JPH1134089A - 部分的ソフト感のある積層体の製造方法 - Google Patents

部分的ソフト感のある積層体の製造方法

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JPH1134089A
JPH1134089A JP9196189A JP19618997A JPH1134089A JP H1134089 A JPH1134089 A JP H1134089A JP 9196189 A JP9196189 A JP 9196189A JP 19618997 A JP19618997 A JP 19618997A JP H1134089 A JPH1134089 A JP H1134089A
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JP9196189A
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Katsunori Ishidoya
勝則 石戸谷
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Araco Co Ltd
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Araco Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部分的ソフト感のある積層体において、発泡
層を設けた部分とそれ以外の部分との境界部となる表皮
の表面に生じる波打ちを防止する。 【解決手段】 上型20を離隔させた状態で下型10上
に載せた基材15の表面の一部を未発泡の発泡剤を含み
発泡層41を形成する中間溶融樹脂層41mにより覆
い、表皮40,42を形成する所定厚の表皮溶融樹脂層
40m,42mによりこの中間溶融樹脂層及び基材の残
りの部分を覆う。表皮を成形する成形面21を有する上
型を下型に接近させ、中間溶融樹脂層の範囲となる成形
面と表皮溶融樹脂層の表面との間に多少の隙間をあけた
型締め状態で停止させ、中間溶融樹脂層を発泡させて表
皮溶融樹脂層及び中間溶融樹脂層を基材の表面と上型の
成形面の間に充填させた後、各溶融樹脂層を冷却して硬
化させる。表皮溶融樹脂層は、中間溶融樹脂層を覆う部
分とそれ以外の部分に分割するのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のドアトリ
ム、車両の内装材、家屋の内装材、家具の外装材等に使
用される積層体、特に表面に部分的なソフト感のある積
層体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】このような積層体を製造するには、従来
は例えば図14に示すように、予め成形された多孔性の
木質系基材2と、柔軟な合成樹脂を予め薄いシート状に
成形した表皮3aの裏面の一部に柔軟なシート状のパッ
ド3bを接着した表皮材3を用いていた。先ず表面に接
着剤を吹き付けて一旦乾燥させた基材2を真空成形型1
上にセットした後、周囲を保持枠4により保持した表皮
材3を遠赤外線ヒータ等により加熱し軟化させ下降させ
て基材2及び真空成形型1の上側外周部に当接し、真空
成形型1に設けた吸引管路(図示省略)に真空源からの
負圧を与え、多孔性の基材2を通して表皮材3を吸引し
て基材2の表面に接着していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような方法で表皮
材3を基材2の表面に接着したものは、図15の部分拡
大断面図に示すように、表皮3aは、基材2に直接接着
される部分とパッド3bを介して接着される部分の境界
部では、基材2から浮き上がって薄い表皮3aだけとな
る。このためこの境界部となるパッド3bの縁部に沿っ
て表皮3aに波打ちを生じ、外観が見苦しくなるという
問題がある。
【0004】本発明はこのような外観低下の問題を解決
し、また表皮を2色に色分けして更に外観を向上させる
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による部分的ソフ
ト感のある積層体の製造方法は、重ね合わせた発泡層と
表皮により予め成形された基材を覆って表面にソフト感
のある積層体を製造する方法に関するものであり、下型
と上型を互いに接近離隔可能とし、この両型を離隔させ
た状態で下型上に載せた基材の表面の一部を未発泡の発
泡剤を含み発泡層を形成する所定厚の中間溶融樹脂層に
より覆うと共に表皮を形成する所定厚の表皮溶融樹脂層
によりこの中間溶融樹脂層及び基材の残りの部分を覆
