JP3015750B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法Info
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Description
方法に係り、詳しくは、デバイス上に層間絶縁膜を形成
する技術に関する。
を実現するために、配線の微細化、多層化を進めること
が要求されている。配線を多層化するには、各配線間に
層間絶縁膜を設けるが、その層間絶縁膜の表面が平坦で
ないと、層間絶縁膜の上部に形成された配線に段差が生
じて断線などの故障が引き起こされる。
バイスの表面)は可能な限り平坦化されていなければな
らない。このように、デバイスの表面を平坦化する技術
は、平坦化技術と呼ばれ、配線の微細化、多層化に伴っ
てますます重要になっている。平坦化技術において、よ
く用いられる層間絶縁膜としてSOG膜があり、特に層
間絶縁膜材料のフロー特性を利用した平坦化技術におい
て盛んな検討がなされている。
溶解した溶液及びその溶液から形成される二酸化シリコ
ンを主成分とする膜の総称である。SOG膜を形成する
には、まず、シリコン化合物を有機溶剤に溶解した溶液
を基板上に滴下して基板を回転させる。すると、その溶
液の被膜は、配線によって形成される基板上の段差に対
して、その凹部には厚く、凸部には薄く、段差を緩和す
るように形成される。その結果、その溶液の被膜の表面
は平坦化される。
すると共に重合反応が進行して、表面が平坦なSOG膜
が形成される。SOG膜には、一般式(1)で表される
ように、シリコン化合物中に有機成分を含まない無機S
OG膜と、一般式(2)で表されるように、シリコン化
合物中に有機成分を含む有機SOG膜とがある。
に、CVD(ChemicalVapor Deposition)法によって形
成されたシリコン酸化膜に比べて脆弱であり、膜厚を
0.5μm以上にすると熱処理時にクラックが発生しや
すいという欠点がある。
ラックの発生が抑制され、膜厚を0.5〜1μm程度に
することができる。従って、有機SOG膜を用いれば、
膜厚の大きな層間絶縁膜を得ることができ、基板上の大
きな段差に対しても十分な平坦化が可能になる。このよ
うに、無機SOG膜や有機SOG膜は、非常に優れた平
坦性を有するが、上述したように無機SOG膜は、水分
及び水酸基を多量に含んでいるために、金属配線などに
悪影響を与え、電気的特性の劣化、腐食などの問題が生
じる恐れがある。
の、有機SOG膜にも水分及び水酸基が含まれているた
め、同様の問題を有する。そこで、通常は、SOG膜を
層間絶縁膜に採用する場合において、水分及び水酸基を
比較的遮断する性質に加えて絶縁性及び機械的強度が高
い性質を持つ、例えばプラズマCVD法によって形成さ
れたシリコン酸化膜などの絶縁膜をSOG膜の上層又は
下層に介在させることが行われている(例えば、特開平
5−226334号公報(H01L21/3205)参
照)。
ラズマCVD法によって形成されたシリコン酸化膜自身
の耐水能力は、SOG膜よりは優れているが、完全では
なく、このシリコン酸化膜を設けたからといって、万全
の耐水効果を得るまでには至っていない。本発明は、半
導体装置の製造方法に関し、平坦性及び絶縁特性に優れ
た層間絶縁膜を得て、半導体装置としての信頼性を高め
ることを目的とする。
製造方法は、半導体基板上に形成されたトランジスタや
配線などの素子を有機SOG膜で覆う工程と、前記有機
SOG膜にホウ素イオンを注入して、前記有機SOG膜
中に含まれる有機成分を分解することにより改質SOG
膜を形成する工程と、を含み、前記ホウ素イオンの注入
の際に、電子シャワーを照射することをその要旨とす
る。
は、半導体基板上に形成されたトランジスタや配線など
の素子を有機SOG膜で覆う工程と、前記有機SOG膜
に窒素イオンを注入して、前記有機SOG膜中に含まれ
る有機成分を分解することにより改質SOG膜を形成す
る工程と、を含み、前記窒素イオンの注入の際に、電子
シャワーを照射することをその要旨とする。
は、請求項1又は2に記載の発明において、前記素子と
有機SOG膜との間に絶縁膜を形成する工程を更に備え
ることをその要旨とする。
は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明におい
