JPH1134092A - 合成樹脂製品の成形方法 - Google Patents

合成樹脂製品の成形方法

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JPH1134092A
JPH1134092A JP9198999A JP19899997A JPH1134092A JP H1134092 A JPH1134092 A JP H1134092A JP 9198999 A JP9198999 A JP 9198999A JP 19899997 A JP19899997 A JP 19899997A JP H1134092 A JPH1134092 A JP H1134092A
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molten resin
molding
mold
parting line
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JP9198999A
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Inventor
Shinji Tomita
晋司 冨田
Yukio Ishihara
幸雄 石原
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Araco Co Ltd
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Araco Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 見切り線を境として表面を異なる色または模
様とした外観のよい合成樹脂製品を一体的に成形する。 【解決手段】 合成樹脂製品の表面を成形する上型20
の下面21の一部であって見切り線と対応する位置を境
として一側となる第1成形面21aに、第1表皮30を
形成する表皮材30mを離脱可能に密着保持させる。次
に下型15上に予め形成された基材34を載置し、表面
の色または模様が表皮材とは異なる被覆層31を形成す
るシート状の溶融樹脂31mによりこの基材及び下型を
覆い、上型を下型に接近させて溶融樹脂を基材の表面と
表皮材及び上型の下面の間に充填させてから、溶融樹脂
を冷却硬化させる。シート状の溶融樹脂は表皮溶融樹脂
層32mと未発泡の発泡剤を含む中間溶融樹脂層33m
を重ね合わせたものとすることが好ましい。また、基材
は被覆層と同時に成形するようにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の見切り線を
境として表面の色または模様が異なる合成樹脂製品を成
形する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車のドアトリムのような板状
の合成樹脂製品において、装飾性を高めるために上半部
と下半部とで表面の色または模様を異なるものとする場
合には、通常は上半部と下半部を別々に成形することに
より表皮の色または模様が異なるものを用意した後、こ
れをかしめやねじ止めなどにより一体化している。ま
た、一体形成した基材の表面に加熱して軟化させた表皮
材を負圧により吸引し接着してこのような板状の合成樹
脂製品を製造する場合は、見切り線を境として上半部と
下半部とで表面の色または模様が異なる表皮材を使用す
ることも考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記第1
の従来技術では、成形工程が上半部と下半部とで別々に
必要になり、また組付工程も必要であるので、製造コス
トが増大するという問題がある。また上記第2の従来技
術では、製造コストは低下するが、表皮材は吸引の際に
基材の表面に沿ってずれるので見切り線形状が狂って見
苦しくなるという問題があるのに加え、平坦なドアトリ
ムの表面が単に色分けまたは模様分けされているだけで
あるので豪華な感じを与えることができない。
【0004】本発明は、このような見切り線を境として
表面の色または模様が異なる合成樹脂製品を一体的に成