い、表皮を成形する成形面を下面に形成した上型を下型
に接近させ中間溶融樹脂層に対応する範囲における成形
面と表皮溶融樹脂層の表面との間に多少の隙間をあけた
型締め状態で停止させ、中間溶融樹脂層を発泡させて表
皮溶融樹脂層及び中間溶融樹脂層を基材の表面と上型の
成形面の間に充填させ、しかる後に各溶融樹脂層を冷却
して硬化させることを特徴とするものである。
【0006】中間溶融樹脂層と表皮溶融樹脂層は、単一
の供給ダイスから同時にシート状に押し出されて重ね合
わされ基材上に供給されてこれを覆うようにしてもよ
い。
【0007】表皮溶融樹脂層は、中間溶融樹脂層により
覆われる部分以外となる基材の表面を直接覆う第1表皮
溶融樹脂層と、中間溶融樹脂層のほゞ全面及びこれに連
なる第1表皮溶融樹脂層の縁部の表面を覆う第2表皮溶
融樹脂層とよりなるものとし、この第1及び第2表皮溶
融樹脂層は互いに異なる色とすることが好ましい。
【0008】第1表皮溶融樹脂層が供給ダイスからシー
ト状に押し出されて基材の表面を先ず覆い、次いで中間
溶融樹脂層と第2表皮溶融樹脂層が単一の供給ダイスか
ら同時にシート状に押し出されて重ね合わされ基材上に
供給されて中間溶融樹脂層は基材の表面を直接覆うと共
に第2表皮溶融樹脂層はこの中間溶融樹脂層のほゞ全面
及び第1表皮溶融樹脂層の縁部の表面を覆うようにして
もよい。
【0009】第1表皮溶融樹脂層と中間溶融樹脂層と第
2表皮溶融樹脂層は、単一の供給ダイスから同時にシー
ト状に押し出されて重ね合わされ基材上に供給されてこ
れを覆うようにしてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】図1〜図9に示す第1の実施の形
態は、本発明による部分的ソフト感のある積層体の製造
方法を自動車のドアトリムの製造に適用した例を示す。
第1の実施の形態により製造されるドアトリムは、図4
に示すように、予め成形された剛性のある基材15の表
面を第1表皮40、発泡層41及び第2表皮42により
覆ったものである。基材15は通気性のある多孔性のも
ので、木材を細かく砕いた繊維に結着剤として7パーセ
ント程度のフェノール樹脂を混入して凹凸のあるほゞ一
定厚の板状にホットプレス成形したものである。基材1
5の下部(図において右側部)は緻密な合成樹脂よりな
る第1表皮40により覆われ、上過半部は基材15側と
なる合成樹脂の発泡層41と表面側となる第2表皮42
を一体的に重ね合わせたものにより覆われている。第2
表皮42は第1表皮40と同材質であるが、色は異なる
ものである。
【0011】この実施の形態に使用する製造装置は、図
1〜図6に示すように、下部の固定側型支持部材(図示
省略)に取り付けられる下型(基材側成形型)10と、
上部の可動側型支持部材(図示省略)に取り付けられる
上型(表皮側成形型)20と、各表皮40,42及び発
泡層41となる各溶融樹脂層40m,42m,41mを
供給する供給ダイス(樹脂供給装置)30を備えてい
る。
【0012】図1〜図6に示すように、下型10の上面
には、前述のように予め成形された基材15の裏面を支
持する支持面11が形成され、その外周に沿っては平面
輪郭形状がドアトリムの輪郭形状と一致する外向段部1
2が形成されている。可動形型支持部材に支持された上
型20は下型10に対し上方から接近離隔可能であり、
図1及び図2は上型20が上方に離隔された状態を示
し、図3及び図4は両型10,20が最接近された型締
め状態を示している。上型20の下面には、基材15を
覆う表皮40,42の表面を成形するための成形面21
が形成されている。この成形面21の外周に沿って上型
20に形成された内向段部22は、図3及び図4に示す
型締め状態では、僅かの隙間をおいて下型10の外向段
部12と嵌合可能である。
【0013】主として図3及び図4に示すように、両型
10,20の型締め状態では、下型10の支持面11に
支持された基材15の表面と上型20の成形面21の間
の隙間は、ドアトリムの上過半部に相当する範囲では中
間溶融樹脂層41mと第2表皮溶融樹脂層42mの厚さ
の和よりも大きく、下部に相当する範囲では第1表皮溶
融樹脂層40mの厚さとほゞ同一である。
【0014】この製造装置は、図5及び図6に示すよう
に、上型20が上方に離隔された状態において基材15
を支持した下型10の上方に張り出して移動する供給ダ
イス30及びこれに第1表皮溶融樹脂層40m、中間溶
融樹脂層41m及び第2表皮溶融樹脂層42mを供給す
る3本の供給管36a,36b,36cを備えている。
各溶融樹脂層40m,41m,42mの材料は、何れも
ポリオレフィン系の合成樹脂(例えばポリプロピレン)
であり、発泡層41となる中間溶融樹脂層41mの材料
