの駆動電力が上昇する。マンドレ
ル4の初期送りはマンドレル4を駆動するサーボモータ
ー(不図示)のエンコーダー指令で制御する。ワーク5
と成形ロール3とが面接触したときに、マンドレル4の
初期送りのエンコーダー指令が終了し(時刻t2)、マ
ンドレル4の送り速度を減速し、マンドレル4を駆動す
るサーボモーター(不図示)のエンコーダー指令は初期
送りを粗送りに切り換える。
【0042】図7に示す「マンドレルの粗送り」はワー
ク5を面接触による圧延を行うための加工送りの一つで
あり、ワーク5の外径が略所望の外径に達するまでこの
粗送りでマンドレル4を移動させる。粗送りでは、ドラ
フト量を増大するため、初期送りより大きなトルク設定
値(電圧値)にし、二つのガイドロール6でワーク5を
外径側から強く保持する。この粗送りにおけるマンドレ
ル4の移動速度は初期送りにおけるマンドレル4の移動
速度よりも小さい。
【0043】マンドレル4の粗送りのエンコーダー指令
が終了し(時刻t3)、粗送り完了位置をワーク5の寸
法定寸レバー14で検知すると、図3に示す一種のバッ
クラッシュをなくすための送りを戻すリトラクションを
行う。具体的には、マンドレル4をワークを介して成形
ロール3に押圧するため成形荷重が生じ、第一支持ブロ
ック2、第二支持ブロック10、タイロット11等に弾
性変形が生じる。マンドレル4の送り量にその弾性変形
の影響が及ばないようにマンドレル4を少し後退させ
る。粗送りの圧延が進行すると次第に圧延力が発生して
くるために、ワーク5の拡径が始まる。このときガイド
ロール6もワーク5に押されて徐々に開き方向に強制移
動させられるが、サーボモーターのトルク制御により同
一の力でワークに押圧を加えるように作用する。時刻t
3にワーク5の外径が略所望の外径まで圧延・拡径され
たことを寸法定寸レバー14により検知させると、粗送
りから更に低速の仕上げ送りに切り換わる。
【0044】図7に示す「マンドレルの仕上げ送り」
は、略所望の外径にまで圧延・拡径されたワーク5を精
密に所望の外径まで圧延・拡径するために実行される加
工送りである。従って、仕上げ送りではドラフト量は減
少し、ガイドロールのトルク設定値(電圧)を粗送りよ
り下げ、仕上げ送りトルクの設定値に切り換える。ワー
ク5が仕上げ寸法まで拡径されたと寸法定寸レバー14
により検知されると仕上げ送りが完了し、圧延加工が完
了し時刻t4となる。このとき、例えば現在位置カウン
ター「8、500」カウンターと表示されるとする。時
刻t1の現在位置カウンター「10、000」より減少
しているが、これはワーク5の加工終了によりワーク5
の外径が拡径されガイドロールが押し戻されたことによ
るものである。
【0045】そして、ガイドロール6をトルク制御から
位置制御へ戻し、ガイドロール6及びマンドレル4の初
期位置への戻しが実行され処理を終了する。アンローデ
ィング及びローディング工程では、仕上げ外径寸法を寸
法定寸レバー14の信号により検知するとガイドロール
のトルク制御から位置制御に切り換えて急速戻りの動作
をする。現在位置カウンター84の仕上げ送り完了時で
ある時刻t4の値である「8、500」を符号をマイナ
スにして「−8、500」として偏差カウンター83に
入力する。このようにすれば、ガイドロール6のサーボ
モーターからのエンコーダーパルスと比較し、一致した
ときにはガイドロール6は元の位置に戻ることになる。
偏差カウンター83の位置指令は早送り完了時の時刻t
1での偏差カウンター83の値は一定の値とすることが
できるが、仕上げ送り完了時の時刻t4は完成品のワー
クの厚み、あるいは若干の偏肉といった影響があるた
め、一定の値とすることができず、ワーク加工ごとの時
刻t4の現在位置カウンター84の値を偏差カウンター
83の値として使用することになる。
【0046】このように図4(1)で示すように時刻t
0から時刻t1までの早送りの時間と時刻t4から僅か
の時間であるアンローディングの時間は位置制御が行わ
れる。時刻t1、t2,t3及びt4の切り換え信号は
寸法定寸レバー14を介して行うこともでき、寸法定寸
レバー14の位置信号の発生は例えば、電気マイクロ、
リニアスケール等で行われる。その場合、図4(2)に
示すように時刻t1に対応する位置がx1、時刻t2に
対応する位置がx2、時刻t3に対応する位置がx3、
時刻t4に対応する位置がx4となり、(xn−x1)
の差分で位置制御をすることになる。
【0047】次に、図5を用いてガイドロール駆動装置
