JPH11330239A - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置及び半導体装置の製造方法

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JPH11330239A
JPH11330239A JP13346398A JP13346398A JPH11330239A JP H11330239 A JPH11330239 A JP H11330239A JP 13346398 A JP13346398 A JP 13346398A JP 13346398 A JP13346398 A JP 13346398A JP H11330239 A JPH11330239 A JP H11330239A
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JP
Japan
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film
insulating film
semiconductor device
sog film
dummy wiring
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Pending
Application number
JP13346398A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoteru Matsubara
直輝 松原
Yasunori Inoue
恭典 井上
Hidetaka Nishimura
英孝 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性に優れた半導体装置を提供すること。 【解決手段】 絶縁膜3上に形成された金属配線2間を
含む基板の表面に有機SOG膜4を形成し、レジストパ
ターン5をマスクとして有機SOG4にホウ素イオンを
注入する。こうすることにより、有機SOG膜4が改質
SOG膜6となって、その部分の機械的強度が高くなる
上に、不純物を導入した部分のエッチングレートが他の
部分と異なるようになり、選択的なエッチングが可能と
なる。そして、レジストパターン5を除去した後、有機
SOG膜4(改質SOG膜)を、不純物を導入した個所
のエッチングレートがそれ以外の個所のエッチングレー
トよりも小さい条件でエッチングすることにより、有機
SOG膜4のみが選択的に除去され、配線3間に改質S
OG膜6からなるダミー配線7が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置及び半
導体装置の製造方法に係り、詳しくは、配線間にダミー
配線を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の更なる高集積化
を実現するために、配線の微細化、多層化を進めること
が要求されている。配線を多層化するには、各配線間に
層間絶縁膜を設けるが、その層間絶縁膜の表面が平坦で
ないと、層間絶縁膜の上部に形成された配線に段差が生
じて断線などの故障が引き起こされる。
【0003】層間絶縁膜の表面を平坦化する手段の一つ
として、層間絶縁膜の下地面の凹凸をできるだけ解消し
て、層間絶縁膜の表面に反映させないようにする技術が
あり、配線間にダミーの配線を形成するダミー配線技術
もその一つである。図12〜図16はダミー配線の一般
的な形成プロセスを示したもので、以下に簡単に説明す
る。
【0004】工程A(図12参照):絶縁膜51上に配
線52を形成した後、全面に薄い絶縁膜53を形成す
る。 工程B(図13参照):全面にダミー配線材料54を堆
積した後、ダミー配線形成領域を覆うレジストパターン
55を形成する。 工程C(図14参照):レジストパターン55をマスク
として、ダミー配線材料54をエッチングし、配線52
間にダミー配線56を形成する。
【0005】工程D(図15参照):レジストパターン
55をO2アッシングにより除去する。 工程E(図16参照):配線52及びダミー配線56の
上に2層の絶縁膜57、58を形成する。この時、配線
52間に形成されたダミー配線56の存在により、絶縁
