JPH11335369A - プロアントシアニジン抽出物の脱色法 - Google Patents
プロアントシアニジン抽出物の脱色法Info
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Abstract
を0.1〜9%(V/V)の水を混合した有機溶媒で抽
出することによりプロアントシアニジン抽出物の脱色を
図る。
Description
化防止剤やラジカル捕捉剤、医薬品等の製造原料として
有用なプロアントシアニジンを含有する抽出物を効率よ
く高純度かつ薄色化する方法に係るものである。
に存在する縮合型タンニンで、フラバン−3−オールま
たはフラバン−3,4−ジオールを構成単位として縮合
もしくは重合により結合した化合物群であり、これらは
酸処理によりシアニジン、デルフィニジン、ペラルゴニ
ジン等のアントシアニジンを生成するところから、この
名称が与えられているものである。そして上記構成単位
の2量体、3量体、4量体さらに10〜30量体以上の
高分子のプロシアニジン、プロデルフィニジン、プロペ
ラルゴニジン等のプロアントシアニジンおよびそれらの
立体異性体等を含むものである。
ンが強い抗酸化作用を有することを見い出し、プロアン
トシアニジンを主成分とする抗酸化剤として特許出願し
た(特公平3−7232号)。またプロアントシアニジ
ンが、ブドウ種子又は果実の搾汁粕から水により70℃
以上で効率よく抽出できることを見い出した(特開平3
−200781号)。
ジンが、各種植物体を水やエタノール、アセトン等の有
機溶媒、又はこれらの混合液で抽出することにより得ら
れることはよく知られている。しかしながらこれらの抽
出物を分析したところ、目的物質であるプロアントシア
ニジンの他に、粗蛋白、炭水化物、灰分のほか着色成分
がかなりの量含まれている事が確認された。またこれら
の抽出物質は植物体に元々含まれている着色成分に加
え、植物体からのプロアントシアニジンの抽出操作中に
着色が進行し、これらが商品価値の低下の原因となって
いる。また特にこの着色成分が用途の上で大きな制約条
件となっており、市場では高純度かつ色の薄いプロアン
トシアニジン製剤が望まれている。
アニジン抽出物が有する欠点を克服し、高純度かつ色の
薄いプロアントシアニジン製剤を得る為の脱色法を提供
することを目的としてなされたものである。
達成するために、鋭意検討を重ねた結果、プロアントシ
アニジンは有機溶媒−水の混合溶媒に溶解しやすく逆に
プロアントシアニジンを含有する抽出物に含まれる不純
物質(粗蛋白、炭水化物、灰分、等)、特に着色成分は
0.1〜9%の有機溶媒−水(v/v)の混合溶媒に溶
解しにくい性質を有しているという知見を得た。
ものである。以下本発明を詳細に説明する。
を含有する抽出物とは、各種植物体、例えばぶどう種
子、ブドウ果実、グランベリー果実、リンゴ果実、小
豆、杉、松、檜の樹皮等から水あるいは有機溶媒もしく
はその混合溶媒で抽出して得られるプロアントシアニジ
ンを含有する抽出液の濃縮液、あるいは濃縮液を乾燥、
粉末化した粉体等であって少なくとも10%以上のプロ
アントシアニジンを含有するものが好ましい。
ロアントシアニジンを抽出することができ、かつ不純
物、特に着色した成分が抽出されない溶媒であれば、ど
のような溶媒でもよいが、効率的にプロアントシアニジ
ンを抽出しかつ着色成分をできるだけ除くといった観点
から、具体的には酢酸エチル、酢酸メチル等の酢酸エス
テル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、
n−ブタノール等の水溶性アルコール類、アセトン、エ
チルメチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等が例
として挙げられる。
ントシアニジン抽出量と不純物量のバランスの調整等の
目的で、任意の比で混合して用いてもよい。そしてこれ
らの有機溶媒に0.1〜9%(V/V)の水を混合して
用いる。
くいこと、特に着色成分が最も抽出されにくいこと、沸
