JPH11335194A - 半導体結晶およびその製造方法ならびに製造装置 - Google Patents
半導体結晶およびその製造方法ならびに製造装置Info
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Abstract
とができる装置および方法を提供する。 【解決手段】 半導体結晶の製造装置は、両端部に開放
端を有し炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムおよび
酸化アルミニウムからなる群から選ばれるいずれか1つ
の材料からなる反応管、または、炭化珪素、窒化珪素、
窒化アルミニウム、窒化硼素、酸化アルミニウム、酸化
マグネシウム、ムライトおよびカーボンからなる群から
選ばれるいずれか1つの材料を基材としその表面に耐酸
化性または気密性の膜を形成した複合材からなる反応管
1と、反応管1の周囲であって大気圧雰囲気下に配設さ
れたカンタルヒータ3と、反応管1を密閉するように開
放端に取付けられるフランジ9と、反応管1内に設置さ
れた半導体結晶の原料を収容するための坩堝2とを備え
る。坩堝2内に収容された原料を加熱融解して原料融液
60を形成した後固化し、半導体結晶50を育成する。
Description
その製造方法ならびに製造装置に関するものであり、特
に、光デバイス、電子デバイス等に利用されるGaAs
基板等を製造するための半導体結晶およびその製造方法
ならびに製造装置に関するものである。
晶は、工業的には、引上げ法(LEC法)、横型ボート
法(HB法、HGF法)、縦型ボート法(VB法、VG
F法)によって製造される。特に、引上げ法や縦型ボー
ト法は、得られる結晶の断面が基板と同じ円形であるた
め歩留りが向上することや、製造される結晶の対称性に
より大口径化が容易であることから、単結晶の製造方法
として、横型ボート法よりも有利な点が多い。
は、ステンレス製の高圧容器内にカーボンヒータおよび
原料融液を収容する坩堝を設置したものがある。このよ
うな装置は、LEC法、VB法またはVGF法等に用い
られる。
を用いた装置の一例であって、引上げ法に用いられる半
導体結晶の製造装置の一例の概略構成を示す断面図であ
る。
テンレス製高圧容器11内に、下軸4により支持された
坩堝2と、カーボンヒータ3とを備えている。カーボン
ヒータ3とステンレス製高圧容器11との間には、カー
ボンヒータ3の加熱によるステンレス製高圧容器11の
損傷を防止するため、断熱材5が介在されている。
際には、まず、坩堝2内にGaAs原料を充填し、カー
ボンヒータ3により加熱して原料融液60を作製する。
原料融液60からのAsの蒸発を防止するため、原料融
液60の表面を液体封止材70で封止し、先端に種結晶
55を取付けた引上げ軸14で矢印の方向に引上げなが
ら、高圧雰囲気下で結晶成長を行なう。このようにし
て、GaAs単結晶50が得られる。
置の他の例であって、VB法またはVGF法等の縦型ボ
ート法に用いられる半導体結晶の製造装置の一例の概略
構成を示す断面図である。
堝2の下部に種結晶55を設置しておき、下軸4を矢印
のように下方へ移動させたり、温度分布を移動させるこ
とにより、種結晶55から上方へ順に原料融液60を固
化させて、結晶成長を行なう。なお、他の構成について
は、図5に示す装置と同様であるので、その説明は省略
する。
英アンプル内に、原料融液を収容する坩堝またはボート
を封入し、アンプルの外側から加熱するものがある。こ
の装置は、HB法、HGF法等の横型ボート法や、VB
法、VGF法等の縦型ボート法に用いられる。
装置の一例の概略構成を示す断面図である。
英アンプル21内に坩堝2が封入され、アンプル21の
外側にはカンタル等のヒータ3を備えている。石英アン
プル21は下軸4により支持され、下軸4を矢印のよう
に下方へ移動させたり、温度分布を移動させることによ
り、結晶成長を行なう。
の合成方法としては、坩堝に入れたGaと、坩堝外のA
sソースの温度を制御して発生させたAs蒸気とを反応
させる方法(以下「Asインジェクション法」という)
と、GaとAsを同時に坩堝内にチャージして昇温し、
一気に反応させる方法とがある。いずれの方法も高圧容
器内で液体封止下で行なわれるが、特に、後者の方法
は、Asの蒸気圧が非常に高くなるため、数10気圧も
の高圧を必要とする。
て合成した原料を冷却することにより行なわれる。一
方、単結晶の製造は、一旦作製した多結晶を原料として
坩堝にチャージして行なう方法と、原料合成後引続いて
単結晶の育成を行なう方法とがある。
高くなるのに伴い、半導体結晶の大型化が必要となる。
化合物半導体結晶の場合、現在、直径4インチのGaA
s結晶が実用化されている。さらに、このような化合物
半導体結晶を大型化する必要性は高くなっており、その
ための種々の研究開発がなされている。しかしながら、
大型の化合物半導体結晶の量産には多くの制限があり、
4インチを超える大型の化合物半導体結晶の製造につい
ては実用化に至っていない。
示すステンレス製高圧容器を用いた場合には、ヒータと
ステンレス容器との間に断熱層を挿入しなければなら
