JPH11335620A - 防汚塗料組成物 - Google Patents

防汚塗料組成物

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JPH11335620A
JPH11335620A JP10147882A JP14788298A JPH11335620A JP H11335620 A JPH11335620 A JP H11335620A JP 10147882 A JP10147882 A JP 10147882A JP 14788298 A JP14788298 A JP 14788298A JP H11335620 A JPH11335620 A JP H11335620A
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博治 佐々木
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朋久 新田
Sadaichi Tonomura
貞一 外村
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和義 常田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海水面よりも下にある船舶の底部外板、海洋
構造物、魚網などの海中の物体表面に、各種海中生物が
付着するのを効果的に、長期間防止できる防汚塗料組成
物を提供する。 【解決手段】 成分として、(I)下記式で示される単
量体(A)とそれと共重合可能な他のエチレン性不飽和
単量体(B)との共重合体、(II)金属含有防汚剤を含
む。また、任意に、(III) カルボキシル基を含有する一
塩基酸を併用する。 【化1】 (式中、R1 は、H又はCH3 であり、R2 は−COO
−又はフェニレン基であり、R3 及びR4 は、独立に、
炭素数1〜18のアルキレン基であるか、又は水酸基を
置換基として含有するアルキレン基であり、R5 、R6
及びR7 は、独立に、炭素数1〜18のアルキル基、シ
クロアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる
基である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海中の物体表面に
海中生物が付着するのを防止するための防汚塗料組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】海水面よりも下にある船舶の底部外板
や、海洋構造物、魚網などの表面には、各種海中生物が
付着するため、船舶においては効率のよい運航が妨げら
れ、海洋構造物及び魚網においては耐用年数が著しく短
くなるなどの問題が生じるので、その対策として各種防
汚剤を配合した防汚塗料組成物が塗装されている。従来
から使用されている代表的な防汚塗料には、海水に不溶
性のビニル系樹脂や、アルキド樹脂、塩化ゴムなどの樹
脂と、海水に溶解性のロジンとからなるビヒクル成分
に、防汚剤を配合した不溶解マトリックス型防汚塗料、
及び海水中で徐々に加水分解する含スズ樹脂をビヒクル
成分とし、必要に応じて防汚剤を配合した溶解マトリッ
クス型防汚塗料などがある。
【0003】しかしながら、前記不溶解マトリックス型
防汚塗料では、海水中にロジンとともに防汚剤が溶出す
るので、長期間安定した防汚効果が期待できず、また、
塗膜に残った不溶性樹脂成分がスケルトン構造を形成す
るので、特に船舶に適用した場合、海水と塗布面の摩擦
抵抗が増大して速度低下、燃費増大などが生じる欠点が
あった。一方、前記溶解マトリックス型防汚塗料は、防
汚効果はあるが、安全衛生上及び環境保全上の問題点が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の防汚
塗料の欠点を克服し、海水面よりも下にある船舶の底部
外板、海洋構造物、魚網などの物体表面に、各種海中生
物が付着するのを効果的に、長期間防止でき、かつ安全
衛生上及び環境保全上、問題のない塗料組成物を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために研究を行った結果、特定のトリオルガ
ノシリル基を含有する共重合体を結合剤として使用する
ことにより、塗膜形成後は、海水中で塗膜が徐々に溶解
(研磨)するので、防汚性能を長期間維持できるという
知見を得た。本発明は、かかる知見に基づき完成したも
のである。即ち、本発明は、(I)次式、
【0006】
【化3】 (式中、R1 は、H又はCH3 であり、R2 は−COO
−又はフェニレン基であり、R3 及びR4 は、独立に、
炭素数1〜18のアルキレン基であるか、又は水酸基を
置換基として含有するアルキレン基であり、R5 、R6
及びR7 は、独立に、炭素数1〜18のアルキル基、シ
クロアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる
基である。)で示される単量体(A)の1種又は2種以
上及び該単量体(A)と共重合可能な他のエチレン性不
飽和単量体(B)の1種又は2種以上の共重合体、及び
(II)金属含有防汚剤(II)、更には、(III) カルボキシ
ル基を含有する一塩基酸、を含むことを特徴とする防汚
塗料組成物を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる結合剤となる共重合体(I)は、例え
ば、前記式に示されるトリオルガノシリル基を有する単
量体(A)及び該単量体(A)と共重合可能な他のエチ
レン性不飽和単量体(B)を、有機溶剤中で、重合開始
剤存在下で重合させる等の常法に従って共重合させて製
