JPH11334006A - 積層ポリアミドフィルム - Google Patents

積層ポリアミドフィルム

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JPH11334006A
JPH11334006A JP14555898A JP14555898A JPH11334006A JP H11334006 A JPH11334006 A JP H11334006A JP 14555898 A JP14555898 A JP 14555898A JP 14555898 A JP14555898 A JP 14555898A JP H11334006 A JPH11334006 A JP H11334006A
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真純 巖西
Chikao Morishige
地加男 森重
Masanori Sugimoto
正規 杉本
Masayoshi Sato
昌由 佐藤
Shigeru Yoneda
茂 米田
Haruo Okudaira
晴男 奥平
Tsutomu Miko
勉 御子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高湿度下での易滑性や熱水処理時の耐カール
性、寸法安定性に優れたポリアミド系フィルムを提供す
ること。 【解決手段】 表面層がSM60〜99%と脂肪族リア
ミドからなり、中間層がSM0〜15%と脂肪族ポリア
ミドからなる3層構成の積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリアミド系
積層フィルムに関し特に高湿度環境下での取り扱い作業
性に優れた易滑透明なフィルムであって、食品等の包装
に使用されたときに強靱で耐ピンホール性に優れ、かつ
高湿下での滑り性や熱水処理時の耐カール性、寸法安定
性に優れたポリアミド系樹脂フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般にポリアミド系樹脂フィルムは、ナ
イロン6またはナイロン66が用いられる。該ポリアミ
ド樹脂系フィルムは、機械的特性に優れると共に、高い
ガスバリアー性を有していることから、スープ、こんに
ゃく、ハンバーグ、味噌、ハム、などの液状食品、水物
食品、冷凍食品、レトルト食品、ペースト状食品、畜肉
水産食品の包装用途を主体に用いられている。これらの
包装用途を主体に用いられているフィルムには、滑り性
が良好で、印刷、蒸着、ラミネート、製袋などの作業性
が優れていることが要求されるが、該ポリアミド系フィ
ルムは、高湿度環境下で吸湿により軟化して滑り性が悪
化するという難点があり、そのため、特に梅雨季におい
ては取り扱いもしくは加工作業時に滑り性不足に起因す
る様々な問題があった。そこで該ポリアミド系樹脂フィ
ルムの滑り性を改善する手段として、(1)シリカやカ
オリンなどの微粒子を樹脂に添加し、延伸処理により微
粒子をフィルム表面に突出させて微細突起を形成し、フ
ィルム表面同士の接触面積を減らす方法。(2)球晶に
よる突起を形成してフィルム表面同士の接触面積を減ら
す方法。(3)高級脂肪酸のビスアミド化合物等の有機
滑剤をポリアミド樹脂に添加し、フィルム表面同士の接
触した部分の相互作用を減らす方法、(4)コーティン
グによりフィルムの最表面に易滑層を設ける方法などが
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)や(2)の方法で得られたポリアミド系樹脂フィ
ルムが高湿度下でも満足な作業性を確保するためには微
粒子の添加量や球晶の量を多くする必要があり、それに
伴ってフィルムの透明性が低下し美麗な外観が求められ
る包装用途にとって致命的な欠陥となる。また、上記
(3)の方法で得られたポリアミド系樹脂フィルムは
(1)や(2)の方法で得られたポリアミド系樹脂フィ
ルムに比べるとわずかの透明性の低下で滑り性を高める
ことができるが、十分な滑り性を得るために有機滑剤の
添加量を増やすとフィルムを他の材料と積層したりラミ
ネートする際に他の材料との接着性や濡れ性が悪くなり
印刷、蒸着、ラミネーションなどの加工に悪影響を及ぼ
すという欠点があった。(4)の方法は、リサイクル利
用する場合、フィルムの透明性が低下するという問題が
あった。一方、同じくポリアミド系樹脂フィルムの材料
であるメタキシリレンジアミンとアジピン酸を重縮合し
たメタキシリレンアジパミド(MXD6) は、ガスバリアー
性が良く、また、吸湿率が低く、高湿度下でも滑り性の
低下は少ないという優れた性能を有しているが、耐衝撃
性や耐ピンホール性に劣るという欠点があった。本発明