ず、必然的に設備の大きさが大きくなってしまい、設備
コストが高くつくという問題点があった。
ヒータとしてカーボンを用いている。GaAsの融点は
1238℃であるから、原料融液を作製する際には約1
300℃の高温に加熱する必要がある。ここで、カーボ
ンの蒸気圧は1300℃程度の高温においても小さい。
したがって、カーボンはヒータとして用いるのに適した
材料である。しかしながら、GaAs半導体単結晶の製
造では、カーボンが電気的に活性な元素である。そのた
め、高品質な単結晶を得るためにはカーボンの濃度を制
御する必要がある。ここで、上述のような図5または図
6に示すステンレス製高圧容器を用いた方法の場合に
は、カーボンと合成されるGaAsとが同じ空間の中に
あるので、含有量の制御をするために種々の工夫が必要
となる。その結果、設備コストが高くついてしまうとい
う問題があった。
ルを用いた場合には、アンプルの変形または割れが発生
するおそれがあるため、原料を大量にチャージして大型
の結晶を製造することが困難であるという問題があっ
た。また、アンプルを封止するため、原料のその場合成
ができず、Asインジェクション法に適用できないとい
う問題があった。さらに、アンプルを封止後は、雰囲気
ガスの制御ができないという問題があった。
は、炭化珪素を半導体の熱処理炉に用いる例が記載され
ている。しかしながら、このような装置を単結晶の成長
に用いた場合の効果については何ら開示がされていな
い。
は、装置全体をステンレス製の容器に入れてGaAs等
の半導体単結晶を引上げ法によって成長させる装置が記
載されている。この装置の特徴は、炭化珪素製の容器が
高温にさらされるため、耐熱性のシール材として固体ガ
スケットを利用する点にある。しかしながら、耐熱性の
シール材は、気密性が悪く、内外圧力差を十分につける
ことができない。
は、炭化珪素を坩堝として用いる例が記載されている。
しかしながら、炭化珪素を反応管として用いることにつ
いては、何ら開示されていない。
りとともに、6インチ以上の大型のGaAs半導体単結
晶の要求が強まっている。一方、より低コストでかつ高
品質の半導体結晶が求められている。
決し、高品質でかつ大型という2つの要求を満足し得る
GaAs等の半導体結晶およびこれを用いた半導体結晶
基板を提供することにある。また、本発明の目的はさら
に、このような半導体結晶を、低コストで製造すること
ができる製造方法および製造装置を提供することにあ
る。
導体結晶の製造装置は、少なくとも一方端部に開放端を
有し、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムおよび酸
化アルミニウムからなる群から選ばれるいずれか1つの
材料からなる反応管、または、炭化珪素、窒化珪素、窒
化アルミニウム、窒化硼素、酸化アルミニウム、酸化マ
グネシウム、ムライトおよびカーボンからなる群から選
ばれるいずれか1つの材料を基材としその表面に耐酸化
性または気密性の膜を形成した複合材からなる反応管
と、反応管の周囲であって、大気圧雰囲気下に配設され
た加熱手段と、反応管を密閉するように、開放端に取付
けられるフランジと、反応管内に設置された、半導体結
晶の原料を収容するための坩堝と、を備えている。
とは、酸化アルミニウムと酸化珪素との混合物をいう。
ては、たとえば、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、または酸化珪素からなる薄膜等
が挙げられ、これらの膜は、基材の上にコーティングに
より形成することができる。
は、たとえば、グラファイト等のカーボンからなる基材
の表面に、上述した耐酸化性または気密性の膜をコーテ
ィングにより形成したものや、炭化珪素からなる基材の
表面を酸化させたもの、またはその表面に酸化珪素から
なる薄膜をコーティングにより形成することにより耐酸
化性を向上させたもの等が挙げられる。
置は、少なくとも一方端部に開放端を有し、炭化珪素、
窒化珪素、窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムか
らなる群から選ばれるいずれか1つの材料からなる反応
管、または、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、
窒化硼素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムラ
イトおよびカーボンからなる群から選ばれるいずれか1
つの材料を基材としその表面に耐酸化性または気密性の
膜を形成した複合材からなる反応管と、反応管の周囲で
あって、大気圧雰囲気下に配設された加熱手段と、反応
管を密閉するように、開放端に取付けられるフランジ
と、反応管内に設置された、半導体結晶の原料を収容す
るための坩堝と、フランジと反応管の開放端との接続部
を封止するための封止部材と、封止部材による封止機能
を維持できるように、フランジと反応管の開放端との接
続部の温度を維持するための封止維持手段と、を備えて
いる。
半導体結晶には、たとえばGaAs、CdTe、InA
s、GaSb等の化合物半導体の他、シリコン半導体、