の回路の構成を説明する。図5は本発明の実施例のサー
ボモーター制御ブロック図である。工具制御装置の回路
は大きく分けるとコントローラーとモータードライバー
からなる。コントローラー80には外部から入力可能な
スイッチ「A」、「B」及び「C」が設けられている。
スイッチ「A」及び「C」では位置制御を行うための信
号(以下、位置指令という)が入力され、スイッチ
「B」ではトルク制御を行うための信号(以下、トルク
指令という)が入力される。コントローラー80には
「C」からの信号が通る偏差カウンター83及びD/A
コンバーター86が設けられており、サーボモーター3
6のエンコーダーから送られてくるエンコーダーパルス
を受ける現在位置カウンター84及びエンコーダーパル
スと位置指令との差分検出を行う偏差カウンター83が
設けられている。偏差カウンター83と現在位置カウン
ター84の間には位置制御とトルク制御を切り換えるス
イッチ「C」が設けられている。さらに「B」からのト
ルク指令を受けるためのD/Aコンバーター85が設け
られている。
【0048】モータードライバー82ではD/Aコンバ
ーター86の位置指令が周波数/電圧変換(以下、F/
Vという)コンバーター91で変換されたエンコーダー
パルスと差分を行う差動演算器90が設けられ、差動演
算器90とF/Vコンバーター91との間に位置制御と
トルク制御を切り換えるスイッチが設けられている。差
動演算器90からの出力は速度アンプ87より増幅され
電流アンプ88に向かう途中にも位置制御とトルク制御
を切り換えるスイッチが設けられている。このスイッチ
はコントローラー80内のD/Aコンバーター85とも
接続されている。このスイッチには電流の差動演算器8
9が設けられ次いで電流アンプ88と電力アンプ81に
接続され、電力アンプ81の出力側にはサーボモーター
36に流す電流を検出するためのCT(カレント トラ
ンスファー)92が設けられサーボモーター36と接続
されている。サーボモーター36からの信号はガイドロ
ール駆動装置95に送られる。サーボモーター36には
エンコーダー93が設けられている。また、電力アンプ
81からのモーター電流(サーボモーター36へ供給す
るための電流)を調整するためCT92と電流の差動演
算器89からの信号を増幅する電流アンプ88を設けて
ある。エンコーダー93とF/Vコンバーター91との
間では速度ループが形成されている。エンコーダー93
から送られるエンコーダーパルスがF/Vコンバーター
91に入力され周波数当たりのパルス数が求まり、そこ
から角速度が求められガイドロール6の速度が定まるた
め速度ループを形成することになる。またエンコーダー
93と偏差カウンター83との間ではエンコーダー93
からエンコーダーパルスが出力されることにより位置ル
ープが形成されている。なお、エンコーダーパルスはガ
イドロール6がプラスの方向へ移動する場合にはクロッ
クワイズであり、ガイドロール6がマイナスの方向へ移
動する場合にはカウンター−クロックワイズとなる。
【0049】時間毎の回路の動作としては、時刻t0か
ら時刻t1までは、位置制御が行われるため、「A」か
らの位置指令のみが与えられる。具体的には、「ガイド
ロール閉位置」信号が与えられる。例えば、実施例にお
いては「10、000」という値が入力される。この
「10、000」という値は予め実測により得られた値
である。コントローラー80内の偏差カウンター83の
下に設置してあるスイッチは位置制御に接続され、モー
タードライバー82内の全てのスイッチも同様に位置制
御に接続される。コントローラー80内の「A」に位置
指令として入力された信号はD/Aコンバーター86で
電圧値に変換される。変換された信号はモータードライ
バー82に入力され各アンプにより電流増幅が行われサ
ーボモーター36に位置指令が与えられ、ガイドロール
駆動装置95に送られる。またガイドロール駆動装置9
5からサーボモーター36に信号が送られ、エンコーダ
ー93からはフィードバック信号(エンコーダーパル
ス)が出力される。これはエンコーダー93から送られ
るガイドローラの位置情報である。従って、ガイドロー
ルの回転角として捉えることもできる。エンコーダー9
3から送られるエンコーダーパルスはコントローラー8
0内のカウンター(不図示)に送られ二方向に分かれ
る。一方向では偏差カウンター83内の差分増幅器で位
置指令との差分が行われ、他方向では現在位置カウンタ
