JPH11332002A - 電気自動車用電動機の制御装置 - Google Patents

電気自動車用電動機の制御装置

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JPH11332002A JP10128965A JP12896598A JPH11332002A JP H11332002 A JPH11332002 A JP H11332002A JP 10128965 A JP10128965 A JP 10128965A JP 12896598 A JP12896598 A JP 12896598A JP H11332002 A JPH11332002 A JP H11332002A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流指令値が小さい場合にも高い精度で異常
検出ができる電気自動車用電動機の制御装置を提供す
る。 【解決手段】 モータ10に三相駆動電流を供給するイ
ンバータ12を制御するための電流指令値Id*,Iq
*と、電流センサ14で検出された三相電流値を座標変
換器16でdq軸に変換した実電流Id,Iqとの偏差
ΔId,ΔIqを積分器28,30で積分し、この積分
結果が所定レベルを超えたか否かを異常判定器32で判
定する。積分結果が所定の閾値を設定時間以上超えてい
た場合に異常判定器32が異常を検出し、システム停止
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車におい
て、構成部品の故障を検知する機能を有する電気自動車
用電動機の制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電気自動車には、電動機や電動機を駆動
するためのインバータ等の構成部品が搭載されている。
これらの構成部品が故障した場合には、これを早期に検
出する必要があり、従来より電気自動車用電動機等の故
障を検出する技術が提案されている。例えば、特開昭6
0−500477号公報には、電気自動車に搭載された
インバータの故障を検知するための短絡保護装置が開示
されている。
【0003】このような従来の故障検出方法において
は、例えばインバータに与えられる電流指令値と電動機
に流れる実電流との偏差により電動機のコイル断線等の
異常を検出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の故
障検出方法では、電流指令値と実電流との各瞬時値を比
較することにより行っていた。このため、電流指令値が
小さい場合には、電流指令値と実電流との偏差も小さく
なるので、十分に異常検出をすることができなくなると
いう問題があった。また、電流指令値が小さい場合にも
異常検出をさせるためには、異常か否かを判定する電流
偏差(スレッシュホルド)を小さくする必要があるが、
実電流に含まれるノイズや過渡応答時の電流偏差により
誤判定するという問題もあった。
【0005】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、電流指令値が小さい場合にも
高い精度で異常検出ができる電気自動車用電動機の制御
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、電気自動車用電動機あるいはこれを駆動
するためのインバータ等の異常を検出する機能を有する
電気自動車用電動機の制御装置であって、電流指令値と
実電流との偏差を積分する積分手段と、積分手段の出力
値が所定値以上となった場合に異常を判定する異常判定
器と、を有することを特徴とする。
【0007】また、上記電気自動車用電動機の制御装置
において、積分手段として電気自動車用電動機の電流制
御に用いられるPI演算器の積分項を使用することを特
徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面にしたがって説明する。
【0009】図1には、本発明に係る電気自動車用電動
機の制御装置の構成のブロック図が示される。図1にお
いて、電気自動車用電動機であるモータ10は、インバ
ータ12から三相電流を供給されて駆動される。このイ
ンバータ12を制御するために、それぞれd軸及びq軸
に対応する電流指令値Id*、Iq*が供給される。ま
た、モータ10に供給される三相電流Iu、Iv、Iw
は電流センサ14により検出され、三相(uvw軸)と
dq軸との間で座標変換を行う座標変換器16によりd
q軸上の実電流Id,Iqに変換される。これらの電流
指令Id*,Iq*と実電流Id,Iqは、それぞれ減
算器18,20に供給され、その偏差ΔId,ΔIqと
してPI制御器22,24に入力される。PI制御器2
2,24では、偏差ΔId,ΔIqがゼロになるように
比例制御及び積分制御が行われ、制御電圧Vd,Vqが
出力される。これらの制御電圧Vd,Vqは、dq軸か
ら三相(uvw軸)への変換を行う座標変換器26に入
力され、三相電圧に変換され、インバータ10に入力さ
れる。
【0010】本実施形態においては、減算器18,20
の出力である偏差ΔId,ΔIqは、それぞれ積分器2
8、30に入力され、ここから積分された値として出力
されて異常判定器32に入力される。もしモータ10の
コイル断線やインバータ12の故障等が発生した場合に
はPI制御器22,24による制御が破綻し、上記偏差
ΔId,ΔIqがゼロに収束しなくなる。このため、積
分器28、30の出力値のレベルが上昇する。ただし、
過渡応答時等でも短時間だけ偏差ΔId,ΔIqが大き
くなり、積分器28、30の出力値が上昇することはあ
る。従って、異常判定器32では、積分器28,30の
出力値のレベルが所定値を超え、その状態が所定の設定
時間以上継続すると異常が発生したと判定し、システム