形することを可能にして、このような各問題を解決する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による合成樹脂製
品の成形方法は、所定の見切り線を境としてその一側と
他側では表面の色または模様が異なる合成樹脂製品を成
形する方法に関するものであり、合成樹脂製品の表面を
成形する上型の下面の一部であって見切り線と対応する
位置を境として一側となる第1成形面に第1表皮を形成
する表皮材を離脱可能に密着保持させる表皮セット工程
と、上型と対応する下型上に予め形成された基材を載置
する基材設置工程と、表面の色または模様が表皮材とは
異なる被覆層を形成するシート状の溶融樹脂により基材
及び下型を覆う溶融樹脂供給工程と、上型を下型に接近
させて溶融樹脂を基材の表面と表皮材及び上型の下面の
間に充填させる型締め工程と、溶融樹脂を冷却して硬化
させる冷却工程よりなることを特徴とするものである。
型締め工程における充填により、表皮材と溶融樹脂と基
材は互いに一体的に固着され、成形された合成樹脂製品
の見切り線の一側となる表面は第1表皮により覆われ、
見切り線の他側となる表面は被覆層がそのまま現れる。
【0006】また本発明による合成樹脂製品の成形方法
は、前項の方法と同様の合成樹脂製品を成形する方法に
おいて、前項の方法と同様の表皮セット工程及び基材設
置工程と、表面の色または模様が第1表皮とは異なる第
2表皮を形成する表皮溶融樹脂層と未発泡の発泡剤を含
み発泡層を形成する中間溶融樹脂層を重ね合わせてなり
被覆層を形成するシート状の溶融樹脂により基材及び下
型を覆う溶融樹脂供給工程と、上型を下型に接近させ表
皮溶融樹脂層の表面と表皮材及び上型の下面との間に多
少の隙間をあけた状態で停止させる型締め工程と、中間
溶融樹脂層を発泡させて溶融樹脂を基材の表面と表皮材
及び上型の下面との間に充填させる発泡工程と、前項の
方法と同様の冷却工程よりなることを特徴とするもので
ある。発泡工程における充填により、表皮材と溶融樹脂
と基材は互いに一体的に固着され、成形された合成樹脂
製品の見切り線の一側となる表面は第1表皮により覆わ
れ、見切り線の他側となる表面は第2表皮がそのまま現
れ、基材と第2表皮の間には柔軟な発泡層が形成され
る。
【0007】前2項の方法において、表皮セット工程で
は表皮材の一側縁は上型の下面の見切り線と対応する位
置から下方に突出する薄い仕切板の先端縁付近まで沿わ
せて密着させ、型締め工程の終了時には基材の表面の見
切り線と対応する位置に形成した凹溝の底面に仕切板の
先端縁を接近させることが好ましい。このようにすれ
ば、合成樹脂製品の表面には、色分けまたは模様分けの
境界となる見切り線に沿って仕切板により木目込み溝が
形成される。
【0008】また本発明による合成樹脂製品の成形方法
は、所定の見切り線を境としてその一側と他側では表面
の色または模様が異なる合成樹脂製品を成形する方法に
関するものであり、合成樹脂製品の表面を成形する上型
の下面の一部であって見切り線と対応する位置を境とし
て一側となる第1成形面に第1表皮を形成する表皮材を
離脱可能に密着保持させる表皮セット工程と、表面の色
または模様が表皮材とは異なる合成樹脂製品の本体部を
形成するシート状の溶融樹脂により上型と対応する下型
の上面を覆う溶融樹脂供給工程と、上型を下型に接近さ
せて溶融樹脂を下型の上面と表皮材及び上型の下面の間
に充填させる型締め工程と、溶融樹脂を冷却して硬化さ
せる冷却工程よりなることを特徴とするものである。型
締め工程における充填により、表皮材と溶融樹脂は互い
に一体的に固着され、成形された合成樹脂製品の見切り
線の一側となる表面は第1表皮により覆われ、見切り線
の他側となる表面は被覆層がそのまま現れる。
【0009】また本発明による合成樹脂製品の成形方法
は、前項の方法と同様の合成樹脂製品を成形する方法に
おいて、前項の方法と同様の表皮セット工程と、表面の
色または模様が第1表皮とは異なる第2表皮を形成する
表皮溶融樹脂層と未発泡の発泡剤を含み発泡層を形成す
る中間溶融樹脂層と基材を形成する基材溶融樹脂層を重
ね合わせてなり合成樹脂製品の本体部を形成するシート
状の溶融樹脂により上型と対応する下型の上面を覆う溶
融樹脂供給工程と、上型を下型に接近させ表皮溶融樹脂
