JP7466778B2 - モータ制御装置、電動パワーステアリング装置、及びモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置、電動パワーステアリング装置、及びモータ制御方法 Download PDF

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Description

本開示は、モータ制御装置、電動パワーステアリング装置、及びモータ制御方法に関する。
自動車等の車両の操舵機構に操舵補助力を付加する電動パワーステアリング装置は、ハンドルに対して操舵補助トルクを発生させるモータと、そのモータを制御するモータ制御装置とを備えており、車両の運転中は常時動作している。そのため、電動パワーステアリング装置は、運転中にモータを駆動する部品が故障した場合に、故障部品の特定を実施し、故障内容によってはアシスト動作を停止、又は継続する等の制御が必要となる。
従来の電動パワーステアリング装置では、モータを駆動するインバータ回路の駆動素子の故障監視、及び故障判定する技術が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
特開2019-221089号公報 特開2019-187187号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、モータ端子の電圧であるモータ端子電圧と所定値とを比較する比較器をモータの駆動信号の各相に独立して備える必要があり、構成が複雑になるという課題があった。
また、特許文献2に記載の技術では、駆動素子毎に監視機能を備えたプリドライバIC(Integrated Circuit)を用いることが前提となっており、構成が複雑になるという課題があった。
このように、上述した従来の電動パワーステアリング装置では、簡易な構成により、駆動素子の故障診断を行うことが困難であった。
本開示は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、簡易な構成により、駆動素子の故障診断を行うことができるモータ制御装置、電動パワーステアリング装置、及びモータ制御方法を提供することにある。
上記問題を解決するために、本開示の一態様は、複数相の巻線を有するモータに電力を供給するモータ駆動部であって、前記複数相の各相に、直列に接続された上側の駆動素子及び下側の駆動素子を有するモータ駆動部と、前記モータの各相のモータ端子の電圧に基づくモータ端子電圧値を検出するモータ端子電圧検出部と、前記駆動素子の両端間の電圧値に基づいて、前記上側の駆動素子及び下側の駆動素子ごとに故障判定を実行し、当該故障判定結果を出力する駆動素子故障判定部と、前記駆動素子故障判定部が出力した前記故障判定結果が故障判定である場合に、前記モータ端子電圧検出部が検出した前記モータ端子電圧値に基づいて、前記上側の駆動素子及び前記下側の駆動素子ごとにショート故障又はオープン故障であるか否かを判定するショート/オープン故障判定部とを備えるモータ制御装置である。
また、本開示の一態様は、上記に記載のモータ制御装置と、ステアリングの操舵をアシストする前記モータと、前記ステアリングの操舵トルクを検出するトルクセンサとを備え、前記モータ制御装置は、前記トルクセンサが検出した前記操舵トルクに応じて、前記モータの駆動を制御する電動パワーステアリング装置である。
また、本開示の一態様は、複数相の巻線を有するモータに電力を供給するモータ駆動部であって、前記複数相の各相に、直列に接続された上側の駆動素子及び下側の駆動素子を有するモータ駆動部と、前記モータの各相のモータ端子の電圧に基づくモータ端子電圧値を検出するモータ端子電圧検出部とを備えるモータ制御装置のモータ制御方法であって、駆動素子故障判定部が、前記駆動素子の両端間の電圧値に基づいて、前記上側の駆動素子及び下側の駆動素子ごとに故障判定を実行し、当該故障判定結果を出力する駆動素子故障判定ステップと、ショート/オープン故障判定部が、前記駆動素子故障判定ステップによって出力された前記故障判定結果が故障判定である場合に、前記モータ端子電圧検出部が検出した前記モータ端子電圧値に基づいて、前記上側の駆動素子及び前記下側の駆動素子ごとにショート故障又はオープン故障であるか否かを判定するショート/オープン故障判定ステップとを含むモータ制御方法である。
本開示によれば、簡易な構成により、駆動素子の故障診断を行うことができる。
本実施形態による電動パワーステアリング装置の一例を示すブロック図である。 本実施形態によるモータ制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。 本実施形態おけるモータ制御装置の上アームの駆動素子のショート/オープン故障の判定処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態おけるモータ制御装置の下アームの駆動素子のショート/オープン故障の判定処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本開示の一実施形態によるモータ制御装置、及び電動パワーステアリング装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による電動パワーステアリング装置1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置1は、モータ2と、モータ制御装置10と、角度検出部20と、ハンドル21と、トルクセンサ22と、駆動力伝達機構23と、シャフト24と、操舵装置25とを備える。
モータ2は、複数相の巻線(例えば、3相の巻線)を有する回転電機であり、ステアリング(操舵装置25)の操舵をアシストする駆動力源として機能する。モータ2は、複数相の巻線が設けられているステータ(不図示)と、ステータの径方向内側に配置された磁石が設けられているロータ(不図示)とを備えている。本実施形態では、磁石は、例えば、永久磁石である。モータ2は、例えば、永久磁石式の同期回転電機である。なお、磁石は、界磁巻線を有する電磁石であってもよい。また、3相の巻線は、スター結線されてもよいし、デルタ結線されてもよい。
角度検出部20は、例えば、レゾルバ、エンコーダ、MRセンサ等の回転センサである。角度検出部20は、ロータに備えられ、ロータの回転角度を検出する。角度検出部20は、検出したロータの回転角度を。後述するモータ制御装置10の電気角算出部36に出力する。
操舵装置25は、例えば、自動車などの車両のステアリングの操舵を行うステアリング装置である。操舵装置25は、ハンドル21による操舵トルクを車輪26に伝達する。
ハンドル21は、運転者が左右に回転し、例えば、自動車などの車両の操舵を行う。
トルクセンサ22は、シャフト24に取り付けられ、ハンドル21の操舵トルクを検出する。トルクセンサ22は、検出した操舵トルクをモータ制御装置10のモータ電流制御演算部31に出力する。
駆動力伝達機構23は、モータ2のロータの回転軸に連結され、モータ2の駆動力を車両の操舵装置25に伝達する。駆動力伝達機構23は、例えば、モータ2の回転軸をシャフト24に連結するウォームギヤ機構等である。
シャフト24は、ハンドル21に連結され、ハンドル21による操舵トルクを操舵装置25に伝達する。
モータ制御装置10は、トルクセンサ22が検出した操舵トルクに応じて、モータ2の駆動を制御する。モータ制御装置10は、直流電源11と、電源電圧遮断部12と、電源電圧検出部13と、モータ駆動部14と、モータ駆動電流遮断部15と、電源電圧チャージ部17と、モータ端子電圧検出部18と、制御部30とを備える。
モータ駆動部14は、例えば、直流電源11からモータ2を駆動する交流信号(交流電力)を生成するインバータ回路である。モータ駆動部14は、モータ2に電力を供給する。モータ駆動部14は、正極側の駆動素子(QHu、QHv、QHw)と、負極側の駆動素子(QLu、QLv、QLw)と、平滑コンデンサ141と、電流センサ(142u、142v、142w)とを備える。
モータ駆動部14は、電源電圧遮断部12と、電源電圧検出部13とを介した直流電源11の正極側に接続される正極側の駆動素子(QHu、QHv、QHw)と、直流電源11の負極側に接続される負極側の駆動素子(QLu、QLv、QLw)とが直列接続された直列回路を、3相各相に対応して3セット備えている。ここで、正極側の駆動素子(QHu、QHv、QHw)は、上アームの駆動素子(上側の駆動素子)に対応し、負極側の駆動素子(QLu、QLv、QLw)は、下アームの駆動素子(下側の駆動素子)に対応する。
