JPH11336292A - 凹凸に富む起伏形状の人造石板およびその製造方法 - Google Patents

凹凸に富む起伏形状の人造石板およびその製造方法

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JPH11336292A
JPH11336292A JP14620898A JP14620898A JPH11336292A JP H11336292 A JPH11336292 A JP H11336292A JP 14620898 A JP14620898 A JP 14620898A JP 14620898 A JP14620898 A JP 14620898A JP H11336292 A JPH11336292 A JP H11336292A
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stone
hard plate
shape
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Akio Sugiura
昭男 杉浦
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SHINWA KENSOU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然石に近い風合いとほぼ均一に平滑化され
た表面とを兼備した質感に優れる内外装用人造石板およ
びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 建築物の内外装用パネル材として有用な
本発明の人造石板1は、凹凸に富む起伏形状に成形され
た擬石層2と、該擬石層2の起伏に沿って起伏形状に成
形された硬質プレート層3とから構成されており、ここ
で該擬石層2は粉砕された骨材と結合材とを主成分とす
る混合材によって形成されており、該擬石層2の表面は
該起伏形状を維持しつつ略均一に平滑化されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として内外装建
材として用いられる人造石板の製造方法に関し、より詳
細には、起伏した形状の人造石板およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】仕上塗材吹き付け工法に代わる建築物内
外壁面の仕上げ・装飾手段として、種々の性状のボード
系仕上げ材が建築物の内外壁面に貼り付けられている。
例えば、コンクリート建築物の内外装材として目的・用
途に応じて各種のセメント板、PC板、ALCパネル、
アルミ板等の金属パネル、あるいはプラスチックパネル
等が用いられている。建築物の内外壁における装飾効果
を向上させる一つの方策は、天然石の風合いを建築物壁
面に付与することである。例えば、御影石、蛇紋岩、大
理石等を加工した天然石材や人造石材(天然石やセラミ
ックを粉砕して得た骨材を結合材等と混合し、種々の形
状に成形加工したもの)を壁面に貼り付けることによ
り、当該壁面に美麗さや荘重さを表現することができ
る。
【0003】ところで、コンクリート建築物等の内外壁
面は平坦に限られるものではなく、デザイン向上等の観
点から凹凸に富む起伏形状(例えば天然石にみられるよ
うな大きな出っ張りや窪みのある起伏形状)とすること
は珍しいことではない。しかしながら、そのような起伏
構造を表面に有する天然石材を構造躯体上にそのまま貼
り付けることは、施工が難しくなることに加えて建物の
壁部自体が非常に重たくなってしまう。このことは地震
時の災害防止等の観点から好ましいことではない。
【0004】従って、従来、このような起伏形状を内外
壁面に表現する場合、表面が上記起伏形状に成形された
比較的軽量の樹脂製や金属製のパネル材を構造躯体上に
取り付けていた。而して、当該軽量パネル材の表面(化
粧面)に上述のような天然石の風合いを表現させるため
に、取付け施工前あるいは施工後に当該起伏形状パネル
材の起伏形状表面に典型的にはエマルジョンタイプのア
クリル樹脂やポリエステル樹脂等の合成樹脂を結合材と
し、これに天然石等を粉砕してなる細粒状の骨材を混合
して調製した混合材を吹き付けていた。なお、このとき
に色調の異なる混合材を複数種併用することによってこ
れら混合材が入り混じって構成される模様(色分け)が