て、前記改質SOG膜の上に絶縁膜を形成する工程を更
に備えることをその要旨とする。 また、請求項5の半導
体装置の製造方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記
載の発明において、前記改質SOG膜中のダングリング
ボンドを減少させるために、改質SOG膜に熱処理を施
す工程を更に備えることをその要旨とする。 すなわち、
有機SOG膜にイオン注入などの手法によって、ホウ素
イオン又は窒素イオンを含有させることにより、膜が改
質されて、膜に含まれる水分や水酸基が減少し且つ膜が
吸水しにくくなる。
素イオンを導入すると、イオンビーム及び有機SOG膜
(改質SOG膜)から出た2次電子のために、有機SO
G膜(改質SOG膜)が正に帯電して、この部分の電界
が高くなり、ついには大電流が基板に向けて流れて、絶
縁膜下のデバイス、例えば、ゲート絶縁膜などの薄い絶
縁膜の絶縁性が破壊される危惧があるが、イオンの導入
と共に電子シャワーも照射するので、有機SOG膜が正
に帯電しても、それを中和することができる。
に充填されて基板表面を平坦化するものであるから、他
の絶縁膜に比べて膜厚も厚く、しかも基板全面に形成さ
れ、更には、SOG膜自身の誘電率も低いので、イオン
注入された場合に正に帯電しやすいが、電子シャワーを
併用することにより、このような問題も解消される。
造方法を図1及び図2に従って説明する。 工程1(図1a参照):(100)p型(又はn型)単
結晶シリコン基板1の上にゲート酸化膜2(膜厚:10
nm)及びゲート電極3(膜厚:200nm)を形成す
る。そして、ゲート酸化膜2及びゲート電極3をマスク
とするイオン注入法を用いて基板1にn型(又はp型)
不純物をドープすることにより、ソース・ドレイン領域
4を自己整合的に形成してMOSトランジスタを完成す
る。
リコン酸化膜21を形成した後、ソース・ドレイン領域
4上のシリコン酸化膜21にコンタクトホール22を形
成する。その後、スパッタ法を用いてコンタクトホール
22内を含むデバイスの全面にアルミ合金膜(Al−S
i(1%)−Cu(0.5%))を堆積し、そのアルミ
合金膜が所望のパターンになるように異方性エッチング
を行って、ソース・ドレイン電極(ソース・ドレイン配
線)10を形成する。
を用いて、デバイスの全面にシリコン酸化膜5(膜厚:
500nm)を形成する。尚、このプラズマCVD法で
用いるガスは、モノシランと亜酸化窒素(SiH4+N2
O)、モノシランと酸素(SiH4+O2)、TEOS
(Tetra-ethoxy-silane)と酸素(TEOS+O2)など
であり、成膜温度は300〜900℃である。
の上に有機SOG膜6を形成する。有機SOG膜6の組
成は[CH3Si(OH)3]で、その膜厚は600nm
である。その形成方法は、まず、前記組成のシリコン化
合物のアルコール系溶液(例えば、IPA+アセトン)
を基板1の上に滴下して基板を回転速度:2300rpm
で20秒間回転させ、この溶液の被膜を基板1の上に形
成する。このとき、そのアルコール系溶液の被膜は、基
板1の上の段差に対して、その凹部には厚く、その凸部
には薄く、段差を緩和するように形成される。その結
果、アルコール系溶液の被膜の表面は平坦化される。
1分間、200℃で1分間、300℃で1分間、22℃
で1分間、300℃で30分間、順次熱処理を施すと、
アルコール系が蒸発すると共に重合反応が進行して、表
面が平坦な膜厚300nmの有機SOG膜が形成され
る。この被膜形成〜熱処理作業をもう1回繰り返すこと
により、膜厚600nmの有機SOG膜6を得る。
オン(B+)を加速エネルギー:140KeV、ドーズ量:
1×1015atoms/cm2の条件で有機SOG膜6にドープ
する。このように、有機SOG膜6にイオンを注入する
ことで、膜中の有機成分を分解させると共に、膜中に含
まれる水分及び水酸基を減少させる。
含まれず、水分及び水酸基が僅かしか含まれないSOG
膜(以下、改質SOG膜という)7に変えられる。更
に、このイオン注入と同時に、基板1(有機SOG膜
6)に対し、電子シャワーを照射する。図3はこのとき
に用いる電子シャワー照射装置50を示しており、照射
口51の上方に電子シャワー装置52が設けられ、照射
