JPH11335427A - 変性エチレン/酢酸ビニル共重合体 - Google Patents
変性エチレン/酢酸ビニル共重合体Info
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- JPH11335427A JPH11335427A JP14301498A JP14301498A JPH11335427A JP H11335427 A JPH11335427 A JP H11335427A JP 14301498 A JP14301498 A JP 14301498A JP 14301498 A JP14301498 A JP 14301498A JP H11335427 A JPH11335427 A JP H11335427A
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- acetate copolymer
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- unsaturated carboxylic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】EVA樹脂のケン化工程を経ることなく溶融混
練法により直接α、β−不飽和カルボン酸をグラフトし
た変性EVA樹脂を提供すること。 【解決手段】エチレン/酢酸ビニル共重合体にα、β−
不飽和カルボン酸をラジカル開始剤の存在下において溶
融状態でグラフトさせた変性EVA樹脂を製造するにあ
たって、α、β−不飽和カルボン酸がアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸のいずれか1種類以
上であることを特徴とする変性エチレン/酢酸ビニル共
重合体である。
練法により直接α、β−不飽和カルボン酸をグラフトし
た変性EVA樹脂を提供すること。 【解決手段】エチレン/酢酸ビニル共重合体にα、β−
不飽和カルボン酸をラジカル開始剤の存在下において溶
融状態でグラフトさせた変性EVA樹脂を製造するにあ
たって、α、β−不飽和カルボン酸がアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸のいずれか1種類以
上であることを特徴とする変性エチレン/酢酸ビニル共
重合体である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変性エチレン/酢
酸ビニル共重合体の製造方法に関し、相溶化剤、ホット
メルト接着剤、合わせガラス中間膜、粉体塗料用として
有用な樹脂を提供するものである。
酸ビニル共重合体の製造方法に関し、相溶化剤、ホット
メルト接着剤、合わせガラス中間膜、粉体塗料用として
有用な樹脂を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂(以
下、EVA樹脂と言う)は、各種フィルム、ホットメル
ト接着剤、アスファルト改質剤用として広範に使用され
ている。また、そのケン化物は、ガスバリア性、耐油
性、透明性に優れるためフィルム、シート等に利用され
ることが多い。さらに、EVA樹脂の接着性、透明性を
改善するためにα、β−不飽和カルボン酸をグラフトす
る場合がある。EVA樹脂のα、β−不飽和カルボン酸
によるグラフト変性は、溶液中で部分ケン化を行った後
に、α、β−不飽和カルボン酸をグラフトさせる製造方
法(特開昭62−285964号公報)が知られてい
る。
下、EVA樹脂と言う)は、各種フィルム、ホットメル
ト接着剤、アスファルト改質剤用として広範に使用され
ている。また、そのケン化物は、ガスバリア性、耐油
性、透明性に優れるためフィルム、シート等に利用され
ることが多い。さらに、EVA樹脂の接着性、透明性を