ゲルマニウム半導体等も広く含まれるものとする。ま
た、半導体結晶には、単結晶および多結晶が含まれるも
のとする。
置は、請求項2の発明の構成において、封止維持手段
は、反応管の加熱手段による加熱部と、フランジと反応
管の開放端との接続部との間に、断熱材を設けることを
含む。
置は、請求項2の発明の構成において、封止維持手段
は、フランジに取付けられたジャケット内に、冷却水を
循環することを含む。
置は、請求項2の発明の構成において、封止維持手段
は、フランジと反応管の開放端との接続部を空冷するこ
とを含む。
置は、請求項2の発明の構成に加えて、フランジを介し
て坩堝に連結される軸部材をさらに備えている。
置は、請求項6の発明の構成において、反応管は縦方向
に配置されて用いられ、軸部材は反応管内部に設置され
た坩堝を上下に移動可能である。
置は、請求項2の発明の構成に加えて、フランジを介し
て坩堝付近に少なくとも1ケ以上の温度測定手段を備え
ている。
置は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明の構
成において、半導体結晶はGaAs結晶である。
装置は、請求項9の発明の構成において、反応管の内部
の圧力は大気圧より高くなるように維持され、反応管の
外部の圧力は大気圧になっている。
装置は、請求項9の発明の構成において、反応管内に半
導体結晶の第2の原料を収容するためのリザーバをさら
に備え、リザーバは、坩堝内に第2の原料の気体を導入
するためのパイプを有する。
装置は、請求項11の発明の構成において、坩堝内に収
容する原料はGaであり、リザーバに収容する第2の原
料はAsである。
方法は、少なくとも一方端部に開放端を有し、炭化珪
素、窒化珪素、窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウ
ムからなる群から選ばれるいずれか1つの材料からなる
反応管、または、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウ
ム、窒化硼素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、
ムライトおよびカーボンからなる群から選ばれるいずれ
か1つの材料を基材としその表面に耐酸化性または気密
性の膜を形成した複合材からなる反応管中に、半導体結
晶の原料を収容した坩堝を設置するステップと、開放端
にフランジを取付けて反応管を密閉するステップと、反
応管内を不活性ガス雰囲気に保つステップと、反応管の
周囲であって、大気圧雰囲気下に配設された加熱手段に
より、原料融液を形成するステップと、原料融液を固化
させることにより、半導体結晶を育成するステップと、
を備えている。
方法は、請求項13の発明の構成において、半導体結晶
はGaAs結晶であり、反応管中に半導体結晶の原料を
収容した坩堝を設置するステップは、坩堝内にGaを充
填ステップと、パイプを有するリザーバ内にAsを充填
するステップと、Gaを充填した坩堝とAsを充填した
リザーバとを反応管中に設置するステップと、を含み、
原料融液を形成するステップは、坩堝内に充填したGa
を加熱手段によりGaAsの融点以上の温度まで加熱す
るステップと、リザーバ内に充填したAsを加熱手段に
より加熱して気化し、As蒸気を形成するステップと、
形成されたAs蒸気をパイプを介してGa中に導入し、
坩堝内にGaAs融液を形成するステップと、を含んで
いる。
方法は、請求項13または請求項14の発明の構成にお
いて、半導体結晶を育成するステップは、VB法、VG
F法および引上げ法からなる群から選ばれるいずれかの
結晶成長法を用いている。
合物からなる半導体結晶であって、直径が6インチ以上
であり、平均転位密度が1×104 cm-2以下であるこ
とを特徴としている。
は、化合物からなる半導体結晶基板であって、直径が6
インチ以上であり、平均転位密度が1×104 cm-2以
下であることを特徴としている。
度」とは、結晶から切出した基板をエッチングし、エッ
チピット密度として評価したときの転位密度の面内の平
均値をいう。
転位密度が1×104 cm-2以下である」とは、結晶の
いずれの位置から切出した6インチ径以上の基板につい
ても、その平均転位密度が1×104 cm-2以下である
ことをいう。
前述したように、引上げ法(LEC法)と縦型ボート法
(VB法)とに大別される。本願発明の方法は、このい
ずれにも用いることができる。すなわち、以下の実施の
形態1ではVB法の一例を示し、実施の形態3ではLE
C法の一例を示す。また、本発明は、単に半導体多結晶
の製造に用いられるだけでなく、その原料となるGaA
s多結晶等の半導体材料を合成する目的でも使用でき
る。たとえば、実施の形態2で得られたGaAs多結晶
体を粉砕したものを、実施の形態1または実施の形態3
において原料として使用することができる。なお、実施
の形態1および実施の形態3では種結晶が用いられてい
るが、実施の形態2では種結晶が用いられていない。
のは、VB法によって半導体単結晶を成長させた場合で