膜57、58の表面の凹凸の度合いが軽減される。尚、
絶縁膜58の上には、図示しないが上層配線が形成され
る。
【0006】以上の例において、ダミー配線56には、
絶縁物又は配線52と同じ導電物が用いられる。この
内、絶縁物を用いたものは、導電物を用いたものに比べ
て、上下配線間の配線容量を小さく抑えることができ、
半導体装置としての処理速度が速いという利点を有す
る。例えば、特開平6−5594号公報に記載されてい
るダミー配線には、シリカ等の無機塗布膜材料やポリイ
ミド等の有機塗布膜材料が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の塗布膜材料は、
例えば、プラズマCVD法により形成されたシリコン酸
化膜に比べて被覆段差性及び平坦性に優れ、必要以上に
膜厚を厚くする必要が無いが、以下の通りの問題点を有
する。 (1)機械的な強度が低い。
【0008】(2)膜中に水分及び水酸基を多量に含ん
でいるために、金属配線などに悪影響を与え、電気的特
性の劣化、腐食などの原因となりやすい。 (3)膜中に水分及び水酸基を多量に含んでいるため
に、誘電率が高く、配線間容量が大きくなって、信号遅
延の原因となる。 (4)工程Dにおいて、レジストパターンを除去した時
にダミー配線56が図15の通り変形することがあり、
その結果、絶縁膜57との間にボイドが発生したり、ダ
ミー配線56自身に亀裂が生じる原因となり、半導体装
置としての信頼性を損なう危惧がある。
【0009】本発明は、半導体装置及び半導体装置の製
造方法に関し、斯かる問題点を解消することをその目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置にあ
っては、配線間に、不純物が導入された第1の絶縁膜か
らなるダミー配線を設けている。このように、不純物が
導入された第1の絶縁膜からなるダミー配線を用いる。
この第1の絶縁膜への不純物の導入により、膜が改質さ
れて、ダミー配線としての機械的強度が高くなると共
に、膜に含まれる水分や水酸基が減少し且つ膜が吸水し
にくくなる。これにより、絶縁膜の絶縁特性を改善する
ことができる。
【0011】この場合、前記第1の絶縁膜の下に第2の
絶縁膜を設けることにより、第1の絶縁膜と第2の絶縁
膜との密着強度が向上する。更にこの場合、第1の絶縁
膜は、有機SOG膜などの炭素を1%以上含有するシリ
コン酸化膜、又は無機SOG膜を含むのが好ましい。こ
のように、第1の絶縁膜として平坦性に優れたSOG膜
を用いる場合には、素子の微細化にも適すると共に信号
遅延などの問題の生じない絶縁膜を提供することができ
る。
【0012】本発明の半導体装置の製造方法にあって
は、基板上に形成された配線間に第1の絶縁膜を形成す
る工程と、前記第1の絶縁膜の少なくとも一部に不純物
を導入する工程と、前記第1の絶縁膜における前記不純
物が導入された個所を含む領域を、ダミー配線形状に加
工する工程と、を含む。また、本発明の半導体装置の製
造方法にあっては、基板上に形成された配線間を含む基
板の表面に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の
絶縁膜の表面を、ダミー配線形成予定領域を残してマス
クパターンで覆う工程と、前記マスクパターンをマスク
として前記第1の絶縁膜に不純物を導入する工程と、前
記マスクパターンを除去した後、前記第1の絶縁膜を、
前記不純物を導入した個所のエッチングレートがそれ以
外の個所のエッチングレートよりも小さい条件でエッチ
ングすることにより、前記配線間に前記第1の絶縁膜か
らなるダミー配線を形成する工程と、を含む。
【0013】このように、ダミー配線としての第1の絶
縁膜に不純物を導入することにより、膜が改質されて、
その部分の機械的強度が高くなると共に、膜に含まれる
水分や水酸基が減少し且つ膜が吸水しにくくなる。ま
た、不純物を導入した部分のエッチングレートを他の部
分と異ならせることができ、選択的なエッチングが可能
となる。
【0014】この場合、第1の絶縁膜は、有機SOG膜
などの炭素を1%以上含有するシリコン酸化膜、又は無
機SOG膜を含むのが好ましい。このように、第1の絶
縁膜としてカバレッジに優れ且つ誘電率の低いものを用