口51の下方に、基板1を載せるための基台53が設け
られている。そして、基台53上の基板1に向かって、
図示しないイオン注入装置からのイオンビームと電子シ
ャワー装置52からの電子シャワーが、基板1に向けて
照射され、同時に基台53が左右に走査される。
ーを照射することで、イオンビーム及び有機SOG膜6
から出た2次電子のために有機SOG膜6が正に帯電す
ることを防止する。図4は有機SOG膜へのイオン注入
の際に電子シャワーを照射することの効果を確かめるた
めのテストデバイスの断面構造を示したものである。
OCOS法により素子分離領域56を形成した後、ウェ
ット雰囲気で膜厚15nmのゲート酸化膜57を成長さ
せ、その上にポリシリコン電極58を形成する。更に、
デバイスの全面をCVD法によりシリコン酸化膜59で
覆い、ビアホールを介して前記ポリシリコン電極58に
接続されるアルミ電極配線60を形成した後、デバイス
の全面を有機SOG膜61で覆う。
化膜57の面積を20×20μm2と一定とし、アンテ
ナ比((ポリシリコン電極58の面積+アルミ電極配線
60の面積)/ゲート酸化膜57の面積)が1000〜
16000である複数のデバイスを用いた。このような
テストデバイスにおいて、ゲート酸化膜57は、ある一
定の電圧又は電流を印加し続けると、ある時間が経過し
た後、絶縁破壊を生じる。例えば、有機SOG膜61は
イオン注入などにより正に帯電しやすく、この正帯電に
より、この部分の電界が高くなり、ついには大電流が基
板55に向けて流れて、ゲート酸化膜57の絶縁性が破
壊される。この絶縁破壊に至る時間は絶縁膜に加えられ
る電界強度の関数であり、これが経時的絶縁破壊現象、
すなわち、TDDB(Time-Dependent Dielectric Brea
kdown)と呼ばれる。
荷量)は、ポリシリコン電極58及びアルミ配線電極6
0に定電流ストレスを印加したTDDB測定から50%
破壊に至るまでの時間を求め、次式を用いて計算する。 Qbd=ist×tbd ここで、istはストレス電流、tbdは50%破壊に至るま
での時間である。尚、ストレス電流は10mA/cm2
とする。
Qbdとアンテナ比との関係を、(1)有機SOG膜61に
イオン注入しない場合(unimplanted:図中実線)、(2)
有機SOG膜61にイオン注入した場合(implanted(0m
A):図中細かな点線■印)、(3)本実施形態と同様、有
機SOG膜61にイオン注入すると同時に電子シャワー
を照射した場合(implanted(50mA):図中大まかな点線
△印及びimplanted(150mA)図中一点鎖線▲印)のそれぞ
れの場合について示したものである。
は、電子シャワー装置52のエミッション電流で、供給
電子の量を制御するパラメータである。図5から明らか
なように、有機SOG膜61にイオン注入した場合は、
アンテナ比が高くなるにつれて、Qbdが低下する(酸化
膜の寿命が短くなる)のに対し、有機SOG膜61にイ
オン注入すると同時に電子シャワーを照射した場合は、
有機SOG膜61にイオン注入しない場合とほぼ同様
に、アンテナ比が変わってもQbdは変化せず、高い値を
保っている。これは、電子シャワーにより、有機SOG
膜61が正帯電することが打ち消されることを示してい
る。
膜6へのイオン注入のためにイオンビームを照射して
も、有機SOG膜6(改質SOG膜7)が正に帯電する
ことが抑制され、膜下のゲート酸化膜2などが絶縁破壊
を起こすことを防止できる。 工程4(図2a参照):プラズマCVD法を用いて、改
質SOG膜7の上にシリコン酸化膜8(膜厚:200n
m)を形成する。シリコン酸化膜8の形成条件はシリコ
ン酸化膜5と同じである。
素の混合ガス系をエッチングガスとして用いる異方性エ
ッチングを行い、ソース・ドレイン領域4の上の各膜
5,7,8にビアホール9を形成する。 工程7(図2c参照):不活性ガス(例えばAr)を用
いたスパッタエッチングによって、ビアホール9内をク
リーニングした後、マグネトロンスパッタ法を用いて、
前記ビアホール9内及びシリコン酸化膜8の上に、Al
合金膜(Al−Si(1%)−Cu(0.5%))(膜
厚500nm)、Ti膜(膜厚50nm)及びTiN膜
(膜厚20nm)を順次下から形成する。
エッチング技術(RIE法等)により、レジスト(図示