ある。本願発明によれば、直径が6インチ以上の大きさ
をもっており、かつ、平均転位密度が1×104 cm-2
以下の半導体結晶が容易に得られる。さらに冷却方法な
どをコントロールすることにより、平均転位密度が1〜
5×103 cm-2程度の半導体結晶を成長することもで
きる。このような低転位密度であれば、電気特性を均一
化することができる。
濃度が3×1016cm-3以下、好ましくは1×1016c
m-3以下の半導体結晶を成長させることもできる。ホウ
素(B)は、イオン注入後の活性化率を低下すると言わ
れている。したがって、ホウ素(B)の濃度を低下させ
ることにより、デバイス特性を改善することができる。
の発生が少ないため、残留歪みが少ない。そのため、サ
イズが大きくなった場合でも、500〜700μmの薄
さで実用に耐える十分な強度を有している。光弾性法で
測定した基板の平均残留歪みは、1×10-5以下であ
る。
ゴットとしてみたとき、長さ方向におけるカーボン濃度
分布の傾斜が極めて小さいという特徴を有している。す
なわち、反応管内のCOガス濃度を制御することによ
り、長さ方向にわたり、炭素(C)濃度分布を均一にす
ることができる。本願発明によれば、直径が6インチ以
上であって、平均転位密度が1×104 cm-2以下であ
り、固化率0.1〜0.8の領域にわたり、炭素濃度が
目標値に対して±50%以内に制御されている化合物半
導体単結晶インゴットを得ることができる。すなわち、
例えば炭素濃度を1×1015cm-3に設定した場合、実
際に得られた結晶の炭素濃度は、その全長にわたってバ
ラツキが設定値に対して±50%以内に制御されてい
る。したがって、このインゴットから基板を切出したと
きの歩留りが向上するという効果を有する。このように
本発明によって炭素濃度のバラツキを小さくすることが
できるのは、反応管内のCOガス濃度を、成長を通して
精密に制御することができるためである。この効果は、
反応管の材質をカーボンを含まないものにするか、カー
ボンを含まない材質でコーティングされたものを利用す
ることにより、より有効になる。さらに、後述のよう
に、本発明によれば、従来の高圧チャンバによる結晶成
長の場合のようにカーボンヒータを用いない。そのた
め、反応管内をカーボンフリーの状態にして結晶成長さ
せることができるため、炭素濃度分布を均一にすること
ができる。
の半導体結晶の製造の例を示すが、本願発明は、8イン
チなどのさらに大きなサイズの半導体結晶の製造の場合
にも適用できる。
形態1の半導体結晶の製造装置の概略構成を示す断面図
である。
0mm、厚さが3mmで、両端部に開放端を有する炭化
珪素製反応管1と、炭化珪素製反応管1の周囲の大気圧
雰囲気下に配設された、ゾーン数が5個のカンタルヒー
タ3とを備えている。
うに、ヒータの外側をシールしていない点にある。従来
のLEC法では、前述の特開平2−233578号公報
に示すように、高圧チャンバ内での結晶成長が必要であ
るため、反応性の低いカーボンヒータを用いていた。こ
れに対して、この実施の形態1では、反応管の外側の大
気中にヒータが設けられるため、コストの低い鉄系等の
ヒータを用いることができる。この種のヒータは容易に
多段ゾーン化することができるため、非常に温度制御性
のよい温度分布を形成することができる。さらに、カー
ボンヒータを用いない場合、炭化珪素製反応管内をカー
ボンフリーの状態にして結晶成長ができるため、結晶中
の炭素濃度のバラツキを小さくすることもできる。
ンレス製のフランジ9が取付けられている。
製フランジ9との接続部分を拡大して示す部分断面図で
ある。
テンレス製フランジ9との接続部分は、ウィルソンシー
ル構造からなり、パッキン12が介在され、気密性が確
保されるようになっている。なお、パッキン12として
は、オーリング等の弾性体が用いられ、具体的にはゴム
の他、フッ素樹脂等を用いることができる。パッキン1
2として使用できる材料の選択性が広いのは、図2に示
すように、ウィルソンシール構造では、パッキン12は
炭化珪素製反応管1よりも外側に存在するため、パッキ
ン12の材料が反応管1内で成長する半導体結晶中に不
純物として混入するおそれがないからである。
ステンレス製フランジ9との接続部分のシール部は、低
温部に設けられている。そのため、気密性に優れたゴ
ム、フッ素樹脂等の材料をシール材として用いることが
できるため、炭化珪素製反応管1の内外圧力差を十分に
大きくとることができる。
られ、そのジャケット内に冷却水を循環することによ
り、炭化珪素製反応管1とフランジ9との接続部を冷却
して、ヒータ3による加熱の際にも気密性が維持できる
ように構成されている。
部の気密性を維持するためには、このようなジャケット
を用いる他、たとえば接続部を強制的に空冷するか、反
応管と接続部の距離を十分離して、雰囲気で空冷するこ
ともできる。
フランジ9には、排気管挿入用ポート16と、ガス導入
管挿入用ポート17とが形成されている。排気管挿入用
ポート16には炭化珪素製反応管1内部を真空に排気す
るための排気管18が挿入され、また、ガス導入管挿入
用ポート17には、炭化珪素製反応管1内部へガスを導