改善するためにα、β−不飽和カルボン酸をグラフトす
る場合がある。EVA樹脂のα、β−不飽和カルボン酸
によるグラフト変性は、溶液中で部分ケン化を行った後
に、α、β−不飽和カルボン酸をグラフトさせる製造方
法(特開昭62−285964号公報)が知られてい
る。
【0003】また、EVA樹脂の部分ケン化を行った
後、α、β−不飽和カルボン酸をエステル化あるいはエ
ステル交換反応させる製法(特開平3−290419号
公報)が知られている。EVA樹脂のケン化工程は溶媒
中に溶解させた状態で行い、引き続いてα、β−不飽和
カルボン酸のグラフトも溶剤系で行われている。ケン化
は溶剤を多量に使用するためコストアップになるほか、
環境上からも好ましくない。また、グラフト反応は、数
十分〜数時間要し、固体で回収するためには析出させた
後固液分離、乾燥処理を行う必要があり、プロセス的に
不利である。
後、α、β−不飽和カルボン酸をエステル化あるいはエ
ステル交換反応させる製法(特開平3−290419号
公報)が知られている。EVA樹脂のケン化工程は溶媒
中に溶解させた状態で行い、引き続いてα、β−不飽和
カルボン酸のグラフトも溶剤系で行われている。ケン化
は溶剤を多量に使用するためコストアップになるほか、
環境上からも好ましくない。また、グラフト反応は、数
十分〜数時間要し、固体で回収するためには析出させた
後固液分離、乾燥処理を行う必要があり、プロセス的に
不利である。
【0004】EVA樹脂の部分ケン化物にα、β−不飽
和カルボン酸をエステル化あるいはエステル交換するも
のは、本発明とは本質的に異なるものである。本発明者
は、EVA樹脂へのα、β−不飽和カルボン酸のグラフ
トにおいて、ケン化工程を経ることなく、しかも溶剤を
用いない溶融混練法にてグラフトできることを見出し、
本発明に至った。
和カルボン酸をエステル化あるいはエステル交換するも
のは、本発明とは本質的に異なるものである。本発明者
は、EVA樹脂へのα、β−不飽和カルボン酸のグラフ
トにおいて、ケン化工程を経ることなく、しかも溶剤を
用いない溶融混練法にてグラフトできることを見出し、
本発明に至った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、EV
A樹脂のケン化工程を経ることなく溶融混練法により直
接α、β−不飽和カルボン酸をグラフトした変性EVA
樹脂の製造方法を提供するものである。
A樹脂のケン化工程を経ることなく溶融混練法により直
接α、β−不飽和カルボン酸をグラフトした変性EVA
樹脂の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明
は、エチレン/酢酸ビニル共重合体にα、β−不飽和カ
ルボン酸をラジカル開始剤の存在下において溶融状態で
グラフトさせた変性EVA樹脂の製造方法において、
α、β−不飽和カルボン酸がアクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、マレイン酸のいずれか1種類以上であ
ることを特徴とする変性エチレン/酢酸ビニル共重合体
である。第2の発明は、エチレン/酢酸ビニル共重合体
100重量部に対してα、β−不飽和カルボン酸が0.
1〜20重量部であることを特徴とする第1発明記載の
変性エチレン/酢酸ビニル共重合体である。
は、エチレン/酢酸ビニル共重合体にα、β−不飽和カ
ルボン酸をラジカル開始剤の存在下において溶融状態で
グラフトさせた変性EVA樹脂の製造方法において、
α、β−不飽和カルボン酸がアクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、マレイン酸のいずれか1種類以上であ
ることを特徴とする変性エチレン/酢酸ビニル共重合体
である。第2の発明は、エチレン/酢酸ビニル共重合体
100重量部に対してα、β−不飽和カルボン酸が0.