いれば、第1の絶縁膜としてプラズマCVD法によって
形成した絶縁膜を用いる場合に比べて、素子の微細化に
も適すると共に信号遅延などの問題の生じない絶縁膜を
提供することができる。
【0015】また、本発明の半導体装置の製造方法にあ
っては、前記第1の絶縁膜を形成するに先立って、基板
の表面に第2の絶縁膜を形成しても良い。こうすること
により、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との密着強度が向
上する。尚、本発明において、基板とは、基板そのもの
又は基板上に形成された絶縁物や導電物をも含む。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明を具体化した実施形態にお
けるダミー配線形成プロセスを図1〜図6に従って説明
する。 工程1(図1参照):半導体基板(図示しない)上に形
成された絶縁膜1(SiO2膜、SiN膜、BPSG(bo
ro-phospho silicate glass)膜等)上にアルミ等の金属
配線2を形成した後、全面に、薄いシリコン酸化膜3を
形成する。シリコン酸化膜3は、プラズマCVD法によ
り形成する。反応ガスとしては、モノシランと亜酸化窒
素(SiH4+N2O)、モノシランと酸素(SiH4
2)、TEOS(Tetra-ethoxy-silane)と酸素(TE
OS+O2)などを用い、成膜温度は300〜900℃
である。
【0017】また、シリコン酸化膜3は、プラズマCV
D法以外の方法(常圧CVD法、減圧CVD法、ECR
プラズマCVD法、光励起CVD法、TEOS−CVD
法、PVD法など)によって形成してもよい。例えば、
常圧CVD法で用いられるガスはモノシランと酸素(S
iH4+O2)であり、成膜温度は400℃以下である。
また、減圧CVD法で用いられるガスはモノシランと亜
酸化窒素(SiH4+N2O)であり、成膜温度は900
℃以下である。
【0018】工程2(図2参照):シリコン酸化膜3の
上にSOG膜4を形成する。SOG(Silicon On Glass)
とは、シリコン化合物を有機溶剤に溶解した溶液及びそ
の溶液から形成される二酸化シリコンを主成分とする膜
の総称である。SOG膜を形成するには、まず、シリコ
ン化合物を有機溶剤に溶解した溶液を基板上に滴下して
基板を回転させる。すると、その溶液の被膜は、配線に
よって形成される基板上の段差に対して、その凹部には
厚く、凸部には薄く、段差を緩和するように形成され
る。その結果、その溶液の被膜の表面は平坦化される。
【0019】次に熱処理が施されると、有機溶剤が蒸発
すると共に重合反応が進行して、表面が平坦なSOG膜
が形成される。SOG膜には、一般式(1)で表される
ように、シリコン化合物中に有機成分を含まない無機S
OG膜と、一般式(2)で表されるように、シリコン化
合物中に有機成分を含む有機SOG膜とがある。
【0020】[SiO2n ・・・(1) [RXSiYZn ・・・(2) (n,X,Y,Z:整数、R:アルキル基又はアリール
基) 無機SOG膜は、水分及び水酸基を多量に含んでいる上
に、CVD(ChemicalVapor Deposition)法によって形
成されたシリコン酸化膜に比べて脆弱であり、膜厚を
0.5μm以上にすると熱処理時にクラックが発生しや
すいという欠点がある。
【0021】一方、有機SOG膜は、熱処理におけるク
ラックの発生が抑制され、膜厚を0.5〜1μm程度に
することができる。従って、有機SOG膜を用いれば、
基板上の大きな段差に対しても十分な平坦化が可能にな
る。本実施形態では、SOG膜4として有機SOG膜4
を用いる。その組成は(CH31/2SiO3/2又は(C
3)Si23で、その膜厚は600nmである。
【0022】その形成方法は、まず、前記組成のシリコ
ン化合物のアルコール系溶液(例えば、IPA+アセト
ン)を基板1の上に滴下して基板を回転速度:2300
rpmで20秒間回転させ、この溶液の被膜を基板の上に
形成する。このとき、そのアルコール系溶液の被膜は、
基板の上の段差に対して、その凹部には厚く、その凸部
には薄く、段差を緩和するように形成される。その結
果、アルコール系溶液の被膜の表面は平坦化される。
【0023】次に、窒素雰囲気中において、100℃で