入するためのガス導入管19が挿入されている。
られたフランジ9の中心には、上下動が可能な下軸4が
貫通して設置され、下軸4の先端には、半導体結晶の原
料を収容するための坩堝2が載置されている。また、炭
化珪素製反応管1の下部に取付けられたフランジ9に
は、熱電対挿入用ポート15が形成されている。熱電対
挿入用ポート15には、坩堝2の側面付近の温度を測定
するための熱電対13が挿入されている。上部フランジ
に熱電対ポートを設け、上方から坩堝内部に熱電対を挿
入することもできる。熱電対は下軸内部を通すことによ
り、坩堝底部の温度を測定してもよい。なお、温度測定
手段として、熱電対の他に、放射温度計を利用すること
もできる。
置を用いて、以下のように、VB法により、6インチ径
のGaAs単結晶を製造する。
径の坩堝2の下端のキャプ部に、GaAs単結晶からな
る種結晶を入れる。次に、坩堝2内に、20kgのGa
As多結晶原料と、原料融液60表面を封止するための
300gのB2 O3 70をチャージする。
し、フランジ9を取付けて密封する。続いて、排気管1
8を用いて、炭化珪素製反応管1内を真空に排気した
後、カンタルヒータ3により昇温を行なう。昇温の途中
で、ガス導入管19を用いて炭化珪素製反応管1内に窒
素ガスを導入し、昇温完了時に炭化珪素製反応管1内の
圧力が約2気圧になるように調整する。
As多結晶原料を融解して原料融液60を形成する。種
結晶の温度がGaAsの融点である1238℃付近にな
るように、また、坩堝2の側面の温度が約1250℃に
なるように調整した後、下軸4を2mm/時間の速度で
矢印のように下方へ移動させる。
た種結晶から上方へ順に原料融液60を固化させること
により、GaAs単結晶50を成長する。
形態2の半導体結晶の製造装置の概略構成を示す断面図
である。反応管は窒化アルミニウムからなる。
熱材8が介在されることにより、ゾーン数が5個のカン
タルヒータ3が、断熱材8より上側の1ゾーンと下側の
4ゾーンとに分割されている。また、窒化アルミニウム
製反応管1の内部にも、ヒータの間に介在された断熱材
8と同じ高さのところに、断熱材8が設置されている。
より下側には、坩堝2が設置されている。一方、窒化ア
ルミニウム製反応管1内の断熱材8より上側には、リザ
ーバ6が設置されている。このリザーバ6には、パイプ
7が接続され、このパイプ7は坩堝2の内部にチャージ
された原料融液60にまで達するように構成されてい
る。
施の形態1の製造装置と全く同様であるので、その説明
は省略する。
置を用いて、以下のように、VB法により、6インチ径
のGaAs多結晶を製造する。
径のpBN製坩堝2内に、14.5kgの高純度の液体
Gaと、原料融液60表面を封止するための300gの
B2O3 70をチャージする。また、断熱材8の上に設
置されたリザーバ6内に、15.5kgの高純度のAs
80をチャージする。リザーバ6に接続されたパイプ7
が、断熱材8に設けられた孔を通してその先端が液体G
a60中に達するように、リザーバ6と坩堝2の位置を
調整する。これを窒化アルミニウム製反応管1内に設置
し、フランジ9を取付けて密封する。
ニウム製反応管1内を真空に排気した後、カンタルヒー
タ3により昇温を行なう。この際、坩堝2の側面に設置
した熱電対13の温度が約1250℃になるように調整
する。一方、リザーバ6内の温度は500℃以下に維持
するように調整する。また、昇温の途中で、ガス導入管
19を用いて窒化アルミニウム製反応管1内に窒素ガス
を導入し、昇温完了時に窒化アルミニウム製反応管1内
の圧力が約2気圧になるように調整する。
で上昇させてAs蒸気を発生させ、パイプ7を通じてA
s蒸気を液体Ga中に注入して反応させることにより、
坩堝2内にGaAs融液60を作製する。
底部の温度がGaAsの融点である1238℃付近にな
るように調整した後、下軸を10mm/時間の速度で矢
印のように下方へ移動させる。
融液60を固化させることにより、GaAs多結晶50
を成長する。
形態3の半導体結晶の製造装置の概略構成を示す断面図
である。反応管は酸化アルミニウムからなる。
上げ法に用いられるものであり、両端部に開放端を有す
る酸化アルミニウム製反応管1と、酸化アルミニウム製
反応管1の周囲に配設されたヒータ3とを備えている。
酸化アルミニウム製反応管1の両開放端には、フランジ
9が取付けられる。
けられたフランジ9の中心には、下軸4が貫通して設置
され、下軸4の先端には、坩堝2が載置されている。一
方、酸化アルミニウム製反応管1の上部に取付けられた
フランジ9の中心には、上下動が可能な引上げ軸14が
貫通して設置されており、この引上げ軸14を矢印の方
向に引上げながら結晶成長を行なう。
も両端部に開放端を有する酸化アルミニウム製反応管を
備える装置の例を示したが、酸化アルミニウム製反応管
の開放端は、引上げ法を用いる場合を除いて少なくとも
一方端部にのみ形成されていればよい。
または引上げ法に用いられる製造装置および製造方法の
例のみを示したが、本願発明は、VGF法等の縦型ボー
ト法や、HB法、HGF法等の横型ボート法による半導
体結晶の製造にも適用される。
As結晶の製造についてのみ説明したが、本願発明は、
