JP2010082634A - ねじ転造方法およびその転造ねじ - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工物に対して適正な転造パターンを見いだし、ロールダイスへの負荷を低減してロールダイスの寿命の延長をはかり、かつ転造加工のエネルギー消費を削減することにある。
【解決手段】被加工物28へのロールダイス7、8のねじ先部分での転造時に被加工物28に軟らかく接触した後にロールダイス押込装置17、18を高速度で押し込み、被加工物28へのロールダイス7、8のねじ山中間部分の転造時にロールダイス7、8の回転トルクを所定の最高値になるようにロールダイス押込装置17、18を駆動制御して、その後の被加工物28へのロールダイス7、8のねじ転造時に上記ロールダイス7、8の回転トルクを低下した所定の回転トルクで転造するものである。
【選択図】図1
【解決手段】被加工物28へのロールダイス7、8のねじ先部分での転造時に被加工物28に軟らかく接触した後にロールダイス押込装置17、18を高速度で押し込み、被加工物28へのロールダイス7、8のねじ山中間部分の転造時にロールダイス7、8の回転トルクを所定の最高値になるようにロールダイス押込装置17、18を駆動制御して、その後の被加工物28へのロールダイス7、8のねじ転造時に上記ロールダイス7、8の回転トルクを低下した所定の回転トルクで転造するものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、ねじ分野における、ねじ転造方法およびその転造ねじに関し、特にダイス寿命の延長や省エネルギーがはかれるねじ転造方法およびその転造ねじに関するものである。
従来、ねじの強度や生産性を高めるのに転造加工が利用され、左右一対のロールダイス面に棒状の被加工物の被加工面を挟着して、ロールダイスを所定の圧力で押込んでねじを転造することが行われている。
しかし、ロールダイスの回転駆動軸にAC誘導電動機を接続しているため、ねじ転造加工時の負荷変動に対するロールダイスの回転駆動軸の回転数の変化に適正に対応できなかった。そのため、被加工物の押込み加工時にロールダイスの回転数の減速、増速が繰り返され、ねじ転造の塑性加工量に変化が生じて真円度が狂いやすいものであった。
また、ロールダイス押込装置も一対の2本の油圧シリンダーを平行に配設して平行状に押込むように駆動しているが、ねじじ転造加工物への偏荷重が生じて金型が傾くものであり、また油圧シリンダーの平行制御の精度もよくないものであった。
そこで、先行特許調査した結果、特開平9−117825号公報、特開平11−267786号公報などが検索された。
上記特開平9−117825号公報は、歯車の転造装置のもので、ロールダイスに回転伝達する等速ジョイントの回転周期の向上に限界があり、トルクセンサーを設けてトルク検出をして周期性を高めて転造精度を向上することを提案している。
上記特開平9−117825号公報は、歯車の転造装置のもので、ロールダイスに回転伝達する等速ジョイントの回転周期の向上に限界があり、トルクセンサーを設けてトルク検出をして周期性を高めて転造精度を向上することを提案している。
また、特開平11−267786号公報は、転造ねじ成形装置のものであるが、素材の硬度、転造下径寸法等により前進位置が変化し、径寸法にバラツキが生じて精密なねじの転造加工ができなく、そのため可変式ストッパーを設けて主軸台への当接検知手段を備えて押圧手段の前進端位置を一定し、精度よく生産することを提案している。
しかし、ロールダイスのねじ転造加工物への負荷変動に対するロールダイスの回転数の変化に適正に対応できなく、またねじ転造加工物への偏荷重で金型が傾くのを解消できるものでない。
特開平9−117825号公報
特開平11−267786号公報
しかし、ロールダイスのねじ転造加工物への負荷変動に対するロールダイスの回転数の変化に適正に対応できなく、またねじ転造加工物への偏荷重で金型が傾くのを解消できるものでない。
そこで、出願人は、ロールダイスを回転駆動するダイス回転駆動軸に所定の回転速度で回転駆動制御自在にサーボモータを接続し、平行なロールダイス押込装置に同調制御の位置検出器を配設してロールダイスを高精度に速度制御、圧力制御のいずれか、またはこれらを組み合わせて同調制御を行って被加工物を転造することを特徴とするねじ転造装置を開発した。