当該起伏形状パネル材の表面に形成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
起伏形状パネル材においては、上記混合材が化粧面に吹
き付けられた結果、当該吹き付けられた混合材粒子に基
づくランダムな凸凹が生じている。このため、パネル材
の表面は骨材でざらざらした粗面になっており、石板と
しての質感がやや劣っていた。従って、内外装材として
の質感、風合いをより高めるために当該粗面を均一に平
滑化(研出し等)することが望まれている。 しかしな
がら、このような起伏形状パネル材においては、その表
面が上記凹凸に富む起伏形状となっている結果、手際よ
くローラーがけやグラインダー処理を施すのが不可能で
あり、当該起伏形状パネル材の混合材が吹き付けられた
表面を所望するようなほぼ均一に平滑化することが困難
であった。
【0006】本発明は、上述のごとき凹凸に富む起伏形
状を有する内外装用パネル材における上記課題を根本か
ら解決するものであり、その目的とするところは、天然
石に近い風合いとほぼ均一に平滑化された表面とを兼備
した質感に優れる内外装用人造石板(天然石調パネル
材)を提供することおよびそのような人造石板を製造す
る方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、建築物の内外装用人造石板であって、凹
凸に富む起伏形状に成形された擬石層と、当該擬石層の
起伏に沿って起伏形状に成形された硬質プレート層とか
ら構成されており、ここで当該擬石層は粉砕された骨材
と結合材とを主成分とする混合材によって形成されてお
り、当該擬石層の表面は当該起伏形状を維持しつつ略均
一に平滑である人造石板を提供する。
【0008】なお、本明細書において「凹凸に富む起伏
形状」とは、天然岩肌にみられるようなランダムな凸凹
(出っ張りや窪み)からなる立体的形状を指した建築用
プレート(板)状部材に関する用語であり、特定の形状
に限定されるものではない。例えば、石材におけるいわ
ゆるこぶ出し形状(天然石の大きな出っ張りを落とした
程度の起伏形状)が両面に表れているプレート状部材の
立体的形状は、本明細書における「凹凸に富む起伏形
状」に包含される一例であり、そのような形状のプレー
ト状部材あるいはプレート層は、本明細書に関して「凹
凸に富む起伏形状に成形されたプレート状部材あるいは
プレート層」である。
【0009】本発明の人造石板には、上記混合材からな
る凹凸に富み且つ平滑した表面が形成されており、当該
表面(化粧面)に天然石に近い風合いと高い質感を付与
することができる。また、本発明の人造石板において
は、上記起伏形状に成形された硬質プレート層によって
擬石層を保持した結果、人造石板自体を重くすることな
く凹凸に富み且つ平滑化した表面(化粧面)の形成が実
現されている。このため、本発明の人造石板によれば、
石板自体の軽量化に基づく構造躯体への取り付け作業の
簡便化を実現することができる。また、本発明の人造石
板は、コンクリート等の構造躯体へ取り付けた際、上記
硬質プレート層裏面の起伏形状によって当該石板と構造
躯体との間に空隙が確保される。これにより、本発明の
人造石板によれば、断熱性および/または遮音性を向上
させることができる。
【0010】また、好ましい本発明の人造石板として、
上記硬質プレート層が熱硬化性樹脂または補強材料で補
強された無機質体を主成分として形成されている人造石
板を提供する。これにより、硬質プレート層の強度向上
を当該硬質プレート層の厚みを増すことなく実現するこ
とができる。
【0011】また、本発明は、上記本発明の人造石板を
製造する方法として、以下の工程: (a)凹凸に富む起伏した形状が型面に転写された成形
型の当該型面に、粉砕された骨材と結合材とを主成分と
する混合材を当該型面における起伏した形状に沿ってほ
ぼ均等に起伏形状を維持しつつ吹き付ける工程;(b)
上記(a)工程において混合材が吹き付けられた成形型
中に、硬質プレート層成形材料を上記起伏した形状に沿
ってほぼ均等に起伏形状を維持しつつ塗布する工程;お
よび(c)上記吹き付けられた混合材および上記塗布さ
れた硬質プレート層成形材料を硬化させる工程;を包含
する、上記本発明の人造石板を製造するための方法を提
供する。
【0012】本発明の人造石板製造方法によれば、上記
混合材からなる凹凸に富み且つ平滑した表面が形成され
るため、製造された人造石板に天然石に近い風合いと高
