JPH11335673A - 炭素質材料の製造方法及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

炭素質材料の製造方法及びリチウムイオン二次電池

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JPH11335673A
JPH11335673A JP10143387A JP14338798A JPH11335673A JP H11335673 A JPH11335673 A JP H11335673A JP 10143387 A JP10143387 A JP 10143387A JP 14338798 A JP14338798 A JP 14338798A JP H11335673 A JPH11335673 A JP H11335673A
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pitch
carbonaceous material
softening point
secondary battery
lithium ion
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JP10143387A
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Tetsuo Shiode
哲夫 塩出
Yasuhiro Mogi
康弘 茂木
Hidetoshi Morotomi
秀俊 諸富
Hiroki Okamoto
寛己 岡本
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Adchemco Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウムイオン二次電池の負極材とした場合
に、炭素質よりも高密度で高容量であり、しかも放電電
位が平坦であり、更にサイクル特性に優れる炭素質材料
を提供し得る炭素質材料の製造方法、及びこれにより得
られた炭素質材料を用いて優れた特性を有するリチウム
イオン二次電池の提供。 【解決手段】 液状ピッチに、ホウ素化合物、及びアル
ミ化合物或いは窒素含有化合物の少なくともいずれか一
方を添加した後、熱処理して高軟化点ピッチを得る工程
と、得られた高軟化点ピッチを固化した後、微粒子に粉
砕する工程と、得られた粉砕物を酸化処理する工程、及
び得られた酸化処理物を炭化・黒鉛化する工程からなる
ことを特徴とする炭素質材料の製造方法、及び製造され
た炭素質材料を構成要素とすることを特徴とするリチウ
ムイオン二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、炭素質材料の製造
方法及びこれを用いた電池に関し、更に詳しくは、リチ
ウムイオン二次電池用の負極材料等とした場合に高性能
を示す炭素質材料(黒鉛質結晶材料)の製造方法、及び
これにより得られた炭素質材料を用いたリチウムイオン
電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では電子機器や通信機器の小型化及
び軽量化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源とし
て好適な二次電池に対しても小型化及び軽量化の要求が
強く、例えば、高エネルギー密度で、且つ高電圧を有す
るリチウムイオン二次電池の提案が種々なされている。
リチウムイオン二次電池では、例えば、正極にコバルト
酸リチウムを使用し、負極に黒鉛等の炭素質材料を使用
して、充電時にリチウムイオンを炭素質材料に吸蔵さ
せ、放電時にこれらのリチウムイオンを負極から放出さ
せることによって、充電と放電とが繰り返される。リチ
ウムイオン二次電池に使用される負極材料としては、石
油或いは石炭系の重質油から誘導されるMCMB(メソ
カーボンマイクロビーズ)やメソフェーズピッチの粉末
のような、炭素原料又は樹脂を炭素化或いは黒鉛化した
ものが使用されているが、必ずしも高い放電容量のもの
が得られていない。又、初期効率についても、天然黒鉛
に比較すると高い値を示すが、充分に満足のいく値とは
ならない。
【0003】これに対して、特開平5−251080号
公報、特開平8−31422号公報、特開平9−635
84号公報等に、炭素質材料中にホウ素化合物を添加す
ることによって、放電容量の向上、及び初期効率等につ
いての改善を図ることが記載されている。例えば、特開
平5−251080号公報では、炭素網面の間に、炭素
原子に近い大きさのホウ素原子を有するホウ素化合物を
入り込ませることによって、リチウムイオンをより多く