しかし、上記のねじ転造装置を使用して研究、開発をしていくと、所要のねじを転造できるものの、ロールダイスの回転トルクが異常に高くなり、ロールダイスへの負荷が過大で、ロールダイスが早期に破損するものであった。また、そのため、エネルギー消費も無駄が発生していることが分かった。
本発明は、被加工物に対して適正な転造パターンを見い出し、ロールダイスへの負荷を低減してロールダイスの寿命の延長をはかり、かつ転造加工のエネルギー消費を削減することにある。
本発明は、被加工物に対して適正な転造パターンを見い出し、ロールダイスへの負荷を低減してロールダイスの寿命の延長をはかり、かつ転造加工のエネルギー消費を削減することにある。
本発明は、上記のような点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、棒状の被加工物を挟着してねじを転造する一対のロールダイスを回転駆動自在に配設するとともに、そのロールダイスを相対的に進退可能にロールダイス押込装置を配設してねじを転造するねじ転造方法であって、上記ロールダイスを回転駆動するダイス回転駆動軸にサーボモータを接続して所定の回転速度に回転駆動制御するとともに、ロールダイスの回転トルクを所定値となるようにロールダイス押込装置を駆動制御することを特徴とするねじ転造方法を提供するにある。
被加工物へのロールダイスのねじ先部分での転造時に被加工物に軟らかく接触した後にロールダイス押込装置を高速度で押し込み、被加工物へのロールダイスのねじ山中間部分の転造時にロールダイスの回転トルクを所定の最高値になるようにロールダイス押込装置を速度制御または/および押込力の駆動制御を行い、その後の被加工物へのロールダイスのねじ転造時に上記ロールダイスの回転トルクを低下した所定の回転トルクでロールダイス押込装置を速度制御または/および押込力の駆動制御を行って転造することを特徴とするねじ転造方法を提供するにある。
被加工物へのロールダイスのねじ先部分での転造時に被加工物に軟らかく接触した後に、ロールダイスの回転トルクを所要の最高値になるようにロールダイス押込装置を駆動制御して押し込み、その後の被加工物へのロールダイスのねじ転造時に上記ロールダイスの上記最高値の回転トルクの10〜40%低下した回転トルクで転造することを特徴とするねじ転造方法を提供するにある。
さらにまた、一対のロールダイス押込装置を平行に配設して位置検出器を介して同調制御して、ロールダイスを高精度に速度制御、押込圧力制御、トルク制御のいずれか、またはこれらを組み合わせて同調制御を行って被加工物を転造することを特徴とするねじ転造方法を提供するにある。
またさらに、棒状の被加工物を挟着してねじを転造する一対のロールダイスを回転駆動自在に配設するとともに、そのロールダイスを相対的に進退可能にロールダイス押込装置を配設してねじを転造する転造ねじであって、上記ロールダイスを回転駆動するダイス回転駆動軸にサーボモータを接続して一定の回転速度に回転駆動制御するとともに、ロールダイスの回転トルクを所定値となるようにロールダイス押込装置を駆動制御を行って転造したことを特徴とする転造ねじを提供するにある。
本発明は、棒状の被加工物を挟着してねじを転造する一対のロールダイスを回転駆動自在に配設するとともに、そのロールダイスを相対的に進退可能にロールダイス押込装置を配設してねじを転造するねじ転造装置であって、上記ロールダイスを回転駆動するダイス回転駆動軸にサーボモータを接続して所定の回転速度に回転駆動制御することによって、ロールダイスの回転数をその駆動軸をサーボモータで一定の回転数となるように駆動制御できて、被加工物の真円度のバラツキを改善できて、精度の向上をはかることができる。 また、ロールダイスの回転トルクを所定値となるようにロールダイス押込装置を駆動制御することによって、ロールダイスの回転トルクが異常に高くなるのを抑制してロールダイスへの負荷を所定の許容値内にして、ロールダイスの寿命を延長するようにでき、エネルギー消費の無駄も防止できて省エネルギーがはかれる。
また、被加工物へのロールダイスのねじ先部分での転造時に被加工物に軟らかく接触した後にロールダイス押込装置を高速度で押し込み、被加工物へのロールダイスのねじ山中間部分の転造時にロールダイスの回転トルクを所定の最高値になるようにロールダイス押込装置を速度制御または/および押込力の駆動制御を行い、その後の被加工物へのロールダイスのねじ転造時に上記ロールダイスの回転トルクを低下した所定の回転トルクでロールダイス押込装置を速度制御または/および押込力の駆動制御を行って転造することによって、ロールダイスを被加工物に軟らかく接触してロールダイスの耐久性を向上し、その後のロールダイスの回転トルクが異常に高くなるのを抑制し、ロールダイスの寿命を延長するようにでき、エネルギー消費の無駄も防止できて省エネルギーがはかれる。