1〜20重量部であることを特徴とする第1発明記載の
変性エチレン/酢酸ビニル共重合体である。
【0007】第3の発明は、エチレン/酢酸ビニル共重
合体100重量部に対してラジカル開始剤が0.01〜
5重量部であることを特徴とする第1または第2発明記
載の変性エチレン/酢酸ビニル共重合体である。第4の
発明は、変性エチレン/酢酸ビニル共重合体の酸価が1
〜150であることを特徴とする第1〜第3発明いずれ
か記載の変性エチレン/酢酸ビニル共重合体である。
合体100重量部に対してラジカル開始剤が0.01〜
5重量部であることを特徴とする第1または第2発明記
載の変性エチレン/酢酸ビニル共重合体である。第4の
発明は、変性エチレン/酢酸ビニル共重合体の酸価が1
〜150であることを特徴とする第1〜第3発明いずれ
か記載の変性エチレン/酢酸ビニル共重合体である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、EVA樹脂へのα、β
−不飽和カルボン酸のグラフトにおいて、ケン化工程を
経ることなく、溶融混練法により直接グラフトすること
ができる変性エチレン/酢酸ビニル共重合体を提供する
ものである。以下に本発明について詳しく説明する。本
発明で用いるEVA樹脂は、酢酸ビニルの含有量が23
〜45、好ましくは25〜35、MFRが1〜200で
あり、一般的に工業的に生産されているものを使用する
ことができる。
−不飽和カルボン酸のグラフトにおいて、ケン化工程を
経ることなく、溶融混練法により直接グラフトすること
ができる変性エチレン/酢酸ビニル共重合体を提供する
ものである。以下に本発明について詳しく説明する。本
発明で用いるEVA樹脂は、酢酸ビニルの含有量が23
〜45、好ましくは25〜35、MFRが1〜200で
あり、一般的に工業的に生産されているものを使用する
ことができる。
【0009】α、β−不飽和カルボン酸としては、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸などを挙げることができる。使用量はEVA
樹脂に対して0.1〜20重量部、好ましくは1〜10
重量部である。α、β−不飽和カルボン酸の使用量が
0.1重量部以下であると、グラフト反応が十分に進行
せず、20重量部以上であると、架橋反応も同時に進行
するため流動性が著しく低下する。本発明による変性E
VA樹脂に用いられるラジカル開始剤は、ポリオレフィ
ンのグラフト反応に一般的に用いられるものであればよ
い。なかでも、1分間半減期温度が120〜200℃の
範囲にあるものが好ましく、具体的には、1,1,3,
3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエ
ート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
ト、m−トルオイルアンドベンゾイルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソ
ブチレート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビ
ス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)シクロドデカン、t−ブチルパーオキシラウレ
ート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイル
パーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾ
エート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ
ーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t
−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4
−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジt−ブ
チルパーオキシイソフタレート、α,α’ビス(t−ブ
チルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド,2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3等が挙げられる。アゾ系開始剤としては、アゾジイソ
ブチロニトリル等のジアゾ化合物が挙げられる。EVA
樹脂のグラフトにあたっては、特に1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、α,α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソ
プロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシ
ン−3が好ましい。
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸などを挙げることができる。使用量はEVA
樹脂に対して0.1〜20重量部、好ましくは1〜10
重量部である。α、β−不飽和カルボン酸の使用量が
0.1重量部以下であると、グラフト反応が十分に進行