なお、本実施形態において、上アームの駆動素子(QHu、QHv、QHw)のそれぞれは、モータ駆動部14が備える任意の上アームの駆動素子を示す場合、又は、特に区別しない場合には、駆動素子QHとして説明する。また、下アームの駆動素子(QLu、QLv、QLw)のそれぞれは、モータ駆動部14が備える任意の下アームの駆動素子を示す場合、又は、特に区別しない場合には、駆動素子QLとして説明する。また、駆動素子QHと駆動素子QLとのそれぞれは、モータ駆動部14が備える任意の駆動素子を示す場合、又は、特に区別しない場合には、駆動素子Qとして説明する。
モータ駆動部14において、各相の直列回路における2つの駆動素子(駆動素子QH及び駆動素子QL)の接続点が、モータ駆動電流遮断部15を介して、モータ2の対応する相の巻線に接続されている。
具体的には、U相の直列回路では、U相の上アームの駆動素子QHuと、U相の下アームの駆動素子QLuとが直列接続され、2つの駆動素子(QHu、QLu)の接続点がモータ駆動電流遮断部15を介して、モータ2のU相の巻線に接続されている。
また、V相の直列回路では、V相の上アームの駆動素子QHvと、V相の下アームの駆動素子QLvとが直列接続され、2つの駆動素子(QHv、QLv)の接続点がモータ駆動電流遮断部15を介して、モータ2のV相の巻線に接続されている。
また、W相の直列回路では、W相の上アームの駆動素子QHwと、W相の下アームの駆動素子QLwとが直列接続され、2つの駆動素子(QHw、QLw)の接続点がモータ駆動電流遮断部15を介して、モータ2のW相の巻線に接続されている。
平滑コンデンサ141は、電源電圧遮断部12と、電源電圧検出部13とを介した直流電源11の正極側と負極側との間に接続されている。平滑コンデンサ141は、電源電圧遮断部12と、電源電圧検出部13とを介した直流電源11の電源電圧を平滑化する。
駆動素子Qは、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)などの半導体スイッチング素子である。上アームの駆動素子(QHu、QHv、QHw)及び下アームの駆動素子(QLu、QLv、QLw)の各駆動素子Qのゲート端子には、ゲート駆動部33から駆動信号が供給される。各駆動素子Qは、ゲート駆動部33から出力される駆動信号(DHu、DHv、DHw、DLu、DLv、DLw)により駆動されることにより、後段のモータ駆動電流遮断部15を介してモータ2の各相コイル(各相の巻線)に所定の相電圧を印加する。これにより、各駆動素子Qは、モータ2に所定の駆動電流を流すことになり、モータ2にトルクを発生させる。
電流センサ(142u、142v、142w)は、例えば、シャント抵抗、ホール素子などのセンサであり、各相の巻線に流れる電流を検出する。電流センサ142uは、下アームの駆動素子QLuと直列に接続され、U相の巻線に流れる電流を検出する。また、電流センサ142vは、下アームの駆動素子QLvと直列に接続され、V相の巻線に流れる電流を検出する。また、電流センサ142wは、下アームの駆動素子QLwと直列に接続され、W相の巻線に流れる電流を検出する。
直流電源11は、モータ駆動部14に直流電圧Vdcを供給する。本実施形態では、直流電圧Vdcは、例えば、12Vであり、直流電源11は、例えば、バッテリ、DC-DCコンバータ、ダイオード整流器、PWM整流器等、直流電圧Vdcを出力する機器であれば、どのような機器であってもよい。
電源電圧遮断部12は、モータ駆動部14に印加される直流電源11の直流電圧を、後述する遮断管理部32から電源電圧遮断指示に従って、遮断する。すなわち、電源電圧遮断部12は、モータ駆動部14に印加される電源電圧を遮断する。
電源電圧検出部13は、直流電源11の電圧を検出する。電源電圧検出部13は、検出した直流電源11の電圧値を、後述するモータ電流制御演算部31及びショート/オープン故障判定部37に出力する。
電源電圧チャージ部17は、上アームの駆動素子QHの故障判定処理を実行する際に、モータ駆動部14に強制的に電圧を印加させる。電源電圧チャージ部17は、電源電圧遮断部12において、電源電圧が遮断された際に、時間の経過とともに減少していくモータ駆動部14への印加電圧を一定に保つために平滑コンデンサ141に電荷を付与することで電圧を印加する。なお、電源電圧チャージ部17は、上アームの駆動素子QHの故障判定処理を実行する際の電源電圧が所定閾値以下であった場合のみ動作する。また、モータ制御装置10が、電源電圧遮断部12を備えていない場合には、モータ制御装置10は、電源電圧チャージ部17を備えなくてもよい。
モータ駆動電流遮断部15は、寄生ダイオードを含み、モータ駆動部14からモータ2の各相への電力供給を遮断するスイッチング素子を有する。モータ駆動電流遮断部15は、モータ駆動部14の各相の出力線とモータ2の各相端子との間に配置され、遮断管理部32からのモータ駆動電流遮断指示に従って、モータ駆動部14からの出力である駆動電流を遮断する。
モータ駆動電流遮断部15が備えるスイッチング素子は、例えば、FETであり、寄生ダイオードが、モータ駆動部14の各相の出力線から、モータ2の各相端子に向かって順方向になるように配置されている。
モータ端子電圧検出部18は、モータ2の各相のモータ端子の電圧に基づくモータ端子電圧値を検出する。ここで、モータ端子電圧値は、モータ2の各相コイル(各相の巻線)の端子電圧を1つにまとめた電圧値であり、例えば、各相コイル(各相の巻線)の端子電圧の総和値、平均値、などである。
モータ端子電圧検出部18は、例えば、AD変換器(アナログ・デジタル変換器)を有するCPU(Central Processing Unit)などにより実現され、AD変換器により検出された各電圧値をCPUにより所定の演算処理等を実行して、モータ端子電圧値を出力する。なお、モータ端子電圧検出部18は、モータ制御装置10において、ハードウェアとソフトウェアとのインターフェース部であり、CPUのAD変換器を含むものとする。モータ端子電圧検出部18は、例えば、各相のモータ端子に接続されている信号線を1つにまとめて結線した信号線の電圧値(各相コイルの端子電圧の総和値)を、モータ端子電圧値として、AD変換器を用いて検出する。
また、モータ端子電圧値の測定可能上限値は、直流電源11の電圧値よりも小さく、且つモータ2の正常駆動時のモータ端子電圧値は、測定可能上限値に対して十分余裕のある値となるよう設定する必要がある。
制御部30は、例えば、CPUを含むプロセッサやプリドライバICなどで実現され、モータ2の制御における各種処理を実行する。制御部30は、モータ電流制御演算部31と、遮断管理部32と、ゲート駆動部33と、駆動素子故障判定部34と、検出電流算出部35と、電気角算出部36と、ショート/オープン故障判定部37とを備える。
検出電流算出部35は、モータ駆動部14の電流センサ(142u、142v、142w)の出力信号からモータ2の各相に流れている相電流(Iu、Iv、Iw)を算出する。検出電流算出部35は、例えば、各相に流れている相電流(Iu、Iv、Iw)を電流センサ(142u、142v、142w)であるシャント抵抗の両端電位差をアンプを用いて算出し、算出された各相に流れている相電流(Iu、Iv、Iw)はモータ電流制御演算部31に出力する。
電気角算出部36は、角度検出部20が検出したロータの回転角度に基づいて、電気角を算出する。電気角算出部36は、算出した電気角をモータ電流制御演算部31に出力する。
モータ電流制御演算部31は、ゲート駆動部33に駆動指令値を出力して、モータ2の駆動を制御するモータ制御部の一例である。モータ電流制御演算部31は、トルクセンサ22が出力する操舵トルクと、外部機器から出力された車速情報Vcと、電気角算出部36が出力する電気角とを取得する。また、モータ電流制御演算部31は、取得した電気角に基づいて、モータ回転数を算出する。モータ電流制御演算部31は、操舵トルクと、車速情報Vcと、電気角及びモータ回転数とに基づいて、回転二軸(d-q軸)上の電流指令であるq軸電流指令Iq_t、及びd軸電流指令Id_tを算出する。また、モータ電流制御演算部31は、検出電流算出部35が出力する各相電流(Iu、Iv、Iw)を、回転二軸(d-q軸)上の電流に三相二軸変換した検出相電流(Iq_m、Id_m)を生成する。
モータ電流制御演算部31は、算出したq軸電流指令Iq_t及びd軸電流指令Id_tと、検出相電流(Iq_m、Id_m)とに基づいて、公知の制御演算処理(例えば、PI(Proportional Integral)制御処理)を実行し、処理演算結果に該当する、U相PWM信号と、V相PWM信号と、W相PWM信号とを生成する。モータ電流制御演算部31は、生成したU相PWM信号と、V相PWM信号と、W相PWM信号とを後段のゲート駆動部33に出力する。