GaAs結晶の他にCdTe結晶、InAs結晶、Ga
Sb結晶等の化合物半導体結晶や、シリコン半導体結
晶、ゲルマニウム半導体結晶にも適用できる。
ルミニウム製反応管を例にとって説明したが、反応管と
しては酸化アルミニウム単体からなるものの他、窒化珪
素、窒化アルミニウムまたは炭化珪素の単体からなるも
のや、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼
素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライトま
たはカーボンを基材とし、その表面に耐酸化性または気
密性の膜を形成した複合材からなるもの等を用いること
もできる。
て、炭化珪素製反応管を用いて、VB法により実際に直
径が6インチのGaAs結晶を製造した。その結果、長
さが25cmの単結晶が得られた。得られた結晶は転位
密度が低く、成長中の反応管内のCOガス濃度が制御さ
れていたため、炭素濃度のバラツキも小さく、高品質で
あった。
を6回行なったときの平均歩留りは50%であった。こ
のことから、ステンレス製の高圧容器を備えた従来の装
置と、本実施例の炭化珪素製反応管を備えた装置との価
格差を考慮すると、本実施例によって、GaAs単結晶
の製造コストはステンレス製高圧容器を用いた場合に比
べ約20%低減できることがわかった。
て、窒化アルミニウム製反応管を用いて、実際に直径が
6インチのGaAs結晶を製造した。その結果、約30
kgのGaAs多結晶が得られた。得られた多結晶の純
度分析を行なったところ、マトリックス元素および炭素
とホウ素以外は検出限界以下であり、非常に高品質であ
った。
製の高圧容器を備えた装置を用いて成長した結晶の品質
と比べて、特に差は見られなかった。ステンレス製の高
圧容器を備えた従来の装置と本実施例の窒化アルミニウ
ム製反応管を備えた装置との価格差を考慮すると、本実
施例によって、GaAs多結晶の製造コストは約30%
低減できることがわかった。
て、酸化アルミニウム製反応管を用いて、LEC法によ
り実際に直径が6インチのGaAs結晶を製造した。
防止するため、温度勾配を大きくする必要がある。その
結果、得られた結晶の平均転位密度および残留歪の値
は、実施例1で得られた結晶よりも大きくなった。
ーン数を容易に増やすことができるため、温度分布の制
御性に優れている。その結果、結晶成長の後半における
多結晶の発生を防止することができ、後述する比較例1
よりも単結晶長が長くなった。
より、直径が6インチのGaAs結晶を製造した。
けを防止するため温度勾配を大きくする必要がある結
果、得られた結晶の平均転位密度および残留歪の値は、
実施例1で得られた結晶よりも大きくなった。
ヒータのゾーン数をあまり増やすことができないため、
温度分布の制御性に限界がある。その結果、結晶成長の
後半における多結晶の発生を防止することができず、実
施例3と比較して単結晶長が短くなってしまった。
B法により、直径が6インチのGaAs結晶を製造し
た。
数をあまり増やすことができないため、温度分布の制御
性に限界がある結果、結晶成長の後半における多結晶の
発生を防止することができず、実施例1と比較して単結
晶長が短くなってしまった。
ータ、断熱材等のカーボン製部品が存在する環境の低圧
力下で結晶成長が行なわれる。その結果、実施例1〜3
と比較して、得られた結晶のC濃度(カーボン濃度)お
よびB濃度(ホウ素濃度)が高くなった。
ル封入VB法により、直径が4インチのGaAs結晶を
成長した。
は、結晶成長中に石英アンプル内のカーボン濃度を制御
することができない。その結果、カーボン濃度の均一性
が悪かった。
め、直径が6インチの結晶を成長させることはできなか
った。
び比較例1〜3の結果を、以下の表1に示す。
なる反応管を利用して、N2 ガス圧力2atmで、Si
ドープGaAsをVGF法により成長した。その結果、
3インチ径で20cm長の単結晶が得られた。
晶全般にわたり、Si以外のカーボンを含むすべての不
純物濃度が5×1014cm-3以下となり、非常に高純度
であることがわかった。
表面に炭化珪素を50μm厚でコーティングした複合材
からなる反応管を利用して、N2 ガス圧力1.2atm
でアンドープGaAsをVGF法により成長した。な
お、反応管は、到達真空度が1×10-2torr以下を
達成し、気密性は十分であることを確認した。その結
果、3インチ径で30cm長の単結晶が得られた。
晶全域にわたり、カーボン濃度は1〜2×1015c
m-3、他の不純物濃度は5×1014cm-3以下で、比抵
抗が1〜3×107 Ωcmとなり、非常に半絶縁特性の
良好なGaAs結晶であることがわかった。
からなる基材の表面に高純度な酸化アルミニウムを10
0μm厚でコーティングした複合材からなる反応管を利
用して、Arガス圧力1.5atmでSiドープGaA
sをVGF法により成長した。なお、反応管は、到達真
空度が1×10-3torr以下を達成し、気密性は十分
であることを確認した。その結果、3インチ径で15c
m長の単結晶が得られた。
晶全域にわたり、Si以外のカーボン濃度を含むすべて