は、上記ポリアミド系樹脂フィルムの有するさまざまな
問題点を解決し、包装用途における加工適性を満たすこ
とが出来、且つ、透明性、易滑性、耐ピンホール性、特
に高湿度下での易滑性と耐ピンホール性を同時に満足す
る積層ポリアミドフィルムを提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明のポリアミド系樹脂積層フィルムは、ナイロ
ン中にメタキシリレンジアミン成分を含んだポリアミド
(A)を60〜99重量%と脂肪族ポリアミド(B)を
40−1重量%の混合物から成る表面層(X)とメタキシ
リレンジアミン成分を含んだポリアミド(A)を0−1
5重量%と脂肪族ポリアミド(C)を100〜85重量
%の混合物から成る中間層(Y)より形成されたX/Y/
Xの構造を有することを特徴とする。上記の構成から成
る本発明のポリアミド系樹脂積層フィルムは、滑り性が
良好で湿度の高い環境下でも優れた作業性が得られる滑
り性を有し、且つ、透明性、耐ピンホール性に優れたポ
リアミド系樹脂積層フィルムである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の積層フィルムは、上記のようにメタキシ
リレンジアミン成分を含んだポリアミド(A)を60〜
99重量%と脂肪族ポリアミド(B)を40〜1重量%
の組成の表面層(X)とメタキシリレンジアミン成分を含
んだポリアミド(A)を0〜15重量%と脂肪族ポリア
ミド(B)を100〜85重量%を含む中間層(Y)から成
りX/Y/Xの3層構造の積層フィルムである。本発明
で使用される脂肪族ポリアミドとしては、ナイロン4、
ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン1
2、ナイロン66、ナイロン46およびこれらの共重合
体、ブレンド物等が挙げられるが、ナイロン6およびナ
イロン66が好ましい。また、メタキシリレンジアミン
成分を含んだポリアミド(A)は、メタキシリレンジア
ミンとアジピン酸との重縮合反応で生成する構造単位を
70モル%以上含有したメタキシリレンアジパミド(MX
D6)であることが好ましく、ポリエーテル等の他の成分
を10モル%以下含有する共重合体を含んでも良い。表
面層(X)のメタキシリレンジアミン成分を含んだポリア
ミド(A)が60重量%未満であれば吸湿性が高く高湿
下での十分な滑り性が得られず、99%超だと耐ピンホ
ール性が低下する。また、中間層(Y)のメタキシリレン
ジアミン成分を含んだポリアミド(A)が、15重量%
を超えると耐ピンホール性が悪くなる。
【0006】また、X/Y/Xの対称な構造とすると、
熱水で処理した場合の寸法安定性および耐カール性が改
良される。本発明のポリアミド系積層フィルムは公知の
製造方法により製造することができる。すなわち、各層
を構成する重合体を別々の押出し機を用いて溶融し、共
押出しにより製造する方法、各層を構成する重合体をラ
ミネートにより積層する方法、およびこれらを組み合わ
せた方法などをとることができる。更に、本発明のポリ
アミド系積層フィルムは、未延伸フィルムと延伸フィル
ムのどちらでも使用することができるが、フィルムの加
工適性を向上させる為に一軸又は二軸方向に延伸して使
用することが望ましい。延伸方法としては、テンター式
逐次二軸延伸方法、テンター式同時二軸延伸方法、チュ
ーブラー法などの公知の方法を用いることができる。ま
た、本発明の積層ポリアミドフィルムの目的、性能を損
なわない限り各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐候
剤、ゲル化防止剤、ブロッキング防止剤、顔料、帯電防
止剤などを適宜配合しても良い。また、本発明の積層ポ
リアミドフィルムに印刷性や接着性を付与するためにフ
ィルム表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照
射処理、火焔処理を施したり、コーティング等の手段に
よりポリマー層を塗布することができる。また、更にガ
スバリアー性を向上させる目的で蒸着、CVD等の手段
により表面に無機薄膜を形成しても良い。また、ポリオ
レフィン等のシーラント材料を表面に積層することがで
き、表面層(X)と中間層(Y)の密着性を向上させる
ために表面層と中間層の間にさらに一層(Z)を設けX
/Z/Y/Z/Xの構造としても良い。
【0007】「実施例」次に本発明を実施例により具体
的に説明する。なお、実施例に用いた評価方法は次の通
り。
【0008】(フィルム高湿度条件下での滑り性)20
℃、70RH%における動摩擦係数をASTM−D189
4に準じて測定した。動摩擦係数が1.2以下のフィル