また、モータ電流制御演算部31は、後述するショート/オープン故障判定部37から出力されるショート/オープン故障判定結果が、駆動素子Qがショート故障であった場合に、モータ2の駆動を停止させる。すなわち、モータ電流制御演算部31は、駆動素子Qがショート故障であると判定された場合に、q軸電流指令Iq_t及びd軸電流指令Id_tと、上述した検出相電流(Iq_m、Id_m)とに依らずに、モータ2の各相に電流が印加されないような、U相PWM信号と、V相PWM信号と、W相PWM信号とを生成し、後段のゲート駆動部33に出力する。
また、モータ電流制御演算部31は、上アームの駆動素子QH及び下アームの駆動素子QLの両方において、オープン故障であると判定された場合に、故障相特定処理、及び故障相以外の相でのモータ制御処理を実行する。モータ電流制御演算部31は、オープン故障であると判定された場合に、故障している相である故障相を特定し、当該故障相が1つである場合に、当該故障相によるモータ2の駆動を停止させて、当該故障相以外の相により、モータ2を駆動させる。
ゲート駆動部33は、例えば、駆動素子のプリドライバICであり、モータ電流制御演算部31が出力する各相のPWM信号(U相PWM信号、V相PWM信号、W相PWM信号)に基づいて、モータ駆動部14の各駆動素子Qを駆動させる駆動信号を出力する。ゲート駆動部33は、上アームの駆動素子QHを駆動する駆動信号として、駆動素子QHuを駆動する駆動信号DHu、駆動素子QHvを駆動する駆動信号DHv、及び駆動素子QHwを駆動する駆動信号DHwを出力する。ゲート駆動部33は、下アームの駆動素子QLを駆動する駆動信号として、駆動素子QLuを駆動する駆動信号DLu、駆動素子QLvを駆動する駆動信号DLv、及び駆動素子QLwを駆動する駆動信号DLwを出力する。
遮断管理部32は、ショート/オープン故障判定部37からの遮断指示に応じて、モータ駆動電流遮断部15、及び電源電圧遮断部12を遮断状態にさせる。遮断管理部32は、例えば、モータ電流制御演算部31、及びショート/オープン故障判定部37の遮断指示に応じて、電源電圧遮断部12、及びモータ駆動電流遮断部15に遮断指示を出力する。また、遮断管理部32は、モータ電流制御演算部31からのモータ2の駆動の停止指示に応じて、ゲート駆動部33も駆動停止指示を出力する。
駆動素子故障判定部34は、モータ駆動部14の駆動素子Qの両端間の電圧値(電位差)に基づいて、上アームの駆動素子QH及び下アームの駆動素子QLごとに故障判定を実行し、当該故障判定結果を出力する。すなわち、駆動素子故障判定部34は、モータ駆動部14の上アームの駆動素子QHの高電位側端子と低電位側端子と間の電圧(両端間の電圧値)と、下アームの駆動素子QLの高電位側端子と低電位側端子と間の電圧との2つの電圧を監視する。駆動素子故障判定部34は、これらの電圧が正常時の閾値電圧範囲に収まっていない期間がある所定の期間以上であった場合に、駆動素子Qの故障と判定し、駆動素子故障判定結果を出力する。
具体的に、駆動素子故障判定部34は、上アームの駆動素子QHがオン状態(導通状態)に制御された状態において、上アームの駆動素子QHの両端間の電圧値が所定の正常電圧範囲外である期間が、所定の期間以上である場合に、上アームの駆動素子QHが故障であると判定する。また、駆動素子故障判定部34は、下アームの駆動素子QLが導通状態に制御された状態において、下アームの駆動素子QLの両端間の電圧値が所定の正常電圧範囲外である期間が、所定の期間以上である場合に、下アームの駆動素子QLが故障であると判定する。
なお、駆動素子故障判定部34は、モータ2の駆動前、及び、モータ2の駆動中に、所定の周期で故障判定を実行する。
なお、駆動素子Qがゲート駆動部33のオン駆動指示時において、高電位側電位と低電位側電位との端子間電圧(両端間の電圧値)が、正常時の閾値電圧範囲に収まらず異常に高い値であった場合、正常時に流れる電流以上の電流が流れる。この場合、駆動素子Qがショート故障していると判定することができる。
また、駆動素子Qがゲート駆動部33のオン駆動指示時において、高電位側電位と低電位側電位との端子間電圧(両端間の電圧値)が、正常時の閾値電圧範囲に収まらず異常に低い値であった場合、駆動素子Qがオープン故障していると判定することができる。
なお、駆動素子故障判定部34の故障判定結果は、上アームの駆動素子QH、及び下アームの駆動素子QLの故障判定結果をまとめて出力するものあり、上アームの駆動素子QH、及び下アームの駆動素子QLのいずれかの故障であるかの判定処理、及び故障モードの判定処理は、ショート/オープン故障判別部37が、実行する。また、上述した電圧監視は、モータ駆動状態下では常時実行可能である。
また、駆動素子故障判定部34は、故障判定結果として、上アーム駆動素子QH、及び下アームの駆動素子QLの故障判定結果をそれぞれ出力するような構成であってもよい。この場合は、ショート/オープン故障判別部37によって、上アームの駆動素子QH、及び下アームの駆動素子QLのいずれかが故障したかの判定処理は、不要になる。
ショート/オープン故障判定部37は、駆動素子故障判定部34が出力した故障判定結果が故障判定である場合に、モータ端子電圧検出部18が検出したモータ端子電圧値に基づいて、上アームの駆動素子QH及び下アームの駆動素子QLごとにショート故障又はオープン故障であるか否かを判定する。ショート/オープン故障判定部37は、駆動素子故障判定部34が出力する駆動素子故障判定結果と、モータ端子電圧検出部18が出力するモータ端子電圧値とに基づいて、上アームの駆動素子QHの故障判定処理と、下アームの駆動素子QLの故障判定処理とを実行する。ショート/オープン故障判定部37は、判定結果をモータ電流制御演算部31に出力する。
ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHの故障判定処理において、モータ端子電圧値が上アームのショート故障判定閾値以上となっている期間が、所定期間以上となった場合に、上アームの駆動素子QHがショート故障であると判定する。ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHの判定処理において、上アームの駆動素子QHがショート故障でないと判定した場合に、上アームの駆動素子QHがオープン故障であると判定する。
また、ショート/オープン故障判定部37は、下アームの駆動素子QLの判定処理において、モータ端子電圧値が下アームのショート故障判定閾値以下となっている期間が、所定期間以上となった場合に、下アームの駆動素子QLがショート故障であると判定する。ショート/オープン故障判定部37は、下アームの駆動素子QLの判定処理において、下アームの駆動素子QLがショート故障でないと判定した場合に、下アームの駆動素子QLがオープン故障であると判定する。
なお、ショート/オープン故障判定部37は、故障判定処理を実行する際に、電源電圧遮断部12及びモータ駆動電流遮断部15への遮断指示と、ゲート駆動部33への駆動指示停止を、遮断管理部32を介して出力する。ショート/オープン故障判定部37は、モータ駆動電流遮断部15によりモータ2への電力供給を遮断した状態において、寄生ダイオードを介して印加されるモータ端子電圧値に基づいて、上アームの駆動素子QHの判定処理を実行する。
また、ショート/オープン故障判定部37は、モータ駆動電流遮断部15のスイッチング素子を導通状態にした状態において、モータ端子電圧値に基づいて、下アームの駆動素子QLの判定処理を実行する。
また、ショート/オープン故障判定部37は、電源電圧遮断部12が電源電圧を遮断した状態において、電源電圧検出部13が検出した検出電圧が所定の閾値以上である場合に、上アームの駆動素子QHの判定処理を実行する。ショート/オープン故障判定部37は、検出電圧が所定の閾値よりも小さい場合に、電源電圧チャージ部17により、モータ駆動部14に強制的に電圧を印加させる。また、ショート/オープン故障判定部37は、所定の期間内に検出電圧が所定の閾値に達した場合に、上アームの駆動素子QHの判定処理を実行する。
また、ショート/オープン故障判定部37は、所定の期間内に検出電圧が所定の閾値に達しなかった場合に、上アームの駆動素子QHがショート故障であると判定する。
なお、ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHの判定処理を実行した後に、下アームの駆動素子QLの判定処理を実行する。また、ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHがショート故障であると判定した場合に、下アームの駆動素子QLの判定処理を実行しない。