1分間、200℃で1分間、300℃で1分間、22℃
で1分間、430℃で30分間、順次熱処理を施すと、
アルコール系が蒸発すると共に重合反応が進行して、表
面が平坦な膜厚300nmの有機SOG膜が形成され
る。この被膜形成〜熱処理作業をもう1回繰り返すこと
により、膜厚600nmの有機SOG膜4を得る。この
有機SOG膜4は、炭素を1%以上含有するシリコン酸
化膜である。
【0024】工程3(図3参照):有機SOG膜4の上
に、ダミー配線形成領域のみ開口するレジストパターン
5を形成する。そして、レジストパターン5をマスクと
し、イオン注入法を用いて、アルゴンイオン(Ar+
を加速エネルギー:140KeV、ドーズ量:1×1015a
toms/cm2の条件で有機SOG膜4にドープする。
【0025】この条件で注入すると、アルゴンイオン
は、有機SOG膜4とシリコン酸化膜3との界面にも到
達する。このように、シリコン酸化膜3との界面にホウ
素イオンが導入されることで、両者の密着強度が高くな
る。更には、有機SOG膜4にアルゴンイオンを導入す
ることで、機械的強度が高くなる上に、膜中の有機成分
を分解させると共に、膜中に含まれる水分及び水酸基を
減少させる。
【0026】その結果、有機SOG膜4は、機械的強度
が高く、水分及び水酸基が僅かしか含まれなく、後述す
るがO2プラズマ耐性にも優れ、且つ下地シリコン酸化
膜3との密着強度が高いSOG膜(以下、改質SOG膜
という)6に変えられる。尚、この改質SOG膜6も、
炭素を1%以上含有するシリコン酸化膜である。 工程4(図4参照):レジストパターン5をO2プラズ
マアッシングにより除去する。この時、改質SOG膜6
は、O2プラズマ耐性に優れているため、きわめて変形
しにくい状態にある。
【0027】そして、RIE(Reactive Ion Etching)法
を用いたドライエッチングにより有機SOG膜4(改質
SOG膜6)をエッチングする。この時のエッチング条
件としては、使用ガス(ガス流量):Ar(250scc
m)+C48(15sccm)+O 2(6sccm)+CHF
3(15sccm)、圧力:7〜10mTorr、μ波パワー:
1.85kW、基板バイアス:2.26W/cm2である。
【0028】このようにエッチング条件を設定すること
で、有機SOG膜4のエッチングレートが改質SOG膜
6のエッチングレートよりも大きくなり、未改質の有機
SOG膜4のみが選択的に除去される。こうして、金属
配線3間に、改質SOG膜6からなるダミー配線7が形
成される。
【0029】工程5(図5参照):基板の表面に、BP
SG膜やSOG膜(この場合、イオン注入により改質し
ておくことが望ましい)等の平坦化膜8を形成し、更
に、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜9を形成す
る。 工程6(図6参照):シリコン酸化膜9の上にスパッタ
法等により上層金属配線10を形成する。
【0030】図7はO2プラズマ耐性の指標として、改
質SOG膜の膜厚減少に着目して評価すべく、有機SO
G膜にアルゴンイオンを注入して形成した改質SOG膜
をO 2プラズマに晒したときの膜厚変化について示した
ものである。尚、イオン注入の条件は、加速エネルギ
ー:140KeV、ドーズ量:1×1015atoms/cm2であ
る。
【0031】有機SOG膜をO2プラズマに晒した場合
(O2 PLASMA)、当初の有機SOG膜(UNTREATED)の膜厚に
比べて、膜厚が16%減少したのに対し、改質SOG膜
をO2プラズマに晒した場合(O2 PLASMA AFTER Ar+ IMPL
A.)、当初の改質SOG膜(Ar+IMPLA.)の膜厚に比べて、
膜厚がほとんど減少しないことが分かった。但し、改質
SOG膜の膜厚は有機SOG膜の膜厚に比べて25%減
少している。
【0032】以上の結果から、改質SOG膜は、O2
ラズマ耐性の優れた膜であることが分かった。また、O
2プラズマに晒した場合よりも、イオン注入した場合の
方が膜厚減少が大きいことから、イオン注入した方が膜
の密度が大きいと考えられる。このように、改質SOG
膜は、O2プラズマ耐性に優れているから、エッチング
マスクとして用いたフォトレジストをアッシングする際
にもアッシング効率の良い酸素系のガスを用いることが