また、被加工物へのロールダイスのねじ先部分での転造時に被加工物に軟らかく接触した後に、ロールダイスの回転トルクを所要の最高値になるようにロールダイス押込装置を駆動制御して押し込み、その後の被加工物へのロールダイスのねじ転造時に上記ロールダイスの上記最高値の回転トルクの10〜40%低下した回転トルクで転造することによって、上記したようにロールダイスの回転トルクが異常に高くなるのを抑制し、ロールダイスの寿命を延長するようにでき、エネルギー消費の無駄も防止できて省エネルギーがはかれる。
さらに、一対のロールダイス押込装置を平行に配設して位置検出器を介して同調制御して、ロールダイスを高精度に速度制御、押込圧力制御、トルク制御のいずれか、またはこれらを組み合わせて同調制御を行って被加工物を転造することによって、ロールダイスの金型の偏荷重による傾きを低減でき、ロールダイス押込装置を高精度に速度制御、圧力制御、トルク制御のいずれか、またはこれらを組み合わせて容易に制御できて、成形品を精度よく転造でき、品質を均一状にできる。
またさらに、棒状の被加工物を挟着してねじを転造する一対のロールダイスを回転駆動自在に配設するとともに、そのロールダイスを相対的に進退可能にロールダイス押込装置を配設してねじを転造する転造ねじであって、上記ロールダイスを回転駆動するダイス回転駆動軸にサーボモータを接続して一定の回転速度に回転駆動制御するとともに、ロールダイスの回転トルクを所定値となるようにロールダイス押込装置を駆動制御することによって、上記したように転造ねじを生産性よく製造することができる。
本発明のねじ転造方法およびその転造ねじは、棒状の被加工物を挟着してねじを転造する一対のロールダイスを回転駆動自在に配設するとともに、そのロールダイスを相対的に進退可能にロールダイス押込装置を配設してねじを転造するねじ転造装置であって、上記ロールダイスを回転駆動するダイス回転駆動軸にサーボモータを接続して所定の回転速度に回転駆動制御するとともに、ロールダイスの回転トルクを所定値となるようにロールダイス押込装置を駆動制御をして転造することを特徴としている。
ねじ転造装置1は、図1〜図3のように固定台2に左右の主軸台3、4を対向して装着していて、一方の図上左側の主軸台3を固定式とし、他方の図上右側の主軸台4を左側の主軸台3に進退可能に配設している。左右の主軸台3、4は、相対的に進退して転造できればよく、必要により両方とも進退可能に配設することもできる。
上記主軸台3、4には、図1〜図3のように対向部をコ字に形成して左右のダイス回転軸5、6の先端部を水平に両持状態に貫通して軸支し、その両持部間に所定のロールダイス7、8を対向して左右のダイス回転軸5、6に一体的に嵌装している。
また、上記ダイス回転軸5、6は、等速のユニバーサルジョイントの回転伝導軸9、10、減速歯車装置11、12、Vベルト等の回転伝達手段13を介してACサーボモータ14に接続し、ACサーボモータ14をエンコーダ15を介して図4のようにモータ回転数をフィードバックしてロールダイス7、8を所定の一定の回転数で回転駆動するようにしている。
また、上記した可動側の主軸台4は、図1〜図3のように主軸台4に直角に対向して水平ガイド16を水平に配設し、その前後の両側部に対称状に所要の押圧力の油圧シリンダーのロールダイス押込装置17、18を一対として配設し、この油圧シリンダーのロールダイス押込装置17、18に油圧配管19、20を配管接続してサーボポンプ21、22を接続している。23、24.、それらの圧力センサーである。サーボポンプ19、20を介して油圧制御すると、油圧油の発熱を回避でき、環境に優しく対応できて好ましい。
そして、上記した固定側、可動側の主軸台3、4のロールダイス支持部の前後間であるロールダイス7、8の左右の両側間に図1〜図3のようにリニアインダクトシン等の1/100mm検出精度の位置検出器25、26をそれぞれ水平状に配設し、可動側の主軸台4の進退の位置(特にロールダイス支持部の位置)をそれぞれ高精度で検出するようにし、油圧シリンダーのロールダイス押込装置17、18を高精度に同調駆動制御するとともに、ロールダイス回転トルクを所定値になるようにロールダイス押込装置17、18のサーボポンプ21、22を回転制御してねじ転造加工を行うようにしている。必要により、位置検出器25、26としてワイヤレスの超音波センサー等とすることもできる。