層の表面と表皮材及び上型の下面との間に多少の隙間を
あけた状態で停止させる型締め工程と、中間溶融樹脂層
を発泡させて溶融樹脂を下型の上面と表皮材及び上型の
下面との間に充填させる発泡工程と、前項の方法と同様
の冷却工程よりなることを特徴とするものである。発泡
工程における充填により、表皮材と溶融樹脂は互いに一
体的に固着され、成形された合成樹脂製品の見切り線の
一側となる表面は第1表皮により覆われ、見切り線の他
側となる表面は第2表皮がそのまま現れ、基材と第2表
皮の間には柔軟な発泡層が形成される。
【0010】前2項の方法において、表皮セット工程で
は表皮材の一側縁は上型の下面の見切り線と対応する位
置から下方に突出する薄い仕切板の先端縁付近まで沿わ
せて密着させ、型締め工程の終了時には下型の上面の見
切り線と対応する位置に形成した凹溝の底面に仕切板の
先端縁を接近させることことが好ましい。このようにす
れば、色分けまたは模様分けの境界となる見切り線に沿
って仕切板により木目込み溝が形成される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1〜図7に示す2つの実施の形
態は、何れも本発明による合成樹脂製品の成形方法を自
動車のドアトリムの製造に適用した場合の例を示す。先
ず図1〜図4に示す第1の実施の形態の説明をする。こ
の実施の形態により製造されるドアトリムは、図4に示
すように、予め成形された剛性のある基材34の表面
を、重ね合わせた発泡層33と第2表皮32よりなる被
覆層31により覆い、見切り線(図4で仕切板22が差
し込まれた部分)を境としてその上半部(図において左
半部)は更に第1表皮30により覆ったものである。基
材34は通気性のある多孔性のもので、木材を細かく砕
いた繊維に結着剤として7パーセント程度のフェノール
樹脂を混入して凹凸のあるほゞ一定厚の板状にホットプ
レス成形したものであり、その表面の見切り線に対応す
る位置には全幅にわたり一定断面形状の凹溝34aが形
成されている。第1表皮30と第2表皮32は表面の色
が異なっており、従ってこのドアトリムの表面は、第1
表皮30と第2表皮32の境界を見切り線として異なる
色となっている。
【0012】この実施の形態に使用する製造装置は、下
部の固定側型支持部材(図示省略)に取り付けられる表
皮材成形型10及び下型15と、上部の可動側型支持部
材(図示省略)に取り付けられる上型20を備え、また
供給ダイス35を備えている。表皮材成形型10は、下
型15と上型20によりドアトリムを成形するに先立
ち、上型20の下面21の一部である第1成形面21a
に第1表皮30となる表皮材30mを離脱可能に取り付
けるためのものである。供給ダイス35は第2表皮32
となる表皮溶融樹脂層32m及び発泡層33となる中間
溶融樹脂層33mをシート状に押し出すものである。
【0013】可動側型支持部材に支持された上型20
は、互いに位置を入れ替えることが可能な表皮材成形型
10及び下型15に対し上方から接近離隔可能であり、
図1及び図2は上型20が上方に離隔された状態を示
し、図3及び図4は両型10,20が最接近された型締
め状態を示している。図1〜図4に示すように、上型2
0の下面21には、下型15上に支持される基材34の
凹溝34aの幅方向中心線と対応する位置に沿って、薄
板状(厚さは例えば1〜2mm)で真上から見た形状が真
直状あるいは多少屈曲した仕切板22が下型15に向か
って突出するように植え込み固定され、上型20の下面
21でこの仕切板22の一側(図において左側)と他側
となる部分は、それぞれ第1及び第2表皮30,32の
表面を成形するための第1及び第2成形面21a,21
bを形成している。下面21の外周には平面輪郭形状が
ドアトリムの輪郭形状と一致する内向段部23が下向き
に形成され、その下端は外向きに延びる延長面23aと
なっている。第1成形面21a及びこれに隣接する延長
面23aには多数の細管25aが開口され、吸引管路2
5を介して真空源26に連通されている。
【0014】図1に示すように、表皮材成形型10の上
側の一側には上型20の第1成形面21aと共に第1表
皮30を成形する押圧面11が形成され、その一側には