ー84でカウンター(不図示)からの信号が加算又は減
算される。偏差カウンター83においての差分値が
「0」となった時点で時刻t0から時刻t1の間の回路
の動作は停止する。なおエンコーダーパルスは周波数/
電圧コンバーター(F/Vコンバーター)を介して差動
増幅器90に入り単位時間当たりのパルスを電圧値に変
換し、D/Aコンバーター86からの出力信号の電圧値
(位置指令信号)と差分が行われる。ここではアナログ
値同士で差分が行われる。この差分値に基づいてガイド
ロールの異常動作を検出することも可能である。
【0050】次にマンドレル4の時刻t1での圧下スラ
イド8の位置情報又は寸法定寸レバー14から得られる
信号情報に基づいて時刻t1から時刻t2までのトルク
制御に切り換わる。時刻t1の時点でコントローラー8
0及びモータードライバー82のスイッチが位置制御か
らトルク制御に切り換わり、「B」から初期送りのトル
ク指令がコントローラー80に与えられると共に「C」
の制御信号により偏差カウンター83がリセットされ
る。初期送りのトルク指令をD/Aコンバーター85で
電圧値に変換しその電圧値はモータードライバー82に
送られ、各種アンプで増幅され、電力アンプ81で増幅
された電流値がサーボモーター36に送られる。サーボ
モーター36のエンコーダー93からはフィードバック
信号(エンコーダーパルス)が出力される。CT92か
らのトルクに関する電流信号は差動演算器89で初期送
りのトルク指令に基づく出力信号の電圧値と間で差分が
行われ電流ループを形成する。その差分値は各種アンプ
により増幅された電流値がサーボモーター36に出力さ
れ、ガイドロール駆動装置95に伝わる。エンコーダー
93からのエンコーダーパルスはカウンター(不図示)
を介して現在位置カウンター84に送られ加算又は減算
される。
【0051】時刻t2から時刻t3まで及び時刻t3か
ら時刻t4までも同様にトルク制御が行われる。この各
時間の切換えは、マンドレル4の圧下位置情報又は寸法
定寸レバー14の信号で行われる。コントローラー80
及びモータードライバー82のスイッチはトルク制御の
状態を維持することになる。動作としては、差動演算器
89とCT92の間で電流ループにより、電力アンプ8
1から増幅された電流が出力されCT92で電流の変化
を電圧の変化に変換し、その電圧値を差動演算器89で
トルク指令に基づく出力信号の電圧値と差分を行い、そ
の差分値が電流アンプ88及び電力アンプ81を通りサ
ーボモーター36に出力され、ガイドロール駆動装置9
5に伝わる。エンコーダー93からのエンコーダーパル
スについてもカウンター(不図示)を介して現在位置カ
ウンター84に送られ加算又は減算される。
【0052】時刻t4ではマンドレル4は原点位置に復
帰されているので位置制御に切り換わる。マンドレル4
の圧下スライドの位置情報又は寸法定寸レバーの位置情
報により時刻t4でコントローラー80及びモータード
ライバー82のスイッチはトルク制御から位置制御に切
り換わり位置ループが作動する。「C」の制御により偏
差カウンター83のリセットは解除(カウンター開始の
状態)状態とされている。次に「A」からは目標値であ
る「0」に戻すために現在位置カウンター84の時刻t
4の値を読み出し(マンドレル後端位置x4)、0値−
現在位置カウンター値を求め、その結果を「A」に入力
する。サーボモーター36のエンコーダー93から送ら
れるエンコーダーパルスとの差分が偏差カウンター83
内の差動増幅器で行われ差分値が「0」となるまで続け
られる。「0」となった時点でガイドロールははじめの
位置に戻る。
【0053】(第二実施例)第二実施例で示す発明は、
仕上げ送り工程時にワーク5の真円度の向上を図るた
め、下流側ガイドロールをワーク5に接触させ(一定ト
ルクを加え続ける)、上流側ガイドロールを開放する
(ワーク5と非接触状態)機構である。
【0054】図11はアーム支持軸一本の第二実施例の
平面図である。図16は仕上げ送り工程開始時のアーム
支持軸一本の第二実施例の簡略図である。図11ではア
ーム支持軸が一本の場合で粗送りのトルクから仕上げ送
りのトルクに切り換えたことにより上流側アームが押し
戻される状況を示している。破線で描かれたワーク5、
上流側ガイドロール46及び下流側ガイドロール48が
仕上げ送り圧延加工が施される以前の状態を示してい
る。実線で描かれたワーク5は仕上げ送りによりワーク
が拡径した状態を示しており、上流側ガイドロール46