には発泡剤(例えばアゾジカルボンアミド系のもの)が
混練されている。
【0015】図7〜図9に示すように、供給ダイス30
の本体31は細長いブロック状で、その内部には各溶融
樹脂層40m,41m,42mに対応する第1〜第3の
供給通路32,33,34が形成されている。各供給通
路32,33,34はほゞ同一形状であるので、第2供
給通路33の形状を図8及び図9により説明をする。中
間溶融樹脂層41mの材料を供給する第2供給管36b
が連結される供給路33aの先端部は、末広がり形状で
先端縁部にキャビティ33cが形成されたマニホールド
33bの根本部に開口されている。キャビティ33cか
ら本体31の先端に向かうスリット状の押出し通路33
dの幅は最初は広がるが本体31の先端面に開口する付
近では一定幅となり、その一側はディッケル33eによ
り部分的に塞がれ、残る部分が本体31の先端面に開口
するスリット状の押出し口33fを形成している。中間
溶融樹脂層41mは、この押出し口33fから所定厚の
シート状となって押し出し供給される。第2表皮溶融樹
脂層42mを所定厚のシート状として押し出し供給する
第3供給通路34は、第2供給通路33とほゞ同一形状
であるが、押出し口34fの長さは多少大である(図7
参照)。第1表皮溶融樹脂層40mを所定厚のシート状
として押し出し供給する第1供給通路32は、ディッケ
ル32eが反対側に設けられている(図7参照)点を除
き、第2供給通路33とほゞ同一形状である。
【0016】次にこの第1の実施の形態による製造方法
の説明をする。先ず上型20を上方に離隔させた状態に
おいて、常温(例えば20℃)とした下型10の支持面
11上に、予め成形された基材15(厚さは例えば2.
5mm)を載置する。続く第1の溶融樹脂供給工程におい
ては、図1及び図5に示すように、樹脂を計量して押し
出す押出機から供給管36aを介して供給ダイス30の
第1供給通路32に供給された第1表皮溶融樹脂層40
mの材料(温度は110〜210℃)は、塑性に富んだ
所定厚のシート状の第1表皮溶融樹脂層40mとなって
細長いスリット状の押出し口32fから押し出され(厚
さは例えば0.5〜1.5mm)、供給ダイス30のX方
向移動により基材15の下部上に供給される。
【0017】続く第2の溶融樹脂供給工程においては、
図2及び図6に示すように、樹脂を計量して押し出す押
出機から供給管36b,36cを介して供給ダイス30
に供給された中間溶融樹脂層41m及び第2表皮溶融樹
脂層42mの材料は、塑性に富んだ所定厚のシート状の
中間溶融樹脂層41m及び第2表皮溶融樹脂層42mと
なって細長いスリット状の押出し口33f及び押出し口
34fから押し出され(厚さは例えば0.5〜1.5m
m)、供給ダイス30のX方向移動により重ね合わされ
て基材15の上過半部上に供給される。中間溶融樹脂層
41mは第1表皮溶融樹脂層40mと実質的に隙間なく
接して供給され、一方前述のように、押出し口34fは
押出し口33fよりも長さが大きいので、第2表皮溶融
樹脂層42mは中間溶融樹脂層41mよりも多少突出し
て第1表皮溶融樹脂層40mの縁と重なるように供給さ
れる。
【0018】続く型締め工程では、上型20を下型10
に向けて下降させ、図3に示す型締め状態に達すれば上
型20の下降を停止させる。この型締め状態において、
下型10に支持された基材15の表面と上型20の成形
面21の間の間隔は、ドアトリムの下部となる部分では
第1表皮溶融樹脂層40mの厚さとほゞ同一(例えば
0.5〜1.5mm)であり、上過半部となる部分では中
間溶融樹脂層41mと第2表皮溶融樹脂層42mの厚さ
の和よりも大(例えば1.5〜4.5mm)である。従っ
てドアトリムの下部となる部分では第1表皮溶融樹脂層
40mと成形面21の間に隙間はないが、上過半部とな
る部分では第2表皮溶融樹脂層42mと成形面21の間
には多少の隙間が残されている。この型締め工程の途中
で、下型10の外向段部12から外側にはみ出した各溶
融樹脂層40m,41m,42mの不要部分は、互いに
嵌合する両段部12,22の剪断作用により切除され
る。なお各溶融樹脂層40m,41m,42mの不要部
分の切除に使用する外向及び内向段部12,22は、下
型10側を内向段部とし、上型20側を外向段部として
もよい。あるいはこのような互いに嵌合する段部による
剪断の代わりに、上型20の成形面21の外側に沿って
下向きに設けた押切り刃を下型10外周の平面部に押し
当てて行うようにしてもよい。
【0019】型締め工程に続く発泡工程では、上型20
および/または下型10に設けたヒータ(図示省略)に
より上型20の成形面21および/または下型10の支