仕切板22と対応する成形溝11aが形成されている。
表皮材成形型10の上面全周には、上型20の外周部下
面の延長面23aと直接または第1表皮30を形成する
表皮材30mを介して当接可能な当接面13が形成さ
れ、第2成形面21bと対応する部分は不要であるので
逃げ凹部12となっている。当接面13と延長面23a
が前述のように当接した状態では、押圧面11と下面2
1の隙間は第1表皮30の厚さとほゞ同じであり、成形
溝11aの幅は第1表皮30の厚さの2倍と仕切板22
の厚さの和とほゞ同じである。
【0015】図2〜図4に示すように、下型15の上側
には、前述のように予め成形された基材34の裏面を支
持する支持面となる上面16が形成され、凹溝34aと
対応して基材34の裏面に形成された突条を受け入れる
凹溝17が形成されている。基材34の外周に沿って下
型15に形成された外向段部18は、図3及び図4に示
す型締め状態では、わずかの隙間をおいて上型20の内
向段部23と嵌合可能である。上型20の仕切板22の
下面21から下方への突出量は、型締め状態における仕
切板22の先端と凹溝34aの底面との距離が被覆層3
1の厚さと同程度になるようにする。
【0016】図1及び図2に示すように、供給ダイス3
5は、上型20が上方に離隔された状態において基材3
4を支持した下型15の上方に張り出して移動し、2本
の供給管36(図は1本のみを示す)を介して押出機
(図示省略)から供給された表皮溶融樹脂層32m及び
中間溶融樹脂層33mを、第1及び第2押出し口35
a,35bから同一幅のシート状に押し出し、重ね合わ
されたシート状の溶融樹脂31mとして基材34上に供
給するものである。各溶融樹脂層32m,33mの材料
は、何れもポリオレフィン系の合成樹脂(例えばポリプ
ロピレン)であり、発泡層33となる中間溶融樹脂層3
3mの材料には発泡剤(例えばアゾジカルボンアミド系
のもの)が混練されている。
【0017】次にこの第1の実施の形態による製造方法
の説明をする。第1表皮30となる表皮材30mとして
は、表面を所定の色とした予め成形したシート材を使用
し、表面には皮革模様などのしぼを設けたものが好まし
い。先ず表皮セット工程においては、図1に示すよう
に、加熱して軟化させた表皮材30mを表皮材成形型1
0の押圧面11上に置き、上型20を下降させ表皮材3
0mを押圧面11と第1成形面21aの間に挟んで成形
する。この際、仕切板22が成形溝11a内に入ること
により、表皮材30mの一側縁は仕切板22に沿い更に
先端縁を越して反対側まで延びるように密着され、反対
側縁は延長面23aの一部に密着される。そして真空源
26からの負圧を吸引管路25から細管25aに与えて
上型20を上昇させれば、表皮材30mは二点鎖線30
Aに示すように第1成形面21aに吸着保持されて上型
20と共に上昇する。第1表皮30の形状及び材質によ
っては、表皮材30mは摩擦などにより第1成形面21
aに密着保持されて上型20と共に上昇し、負圧の印加
は必ずしも必要ない。
【0018】次いで下型15の上面16に、予め成形さ
れた基材34(厚さは例えば2.5mm)を載置する。続
く溶融樹脂供給工程では、図2に示すように、溶融状態
の合成樹脂を計量して押し出す押出機は供給管36から
表皮溶融樹脂層32m及び中間溶融樹脂層33mの材料
を供給する(温度は110〜210℃)。これにより図
2に示すように、供給ダイス35の第1及び第2押出し
口35a,35bからは表皮溶融樹脂層32m及び中間
溶融樹脂層33mがシート状となって押し出され(幅は
何れも基材34よりも多少大で、厚さは何れも例えば
0.5〜1.5mm)、供給ダイス40を基材34の左側
から右側に移動することにより中間溶融樹脂層33mが
下側となるように重ね合わされたシート状の溶融樹脂3
1mとなって基材35及び下型15の上に供給される。
第2表皮32となる表皮溶融樹脂層32mの色は、第1
表皮30となる表皮材30mの表面の色とは異なってい
る。
【0019】続く型締め工程では、上型20を下型15
に向けて下降させ、図3に示す型締め状態に達すれば上
型20の下降を停止させる。この型締め状態において、
下型15に支持された基材34の表面と上型20の第2
成形面21b及び上型20に保持した表皮材30mとの