及び下流側ガイドロール48は拡径により移動した状態
を示している。アーム支持軸の中心16aから先端のガ
イドロールまでの距離を上流側より下流側の方を長くす
れば、仕上げ送りトルクに切換えてから上流側アーム1
7と下流側アーム18のワーク5に対する変位は(同一
θに対し)上流側の方が大きくなる。それ故、上流側ア
ーム17は非接触状態(ワーク5外径面と非接触)、下
流側アーム18は接触状態(トルク制御)となる。この
とき、下流側ガイドロール48はワーク5の外周面に接
触しているが、上流側アーム17が下流側アーム18よ
り短いため、上流側ガイドロール46がワーク5外周面
から離れ、ワーク5外周面との間にすきまが生じ、上流
側ガイドロール46が解放される。このことにより、仕
上げ送り時の下流側ガイドロール48によるワーク5の
保持により、ワーク5の真円度が向上する。
【0055】図11における上流側アーム17及び下流
側アーム18の駆動を摩擦駆動とギヤ駆動それぞれを使
い分けて用いる例を説明する。図4(1)に示す位置制
御を行う早送りと仕上げ送りから原点に復帰する間はギ
ヤ駆動とし、この時、図10に示すサーボモーター36
で与えられる回転駆動力は上流側アームに噛み合うギヤ
50から上流側アームギヤ17a及びアイドラギヤ42
を介して下流側アームに噛み合うギヤ44から下流側ア
ームギヤ18aへ、それぞれ上流側アーム17と下流側
アーム18がX−X軸を挟んで等しい角度で対向離間す
る様に駆動される。このとき、上流側アーム長さA2
下流側アーム長さA1 の関係になっているので図16で
示すアーム開き角θi <θ0 となり、両ガイドロールが
ワーク5の外周面に接する様に上流側アームに噛み合う
ギヤ50と上流側アームギヤ17a、及び下流側アーム
に噛み合うギヤ44と下流側アームギヤ18aの歯数モ
ジュールを予め選定しておく。そして、トルク制御に入
った初期送り、粗送りでは、先の上流側アームに噛み合
うギヤ50と上流側アームギヤ17a及び下流側アーム
に噛み合うギヤ44と下流側アームギヤ18aは、歯の
ないすべり伝達すなわち摩擦駆動関係にし、ワーク5の
外周面の拡径に従動できる様にする。
【0056】この様なアーム駆動方法とした状態で仕上
げ送り工程に入る。粗送り完了時点ではワーク5の外周
面の拡径に従動した状態であるから図11に示すA2
1の関係からθi <θ0 の関係のアーム開き角になっ
ている。仕上げ送り工程に入ると同時に先の位置制御の
ところで説明した様に、上流側アームに噛み合うギヤ5
0と上流側アームギヤ17a及び下流側アームに噛み合
うギヤ44と下流側アームギヤ18aをギヤ駆動となる
様にすれば、その後の上流側ガイドロール46と下流側
ガイドロール48の開き角をX−X軸に対し等しくなる
様に出来る。つまり図17に示す様に、それぞれの歯車
(ギヤ)を摩擦駆動とする部分とギヤ駆動する部分とに
分けることにより可能であり、上、下流側ガイドロール
46、48のアーム長さA1 、A2 の大小関係が予め知
れるので、ギヤ駆動時はそれぞれの歯数とモジュールを
予め選択して用いX−X軸に対し等しい開き角で開ける
様にすることが出来る。ワーク5の外周面の拡径に伴っ
て、上、下流側ガイドロール46、48が従動する時
は、摩擦駆動(ギヤのない)とすることでワーク外周面
に所定のトルク(押圧力)を与えながら後退することが
出来る。なお図4(1)において先のガイドロールの位
置制御段階である早送り段階ではトルク制御の開始する
少し手前(t1 より少し手前)でギヤー駆動から摩擦駆
動に切換えガイドロールをワーク5の外周に接近させれ
ば、先のA1 ≠A2 による歯車及びワーク5の外周面へ
の過大な力を防止できる。
【0057】又仕上げ送り工程では上、下流側ガイドロ
ール46、48がギヤ駆動となっているが、上流側ガイ
ドロール46はワーク外周面より離れて行くので下流側
ガイドロール48でのみワーク外周面へのトルク伝達を
ギヤ駆動の状態で伝達することができる。以上、第二実
施例では仕上げ送り工程において、上流側ガイドロール
46と下流側ガイドロール48をギヤ駆動で連動し、等
しい開き角となる様に開き、この結果、下流側ガイドロ
ール48のみでワーク5の外周面を支持(トルク制御)
し、押圧力を与える様にしたが、図3と図4(1)のワ
ーク5がマンドレル4と成形ロール3により圧延されワ
ーク外径の拡径が始まる段階、すなわちこの段階ですで
に、早送り後、上流側ガイドロール46と下流側ガイド
ロール48とがワーク5の外周面に接触させた状態(先
