JPH11335366A - 光学活性なカルボン酸の製造法 - Google Patents

光学活性なカルボン酸の製造法

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JPH11335366A
JPH11335366A JP14171298A JP14171298A JPH11335366A JP H11335366 A JPH11335366 A JP H11335366A JP 14171298 A JP14171298 A JP 14171298A JP 14171298 A JP14171298 A JP 14171298A JP H11335366 A JPH11335366 A JP H11335366A
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acetic acid
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carboxylic acid
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JP14171298A
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Kiyoteru Nagahara
長原  清輝
Shigenori Kuma
茂教 隈
Daiki Ishibashi
石橋  大樹
Michihiko Miyamoto
充彦 宮本
Nobuhiro Fukuhara
信裕 福原
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】医薬の中間体として有用な光学活性なカルボン
酸の製造法を提供する。 【解決手段】一般式(1) (式中、R1は炭素数1〜4のアシル基;ハロゲン、ア
ルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ基で置換されても
良いベンゾイル基;tert−ブトキシカルボニル基;
ベンジルオキシカルボニル基を示す。)で表される光学
純度の低い光学異性体混合物を、酢酸−炭化水素溶媒、
または酢酸−水の混合溶媒中で結晶化した後、脱保護反
応を行うことを特徴とする一般式(2)で表される光学
活性なカルボン酸の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬中間体として
有用な一般式(2)[化3]
【化3】 で表される光学活性なカルボン酸誘導体の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】医薬品の開発においては不斉中心を有す
る化合物は、その一方の光学活性体が特に優れた生理活
性を示すことが多く知られている。またサリドマイド事
件に代表されるように光学異性体には活性がないか、又
は副作用を有する場合が多く、近年では光学異性体を不
純物と見なす傾向にあり、医薬開発においては高い光学
純度の製品が要求されている。
【0003】近年、クロマン−3−酢酸を母骨格とする
化合物に強いフイブリノーゲンアンタゴニスト作用を有
することが報告されており(特開平09−124581
号公報)、クロマン−3−酢酸誘導体は医薬品として有
用であり、光学活性なクロマン−3−酢酸誘導体の合成
が望まれている。光学活性なクロマン−3−酢酸誘導体
の製造法としては(1)クロマン−3−酢酸誘導体を合
成し、光学活性カラムによる分割法(特開平09−12
4581号公報)が報告されているが、該方法は高価で
かつ煩雑な操作法であり、工業的な製造法とするには問
題があった。また一般的な製造法として(2)不斉水素
化法(特開平09−227448号公報)が報告されて
いるが、該方法では十分に満足する光学純度の製品が得
られず、さらに光学純度を高めるためには何らかの精製
操作が必要であった。そこで光学純度の高いクロマン−
3−酢酸誘導体を安価でかつ工業的に簡便な方法にて得
る方法が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一般式
(2)で表される光学活性なカルボン酸の工業的に簡便
な製造方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点を解決すべく種々の検討を行った結果、一般式
(1)で表される化合物を敢えてキラルカラムクロマト
グラフィーなどの精製操作を経ることなく、酢酸−炭化
水素溶媒、または酢酸−水との混合溶媒中で結晶化する
事により、カルボン酸の光学純度を著しく向上させ、そ
の後、アミノ基の保護基を取り去る事(脱保護)で、一
般式(2)で表される光学活性なカルボン酸を製造でき
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は一般式(1)[化4]
【化4】 (式中、R1は炭素数1〜4のアシル基;ハロゲン、ア
ルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ基で置換されても