できる。
【0033】図8は有機SOG膜(未処理:UNIMPLANTE
D)及び改質SOG膜(イオン注入処理:Ar+-IMPLANTED)
のそれぞれに窒素雰囲気で30分間の熱処理を施し、T
DS法(Thermal Desorption Spectroscopy)を用いて評
価した結果を示している。尚、イオン注入条件は、加速
エネルギー:140KeV、ドーズ量:1×1015atoms/c
m2である。
【0034】この図は、H2O(m/e=18)に関す
る脱離量を表したものであり、図から明らかなように、
改質SOG膜はH2O(m/e=18)に関する脱離が
少ないことが分かる。このことは、有機SOG膜にイオ
ン注入を行って、改質SOG膜とすることにより、有機
SOG膜に含まれる水分及び水酸基が減少することを示
している。
【0035】図9は有機SOG膜及び改質SOG膜の吸
湿性を調べる目的で、有機SOG膜(UNTREATED)、有機
SOG膜をO2プラズマに晒したもの(O2 PLASMA)及び改
質SOG膜(Ar+)をクリーンルーム内で大気中に放置
し、膜中の水分を評価した結果を示している。膜中の水
分量は、FT−IR法(Fourier Transform Infrared Sp
ectroscopy)を用いて、赤外吸収スペクトルのO−H基
に関する吸収(3500cm-1付近)の面積強度を指標と
した。イオン注入条件は、加速エネルギー:140Ke
V、ドーズ量:1×1015atoms/cm2である。
【0036】O2プラズマに晒した場合、処理前後での
水分増加だけでなく、1日後でも水分が増加しているこ
とが分かる。一方、改質SOG膜は、イオン注入後に増
加していないだけでなく、クリーンルーム内で大気に放
置しても、有機SOG膜に比べて水分の増加は小さい。
即ち、改質SOG膜は、有機SOG膜に比べて吸湿性が
低いことが分かる。
【0037】図10は改質SOG膜及び有機SOG膜の
水分の透過性を調べる目的で、プレッシャー・クッカー
試験(PCT)(加湿試験のことで、本実施形態では、
条件として、120℃、2気圧の飽和水蒸気雰囲気で行
った)した結果を示している。FT−IR法を用いて、
有機SOG膜中のO−Hに関する吸収ピーク(3500
cm-1付近)の面積強度を求め、PCT時間との関係をプ
ロットした。
【0038】イオン注入法を用いて表面だけを改質した
試料(Ar+20KeV)を作製し、膜全体を改質したもの
(Ar+140KeV)や改質しなかったもの(有機SOG
膜:UNTREATED)と比較した結果、以下のことが分かっ
た。 (1)改質していない有機SOG膜をPCTした場合、
3500cm-1付近(O−H基に関する)の吸収強度が劇
的な増加を示す。
【0039】(2)改質SOG膜では、3500cm-1
近(O−H基に関する)の吸収強度の増加は小さい。膜
表面だけを改質した試料でも、膜全体を改質したものと
同程度である。以上の結果から、イオンを注入すること
で、水分の透過性を抑制する層を形成できることが分か
る。
【0040】表1は、プラズマCVD法で形成したシリ
コン酸化膜の上にSOG膜(膜厚600nm)を形成し
たテストデバイスを用いて、SOG膜とシリコン酸化膜
との密着強度を引っ張り強度試験装置を用いて評価した
結果を示している。
【0041】
【表1】
【0042】尚、表1中条件欄はSOG膜として用いた
ものを示している。低圧酸素プラズマ処理とは有機SO
G膜を酸素プラズマに晒したものである。改質SOG膜
は本実施形態と同様の条件で形成している。このよう
に、SOG膜として改質SOG膜を用いたものは、下地
シリコン酸化膜との密着強度が高くなって、膜剥がれが
起こらない。
【0043】図11は表1と同様のテストデバイスにお
いて、SOG膜に異なる条件でホウ素(B+)イオンを
注入した時の密着強度を測定したものである。ドーズ量
は1×1015atoms/cm2と一定とし、加速エネルギーを
20、60、100及び140KeVにそれぞれ変化させ
た。図中、「Unimplanted」はイオン注入を行っていな
いもの、すなわち有機SOG膜のことである。
【0044】このように、イオン注入しないものは、S
OG膜とシリコン酸化膜との密着強度が低く、簡単に剥
がれやすいが、イオン注入したものは、加速エネルギー