の説明で位置制御完了後)としているが、ギヤ駆動と
し、上流側ガイドロール46と下流側ガイドロール48
を等しい開き角で開かせる様にすれば、ワーク5の圧延
の最初から下流側ガイドロール48のみでワーク5の外
周面を支持押圧(トルク制御)し、上流側ガイドロール
46をワーク5の外周面から離れる様にしても、本願発
明の目的が達成できる。
【0058】図15はこの方法において、冷間圧延され
たものと従来のように仕上げ送り工程で上流、下流側ガ
イドロールによりワーク5を拘束した例を比較した表で
ある。本発明によれば従来技術に比べ真円度のばらつき
は約10倍向上していることがわかる。
【0059】図12はアーム支持軸二本の他の実施例の
平面図である。仕上げ送り時のみ同じ開き角となるよう
に連動させ、初期送りから粗送りではワーク5の外周面
に対するガイドロールは従動(上流側アーム60はギヤ
による駆動にし、下流側アームのみ従動とすることもで
きる)させた例で、図11と同様に上流側アーム60と
下流側アーム62の長さを変え、仕上げ送りに入って上
流側アーム60を開放(ワーク5と非接触状態とし
た)、下流側アーム62はワーク5と接触の機構を示す
ものである。具体的には、サーボモーターの歯車64を
サーボモーター(不図示)により回転しアーム旋回歯車
66、68を回転させる。それに伴い上流側アーム60
及び下流側アーム62を旋回することができる。この場
合、アーム旋回歯車66、68は対向する方向に回転す
るため、上流側アーム60及び下流側アーム62の開閉
の動作は同期する。θi は早送り完了後のガイドロール
とワークが接触したときに決まる角度である。θは上流
側及び下流側でアームが等しく開く角度である。上流側
アーム60の長さR1が下流側アーム62の長さR2よ
り短いので、第二実施例と同様に下流側アーム62がワ
ーク5に接触している状態では上流側アーム60はワー
ク5と非接触の状態となる。なお、ギヤ駆動及び摩擦駆
動の条件は先の第二実施例と同様である。
【0060】図13はアーム支持軸二本のラックアンド
ピニオンを利用した他の実施例である。上流側アーム5
0及び下流側アーム52を水平に配し、ピニオン58と
ラック54及びラック56を噛み合わせ、ピニオン58
の回転によりラック54及びラック56に取り付けられ
た上流側アーム50及び下流側アーム52を平行に上下
方向に移動する。初期送りから粗送りまでは上流側アー
ム50及び上流側アーム52の先端に取り付けられた上
流側ガイドロール46及び下流側ガイドロール48をワ
ーク5の外周に接触し従動させワーク外周面を保持す
る。仕上げ送りになるとラック54及び56とピニオン
58との噛み合わせて連動、ギヤ駆動にすれば上流側ア
ーム長さ<下流側アーム長さ、の関係から先の第二実施
例と同様の構造を採ることにより、上流側ガイドロール
46とワーク5の間にすきまを設け、下流側ガイドロー
ル48でワーク5を保持することが可能となる。
【0061】図14はアーム旋回中心をオフセットした
他の実施例である。上流側アーム70、下流側アーム7
2のアーム長さをli =l0 とし、アーム旋回中心74
を下流側にオフセットさせた例を示したものであり、図
11の構造を変形させた例である。つまり、アームの旋
回中心74を移動することにより上流側ガイドロール4
6とワーク5の間に隙間を設け非接触の状態とし、下流
側ガイドロール48とワーク5を接触させて圧延加工を
行うというものである。以上、仕上げ送り工程でのみ、
上流側、下流側アームの開き角を連動し、下流側ガイド
ロール48でワーク外周面を支持(トルク制御)する様
に説明したが、第二実施例と同様、ワークの拡径が始ま
った段階からギヤ駆動にして連動させ、下流側ガイドロ
ール48によってのみワーク外周面を支持する様にして
もよい。
【0062】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ワークの
圧延加工中にガイドロールの位置制御、トルク制御の変
換を瞬時に行い圧延加工サイクル時間の短縮化を図り、
ガイドロールのトルクによるワークへの押圧を早送りか
らアンローディングまでにタイミングよく切り換えるこ
とにより、ワークの真円度を向上できると共に拡径の阻
害を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明を輪体成型装置に応用した時の概
略構成を示す側面図である。
【図2】図2は図1の輪体成型装置のガイドロール6を