良いベンゾイル基;tert−ブトキシカルボニル基;
ベンジルオキシカルボニル基を示す。)で表される光学
純度の低い光学異性体混合物を、酢酸−炭化水素溶媒、
または酢酸−水の混合溶媒中で結晶化した後、脱保護反
応を行うことを特徴とする一般式(2)[化5]
【化5】 で表される光学活性なカルボン酸の製造法である。
【0007】本発明の方法は前記先行技術には何ら記載
あるいは示唆されておらず、従って本発明者らによって
はじめて見いだされた技術であり、工業的にも利用価値
の高い光学活性なカルボン酸の製造法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の態様は以下の通りで
ある。光学純度の低い一般式(1)で表されるカルボン
酸誘導体を酢酸−炭化水素溶媒、または酢酸−水の混合
溶媒中にて結晶化して光学純度を向上させた後、脱保護
反応にて一般式(2)の光学活性なカルボン酸誘導体を
得る。
【0009】本発明においては、光学純度の低い一般式
(1)で表される化合物の製造法としては、例えば特開
平09−227448号公報の方法即ち一般式(3)
[化6]
【化6】 で表される該化合物を遷移金属−光学活性ホスフィン錯
体を触媒として不斉水素化して光学純度が30〜85%
eeと低い一般式(2)[化7]
【化7】 で表される化合物を製造し、一般式(1)で表される化
合物に既知の方法で誘導すればよい。
【0010】一般式(2)で表される化合物から一般式
(1)で表される化合物へ誘導する既知の方法とはアミ
ノ基の保護基を付加する反応である。具体的にはR1
炭素数1〜4のアシル基の場合は炭素数1〜4のアシル
ハライド;ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、
ニトロ基で置換されても良いベンゾイル基の場合は、ハ
ロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ基で置
換されても良いベンゾイルハライドを反応させるか、ま
たは炭素数1〜4のカルボン酸;ハロゲン、アルキル、
アルコキシ、シアノ、ニトロ基で置換されても良い安息
香酸をジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジ
イミダゾールなどの脱水剤存在下、反応させればよい。
1がtert−ブトキシカルボニル基の場合はジ−t
ert−ブチルジカーボネート、R1がベンジルカルボ
ニル基の場合はベンジルオキシカルボニルハライドを反
応させることにより容易に得ることが出来る。
【0011】一般式(1)で表される化合物を結晶化さ
せる方法は酢酸−炭化水素溶媒、または酢酸−水との混
合溶媒に溶解させて冷却する方法、あるいは溶媒を部分
的に留去することにより結晶化する方法等が挙げられ
る。
【0012】酢酸の使用量としては、式(1)で表され
る光学活性なカルボン酸1重量に対して0.5〜20重
量倍である。好ましくは2〜10重量倍である。0.5
重量倍未満では該化合物が十分に溶解せず、光学純度が
十分に上がらず好ましくない。20重量倍を越えても特
に問題はないが、容積効率の低下、ならびに経済上の見
地から好ましくない。
【0013】酢酸溶液に加える炭化水素溶媒、または水
の量としては酢酸1重量に対して0.1〜10重量倍で
ある。好ましくは0.5〜5重量倍である。0.1重量
倍未満では収率が低下し、5重量倍を越えると光学純度
が充分に上がらず好ましくない。
【0014】式(1)で表される化合物の酢酸溶液に加
える炭化水素溶媒としては、具体例としてキシレン、シ
クロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン、デカ
ン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、ペンタンなどが挙
げられる。
【0015】式(1)で表される化合物を酢酸−炭化水
素溶媒、または酢酸−水に溶解させる温度としては5℃
〜溶媒の沸点の範囲である。好ましくは20〜60℃で
ある。5℃未満では十分に溶解せず、光学純度が十分に
上がらず好ましくない。60℃以上では副生成物が生成
し易く品質の低下を招き好ましくない。
【0016】晶析温度は5〜60℃である。好ましくは
15〜40℃である。5℃未満では結晶が粘稠になり光
学純度が充分に上がらず、60℃を越えると収率が低下
して好ましくない。
【0017】上記した方法にて結晶化した一般式(1)
で表される化合物は、一般的な濾過などの固液分離方法
にて得ることができる。該化合物の光学純度を知る方法
としてはキラルカラムを利用した液体クロマトグラフィ
ー等の分析手段にて知ることができる。
【0018】光学純度を向上させた一般式(1)で表さ
れる化合物のR1が炭素数1〜4のアシル基;ハロゲ
ン、アルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ基で置換さ
れても良いベンゾイル基;tert−ブトキシカルボニ