ムは、高湿度下の滑り性が良好で作業性に優れたものと
評価できる。
【0009】(耐屈曲疲労性)(ピンホール数/7in
ch2 )ゲルボフレックステスター(理学工業(株)社
製)を用いて評価した。条件としては、(MIL-B131H)で
12inch×8inchの試料片を直径3.5inc
hの円筒状とし両端を保持し、初期把持間隔7inch
とし、ストロークの3.5inchで440度のひねり
を与え、その後2.5inchは直線水平運動で全スト
ロークを終えるような屈曲疲労を、40回/min.の
速さで、1000回行い、発生したピンホールの数を数
えた。なお、測定は、25℃の環境下で行い、20(ヶ
/7inch2 )以下を良品とした。
【0010】(ヘイズ)東洋精機製作所(株)製のヘイ
ズメーターS型を使用し、JISK−7105に準拠し
測定した。 ヘイズ(%)={Td(拡散透過率%)/Tt(全光線透過
率%)}×100
【0011】「実施例1」相対粘度2.2のメタキシリ
レンアジパミドを80重量%と相対粘度2.8のナイロ
ン6を20重量%の混合物から成る層(X)と相対粘度
2.2のメタキシリレンアジパミドを10重量%と相対
粘度2.8のナイロン6を90重量%の混合物から成る
層(Y)が、X/Y/Xの順で共押出しTダイ内で積層さ
れ、その後ロール延伸機で50℃で縦方向に3.0倍テ
ンター延伸機で横方向に90℃で4.0倍に延伸しさら
に220℃8秒間熱処理を行い、表面層(X)の厚さが
2.5μm、中間層(Y)の厚さが10μmで総厚みが
15μmの積層フィルムを得た。該積層フィルムの高湿
滑り性、耐ピンホール性、ヘイズを上記方法で評価し
た。評価結果を表1に示す。
【0012】「実施例2」表面層(X)のメタキシリレ
ンアジパミドの含量が60重量%、ナイロン6の含量が
40重量%であること以外は、実施例1と同じ。評価結
果を表1に示す。
【0013】「実施例3」中間層(Y)のメタキシリレ
ンアジパミドの含量が15重量%、ナイロン6の含量が
85重量%であること以外は、実施例1と同じ。評価結
果を表1に示す。
【0014】「実施例4」中間層(Y)のメタキシリレ
ンアジパミドの含量が0重量%、ナイロン6の含量が1
00重量%であること以外は、実施例1と同じ。評価結
果を表1に示す。
【0015】「実施例5」表面層(X)のメタキシリレ
ンアジパミドの含量が90重量%、ナイロン6の含量が
10重量%であること以外は、実施例1と同じ。評価結
果を表1に示す。
【0016】「比較例1」中間層(Y)のメタキシリレ
ンアジパミドの含量が20重量%、ナイロン6の含量が
80重量%であること以外は、実施例1と同じ。評価結
果を表1に示す。
【0017】「比較例2」表面層(X)のメタキシリレ
ンアジパミドの含量が50重量%、ナイロン6の含量が
50重量%であること以外は、実施例1と同じ。評価結
果を表1に示す。
【0018】「比較例3」表面層(X)のメタキシリレ
ンアジパミドの含量が100重量%、ナイロン6の含量
が0重量%であること以外は、実施例1と同じ。評価結
果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明の積層ポリアミドフィルムによれ
ば、特に高湿度下での滑り性や熱水処理時の耐カール
性、寸法安定性に優れ、食品の包装等に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 昌由 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 米田 茂 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 奥平 晴男 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東 洋紡績株式会社犬山工場内 (72)発明者 御子 勉 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東 洋紡績株式会社犬山工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キシリレンジアミン成分と炭素数4〜1
    2の脂肪族ジカルボン酸成分とから成るポリアミド
    (A)を60〜99重量%と脂肪族ポリアミド(B)を4
    0〜1%の組成より成る表面層(X)と上記キシリレンジ
    アミン成分を含んだポリアミド(A)を0〜15%と脂
    肪族ポリアミド(C)を100〜85%の組成より成る中
    間層(Y)より形成された、X/Y/Xの3層構成の積層
    ポリアミドフィルム。
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