持面11は急激に加熱され(例えば150℃)、これに
より基材15上過半部の中間溶融樹脂層41mも加熱さ
れて発泡を開始し、ヒータへの通電は所定時間後に停止
される。この発泡圧と型締め圧により各溶融樹脂層40
m,41m,42mは、図3に示すように、基材15の
表面と上型20の成形面21の間に隙間なく充填され、
両表皮溶融樹脂層40m,42mの表面は上型20の成
形面21に押圧される。成形面21にしぼ模様を設けて
おけば、この際にしぼ模様は両表皮溶融樹脂層40m,
42mの表面に転写される。
【0020】ヒータへの通電を停止すれば、上型20お
よび/または下型10内部への熱伝達により成形面21
の温度は常温近くまで急激に低下する。これにより各溶
融樹脂層40m,41m,42mが硬化して表皮40,
42及び発泡層41となったところで、上型20を上昇
させてドアトリムを取り出す。これにより得られたドア
トリムは、基材15の下部は第1表皮40により覆われ
ているだけであるが、上過半部は重ね合わされた発泡層
41及び第2表皮42により覆われているので、上過半
部に部分的にソフト感のあるものが得られる。この発泡
層41は表皮40,42を形成する表皮溶融樹脂層が冷
却して硬化する前に中間溶融樹脂層41mの発泡により
形成され、基材15と表皮40,42の間に隙間なく充
填されるので、発泡層41の縁部に沿って第1表皮40
あるいは第2表皮42が基材15から浮き上がることは
なく、従ってこの境界部に沿った表皮40,42の表面
に波打ちが生じて外観が見苦しくなることはない。
【0021】またこの第1の実施の形態では、ドアトリ
ムの表面の下部となる第1表皮40と上過半部となる第
2表皮42の色が互いに異なるいわゆる2トーンカラー
になるので、外観がよいものとなる。また第1表皮溶融
樹脂層40m、中間溶融樹脂層41m及び第2表皮溶融
樹脂層42mの3つの溶融樹脂層を2工程で供給してい
るので、供給する溶融樹脂層の数の割にはサイクルタイ
ムを減少させて製造コストを低下させることができる。
なお上述した第1の実施の形態では、第1及び第2の樹
脂供給工程で同一の供給ダイス30を使用しているが、
別個の供給ダイスを使用してこの両樹脂供給工程を行う
ようにしてもよい。
【0022】なお発泡剤を混連した中間溶融樹脂層41
mにより積層体であるドアトリムを覆う範囲、すなわち
成形後にソフト感が与えられる範囲を変えるには、供給
ダイス30の移動方向と直角方向では第2供給通路33
のディッケル33eにより押出し口33fの長さ及び位
置を調整すればよく、また供給ダイス30の移動方向で
は中間溶融樹脂層41mの供給開始及び/または停止の
タイミングを調整すればよい。
【0023】次に第2の実施の形態を図10により説明
する。この実施の形態では、下型10、上型20及び供
給ダイス30よりなる成形装置は第1の実施の形態と同
じであり、作用が異なるのみである。
【0024】すなわち、この第2の実施の形態では、図
10に示すように、上型20を上方に離隔させた状態に
おいて、下型10の支持面11上に基材15が載置さ
れ、樹脂を計量して押し出す押出機から供給管36a,
36b,36cを介して供給ダイス30に供給された第
1表皮溶融樹脂層40m,中間溶融樹脂層41m及び第
2表皮溶融樹脂層42mの材料は、塑性に富んだ所定厚
のシート状の中間溶融樹脂層41m、中間溶融樹脂層4
1m及び第2表皮溶融樹脂層42mとなって細長いスリ
ット状の押出し口33f及び押出し口34fから押し出
され、供給ダイス30のX方向移動により重ね合わされ
て基材15の上に供給される。これにより基材15上に
は、第1の実施の形態における第2の溶融樹脂供給工程
の終了後と同じ状態となるように、各溶融樹脂層40
m,41m,42mが供給される。引き続き行われる型
締め工程、発泡工程及び冷却工程は第1の実施の形態と
同じである。
【0025】この第2の実施の形態では、第1の実施例
で達成される全ての効果に加えて、3つの溶融樹脂層4
0m,41m,42mを1工程で供給するので、サイク
ルタイムを更に減少させて製造コストを一層低下させる
ことができる。
【0026】次に第3の実施の形態を図11〜図13に
より説明する。この実施の形態では、下型10及び上型
20は第1の実施の形態と同じであるが、供給ダイス3
8は第1の実施の形態のものと異なり中間溶融樹脂層4
1mと表皮溶融樹脂層45mを供給する2つの供給通路
だけを備えたものを使用している。中間溶融樹脂層41
mは第1の実施の形態と同じであるが、表皮溶融樹脂層
45mは第1の実施の形態における第1及び第2の表皮
溶融樹脂層40m,42mの幅の和とほゞ等しい幅を備
えている。