造する。単量体(A)を示す上記式における、R3 及び
4 は、独立に、炭素数1〜18のアルキレン基である
か、又は水酸基を置換基として含有するアルキレン基で
ある。ここで、アルキレン基は、直鎖又は分岐鎖を有す
るアルキレン基が包含される。このようなアルキレン基
としては、例えば、メチレン基や、エチレン基、プロピ
レン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン
基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニ
レン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、
トリデシレン基、テトラデシレン基等のアルキレン基を
挙げることができる。好ましいアルキレン基は、炭素数
2〜8個のものが挙げられる。
【0008】また、R3 及びR4 は、上記アルキレン基
の水素原子が水酸基で置換されたアルキレン基を包含す
る。R5 、R6 及びR7 は、それぞれ独立に、炭素数1
〜18個のアルキル基、シクロアルキル基及びアリール
基からなる群より選ばれる。アルキル基としては、直鎖
でも分岐したものでもよい。アルキル基としては、具体
的には、例えば、メチル基や、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブ
チル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等のア
ルキル基が好適にが挙げられる。好ましいアルキル基
は、炭素数が、例えば、1〜8個のものである。
【0009】シクロアルキル基としては、例えば、シク
ロヘキシル基や、シクロヘプチル基、シクロオクチル
基、シクロノニル基等が好適に挙げられる。更に、アリ
ール基としては、例えば、フェニル基や、ナフチル基等
が好適に挙げられる。上記トリオルガノシリル基は、上
記R5 、R6 及びR7 の各種組合せを選択することがで
きる。具体的には、単量体(A)としては、ジメチルブ
チルシリルアクリレート、ジメチルヘキシルシリルアク
リレート、ジメチルオクチルシリルアクリレート、ジメ
チルデシルシリルアクリレート、ジメチルドデシルシリ
ルアクリレート、ジメチルシクロヘキシルシリルアクリ
レート、ジメチルフェニルシリルアクリレート、メチル
ジブチルシリルアクリレート、エチルジブチルシリルア
クリレート、ジブチルヘキシルシリルアクリレート、ジ
ブチルフェニルシリルアクリレート、トリプロピルシリ
ルアクリレート、トリブチルシリルアクリレート、トリ
フェニルシリルアクリレート等;及びこれらに対応する
メタクリレート等が代表的なものとして挙げられる。
【0010】単量体(A)は、例えばNCO基を持つエ
チレン性不飽和単量体とヒドロキシル基及びカルボキシ
ル基を有するアルコール酸とを反応させた後、トリオル
ガノヒドロシラン又はトリオルガノクロロシランと反応
させて製造される。なお、前記NCO基を持つエチレン
性不飽和単量体としては、例えば、ジメチルメタイソプ
ロペニルベンジルイソシアネート、2−メタクリロイル
オキシエチルイソシアネート、アルコール酸としては、
γ−オキシ酪酸、δ−オキシ吉草酸、トリオルガノヒド
ロシランとしては、トリイソプロピルヒドロシラン、ト
リn−ブチルヒドロシラン、ジメチルターシャリーブチ
ルヒドロシラン、トリオルガノクロロシランとしては、
トリイソプロピルクロロシラン、トリn−ブチルクロロ
シラン等が代表的なものとして挙げられる。
【0011】また、単量体(B)としては、上記単量体
(A)と併用されることにより、得られる共重合体の研
磨性、ひいては、防汚効果を好適に調整するために使用
するものであり、その限りで、単量体(A)と共重合す
るエチレン性不飽和結合を有するものであれば、各種の
単量体を使用することができる。このような単量体
(B)としては、例えば、メチルアクリレートや、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリ
レート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレー
ト、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルア
ミノエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニ
トリル等;及びこれらに対応するメタクリレート;酢酸
ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルピロリドン等が代表的なものとして挙げられ
る。
【0012】共重合体(I)の重量平均分子量は、例え
ば、1000〜100000、特に5000〜5000
0とするのが好ましい。重量平均分子量が1000未満
では、研磨性が大きくなり過ぎる傾向にあるため、長期
防汚性が低下し易い。一方、100000を越えると、
塗装作業性が悪くなり、また研磨性及び防汚効果が低下
し易くなる。共重合体(I)を構成する単量体(A)と
単量体(B)の重量割合は、例えば、(5:95)〜
(95:5)、好ましくは(20:80)〜(90:1
0)が適当である。単量体(A)の割合が、前記範囲よ
り少ないと、研磨性が低下し易いので、防汚効果が低下
する傾向にあり、逆に多いと研磨性が大きくなり易く、
長期防汚性が劣る傾向にある。
【0013】本発明で用いる金属含有防汚剤(II) は、
従来から防汚塗料に使用されている各種金属含有防汚剤
を特に制限なく使用できる。その具体例を挙げると、例
えば、亜酸化銅や、塩基性炭酸銅、チオシアン銅、水酸
化銅、ロダン第一銅、マンガニーズエチレンビスジチオ
カーバメート、ジンクジメチルジチオカーバメート、ジ