ル基、ベンジルオキシカルボニル基等の保護基は酸、ア
ルカリなどを用いた加水分解反応、またはR1がベンジ
ルオキシカルボニル基の場合は金属触媒を用いた水素添
加反応などの既知の技術により脱保護反応を行うことが
できる。
【0019】脱保護して得られる一般式(2)で表され
る化合物は、中和、または金属触媒を濾取し、必要に応
じて濃縮、晶析して結晶を単離すればよい。
【0020】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。本発明の式(1)で表される光学活性なカルボ
ン酸の光学純度は次の液体クロマトグラフィーの分析条
件で測定した。なお、式(1)で表される化合物はトリ
メチルシリルジアゾメタンによりメチルエステルに変換
した後測定した。 カラム : CHIRALCEL OD−H 0.46×15.24mm 移動相 : エタノール 流 速 : 0.7ml/min 温 度 : 40℃ 検出波長: 254nm
【0021】実施例1 光学純度70.0%の6−(ベンジルオキシカルボニル
アミノ)クロマン−3−酢酸129.7g(0.380
モル)を酢酸970gに50℃で溶解さた。引き続きn
−ヘキサン970gを滴下し25℃で晶析した。該化合
物を濾過、乾燥して77.8g(0.0.228モル)
の結晶を得た。該結晶77.8g(0.228モル)を
メタノール750gに溶解後、5%パラジウム−炭素
(Mタイプ、50%wet)7.8gを添加して、15
〜25℃で水素添加反応を行った。反応後、5%パラジ
ウム−炭素を濾別し6−アミノクロマン−3−酢酸のメ
タノール溶液840g[6−アミノクロマン−3−酢酸
44.9g(0.217モル)] を得た。 収 率 57.1% 光学純度 99.0%ee
【0022】実施例2 光学純度70.0%の6−(ベンジルオキシカルボニル
アミノ)クロマン−3−酢酸129.7g(0.380
モル)を酢酸970gに50℃で溶解さた。引き続き水
765gを滴下し25℃で晶析した。該化合物を濾過、
乾燥しての74.8g(0.219モル)の結晶を得
た。該結晶74.8g(0.219モル)をメタノール
725gに溶解後、5%パラジウム−炭素(Mタイプ、
50%wet)7.5gを添加して、15〜25℃で水
素添加反応を行った。 反応後、5%パラジウム−炭素
を濾別し6−アミノクロマン−3−酢酸のメタノール溶
液804g[6−アミノクロマン−3−酢酸 43.1
g(0.208モル)] を得た。 収率 54.7% 光学純度 98.5%ee
【0023】実施例3 光学純度70.0%の6−(ベンジルオキシカルボニル
アミノ)クロマン−3−酢酸129.7g(0.380
モル)を酢酸970gに50℃で溶解さた。引き続きト
ルエン970gを滴下し25℃で晶析した。該化合物を
濾過、乾燥しての72.0g(0.221モル)の結晶
を得た。該結晶72.0g(0.221モル)をメタノ
ール700gに溶解後、5%パラジウム−炭素(Mタイ
プ、50%wet)7.2gを添加して、15〜25℃
で水素添加反応を行った。 反応後、5%パラジウム−
炭素を濾別し6−アミノクロマン−3−酢酸のメタノー
ル溶液795g[6−アミノクロマン−3−酢酸 4
1.5g(0.200モル)] を得た。 収 率 52.6% 光学純度 97.8%ee
【0024】
【発明の効果】本発明の方法によれば、光学純度の低い
光学活性なクロマン−3−酢酸誘導体の光学純度を向上
させるために、高価で煩雑な光学活性カラムによる精製
をすることなく、簡便に且つ安価な方法で光学純度の低
い光学活性なクロマン−3−酢酸誘導体の光学純度を向
上させることが可能になり、工業的に価値の高い方法で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 充彦 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 福原 信裕 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)[化1] 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜4のアシル基;ハロゲン、ア
    ルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ基で置換されても
    良いベンゾイル基;tert−ブトキシカルボニル基;
    ベンジルオキシカルボニル基を示す。)で表される光学
    純度の低い光学異性体混合物を、酢酸−炭化水素溶媒、
    または酢酸−水の混合溶媒中で結晶化した後、脱保護反
    応を行うことを特徴とする一般式(2)[化2] 【化2】 で表される光学活性なカルボン酸の製造法。
JP14171298A 1998-05-22 1998-05-22 光学活性なカルボン酸の製造法 Pending JPH11335366A (ja)

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