たとえば、上記した操作制御盤27の押込み速度制御としては、図5のように前後の位置検出器25、26からの現在位置の速度データをフィードバックし、それぞれの入力位置での速度データと比較して左右の油圧シリンダーのロールダイス押込装置17、18のサーボポンプ21、22を所定の回転速度に加減速して速度制御して高精度に同調駆動可能としている。
また、押込み荷重の圧力制御についても、図6のように左右の油圧シリンダーのロールダイス押込装置17、18の圧力センサー23、24からの現在圧力データをフィードバックし、それぞれの入力位置の圧力データと比較して左右の油圧シリンダーのロールダイス押込装置17、18のサーボポンプ21、22を所定の回転速度に加減速して圧力制御して高精度に同調駆動可能としている。
このように固定側、可動側の主軸台3、4の前後間にリニアインダクトシン等の位置検出器22、26を配設して油圧シリンダーのロールダイス押込装置17、18を同調制御するので、油圧シリンダーのロールダイス押込装置17、18の位置、速度、圧力の同調制御をはかれ、ロールダイス7、8間に所要の太径の被加工物28を両端支持等で軸支して、転造時にロールダイス7、8の加工による主軸台3、4の前後方向のロールダイス7、8の支持部の左右での偏荷重を低減できるとともに、必要により修正して防止できる。
そして、ACサーボモータ14にトルクセンサー29を配設したり、ダイス回転駆動軸5、6部にトルクセンサー(図示せず)を配設して、ロールダイス7、8の回転トルクを検出するようにし、ACサーボモータ14を一定の回転数に駆動制御して図7のようにロールダイス7、8の回転トルクを所定値となるように制御してロールダイス押込装置17、18にフィードバックし、サーボポンプ21、22の回転数を制御し、上記したように連続的に速度制御または/および押込力制御を行い、ロールダイス7、8の回転トルクを図8〜図10のように適正な転造パターンで加工するようにしている。
上記プログラム制御としては、たとえば、図8のように被加工物28へのロールダイス7、8のねじ先部分での転造時に被加工物28に軟らかく接触し、ロールダイス7、8の回転トルクを予め定めた最高値として一定時間押し込んでねじ山中間部分の転造を行い、その後の被加工物28のねじの根元側の谷底部のロールダイス7、8のねじ転造では上記ロールダイス7、8の回転トルクを10〜40%、好ましくは30〜40%低下した所定の回転トルクで転造するようにしたものである。
また、図9のように被加工物28へのロールダイス7、8のねじ先部分での転造時に被加工物28に軟らかく接触し、ロールダイス7、8の回転トルクを徐々に増加していってロールダイス7、8の回転トルクを予め定めた最高値として一定時間押し込んでねじ山中間部分の転造を行い、その後の被加工物28のねじの根元側の谷底部のロールダイス7、8のねじ転造では上記ロールダイス7、8の回転トルクを10〜40%、好ましくは30〜40%低下した所定の回転トルクで転造するようにしたものである。
また、図10のように被加工物28へのロールダイス7、8のねじ先部分での転造時に被加工物28に軟らかく接触し、ロールダイス7、8の回転トルクを徐々に増加していってロールダイス7、8の回転トルクを予め定めた最高値となると徐々に低下して所定量の押し込んでねじ山中間部分の転造を行い、その後の被加工物28のねじの根元側の谷底部のロールダイス7、8のねじ転造では上記ロールダイス7、8の回転トルクを10〜40%、好ましくは30〜40%低下した所定の回転トルクで転造するようにしたものである。
このようにしてロールダイス7、8の回転トルクが異常に高くなるのを抑制し、ロールダイス7、8への負荷を所定の許容値内にして、ロールダイス7、8の寿命を延長するようにでき、エネルギー消費の無駄も防止できて省エネルギーがはかれる。上記回転トルクの最高値は、後述の試作時に発生するピークトルクの20〜30%減とするのが実用的で、好ましい。
具体的には、被加工物28へのロールダイス7、8のねじ先部分での転造時に被加工物28に軟らかく接触し、ロールダイス5、6の回転トルクを後述の試作時に発生するピークトルクの20〜30%減の所要の最高値に上昇してロールダイス押込装置17、18を速度制御または/および圧力制御して押し込み、その後の被加工物28のねじ転造を上記ロールダイス7、8の上記最高値の回転トルクの10〜40%、好ましくは30〜40%低下した回転トルクに制御して転造するようにするのが好ましい。なお、図8〜図10から分かるようにロールダイス7、8の上記最高値の回転トルクの時間を長くする程、ねじ転造時間を短くできる。