除く動作を制御するための制御系統の概略構成を示すブ
ロック図である。
【図3】図3は輪体成形装置の成形ロールに対するマン
ドレルの送り量を時間経過と共に示したグラフである。
【図4】図4(1)は本発明の実施例のガイドロールの
位置・トルクと時間との関係を示すグラフである。図4
(2)は図3の時間に対応する現在位置カウンターの値
を示す線図である。
【図5】図5は本発明の実施例のサーボモーター制御の
ブロック図である。
【図6】図6は仕上げ送り工程で上流側ガイドロールを
ワークから解放し、下流側ガイドロールでワークを押圧
するための条件を示す線図である。
【図7】図7はワークの圧延加工プロセスを説明する流
れ図である。
【図8】図8は本発明の実施例のアーム支持軸の詳細な
断面図である。
【図9】図9は本発明の実施例の輪体成形装置の平面図
である。
【図10】図10はアームギヤとアームに噛み合うギヤ
の噛み合い状況を示す平面図である。
【図11】図11はアーム支持軸一本の第二実施例の平
面図である。
【図12】図12はアーム支持軸二本の他の実施例の平
面図である。
【図13】図13はアーム支持軸二本のラックアンドピ
ニオンを利用した他の実施例である。
【図14】図14はアーム旋回中心をオフセットした他
の実施例である。
【図15】図15はこの方法において、冷間圧延された
ものと従来のように仕上がり工程で上、下流側のガイド
ロールによりワーク5を拘束した例を比較した表であ
る。
【図16】図16はアーム支持軸一本の第二実施例の簡
略図である。
【図17】図17は上、下流側アームギヤと上、下流側
アームに噛み合うギヤの嵌合を示す部分図である。
【図18】図18は成形ロールとマンドレルとに挟圧さ
れて圧延加工されるワークの状況を示す側面図である。
【図19】図19は従来の輪体成形装置の圧延状況を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 ベッド 3 成形ロール 4 マンドレル 5 ワーク 16 アーム支持軸 16a アーム支持軸の中心 17 上流側アーム 18 下流側アーム 18a 下流側アームギヤ 44 下流側アームに噛み合うギヤ 46 上流側ガイドロール 48 下流側ガイドロール 80 コントローラー 83 偏差カウンター 84 現在位置カウンター

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークの加工進行中、ワークと工具を相
    対的に進退し、ワークの加工又は押圧を行う工具制御装
    置において、ワークの加工又は押圧の開始から終了まで
    に工具の位置制御をするための位置制御手段と工具のワ
    ークの加工又は押圧力を制御するための押圧制御手段と
    を兼ね備えたことを特徴とする工具制御装置。
JP10146874A 1998-05-28 1998-05-28 工具制御装置 Pending JPH11342440A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10146874A JPH11342440A (ja) 1998-05-28 1998-05-28 工具制御装置
US09/321,734 US6240761B1 (en) 1998-05-28 1999-05-28 Tool controlling apparatus
US09/795,081 US6434988B1 (en) 1998-05-28 2001-03-01 Tool controlling apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10146874A JPH11342440A (ja) 1998-05-28 1998-05-28 工具制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11342440A true JPH11342440A (ja) 1999-12-14

Family

ID=15417527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10146874A Pending JPH11342440A (ja) 1998-05-28 1998-05-28 工具制御装置

Country Status (2)

Country Link
US (2) US6240761B1 (ja)