の不純物濃度は5×1014cm-3以下となり、非常に高
純度であることがわかった。
導体結晶の製造装置は、炭化珪素、窒化珪素、窒化アル
ミニウムおよび酸化アルミニウムからなる群から選ばれ
るいずれか1つの材料からなる反応管、または、炭化珪
素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素、酸化アル
ミニウム、酸化マグネシウム、ムライトおよびカーボン
からなる群から選ばれるいずれか1つの材料を基材とし
その表面に耐酸化性または気密性の膜を形成した複合材
からなる反応管を備えている。そのため、従来の石英ア
ンプルを用いた場合のように、反応管の変形または割れ
が発生するおそれがなく、原料を大量にチャージして大
型の結晶を製造することが可能となる。
合は、従来のステンレス製高圧容器と比較して安価であ
るため、この発明によれば、半導体結晶の製造における
設備コストを大幅に低減することが可能となる。
ミニウムからなる反応管、酸化アルミニウムからなる反
応管、または、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼
素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライト等
のカーボンを含んでいない基材からなる反応管を用いた
場合、半導体材料にカーボンが混入することを防止する
ことができる。その結果、半導体材料の高純度化を達成
することができる。
なカーボン材料や、気密性のないポーラス状の酸化アル
ミニウムやムライト等の材料からなる基材を用いた場合
でも、表面を耐酸化性または気密性のよい材料でコーテ
ィングすることによって、反応管の変形または割れの発
生を有効に防止することができる。これらの基材となる
材料は、非常に安価であるため、この発明によれば、半
導体結晶を低コストで得ることができる。
ーボンを含む基材を用いる場合でも、表面をカーボンを
含まない材料でコーティングすることによって、半導体
材料にカーボンが混入することを防止することができ
る。また、ムライトのような低純度な基材を用いる場合
でも、表面を純度の高い材料でコーティングすることに
よって、半導体結晶の高純度化を達成することができ
る。
くとも一方端部に開放端を有し、この開放端にはフラン
ジが取付けられる。そのため、従来の石英アンプルを用
いた場合と異なり、反応管を繰返して使用することが可
能となる。その結果、製造コストを低減することが可能
となる。
測定手段を設けているため、再現性の高い結晶成長を行
なうことができる。
止する場合と異なり、原料のその場合成が可能となり、
Asインジェクション法への適用も可能となる。また、
アンプルを封止する場合と異なり、反応管内の雰囲気ガ
ス分圧のその場制御も可能となり、不純物濃度の調整が
容易となる。
るカーボン濃度分布の傾斜が極めて小さい半導体単結晶
が得られる。
径が6インチ以上であって、平均転位密度が1×104
cm-2以下であり、欠陥密度が極めて低い。
の概略構成を示す断面図である。
の接続部分を拡大して示す部分断面図である。
の概略構成を示す断面図である。
の概略構成を示す断面図である。
晶の製造装置の一例の概略構成を示す断面図である。
晶の製造装置の他の例の概略構成を示す断面図である。
装置の一例の概略構成を示す断面図である。
Claims (17)
- 【請求項1】 半導体結晶の製造装置であって、 少なくとも一方端部に開放端を有し、炭化珪素、窒化珪
素、窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムからなる
群から選ばれるいずれか1つの材料からなる反応管、ま
たは、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼
素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライトお
よびカーボンからなる群から選ばれるいずれか1つの材
料を基材としその表面に耐酸化性または気密性の膜を形
成した複合材からなる反応管と、 前記反応管の周囲であって、大気圧雰囲気下に配設され
た加熱手段と、 前記反応管を密閉するように、前記開放端に取付けられ
るフランジと、 前記反応管内に設置された、前記半導体結晶の原料を収
容するための坩堝と、を備えた、半導体結晶の製造装
置。 - 【請求項2】 半導体結晶の製造装置であって、 少なくとも一方端部に開放端を有し、炭化珪素、窒化珪
素、窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムからなる
群から選ばれるいずれか1つの材料からなる反応管、ま
たは、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼
素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライトお
よびカーボンからなる群から選ばれるいずれか1つの材
料を基材としその表面に耐酸化性または気密性の膜を形