い質感を付与することができる。また、人造石板の軽量
化を実現することができる。
【0013】また、好ましい本発明の人造石板製造方法
は、上記硬質プレート層成形材料が熱硬化性樹脂または
補強された無機質体を主成分として調製されている製造
方法である。この方法によれば、硬質プレート層の強度
向上を当該プレート層の厚みを増すことなく実現させた
本発明の人造石板を製造することができる。また、特に
好ましい本発明の人造石板製造方法として、上記(b)
工程の前に、上記(a)工程において型面に吹き付けら
れた混合材の表面に当該混合材および上記硬質プレート
層成形材料のいずれにも接着し得るプライマーを塗布す
る工程を有する人造石板製造方法を提供する。この方法
によれば、上記硬質プレート層と擬石層とが強固に結合
した本発明の人造石板を製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の人造石板およびそ
の製造方法の好適な一実施形態を図面を参照しつつ説明
する。
【0015】本発明の人造石板を製造するにあたって好
適に使用される混合材は、天然石を粉砕して細粒(好ま
しくは微粉粒)とした骨材と、合成樹脂系(典型的には
アクリルエマルジョン系樹脂)の結合材とを主成分とす
る混合材である。なお、結合材は合成樹脂系に限らず、
例えば白色セメント等の無機系結合材も使用し得る。ま
た、使用する混合材に種々の顔料(典型的にはベンガ
ラ、チタン白、カーボン黒等の無機顔料)を添加するこ
とによって、人造石板表面(即ち擬石層)の色調を調整
することができる。また、このような色調の異なる混合
材を複数種類使用することによって多彩な配色の擬石層
を形成することができる。また、混合材に使用される骨
材は天然由来のものに限られず、例えば粘土類を焼成お
よび必要に応じて着色して得たセラミックス(陶磁器質
材料)等からなる細粒状の人工骨材も本発明の実施に好
適である。
【0016】また、本発明の人造石板を製造するにあた
って好適に使用される硬質プレート層成形材料は、上記
混合材と同等かそれよりも優れた速硬性を有し、且つ、
硬化した際の硬度および耐久性が高いものである。この
ことによって、硬化後の上記擬石層2にひび割れが発生
するのを高い次元で防止することができる。特に限定さ
れるものではないが、このような条件を具備する有機系
硬質プレート層成形材料としては、熱硬化性樹脂(例え
ばメラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリイミド系樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、
ビニルエステル樹脂)を主成分として構成されているも
のが好適である。メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂が成形加工の点
で特に好ましい。また、さらに好ましい有機系硬質プレ
ート層成形材料は、FRP(繊維強化プラスチック)材
料である。例えば、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維材料
で補強された不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂またはビ
ニルエステル樹脂が好ましい。これらの他、メタクリル
樹脂等の熱可塑性樹脂を主体としたものも使用し得る。
特にポリカーボネート樹脂のような硬化された際に強靱
性を発揮し得るものがよい。
【0017】一方、無機系硬質プレート層成形材料とし
ては、種々のセメント・モルタル系無機質体が使用され
得るが、本発明の実施にあたって好ましいものは補強材
料で補強された無機質体である。そのような無機質体に
添加され得る補強材料としてはガラス繊維等の無機繊維
あるいはアラミド繊維等の有機繊維が好適であり、この
他にも炭化ケイ素等の金属系繊維や炭素繊維が使用され
得る。また、エポキシ系接着剤等で補強されたガラスウ
ールから成る無機質体も無機系硬質プレート層成形材料
として使用し得る。無機系の硬質プレート層成形材料を
採用することにより、本発明の人造石板1の耐火性を向
上させることができる。なお、所定の速硬性、硬度に影
響を与えない範囲において、上述の有機系、無機系硬質
プレート層成形材料に各種の混和材(例えば粒粉状の骨
材や岩石粉末等の充填材、各種の硬化促進剤、顔料、防