略)塗布、露光、エッチング作業を経て、アルミ合金
膜、Ti膜及びTiN膜を所定形状にパターニングし
て、上層金属配線23を形成する。このように本実施形
態においては、シリコン酸化膜5、改質SOG膜7及び
シリコン酸化膜8からなる3層構造の層間絶縁膜11が
MOSトランジスタの上に形成され、改質SOG膜7の
存在により、層間絶縁膜11の膜厚を大きくすることが
でき、基板1上の大きな段差に対しても十分な平坦性が
可能になる。
膜7が挟まれたサンドイッチ構造が採用されているの
は、層間絶縁膜11全体としての絶縁性及び機械的強度
を更に高めるためでもある。また、一般に、プラズマC
VD法で形成したシリコン酸化膜は、それ自体、有機S
OG膜に比べて吸湿性が低く、耐水性にも優れている
が、このシリコン酸化膜にイオンを注入することで、若
干吸湿性が高くなる(それでも有機SOG膜よりは遥か
に低い)。シリコン酸化膜5の吸湿性が若干高くなるぶ
んには、上層に吸湿性が少なく、耐水性にも優れた改質
SOG膜7が存在するので、あまり問題にならないが、
シリコン酸化膜8の吸湿性が高くなると、上層金属配線
23に悪影響を与えるので、シリコン酸化膜8は、極力
吸湿性が低い方がよい。従って、本実施形態では、有機
SOG膜6へのイオン注入後にシリコン酸化膜8を形成
することで、シリコン酸化膜8の吸湿性が高まることを
防止している。
れていないため、ビアホール9を形成するためのエッチ
ングを、四フッ化炭素と水素の混合ガス系の雰囲気中で
行うことができる。そのため、このエッチングにおい
て、エッチングマスクとしてフォトレジストを用いた場
合でも、そのフォトレジストが侵されることはなく、そ
のフォトレジストでマスクされている改質SOG膜7が
エッチングされることもない。従って、微細なビアホー
ル9を正確に形成することができる。
れていないため、改質SOG膜7のエッチングレートは
各シリコン酸化膜5,8と同じになる上に、エッチング
マスクとして用いたフォトレジストを除去する際のアッ
シング処理時に改質SOG膜7が収縮することはない。
そのため、改質SOG膜7にクラックが生じることはな
く、ビアホール9を形成する際にリセスが発生すること
はない。従って、ビアホール9内に上部金属配線23を
十分に埋め込むことが可能になる。
性にも優れている。図6は酸素プラズマ耐性の指標とし
て、改質SOG膜7の膜厚減少に着目して評価すべく、
有機SOG膜6にアルゴンイオンを注入して形成した改
質SOG膜7を酸素プラズマに晒したときの膜厚変化に
ついて示したものである。尚、イオン注入の条件は、加
速エネルギー:140KeV、ドーズ量:1×1015atoms
/cm2である。
合(O2 plasma)、当初の有機SOG膜6(No treatment)
の膜厚に比べて、膜厚が16%減少したのに対し、改質
SOG膜7を酸素プラズマに晒した場合(O2 plasma aft
er Ar+ impla.)、当初の改質SOG膜7(Ar+ impla.)の
膜厚に比べて、膜厚がほとんど減少しないことが分かっ
た。但し、改質SOG膜7の膜厚は有機SOG膜6の膜
厚に比べて25%減少している。
プラズマ耐性の優れた膜であることが分かった。また、
酸素プラズマに晒した場合よりも、イオン注入した場合
の方が膜厚減少が大きいことから、イオン注入した方が
膜の密度が大きいと考えられる。このように、改質SO
G膜7は、酸素プラズマ耐性に優れているから、例え
ば、ビアホール9を形成するためのエッチングガスとし
て、酸素系のガスをも含有させることができ、ガス種選
択の幅が広がる上に、エッチングマスクとして用いたフ
ォトレジストをアッシングする際にもアッシング効率の
良い酸素系のガスを用いることができる。
ず、水分及び水酸基が僅かしか含まれない上に、改質後
もクラックが発生しないから、各シリコン酸化膜5,8
のいずれか一方又は双方を省くこともできる。図7は有
機SOG膜6(未処理:unimplanted)及び改質SOG膜
7(イオン注入処理:Ar+-implanted)のそれぞれに窒素
雰囲気で30分間の熱処理を施し、TDS法(Thermal D
esorption Spectroscopy)を用いて評価した結果を示し
ている。尚、イオン注入条件は、加速エネルギー:14
0KeV、ドーズ量:1×1015atoms/cm2である。