次に、図面を参照して、本実施形態によるモータ制御装置10の動作について説明する。
図2は、本実施形態によるモータ制御装置10の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、モータ制御装置10によるモータ駆動部14の駆動素子Qの故障監視処理、及び故障判定処理について説明する。
図2に示すように、モータ制御装置10の駆動素子故障判定部34は、まず、駆動素子Qの故障判定処理を実行する(ステップS101)。駆動素子故障判定部34は、例えば、上アームの駆動素子QH及び下アームの駆動素子QLの高電位側端子がオン状態である際に、上アームの駆動素子QHの高電位側端子と低電位側端子間の電圧であるドレイン・ソース間電圧と、下アームの駆動素子QLの高電位側端子と低電位側端子間の電圧であるドレイン・ソース間電圧を監視する。駆動素子故障判定部34は、上記端子間電圧値が、正常値範囲に収まっていない時間が所定期間経過した場合に、駆動素子Qの故障発生を示す故障判定結果を出力する。
また、駆動素子故障判定部34は、上記の端子間電圧値が正常値範囲に収まっている場合に、故障未発生の故障判定結果を出力する。なお、上記の端子間電圧値の正常値範囲、及び故障発生の判定に用いる所定の期間は、使用するプリドライバIC及び駆動素子の特性によって異なる。また、駆動素子故障判定部34は、駆動素子Qの故障判定処理を、モータ駆動中において常時実行する。
次に、モータ制御装置10のショート/オープン故障判定部37は、駆動素子故障判定処理の故障判定結果に基づいて、故障が発生したか否かを判定する(ステップS102)。ショート/オープン故障判定部37は、故障判定結果が故障発生である場合(ステップS102:YES)に、処理をステップS103に進める。また、ショート/オープン故障判定部37は、故障判定結果が故障発生でない場合(ステップS102:NO)に、駆動素子故障判定処理を終了し、通常のモータ制御装置10の処理に戻る。
ステップS103において、ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理を実行する。ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理を、電源電圧遮断部12にて電源電圧が遮断され、平滑コンデンサ141に電荷が溜まった状態で、且つ、モータ駆動部14に供給されている電圧が所定電圧値になっている状態で、モータ回転数が所定回転数閾値以下なった場合に実行する。ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧検出部18が検出したモータ端子電圧値に基づいて、上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理を実行する。
なお、上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理の詳細については、図3を参照して後述する。
次に、ショート/オープン故障判定部37は、ショート故障が発生しているか否かを判定する(ステップS104)。ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理の結果、上アームの駆動素子QHのショート故障である場合(ステップS104:YES)に、処理をステップS109に進める。また、ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理の結果、上アームの駆動素子QHのショート故障でない場合(ステップS104:NO)に、処理をステップS105に進める。
ステップS105において、ショート/オープン故障判定部37は、下アームの駆動素子QLのショート故障判定処理を実行する。なお、下アームの駆動素子QLのショート故障判定処理の詳細については、図4を参照して後述する。
次に、ショート/オープン故障判定部37は、ショート故障が発生しているか否かを判定する(ステップS106)。ショート/オープン故障判定部37は、下アームの駆動素子QLのショート故障判定処理の結果、下アームの駆動素子QLのショート故障である場合(ステップS106:YES)に、処理をステップS109に進める。また、ショート/オープン故障判定部37は、下アームの駆動素子QLのショート故障判定処理の結果、下アームの駆動素子QLのショート故障でない場合(ステップS106:NO)に、処理をステップS107に進める。
なお、ステップS103からステップS106までの処理により、ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHが、ショート故障であるか、オープン故障であるかの判定を行うとともに、下アームの駆動素子QLが、ショート故障であるか、オープン故障であるかの判定を行う。
ステップS107において、モータ制御装置10のモータ電流制御演算部31は、故障相の判定処理を実行する。モータ電流制御演算部31は、まず、遮断管理部32を介して、電源電圧遮断部12、及びモータ駆動電流遮断部15を接続状態に、ゲート駆動部33を駆動状態に、それぞれ変更する。モータ電流制御演算部31は、各相PWM信号を所定値で出力し、モータ駆動状態にして、モータ制御を実行する。
次に、モータ電流制御演算部31は、電気角算出部36が出力する電気角と、検出電流算出部35が出力する各相電流値と、モータ制御手段の出力である各相PWM信号のDuty値(デューティ値)、もしくはPI制御処理より求められた演算結果とに基づいて、オープン故障相を判定する。なお、モータ電流制御演算部31は、故障相判定処理は、故障相の判定が可能な処理であれば、どのような処理を用いてもよい。
次に、モータ電流制御演算部31は、二相駆動処理を実行する(ステップS108)。モータ電流制御演算部31は、故障相以外の2相でモータ駆動するための制御を実行する。なお、二相駆動処理の実行手段は、故障相以外の残り2相でモータ駆動が実施可能となる処理であればどのような処理を用いてもよい。また、モータ電流制御演算部31は、判定した故障相に対応したモータ駆動電流遮断部15を遮断状態にするようにしてもよい。ステップS108の処理後に、モータ制御装置10は、故障判定処理を終了する。
また、ステップS109において、モータ電流制御演算部31は、モータの駆動を停止する。モータ電流制御演算部31は、例えば、各相PWM信号の出力を停止する。モータ電流制御演算部31は、遮断管理部32に、電源電圧遮断部12、及びモータ駆動電流遮断部15の遮断指示を出力するとともに、ゲート駆動部33に対する遮断指示を出力する。その結果、遮断管理部32は、電源電圧遮断部12、及びモータ駆動電流遮断部15に遮断指示を出力するとともに、ゲート駆動部33に駆動停止の指示を出力し、モータ駆動が停止される。
ステップS109の処理後に、モータ制御装置10は、故障判定処理を終了する。
図2に示すように、本実施形態によるモータ制御装置10の故障判定処理では、駆動素子故障判定部34が、上アームの駆動素子QH、及び下アームの駆動素子QLの高電位側端子と低電位側端子間の電圧を監視することにより、どちらかのアームの駆動素子Qが故障であることを判定する。そして、この判定結果とモータ端子電圧検出部18が検出したモータ端子電圧値とを用いて、ショート/オープン故障判定部37が、上アームの駆動素子QHごと、及び下アームの駆動素子QLごとに、ショート故障であるか、オープン故障であるかの判定処理を実行する。なお、本実施形態によるモータ制御装置10の故障判定処理は、モータ駆動前及びモータ駆動中において所定の周期で実行される。
次に、図3を参照して、上述した図2のステップS103の処理の詳細について説明する。
図3は、本実施形態おけるモータ制御装置10の上アームの駆動素子QHのショート/オープン故障の判定処理の一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、モータ制御装置10のショート/オープン故障判定部37は、まず、電源電圧の遮断指示、モータ駆動電流の遮断指示、及びゲート駆動の停止指示を実行する(ステップS201)。ショート/オープン故障判定部37は、電源電圧の遮断指示、モータ駆動電流の遮断指示、及びゲート駆動の停止指示を遮断管理部32に出力する。これにより、電源電圧遮断部12、及びモータ駆動電流遮断部15が遮断状態になり、ゲート駆動部33が駆動停止を実行する。この状態において、ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理を実行する。