吸蔵させることを可能とし、これにより二次電池の負極
材料として適用した場合における放電容量の改善を図っ
ている。しかし、この場合には、充放電を繰り返した場
合にサイクル進行に伴って生じる放電容量の低下が比較
的大きいといった課題がある。又、特開平8−3142
2号公報及び特開平9−63584号公報では、ホウ素
化合物を炭素質材料中に混合させた後、2400℃以上
で黒鉛化することによって、リチウムイオン二次電池に
適用した場合にリチウムの放電容量の向上、及び初期効
率を改善させている。これらの操作によれば、確かにリ
チウムの放電容量が向上し、初期効率についても改善さ
れるが、未だ充分なものとはいえない。ここで、上記で
添加したホウ素化合物は、炭化・黒鉛化処理工程で揮散
してしまい殆ど炭素質材料中に残らないので、以下、上
記のようなホウ素化合物等の添加物によって得られる効
果を、触媒黒鉛化の効果と呼ぶ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、リチウムイオン二次電池の負極材とした場合に、炭
素質よりも高密度で高容量であり、しかも放電電位が平
坦であり、更にサイクル特性に優れる炭素質材料を提供
し得る炭素質材料の製造方法、及びリチウムイオン二次
電池を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、液状ピッチに、
ホウ素化合物、及びアルミニウム化合物或いは窒素含有
化合物の少なくともいずれか一方を添加した後、熱処理
して高軟化点ピッチを得る工程と、得られた高軟化点ピ
ッチを固化した後、微粒子に粉砕する工程と、得られた
粉砕物を酸化処理する工程、及び得られた酸化処理物を
炭化・黒鉛化する工程からなることを特徴とする炭素質
材料の製造方法、及びこれにより得られた炭素質材料を
用いたリチウムイオン二次電池である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記従来技術の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、先ず、炭素粉末に対し
てホウ素化合物を添加する方法として、従来行われてい
るような粉砕時等にホウ素化合物を添加するといった単
なる物理的な混合方法では、ホウ素化合物の添加による
触媒黒鉛化の効果が充分に得られず、これらホウ素化合
物を液状ピッチの状態で添加し、更に、熱処理して高軟
化点ピッチとする工程を経ることによって始めて、単に
物理的な混合を行う以上の添加効果が発揮されることを
見出した。更に、ホウ素化合物を添加する際に、アルミ
ニウム化合物か、或いは窒素含有化合物のいずれかを添
加し、加えて、上記高軟化点ピッチから得られた微粉砕
物を酸化処理することによって、ホウ素化合物を添加す
るだけでは達成し得なかった高い放電容量やサイクル特
性を実現し得る炭素質材料を得ることが可能となること
を見出して本発明に至った。
【0007】次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明
を更に詳細に説明する。先ず、本発明の炭素質材料の製
造方法における高軟化点ピッチを得る工程について説明
する。本発明における高軟化点ピッチを得る方法として
は、液状ピッチに、ホウ素化合物と、アルミニウム化合
物或いは窒素含有化合物の少なくともいずれかを添加
し、例えば、後述するような熱処理をして、高軟化点ピ
ッチとする。上記の方法によれば、上記添加物がピッチ
中に充分に分散された状態の高軟化点ピッチが得られ
る。この際、液状ピッチに分散させる添加化合物の状態
としては、液状物質でも固体物質でもよいが、固体物質
を用いる場合には、これらの添加物が液状ピッチ中に均
一に分散するように、粒径の細かいものを用いることが
好ましい。例えば、平均粒径が50μm以下の粒子状の
添加化合物を用いることが好ましい。
【0008】又、本発明で使用する液状ピッチとして
は、常圧蒸留によって軽質分を除いたコールタールを更
に減圧蒸留して残った留分であって、軟化点が100〜
115℃のものが好ましい。即ち、軟化点が100℃未
満の液状ピッチでは、熱処理をする際に熱分解する物質
が多くなってしまい、処理時間が長くかかる等の不都合
が生じる。又、軟化点が115℃を超える液状ピッチを
用いた場合には、熱処理の初期における粘度が高くなり
過ぎて、添加する物質の液状ピッチ中への分散が熱処理
時間内では行えない等の不都合が生じるので好ましくな
い。
【0009】次に、本発明の炭素質材料の製造方法で行
なう高軟化点ピッチを得るための熱処理工程について説
明する。例えば、熱処理の際の温度としては、420℃