停止等の異常処理を行う。
【0011】このように、電流指令値Id*,Iq*と
実電流Id,Iqとの偏差であるΔId,ΔIqは、積
分された結果が異常判定器32により監視されているの
で、これらの偏差ΔId,ΔIqの値が小さい場合にも
一定時間継続した場合には異常として検出することが可
能となる。従って、電流指令値Id*,Iq*の値が小
さい場合に、モータコイルの断線やインバータ故障等に
よる異常が発生した時にも十分に異常を検出することが
できる。この場合、偏差ΔId,ΔIqは、前述のよう
に積分器28,30で積分されるため、異常状態が継続
すれば積分器28,30の出力値のレベルも上昇してゆ
くので、異常判定器32が異常と判定するレベルを大き
な値としておくことができる。従って、ノイズや過度応
答時の電流偏差で異常を誤判定することも防止できる。
例えば、異常判定器32における異常判定レベルを、イ
ンバータ12の最大出力電圧よりも大きく設定しておけ
ば、定常的にはありえない値であるので定常状態での誤
判定を防止することができる。更に、積分器28,30
はローパスフィルタ(LPF)として作用するので、こ
れによってもノイズや過度応答時における誤判定を防止
できる。
【0012】以上のとおり、積分項にはLPFの作用が
あるのでノイズ対策処理が必要ない。また、異常判定器
32における判定ロジックが、積分器28,30の出力
のレベル判定と継続時間の計測のみであって単純な動作
でよい。従って、制御用マイコンの演算負荷を軽くする
ことができる。
【0013】図2には、本発明に係る電気自動車用電動
機の制御装置の変形例の構成のブロック図が示され、図
1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略す
る。図2において特徴的な点は、異常判定器32への入
力を、積分器ではなくPI制御器22,24の出力とし
た点にある。すなわち、PI制御器22,24には、積
分動作をさせるための積分項があり、小さな偏差であっ
ても所定時間継続した場合にはその出力である制御電圧
Vd,Vqの値が大きくなる。従って、前述したよう
に、電流指令値Id*,Iq*の値が小さい状態でも、
モータ10あるいはインバータ12になんらかの異常が
発生し、制御電流Id*,Iq*と実電流Id,Iqと
の偏差ΔId,ΔIqがなくならない状態となった場合
には、異常判定器32により確実に異常状態を判定する
ことが可能となる。
【0014】以上のように、電流制御で使用されるPI
制御器22,24の演算結果を利用するので、新たに演
算を行う必要がなく、制御用マイコンの演算負荷を軽く
することができる。
【0015】図3には、図2に示された電気自動車用電
動機の制御装置における異常判定の動作のフローが示さ
れる。図3において、異常判定器32にPI制御器2
2,24の演算結果であるVd,Vqが入力される(S
1)。
【0016】次に異常判定器32では、Vdの絶対値が
所定の閾値よりも大きいか否かが判定される(S2)。
【0017】S2において、Vdの絶対値が閾値よりも
小さい場合にはS1のステップに戻る。また、S2にお
いて、Vdの絶対値が閾値以上の場合には、Vqの絶対
値が閾値より大きいか否かが判定される(S3)。
【0018】S3において、Vqの絶対値が所定の閾値
未満である場合にはS1のステップに戻る。これに対し
てVqの絶対値が閾値以上である場合にはVdの絶対値
とVqの絶対値とが共に閾値以上となっている継続時間
が設定時間よりも長いか否かが判定される(S4)。
【0019】S4において上記継続時間が設定時間未満
である場合にはS1のステップに戻る。これに対して継
続時間が設定時間以上である場合には異常状態が発生し
たと判定し、異常判定器32がシステム停止等の異常処
理を行う(S5)。
【0020】なお、上述した閾値を設定するかわりに、
PI制御器22,24の積分項のリミッタへの到達によ
って異常の発生を判断することも可能である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電流指令値と実電流との偏差を積分し、この積分値のレ
ベル判定によって異常判定を行うので、電流指令値が小
さく、偏差が小さい場合にも確実に異常の検知を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電気自動車用電動機の制御装置
の構成のブロック図である。
【図2】 本発明に係る電気自動車用電動機の制御装置
の変形例の構成のブロック図である。
【図3】 図2に示された電気自動車用電動機の制御装
置において、異常判定を行う動作のフローを示す図であ
る。
【符号の説明】
10 モータ、12 インバータ、14 電流センサ、
16,26 座標変換器、18,20 減算器、22,
24 PI制御器、28,30 積分器、32異常判定
器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気自動車用電動機あるいはこれを駆動
    するためのインバータ等の異常を検出する機能を有する
    電気自動車用電動機の制御装置であって、 電流指令値と実電流との偏差を積分する積分手段と、 前記積分手段の出力値が所定値以上となった場合に異常
    を判定する異常判定器と、を有することを特徴とする電
    気自動車用電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電気自動車用電動機の制
    御装置において、前記積分手段は、前記電気自動車用電
    動機の電流制御に用いられるPI演算器の積分項を使用
    することを特徴とする電気自動車用電動機の制御装置。
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