せず、20重量部以上であると、架橋反応も同時に進行
するため流動性が著しく低下する。本発明による変性E
VA樹脂に用いられるラジカル開始剤は、ポリオレフィ
ンのグラフト反応に一般的に用いられるものであればよ
い。なかでも、1分間半減期温度が120〜200℃の
範囲にあるものが好ましく、具体的には、1,1,3,
3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエ
ート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
ト、m−トルオイルアンドベンゾイルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソ
ブチレート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビ
ス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)シクロドデカン、t−ブチルパーオキシラウレ
ート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイル
パーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾ
エート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ
ーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t
−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4
−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジt−ブ
チルパーオキシイソフタレート、α,α’ビス(t−ブ
チルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド,2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3等が挙げられる。アゾ系開始剤としては、アゾジイソ
ブチロニトリル等のジアゾ化合物が挙げられる。EVA
樹脂のグラフトにあたっては、特に1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、α,α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソ
プロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシ
ン−3が好ましい。
【0010】本発明による変性EVA樹脂において用い
られるラジカル開始剤の使用量は、EVA樹脂100重
量部に対し、好ましくは0.01〜5重量部、より好ま
しくは、0.02〜1重量部である。ラジカル開始剤の
使用量が0.01重量部以下であると、グラフト化反応
が十分に進行せず、5重量部以上であると架橋が進行し
やすくなる。α、β−不飽和カルボン酸は、ラジカル開
始剤とは別に供給することが好ましい。つまり、EVA
樹脂とラジカル開始剤を溶融混練し、EVA樹脂のラジ
カル部位を十分に発生させた後に、添加することが好ま
しい。同時、または、ラジカルが十分に発生しない状態
で、α、β−不飽和カルボン酸を供給すると単独重合が
進行し、グラフト反応に作用しなくなるので好ましくな
い。α、β−不飽和カルボン酸が固体の場合には、少量
の有機溶剤に溶解して供給することもできる。
られるラジカル開始剤の使用量は、EVA樹脂100重
量部に対し、好ましくは0.01〜5重量部、より好ま
しくは、0.02〜1重量部である。ラジカル開始剤の
使用量が0.01重量部以下であると、グラフト化反応
が十分に進行せず、5重量部以上であると架橋が進行し
やすくなる。α、β−不飽和カルボン酸は、ラジカル開
始剤とは別に供給することが好ましい。つまり、EVA
樹脂とラジカル開始剤を溶融混練し、EVA樹脂のラジ
カル部位を十分に発生させた後に、添加することが好ま
しい。同時、または、ラジカルが十分に発生しない状態
で、α、β−不飽和カルボン酸を供給すると単独重合が
進行し、グラフト反応に作用しなくなるので好ましくな
い。α、β−不飽和カルボン酸が固体の場合には、少量
の有機溶剤に溶解して供給することもできる。
【0011】変性したEVA樹脂の酸価は、1〜15
0、好ましくは1〜100である。酸価が1以下である
と、変性程度が低いため変性した効果が得られない。酸
価が150以上では、同時に進行する架橋のためにMF
Rが大幅に低下し、工業的な実用性が低くなる。EVA
樹脂とα、β−不飽和カルボン酸との溶融混練方法は、
特に限定されないが、バンバリーミキサなどのバッチミ
キサあるいは押出機などの連続混練機を用いることがで
きる。溶融混練の温度および時間は、使用するラジカル
開始剤の分解温度により変化するが、100〜250℃
で0.3〜20分、好ましくは、120〜180℃で1
〜10分である。
0、好ましくは1〜100である。酸価が1以下である
と、変性程度が低いため変性した効果が得られない。酸
価が150以上では、同時に進行する架橋のためにMF
Rが大幅に低下し、工業的な実用性が低くなる。EVA