以下、好ましくは395〜400℃の温度で熱処理する
ことが好ましい。又、本発明においては、このような温
度で行なう熱処理の間、溶融ピッチの機械的撹拌や、反
応容器の底部から複数のノズルを通して窒素ガスを吹き
込んで撹拌を行う等の方法により、溶融ピッチの温度の
均一性を保ちながら、ピッチ成分の偏在を防止しつつ添
加物質の分散性を確保することが好ましい。
【0010】又、本発明においては、熱処理によって得
られる熱処理物の軟化点が280℃以上となるように、
更に好ましくは、軟化点が330〜370℃の範囲にな
るように、加熱温度、加熱時間及び圧力等の条件を設定
することが好ましい。即ち、本発明の炭素質材料の製造
方法においては、上記したような熱処理工程によって得
られる高軟化点ピッチを冷却等して固化させた後、該冷
却物を微粉砕し、微粉砕後の次工程で酸化処理を行う
が、微粉砕物(熱処理物)の軟化点が280℃未満で
は、この酸化処理の際に軟化溶融して形状を保持するこ
とができなくなる。一方、軟化点が370℃を超える場
合には、熱処理後における抜き出し等のハンドリングが
困難であったり、粉砕した場合に微粒子のアスペクト比
が大きくなる等のことが生じる場合があり、好ましくな
い。
【0011】本発明の炭素質材料の製造方法において
は、上記のようにして得られた軟化点が280℃の高軟
化点ピッチを冷却する等して固化した後、該冷却物を微
粒子に粉砕するが、該粉砕工程において粒子径を200
メッシュアンダーとすることが好ましい。即ち、平均粒
径としては50μm以下、好ましくは5〜30μmの範
囲に粉砕することが好ましい。この際に使用する粉砕機
としては、特に限定されず、例えば、ジェットミル、ボ
ールミル、撹拌ミル、高速回転ミル等の粉砕機を使用で
きる。
【0012】本発明の炭素質材料の製造方法において
は、上記粉砕工程で得られる微粒子を酸化処理する。以
下、この際に行う酸化処理の方法について説明する。本
発明で使用する酸化処理の方法としては、空気中で、1
40〜300℃の温度で行ってもよいが、より好ましく
は、酸化炉中に窒素ガスを流して酸素濃度を16〜18
重量%程度に制御しながら、140〜300℃の温度範
囲で行う。又、酸化に際して、酸化処理の過程で微粒子
が融着凝集物を形成しないように、酸化炉を多分割して
温度制御が正確にできるようにしたり、微粒子が熱源に
接触しないように、流動床で処理したり、酸化炉内の通
過を薄い層で行ったりすることが好ましい。尚、この酸
化処理工程によってある程度の融着凝集物の発生を生じ
ることがあるが、この融着物質は、再粉砕すれば容易に
除くことができる。
【0013】本発明の炭素質材料の製造方法において
は、上記の酸化処理工程において、酸化処理物が約2〜
10重量%程度の酸素を含む状態になるように酸化の程
度を制御する酸化条件を設定することが望ましい。酸化
処理物の酸素量が上記範囲未満、即ち、酸化が不充分な
状態であると、次の炭化過程で融着を生じ易いといった
傾向があり、一方、酸化が過剰になると、比表面積が大
きくなったり、非結晶性が増す等の点で好ましくない。
以上のような酸化処理を受けた微粒子は、その理由は不
明であるが、酸化処理前の粉砕粒子の鋭角な角がなくな
って丸みを帯び、球状とは言えないまでも、やや丸みを
帯びた粒子になって、そのアスペクト比が2以下、1〜
2の範囲に収まったものとなる。
【0014】本発明の炭素質材料の製造方法において
は、最後に、常法に従って上記で得られた酸化処理物の
炭化・黒鉛化処理を行う。この際の炭化処理は、700
℃〜1200℃で6時間以内で行うことが好ましく、
又、黒鉛化処理は、2400〜3000℃の温度で、6
時間以内で行うことが好ましい。この処理時間について
は、材料や装置によって最適な時間を選択すればよい。
これらの炭化・黒鉛化処理は、連続的に行うことがで
き、又、炭化・黒鉛化の各種条件及び装置についても、
従来公知の各種条件及び装置をそのまま使用できる。本
発明においては、上記したような炭化・黒鉛化処理工程
を経ても粒子の形状に大きな変化は起きず、添加したホ
ウ素化合物、及びアルミニウム化合物或いは窒素含有化
合物は、炭化・黒鉛化処理工程において揮散してしま
う。又、この炭化・黒鉛化処理前に含まれていた材料中
の酸素も殆どが脱離する。このため、本発明の炭素質材
料の製造方法によって作成された黒鉛化された炭素粉末
の組成は、従来の炭素質材料と略同様のものとなる。し
かし、上記した炭素質材料の製造方法によって作成され
た炭素粉末は、リチウムの放電容量を向上させ、初期効
率についても改善されるという触媒黒鉛化作用を有する
ものとなる。
【0015】以上のような本発明の炭素質材料の製造方
法によって得られる炭素質材料は、結晶格子定数が6.