腐・防かび剤、消泡剤)を含有させることができる。
【0018】以下、本発明の人造石板およびその製造方
法の好適な実施形態を図面を参照しつつ説明する。な
お、図1は本実施形態に係る本発明の人造石板製造方法
を好適に実施するための成形型10を模式的に示す断面
図である。なお、以下の実施手順は、砂岩に近似した風
合いを有する凹凸に富む起伏形状の人造石板1を製造す
る場合の好適な一例である。
【0019】まず、こぶ出し状の大きな凸凹のある天然
の岩肌に火炎を照射して表面をバーナー処理する。次い
で、その表面に軟化状態のシリコンゴムを塗布し、硬化
させる。これにより、硬化したシリコンゴムの表面に天
然の岩に対応した大きな凹凸に富む起伏形状のパターン
が形成(転写)される。このシリコンゴムを得たことに
よって、図1に示す人造石板成形用の成形型10が提供
される。
【0020】次いで、この成形型10の型面10aに人
造石板1の表面層を構成する上記擬石層2の原料となる
混合材(ここでは、天然の砂岩を粉砕して得た骨材とア
クリルエマルジョン系結合材とを主成分とし、所望する
無機顔料等を混合して調製した混合材)を吹き付ける。
すなわち、図2に示すように、予め調製しておいた混合
材を所定の噴出ノズル11から成形型10の型面10a
上に吹き付ける。このとき、噴出ノズル11および/ま
たは成形型10を適宜移動させることによって、型面1
0aにおける凹凸に富む起伏形状に沿ってほぼ均等に混
合材を粒状に吹き付ける。これにより、図2に示すよう
に、上記型面10aの起伏形状に沿って起伏形状を維持
した当該混合材から成る層(即ち硬化前の擬石層2)が
型面10a上に形成されていく。
【0021】次いで、起伏形状に形成された上記混合材
からなる擬石層2上に人造石板1の基層を構成する上記
硬質プレート層3の原料となる硬質プレート層成形材料
を塗布する。以下、このことを図面を参照しつつ詳述す
る。図3に示すように、上記吹き付けた混合材が硬化す
る前に、上記硬質プレート層成形材料(ここでは、ガラ
ス繊維で補強された不飽和ポリエステル樹脂からなる有
機系硬質プレート層成形材料)を塗布する。すなわち、
図3に示すように、硬質プレート層成形材料を吐出ノズ
ル12から吐出し、予め混合材上に吹き付けたガラス繊
維を含浸させつつ均等に擬石層2を構成する混合材上に
塗布する。このとき、吐出ノズル12および/または成
形型10を適宜移動させることによってあるいは刷毛や
へら若しくはローラーを適宜用いることによって、混合
材起伏形状に沿ってほぼ均等にガラス繊維含浸樹脂材料
(即ちFRP材料)を塗布する。これにより、図3に示
すように、上記型面10aの起伏形状に沿って起伏形状
を維持した当該硬質プレート層成形材料から成る層(即
ち硬化前の硬質プレート層3)が型面10a上に形成さ
れていく。
【0022】なお、より好ましい人造石板製造方法とし
て、図5に示すように、擬石層2を構成する混合材と硬
質プレート層3を構成する硬質プレート層成形材料との
結合力をより向上させるため、当該混合材を吹き付けた
後、硬質プレート層成形材料を塗布する前に所定のプラ
イマー4(接着付与剤)を当該混合材上に塗布すること
が好ましい。なお、プライマー4の選択は、混合材と硬
質プレート層成形材料との材料の選択に応じて適宜変更
され得るものであるが、例えば、混合材中の結合材料に
アクリルエマルジョン系樹脂を採用し、硬質プレート層
成形材料にガラス繊維で補強されたモルタル系無機質体
を採用する場合には、エポキシ樹脂系接着剤等がプライ
マー4として使用し得る。
【0023】上述のようにして硬質プレート層成形材料
を塗布した後、好ましくは高温乾燥室で所定時間養生等
することによって混合材および硬質プレート層成形材料
を硬化させる。而して、硬化過程終了後、人造石板1を
型10から取り出す。その結果、図6に示すように、凹
凸に富む起伏形状に成形された擬石層2と、該擬石層2
の起伏に沿って起伏形状に成形された硬質プレート層3
とから構成された本発明の人造石板1が得られる。
【0024】このようにして得られた人造石板1は、そ
の表面層である擬石層2が、恰も天然石の外観のように
ごつごつした凹凸に富む起伏形状を有しており、しかも
その表面は脱型したままのほぼ均一に平滑化された状態
となっている。一方、このごつごつした凹凸に富む起伏
形状の擬石層2を保持する硬質プレート層3も当該起伏