JP (1) JPH11342440A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100873305B1 (ko) 2008-05-21 2008-12-09 벤다선광공업 주식회사 차량용 링 부품 제조장치 및 방법
JP5581429B1 (ja) * 2013-08-06 2014-08-27 株式会社山下鍛造所 リングローリングミル
JP2015199129A (ja) * 2014-04-08 2015-11-12 エスエムエス メア ゲーエムベーハー マルチローラーテーブル式リング圧延機、及びマルチローラーテーブル式リング圧延機を使用してリングを圧延する方法

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3624480B2 (ja) * 1995-08-30 2005-03-02 日本精工株式会社 輪体成形装置及び輪体成形方法
DE10013801A1 (de) * 2000-03-20 2001-10-18 Reinhardt Gmbh Maschbau Blechumformmaschine
JP4797323B2 (ja) * 2001-08-27 2011-10-19 三菱電機株式会社 同期電動機のセンサレス制御装置
GB2493541A (en) * 2011-08-10 2013-02-13 Markem Imaje Ltd Motor control system using position or torque as dominant control parameter
CN102554083B (zh) * 2012-01-17 2014-06-04 宁波雄狮机械制造有限公司 一种精密大型冷辗机的主滑块组件
US9333548B2 (en) 2013-08-12 2016-05-10 Victaulic Company Method and device for forming grooves in pipe elements
US10245631B2 (en) 2014-10-13 2019-04-02 Victaulic Company Roller set and pipe elements
JP6650110B2 (ja) * 2015-03-31 2020-02-19 日立金属株式会社 リングローリングミルおよびリング圧延材の製造方法
JP6490246B2 (ja) * 2016-01-13 2019-03-27 三菱電機株式会社 電気車制御装置

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4173134A (en) * 1978-02-24 1979-11-06 General Electric Company Apparatus and method for guiding a ring structure during the manufacture thereof
IT1143544B (it) * 1981-04-13 1986-10-22 Hs Hydraulic Systems Srl Laminatoio per anelli
SU1496886A1 (ru) * 1987-12-28 1989-07-30 Производственное объединение "Уралмаш" Способ управлени центрирующими роликами кольцепрокатного стана
SU1509163A1 (ru) * 1988-01-18 1989-09-23 Всесоюзный научно-исследовательский и проектно-конструкторский институт металлургического машиностроения им.А.И.Целикова Стан дл прокатки колец
US4869088A (en) * 1988-07-05 1989-09-26 Kazuo Kadotani Ring shaping apparatus
JPH0225235A (ja) * 1988-07-14 1990-01-26 Kobe Steel Ltd リング圧延方法