成した複合材からなる反応管と、 前記反応管の周囲であって、大気圧雰囲気下に配設され
た加熱手段と、 前記反応管を密閉するように、前記開放端に取付けられ
るフランジと、 前記反応管内に設置された、前記半導体結晶の原料を収
容するための坩堝と、 前記フランジと前記反応管の開放端との接続部を封止す
るための封止部材と、 前記封止部材による封止機能を維持できるように、前記
フランジと前記反応管の開放端との接続部の温度を維持
するための封止維持手段と、 を備えた、半導体結晶の製造装置。 - 【請求項3】 前記封止維持手段は、 前記反応管の前記加熱手段による加熱部と、前記フラン
ジと反応管の開放端との接続部との間に、断熱材を設け
ることを含む、請求項2記載の半導体結晶の製造装置。 - 【請求項4】 前記封止維持手段は、 前記フランジに取付けられたジャケット内に、冷却水を
循環することを含む、請求項2記載の半導体結晶の製造
装置。 - 【請求項5】 前記封止維持手段は、 前記フランジと反応管の開放端との接続部を空冷するこ
とを含む、請求項2記載の半導体結晶の製造装置。 - 【請求項6】 前記フランジを介して前記坩堝に連結さ
れる軸部材をさらに備える、請求項2記載の半導体結晶
の製造装置。 - 【請求項7】 前記反応管は、縦方向に配置されて用い
られ、 前記軸部材は、前記反応管内部に設置された前記坩堝を
上下に移動可能である、請求項6記載の半導体結晶の製
造装置。 - 【請求項8】 前記フランジを介して、前記坩堝付近に
少なくとも1ケ以上の温度測定手段を有する、請求項2
記載の半導体結晶の製造装置。 - 【請求項9】 前記半導体結晶は、GaAs結晶であ
る、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の半導体結晶
の製造装置。 - 【請求項10】 前記反応管の内部の圧力は大気圧より
高くなるように維持され、 前記反応管の外部の圧力は大気圧になっている、請求項
9記載の半導体結晶の製造装置。 - 【請求項11】 前記反応管内に、前記半導体結晶の第
2の原料を収容するためのリザーバをさらに備え、 前記リザーバは、前記坩堝内に前記第2の原料の気体を
導入するためのパイプを有する、請求項9記載の半導体
結晶の製造装置。 - 【請求項12】 前記坩堝内に収容する原料はGaであ
り、前記リザーバに収容する第2の原料はAsである、
請求項11記載の半導体結晶の製造装置。 - 【請求項13】 半導体結晶の製造方法であって、 少なくとも一方端部に開放端を有し、炭化珪素、窒化珪
素、窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムからなる
群から選ばれるいずれか1つの材料からなる反応管、ま
たは、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼
素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライトお
よびカーボンからなる群から選ばれるいずれか1つの材
料を基材としその表面に耐酸化性または気密性の膜を形
成した複合材からなる反応管中に、前記半導体結晶の原
料を収容した坩堝を設置するステップと、 前記開放端にフランジを取付けて前記反応管を密閉する
ステップと、 前記反応管内を不活性ガス雰囲気に保つステップと、 前記反応管の周囲であって、大気圧雰囲気下に配設され
た加熱手段により、原料融液を形成するステップと、 前記原料融液を固化させることにより、前記半導体結晶
を育成するステップと、 を備える、半導体結晶の製造方法。 - 【請求項14】 前記半導体結晶はGaAs結晶であ
り、 前記反応管中に半導体結晶の原料を収容した坩堝を設置
するステップは、 前記坩堝内にGaを充填ステップと、 パイプを有するリザーバ内にAsを充填するステップ
と、 前記Gaを充填した坩堝と、前記Asを充填したリザー
バとを、前記反応管中に設置するステップと、 を含み、 前記原料融液を形成するステップは、 前記坩堝内に充填したGaを前記加熱手段によりGaA
sの融点以上の温度まで加熱するステップと、 前記リザーバ内に充填したAsを前記加熱手段により加
熱して気化し、As蒸気を形成するステップと、 前記形成されたAs蒸気を前記パイプを介して前記Ga
中に導入し、前記坩堝内にGaAs融液を形成するステ
ップと、 を含む、請求項13記載の半導体結晶の製造方法。 - 【請求項15】 前記半導体結晶を育成するステップ
は、 VB法、VGF法および引上げ法からなる群から選ばれ
るいずれかの結晶成長法を用いる、請求項13または請
求項14記載の半導体結晶の製造方法。 - 【請求項16】 化合物からなる半導体結晶であって、
直径が6インチ以上であり、平均転位密度が1×104
cm-2以下であることを特徴とする、半導体結晶。 - 【請求項17】 化合物からなる半導体結晶基板であっ
て、直径が6インチ以上であり、平均転位密度が1×1
04 cm-2以下であることを特徴とする、半導体結晶基
板。
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