が高くなるに従って密着強度が高くなり、特に、60Ke
V以上では、700Kgf/cm2を越える密着強度を得
ることができる。この密着強度の向上は、SOG膜とシ
リコン酸化膜との界面にイオンが到達し、界面の元素の
ミキシング及び再結合によりもたらされたものと考えら
れる。
【0045】以上、本実施形態にあっては、有機SOG
膜4にイオン注入によって不純物を導入することによ
り、有機SOG膜4が改質SOG膜6となって、膜に含
まれる水分や水酸基が減少し且つ膜が吸水しにくくな
り、且つ、下地シリコン酸化膜との密着性も良好になっ
る。従って、この改質SOG膜6を配線間のダミー配線
として用いることにより、信頼性の高いデバイスを得る
ことができる。
【0046】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、以下のように実施しても同様の作用効果を得
ることができる。 1)有機SOG膜4に代えて、ポリイミドやシロキサン
編成されたポリイミドなどを用いる。 2)改質SOG膜6に熱処理を施す。この場合、改質S
OG膜6中のダングリングボンドが少なくなるため。吸
湿性が更に小さくなり、水分の透過も更に少なくなる。
【0047】3)有機SOG膜4の組成を一般式(2)
で表されるものに置き代える。 4)有機SOG膜4の組成を一般式(1)で表される無
機SOG膜に置き代え、その無機SOG膜にイオン注入
を行う。この場合には、無機SOG膜に含まれる水分及
び水酸基を減少させることができる。 5)上記実施形態では、有機SOG膜4に注入するイオ
ンとしてアルゴンイオンを用いたが、結果として有機S
OG膜4を改質するものであればどのようなイオンを用
いてもよい。
【0048】具体的には、アルゴンイオン、ホウ素イオ
ン、窒素イオンなどの質量の比較的小さいイオンが適し
ており、中でもホウ素イオンがもっとも適しているが、
これら以外にも以下に示すイオンも十分に効果が期待で
きる。アルゴン以外の不活性ガスイオン(ヘリウムイオ
ン、ネオンイオン、クリプトンイオン、キセノンイオ
ン、ラドンイオン)。不活性ガスは有機SOG膜と反応
しないため、イオン注入によって悪影響が生じる恐れが
全くない。
【0049】ホウ素及び窒素以外のIII b,IV b,V b,VI
b,VII bの各族の元素単体イオン及びそれらの化合物イ
オン。特に、酸素、アルミ、イオウ、塩素、ガリウム、
ゲルマニウム、ヒ素、セレン、臭素、アンチモン、ヨウ
素、インジウム、スズ、テルル、鉛、ビスマスの元素単
体イオン及びそれらの化合物イオン。この中で、金属元
素イオンについては、イオン注入後の有機SOG膜の誘
電率を低く抑えることができる。
【0050】IVa族,Va族の元素単体イオン及びそれら
の化合物イオン。特に、チタン、バナジウム、ニオブ、
ハフニウム、タンタルの元素単体イオン及びそれらの化
合物イオン。IVa族,Va族の元素の酸化物は誘電率が高
いため、イオン注入後の有機SOG膜の誘電率も高くな
るが、特に低い誘電率のダミー配線が要求される場合以
外には実用上問題ない。
【0051】各イオンを複数種類組み合わせて用いる。
この場合、各イオンの相乗作用により更に優れた効果を
得ることができる。 6)上記実施形態では、有機SOG膜4にイオンを注入
しているが、イオンに限らず、原子、分子、粒子であれ
ばよい(本発明ではこれらを総称して不純物とする)。
【0052】7)金属配線7の材料として、アルミ以外
の導電材料(銅、金、銀、シリサイド、高融点金属、ド
ープドポリシリコン、窒化チタン(TiN)、タングス
テンチタン(TiW)などの合金)及びそれらの積層構
造で形成する。 8)半導体基板に代えて、導電性基板やガラス等の絶縁
性基板を用いる。
【0053】
【発明の効果】本発明にあっては、信頼性に優れた半導
体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施形態に係る半導体装置
の製造過程を示す概略断面図である。
【図2】本発明を具体化した実施形態に係る半導体装置
の製造過程を示す概略断面図である。
【図3】本発明を具体化した実施形態に係る半導体装置
の製造過程を示す概略断面図である。
【図4】本発明を具体化した実施形態に係る半導体装置
の製造過程を示す概略断面図である。