なお、電源電圧遮断部12、及びモータ駆動電流遮断部15が存在しないモータ制御装置においては、電源電圧遮断、モータ駆動電流遮断はする必要がない。
次に、ショート/オープン故障判定部37は、モータ回転数を取得する(ステップS202)。ショート/オープン故障判定部37は、電気角算出部36が算出した電気角からモータ回転数を算出する。
次に、ショート/オープン故障判定部37は、モータ回転数が閾値Rth以下であるか否かを判定する(ステップS203)。ショート/オープン故障判定部37は、モータ回転数が閾値Rth以下である場合(ステップS203:YES)に、処理をステップS204に進める。また、ショート/オープン故障判定部37は、モータ回転数が閾値Rthより大きい場合(ステップS203:NO)に、処理をステップS203に戻す。
なお、モータ2が回転している状態であると、モータ端子電圧値は、誘起電圧の発生により、電圧値が上昇し、モータ回転状態におけるモータ端子電圧値を用いた上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理において、ショート故障の誤判定を招く恐れがある。そのため、ショート/オープン故障判定部37は、誤判定が発生しない所定の回転数閾値(閾値Rth)以下に達するまで、ステップS203の処理を繰り返す。
また、ステップS203の処理の代わりに、ブレーキモード(上又は下アームの全駆動素子Qを短時間駆動する処理)を使用してもよい。
ステップS204において、ショート/オープン故障判定部37は、電源電圧値が閾値Vth1以上であるか否かを判定する。ここで、モータ駆動部14は、平滑コンデンサ141を備えており、上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理において用いる電源電圧値は、平滑コンデンサ141に溜まった電荷による電圧値である。そのため、電源電圧遮断部12が、電源電圧遮断状態で実行される上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理でもショート故障判定を行うことが可能である。
また、平滑コンデンサ141の印加電圧が、何らかの要因により低下することで、電源電圧検出部13が検出した電圧値が、モータ端子電圧値の測定可能な上限値以下となった場合、ショート故障が発生したとしてもモータ端子電圧値が測定可能上限値にならず正常な判定を行うことができない。そのため、ステップS204において、ショート/オープン故障判定部37は、ショート故障判定可能な電源電圧値に達しているか否かを確認している。
なお、電源電圧値の判定に用いる閾値Vth1は、直流電源11、及びモータ端子電圧検出部18の構成に基づいて、適切な値に設定されている。
ショート/オープン故障判定部37は、電源電圧値が閾値Vth1以上である場合(ステップS204:YES)に、処理をステップS205に進める。また、ショート/オープン故障判定部37は、電源電圧値が閾値Vth1より小さい場合(ステップS204:NO)に、処理をステップS209に進める。
ステップS205において、ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧を取得する。ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧検出部18が検出したモータ端子電圧を取得する。
次に、ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧が閾値Vth2以上、且つ、所定の期間経過したか否かを判定する(ステップS206)。すなわち、ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧値が上アームのショート故障判定閾値以上(閾値Vth2以上)となっている期間が、所定期間以上となったか否かを判定する。ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧が閾値Vth2以上、且つ、所定の期間経過した場合(ステップS206:YES)に、処理をステップS207に進める。また、ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧が閾値Vth2以上、且つ、所定の期間経過していない場合(ステップS206:NO)に、処理をステップS208に進める。
ステップS207において、ショート/オープン故障判定部37は、ショート故障であると判定する。ショート/オープン故障判定部37は、判定結果として、ショート故障であることを示す出力を、モータ電流制御演算部31に出力する。ステップS207の処理後に、ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHのショート/オープン故障判定処理を終了する。
また、ステップS208において、ショート/オープン故障判定部37は、オープン故障であると判定する。ショート/オープン故障判定部37は、判定結果として、オープン故障であることを示す出力を、モータ電流制御演算部31に出力する。ステップS207の処理後に、ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHのショート/オープン故障判定処理を終了する。
また、ステップS209において、ショート/オープン故障判定部37は、電源電圧のチャージ処理を実行する。ショート/オープン故障判定部37は、電源電圧チャージ部17を動作させ、平滑コンデンサ141に電荷を付与することで電源電圧を上昇させる。
次に、ショート/オープン故障判定部37は、所定の期間経過したか否かを判定する(ステップS210)。ショート/オープン故障判定部37は、電源電圧チャージ部17の動作期間が、所定の期間経過したか否かを判定する。ショート/オープン故障判定部37は、所定の期間経過した場合(ステップS210:YES)に、処理をステップS211に進める。ショート/オープン故障判定部37は、所定の期間経過していない場合(ステップS210:NO)に、処理をステップS204に戻す。
ステップS211において、ショート/オープン故障判定部37は、ショートを含む故障と判定する。すなわち、ショート/オープン故障判定部37は、モータ駆動部14の駆動素子Qのショート故障を含む、何らかの故障が発生したものと判定し、判定結果として、ショート故障であることを示す出力を、モータ電流制御演算部31に出力する。ステップS211の処理後に、ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHのショート/オープン故障判定処理を終了する。
なお、ステップS210における所定の期間は、平滑コンデンサ141、電源電圧チャージ部17、モータ駆動部14の構成により適切な値に設定されている。また、電源電圧遮断部12が存在しないモータ制御装置では、上述したステップS209及びステップS210の処理は、不要である。この場合、ステップS204において、電源電圧値が閾値Vth1より小さい場合に、ステップS211の処理を実行するようにしてもよい。
また、上述した上アームの駆動素子QHのショート/オープン故障判定処理において、上アームの駆動素子QHのいずれかがショート故障であった場合、モータ駆動部14に印加された電源電圧が、ショートした上アームの駆動素子QHと、モータ駆動電流遮断部15のスイッチング素子の寄生ダイオードとを介して、モータ端子電圧検出部18で検出されるモータ端子電圧に印加されるこになる。なお、モータ駆動電流遮断部15が存在しないモータ制御装置においては、上アームの駆動素子QHとモータ端子電圧検出部18とが直接接続されるようにしてもよい。
また、モータ端子電圧値の測定可能な上限値は、直流電源11の電圧値よりも小さく、且つ通常時のモータ端子電圧値は、測定可能な上限値に対して十分余裕のある値となるよう設定する必要がある。モータ端子電圧値の測定可能な上限値は、例えば、ショート発生時のモータ端子電圧値の測定可能な上限値となり、通常時のモータ端子電圧値と大きく異なる値となるため、モータ端子電圧値を使用したショート故障判定が実行可能になる。
また、上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理において、ショート/オープン故障判定部37は、ショート故障判定とならなかった場合に、オープン故障か故障なしのどちらかであり、まとめてオープン故障と判定して、処理を進める。
次に、図4を参照して、上述した図2のステップS105の処理の詳細について説明する。