【0027】この第3の実施の形態では、図11及び図
12に示すように、上型20を上方に離隔させた状態に
おいて、下型10の支持面11上に基材15が載置さ
れ、樹脂を計量して押し出す押出機から供給管39a,
39bを介して供給ダイス39に供給された中間溶融樹
脂層41m及び表皮溶融樹脂層45mの材料は、塑性に
富んだ所定厚のシート状の中間溶融樹脂層41m及び表
皮溶融樹脂層45mとなって細長いスリット状の押出し
口から押し出され、供給ダイス38のX方向移動により
重ね合わされて基材15の上に供給される。中間溶融樹
脂層41mは第1の実施の形態と同様基材15の上過半
部を覆うように供給され、この中間溶融樹脂層41mと
基材15の下部を覆うように1枚の表皮溶融樹脂層45
mが供給される。引き続き行われる型締め工程、発泡工
程及び冷却工程は第1の実施の形態と実質的に同じであ
る。図13は発泡完了状態における断面図である。
【0028】この第3の実施の形態では、ドアトリムの
表皮となる表皮溶融樹脂層45mは連続した1枚のもの
であるので、ドアトリムの上過半部と下部とで色を変え
ることはできないが、それ以外の効果はすべて得ること
ができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、中間溶融樹脂層により
基材を覆った範囲ではこれが発泡して表皮との間に発泡
層が形成され、それ以外の部分では基材は表皮により直
接覆われるので、積層体の表面は部分的にソフト感のあ
るものとなる。この発泡層は表皮を形成する表皮溶融樹
脂層が冷却して硬化する前に中間溶融樹脂層の発泡によ
り形成され、基材と表皮の間に隙間なく充填されるの
で、発泡層の縁部に沿って表皮が基材から浮き上がるこ
とはなく、従ってこの境界部に沿った表皮の表面に波打
ちが生じて外観が見苦しくなることはない。
【0030】中間溶融樹脂層と表皮溶融樹脂層を単一の
供給ダイスから同時に押し出して重ね合わせ基材上に供
給してこれを覆うようにしたものによれば、2つの溶融
樹脂層を1工程で供給するので、前項で述べた効果に加
え、サイクルタイムを減少させて製造コストを低下させ
ることができる。
【0031】表皮溶融樹脂層を、基材の表面を直接覆う
第1表皮溶融樹脂層と、中間溶融樹脂層のほゞ全面及び
第1表皮溶融樹脂層の縁部の表面を覆う第2表皮溶融樹
脂層とよりなりなるものとし、この第1及び第2表皮溶
融樹脂層を互いに異なる色としたものによれば、第1項
で述べた効果に加えて、表皮が2色に色分けされるので
更に外観を向上させることができる。
【0032】第1表皮溶融樹脂層が先ず基材の表面を覆
い、次いで中間溶融樹脂層と第2表皮溶融樹脂層が単一
の供給ダイスから同時に押し出されて重ね合わされ基材
上に供給されて中間溶融樹脂層が基材の表面を直接覆う
と共に第2表皮溶融樹脂層がこの中間溶融樹脂層のほゞ
全面と第1表皮溶融樹脂層の縁部の表面を覆うようにし
たものによれば、3つの溶融樹脂層を2工程で供給する
ので、前項で述べた効果に加え、サイクルタイムを減少
させて製造コストを低下させることができる。
【0033】また第1表皮溶融樹脂層と中間溶融樹脂層
と第2表皮溶融樹脂層が単一の供給ダイスから同時に押
し出されて重ね合わされ基材上に供給されてこれを覆う
ようにしたものによれば、3つの溶融樹脂層を1工程で
供給するので、前項及び前前項で述べた効果に加え、サ
イクルタイムを更に減少させて製造コストを一層低下さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による部分的ソフト感のある積層体の
製造方法の第1の実施形態における、第1の溶融樹脂供
給工程を示す断面図である。
【図2】 第1の実施形態における、第2の溶融樹脂供
給工程を示す断面図である。
【図3】 第1の実施形態における型締め状態を示す断
面図である。
【図4】 第1の実施形態における発泡完了状態を示す
断面図である。
【図5】 第1の実施形態における図1と同じ第1の溶
融樹脂供給工程を示す一部破断した斜視図である。
【図6】 第1の実施形態における図2と同じ第2の溶
融樹脂供給工程を示す一部破断した斜視図である。
【図7】 第1の実施の形態に使用する供給ダイスの下
面図である。
【図8】 図7の8−8断面図である。
【図9】 図7の9−9断面図である。
【図10】 本発明による部分的ソフト感のある積層体
の製造方法の第2の実施形態における、溶融樹脂供給工
程を示す一部破断した斜視図である。
【図11】 本発明による部分的ソフト感のある積層体
の製造方法の第3の実施形態における、溶融樹脂供給工
程を示す断面図である。
【図12】 第3の実施形態における図11と同じ溶融