【図5】本発明を具体化した実施形態に係る半導体装置
の製造過程を示す概略断面図である。
【図6】本発明を具体化した実施形態に係る半導体装置
の製造過程を示す概略断面図である。
【図7】本発明の実施形態を説明するための特性図であ
る。
【図8】本発明の実施形態を説明するための特性図であ
る。
【図9】本発明の実施形態を説明するための特性図であ
る。
【図10】本発明の実施形態を説明するための特性図で
ある。
【図11】本発明の実施形態を説明するための特性図で
ある。
【図12】従来例に係る半導体装置の製造過程を示す概
略断面図である。
【図13】従来例に係る半導体装置の製造過程を示す概
略断面図である。
【図14】従来例に係る半導体装置の製造過程を示す概
略断面図である。
【図15】従来例に係る半導体装置の製造過程を示す概
略断面図である。
【図16】従来例に係る半導体装置の製造過程を示す概
略断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁膜 2 金属配線 3 シリコン酸化膜(第2の絶縁膜) 4 有機SOG膜(第1の絶縁膜) 5 レジストパターン 6 改質SOG膜(第1の絶縁膜) 7 ダミー配線 8 平坦化膜 9 シリコン酸化膜 10 上層金属配線

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線間に、不純物が導入された第1の絶
    縁膜からなるダミー配線を設けたことを特徴とする半導
    体装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の絶縁膜が、炭素を1%以上含
    有するシリコン酸化膜を含むことを特徴とした請求項1
    に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の絶縁膜が、無機SOG膜を含
    むことを特徴とした請求項1に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記ダミー配線の下に第2の絶縁膜を更
    に備えることを特徴とした請求項1乃至3のいずれか1
    項に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 基板上に形成された配線間に第1の絶縁
    膜を形成する工程と、 前記第1の絶縁膜の少なくとも一部に不純物を導入する
    工程と、 前記第1の絶縁膜における前記不純物が導入された個所
    を含む領域を、ダミー配線形状に加工する工程と、を含
    むことを特徴とした半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 基板上に形成された配線間を含む基板の
    表面に第1の絶縁膜を形成する工程と、 前記第1の絶縁膜の表面を、ダミー配線形成予定領域を
    残してマスクパターンで覆う工程と、 前記マスクパターンをマスクとして前記第1の絶縁膜に
    不純物を導入する工程と、 前記マスクパターンを除去した後、前記第1の絶縁膜
    を、前記不純物を導入した個所のエッチングレートがそ
    れ以外の個所のエッチングレートよりも小さい条件でエ
    ッチングすることにより、前記配線間に前記第1の絶縁
    膜からなるダミー配線を形成する工程と、を含むことを
    特徴とした半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の絶縁膜を形成するに先立っ
    て、基板の表面に第2の絶縁膜を形成することを特徴と
    する請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の絶縁膜が、炭素を1%以上含
    有するシリコン酸化膜を含むことを特徴とした請求項5
    乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の絶縁膜が、無機SOG膜を含
    むことを特徴とした請求項5乃至7のいずれか1項に記
    載の半導体装置の製造方法。
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