図4は、本実施形態おけるモータ制御装置10の下アームの駆動素子QLのショート/オープン故障の判定処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、モータ制御装置10のショート/オープン故障判定部37は、まず、モータ駆動電流の遮断指示を解除する(ステップS301)。ショート/オープン故障判定部37は、モータ駆動電流の遮断の解除指示を遮断管理部32に出力する。これにより、モータ駆動電流遮断部15が遮断状態を解除する。この状態において、ショート/オープン故障判定部37は、下アームの駆動素子QLのショート故障判定処理を実行する。
なお、下アームの駆動素子QLのショート故障判定処理では、モータ駆動電流遮断部15が通常状態、つまり未遮断状態で、ゲート駆動部33とモータ駆動部14とが接続された状態において判定処理を実行する必要がある。
この状態において、下アームの駆動素子QLがショート故障すると、モータ端子がグラウンドと接続された状態と等価となり、ある所定の電圧値であったモータ端子の電圧値が約0Vになる。
次に、ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧値を取得する(ステップS302)。ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧検出部18が検出したモータ端子電圧を取得する。
次に、ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧が閾値Vth3以下、且つ、所定の期間経過したか否かを判定する(ステップS303)。すなわち、ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧値が下アームのショート故障判定閾値以下(閾値Vth3以下)となっている期間が、所定期間以上となったか否かを判定する。ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧が閾値Vth3以下、且つ、所定の期間経過した場合(ステップS303:YES)に、処理をステップS304に進める。また、ショート/オープン故障判定部37は、モータ端子電圧が閾値Vth3以下、且つ、所定の期間経過していない場合(ステップS303:NO)に、処理をステップS205に進める。
ステップS304において、ショート/オープン故障判定部37は、ショート故障であると判定する。ショート/オープン故障判定部37は、判定結果として、ショート故障であることを示す出力を、モータ電流制御演算部31に出力する。ステップS304の処理後に、ショート/オープン故障判定部37は、下アームの駆動素子QLのショート/オープン故障判定処理を終了する。
また、ステップS305において、ショート/オープン故障判定部37は、オープン故障であると判定する。ショート/オープン故障判定部37は、判定結果として、オープン故障であることを示す出力を、モータ電流制御演算部31に出力する。ステップS305の処理後に、ショート/オープン故障判定部37は、下アームの駆動素子QLのショート/オープン故障判定処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によるモータ制御装置10は、モータ駆動部14と、モータ端子電圧検出部18と、駆動素子故障判定部34と、ショート/オープン故障判定部37とを備える。モータ駆動部14は、複数相の巻線を有するモータ2に電力を供給する。モータ駆動部14は、複数相の各相に、直列に接続された上アームの駆動素子QH(QHu、QHv、QHw)及び下アームの駆動素子QL(QLu、QLv、QLw)を有する。モータ端子電圧検出部18は、モータ2の各相のモータ端子の電圧に基づくモータ端子電圧値を検出する。駆動素子故障判定部34は、駆動素子Qの両端間の電圧値に基づいて、上アームの駆動素子QH(上側の駆動素子)及び下アームの駆動素子QL(下側の駆動素子)ごとに故障判定を実行し、当該故障判定結果を出力する。ショート/オープン故障判定部37は、駆動素子故障判定部34が出力した故障判定結果が故障判定である場合に、モータ端子電圧検出部18が検出したモータ端子電圧値に基づいて、上アームの駆動素子QH及び下アームの駆動素子QLごとにショート故障又はオープン故障であるか否かを判定する。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置10は、各相のモータ端子の電圧に基づくモータ端子電圧値を用いて、上アームの駆動素子QH及び下アームの駆動素子QLごとにショート故障又はオープン故障であるか否かを判定するため、例えば、駆動信号の各相に独立して、比較器を備える必要がなく、構成を簡略化することができる。また、本実施形態によるモータ制御装置10は、駆動素子Q毎に監視機能を備えたプリドライバICを用いる必要がない。よって、本実施形態によるモータ制御装置10は、簡易な構成により、駆動素子Qの故障診断を行うことができ、小型化、及び低コスト化することができる。
また、本実施形態では、ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHの判定処理において、モータ端子電圧値が上アームのショート故障判定閾値以上(例えば、閾値Vth2以上)となっている期間が、所定期間以上となった場合に、上アームの駆動素子QHがショート故障であると判定する。また、ショート/オープン故障判定部37は、下アームの駆動素子QLの判定処理において、モータ端子電圧値が下アームのショート故障判定閾値以下(例えば、閾値Vth3以下)となっている期間が、所定期間以上となった場合に、下アームの駆動素子QLがショート故障であると判定する。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置10は、上アームの駆動素子QHの判定処理及び下アームの駆動素子QLの判定処理を、より簡易な構成により適切に行うことができる。
また、本実施形態では、ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHの判定処理において、上アームの駆動素子QHがショート故障でないと判定した場合に、上アームの駆動素子QHがオープン故障であると判定する。ショート/オープン故障判定部37は、下アームの駆動素子QLの判定処理において、下アームの駆動素子QLがショート故障でないと判定した場合に、下アームの駆動素子QLがオープン故障であると判定する。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置10は、ショート故障の判定を行うことで、オープン故障の判定を行うことができ、処理を簡略化することができる。
また、本実施形態では、駆動素子故障判定部34は、上アームの駆動素子QHが導通状態に制御された状態において、上アームの駆動素子QHの両端間の電圧値が所定の正常電圧範囲外である期間が、所定の期間以上である場合に、上アームの駆動素子QHが故障であると判定する。駆動素子故障判定部34は、下アームの駆動素子QLが導通状態に制御された状態において、下アームの駆動素子QLの両端間の電圧値が所定の正常電圧範囲外である期間が、所定の期間以上である場合に、下アームの駆動素子QLが故障であると判定する。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置10は、簡易な手法により適切に、駆動素子Qの故障を常時監視することができるとともに、駆動素子Qの故障を適切に検出することができる。
また、本実施形態によるモータ制御装置10は、モータ駆動電流遮断部15を備る。モータ駆動電流遮断部15は、寄生ダイオードを含み、モータ駆動部14からモータ2の各相への電力供給を遮断するスイッチング素子を有する。ショート/オープン故障判定部37は、モータ駆動電流遮断部15によりモータ2への電力供給を遮断した状態において、寄生ダイオードを介して印加されるモータ端子電圧値に基づいて、上アームの駆動素子QHの判定処理を実行する。ショート/オープン故障判定部37は、モータ駆動電流遮断部15のスイッチング素子を導通状態にした状態において、モータ端子電圧値に基づいて、下アームの駆動素子QLの判定処理を実行する。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置10は、上アームの駆動素子QHの判定処理、及び下アームの駆動素子QLの判定処理において、誤判定を低減することができる。