73Å以下、結晶格子の大きさを表すLc(学振法)が
700Å以上の高結晶の黒鉛微粒子となる。又、比表面
積も2.0m2/g以下と小さく、そのために電解液と
の反応性も低く、非可逆容量も比較的小さい。
【0016】本発明のリチウムイオン二次電池は、上記
のようにして得られた炭素質材料を負極の構成材料とし
たことを特徴とし、他は従来公知のものから構成され
る。先ず、電極板を形成する活物質は、少なくとも活物
質と結着剤(バインダー)とからなる電極塗工液から形
成される。負極の活物質として、上記した本発明の炭素
質材料の製造方法によって得られる黒鉛質結晶材料を使
用する。一方、正極の活物質としては、例えば、LiC
oO2、LiMn24等のリチウム酸化物、TiS2、M
nO2、MoO3、V25等のカルコゲン化合物のうちの
一種、或いはこれらの複数種を組み合わせて用いる。こ
の結果、4ボルト程度の高い放電電圧のリチウムイオン
二次電池が得られる。これらの活物質は、形成された塗
工膜中に均一に分散されるようにすることが好ましい。
このためには、正及び負の活物質として、1〜100μ
mの範囲の粒径を有する平均粒径が5〜40μm程度、
更に好ましくは10〜25μm程度の粉体を用いるのが
好ましい。
【0017】又、活物質層を形成する際に使用する結着
剤としては、例えば、熱可塑性樹脂、即ち、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロ
ース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、ふっ
素系樹脂及びポリイミド樹脂等から任意に選択して使用
することができる。
【0018】上記のような材料からなる電極板を構成す
る活物質層は、以下のような方法によって作成される。
先ず、上記の材料から適宜に選択された結着剤と、微粉
末の活物質とを適当な分散媒を用いて混練或いは分散溶
解して、電極用の塗工液を作製する。次に、得られた塗
工液を用いて、集電体上に塗工する。塗工する方法とし
ては、例えば、グラビア、グラビアリバース、ダイコー
ト及びスライドコート等の方式を用いるとよい。その
後、塗工した塗工液を乾燥させる乾燥工程を経て、集電
体上に所望の膜厚の活物質層を形成して正及び負の電極
板とする。この際、電極板に用いられる集電体として
は、例えば、アルミニウム、銅等の金属箔が好ましい。
又、金属箔の厚さとしては、10〜30μm程度のもの
を用いることが好ましい。
【0019】以上のように作製した正極及び負極の電極
板を用いて、リチウムイオン二次電池を作製する場合に
は、電解液として、溶質のリチウム塩を有機溶媒に溶か
した非水電解液が用いられる。この際に使用される有機
溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、環状
エーテル類、鎖状エーテル類等が挙げられる。具体的に
は、例えば、環状エステル類としては、プロピレンカー
ボネート等を用いることができ、又、環状エーテル類と
しては、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
又、鎖状エーテル類としては、1,2−ジメトキシエタ
ン等を用いることができる。
【0020】又、上記の有機溶媒と共に非水電解液を形
成する溶質のリチウム塩としてはLiClO4、LiB
4、LiPF6、LiAsF6、LiCl、LiBr等
の無機リチウム塩、及びLiB(C65)4、LiN(SO
2CF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiOSO2CF3
LiOSO225、LiOSO237、LiOSO2
49、LiOSO2511、LiOSO2613、L
iOSO2715等の有機リチウム塩等が用いられる。
【0021】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。実施例1 先ず、軟化点105℃の減圧ピッチに対して、平均粒径
14μmの酸化ホウ素(B23)をホウ素換算で1重量
%、平均粒径5μmの酸化アルミニウム(Al23)を
アルミニウム換算で2重量%となるように夫々添加し、
圧力5kg/cm2・Gで、17Nm3/ピッチkgの窒
素バブリング下、400℃で5時間熱処理することによ
って、軟化点が365℃である高軟化点ピッチを得た。
次に、このピッチを反応器から抜き出して冷却固化し
た。その際に、反応器の各部位からサンプリングして各
測定用試料を得、これらについて夫々灰分を測定した。
その結果を表1に示した。表1から明らかなように、減
圧ピッチ中に添加した添加物資の偏析はなく、均一に分