間の間隔は、何れも表皮溶融樹脂層32mと中間溶融樹
脂層33mの厚さの和よりも大(例えば1.5〜4.5
mm)である。従ってシート状の溶融樹脂31mと上型2
0の第2成形面21b及び上型20に保持した表皮材3
0mとの間には多少の隙間が残されている。この型締め
工程の途中で、下型15の外向段部18から外側にはみ
出した溶融樹脂31mの不要部分は、互いに嵌合する両
段部18,23の剪断作用により切除される。なおこの
溶融樹脂31mの不要部分の切除に使用する外向及び内
向段部18,23は、下型15側を内向段部とし、上型
20側を外向段部としてもよい。あるいはこのような互
いに嵌合する段部による剪断の代わりに、上型20の下
面21の外側に沿って下向きに設けた押切り刃を下型1
5外周の平面部に押し当てて行うようにしてもよい。
【0020】型締め工程に続く発泡工程では、上型20
および/または下型15に設けたヒータ(図示省略)に
より上型20の下面21および/または下型15の上面
16は急激に加熱され(例えば150℃)、これにより
中間溶融樹脂層33mは加熱されて発泡され、ヒータへ
の通電は所定時間後に停止される。この発泡の開始時期
は、型締め完了の前であっても差し支えない。この発泡
により、溶融樹脂31mは、図4に示すように、基材3
4の表面と上型20の第2成形面21b及び上型20に
保持した表皮材30mとの間に隙間なく充填され、表皮
材30m及び基材34と一体的に固着される。上型20
下面の第2成形面21bにしぼ模様を設けておけば、こ
の発泡の際にしぼ模様は表皮溶融樹脂層32mの表面に
転写される。この発泡と前後して、真空源26から細管
25aへの負圧の印加は停止される。
【0021】ヒータへの通電が停止されれば冷却工程が
開始され、上型20および/または下型15内部への熱
伝達により下面21の温度は常温近くまで急激に低下す
る。そして表皮材30m、表皮溶融樹脂層32m及び中
間溶融樹脂層33mが冷却硬化して、第1表皮30,第
2表皮32及び発泡層33となったところで、上型20
を上昇させてドアトリムを取り出せばドアトリム成形の
1サイクルが完了し、仕切板22により形成される木目
込み溝を見切り線として表面の色が互いに異なる第1及
び第2表皮30,32、発泡層33及び基材34が一体
化されたドアトリムが得られる。なお仕切板22により
形成される木目込み溝は、仕切板22を引き抜いた際に
弾性のある発泡層33の厚さが増大するので、幅が狭く
なって目立たなくなる。
【0022】上記第1の実施の形態では、表皮材30m
の表面の色と表皮溶融樹脂層32mの色を変えることに
より、決め込み溝を見切り線として表面の色を異ならせ
た場合につき説明したが、表皮材30mの表面を模様が
あるものとし、あるいは表皮溶融樹脂層32mに使用す
る溶融樹脂材料は、複数の異なる色のものを押出し直前
に混ぜて表面に現れる模様が第1表皮30の表面とは異
なるようにして実施してもよい。
【0023】また上記第1の実施の形態では、溶融樹脂
31mとして発泡剤を混練した中間溶融樹脂層33mと
表皮溶融樹脂層32mを重ね合わせたものを使用した
が、発泡剤を混練しない単一の溶融樹脂層を使用しても
よい。この場合には、図示は省略したが、基材34の表
面と上型20の第2成形面21b及び上型20に保持し
た表皮材30mとの間への溶融樹脂31mの充填は、型
締め工程において行われる。
【0024】次に図5〜図7に示す第2の実施の形態の
説明をする。この実施の形態は、予め成形された基材3
4を用いず、基材溶融樹脂層34mも含む3層の溶融樹
脂31mAを供給ダイス35Aから下型15上に供給し
て、第2表皮32及び発泡層33と同時に基材34を成
形するようにした点が第1の実施の形態と異なってい
る。
【0025】この第2の実施の形態に使用する製造装置
は、供給ダイス35Aを除き第1の実施の形態に使用す
るものと実質的に同じである。この実施の形態に使用す
る供給ダイス35Aは、第1〜第3の3つの押出し口3
5a,35b,35cを備え、3本の供給管36(図は
1本のみを示す)を介して押出機から供給された表皮溶
融樹脂層32m、中間溶融樹脂層33m及び基材溶融樹
脂層34mを同一幅のシート状に押し出し、重ね合わさ