また、本実施形態によるモータ制御装置10は、モータ駆動部14に印加される電源電圧を遮断する電源電圧遮断部12と、モータ駆動部14に印加される電圧を検出する電源電圧検出部13と、モータ駆動部14に強制的に電圧を印加させる電源電圧チャージ部17とを備える。ショート/オープン故障判定部37は、電源電圧遮断部12が電源電圧を遮断した状態において、電源電圧検出部13が検出した検出電圧が所定の閾値以上(例えば、閾値Vth1以上)である場合に、上アームの駆動素子QHの判定処理を実行する。ショート/オープン故障判定部37は、検出電圧が所定の閾値よりも小さい場合に、電源電圧チャージ部17により、モータ駆動部14に強制的に電圧を印加させ、所定の期間内に検出電圧が所定の閾値に達した場合に、上アームの駆動素子QHの判定処理を実行する。ショート/オープン故障判定部37は、所定の期間内に検出電圧が所定の閾値に達しなかった場合に、上アームの駆動素子QHがショート故障であると判定する。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置10は、電源電圧遮断部12と、電源電圧検出部13と、電源電圧チャージ部17とを備えることにより、判定処理を実行する際の状態を判定に適した一定の範囲に収めることができ、誤判定を低減することができる。
また、本実施形態では、ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHの判定処理を実行した後に、下アームの駆動素子QLの判定処理を実行する。ショート/オープン故障判定部37は、上アームの駆動素子QHがショート故障であると判定した場合に、下アームの駆動素子QLの判定処理を実行しない。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置10は、判定処理を適切な判定順序で実行し、無駄な判定処理を行わないため、判定処理をより適切に行うことができる。
また、本実施形態によるモータ制御装置10は、ショート/オープン故障判定部37からの遮断指示に応じて、モータ駆動電流遮断部15、及び電源電圧遮断部12を遮断状態にさせる遮断管理部32を備える。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置10は、駆動素子Qの故障判定処理のための状態変更を、遮断管理部32を用いて、簡単に行うことができ、簡易な構成により、駆動素子Qの故障診断を適切に行うことができる。
また、本実施形態によるモータ制御装置10は、モータ駆動部14の各相の上アームの駆動素子QH及び下アームの駆動素子QLに駆動信号を出力するゲート駆動部33を備える。遮断管理部32は、遮断指示に応じて、ゲート駆動部33の停止指示を出力する。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置10は、駆動素子Qの故障判定処理を行う際に、ゲート駆動部33の停止させることで、モータ駆動部14を簡単に停止することができる。
また、本実施形態によるモータ制御装置10は、ゲート駆動部33に駆動指令値を出力して、モータ2の駆動を制御するモータ電流制御演算部31(モータ制御部)を備える。モータ電流制御演算部31は、上アームの駆動素子QHの判定処理、及び下アームの駆動素子QLの判定処理のいずれかにおいて、ショート故障であると判定された場合に、モータ2の駆動を停止さる。モータ電流制御演算部31は、上アームの駆動素子QHの判定処理、及び下アームの駆動素子QLの判定処理の両方において、オープン故障であると判定された場合に、故障している相である故障相を特定し、当該故障相が1つである場合に、当該故障相によるモータ2の駆動を停止させて、当該故障相以外の相により、モータ2を駆動させる。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置10は、例えば、1つの相において、駆動素子Qのオープン故障が検出された場合に、故障相以外の相により、モータ2を駆動させるため、駆動素子Qのオープン故障が発生した場合に、モータ2の駆動を継続させることができる。
また、本実施形態では、駆動素子故障判定部34は、モータ2の駆動前、及び、モータ2の駆動中に、故障判定を実行する。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置10は、駆動素子Qの故障監視、及び故障判定を適切に行うことができる。
また、本実施形態による電動パワーステアリング装置1は、上述したモータ制御装置10と、モータ2と、トルクセンサ22とを備える。モータ2は、操舵装置25(ステアリング)の操舵をアシストする。トルクセンサ22は、操舵装置25の操舵トルクを検出する。モータ制御装置10は、トルクセンサ22が検出した操舵トルクに応じて、モータ2の駆動を制御する。
これにより、本実施形態による電動パワーステアリング装置1は、上述したモータ制御装置10と同様の効果を奏し、簡易な構成により、駆動素子Qの故障診断を行うことができ、小型化、及び低コスト化することができる。
また、本実施形態によるモータ制御方法は、上述したモータ駆動部14と、モータ端子電圧検出部18とを備えるモータ制御装置10のモータ制御方法であって、故障判定ステップと、ショート/オープン故障判定ステップとを含む。故障判定ステップにおいて、駆動素子故障判定部34が、駆動素子の両端間の電圧値に基づいて、上アームの駆動素子QH及び下アームの駆動素子QLごとに故障判定を実行し、当該故障判定結果を出力する。ショート/オープン故障判定ステップにおいて、ショート/オープン故障判定部37が、駆動素子故障判定ステップによって出力された故障判定結果が故障判定である場合に、モータ端子電圧検出部18が検出したモータ端子電圧値に基づいて、上アームの駆動素子QH及び下アームの駆動素子QLごとにショート故障又はオープン故障であるか否かを判定する。
これにより、本実施形態によるモータ制御方法は、上述したモータ制御装置10と同様の効果を奏し、簡易な構成により、駆動素子Qの故障診断を行うことができ、小型化、及び低コスト化することができる。
なお、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、モータ制御装置10が、電源電圧遮断部12を備えている例を説明したが、これに限定されるものではなく、電源電圧遮断部12を備えていない構成にも適当可能である。この場合には、モータ制御装置10は、電源電圧チャージ部17も不要であるとともに、上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理、及び、下アームの駆動素子QLのショート故障判定処理の処理順は、どちらが先に実行されてもよい。
上記の実施形態において、モータ制御装置10が、モータ駆動電流遮断部15を備えている例を説明したが、これに限定されるものではなく、モータ駆動電流遮断部15を備えていない構成であってもよい。その場合には、上アームの駆動素子QHのショート故障判定処理でのモータ駆動電流遮断部15の寄生ダイオードの使用、及び下アームの駆動素子QLのショート故障判定処理でのモータ駆動電流遮断部15の遮断状態の制御(遮断指示、又は遮断解除)が不要となる。
また、上記の実施形態において、制御部30が備える構成の一部が、制御部30の外部に備えられるようにしてもよい。例えば、ゲート駆動部33は、制御部30に含まれる例を説明したが、これに限定されるものではなく、制御部30の外部に備えるようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、モータ端子電圧検出部18は、制御部30の外部に備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、制御部30が、モータ端子電圧検出部18を含むように構成してもよい。
また、上記の実施形態において、駆動素子Qが、MOSFETである例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など、他の半導体スイッチング素子であってもよい。
なお、上述したモータ制御装置10及び電動パワーステアリング装置1が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したモータ制御装置10及び電動パワーステアリング装置1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したモータ制御装置10及び電動パワーステアリング装置1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にモータ制御装置10及び電動パワーステアリング装置1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