る脱離量を表したものであり、図から明らかなように、
改質SOG膜7はH2O(m/e=18)に関する脱離
が少ないことが分かる。このことは、有機SOG6にイ
オン注入を行って、改質SOG膜7とすることにより、
有機SOG膜6に含まれる水分及び水酸基が減少するこ
とを示している。
の吸湿性を調べる目的で、有機SOG膜6(no treatmen
t)、有機SOG膜6を酸素プラズマに晒したもの(O2 Pl
asma)及び改質SOG膜7(Ar+)をクリーンルーム内で大
気中に放置し、膜中の水分を評価した結果を示してい
る。膜中の水分量は、FT−IR法(Fourier Transform
Infrared Spectroscopy)を用いて、赤外吸収スペクトル
のO−H基に関する吸収(3500cm-1付近)の面積強
度を指標とした。イオン注入条件は、加速エネルギー:
140KeV、ドーズ量:1×1015atoms/cm2である。
水分増加だけでなく、1日後でも水分が増加しているこ
とが分かる。一方、改質SOG膜7は、イオン注入後に
増加していないだけでなく、クリーンルーム内で大気に
放置しても、有機SOG膜6に比べて水分の増加は小さ
い。即ち、改質SOG膜7は、有機SOG膜6に比べて
吸湿性が低いことが分かる。
の水分の透過性を調べる目的で、プレッシャー・クッカ
ー試験(PCT)(加湿試験のことで、本実施形態で
は、条件として、120℃、2気圧の飽和水蒸気雰囲気
で行った)した結果を示している。FT−IR法を用い
て、有機SOG膜6中のO−Hに関する吸収ピーク(3
500cm-1付近)の面積強度を求め、PCT時間との関
係をプロットした。
試料(Ar+20KeV)を作製し、膜全体を改質したもの
(Ar+140KeV)や改質しなかったもの(有機SOG
膜6:Untreatment)と比較した結果、以下のことが分
かった。 (1)改質していない有機SOG膜6をPCTした場
合、3500cm-1付近(O−H基に関する)の吸収強度
が劇的な増加を示す。
付近(O−H基に関する)の吸収強度の増加は小さい。
膜表面だけを改質した試料でも、膜全体を改質したもの
と同程度である。 以上の結果から、イオンを注入することで、水分の透過
性を抑制する層を形成できることが分かる。
たようなNMOSトランジスタの上にシリコン酸化膜8
/有機SOG膜6(改質SOG膜7)/シリコン酸化膜
5からなる層間絶縁膜を形成したテストデバイスを用い
て、各種実験を行った結果を示している(尚、このテス
トデバイスは、有機SOG膜6にアルゴンイオンを注入
することにより、改質SOG膜7を形成する)。
ャリア寿命(Gm(相互コンダクタンス)がある一定の
割合劣化するまでの時間のこと、トランジスタの寿命を
示すパラメータの1つ)のドレイン電圧依存性を示した
もので、イオン注入していな有機SOG膜を用いたもの
に比べ、改質SOG膜7を用いたもの(特に、加速エネ
ルギーを140KeVとしたもの)は、ホットキャリア寿
命が約2桁延びることが分かる。
温度条件下で、テストデバイスのトランジスタに5Vの
電圧を2時間印加し続ける試験)の前後におけるしきい
値Vtを示したもので、図11は加速試験前のしきい値
Vtを、図12は加速試験前後のしきい値Vtの変化量
をそれぞれ示している。図11に示すように、加速試験
前にあっては、イオン注入していない有機SOG膜を用
いたものも改質SOG膜7を用いたものもほとんどしき
い値に変化がない。
入していない有機SOG膜を用いたものが、試験の前後
でしきい値Vtが大幅に変化するのに対し、改質SOG
膜7を用いたもの(特に、加速エネルギーを140KeV
としたもの)は、ゲート長に関係なくしきい値Vtの変
化がほとんど見られない。この結果は、MOSトランジ
スタのしきい値特性が長期にわたり安定することを示し
ている。
おけるトランジスタのGmの変化量を示したものであ
る。イオン注入していない有機SOG膜を用いたもの
が、試験の前後でGmが大幅に変化するのに対し、改質
SOG膜7を用いたもの(特に、加速エネルギーを14
0KeVとしたもの)は、ゲート長に関係なくGmの変化
はほとんど見られない。この結果は、MOSトランジス
タのGmが長期にわたり安定することを示している。
膜7を加速エネルギーが20KeVの条件で形成したもの