れたシート状の溶融樹脂31mAとして基材34上に供
給するものである。第1の実施の形態の場合と同様、各
溶融樹脂層32m,33m.34mの材料は、何れもポ
リオレフィン系の合成樹脂であり、発泡層33となる中
間溶融樹脂層33mの材料には発泡剤が混練されてい
る。
【0026】次にこの第2の実施の形態による製造方法
の説明をする。表皮セット工程は第1の実施の形態と全
く同一であるので説明を省略する。続く溶融樹脂供給工
程では、供給管36を介して押出機から供給された表皮
溶融樹脂層32m、中間溶融樹脂層33m及び基材溶融
樹脂層34mの材料は、図5に示すように、供給ダイス
35の第1〜第3押出し口35a,35b,35cから
押し出され、基材溶融樹脂層34mが下側となるように
重ね合わされたシート状の溶融樹脂31mAとなって下
型15のの上面16に供給される。各溶融樹脂層の温
度、寸法及び色は第1の実施の形態と同様である。
【0027】続く型締め工程では、上型20を下型15
に向けて下降させ、図6に示す型締め状態に達すれば上
型20の下降を停止させる。この型締め状態では、下型
15の上面16と上型20の第2成形面21b及び上型
20に保持した表皮材30mとの間の間隔は、何れも表
皮溶融樹脂層32mと中間溶融樹脂層33mと基材溶融
樹脂層34mの厚さの和よりも大であり、従って溶融樹
脂31mAと上型20の第2成形面21b及び上型20
に保持した表皮材30mとの間には多少の隙間が残され
ている。
【0028】型締め工程に続く発泡工程では、第1の実
施の形態と同様、中間溶融樹脂層33mは加熱されて発
泡され、溶融樹脂31mAは、図6に示すように、下型
15の上面16と上型20の第2成形面21b及び上型
20に保持した表皮材30mとの間に隙間なく充填さ
れ、表皮材30mと互いに一体的に固着される。続く冷
却工程では、表皮材30m、表皮溶融樹脂層32m、中
間溶融樹脂層33m及び基材溶融樹脂層34mが冷却硬
化して、第1表皮30,第2表皮32、発泡層33及び
基材34となったところで、上型20を上昇させてドア
トリムを取り出せばドアトリム成形の1サイクルが完了
し、仕切板22により形成される木目込み溝を見切り線
として表面の色が互いに異なる第1及び第2表皮30,
32、発泡層33及び基材34が一体化されたドアトリ
ムが得られる。以上に述べた以外の第2の実施の形態の
細部は、第1の実施の形態と同様である。
【0029】第1の実施の形態と同様この第2の実施の
形態でも、表皮材30mの表面の色と表皮溶融樹脂層3
2mの色を変える代わりに、表皮材30mの表面を模様
があるものとし、あるいは表皮溶融樹脂層32mに使用
する溶融樹脂材料は、複数の異なる色のものを押出し直
前に混ぜて表面に現れる模様が第1表皮30とは異なる
ようにして実施してもよい。また、溶融樹脂31mAと
して発泡剤を混練しない単一の溶融樹脂層を使用し、上
型20の下面21と上型20の第2成形面21b及び上
型20に保持した表皮材30mとの間への溶融樹脂31
mAの充填を型締め工程において行うようにしてもよ
い。
【0030】
【発明の効果】下型上の基材を溶融樹脂により覆い、表
皮材を密着保持した上型により型締めして合成樹脂製品
を成形する方法によれば、一体的に成形された合成樹脂
製品の表面は見切り線の一側が第1表皮により覆われ他
側は被覆層がそのまま現れ、第1表皮と被覆層は表面の
色または模様が異なっているので、成形された合成樹脂
製品の表面の色または模様は見切り線を境として異なっ
たものとなる。従って、表面が複数に色分けまたは模様
分けされた外観のよい合成樹脂製品を低いコストで製造
することができる。
【0031】前項の方法において表皮溶融樹脂層と未発
泡の発泡剤を含む中間溶融樹脂層を重ね合わせた溶融樹
脂を使用したものによれば、基材と第2表皮の間に柔軟
な発泡層が形成されるので、上述の効果に加えて表面の
感触が柔軟な合成樹脂製品を得ることができる。
【0032】また、前2項の方法において上型の下面か
ら下方に突出する仕切板の先端縁付近まで表皮材の一側
縁を沿わせて密着させ、この仕切板の先端縁を型締め工
程の終了時に基材に形成した凹溝の底面に接近させるも
のによれば、色分けまたは模様分けの境界となる合成樹