1…電動パワーステアリング装置、2…モータ、10…モータ制御装置、11…直流電源、12…電源電圧遮断部、13…電源電圧検出部、14…モータ駆動部、15…モータ駆動電流遮断部、17…電源電圧チャージ部、18…モータ端子電圧検出部、20…角度検出部、21…ハンドル、22…トルクセンサ、23…駆動力伝達機構、24…シャフト、25…操舵装置、26…車輪、30…制御部、31…モータ電流制御演算部、32…遮断管理部、33…ゲート駆動部、34…駆動素子故障判定部、35…検出電流算出部、36…電気角算出部、37…ショート/オープン故障判定部、141…平滑コンデンサ、142u,142v,142w…電流センサ、QHu,QHv,QHw,QLu,QLv,QLw…駆動素子

Claims (14)

  1. 複数相の巻線を有するモータに電力を供給するモータ駆動部であって、前記複数相の各相に、直列に接続された上側の駆動素子及び下側の駆動素子を有するモータ駆動部と、
    前記モータの各相のモータ端子の電圧に基づくモータ端子電圧値を検出するモータ端子電圧検出部と、
    前記駆動素子の両端間の電圧値に基づいて、前記上側の駆動素子及び下側の駆動素子ごとに故障判定を実行し、当該故障判定結果を出力する駆動素子故障判定部と、
    前記駆動素子故障判定部が出力した前記故障判定結果が故障判定である場合に、前記モータ端子電圧検出部が検出した前記モータ端子電圧値に基づいて、前記上側の駆動素子及び前記下側の駆動素子ごとにショート故障又はオープン故障であるか否かを判定するショート/オープン故障判定部と
    を備えるモータ制御装置。
  2. 前記ショート/オープン故障判定部は、
    前記上側の駆動素子の判定処理において、前記モータ端子電圧値が上側のショート故障判定閾値以上となっている期間が、所定期間以上となった場合に、前記上側の駆動素子がショート故障であると判定し、
    前記下側の駆動素子の判定処理において、前記モータ端子電圧値が下側のショート故障判定閾値以下となっている期間が、所定期間以上となった場合に、前記下側の駆動素子がショート故障であると判定する
    請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記ショート/オープン故障判定部は、
    前記上側の駆動素子の判定処理において、前記上側の駆動素子がショート故障でないと判定した場合に、前記上側の駆動素子がオープン故障であると判定し、
    前記下側の駆動素子の判定処理において、前記下側の駆動素子がショート故障でないと判定した場合に、前記下側の駆動素子がオープン故障であると判定する
    請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記駆動素子故障判定部は、
    前記上側の駆動素子が導通状態に制御された状態において、前記上側の駆動素子の前記両端間の電圧値が所定の正常電圧範囲外である期間が、所定の期間以上である場合に、前記上側の駆動素子が故障であると判定し、
    前記下側の駆動素子が導通状態に制御された状態において、前記下側の駆動素子の前記両端間の電圧値が所定の正常電圧範囲外である期間が、所定の期間以上である場合に、前記下側の駆動素子が故障であると判定する
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  5. 寄生ダイオードを含み、前記モータ駆動部から前記モータの各相への電力供給を遮断するスイッチング素子を有するモータ駆動電流遮断部を備え、
    前記ショート/オープン故障判定部は、
    前記モータ駆動電流遮断部により前記モータへの電力供給を遮断した状態において、前記寄生ダイオードを介して印加される前記モータ端子電圧値に基づいて、前記上側の駆動素子の判定処理を実行し、
    前記モータ駆動電流遮断部の前記スイッチング素子を導通状態にした状態において、前記モータ端子電圧値に基づいて、前記下側の駆動素子の判定処理を実行する
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  6. 前記モータ駆動部に印加される電源電圧を遮断する電源電圧遮断部と、
    前記モータ駆動部に印加される電圧を検出する電源電圧検出部と、
    前記モータ駆動部に強制的に電圧を印加させる電源電圧チャージ部と
    を備え、
    前記ショート/オープン故障判定部は、
    前記電源電圧遮断部が前記電源電圧を遮断した状態において、前記電源電圧検出部が検出した検出電圧が所定の閾値以上である場合に、前記上側の駆動素子の判定処理を実行し、
    前記検出電圧が前記所定の閾値よりも小さい場合に、前記電源電圧チャージ部により、前記モータ駆動部に強制的に電圧を印加させ、所定の期間内に前記検出電圧が前記所定の閾値に達した場合に、前記上側の駆動素子の判定処理を実行し、
    前記所定の期間内に前記検出電圧が前記所定の閾値に達しなかった場合に、前記上側の駆動素子がショート故障であると判定する
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  7. 前記ショート/オープン故障判定部は、
    前記上側の駆動素子の判定処理を実行した後に、前記下側の駆動素子の判定処理を実行し、
    前記上側の駆動素子がショート故障であると判定した場合に、前記下側の駆動素子の判定処理を実行しない
    請求項6に記載のモータ制御装置。
  8. 前記ショート/オープン故障判定部からの遮断指示に応じて、前記電源電圧遮断部を遮断状態にさせる遮断管理部を備える
    請求項6又は請求項7に記載のモータ制御装置。
  9. 前記ショート/オープン故障判定部からの遮断指示に応じて、前記モータ駆動電流遮断部を遮断状態にさせる遮断管理部を備える
    請求項5に記載のモータ制御装置。
  10. 前記モータ駆動部の各相の前記上側の駆動素子及び前記下側の駆動素子に駆動信号を出力するゲート駆動部を備え、
    前記遮断管理部は、前記遮断指示に応じて、前記ゲート駆動部の停止指示を出力する
    請求項8又は請求項9に記載のモータ制御装置。
  11. 前記ゲート駆動部に駆動指令値を出力して、前記モータの駆動を制御するモータ制御部を備え、
    前記モータ制御部は、
    前記上側の駆動素子の判定処理、及び前記下側の駆動素子の判定処理のいずれかにおいて、前記ショート故障であると判定された場合に、前記モータの駆動を停止させ、
    前記上側の駆動素子の判定処理、及び前記下側の駆動素子の判定処理の両方において、前記オープン故障であると判定された場合に、故障している相である故障相を特定し、当該故障相が1つである場合に、当該故障相による前記モータの駆動を停止させて、当該故障相以外の相により、前記モータを駆動させる
    請求項10に記載のモータ制御装置。
  12. 前記駆動素子故障判定部は、前記モータの駆動前、及び、前記モータの駆動中に、前記故障判定を実行する
    請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のモータ制御装置と、
    ステアリングの操舵をアシストする前記モータと、
    前記ステアリングの操舵トルクを検出するトルクセンサと
    を備え、
    前記モータ制御装置は、前記トルクセンサが検出した前記操舵トルクに応じて、前記モータの駆動を制御する
    電動パワーステアリング装置。
  14. 複数相の巻線を有するモータに電力を供給するモータ駆動部であって、前記複数相の各相に、直列に接続された上側の駆動素子及び下側の駆動素子を有するモータ駆動部と、前記モータの各相のモータ端子の電圧に基づくモータ端子電圧値を検出するモータ端子電圧検出部とを備えるモータ制御装置のモータ制御方法であって、
    駆動素子故障判定部が、前記駆動素子の両端間の電圧値に基づいて、前記上側の駆動素子及び下側の駆動素子ごとに故障判定を実行し、当該故障判定結果を出力する駆動素子故障判定ステップと、
    ショート/オープン故障判定部が、前記駆動素子故障判定ステップによって出力された前記故障判定結果が故障判定である場合に、前記モータ端子電圧検出部が検出した前記モータ端子電圧値に基づいて、前記上側の駆動素子及び前記下側の駆動素子ごとにショート故障又はオープン故障であるか否かを判定するショート/オープン故障判定ステップと
    を含むモータ制御方法。
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