散されていることが確認できた。
【0022】
【表1】表1:添加物の分散性
【0023】次に、上記で得られた高軟化点ピッチの冷
却物を粉砕し、平均粒径23μmの微粉末に調整した。
その後、得られた微粉砕物を空気気流中において、昇温
速度4℃/分で、130℃から260℃まで昇温し、そ
の状態で20分間保持して酸化処理を行った。得られた
酸化処理物の酸素含有量は4.8重量%であった。更
に、上記で酸化処理された微粉末を、窒素雰囲気中、昇
温速度200℃/時間で1000℃まで昇温し、1時間
炭化処理した後、アルゴン雰囲気下において、3000
℃で30分間の黒鉛化処理を行って、本実施例の炭素質
材料を得た。表2に、実施例及び比較例の炭素質材料を
得るための材料及び処理条件等をまとめて示した。
【0024】実施例2 軟化点105℃の減圧ピッチに対して、平均粒径16μ
mの炭化ホウ素(B4C)をホウ素換算で1.5重量
%、平均粒径5μmの酸化アルミニウム(Al23)を
アルミニウム換算で3.5重量%となるように夫々添加
する以外は実施例1と同様にして熱処理を行って、軟化
点332℃の高軟化点ピッチを得た。この高軟化点ピッ
チについても、実施例1と同様に添加物の分散性がよい
ことを確認した。更に、上記で得られた高軟化点ピッチ
の冷却物を粉砕して平均粒径16μmの微粉末に調整
し、実施例1と同様の方法で酸化処理を行なったとこ
ろ、酸素含有量が4.6重量%の酸化処理物が得られ
た。その後、上記の酸化処理物を、実施例1と同様の方
法で炭化・黒鉛化処理して、本実施例の炭素質材料を得
た。
【0025】実施例3 軟化点105℃の減圧ピッチに対して、平均粒径16μ
mの炭化ホウ素(B4C)をホウ素換算で1.5重量
%、平均粒径7μmの珪酸アルミニウム(Al2Si
5)をアルミニウム換算で2重量%となるように夫々
添加する以外は実施例1と同様にして熱処理を行って、
軟化点357℃の高軟化点ピッチを得た。この高軟化点
ピッチについても、実施例1と同様に添加物の分散性が
よいことを確認した。更に、上記で得られた高軟化点ピ
ッチの冷却物を粉砕して平均粒径18μmの微粉末に調
整し、実施例1と同様の方法で、酸化処理を行なったと
ころ、酸素含有量が5.1重量%の酸化処理物が得られ
た。その後、上記の酸化処理物を、実施例1と同様の方
法で炭化・黒鉛化処理して、本実施例の炭素質材料を得
た。
【0026】実施例4 軟化点105℃の減圧ピッチに対して、平均粒径10μ
mの窒化ホウ素(BN)を、ホウ素換算で2重量%、窒
素換算で2.5重量%となるように添加する以外は実施
例1と同様にして熱処理を行って、軟化点327℃の高
軟化点ピッチを得た。この高軟化点ピッチについても、
実施例1と同様に添加物の分散性がよいことを確認し
た。更に、上記で得られた高軟化点ピッチの冷却物を粉
砕して平均粒径21μmの微粉末に調整し、実施例1と
同様の方法で、酸化処理を行なったところ、酸素含有量
が5.3重量%の酸化処理物が得られた。その後、上記
の酸化処理物を、実施例1と同様の方法で炭化・黒鉛化
処理して、本実施例の炭素質材料を得た。
【0027】比較例1 軟化点105℃の減圧ピッチになにも添加せず、圧力5
kg/cm2・Gで、17Nm3/ピッチkgの窒素バブ
リング下、400℃で5時間熱処理することによって、
軟化点364℃の高軟化点ピッチを得た。次に、このピ
ッチを反応器から抜き出し、冷却固化した後、平均粒径
16μmの微粉末に調整し、空気気流中において、昇温
速度4℃/分で130℃から260℃まで昇温して20
分間保持し、酸化処理を行ったところ、酸素含有量が
4.9重量%の酸化処理物が得られた。更に、この微粉
末を、窒素雰囲気中、昇温速度200℃/時間で100
0℃まで昇温し、1時間炭化処理した後、アルゴン雰囲
気下において3000℃で30分間の黒鉛化処理を行っ
て、本比較例の炭素質材料を得た。
【0028】比較例2 軟化点105℃の減圧ピッチを、圧力5kg/cm2
Gで、17Nm3/ピッチkgの窒素バブリング下40
0℃で5時間熱処理することによって、軟化点364℃
の高軟化点ピッチを得た。次に、このピッチを反応器か
ら抜出し、冷却固化した後、平均粒径16μmの微粉末
に調整し、空気気流中において昇温速度4℃/分で13
0℃から260℃まで昇温して20分間保持し、酸化処
理を行った。そして、この酸化処理した微粉末に対し
て、平均粒径16μmの炭化ホウ素(B4C)をホウ素
換算で2重量%、平均粒径5μmの酸化アルミニウム
(Al23)をアルミニウム換算で4重量%となるよう
に夫々添加して、ブレンダーによって5時間の混合を行
った。この際、ブレンダーの各部位からサンプリングし