脂製品表面の見切り線に沿って仕切板により木目込み溝
が形成されるので、この見切り線部分に豪華な立体感の
あるものが得られる。
【0033】下型の上面を溶融樹脂により覆い、表皮材
を密着保持した上型により型締めして合成樹脂製品を成
形する方法によれば、一体的に成形された合成樹脂製品
の表面は見切り線の一側が第1表皮により覆われ他側は
本体部がそのまま現れ、第1表皮と本体部は表面の色ま
たは模様が異なっているので、成形された合成樹脂製品
の表面の色または模様は見切り線を境として異なったも
のとなる。従って、表面が複数に色分けまたは模様分け
された外観のよい合成樹脂製品を低いコストで製造する
ことができる。また基材を予め成形しておく必要がない
ので、その分だけ製造コストを低減させることができ
る。
【0034】前項の方法において表皮溶融樹脂層と未発
泡の発泡剤を含む中間溶融樹脂層と基材溶融樹脂層を重
ね合わせた溶融樹脂を使用したものによれば、基材と第
2表皮の間に柔軟な発泡層が形成されるので、上述の効
果に加えて表面の感触が柔軟な合成樹脂製品を得ること
ができる。
【0035】また、前2項の方法において上型の下面か
ら下方に突出する仕切板の先端縁付近まで表皮材の一側
縁を沿わせて密着させ、この仕切板の先端縁を型締め工
程の終了時に下型の上面に形成した凹溝の底面に接近さ
せるものによれば、色分けまたは模様分けの境界となる
合成樹脂製品表面の見切り線に沿って仕切板により木目
込み溝が形成されるので、この見切り線部分に豪華な立
体感のあるものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による合成樹脂製品の成形方法の第1
の実施形態における表皮セット工程を示す断面図であ
る。
【図2】 第1の実施形態における基材設置工程及び溶
融樹脂供給工程を示す断面図である。
【図3】 第1の実施形態における型締め状態を示す断
面図である。
【図4】 第1の実施形態における発泡完了状態を示す
断面図である。
【図5】 本発明による合成樹脂製品の成形方法の第2
の実施形態における基材設置工程及び溶融樹脂供給工程
を示す断面図である。
【図6】 第2の実施形態における型締め状態を示す断
面図である。
【図7】 第2の実施形態における発泡完了状態を示す
断面図である。
【符号の説明】
15…下型、16…上面、17…凹溝、20…上型、2
1…下面、21a…第1成形面、22…仕切板、30…
第1表皮、30m…表皮材、31…被覆層、31A…本
体部、31m…溶融樹脂、31mA…溶融樹脂、32…
第2表皮、32m…表皮溶融樹脂層、33…発泡層、3
3m…中間溶融樹脂層、34…基材、34a…凹溝、3
4m…基材溶融樹脂層。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 31:58

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の見切り線を境としてその一側と他
    側では表面の色または模様が異なる合成樹脂製品を成形
    する方法において、前記合成樹脂製品の表面を成形する
    上型の下面の一部であって前記見切り線と対応する位置
    を境として一側となる第1成形面に第1表皮を形成する
    表皮材を離脱可能に密着保持させる表皮セット工程と、
    前記上型と対応する下型上に予め形成された基材を載置
    する基材設置工程と、表面の色または模様が前記表皮材
    とは異なる被覆層を形成するシート状の溶融樹脂により
    前記基材及び下型を覆う溶融樹脂供給工程と、前記上型
    を前記下型に接近させて前記溶融樹脂を前記基材の表面
    と前記表皮材及び上型の下面の間に充填させる型締め工
    程と、前記溶融樹脂を冷却して硬化させる冷却工程より
    なることを特徴とする合成樹脂製品の成形方法。
  2. 【請求項2】 所定の見切り線を境としてその一側と他
    側では表面の色または模様が異なる合成樹脂製品を成形
    する方法において、前記合成樹脂製品の表面を成形する
    上型の下面の一部であって前記見切り線と対応する位置
    を境として一側となる第1成形面に第1表皮を形成する