は、加速エネルギーが140KeVの条件で形成したもの
に比べて、その改善効果はわずかである。これは、図1
4の通り、加速エネルギー(注入エネルギー)が有機S
OG膜の改質深さとほぼ正の相関関係にあり、加速エネ
ルギーが20KeVの場合には、有機SOG膜6の表層
(約50nm)のみ改質されたためと考えられる。
膜6にイオン注入によって、不純物を含有させることに
より、膜が改質されて、膜に含まれる水分や水酸基が減
少し且つ膜が吸水しにくくなり、信頼性の高い層間絶縁
膜を得ることができる。また、イオン注入と同時に電子
シャワーを照射することで、有機SOG膜6(改質SO
G膜7)の正帯電を防止し、絶縁特性に優れた層間絶縁
膜を得ることができる。
ではなく、以下のように実施しても同様の作用効果を得
ることができる。 1)有機SOG膜6に代えて、ポリイミドやシロキサン
編成されたポリイミドなどを用いる。有機SOG膜を含
め、これらは総称して有機系ポリマー(又は有機系回転
塗布膜)と呼ばれる。
VD法以外の方法(常圧CVD法、減圧CVD法、EC
RプラズマCVD法、光励起CVD法、TEOS−CV
D法、PVD法など)によって形成されたシリコン酸化
膜を用いる。この場合、常圧CVD法で用いられるガス
はモノシランと酸素(SiH4+O2)であり、成膜温度
は400℃以下である。また、減圧CVD法で用いられ
るガスはモノシランと亜酸化窒素(SiH4+N2O)で
あり、成膜温度は900℃以下である。
水酸基を遮断する性質に加えて機械的強度が高い性質を
持つ他の絶縁膜(シリコン窒化膜、シリケートガラス膜
など)に置き代える。その絶縁膜はCVD法やPVD法
などどのような方法によって形成してもよい。 4)ソース・ドレイン電極10、配線23を、アルミ以
外の導電材料(銅、金、銀、シリサイド、高融点金属、
ドープドポリシリコン、窒化チタン(TiN)、タング
ステンチタン(TiW)などの合金)及びそれらの積層
構造で形成する。
場合、改質SOG膜7中のダングリングボンドが少なく
なるため。吸湿性が更に小さくなり、水分の透過も更に
少なくなる。 6)有機SOG膜6の組成を一般式(2)で表されるも
のに置き代える。 7)有機SOG膜6の組成を一般式(1)で表される無
機SOG膜に置き代え、その無機SOG膜にイオン注入
を行う。この場合には、無機SOG膜に含まれる水分及
び水酸基を減少させることができる。
としても使用する。この場合、デバイスを機械的・化学
的に確実に保護することが可能な優れたパッシベーショ
ン膜を得ることができる。 9)上記実施形態では、有機SOG膜6に注入するイオ
ンとしてホウ素(ボロン)イオンを用いたが、結果とし
て有機SOG膜6を改質するものであればどのようなイ
オンを用いてもよい。
ン、窒素イオンなどの質量の比較的小さいイオンが適し
ており、中でもホウ素イオンがもっとも適しているが、
これら以外にも以下に示すイオンも十分に効果が期待で
きる。アルゴン以外の不活性ガスイオン(ヘリウムイオ
ン、ネオンイオン、クリプトンイオン、キセノンイオ
ン、ラドンイオン)。不活性ガスは有機SOG膜6と反
応しないため、イオン注入によって悪影響が生じる恐れ
が全くない。
b,VII bの各族の元素単体イオン及びそれらの化合物イ
オン。特に、酸素、アルミ、イオウ、塩素、ガリウム、
ゲルマニウム、ヒ素、セレン、臭素、アンチモン、ヨウ
素、インジウム、スズ、テルル、鉛、ビスマスの元素単
体イオン及びそれらの化合物イオン。この中で、金属元
素イオンについては、イオン注入後の有機SOG膜6の
誘電率を低く抑えることができる。
の化合物イオン。特に、チタン、バナジウム、ニオブ、
ハフニウム、タンタルの元素単体イオン及びそれらの化
合物イオン。IVa族,Va族の元素の酸化物は誘電率が高
いため、イオン注入後の有機SOG膜6の誘電率も高く
なるが、特に低い誘電率の層間絶縁膜が要求される場合
以外には実用上問題ない。
この場合、各イオンの相乗作用により更に優れた効果を
得ることができる。 10)上記実施形態では、有機SOG膜6にイオンを注
入しているが、イオンに限らず、運動エネルギーを有す
る原子、分子、粒子であればよい(本発明ではこれらを
総称して不純物とする)。
ネトロンスパッタリング以外に、ダイオードスパッタリ
ング、高周波スパッタリング、四極スパッタリング等の