て各測定用試料を得、これらについて夫々灰分を測定し
た。その結果は表1のようであり、実施例1の場合と比
べてピッチ中に混合させた添加物資は偏在していること
がわかった。この微粉末に、実施例1と同様の炭化・黒
鉛化処理を行って、本比較例の炭素質材料を得た。
【0029】比較例3 軟化点105℃の減圧ピッチに対して、平均粒径16μ
mの炭化ホウ素(B4C)をホウ素換算で1.5重量%
となるように添加し、圧力5kg/cm2・Gで、17
Nm3/ピッチkgの窒素バブリング下、400℃で5
時間熱処理することによって、軟化点352℃の高軟化
点ピッチを得た。この高軟化点ピッチについても、実施
例1と同様に添加物の分散性がよいことを確認した。次
に、この高軟化点ピッチを反応器から抜き出して冷却固
化した後、粉砕して平均粒径18μmの微粉末に調整
し、実施例1と同様の酸化処理、炭化・黒鉛化処理を行
っって、本比較例の炭素質材料を得た。
【0030】
【表2】実施例1〜4及び比較例1〜3の炭素質材料の
組成等
【0031】電極材料としての評価 実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた各炭素質微粉
末95重量部と、5重量部のバインダー(ポリテトラフ
ルオロエチレン:33重量%、アセチレンブラック:6
6重量%、界面活性剤:1重量%)とをよく混練し、直
径13mmのペレット状に成形した後、これをニッケル
ネットに挟み込み、3.8t/cm2の圧力で圧着し、
150℃で5時間真空乾燥して電極を作製した。そし
て、対極にリチウム箔を用い、電解液として、過塩素酸
リチウムを1モル/リットルの濃度に溶解したエチレン
カーボネートとジエチレンカーボネートとの等モル混合
溶媒とを使用して夫々電池を作製した。上記で得られた
電池を用い、電流密度0.1mA/cm2の定電流充放
電下で、電池の放電容量を測定し、その結果を表3に示
した。表3より明らかなように、本発明の炭素質材料
(黒鉛質結晶材料)は、比較例の材料と比べて充電容量
と放電容量との差が少なく、非可逆容量の小さい、高い
放電容量のものであることがわかった。又、充放電を繰
り返した場合のサイクル特性についても、表3に示した
ように10回のサイクル後の特性変化が小さく、サイク
ル特性が良好であることがわかった。
【0032】
【表3】表3:評価結果
【0033】
【発明の効果】上記で説明したように、本発明によれ
ば、放電電位が平坦で、サイクル特性に優れ、炭素質の
みから作製したものよりも、より高密度で高容量のリチ
ウムイオン二次電池用の材料として好適な特性を有する
炭素質材料(黒鉛質結晶材料)が提供される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 4/04 H01M 4/04 A 4/58 4/58 10/40 10/40 Z (72)発明者 岡本 寛己 東京都千代田区九段北四丁目1−3 アド ケムコ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状ピッチに、ホウ素化合物、及びアル
    ミニウム化合物或いは窒素含有化合物の少なくともいず
    れか一方を添加した後、熱処理して高軟化点ピッチを得
    る工程と、得られた高軟化点ピッチを固化した後、微粒
    子に粉砕する工程と、得られた粉砕物を酸化処理する工
    程、及び得られた酸化処理物を炭化・黒鉛化する工程か
    らなることを特徴とする炭素質材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 液状ピッチに対してホウ素換算で0.0
    5重量%以上10重量%以下の割合でホウ素化合物を添
    加し、更に、液状ピッチに対してアルミニウム換算で
    0.05%以上30重量%以下の割合でアルミニウム化
    合物を添加するか、或いは窒素換算で0.05重量%以
    上15重量%以下の割合で窒素含有化合物を添加する請
    求項1に記載の炭素質材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化処理を、酸化処理物の酸素含有量が
    2〜10重量%の範囲になる条件で行う請求項1に記載
    の炭素質材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の炭素質材料を負極の構
    成要素としたことを特徴とするリチウムイオン二次電
    池。
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