    表皮材を離脱可能に密着保持させる表皮セット工程と、
    前記上型と対応する下型上に予め形成された基材を載置
    する基材設置工程と、表面の色または模様が前記第1表
    皮とは異なる第2表皮を形成する表皮溶融樹脂層と未発
    泡の発泡剤を含み発泡層を形成する中間溶融樹脂層を重
    ね合わせてなり被覆層を形成するシート状の溶融樹脂に
    より前記基材及び下型を覆う溶融樹脂供給工程と、前記
    上型を前記下型に接近させ前記表皮溶融樹脂層の表面と
    前記表皮材及び上型の下面との間に多少の隙間をあけた
    状態で停止させる型締め工程と、前記中間溶融樹脂層を
    発泡させて前記溶融樹脂を前記基材の表面と前記表皮材
    及び上型の下面との間に充填させる発泡工程と、前記溶
    融樹脂を冷却して硬化させる冷却工程よりなることを特
    徴とする合成樹脂製品の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記表皮セット工程において前記表皮材
    の一側縁は前記上型の下面の前記見切り線と対応する位
    置から下方に突出する薄い仕切板の先端縁付近まで沿わ
    せて密着させ、前記型締め工程の終了時には前記基材の
    表面の前記見切り線と対応する位置に形成した凹溝の底
    面に前記仕切板の先端縁を接近させてなる請求項1また
    は請求項2に記載の合成樹脂製品の成形方法。
  4. 【請求項4】 所定の見切り線を境としてその一側と他
    側では表面の色または模様が異なる合成樹脂製品を成形
    する方法において、前記合成樹脂製品の表面を成形する
    上型の下面の一部であって前記見切り線と対応する位置
    を境として一側となる第1成形面に第1表皮を形成する
    表皮材を離脱可能に密着保持させる表皮セット工程と、
    表面の色または模様が前記表皮材とは異なる前記合成樹
    脂製品の本体部を形成するシート状の溶融樹脂により前
    記上型と対応する下型の上面を覆う溶融樹脂供給工程
    と、前記上型を前記下型に接近させて前記溶融樹脂を前
    記下型の上面と前記表皮材及び上型の下面の間に充填さ
    せる型締め工程と、前記溶融樹脂を冷却して硬化させる
    冷却工程よりなることを特徴とする合成樹脂製品の成形
    方法。
  5. 【請求項5】 所定の見切り線を境としてその一側と他
    側では表面の色または模様が異なる合成樹脂製品を成形
    する方法において、前記合成樹脂製品の表面を成形する
    上型の下面の一部であって前記見切り線と対応する位置
    を境として一側となる第1成形面に第1表皮を形成する
    表皮材を離脱可能に密着保持させる表皮セット工程と、
    表面の色または模様が前記第1表皮とは異なる第2表皮
    を形成する表皮溶融樹脂層と未発泡の発泡剤を含み発泡
    層を形成する中間溶融樹脂層と基材を形成する基材溶融
    樹脂層を重ね合わせてなり前記合成樹脂製品の本体部を
    形成するシート状の溶融樹脂により前記上型と対応する
    下型の上面を覆う溶融樹脂供給工程と、前記上型を前記
    下型に接近させ前記表皮溶融樹脂層の表面と前記表皮材
    及び上型の下面との間に多少の隙間をあけた状態で停止
    させる型締め工程と、前記中間溶融樹脂層を発泡させて
    前記溶融樹脂を前記下型の上面と前記表皮材及び上型の
    下面との間に充填させる発泡工程と、前記溶融樹脂を冷
    却して硬化させる冷却工程よりなることを特徴とする合
    成樹脂製品の成形方法。
  6. 【請求項6】 前記表皮セット工程において前記表皮材
    の一側縁は前記上型の下面の前記見切り線と対応する位
    置から下方に突出する薄い仕切板の先端縁付近まで沿わ
    せて密着させ、前記型締め工程の終了時には前記下型の
    上面の前記見切り線と対応する位置に形成した凹溝の底
    面に前記仕切板の先端縁を接近させてなる請求項4また
    は請求項5に記載の合成樹脂製品の成形方法。
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