点が比較的低いため抽出後の除去が容易であること、入
手が容易であることなどから酢酸のアルキルエステル、
特に酢酸エチルが好ましい。酢酸エチルを抽出溶媒に用
いた場合、抽出効率を高く、不純物の割合を少なくする
という見地に立つと、酢酸エチル:水の混合比は99:
1〜91:9(v/v)が好ましく、特に好ましい混合
比は98:2〜92:8(v/v)である。
じめ用意をしておいた抽出溶媒で再抽出処理を行えば良
いが、原料が濃縮液等の場合は水の混合割合が0.1〜
9%(v/v)となるように有機溶媒を加える必要があ
る。有機溶媒と水の比が9%(v/v)を極端に越える
とプロアントシアニジンの抽出量が増えプロアントシア
ニジンの回収率が良くなるといった利点があるが、逆に
不純物の抽出量も増え、特に着色成分も抽出されやすく
なってしまい、結果的には着色度及び純度とも元の原料
とたいして変わらなくなってしまい脱色及び高純度化と
いう本来の目的を達成できなくなってしまうので有機溶
媒に対する水の比は注意深く設定する必要がある。
アニジン抽出物、無水物換算)に対する溶媒の量は特に
限定しないが、通常1〜50倍量(v/w)、好ましく
は10〜30倍量である。また必要により少量のNaC
lや酸化防止剤(例えばアスコルビン酸等)などを加え
てもよい。また必要により、窒素やアルゴンなどの不活
ガス雰囲気下で抽出を行ってもよい。
度等の抽出条件に著しく左右されるため、再抽出物中の
プロアントシアニジンの抽出量と純度が最大となり着色
成分の抽出量が最低となるよう適宜選択をする。通常は
10分〜24時間であり、好ましくは30分〜3時間程
度である。再抽出方法は特に限定しないが攪拌を加える
事により抽出効率が良くなる。また攪拌が困難な場合は
加温もしくは還流を行う事により効率よく抽出を行う事
ができる。また再抽出操作は遮光下で行う事が着色を防
止する上から好ましい。
を用いても良いが、抽出条件により固液分離となった場
合は、濾布を用いての濾過が操作し易い。また必要によ
りセライト濾過、メンブラン濾過等を行っても良い。抽
出条件により水層と有機溶媒の層とが分離した場合は分
液ロート等、通常行われる分液の方法を用いて有機溶媒
の層を分取する事ができる。
ニジン含有溶液の抽出溶媒を減圧留去などによって除去
すれば、そのままプロアントシアニジン含有濃縮物や乾
燥物として得ることができる。実施例に示すように、最
適の原料と抽出条件を用いれば、原料と比較し高い純度
かつ脱色されたプロアントシアニジン乾燥物を、簡単に
得ることができるが、濃縮物や乾燥物を更に、セファデ
ックス、ポリアミド、シリカゲル、ODS等を用いたカ
ラムクロマトグラフ、セルロース膜等を用いた膜分離、
酢酸エチル−水等を用いた液液分離など精製・分離・脱
色操作を行うことにより、より高純度の、あるいは望む
重合度のプロアントシアニジン製品を得ることができ
る。
防止剤やラジカル捕捉剤、医薬品等の製造原料として有
用な高純度かつ色の薄いプロアントシアニジンを簡単な
操作で得ることができる。
に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもので
はない。
の定量は、下記のR. Jambunathanらの方法{J. Agric.
Food Chem., 34, 425〜429 (1986)}により行った。すな
わちプロアントシアニジン含有試料を希塩酸存在下で加
熱処理してプロアントシアニジンを赤色のアントシアニ
ジンに変換し、この波長550nmにおける吸光度の測
定値と、A.G.H. Leaの方法{J. Sci. Food Agric., 26,
471〜477 (1978)}を用いてりんご酒より分離精製して
プロシアニジン4量体を標準品として作成した検量線と
からプロアントシアニジンを定量した。また抽出液の固
形分重量は、プロアントシアニジン含有抽出液の全液量
を凍結乾燥して秤量するか、全液量を正確に測定した
後、一定量の抽出液(通常5mL)を量りとり、これを
加熱乾固(通常88℃−1.5hr及び110℃−2.