なお、被加工物28の材料やロールダイス7、8の加工精度にもバラツキがあることから、ロールダイス7、8が被加工物28に当接する原点位置を0mmとして手動操作して設定したり、自動操作として当接する位置を圧力センサー23、24で急激に圧力が上昇するのを自動的に検出してその位置を原点位置として上記したようにしてねじ転造を生産性を向上することもでき、さらに転造終了点にストッパーを設置し、成形品の寸法のバラツキをなくし、品質の向上をはかるようにすることができる。
また、被加工物28としては、風力発電用や船用、原子力発電用のタービン軸やリーマボルト等の40〜300mmの太径のS45C、SCM435や、インコネル600、718等の難加工物の軸材に適用できる。
上記では、ダイス回転軸5、6を1台のACサーボモータ14で回転駆動するものを示したが、別々にサーボモータを接続してダイス回転軸5、6のトルクセンサーによる回転角制御を行ったりして等速の同期回転駆動制御でき、またロールダイス押込装置17、18としてボールねじ、角ねじによる回転軸サーボ駆動制御としたり、油圧弁による油圧制御とするなど、本発明の趣旨にもとづいて適宜に採択することが可能である。
図1以下は、本発明の実施例を示すものである。ねじ転造装置1は、1000kN用のもので、図1〜図3のように固定台2に左右の主軸台3、4を対向して装着し、一方の左側の主軸台3を固定し、他方の右側の主軸台4を左側の主軸台3に進退可能に配設し、主軸台3、4にはロールダイス支持部をコ字状に形成して左右のダイス回転軸5、6の先端部を水平に両持状態に貫通して軸支してロールダイス7、8を一体的に嵌装して配設している。また、ダイス回転軸5、6は、等速のユニバーサルジョイントの回転伝導軸9、10、減速歯車装置11、12、Vベルト等の回転伝達手段13を介してトルクセンサー29を設けたACサーボモータ14に接続し、エンコーダ15を介してフィードバック制御してロールダイス7、8を18r.p.mの一定の回転数で回転駆動するようにしている。
また、図1〜図3のように主軸台4に直角に対向した水平ガイド16の前後の両側部に対称状に500kNの押圧力の油圧シリンダーのロールダイス押込装置17、18を平行に配設し、この油圧シリンダーのロールダイス押込装置17、18をサーボポンプ21、22で回転制御して主軸台3、4の前後間に水平状に配設した1/100mm検出精度のリニアインダクトシンの位置検出器25、26を介して転造ストローク間を上記した図7のようにACサーボモータ14を一定の回転数に駆動制御し、ロールダイス7、8の回転トルクを所定のトルクとなるようにロールダイス押込装置17、18を高精度に同調駆動制御しながら連続的に速度制御または/および押込圧力制御して転造加工を行うようにしている。
ダイス回転用のサーボモータ14としては、トルク150Nm、1800r.p.m、減速比率1/100、油圧シリンダー17、18の各押圧力500kN、前進ストローク20mm、トルクセンサー29は位相差制御方式とし、1000Nmのトルク検出可能なものとしている。そして、数条としたロールダイス7、8をSKD11とし、転造ねじ材の被加工物28をSCM435、M56、ねじ長さ100mm、ピッチ5.5として、潤滑油を硫黄系の金属加工油を使用し、被加工物24をロールダイス7、8間に軸支して、転造ストロークの押込み開始の原点位置を手動で設定して転造した。
いろいろな条件で試作して検討した結果、図8〜図10のようなパターンにもとづいてロールダイス7、8の回転トルクを制御し、被加工物28へのロールダイス5、6のねじ先部分での転造時に被加工物28に軟らかく接触した後にロールダイス押込装置17、18を0.5〜2.0mm/秒で押し込み、被加工物28へのロールダイス7、8のねじ山中間部分での転造時にロールダイス7、8の回転トルクを所要の75Nmの最高値に上昇してロールダイス押込装置17、18を0.25〜1.0mm/秒の速度で押し込み、その後の被加工物28へのロールダイス7、8のねじ転造時に上記ロールダイス7、8の上記最高値の回転トルクの30〜40%低下した50〜60Nmの回転トルクで転造した。その際、図11のようなトルク曲線が得られ、ロールダイス7、8の回転トルクが異常に高くなるのを抑制してロールダイス7、8への負荷を所定の許容値内にして、ロールダイス7、8の寿命を延長するようにでき、エネルギー消費の無駄も防止できて省エネルギーがはかれるものとなり、好ましものであった。