樹脂供給工程を示す一部破断した斜視図である。
【図13】 第3の実施形態における発泡完了状態を示
す断面図である。
【図14】 従来技術による部分的ソフト感のある積層
体の製造方法の一例を示す断面図である。
【図15】 図14に示す従来技術により製造された部
分的ソフト感のある積層体の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
10…下型、15…基材、20…上型、21…成形面、
30,38…供給ダイス、40,42,45…表皮、4
0m,42m,45m…表皮溶融樹脂層、41…発泡
層、41m…中間溶融樹脂層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 31:58

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重ね合わせた発泡層と表皮により予め成
    形された基材を覆って表面にソフト感のある積層体を製
    造する方法において、下型と上型を互いに接近離隔可能
    とし、この両型を離隔させた状態で下型上に載せた前記
    基材の表面の一部を未発泡の発泡剤を含み前記発泡層を
    形成する所定厚の中間溶融樹脂層により覆うと共に前記
    表皮を形成する所定厚の表皮溶融樹脂層によりこの中間
    溶融樹脂層及び前記基材の残りの部分を覆い、前記表皮
    を成形する成形面を下面に形成した上型を前記下型に接
    近させ前記中間溶融樹脂層に対応する範囲における前記
    成形面と前記表皮溶融樹脂層の表面との間に多少の隙間
    をあけた型締め状態で停止させ、前記中間溶融樹脂層を
    発泡させて前記表皮溶融樹脂層及び中間溶融樹脂層を前
    記基材の表面と前記上型の成形面の間に充填させ、しか
    る後に前記各溶融樹脂層を冷却して硬化させることを特
    徴とする部分的ソフト感のある積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記中間溶融樹脂層と表皮溶融樹脂層
    は、単一の供給ダイスから同時にシート状に押し出され
    て重ね合わされ前記基材上に供給されてこれを覆うこと
    を特徴とする請求項1に記載の部分的ソフト感のある積
    層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記表皮溶融樹脂層は、前記中間溶融樹
    脂層により覆われる部分以外となる前記基材の表面を直
    接覆う第1表皮溶融樹脂層と、前記中間溶融樹脂層のほ
    ゞ全面及びこれに連なる前記第1表皮溶融樹脂層の縁部
    の表面を覆う第2表皮溶融樹脂層とよりなり、この第1
    及び第2表皮溶融樹脂層は互いに異なる色である請求項
    1に記載の部分的ソフト感のある積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1表皮溶融樹脂層が供給ダイスか
    らシート状に押し出されて前記基材の表面を先ず覆い、
    次いで前記中間溶融樹脂層と第2表皮溶融樹脂層が単一
    の供給ダイスから同時にシート状に押し出されて重ね合
    わされ前記基材上に供給されて前記中間溶融樹脂層は基
    材の表面を直接覆うと共に前記第2表皮溶融樹脂層はこ
    の中間溶融樹脂層のほゞ全面及び前記第1表皮溶融樹脂
    層の縁部の表面を覆うことを特徴とする請求項3に記載
    の部分的ソフト感のある積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1表皮溶融樹脂層と中間溶融樹脂
    層と第2表皮溶融樹脂層は、単一の供給ダイスから同時
    にシート状に押し出されて重ね合わされ前記基材上に供
    給されてこれを覆うことを特徴とする請求項3に記載の
    部分的ソフト感のある積層体の製造方法。
JP9196189A 1997-07-22 1997-07-22 部分的ソフト感のある積層体の製造方法 Pending JPH1134089A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7295959B2 (en) 2002-07-10 2007-11-13 Mazda Motor Corporation Program, method, apparatus, and system for supporting planning of vehicle

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