形状に沿った同様の起伏形状に薄く成形されている結
果、石板自体がランダムな凹凸に富む起伏形状(立体的
形状)をしている。このため、本発明の人造石板1で
は、石板自体を重くすることなく凹凸に富み且つ平滑し
た表面(化粧面)の形成が実現されている。また、本実
施形態において製造された人造石板1では、混合材のア
クリルエマルジョン系結合材と硬質プレート層成形材料
中の不飽和ポリエステル樹脂との親和性がよく、石板自
体の厚みが薄く軽量であるにもかかわらず擬石層2と硬
質プレート層3(ここではFRPから成る層)との結合
が強固である。而して、図7に示すように、本発明の人
造石板1によれば、石板自体の厚みが薄く軽量であるた
め、典型的にはくぎ13打ち等によって簡単に内外壁の
構造躯体に取り付けることができる。また、硬質プレー
ト層3を凹凸に富む起伏形状に成形した結果、従来の平
坦なボード系仕上げ材と異なり、当該人造石板1と構造
躯体14との間に空隙を確保することができる(図7参
照)。このため、本発明の人造石板1によれば、当該空
隙に軽量な遮音材(例えばロックウール材)や断熱材
(例えばセラミックファイバーや発泡プラスチック)を
充填することが可能となり、建物内外装における断熱性
および/または遮音性を向上させることができる。
【0025】また、本発明によれば、本発明の人造石板
1を建物の内外装用材として直接構造躯体14に取り付
けるだけでなく、例えば、図8に示すように、ALCパ
ネルその他のボード系取り付け材24の化粧面に予め接
着剤その他の接合手段によって本発明の人造石板1を張
り付けたことを特徴とする天然石調の内外装用パネル材
20を提供することができる。このパネル材20は、本
発明の人造石板1が張り付けられている結果、その表面
(化粧面)が天然石の外観のようにごつごつした凹凸に
富む起伏形状を有しており、しかもその表面がほぼ均一
に平滑化された状態となっている。このため、このパネ
ル材20を構造躯体に取り付けた場合、その後の仕上げ
塗材等による仕上げ処理を行う手間を省くことができ
る。また、上記パネル材20においては、図8に示すよ
うに、その基材となるALCパネルその他のボード系取
り付け材24と本発明の人造石板1との間に空隙が確保
されるため、例えば当該空隙に軽量な遮音材(例えばロ
ックウール材)や断熱材(例えばセラミックファイバー
や発泡プラスチック)を充填することによって遮音性、
断熱性の高い軽量パネル材を容易に提供することができ
る。
【0026】以上、本発明の人造石板1およびその製造
方法の好適な実施形態を説明したが、本発明を上記実施
形態に限定することを意図したものではない。本発明の
人造石板製造方法においては、その製造工程において上
記(a)工程(起伏形状を形成・維持する混合材吹き付
け工程)、上記(b)工程(起伏形状を形成・維持する
硬質プレート層成形材料塗布工程)および上記(c)工
程(硬化工程)が適切に実施されればよく、その他の工
程(型材料の選択を含む成型用型の調製工程、各種成分
の混合比の決定を含む混合材や硬質プレート層成形材料
の調製工程等)については、従来の人造石板製造法にお
ける従来手段をそのまま適用することができる。また、
本発明の人造石板製造方法によれば、上述の砂岩タイプ
の本発明の人造石板1以外の人造石板を作製することが
できる。例えば、材料(混合材に含まれる骨材、顔料
等)を適宜選択し、色調の異なる複数の混合材を複数の
ノズルから型面に吹き付けることによって多彩な色調の
花崗岩(御影石)タイプの凹凸に富む起伏形状人造石板
を作製することができる。このような変更例は本明細書
および図面に開示された情報に基づいて当業者が実施し
得る設計事項であり、本願特許請求の範囲から逸脱する
ものではない。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、天然石に近い雰囲気を
かもしだした凹凸に富む起伏形状の人造石板を当該石板
自体を徒に重くしたり厚くすることなく実用的な工程で
簡便に製造することができる。すなわち、上述の本発明
の人造石板製造方法によれば、凹凸に富む起伏形状に成
形された擬石層と、当該擬石層の起伏に沿って起伏形状
に成形された硬質プレート層とから構成された凹凸に富
む起伏形状の本発明の人造石板を製造することができ
る。この方法で得られた本発明の人造石板は、天然石に
近い外観とほぼ均一に平滑化された表面とを兼備してお