0hr)した後、デシケーター中で1hr室温に放置し
てから秤量し、全液量換算して算出した。
プロアントシアニジン製剤1700gに酢酸エチル33
L、水1.32L(4%, v/v)を加え室温、遮光、
攪拌下3hの抽出を行い、固液分離したのち、濃縮乾固
しプロアントシアニジン製剤197gを得た。このプロ
アントシアニジン製剤の固形分量重(熱乾燥法)、プロ
アントシアニジン量、純度(プロアントシアニジン量/
固形分量重)、0.477g/100ml(精製水)に
溶解した水溶液の吸光度(420nm、OD)及びプロ
アントシアニジンを100%換算した結果(OD/純度
×100)を表1に示す。
得たプロアントシアニジン製剤(粉末)260gに酢酸
エチル5.2L、水208mL(4%, v/v)を加え
80℃、還流1hの抽出を行い、固液分離したのち、濃
縮乾固し粉末プロアントシアニジン製剤23.8gを得
た。分析値を表2に示す。
得たプロアントシアニジン濃縮液15.2ml(固形分
5000mg)に酢酸エチル150ml、飽和食塩水
0.2mlを加え40℃、2hの抽出を行い、固液分離
したのち、濃縮乾固し、粉末プロアントシアニジン製剤
644mgを得た。分析値を表3に示す。
出、乾燥して得た粉末プロアントシアニジン製剤500
0mgに酢酸エチル100mL、水4mL(4%,v/
v)を加え40℃、静置1hの抽出を行い、固液分離し
たのち、濃縮乾固し、粉末プロアントシアニジン製剤4
73mgを得た。分析値を表4に示す。
コール抽出、乾燥して得た粉末プロアントシアニジン製
剤5000mgに酢酸エチル100mL、水4mL(4
%,v/v)を加え40℃、静置1hの抽出を行い、固
液分離したのち、濃縮乾固し粉末プロアントシアニジン
製剤120mgを得た。分析値を表5に示す。
得た粉末プロアントシアニジン製剤5000mgにエタ
ノール50mL、水0.5mL(1%, v/v)を加え
40℃、攪拌下1hの抽出を行い、固液分離したのち、
濃縮乾固し、粉末プロアントシアニジン製剤1727m
gを得た。分析値を表6に示す。
得た粉末プロアントシアニジン製剤5000mgにアセ
トン50mL、水0.5mL(1%, v/v)を加え4
0℃、攪拌下1hの抽出を行い、固液分離したのち、濃
縮乾固し、粉末プロアントシアニジン製剤1273mg
を得た。分析値を表7に示す。
得た粉末プロアントシアニジン製剤5000mgにイソ
プロピルアルコール50mL、水2.0mL(4%, v
/v)を加え40℃、攪拌下1hの抽出を行い、固液分
離したのち、濃縮乾固し、粉末プロアントシアニジン製
剤1328mgを得た。分析値を表8に示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 プロアントシアニジンを含有する抽出物
を0.1〜9%(V/V)の水を混合した有機溶媒で再
抽出処理することを特徴とするプロアントシアニジン抽
出物の脱色法。 - 【請求項2】 0.1〜9%(V/V)の水を混合した
有機溶媒が、酢酸のアルキルエステル、アルコール類、
ケトン類、アセトニトリルから選ばれた少なくとも1種
である請求項1記載のプロアントシアニジン抽出物の脱
色法。 - 【請求項3】 0.1〜9%(V/V)の水を混合し
た有機溶媒が、酢酸エチルである請求項2記載のプロア
ントシアニジン抽出物の脱色法。
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