ンクエチレンビスジチオカーバメート、2−ピリジンチ
オール−1−オキシド亜鉛などがある。これらの金属含
有防汚剤は、単独で、又は2種以上組み合わせて使用す
ることができる。本発明の塗料組成物には、必要に応
じ、金属含有防汚剤以外に各種の防汚剤を加えることが
できる。具体的な例を挙げると、2−メチルチオ−4−
t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−ト
リアジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニ
トリル、N,N−ジメチルクロロフェニル尿素、4,5
−ジクロロ−2−N−オクチル−3(2H)イソチアゾ
ロン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミ
ド、N−(3,4−ジクロロフェニル)−N,N−ジメ
チル尿素、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド
などがある。
【0014】本発明の防汚塗料組成物には、必要に応じ
て、更に、カルボキシル基を含有する一塩基酸(III) を
併用することができる。このような一塩基酸(III) を併
用することにより、本発明の防汚塗料組成物の防汚性を
改善することができる。本発明で用いるカルボキシル基
を含有する一塩基酸(II)としては、例えば、以下の式
で示される一塩基酸を挙げることができる。 X−COOH (式中、Xは、アルキル基、アルケニル基、シクロアル
キル基、シクロアルケニル基及びアリール基である。) ここで、アルキル基は、直鎖でも分岐したものでもよ
い。アルキル基としては、具体的には、例えば、メチル
基や、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブ
チル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシ
ル基、テトラデシル基等のアルキル基が好適に挙げられ
る。好ましいアルキル基は、炭素数が、例えば、1〜1
8個のものである。
【0015】アルケニル基は、直鎖でも分岐したもので
もよい。アルケニル基としては、例えば、上記アルキル
基に対応するアルケニル基が挙げられる。シキロアルキ
ル基としては、例えば、シクロヘキシル基や、シクロヘ
プチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基等が好適
に挙げられる。シクロアルケニル基としては、上記シク
ロアルキル基に対応するものが好適にが挙げられる。ま
た、幾つかのシクロアルキル基が縮合した環系のもの、
例えば、アビエチン酸を構成する環系等が挙げられる。
更に、アリール基としては、例えば、フェニル基や、ナ
フチル基等が好適にが挙げられる。なお、上記各官能基
は、任意に置換基を有してもよい。このような置換基と
しては、例えば、ハロゲン原子(塩素、臭素、フッ素原
子等)や、メチル基、エチル基等の低級アルキル基、水
酸基等が挙げられる。
【0016】本発明で用いるカルボキシル基を含有する
一塩基酸(III)の、具体的な例を挙げると、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カ
プリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、
ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシ
ル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、
ノナデカン酸、アラキン酸、リノール酸、リノレン酸、
オレイン酸、アラキドン酸、乳酸、ピバリン酸、ジメチ
ル酢酸、シクロヘキサンカルボン酸、12−ヒドロキシ
ステアリン酸、フルオロ酢酸、クロル酢酸、パルビン
酸、アビエチン酸、ナフテン酸などがある。これらの一
塩基酸化合物は、単独で、又は2種以上組み合わせて使
用することができる。一塩基酸(III)を配合することに
より防汚性が向上する原因は、定かではないが、共重合
体(I)中のトリオルガノシリル基が加水分解した後に
生じるカルボキシル基と、金属含有防汚剤(II) とが反
応し、塗膜の溶解性が阻害されることが、しばしば生じ
ることがあり、一塩基酸(III)は、その反応を防止する
ためと推測される。
【0017】本発明の防汚塗料組成物には、必要に応じ
て、体質顔料、着色顔料、可塑剤、発泡防止剤、沈降防
止剤、レベリング剤などの各種添加剤、その他樹脂、有
機溶剤などを配合することができる。本発明の防汚塗料
組成物は、共重合体(I)及び金属含有防汚剤(II)を
必須成分として含有し、その配合割合は、塗料固形分
中、共重合体(I)は、15〜70重量%、好ましくは
20〜60重量%が適当である。塗料固形分は、防汚塗
料組成物の重量に基づいて、通常、30〜95重量%、
好ましくは、60〜85重量%であることが適当であ
る。従って、防汚塗料組成物の固形分以外は、溶剤から
なり、溶剤としては、例えば、キシレン、トルエン等の
炭化水素類、メチルエチルケトン、メチル−ブチルケト
ン等のケトン類、酢酸エチルや酢酸メチル等のエステル
類、エチルエーテル、ブチルエーテル等のエーテル類等
が挙げられる。
【0018】金属含有防汚剤(II)は、塗料固形分の重
量に基づいて、10〜70重量%、好ましくは20〜6
0重量%が適当である。また、任意に配合される一塩基
酸(III)は、共重合体(I)に含まれるトリオルガノシ
リル基が結合しているカルボキシル基の総カルボキシル
基数に対して、一塩基酸(II) )に含まれる総カルボキ
シル基数が、(0.3〜3.0)、好ましくは(0.5〜1.