り、質感に優れる内外装用建築材として使用され得る。
また、硬質プレート層自体も同様の起伏形状(立体的形
状)を有する結果、人造石板自体の軽量化に貢献し得
る。また、本発明の人造石板を構造躯体に取り付けた際
には、当該硬質プレート層と構造躯体表面との間に遮音
性および/または断熱性に寄与する空隙を確保すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人造石板を製造するための成形型を模
式的に示した断面図である。
【図2】本発明の人造石板製造方法における混合材の吹
き付け工程を模式的に示した説明図である。
【図3】本発明の人造石板製造方法における硬質プレー
ト層成形材料の塗布工程を模式的に示した説明図であ
る。
【図4】本発明の人造石板製造方法によって得られた人
造石板の構成を脱型前に模式的に示した断面図である。
【図5】本発明の人造石板製造方法におけるプライマー
塗布処理後の硬質プレート層成形材料の塗布工程を模式
的に示した説明図である。
【図6】本発明の人造石板を模式的に示した斜視図であ
る。
【図7】本発明の人造石板を構造躯体に取り付けた状態
を模式的に示した断面図である。
【図8】本発明の人造石板が張り付けられた内外装用パ
ネル材を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 人造石板 2 擬石層 3 硬質プレート層 10 成形型 11 噴出ノズル 12 吐出ノズル 14 構造躯体 20 内外装用パネル材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の内外装用人造石板であって、 凹凸に富む起伏形状に成形された擬石層と、該擬石層の
    起伏に沿って起伏形状に成形された硬質プレート層とか
    ら構成されており、 ここで該擬石層は粉砕された骨材と結合材とを主成分と
    する混合材によって形成されており、該擬石層の表面は
    該起伏形状を維持しつつ略均一に平滑である人造石板。
  2. 【請求項2】 前記硬質プレート層が熱硬化性樹脂また
    は補強材料で補強された無機質体を主成分として形成さ
    れている請求項1に記載の人造石板。
  3. 【請求項3】 以下の工程: (a)凹凸に富む起伏した形状が型面に転写された成形
    型の該型面に、粉砕された骨材と結合材とを主成分とす
    る混合材を該型面における起伏した形状に沿ってほぼ均
    等に起伏形状を維持しつつ吹き付ける工程; (b)前記(a)工程において混合材が吹き付けられた
    成形型中に、硬質プレート層成形材料を前記起伏した形
    状に沿ってほぼ均等に起伏形状を維持しつつ塗布する工
    程;および (c)前記吹き付けられた混合材および前記塗布された
    硬質プレート層成形材料を硬化させる工程;を包含す
    る、 凹凸に富む起伏形状に成形された擬石層と該擬石層の起
    伏に沿って起伏形状に成形された硬質プレート層とから
    構成されており、ここで該擬石層は粉砕された骨材と結
    合材とを主成分とする混合材によって形成されており、
    該擬石層の表面は該起伏形状を維持しつつ略均一に平滑
    である人造石板を製造する方法。
  4. 【請求項4】 前記硬質プレート層成形材料が熱硬化性
    樹脂または補強材料で補強された無機質体を主成分とし
    て調製されている請求項3に記載の人造石板製造方法。
  5. 【請求項5】 前記(b)工程の前に、前記(a)工程
    において型面に吹き付けられた混合材の表面に該混合材
    および前記硬質プレート層成形材料のいずれにも接着し
    得るプライマーを塗布する工程を有する請求項3または
    4に記載の人造石板製造方法。
JP14620898A 1998-05-27 1998-05-27 凹凸に富む起伏形状の人造石板およびその製造方法 Pending JPH11336292A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002220907A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Railway Technical Res Inst 建築構造物の外装材

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