ようなものであってもよい。 12)スパッタエッチングの方法として、不活性ガスを
用いる以外に、反応性ガス(例えばCCl4、SF6)を
用いた反応性イオンビームエッチング(RIBE、反応
性イオンミリングとも呼ばれる)を用いてもよい。
実現する場合、上層金属配線23の上にも改質SOG膜
7を形成することが考えられる。この場合においても、
改質SOG膜7形成のためのイオン注入と同時に電子シ
ャワーを照射する。
して、膜に含まれる水分や水酸基が減少し且つ膜が吸水
しにくくなるので、これら水分による周辺素子への悪影
響を防止することができる。従って、平坦性及び絶縁特
性に優れた絶縁膜を得て、半導体装置としての信頼性を
高めることができる。
り、絶縁膜の正帯電に起因するデバイス特性の劣化を防
止することができる。従って、平坦性及び絶縁特性に優
れた絶縁膜を得て、半導体装置としての信頼性を高める
ことができる。
置の製造過程を示す概略断面図である。
置の製造過程を示す概略断面図である。
装置の概略図である。
バイスの断面図である。
ある。
ある。
ある。
ある。
ある。
である。
である。
である。
である。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 半導体基板上に形成されたトランジスタ
や配線などの素子を有機SOG膜で覆う工程と、 前記有機SOG膜にホウ素イオンを注入して、前記有機
SOG膜中に含まれる有機成分を分解することにより改
質SOG膜を形成する工程と、を含み、前記ホウ素イオ
ンの注入の際に、電子シャワーを照射する ことを特徴と
した半導体装置の製造方法。 - 【請求項2】 半導体基板上に形成されたトランジスタ
や配線などの素子を有機SOG膜で覆う工程と、 前記有機SOG膜に窒素イオンを注入して、前記有機S
OG膜中に含まれる有機成分を分解することにより改質
SOG膜を形成する工程と、を含み、前記窒素イオンの
注入の際に、電子シャワーを照射する ことを特徴とした
半導体装置の製造方法。 - 【請求項3】 前記素子と有機SOG膜との間に絶縁膜
を形成する工程を更に備えることを特徴とした請求項1
又は2に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項4】 前記改質SOG膜の上に絶縁膜を形成す
る工程を更に備えることを特徴とした請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項5】 前記改質SOG膜中のダングリングボン
ドを減少させるために、改質SOG膜に熱処理を施す工
程を更に備えることを特徴とした請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の半導体装置の製造方法。
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---|---|---|---|
JP8345587A JP3015750B2 (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8345587A JP3015750B2 (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 半導体装置の製造方法 |
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JP3015750B2 true JP3015750B2 (ja) | 2000-03-06 |
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TW428230B (en) * | 1999-09-27 | 2001-04-01 | United Microelectronics Corp | Post-treatment procedure for material with low dielectric constant |
-
1996
- 1996-12-25 JP JP8345587A patent/JP3015750B2/ja not_active Expired - Fee Related
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