5)となるような割合が適当である。共重合体(I)が
前記範囲より少ないと、本来の塗膜としての強度が得ら
れず、逆に多過ぎると、相対的に金属含有防汚剤(II)
の量が少なくなり、防汚性が低下する傾向にある。ま
た、金属含有防汚剤(II)が、前記範囲より少ないと防
汚性が低下する傾向にあり、逆に多いと塗膜の強度が低
下する傾向にある。また、一塩基酸(III)が、前記範囲
より少ないと、防汚性を向上させる効果が不十分とな
り、逆に多いと塗膜の強度が悪くなり、ワレ等が生じや
すくなる傾向がある。
【0019】本発明の防汚塗料組成物は、前記の成分を
ボールミル、ディスパーなどの通常の塗料製造装置で、
一括又は分割して混合分散することにより調製する。こ
のように調製した本発明の防汚塗料組成物は、そのま
ま、又は溶剤で塗装作業性がよくなるように粘度調整し
た後、エアレススプレー塗装、エアスプレー塗装、ロー
ラー塗装、刷毛塗りなどにより、船舶や海洋構造物等の
物体に塗布する。なお、本発明の防汚塗料組成物は、乾
燥後に約30μm〜300μmの膜厚になるように塗布
するのが好ましい。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に詳細に説
明する。なお、実施例中「部」及び「%」は、重量を基
準として示す。 〈共重合体(I)−1、(I)−2及び含スズ共重合体
のワニスの調製〉攪拌機、温度計及び還流管を取り付け
た四つ口フラスコに、キシレン90部を仕込み、温度を
100℃に保ち、それに単量体(A−1)〔式中のR1
が、メチル基であり、R2が、メタフェニレン基であ
り、R3が、−C(CH32−であり、R4が、次式、
【0021】
【化4】 で示され、かつ、R5 、R6 及びR7 が、n−ブチル基
の単量体〕90部、メチルメタクリレート5部、ブチル
アクリレート5部及びアゾイソブチロニトリル3部の混
合物を3時間かけて、攪拌しながら、滴下して反応させ
た。1時間保持後、アゾイソブチロニトリル1部及びキ
シレン10部の混合物を1時間かけて滴下し、更に反応
させて、共重合体(I)−1のワニスを調製した。表1
に示す成分に変更する以外は、同様にして共重合体
(I)−2及び含スズ共重合体のワニスを調製した。
【0022】
【表1】 表1 (単位:部) 共重合体(I) 共重合体(I) 含スズ共重合体 −1ワニス −2ワニス ワニス 単量体(A−1) 90 単量体(A−2)注1) 50 トリ−n−ブチル錫 メタクリレート 65 メチルメタクリレート 5 25 15 エチルアクリレート 25 ブチルアクリレート 5 15 アゾイソブチロニトリル 3 3 3 キシレン 90 90 90 アゾイソブチロニトリル 1 1 1キシレン 10 10 10 固形分(%) 50 50 50 共重合体の重量平均分子量(万) 6.0 7.2 4.8 注1)R2 が−COO−でかつR3 が−C2 4 −であることを除いて、単量 体(A−1)と同一である。 〔実施例1〜4及び比較例1〕以下の示した組成物を混
練分散し、実施例1〜4及び比較例1の防汚塗料を製造
した。これら各防汚塗料を防錆塗料を塗布した鋼板に、
乾燥膜厚300μmになるようにエアスプレー塗装し、
乾燥した。得られた試験板について、研磨性試験及び防
汚性試験を行った。結果を、それぞれ表3に示す。
【0023】上記試験は、次の方法に基づいて行った。 〈研磨性試験〉所定期間、ローター試験(25℃、15
ノット)を行なった後、マイクロメーターにより膜厚を
測定し、試験前の膜厚との差を計算した。 〈防汚性試験〉三重県鳥羽市鳥羽湾において、試験板を
海中に沈め、塗膜外観を観察した。 評価基準 5:試験板に付着物が認められない。 4:試験板に薄いスライムの付着が認められる。 3:試験板に厚いスライムの付着が認められる。 2:大型動植物の付着が認められる。 1:大型動植物の多く付着が認められる。
【0024】
【表2】 表2 (単位:部) 塗料組成 実施例 比較例 1 2 3 4 1 共重合体(I)−1ワニス 40 40 40 共重合体(I)−2ワニス 50 含スズ共重合体ワニス 40 オレイン酸 5 15パルミチン酸 10 亜酸化銅 40 40 40 40 40ジンクピリチオン 2 2 2 2 2 弁柄 10 10 10 10 10タルク 3 3 3 3 3 キシレン 5 5 5 5 5 カルボキシル基比注1) 1.1 0.8 0.6 0 0 注1)共重合体に含まれるトリオルガノシリル基が結合している総カルボキ シル基数に対する一塩基酸の総カルボキシル基数の比