樹脂とα、β−不飽和カルボン酸との溶融混練方法は、
特に限定されないが、バンバリーミキサなどのバッチミ
キサあるいは押出機などの連続混練機を用いることがで
きる。溶融混練の温度および時間は、使用するラジカル
開始剤の分解温度により変化するが、100〜250℃
で0.3〜20分、好ましくは、120〜180℃で1
〜10分である。
【0012】本発明の変性EVA樹脂は、例えば次のよ
うにして行われる。まず、EVA樹脂にラジカル開始剤
を配合し、ヘンシェルミキサなどで十分混合し、バッチ
ミキサや押出機で加熱溶融させた後、α、β−不飽和カ
ルボン酸を添加し、グラフトさせる。本変性EVA樹脂
は、単独で使用することもできるし、未変性樹脂で希釈
して使用することもできる。本発明の変性EVA樹脂
は、EVA樹脂のケン化物を経ることなく溶融混練法に
より直接α、β−不飽和カルボン酸をグラフトした変性
EVA樹脂を得ることができる。
うにして行われる。まず、EVA樹脂にラジカル開始剤
を配合し、ヘンシェルミキサなどで十分混合し、バッチ
ミキサや押出機で加熱溶融させた後、α、β−不飽和カ
ルボン酸を添加し、グラフトさせる。本変性EVA樹脂
は、単独で使用することもできるし、未変性樹脂で希釈
して使用することもできる。本発明の変性EVA樹脂
は、EVA樹脂のケン化物を経ることなく溶融混練法に
より直接α、β−不飽和カルボン酸をグラフトした変性
EVA樹脂を得ることができる。
【0013】
【実施例】本発明を実施例、比較例により詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 EVA樹脂(MFR18、商品名「ウルトラセン71
0」、東ソー製)100部に対し、ラジカル開始剤とし
て1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン(商品名「パーヘキサ3
M」、日本油脂製)0.2部を加え、ヘンシェルミキサ
にて5分間プリブレンドした。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 EVA樹脂(MFR18、商品名「ウルトラセン71
0」、東ソー製)100部に対し、ラジカル開始剤とし
て1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン(商品名「パーヘキサ3
M」、日本油脂製)0.2部を加え、ヘンシェルミキサ
にて5分間プリブレンドした。
【0014】ホッパーにプリブレンド物を投入し、スク
リューフィーダーを用いて1.2kg/hrの供給量で
押出機に供給した。メタクリル酸は、液体注入ノズルか
ら高圧定量ポンプ「HYM−06P」(富士テクノ工業
製)を用いて、60g/hrの供給量で供給した。ベン
ト口から、真空ポンプにより減圧度を760mmHgと
して未反応モノマーを除去した。なお、使用した押出機
は、東洋精機製作所製噛み合い型同方向回転2軸押出機
「2D25W」であり、その先端には径3mmのストラ
ンドダイを連結してある。温度設定は、150℃(供給
部は120℃)、スクリュー回転数は、70rpmであ
る。得られた押出物を精製し、未反応モノマーを除去し
評価したところ、MFR6、酸価14であった。
リューフィーダーを用いて1.2kg/hrの供給量で
押出機に供給した。メタクリル酸は、液体注入ノズルか
ら高圧定量ポンプ「HYM−06P」(富士テクノ工業
製)を用いて、60g/hrの供給量で供給した。ベン
ト口から、真空ポンプにより減圧度を760mmHgと
して未反応モノマーを除去した。なお、使用した押出機
は、東洋精機製作所製噛み合い型同方向回転2軸押出機
「2D25W」であり、その先端には径3mmのストラ
ンドダイを連結してある。温度設定は、150℃(供給
部は120℃)、スクリュー回転数は、70rpmであ
る。得られた押出物を精製し、未反応モノマーを除去し
評価したところ、MFR6、酸価14であった。
【0015】MFRは、ATSM 1238−52Tに
より190℃において、2160gの荷重において測定
した。酸価の測定は以下の方法により実施した。精製物
約1gを精秤し、加熱したキシレン100mlに完全に
溶解させた後、0.1重量%アルコール性フェノールフ
タレイン溶液を加え0.1Nアルコール性水酸化カリウ
ム溶液で熱時に滴定した。フェノールフタレインの赤変
色が30秒間消えなくなった時を滴定の終点とした。 実施例2 メタクリル酸の供給量のみ30g/hrとした以外は、
実施例1と同一条件で押出物を採取した。押出物を評価
を行ったところ、MFR10、酸価3であった。
より190℃において、2160gの荷重において測定
した。酸価の測定は以下の方法により実施した。精製物
約1gを精秤し、加熱したキシレン100mlに完全に
溶解させた後、0.1重量%アルコール性フェノールフ
タレイン溶液を加え0.1Nアルコール性水酸化カリウ
ム溶液で熱時に滴定した。フェノールフタレインの赤変
色が30秒間消えなくなった時を滴定の終点とした。 実施例2 メタクリル酸の供給量のみ30g/hrとした以外は、
実施例1と同一条件で押出物を採取した。押出物を評価
を行ったところ、MFR10、酸価3であった。
【0016】比較例1 ラジカル開始剤を使用しない以外は実施例1と同様にし
て、押出物を得た。押出物の評価を行ったところ、MF