なお、ダイス回転トルクの制御をせずに、被加工物28への押し込み量、すわなち変位をほぼ0.5mm毎に押し込み速度を0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.9、1.8・・・mm/秒として設定して試作した。その結果、図12のようなトルク曲線で、前半で加工時間がかかり、ピークトルクが過大となってねじ底成形後にさらにトルクが上昇してエネルギーを無駄に消費し、ロールダイス7、8に亀裂が生じた。
また、ダイス回転トルクの制御をせずに、変位をほぼ1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.3、3.6・・・mm毎に押し込み速度の前半の速度を高めて、後半の速度を遅くして試作した結果、図13のようなトルク曲線となり、前半での加工では時間が短縮できたが、ピークトルクが過大となって、ロールダイス7、8に亀裂が生じた。
なお、ロールダイス7、8の主軸台3、4の傾き量は、1/100mm以内に抑えられて、所要の品質のよい形状のねじが転造でき、またこれらの表面粗度RAは2〜3.2μm以下で、従来製品よりも良好で、繰り返し耐久試験も良好であった。
1…ねじ転造装置 2…固定台 3、4…主軸台 5、6…ダイス回転軸 7、8…ロールダイス 14…サーボモータ 17、18…ロールダイス押込装置21、22…サーボポンプ 23、24…圧力センサー 25、26…位置検出器
29…トルクセンサー
29…トルクセンサー
Claims (5)
- 棒状の被加工物を挟着してねじを転造する一対のロールダイスを回転駆動自在に配設するとともに、そのロールダイスを相対的に進退可能にロールダイス押込装置を配設してねじを転造するねじ転造方法であって、
上記ロールダイスを回転駆動するダイス回転駆動軸にサーボモータを接続して所定の回転速度に回転駆動制御するとともに、ロールダイスの回転トルクを所定値となるようにロールダイス押込装置を駆動制御することを特徴とするねじ転造方法。 - 被加工物へのロールダイスのねじ先部分での転造時に被加工物に軟らかく接触した後にロールダイス押込装置を高速度で押し込み、
被加工物へのロールダイスのねじ山中間部分の転造時にロールダイスの回転トルクを所定の最高値になるようにロールダイス押込装置を速度制御または/および押込力の駆動制御を行い、
その後の被加工物へのロールダイスのねじ転造時に上記ロールダイスの回転トルクを低下した所定の回転トルクでロールダイス押込装置を速度制御または/および押込力の駆動制御を行って転造する請求項1に記載のねじ転造方法。 - 被加工物へのロールダイスのねじ先部分での転造時に被加工物に軟らかく接触した後に、ロールダイスの回転トルクを所要の最高値になるようにロールダイス押込装置を駆動制御して押し込み、
その後の被加工物へのロールダイスのねじ転造時に上記ロールダイスの上記最高値の回転トルクの10〜40%低下した回転トルクで転造する請求項1または2に記載のねじ転造方法。 - 一対のロールダイス押込装置を平行に配設して位置検出器を介して同調制御して、ロールダイスを高精度に速度制御、押込圧力制御、トルク制御のいずれか、またはこれらを組み合わせて同調制御を行って被加工物を転造する請求項1ないし3のいずれかに記載のねじ転造方法。
- 棒状の被加工物を挟着してねじを転造する一対のロールダイスを回転駆動自在に配設するとともに、そのロールダイスを相対的に進退可能にロールダイス押込装置を配設してねじを転造する転造ねじであって、
上記ロールダイスを回転駆動するダイス回転駆動軸にサーボモータを接続して一定の回転速度に回転駆動制御するとともに、ロールダイスの回転トルクを所定値となるようにロールダイス押込装置を駆動制御して転造したことを特徴とする転造ねじ。
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JP2008251976A JP2010082634A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | ねじ転造方法およびその転造ねじ |
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Publications (1)
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