【0025】
【表3】 表3 実施例 比較例 1 2 3 4 1 3ヶ月 29 30 28 27 22 研磨性(μm)6ヶ月 57 59 53 50 47 9ヶ月 86 90 82 74 74 12ヶ月 110 115 107 97 97 3ヶ月 5 5 5 5 5 6ヶ月 5 5 5 5 5 防汚性 9ヶ月 5 5 5 5 5 12ヶ月 5 5 5 5 5 18ヶ月 5 5 5 4 5 24ヶ月 4 4 4 4 4
【0026】表3から明らかの通り、本発明の防汚塗料
組成物である実施例1〜3は、従来の優れた防汚性を有
する防汚塗料として知られているが、安全衛生上問題の
あるスズを含有する比較例1と同等の研磨性及び長期防
汚性を有していた。但し、カルボキシル基を含有する一
塩基酸を配合しない実施例4は、若干防汚性が劣ってい
るが、実用的には全く問題がないものであった。
【発明の効果】本発明の防汚塗料組成物より形成される
塗膜は、塗膜の研磨性がよく、各種海中生物が付着する
のを効果的に、長期間防止できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 59/20 A01N 59/20 Z 61/00 61/00 D C09D 5/16 C09D 5/16 157/04 157/04 (72)発明者 常田 和義 栃木県那須郡西那須野町下永田1−981 つかさコーポ203

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)次式、 【化1】 (式中、R1 は、H又はCH3 であり、R2 は−COO
    −又はフェニレン基であり、R3 及びR4 は、独立に、
    炭素数1〜18のアルキレン基であるか、又は水酸基を
    置換基として含有するアルキレン基であり、R5 、R6
    及びR7 は、独立に、炭素数1〜18のアルキル基、シ
    クロアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる
    基である。)で示される単量体(A)の1種又は2種以
    上及び該単量体(A)と共重合可能な他のエチレン性不
    飽和単量体(B)の1種又は2種以上との共重合体、及
    び(II)金属含有防汚剤、を含むことを特徴とする防汚塗
    料組成物。
  2. 【請求項2】(I)次式、 【化2】 (式中、R1 は、H又はCH3 であり、R2 は−COO
    −又はフェニレン基であり、R3 及びR4 は、独立に、
    炭素数1〜18のアルキレン基であるか、又は水酸基を
    置換基として含有するアルキレン基であり、R5 、R6
    及びR7 は、独立に、炭素数1〜18のアルキル基、シ
    クロアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる
    基である。)で示される単量体(A)の1種又は2種以
    上及び該単量体(A)と共重合可能な他のエチレン性不
    飽和単量体(B)の1種又は2種以上の共重合体、 (II)金属含有防汚剤、及び(III) カルボキシル基を含有
    する一塩基酸、を含むことを特徴とする防汚塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記共重合体(I)の前記単量体(A)
    の量が、前記共重合体(I)の全単量体の5〜95重量
    %である、請求項1又は2に記載の防汚塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記共重合体(I)に含まれるトリオル
    ガノシリル基が結合しているカルボキシル基の総カルボ
    キシル基数と、一塩基酸(III)に含まれる総カルボキシ
    ル基数との比が、0.3〜3.0である、請求項2に記載の
    防汚塗料組成物。
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