R18、酸価0であり、全くグラフトしていなかった。 実施例3 2軸押出機を噛み合い型同方向回転2軸押出機(形式P
CM−30−51.5、池貝製)に変えてスクリューフ
ィーダーによる樹脂供給量を10kg/hr、押出機ス
クリュー回転数を100rpmとして押出物を採取し
た。押出物を評価したところ、MFR6、酸価7.3で
あった。
て、押出物を得た。押出物の評価を行ったところ、MF
R18、酸価0であり、全くグラフトしていなかった。 実施例3 2軸押出機を噛み合い型同方向回転2軸押出機(形式P
CM−30−51.5、池貝製)に変えてスクリューフ
ィーダーによる樹脂供給量を10kg/hr、押出機ス
クリュー回転数を100rpmとして押出物を採取し
た。押出物を評価したところ、MFR6、酸価7.3で
あった。
【0017】実施例4 樹脂供給量を5kg/hr、スクリュー回転数を200
rpmとした以外は、実施例3と同一とした。押出物の
評価を行ったところ、MFR7、酸価11であった。
rpmとした以外は、実施例3と同一とした。押出物の
評価を行ったところ、MFR7、酸価11であった。
【0018】
【発明の効果】本発明の方法により、EVA樹脂のケン
化物を経ることなく溶融混練法により直接α、β−不飽
和カルボン酸をグラフトした変性EVA樹脂を得ること
ができる。
化物を経ることなく溶融混練法により直接α、β−不飽
和カルボン酸をグラフトした変性EVA樹脂を得ること
ができる。
Claims (4)
- 【請求項1】エチレン/酢酸ビニル共重合体にα、β−
不飽和カルボン酸をラジカル開始剤の存在下において溶
融状態でグラフトさせた樹脂において、α、β−不飽和
カルボン酸がアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸のいずれか1種類以上であることを特徴とす
る変性エチレン/酢酸ビニル共重合体。 - 【請求項2】エチレン/酢酸ビニル共重合体100重量
部に対してα、β−不飽和カルボン酸が0.1〜20重
量部であることを特徴とする請求項1記載の変性エチレ
ン/酢酸ビニル共重合体。 - 【請求項3】エチレン/酢酸ビニル共重合体100重量
部に対してラジカル開始剤が0.01〜5重量部である
ことを特徴とする請求項1または2項記載の変性エチレ
ン/酢酸ビニル共重合体。 - 【請求項4】 変性エチレン/酢酸ビニル共重合体の酸
価が1〜150であることを特徴とする請求項1〜3何
れか記載の変性エチレン/酢酸ビニル共重合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14301498A JPH11335427A (ja) | 1998-05-25 | 1998-05-25 | 変性エチレン/酢酸ビニル共重合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14301498A JPH11335427A (ja) | 1998-05-25 | 1998-05-25 | 変性エチレン/酢酸ビニル共重合体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11335427A true JPH11335427A (ja) | 1999-12-07 |
Family
ID=15328945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14301498A Pending JPH11335427A (ja) | 1998-05-25 | 1998-05-25 | 変性エチレン/酢酸ビニル共重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11335427A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180128294A (ko) * | 2017-05-23 | 2018-12-03 | 삼호산업(주) | 반발탄성 및 프라이머 리스 상태에서의 접착 강도가 우수한 발포체 조성물 및 이의 제조 방법 |
CN109280131A (zh) * | 2018-08-01 | 2019-01-29 | 江苏益帆高分子材料有限公司 | 一种eva/aa/ma接枝共聚物及其制备方法 |
KR102046916B1 (ko) * | 2018-09-14 | 2019-11-20 | 한국신발피혁연구원 | 내마모성 및 내슬립성이 우수한 유니솔용 조성물 |
CN111978801A (zh) * | 2020-08-19 | 2020-11-24 | 嘉宝莉化工集团股份有限公司 | 一种批刮型水包砂多彩涂料及其制备方法 |
-
1998
- 1998-05-25 JP JP14301498A patent/JPH11335427A/ja active Pending
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KR20180128294A (ko) * | 2017-05-23 | 2018-12-03 | 삼호산업(주) | 반발탄성 및 프라이머 리스 상태에서의 접착 강도가 우수한 발포체 조성물 및 이의 제조 방법 |
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