DE4014405A1 (de) * 1990-05-04 1991-11-07 Eckehart Schulze Verfahren zur steuerung der umlauf-bahnbewegungen der drueckrolle einer drueckmaschine und drueckmaschine zur durchfuehrung des verfahrens
US5450738A (en) * 1993-08-31 1995-09-19 Grinnell Corporation Method and apparatus for forming piping element connections having multiple outward steps
NL1000851C2 (nl) * 1995-07-20 1997-01-21 Massee Johan Werkwijze en inrichting voor het forceren van een metaalplaat.
JP3624480B2 (ja) * 1995-08-30 2005-03-02 日本精工株式会社 輪体成形装置及び輪体成形方法
GB2313334B (en) * 1996-05-24 1999-07-07 Formflo Ltd Rolling annular workpieces
NL1003403C2 (nl) * 1996-06-24 1998-01-07 Johan Massee Inrichting voor het bewerken van een werkstuk.

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100873305B1 (ko) 2008-05-21 2008-12-09 벤다선광공업 주식회사 차량용 링 부품 제조장치 및 방법
JP5581429B1 (ja) * 2013-08-06 2014-08-27 株式会社山下鍛造所 リングローリングミル
JP2015199129A (ja) * 2014-04-08 2015-11-12 エスエムエス メア ゲーエムベーハー マルチローラーテーブル式リング圧延機、及びマルチローラーテーブル式リング圧延機を使用してリングを圧延する方法

Also Published As

Publication number Publication date
US6434988B1 (en) 2002-08-20
US6240761B1 (en) 2001-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11342440A (ja) 工具制御装置
US6915673B2 (en) Method of rolling worm gear and the worm gear
CN104923909A (zh) 全电式伺服单头相位摩擦焊机
JP2002263780A (ja) フランジ状の製品もしくは円筒状の中間製品におけるフランジを製作するための方法並びに成形機及び工具
JP2005211969A (ja) スピニング加工装置
JP3624480B2 (ja) 輪体成形装置及び輪体成形方法
JP4410749B2 (ja) トグル式型締装置の型厚調整方法
JP2005297041A (ja) パイプ成形方法及びパイプ成形装置
JP6219106B2 (ja) 引き込みチャック
CN117047308A (zh) 一种重型激光切管机的管材切割方法
GB2098901A (en) Roll forming a workpiece
JP2008036676A (ja) 曲げ加工装置
JP2007111701A (ja) ウォーム転造装置およびウォーム転造方法
JP2010082634A (ja) ねじ転造方法およびその転造ねじ
US4793167A (en) Roller swaging machine
JP2006342971A (ja) ウォームギヤ
JP2005305512A (ja) ねじ装置の転造加工方法、ボールねじ装置およびローラねじ装置
JP4313258B2 (ja) 金型閉鎖位置の基準値設定方法
JP4313259B2 (ja) トグル式型締装置の型厚調整方法
JP5285236B2 (ja) パイプ曲げ装置
JP3750826B2 (ja) 摩擦圧接方法
JP2006315077A (ja) パイプ曲げ加工装置及びパイプ曲げ加工方法
JP2005161324A (ja) パイプ曲げ加工装置及びパイプ曲げ加工方法
JP2004174504A (ja) 転造加工装置
JP2001105073A (ja) 押込み転造装置